JP2003291797A - 鉄道車両のブレーキ制御装置 - Google Patents

鉄道車両のブレーキ制御装置

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JP2003291797A
JP2003291797A JP2002097164A JP2002097164A JP2003291797A JP 2003291797 A JP2003291797 A JP 2003291797A JP 2002097164 A JP2002097164 A JP 2002097164A JP 2002097164 A JP2002097164 A JP 2002097164A JP 2003291797 A JP2003291797 A JP 2003291797A
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Daisei Yamazaki
大生 山崎
Masanobu Nankiyou
政信 南京
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Abstract

(57)【要約】 鉄道車両を所定の速度に減速したり定点に停止させる
のが容易である鉄道車両のブレーキ制御装置を提供する
こと。 【課題】 【解決手段】 鉄道車両の速度を前記車輪の回転速度に
基いて検出する速度検出手段1と、鉄道車両を減速する
減速中の目標速度を設定する目標速度設定手段2と、目
標速度に前記鉄道車両の速度が追従するように、ブレー
キ装置6をフィードバック制御する速度フィードバック
制御手段3とを備えることによって、制輪子−車輪間
や、ブレーキライニング−ブレーキディスク間の摩擦係
数の変動が生じても、鉄道車両が目標速度に追従する。
したがって、鉄道車両を所定の速度に容易に減速でき、
また、定点に容易に停止させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両のブレー
キ装置を制御するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両用ブレーキ装置を制御する場
合、例えば、各鉄道車両に、乗務員の常用ブレーキのブ
レーキノッチ操作によって常用ブレーキ指令線により電
気信号として各鉄道車両に配信される常用ブレーキ指令
信号を受けて、列車速度、車両荷重、発電ブレーキ力を
勘案し所要ブレーキ力をブレーキ受量器によって演算
し、このブレーキ受量器からブレーキ制御信号を出力
し、このブレーキ制御信号を電空変換弁に入力する。こ
の電空変換弁は、供給空気だめから供給される圧縮空気
の圧力を制御し、ブレーキ制御信号の電流値に比例した
空気圧力を、ブレーキ装置のブレーキシリンダに供給し
ている。このブレーキ装置では、ブレーキシリンダに供
給された空気圧力によって制輪子を車輪の踏面に押付け
たり、ブレーキライニングで車輪に設けられたブレーキ
ディスクを挟み付けたりすることによって、走行してい
る鉄道車両を摩擦力によって減速させたり停止させるよ
うになっている。また、鉄道車両が下り坂を走行してい
る場合には、鉄道車両に重力によって正の加速度が付加
するので、鉄道車両を所定の速度に保持するために、乗
務員がブレーキノッチを操作して、上記と同様にしてブ
レーキ装置を制御するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記鉄道車
両のブレーキ装置は、制輪子−車輪間の摩擦や、ブレー
キライニング−ブレーキディスク間の摩擦力を利用して
いるため、この摩擦係数の変動によってブレーキ力が変
化する。一方、前記ブレーキ受量器から出力されて電空
変換弁に入力されるブレーキ制御信号は、前記摩擦係数
の変動は考慮されていない。したがって、鉄道車両を所
定の速度に減速したり、所定の位置(定点位置)に停止さ
せるために必要な減速力を得るために、乗務員がブレー
キノッチを操作して、ブレーキシリンダによるブレーキ
力を調整しても、制輪子やブレーキライニングが磨耗し
たりして、所要の減速力を得ることができない場合があ
り、鉄道車両を所定の速度に減速したり定点に停止させ
るのが困難であった。また、鉄道車両が下り坂を走行し
ている場合、鉄道車両には重力によって正の加速度が付
加されるので、乗務員がブレーキノッチを操作して鉄道
車両を所定の速度に保持するのが困難であった。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされてもの
で、鉄道車両を所定の速度に減速したり定点に停止させ
るのが容易であり、また、鉄道車両を所定の速度に容易
に保持できる鉄道車両のブレーキ制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、例えば図1に示すように、
走行している鉄道車両をある速度から所定の速度まで減
速する際に前記鉄道車両の車輪を制動するブレーキ装置
を制御する鉄道車両のブレーキ制御装置であって、前記
鉄道車両の速度を前記車輪の回転速度に基いて検出する
速度検出手段(例えば速度発電機)1と、前記鉄道車両の
減速中における目標速度を設定する目標速度設定手段2
と、この目標速度設定手段2によって設定された目標速
度に前記鉄道車両の速度が追従するように、前記ブレー
キ装置6をフィードバック制御する速度フィードバック
制御手段3とを備えていることを特徴とする鉄道車両の
ブレーキ制御装置。
【0006】ここで、前記目標速度設定手段では、例え
ば、鉄道車両をある速度から所定の速度まで所定時間で
減速する際の前記所定時間内の各時刻に対する目標速度
を設定して、目標速度パタンとして生成してもよいし、
鉄道車両をある速度から所定の速度まで所定距離で減速
する際の前記所定距離内の各地点に対する目標速度を設
定して、目標速度パタンとして生成してもよい。
【0007】請求項1記載の発明によれば、速度検出手
段によって、鉄道車両の速度を車輪の回転速度に基いて
検出し、目標速度設定手段によって、鉄道車両をある速
度から所定の速度まで減速する減速中の目標速度を設定
し、速度フィードバック制御手段によって、前記目標速
度に鉄道車両の速度が追従するように、ブレーキ装置を
フィードバック制御するので、制輪子−車輪間や、ブレ
ーキライニング−ブレーキディスク間の摩擦係数の変動
が生じても、鉄道車両が減速中の目標速度に追従する。
したがって、鉄道車両を所定の速度に容易に減速でき、
また、定点に容易に停止させることができる。また、車
輪が何らかの外因によって滑走している場合、目標速度
に対して車輪の回転速度が遅くなるが、目標速度に鉄道
車両の速度つまり車輪の回転速度が追従するように、ブ
レーキ装置をフィードバック制御するので、ブレーキ装
置は車輪の制動力を緩めるように制御され、車輪とレー
ルとの間の粘着状態が回復するので車輪の滑走を抑制で
きる。
【0008】請求項2記載の発明は、走行している鉄道
車両に重力によって正の加速度が付加される場合に前記
鉄道車両の車輪を制動するブレーキ装置を制御するブレ
ーキ制御装置であって、前記鉄道車両の速度を前記車輪
の回転速度に基いて検出する速度検出手段(例えば速度
発電機)1と、前記鉄道車両の目標速度を設定する目標
速度設定手段2と、この目標速度設定手段2によって設
定された目標速度に鉄道車両の速度が追従するように、
ブレーキ装置をフィードバック制御する速度フィードバ
ック制御手段3とを備えていることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明によれば、速度検出手
段によって、鉄道車両の速度を車輪の回転速度に基いて
検出し、目標速度設定手段によって、鉄道車両の目標速
度を設定し、速度フィードバック制御手段によって目標
速度に鉄道車両の速度が追従するように、ブレーキ装置
をフィードバック制御するので、鉄道車両が下り坂を走
行していて、鉄道車両に重力によって正の加速度が付加
される場合に、乗務員がブレーキノッチを操作すること
なく、鉄道車両を所定の速度に容易に保持できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
るブレーキ制御装置の実施の形態について説明する。図
1はブレーキ制御装置の概略構成を示すものである。こ
のブレーキ制御装置は、走行している鉄道車両をある速
度から所定の速度まで減速する際に前記鉄道車両の車輪
を制動するブレーキ装置を制御する装置である。図1に
おいて、符号1は速度検出手段、符号2は目標速度設定
手段、符号3は速度フィードバック制御手段を示す。速
度検出手段1は、鉄道車両の車軸の端部に取り付けられ
ているいる速度発電機1であり、この速度発電機1によ
って鉄道車両の速度を鉄道車両の車輪の回転速度に基い
て検出するようになっている。
【0011】目標速度設定手段2および速度フィードバ
ック制御手段3は、従来のブレーキ受量器4に組み込ま
れたものである。このブレーキ受量器4では、ブレーキ
ノッチ操作によって常用ブレーキ指令線により常用ブレ
ーキ指令信号を受けて、鉄道車両速度、車両荷重、発電
ブレーキ力を勘案し所要ブレーキ力を演算して、ブレー
キ制御信号を出力し、このブレーキ制御信号を電空変換
弁5に入力するようになっている。この電空変換弁5
は、供給空気だめから供給される圧縮空気の圧力を制御
し、ブレーキ制御信号の電流値に応じた空気圧力を中継
弁7で増幅しブレーキ装置6のブレーキシリンダに供給
している。このブレーキ装置6では、空気圧力によって
ブレーキシリンダで、制輪子を車輪の踏面に押付けた
り、ブレーキライニングで車輪に設けられたブレーキデ
ィスクを挟み付けたりすることによって、走行している
鉄道車両を摩擦力によって減速させたり停止させるよう
になっている。
【0012】目標速度設定手段2は、鉄道車両の減速中
における目標速度を設定するものであり、例えば鉄道車
両をある速度から所定の速度まで所定時間で減速する際
の前記所定時間内の各時刻に対する目標速度を設定する
か、または、鉄道車両をある速度から所定の速度まで所
定距離で減速する際の前記所定距離内の各地点に対する
目標速度を設定し、この目標速度は目標速度パタンとし
て生成される。目標速度パタンとしては、例えば、ブレ
ーキ指令が入力されたときの速度を初期値として、目標
とする減速度を時間積分して作成する。例えば、図2に
示すように、ブレーキ指令が入力されたときの速度が4
0km/hである場合、この速度を初期値とし、所定の時間
(鉄道車両を停止させるまでに要する時間)を9秒(14
S−3S)とすると、一点鎖線で示す直線L1が目標速
度パタンである。
【0013】速度フィードバック制御手段3は、目標速
度設定手段2によって設定された減速中の目標速度パタ
ンに前記鉄道車両の速度が追従するように、ブレーキ装
置6をフィードバック制御するものであり、例えば、目
標速度設定手段2によって設定された各時刻における目
標速度に前記鉄道車両の速度が追従するように、前記ブ
レーキ装置6フィードバック制御するか、または目標速
度設定手段2によって設定された各地点における目標速
度に前記鉄道車両の速度が追従するように、前記ブレー
キ装置6をフィードバック制御する。この場合、まず、
速度検出手段(速度発電機)1によって車両の速度を車
輪の回転速度に基いて検出し、この検出信号を、速度フ
ィードバック制御手段3に入力する。一方、ATS−P
制御の地上子8から地点情報を地点情報記憶部9に入力
する。この地点情報は、現在の鉄道車両の位置を把握す
るためのものであり、キロ程や地点子位置データであ
る。また、地点情報記憶部9には、速度発電機1によっ
て検出された車両の速度の信号が入力される。そして、
前記地点情報記憶部9に記憶された地点情報と鉄道車両
の速度とに基いて目標速度設定手段2によって目標速度
パタンが生成されると、この目標速度パタンの各時刻ま
たは各地点における目標速度に前記鉄道車両の速度が追
従するように、前記ブレーキ装置6を速度フィードバッ
ク制御手段3によってフィードバック制御する。つま
り、目標速度と鉄道車両の速度との差を算出し、この差
に制御要素をかけたブレーキ制御信号を速度フィードバ
ック制御手段3から出力して、電空変換弁5に入力す
る。この電空変換弁5では、供給空気だめから供給され
る圧縮空気の圧力を制御し、ブレーキ制御信号の電流値
に応じた空気圧力を中継弁7で増幅しブレーキ装置6の
ブレーキシリンダに入力する。このブレーキ装置6で
は、空気圧力によってブレーキシリンダで、制輪子によ
る車輪の踏面への押付けや、ブレーキライニングによる
ブレーキディスクの挟み付けの強さを調整することによ
って、走行している鉄道車両の制動制御を行って、目標
速度に鉄道車両の速度が追従するように制御する。
【0014】また、鉄道車両を定点位置に停止させる、
定点停止制御を行う場合、地点情報と現在の鉄道車両の
速度を参照して、以下の式が満足されるときに、自動的
にブレーキをかけ、速度フィードバック制御を行う鉄道
車両を目標停止地点に停止させる。 V−(2β(Sref−S−V0・t0))1/2 ≧0 ここで、V:鉄道車両速度、 β:目標減速度、 Sre
f:停止目標地点、S:現在地点、V0:ブレーキ初速度
(V0は現在の鉄道車両の速度Vとみなしてよい)、
0:空走時間
【0015】本実施の形態によれば、速度フィードバッ
ク制御手段3によって、減速中の各時刻または各地点に
おける目標速度に鉄道車両の速度が追従するように、ブ
レーキ装置6をフィードバック制御するので、制輪子−
車輪間や、ブレーキライニング−ブレーキディスク間の
摩擦係数の変動が生じても、鉄道車両が減速中において
前記所定時間内または所定距離内における各時刻または
各地点の目標速度に追従する。したがって、鉄道車両を
所定の速度に容易に減速でき、また、定点に容易に停止
させることができる。また、車輪が何らかの外因によっ
て滑走している場合、目標速度に対して車輪の回転速度
が遅くなるが、目標速度に鉄道車両の速度つまり車輪の
回転速度が追従するように、ブレーキ装置6をフィード
バック制御するので、ブレーキ装置6は車輪の制動力を
緩めるように制御されることとなり、この結果、車輪の
滑走を抑制できる。
【0016】さらに、本実施の形態のブレーキ制御装置
では、走行している鉄道車両に重力によって正の加速度
が付加される場合に、鉄道車両の速度を一定の保持でき
る。すなわち、前記目標速度設定手段2によって、目標
速度パタンを一定の速度になるように生成しておき、速
度検出手段1によって、鉄道車両の速度を車輪の回転速
度に基いて検出し、速度フィードバック制御手段3によ
って目標速度に鉄道車両の速度が追従するように、ブレ
ーキ装置6をフィードバック制御することによって、鉄
道車両が下り坂を走行していて、鉄道車両に重力によっ
て正の加速度が付加される場合に、乗務員がブレーキノ
ッチを操作することなく、鉄道車両を所定の速度に容易
に保持できる。
【0017】図2は、速度フィードバック制御による定
点停止制御のシミュレーション結果を示すものである。
この図において、一点鎖線で示す線L1が目標速度パタ
ンであり、実線で示す線L2が速度フィードバック制御
された鉄道車両の速度である。この図に示すように、地
点0mにおいて、速度40km/hで走行している鉄道車両
に対して、目標停止地点100mに速度フィードバック
制御を行って停止させた。停止位置は101.8mとな
り、鉄道列車のドア一つ分の誤差範囲に抑えることがで
きた。また、ほぼ一定の減速度が得られており、制輪子
−車輪間や、ブレーキライニング−ブレーキディスク間
の摩擦係数の変動が抑えられていることがわかる。
【0018】図3〜図8は、1輪モデルを用いて、ブレ
ーキ時におけるレール−車輪間の滑走に対して速度フィ
ードバック制御の効果をシミュレーションで調べた結果
を示すものである。図3は、距離に対する接線力(レー
ル−車輪間において車輪に作用する摩擦力)の変化を示
す。地点100mで低い粘着係数の線路区間に入り、μ
(接線力係数)がΔμ=0.03低下し、地点400mに
おいて、もとの粘着状態の区間に戻る条件をあたえた。
図4は速度フィードバック制御なしの場合、図5は制御
ありの場合を示す。図4(a)および図5(a)に示すよう
に、速度フィードバック制御なし、制御ありともに滑走
が発生しているが、固着(車輪がロックすること)には至
っていない。なお、図4(a)および図5(a)において、
実線L3は鉄道車両の実際の速度、一点鎖線L4は車輪
の回転速度を示す。しかし、制御ありの場合の方が、目
標速度に追従させるような制御を行っているため、大き
な滑走に至らず、車輪−レール間の粘着力を有効に活用
していることにより、ブレーキ距離も制御なしより23
m(589m−566m)短い距離となった。また、制御
ありの場合は、速度フィードバック制御の効果により、
目標速度より速度が低下した場合には、図5(c)に示す
ように、ブレーキシリンダ圧力を下げて、ブレーキ力を
低下させ、車輪が固着することを防いでいる。
【0019】しかし、大きくΔμが変化する場合には、
速度フィードバック制御がない場合には、車輪が固着し
たまま、再粘着することがなく、ブレーキ距離が大幅に
延伸する場合が考えられる。図6に、地点100mで低
い粘着係数の線路区間に入り、μがΔμ=0.04低下
し、地点400mにおいて、もとの粘着状態の区間に戻
る条件をあたえた場合を示す。この条件におけるシミュ
レーション結果を図7および図8に示す。図7は速度フ
ィードバック制御なしの場合、図8は制御ありの場合を
示す。制御なしの場合は、図7(a)に示すように、時刻
3s(秒)から滑走が発生し、時刻8s前後で車輪が固着
している。このため、図7(b)に示すようにレール−車
輪間の接線力は低い値をとり続けていることがわかる。
制御ありの場合は、図8(a)に示すように、目標速度よ
り速度が低下した場合には、図8(c)に示すように、ブ
レーキシリンダ圧力を下げて、ブレーキ力を低下させ、
車輪が固着することを防いでいる。また、図8(b)と図
7(b)とを比較してわかるように、制御がある場合、な
い場合に比べて、接線力係数も高い値をとり、ブレーキ
距離は制御なしと比較して109m短い距離で停止する
ことができた。なお、図7(a)および図8(a)におい
て、実線L3は鉄道車両の実際の速度、一点鎖線L4は
車輪の回転速度を示す。
【0020】図9および図10は、走行している鉄道車
両に重力によって正の加速度が付加される場合に、鉄道
車両の速度を一定の保持する制御のシミュレーション結
果を示すものである。図9は速度フィードバック制御な
しの場合、図10は制御ありの場合を示す。制御なしの
場合は、図9(a)に示すように、ブレーキノッチ操作に
よるブレーキ制御のため、鉄道車両の速度が目標速度に
対して、大きく変動しているのがわかる。これに対し、
制御ありの場合は、図10(a)に示すように、目標速度
を120km/hとすると、速度フィードバック制御の効果
により、鉄道車両の速度が目標速度に追従するのがわか
る。また、制御なしの場合は、図9(b)に示すように、
ブレーキシリンダ圧力が大きく変動しているのがわか
る。これに対し、制御ありの場合は、図10(b)に示す
ように、ブレーキシリンダ圧力の変動が制御なしの場合
に比して小さいのがわかる。さらに、制御なしの場合
は、図9(c)に示すように、摩擦係数(制輪子(ブレーキ
シュー)やブレーキディスクとライニング間の摩擦係数)
が0と0.2近傍の両方の値を繰り返しとっているのが
わかる。これに対し、制御ありの場合は、図10(c)に
示すように、摩擦係数は0.2近傍で一定の値をとって
いるのがわかる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、速度フィードバック制御手段によって、減
速中の目標速度に鉄道車両の速度が追従するように、ブ
レーキ装置をフィードバック制御するので、制輪子−車
輪間や、ブレーキライニング−ブレーキディスク間の摩
擦係数の変動が生じても鉄道車両の速度が目標速度に追
従する。したがって、鉄道車両を所定の速度に容易に減
速でき、また、定点に容易に停止させることができる。
また、車輪が何らかの外因によって滑走している場合、
目標速度に鉄道車両の速度つまり車輪の回転速度が追従
するように、ブレーキ装置をフィードバック制御するの
で、ブレーキ装置は車輪の制動力を緩めるように制御さ
れることとなり、この結果、車輪の滑走を抑制できる。
【0022】請求項2記載の発明によれば、目標速度に
鉄道車両の速度が追従するように、ブレーキ装置をフィ
ードバック制御するので、鉄道車両が下り坂を走行して
いて、鉄道車両に重力によって正の加速度が付加される
場合に、乗務員がブレーキノッチを操作することなく、
鉄道車両を所定の速度に容易に保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車両のブレーキ制御装置の概
略構成を示す図である。
【図2】速度フィードバック制御による定点停止制御の
シミュレーション結果を示すグラフである。
【図3】ブレーキ時におけるレール−車輪間の滑走をシ
ミュレーションしたものであり、距離に対する接線力の
変化を示すグラフである。
【図4】同、速度フィードバック制御なしの場合のシミ
ュレーション結果を示すグラフである。
【図5】同、速度フィードバック制御ありの場合のシミ
ュレーション結果を示すグラフである。
【図6】同、距離に対する接線力の変化を示すグラフで
ある。
【図7】同、速度フィードバック制御なしの場合のシミ
ュレーション結果を示すグラフである。
【図8】同、速度フィードバック制御ありの場合のシミ
ュレーション結果を示すグラフである。
【図9】鉄道車両の速度を一定の保持する制御をシミュ
レーションしたものであり、速度フィードバック制御な
しの場合のシミュレーション結果を示すグラフである。
【図10】同、速度フィードバック制御ありの場合のシ
ミュレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 速度検出手段 2 目標速度設定手段 3 速度フィードバック制御手段 4 ブレーキ受量器 5 電空変換弁 6 ブレーキ装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行している鉄道車両をある速度から所
    定の速度まで減速する際に前記鉄道車両の車輪を制動す
    るブレーキ装置を制御する鉄道車両のブレーキ制御装置
    であって、 前記鉄道車両の速度を前記車輪の回転速度に基いて検出
    する速度検出手段と、 前記鉄道車両の減速中における目標速度を設定する目標
    速度設定手段と、 この目標速度設定手段によって設定された目標速度に前
    記鉄道車両の速度が追従するように、前記ブレーキ装置
    をフィードバック制御する速度フィードバック制御手段
    とを備えていることを特徴とする鉄道車両のブレーキ制
    御装置。
  2. 【請求項2】 走行している鉄道車両に重力によって正
    の加速度が付加される場合に前記鉄道車両の車輪を制動
    するブレーキ装置を制御するブレーキ制御装置であっ
    て、 前記鉄道車両の速度を前記車輪の回転速度に基いて検出
    する速度検出手段と、 前記鉄道車両の目標速度を設定する目標速度設定手段
    と、 この目標速度設定手段によって設定された目標速度に鉄
    道車両の速度が追従するように、ブレーキ装置をフィー
    ドバック制御する速度フィードバック制御手段とを備え
    ていることを特徴とするブレーキ制御装置。
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