JP4607988B2 - 乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置 - Google Patents
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Description
μ2×F4−μ2×W×COSθ+2×D
=μ1×(F1+F2+F3+W×COSθ)
+μ2×(F4−W×SINθ)+2×D ・・・・(1)
R2=μ1×F1+μ1×F2−μ1×W×COSθ+μ1×F3+
μ2×F4+μ2×W×COSθ+2×Q
=μ1×(F1+F2+F3−W×COSθ)+μ2×(F4+W×COSθ)
+2×Q ・・・・(2)
μ1:滑り摩擦係数
μ2:転がり摩擦係数
F1:上部反転部のハンドレール8の押し付け力
F2:傾斜部の案内ガイドへのハンドレール8の押し付け力
F3:下部反転部のハンドレール8の押し付け力
F4:傾斜部の案内ガイドへのハンドレール8の押し付け力
W :ハンドレール8の重量=単位長さ重量×ハンドレール長さ
D :返り側部のハンドレール長さ調整部分の初期抵抗(U)によって反転部に生
じる抵抗
D=U×e(μ1×反転部巻角×π/180)
Q :返り側部の走行抵抗F4によって反転部に生じる抵抗
Q=F4×e(μ1×反転部巻角×π/180)
R1とR2の差ΔRは、以下となる。
と求まる。ここで、Wは変数であり、ハンドレール長さによって変動するので(3)式か
らΔRはハンドレール長さ変数の一次関数となる。従って、R1とR2の関係は下記の式へ
置き換えることができる。
k=ハンドレール単位重量×COSθ×往き側と返り側の抵抗差×長さ係数
p=ハンドレールの往き側の初期抵抗と走行抵抗差係数
ハンドレール8の速度Vは、下記の式より算出される。
V=(1−s)×φd×π×N ・・・・(5)
s:駆動ローラ11とハンドレール8のスリップ率
d:駆動ローラ11の直径
π:円周率
N:駆動ローラ11の回転速度
図4は図1に示すエスカレーターの走行抵抗とスリップ率の相関を示す図である。
V2=(1−(R2×s×m))×φd×π×N ・・・・(7)
m:ハンドレール走行抵抗Rによるスリップ率sの変化係数
(4)からV1とV2の差ΔVは、以下となる。
V1−V2=ΔV=(R2−R1)×m×φd×π×N ・・・・(8)
(4)式を(8)式へ当てはめると、上昇運転時の走行抵抗R1と下降運転時の走行
抵抗R2は下記の式より算出される。
×π×N)}+p ・・・・(9)
R2=(ΔV−p×m×φd×π×N)÷((1−k)×m×
φd×π×N) ・・・・(10)
ここで、k、p、d、Nは設計緒言から定義する。ここで、kの支配的因子はハンドレール8の単位重量であり、概ね単位重量×30%〜70%の算出値が得られる。pは返り側に与える初期抵抗Uによって支配されるが、一般的な初期抵抗Uは2kg〜10kgであり、この範囲においてpは概ねUの4倍程度の値が得られる。mはテストデータを基に予め設定することができる。これらの値を用いた算出プログラムは第1のハンドレール走行抵抗算出手段16に格納する。計測方法は、無人時状態でエスカレーターを上昇運転と下降運転の両方を行い、このとき、ハンドレール速度算出手段14によってΔVが求められ、この結果を第1のハンドレール走行抵抗算出手段16に入力して当該号機の上昇運転時のハンドレール走行抵抗R1と下降運転時のハンドレール走行抵抗R2を機械的に自動計測することができる。なお、ハンドレール8は通常左右に設けられるので、左右別々にハンドレール走行抵抗Rを計測する。
モータトルク(T)=乗客負荷(M)+踏段走行抵抗(S)
+ハンドレール走行抵抗(R) ・・・・(11)
ここで、診断時は乗客がいない状態で上昇と下降運転を行うので、乗客負荷(M)はゼロとなる。また、踏段走行抵抗(S)は、図6の要部側面図に示すように踏段6の前輪ローラ6aと後輪ローラ6bが全周において踏段走行レール6cによって案内されるので、走行抵抗Rは転がり摩擦抵抗であり、(3)式においてμ1=μ2、さらに、μ2は非常に小さいので、結果的に返る側のU及びDによって反転部に生じる抵抗もほぼゼロになる。つまり、踏段6の上昇運転と下降運転の走行抵抗差ΔRはほぼゼロとなる。
T2×α=S+R2×α3 ・・・・(13)
(T1−T2)×α=ΔT×α=(R1−R2) ・・・・(14)
(14)式に(4)式を代入すると、
R1=k×{(ΔT×α−p)÷(k−1)}+p ・・・・(15)
R2=(ΔT×α−p)÷(k−1) ・・・・(16)
α:モータ軸トルクを伝達系の減速比からハンドレール駆動抵抗へ変換するための係数
ここで、k、p、αは設計緒言から定義し、第2のハンドレール走行抵抗算出手段19に格納する。計測方法は、無人時状態でエスカレーターを上昇運転と下降運転の両方を行い、モータトルク算出手段17によって上昇時と下降時のモータトルクを算出し、モータトルク差算出手段18によって上昇時と下降時のトルク差ΔTが求められる。この結果を第2のハンドレール走行抵抗算出手段19に入力して上昇運転時のハンドレール走行抵抗R1と下降運転時のハンドレール走行抵抗R2を機械的に自動計測することができる。なお、ハンドレールの左右走行抵抗Rは通常はほぼ均等であることから、ここでは走行抵抗R1とR2の半分ずつが左右ハンドレールのそれぞれの走行抵抗Rとして判定する。
VL1:左ハンドレールの上昇運転時速度
VL2:左ハンドレールの下降運転時速度
右ハンドレールの速度差ΔVR=VR1−VR2 ・・・・(18)
VR1:右ハンドレールの上昇運転時速度
VR2:右ハンドレールの下降運転時速度
次に、モータトルク差算出手段18によって上昇運転時のモータトルクと下降運転時のモータトルクの差ΔTを算出し、この結果を用いて第2実施形態で説明した通り(15)(16)式から上昇時のハンドレール走行抵抗R1と下降時の走行抵抗R2を算出する。第2実施形態では、通常の左右ハンドレール走行抵抗は同等であることから、以下の通り定義した。
=R1÷2 ・・・・(19)
下降時左ハンドレール走行抵抗=下降時右ハンドレール走行抵抗
=R2÷2 ・・・・(20)
第3実施形態では、調整作業の出来による左右ハンドレールの走行抵抗が均等でなかった場合におけるハンドレール走行抵抗算出結果の精度を上げるため、左右負担率算出手段20によって、(17)(18)式で算出した左右速度差から下記の式より負担率を算出する。
右負担率=ΔVR÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(22)
(15)(16)式のR1、R2算出結果と(21)(22)式を基に、第3のハンドレール走行抵抗算出手段21により、下記の式にて左右それぞれのハンドレール走行抵抗を算出する。
(R1×ΔVL)÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(23)
上昇時右ハンドレール走行抵抗=
(R1×ΔVR)÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(24)
下降時左ハンドレール走行抵抗=
(R2×ΔVL)÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(25)
下降時右ハンドレール走行抵抗=
(R2×ΔVR)÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(26)
このように構成した第3実施形態では、上昇運転時と下降運転時のモータトルク差ΔTとハンドレール速度差ΔVを算出し、このモータトルク差ΔTとハンドレール速度差ΔVに基づいてハンドレール8の走行抵抗Rを自動的に計測することができる。すなわち、前述した第1、第2実施形態と同様に予め実験などで求められるような踏段6とハンドレール8の走行抵抗比率によることなく、ハンドレール走行抵抗Rを自動的に計測することができ、計測の過程に誤差の要因となる数値が介在することがない。これにより、高精度で、かつ計測現場において簡便にハンドレール走行抵抗Rを計測でき、優れたエスカレーターの保全性を確保できる。また、予めテストデータによる算出プログラムの設定が不要であり、設計緒言のみで算出プログラムを定義でき、かつ、左右ハンドレール抵抗は同等であるとの一般値に依存することなく、左右それぞれのハンドレール走行抵抗を個別に診断できるので、診断精度の向上が図れる。
2 ベルト
3 減速機
4 駆動トルク制御装置
5 ドライビングチェーン
6 踏段
7 踏段チェーン
8 ハンドレール
9 ハンドレール駆動装置
10 ハンドレール駆動チェーン
11 駆動ローラ
12 踏段速度検出器
13 ハンドレール速度検出器
14 ハンドレール速度算出手段
15 ハンドレール速度差算出手段
16 第1のハンドレール走行抵抗算出手段
17 モータトルク算出手段
18 モータトルク差算出手段
19 第2のハンドレール走行抵抗算出手段
20 左右負担率算出手段
21 第3のハンドレール走行抵抗算出手段
Claims (3)
- 駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールと、このハンドレールの速度を検出するハンドレール速度検出装置とを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、
前記ハンドレール速度検出装置の出力信号を用いてハンドレールの速度を算出するハンドレール速度算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のハンドレール速度差を算出するハンドレール速度差算出手段と、このハンドレールに速度差算出手段で算出されたハンドレール速度差を前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出する第1のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴とする乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置。 - 駆動モータのトルク指令と回転速度を可変制御する駆動トルク制御装置と、前記駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールとを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、
前記駆動トルク制御装置の出力信号を用いて乗客コンベア走行中の駆動モータトルクを算出するモータトルク算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のモータトルク差を算出するモータトルク差算出手段と、このモータトルク差算出手段で算出されたモータトルク差を前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出する第2のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴とする乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置。 - 駆動モータのトルク指令と回転速度を可変制御する駆動トルク制御装置と、前記駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールと、前記ハンドレールの速度を検出するハンドレール速度検出装置とを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、
前記駆動トルク制御装置の出力信号を用いて乗客コンベア走行中の駆動モータトルクを算出するモータトルク算出手段と、前記ハンドレール速度検出装置の出力信号を用いてハンドレールの速度を算出するハンドレール速度算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のハンドレール速度差を算出すハンドレール速度差算出手段と上昇運転の場合と下降運転の場合のモータトルク差を算出するモータトルク差算出手段と、前記ハンドレール速度差で算出された左右のハンドレール速度差の比から前記モータトルクのモータトルク差の左右負担率を算出する左右負担率算出手段と、前記モータトルク差算出手段で算出されたモータトルク差を前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出すると共に、前記左右負担率で算出された左右負担率に基づいて前記ハンドレール走行抵抗を左右ハンドレールに振り分けて算出する第3のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴とする乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置。
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