JP4372740B2 - ブレーキ制御装置およびブレーキの制御方法 - Google Patents
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Description
そこで、従来のブレーキ制御装置は、車両全体としてのブレーキ力(本発明の「総合ブレーキ力」に相当する)に対する各車両のブレーキ力(本発明の「分担ブレーキ力」に相当する)の割合であるブレーキ分担率を設定してブレーキ分担率制御を行っている。
ブレーキ分担率は、収集された過去の走行データから算出される滑走頻度の累積データから、車両全体としてのブレーキ力を確保したうえで、先頭車のブレーキ力を低減し、その低減分を中間車に負担させるように設定されている。
このように、ブレーキ分担率に基づいて各車両のブレーキ力を設定することにより、滑走が低減される(例えば、非特許文献1参照)。
また、この発明のブレーキの制御方法によれば、累積滑走距離が、各車両で同一となるようにブレーキ分担率を設定するので、滑走の発生を抑制し、安定したブレーキ力を得ることができる。
図1は、この発明の実施の形態1に係るブレーキ制御装置を周辺機器構成とともに示すブロック図である。なお、制御装置本体1は、車両群を構成する各車両に設けられている。
ここで、応荷重装置4は、車両の荷重に応じて力行主回路電流、電気ブレーキ電流および空気ブレーキ圧力などを自動的に増減させることにより、荷重の大小にかかわらず、ほぼ一定の加速度および減速度を得ることができるようにするものである。
例えば、応荷重装置4は、車両の荷重を台車のバネのたわみ量で検出し、たわみ量に応じて電気ブレーキの電流を増減させる。
滑走検知部9では、速度センサ6から入力される車軸5の回転速度が監視されている。ここで、滑走検知部9は、各車軸5に取り付けられた複数の速度センサ6の出力のうち、一番の高い出力値を基準として、その出力値からの差が任意に設定される所定値を超えた場合に、回転速度が遅い側の車輪が滑走していることを検知する。
車輪の滑走が発生した場合、滑走距離算出部10では、滑走時の速度に滑走の継続時間を乗算して算出される滑走距離が累積され、各車軸5の累積滑走距離が演算される。
図2において、一般的に、ブレーキ分担率が高いほど累積滑走距離は増加する。また、レール面上にある水、雪および塵埃等の影響により、先頭車両側ほど累積滑走距離は増加する。
ブレーキ力設定部12では、総合ブレーキ力とブレーキ分担率とに基づいて分担ブレーキ力が設定され、ブレーキ制御信号として基礎ブレーキ装置7に出力される。
基礎ブレーキ装置7では、ブレーキ制御信号に基づいて車輪に対するブレーキ力が発生される。
そのものの場合、各車両の各車軸5に設けられた速度センサ6の値が全て1つの滑走検知部9に入力される。滑走検知部9では、各車両の各車軸5について滑走の有無が検知される。滑走距離算出部10では、各車両の各車軸5の累積滑走距離が演算される。
また、ブレーキ分担率演算部11では、各車両の各車軸5の累積滑走距離に基づいてそれぞれの車両のブレーキ分担率が演算される。ブレーキ力設定部12では、総合ブレーキ力とブレーキ分担率とに基づいて分担ブレーキ力が設定され、ブレーキ制御信号として各車両の基礎ブレーキ装置7に出力される。
図3は、この発明の実施の形態2に係るブレーキ制御装置を周辺機器構成とともに示すブロック図である。
図3において、各車両に設けられた制御装置本体1は、双方向に伝送可能に制御伝送装置端末(制御伝送部)13と接続されている。
この場合のブレーキ分担率の例を図4に示す。
上記の実施の形態1および2では、車両の走行中に車輪の滑走を検知し、滑走した車両が走行した距離を累積した累積滑走距離に基づいてブレーキ分担率が演算されているが、収集された過去の走行データから求められる、例えば図4に示すような累積滑走距離に基づいて、累積滑走距離が各車両で同一となるように固定値としてブレーキ分担率を設定してもよい。
Claims (6)
- 複数の車両からなる車両群を制動させる総合ブレーキ力を演算するブレーキ力演算部と、
前記車両の車輪の滑走を検知する滑走検知部と、
前記滑走検知部が前記車輪の滑走を検知した場合に、前記車両の滑走距離を累積して累積滑走距離を算出する滑走距離算出部と、
各前記車両に関して制動させる分担ブレーキ力の、前記総合ブレーキ力に対する割合を示すブレーキ分担率を演算するブレーキ分担率演算部と、
前記総合ブレーキ力と前記ブレーキ分担率とに基づいて前記分担ブレーキ力を設定するブレーキ力設定部と
を有する制御装置本体、および
前記制御装置本体と双方向に情報伝送可能に接続された制御伝送部を備え、
前記ブレーキ分担率演算部は、前記累積滑走距離に基づいて前記ブレーキ分担率を演算し、
前記制御伝送部は、前記総合ブレーキ力を維持するとともに、各前記車両の前記累積滑走距離が同一となるように前記分担ブレーキ力を設定することを特徴とするブレーキ制御装置。 - 前記ブレーキ分担率演算部は、前記車両毎に前記ブレーキ分担率を演算し、前記ブレーキ力設定部は、前記総合ブレーキ力と前記ブレーキ分担率とに基づいて前記車両毎に前記分担ブレーキ力を設定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
- 前記ブレーキ分担率演算部は、前記車両の台車毎に前記ブレーキ分担率を演算し、前記ブレーキ力設定部は、前記総合ブレーキ力と前記ブレーキ分担率とに基づいて前記台車毎に前記分担ブレーキ力を設定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
- 前記ブレーキ分担率演算部は、前記車両の車軸毎に前記ブレーキ分担率を演算し、前記ブレーキ力設定部は、前記総合ブレーキ力と前記ブレーキ分担率とに基づいて前記車軸毎に前記分担ブレーキ力を設定することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
- 前記制御伝送部は、前記車輪にブレーキ力を発生する基礎ブレーキ装置のうち、前記車両群の任意の前記車両の前記基礎ブレーキ装置に異常が発生した場合に、その他の前記車両で前記総合ブレーキ力を維持するように前記分担ブレーキ力を設定することを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか1項に記載のブレーキ制御装置。
- 複数の車両からなる車両群を制動させる総合ブレーキ力に対する各前記車両に関して制動させる分担ブレーキ力の割合を示すブレーキ分担率を設定して前記車両を制動するブレーキの制御方法であって、
前記ブレーキ分担率は、前記車両の車輪の滑走距離を累積した累積滑走距離が、各前記車両で同一となるように設定されることを特徴とするブレーキの制御方法。
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