JP4607988B2 - 乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置 - Google Patents

乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置 Download PDF

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Description

本発明は、乗客コンベアに備えられるハンドレールの走行抵抗を計測するものであって汎用性に優れた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置に関する。
従来の乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置としては、例えば、特許文献1に示される装置がある。この従来の装置では、駆動モータトルク指令制御装置、モータ回転数検出装置を設け、トルク指令を除々に大きくし、踏段とハンドレールの走行抵抗の和よりモータトルクが上回ると前記モータは回転を始めるので、前記モータ回転数検出装置によってモータが回転を開始したときのトルク値を求めることで踏段とハンドレールの走行抵抗の和を診断できる構成になっている。
この種のハンドレール駆動力監視装置は、従来はモータ電力値を計測し、モータ単独の無負荷電力をあらかじめ記憶し、計測したモータ電力値から無負荷電力を引いた差分から踏段とハンドレールの走行抵抗の和を求めていたものを、あらかじめ記憶する作業を必要とせずに走行抵抗を算出できる構成としたので、汎用性に優れるハンドレール駆動力監視装置が提案されている。
特開2004−345808号公報
ところで、上述した従来のハンドレール駆動力監視装置は、踏段とハンドレールの走行抵抗の和を算出する構成のため、ハンドレールの走行抵抗を算出するためには予め実験などで踏段とハンドレールの走行抵抗比率を乗客コンベアの揚程ごとに求めておく必要があるが、機器の配置や構成の違いによって実際の踏段とハンドレールの走行抵抗比率は大きく変動するため、ハンドレール走行抵抗算出精度が得られないといった問題を有している。
本発明は、このような従来技術における実状に鑑みてなされたもので、その目的は、予め実験などで求められるような踏段とハンドレールの走行抵抗比率によることなく、ハンドレール走行抵抗を自動的に計測できる乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置を提供することにある。
この目的を達成するために本発明に係る乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置は、駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールと、このハンドレールの速度を検出するハンドレール速度検出装置とを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、前記ハンドレール速度検出装置の出力信号を用いてハンドレールの速度を算出するハンドレール速度算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のハンドレール速度差を算出するハンドレール速度差算出手段と、このハンドレールに速度差算出手段で算出されたハンドレール速度差前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出する第1のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴としている。
このように構成した本発明は、計測現場において、上昇運転時と下降運転時のハンドレール速度差を算出し、このハンドレール速度差に基づいてハンドレール走行抵抗を算出することができる。すなわち、予め実験などで求められるような踏段とハンドレールの走行抵抗比率によることなく、ハンドレール走行抵抗を自動的に計測することができる。
また、本発明に係る乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置は、駆動モータのトルク指令と回転速度を可変制御する駆動トルク制御装置と、前記駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールとを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、前記駆動トルク制御装置の出力信号を用いて乗客コンベア走行中の駆動モータトルクを算出するモータトルク算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のモータトルク差を算出するモータトルク差算出手段と、このモータトルク差算出手段で算出されたモータトルク差前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出する第2のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴とする。
このように構成した本発明は、計測現場において、上昇運転時と下降運転時のモータトルク差を算出し、このモータトルク差に基づいてハンドレール走行抵抗を算出することができる。すなわち、予め実験などで求められるような踏段とハンドレールの走行抵抗比率によることなく、ハンドレール走行抵抗を自動的に計測することができる。
また、本発明の乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置は、駆動モータのトルク指令と回転速度を可変制御する駆動トルク制御装置と、前記駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールと、前記ハンドレールの速度を検出するハンドレール速度検出装置とを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、前記駆動トルク制御装置の出力信号を用いて乗客コンベア走行中の駆動モータトルクを算出するモータトルク算出手段と、前記ハンドレール速度検出装置の出力信号を用いてハンドレールの速度を算出するハンドレール速度算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のハンドレール速度差を算出すハンドレール速度差算出手段と上昇運転の場合と下降運転の場合のモータトルク差を算出するモータトルク差算出手段と、前記ハンドレール速度差で算出された左右のハンドレール速度差の比から前記モータトルクのモータトルク差の左右負担率を算出する左右負担率算出手段と、前記モータトルク差算出手段で算出されたモータトルク差を前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出すると共に、前記左右負担率で算出された左右負担率に基づいて前記ハンドレール走行抵抗を左右ハンドレールに振り分けて算出する第3のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴とする。
このように構成した本発明は、計測現場において、上昇運転時と下降運転時のハンドレール速度差及びモータトルク差を算出し、このハンドレール速度差及びモータトルク差に基づいてハンドレール走行抵抗を算出することができる。すなわち、予め実験などで求められるような踏段とハンドレールの走行抵抗比率によることなく、ハンドレール走行抵抗を自動的に計測することができる。
本発明による乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置は、上昇運転時と下降運転時のハンドレール速度差、あるいは、モータトルク差を算出し、これらに基づいてハンドレールの走行抵抗を自動的に計測することができる。つまり、予め実験などで求められるような踏段とハンドレールの走行抵抗比によることなく、ハンドレール走行抵抗を自動的に計測することができ、計測の過程に誤差の要因となる数値が介在することがない。これにより、高精度で、かつ計測現場において簡便にハンドレール走行抵抗を計測でき、従来に比べて優れた乗客コンベアの保全性を確保できる。
以下、本発明に係るエスカレーターのハンドレール駆動力監視装置の最良の形態を図に基づいて説明する。
図1は一般的なエスカレーターの一例として挙げたエスカレーターの駆動機器構成を示す側面図である。
図1に示すように、駆動モータ1の動力はベルト2で減速機3へ伝達され、駆動モータ1は駆動トルク制御装置4によって回転加速度、速度、トルクなどが制御される。減速機3はドライビングチェーン5によって踏段6が軸支されている踏段チェーン7と連結され、さらに、ハンドレール8を駆動するハンドレール駆動装置9へ動力を伝達するハンドレール駆動チェーン10と連結されているので、減速機3の回転に同期して踏段6とハンドレール8が回転する。減速機3は駆動モータ1の回転に同期する。
ベルト2は摩擦駆動のため、それぞれの駆動体の速度は、駆動モータ1に対して減速機3はやや遅れることがある。減速機3と踏段6はチェーン伝達なので両者の速度はほぼ等しい。ハンドレール8は減速機3に同期するが、駆動ローラ11による摩擦駆動のため減速機3に対してやや遅れることがある。そこで、踏段速度検出器12とハンドレール速度検出器13を設けて、ベルト2やハンドレール8等の摩擦体にスリップが発生した場合は速やかに速度異常を検出してエスカレーターは安全に停止制御される。
図2は本発明のエスカレーターの駆動監視装置の第1実施形態を示すブロック図である。
この図2に示すように、ハンドレール速度検出器13の出力信号を読み込んで、予め定めた距離だけ走行を終えるまでに出力された総パルス数をカウントし、総パルス数を走行に要した時間で除してハンドレール8の速度を算出するハンドレール速度算出手段14と、上昇運転時と下降運転時のハンドレール速度をそれぞれ計測して記憶し、その速度差を算出するハンドレール速度差算出手段15と、ハンドレール速度差と上昇運転時と下降運転時のハンドレール走行抵抗比相関特性を活用してハンドレール走行抵抗Rを算出する第1のハンドレール走行抵抗算出手段16で構成されている。
図3は本発明の図1に示すエスカレーターのハンドレール駆動機構を示す要部側面図である。
この図3に示すように、ハンドレール8は、乗客を支えて動く往き側部分はすべり摩擦機構にて案内され、折り返して乗客からは見えない返り側部分では転がり摩擦機構にて走行が案内される。ハンドレール駆動装置9でハンドレール8を送り出してハンドレール8を走行する。そして、上昇時のハンドレール走行抵抗R1と下降時のハンドレール走行抵抗R2は下記の式より算出される。
R1=μ1×F1+μ1×F2+μ1×W×COSθ+μ1×F3−
μ2×F4−μ2×W×COSθ+2×D
=μ1×(F1+F2+F3+W×COSθ)
+μ2×(F4−W×SINθ)+2×D ・・・・(1)
R2=μ1×F1+μ1×F2−μ1×W×COSθ+μ1×F3+
μ2×F4+μ2×W×COSθ+2×Q
=μ1×(F1+F2+F3−W×COSθ)+μ2×(F4+W×COSθ)
+2×Q ・・・・(2)
μ1:滑り摩擦係数
μ2:転がり摩擦係数
F1:上部反転部のハンドレール8の押し付け力
F2:傾斜部の案内ガイドへのハンドレール8の押し付け力
F3:下部反転部のハンドレール8の押し付け力
F4:傾斜部の案内ガイドへのハンドレール8の押し付け力
W :ハンドレール8の重量=単位長さ重量×ハンドレール長さ
D :返り側部のハンドレール長さ調整部分の初期抵抗(U)によって反転部に生
じる抵抗
D=U×e(μ1×反転部巻角×π/180)
Q :返り側部の走行抵抗F4によって反転部に生じる抵抗
Q=F4×e(μ1×反転部巻角×π/180)
R1とR2の差ΔRは、以下となる。
ΔR=2×W×COSθ×(μ1−μ2)+2×(D−Q) ・・・・(3)
と求まる。ここで、Wは変数であり、ハンドレール長さによって変動するので(3)式か
らΔRはハンドレール長さ変数の一次関数となる。従って、R1とR2の関係は下記の式へ
置き換えることができる。
R1=k×R2+p ・・・・(4)
k=ハンドレール単位重量×COSθ×往き側と返り側の抵抗差×長さ係数
p=ハンドレールの往き側の初期抵抗と走行抵抗差係数
ハンドレール8の速度Vは、下記の式より算出される。
V=(1−s)×φd×π×N ・・・・(5)
s:駆動ローラ11とハンドレール8のスリップ率
d:駆動ローラ11の直径
π:円周率
N:駆動ローラ11の回転速度
図4は図1に示すエスカレーターの走行抵抗とスリップ率の相関を示す図である。
一般的なスリップ率sとハンドレール走行抵抗Rは相関性を示し、通常の許容範囲において一次関数の特性を示す。従って、ハンドレール8の上昇運転時の速度V1と下降運転時の速度V2は、それぞれ下記の式より算出される。
V1=(1−(R1×s×m))×φd×π×N ・・・・(6)
V2=(1−(R2×s×m))×φd×π×N ・・・・(7)
m:ハンドレール走行抵抗Rによるスリップ率sの変化係数
(4)からV1とV2の差ΔVは、以下となる。
V1−V2=ΔV=(R2−R1)×m×φd×π×N ・・・・(8)
(4)式を(8)式へ当てはめると、上昇運転時の走行抵抗R1と下降運転時の走行
抵抗R2は下記の式より算出される。
R1=k{(ΔV−p×m×φd×π×N)÷((1−k)×m×φd
×π×N)}+p ・・・・(9)
R2=(ΔV−p×m×φd×π×N)÷((1−k)×m×
φd×π×N) ・・・・(10)
ここで、k、p、d、Nは設計緒言から定義する。ここで、kの支配的因子はハンドレール8の単位重量であり、概ね単位重量×30%〜70%の算出値が得られる。pは返り側に与える初期抵抗Uによって支配されるが、一般的な初期抵抗Uは2kg〜10kgであり、この範囲においてpは概ねUの4倍程度の値が得られる。mはテストデータを基に予め設定することができる。これらの値を用いた算出プログラムは第1のハンドレール走行抵抗算出手段16に格納する。計測方法は、無人時状態でエスカレーターを上昇運転と下降運転の両方を行い、このとき、ハンドレール速度算出手段14によってΔVが求められ、この結果を第1のハンドレール走行抵抗算出手段16に入力して当該号機の上昇運転時のハンドレール走行抵抗R1と下降運転時のハンドレール走行抵抗R2を機械的に自動計測することができる。なお、ハンドレール8は通常左右に設けられるので、左右別々にハンドレール走行抵抗Rを計測する。
このように構成した第1実施形態では、上昇運転時と下降運転時のハンドレール速度差ΔVを算出し、このハンドレール速度差ΔVに基づいてハンドレール走行抵抗Rを自動的に計測することができる。すなわち、予め実験などで求められるような踏段6とハンドレール8の走行抵抗比率によることなく、ハンドレール走行抵抗Rを自動的に計測することができ、計測の過程に誤差の要因となる数値が介在することがない。これにより、高精度で、かつ計測現場において簡便にハンドレール走行抵抗Rを計測でき、優れたエスカレーターの保全性を確保できる。
図5は本発明の第2実施形態を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、この第2実施形態は駆動トルク制御装置4の出力信号を読み込んで、エスカレーターが走行中の駆動モータ1の出力トルクを算出するモータトルク算出手段17と、上昇運転時と下降運転時の駆動モータ1の出力トルク差を算出するモータトルク差算出手段18と、モータトルク差と上昇運転時と下降運転時の走行抵抗比相関特性を活用してハンドレール8の走行抵抗Rを算出する第2のハンドレール走行抵抗算出手段19で構成されている。
駆動モータ1が出力するトルクは、下記の式で表せる。
モータトルク(T)=乗客負荷(M)+踏段走行抵抗(S)
+ハンドレール走行抵抗(R) ・・・・(11)
ここで、診断時は乗客がいない状態で上昇と下降運転を行うので、乗客負荷(M)はゼロとなる。また、踏段走行抵抗(S)は、図6の要部側面図に示すように踏段6の前輪ローラ6aと後輪ローラ6bが全周において踏段走行レール6cによって案内されるので、走行抵抗Rは転がり摩擦抵抗であり、(3)式においてμ1=μ2、さらに、μ2は非常に小さいので、結果的に返る側のU及びDによって反転部に生じる抵抗もほぼゼロになる。つまり、踏段6の上昇運転と下降運転の走行抵抗差ΔRはほぼゼロとなる。
従って、上昇運転時のモータトルクT1と下降運転のモータトルクT2の差ΔTは、(4)式の通り上昇時のハンドレール走行抵抗R1と下降時のハンドレール走行抵抗R2の差に置き換えることができ、走行抵抗R1とR2は下記の式より算出される。
T1×α=S+R1×α3 ・・・・(12)
T2×α=S+R2×α3 ・・・・(13)
(T1−T2)×α=ΔT×α=(R1−R2) ・・・・(14)
(14)式に(4)式を代入すると、
R1=k×{(ΔT×α−p)÷(k−1)}+p ・・・・(15)
R2=(ΔT×α−p)÷(k−1) ・・・・(16)
α:モータ軸トルクを伝達系の減速比からハンドレール駆動抵抗へ変換するための係数
ここで、k、p、αは設計緒言から定義し、第2のハンドレール走行抵抗算出手段19に格納する。計測方法は、無人時状態でエスカレーターを上昇運転と下降運転の両方を行い、モータトルク算出手段17によって上昇時と下降時のモータトルクを算出し、モータトルク差算出手段18によって上昇時と下降時のトルク差ΔTが求められる。この結果を第2のハンドレール走行抵抗算出手段19に入力して上昇運転時のハンドレール走行抵抗R1と下降運転時のハンドレール走行抵抗R2を機械的に自動計測することができる。なお、ハンドレールの左右走行抵抗Rは通常はほぼ均等であることから、ここでは走行抵抗R1とR2の半分ずつが左右ハンドレールのそれぞれの走行抵抗Rとして判定する。
このように構成した第2実施形態では、上昇運転時と下降運転時のモータトルク差ΔTを算出し、このモータトルク差ΔTに基づいてハンドレール8の走行抵抗Rを自動的に計測することができる。すなわち、前述した第1実施形態と同様に予め実験などで求められるような踏段6とハンドレール8の走行抵抗比率によることなく、ハンドレール走行抵抗Rを自動的に計測することができ、計測の過程に誤差の要因となる数値が介在することがない。これにより、高精度で、かつ計測現場において簡便にハンドレール走行抵抗Rを計測でき、優れたエスカレーターの保全性を確保できる。
図7は本発明の第3実施形態を示すブロック図である。
図7に示すように、この第3実施形態は駆動トルク制御装置4の出力信号を読み込んで、エスカレーター走行中の駆動モータ1の出力トルクを算出するモータトルク算出手段17とハンドレール速度検出器13の出力信号を読み込んで、予め定めた距離だけ走行を終えるまでに出力された総パルス数をカウントし、総パルス数を走行に要した時間で除してハンドレール8の周回平均速度を算出するハンドレール速度算出手段14と、上昇運転時と下降運転時のハンドレール速度をそれぞれ計測して記憶し、その速度差を算出するハンドレール速度差算出手段15と、上昇運転時と下降運転時の駆動モータ1の出力トルク差を算出するモータトルク差算出手段18と、ハンドレール速度差の左右比からモータトルク差の左右負担率を算出する左右負担率算出手段20と、モータトルク差と左右負担率からハンドレール走行抵抗Rを算出する第3のハンドレール走行抵抗算出手段21で構成されている。
上述したエスカレーターのハンドレール走行抵抗算出手順は、はじめに、ハンドレール速度差算出手段15によって左右の速度差をそれぞれ計測する。
左ハンドレールの速度差ΔVL=VL1−VL2 ・・・・(17)
VL1:左ハンドレールの上昇運転時速度
VL2:左ハンドレールの下降運転時速度
右ハンドレールの速度差ΔVR=VR1−VR2 ・・・・(18)
VR1:右ハンドレールの上昇運転時速度
VR2:右ハンドレールの下降運転時速度
次に、モータトルク差算出手段18によって上昇運転時のモータトルクと下降運転時のモータトルクの差ΔTを算出し、この結果を用いて第2実施形態で説明した通り(15)(16)式から上昇時のハンドレール走行抵抗R1と下降時の走行抵抗R2を算出する。第2実施形態では、通常の左右ハンドレール走行抵抗は同等であることから、以下の通り定義した。
上昇時左ハンドレール走行抵抗=上昇時右ハンドレール走行抵抗
=R1÷2 ・・・・(19)
下降時左ハンドレール走行抵抗=下降時右ハンドレール走行抵抗
=R2÷2 ・・・・(20)
第3実施形態では、調整作業の出来による左右ハンドレールの走行抵抗が均等でなかった場合におけるハンドレール走行抵抗算出結果の精度を上げるため、左右負担率算出手段20によって、(17)(18)式で算出した左右速度差から下記の式より負担率を算出する。
左負担率=ΔVL÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(21)
右負担率=ΔVR÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(22)
(15)(16)式のR1、R2算出結果と(21)(22)式を基に、第3のハンドレール走行抵抗算出手段21により、下記の式にて左右それぞれのハンドレール走行抵抗を算出する。
上昇時左ハンドレール走行抵抗=
(R1×ΔVL)÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(23)
上昇時右ハンドレール走行抵抗=
(R1×ΔVR)÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(24)
下降時左ハンドレール走行抵抗=
(R2×ΔVL)÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(25)
下降時右ハンドレール走行抵抗=
(R2×ΔVR)÷(ΔVL+ΔVR) ・・・・(26)
このように構成した第3実施形態では、上昇運転時と下降運転時のモータトルク差ΔTとハンドレール速度差ΔVを算出し、このモータトルク差ΔTとハンドレール速度差ΔVに基づいてハンドレール8の走行抵抗Rを自動的に計測することができる。すなわち、前述した第1、第2実施形態と同様に予め実験などで求められるような踏段6とハンドレール8の走行抵抗比率によることなく、ハンドレール走行抵抗Rを自動的に計測することができ、計測の過程に誤差の要因となる数値が介在することがない。これにより、高精度で、かつ計測現場において簡便にハンドレール走行抵抗Rを計測でき、優れたエスカレーターの保全性を確保できる。また、予めテストデータによる算出プログラムの設定が不要であり、設計緒言のみで算出プログラムを定義でき、かつ、左右ハンドレール抵抗は同等であるとの一般値に依存することなく、左右それぞれのハンドレール走行抵抗を個別に診断できるので、診断精度の向上が図れる。
一般的な乗客コンベアの一例として挙げたエスカレーターの駆動機器構成を示す側面図である。 本発明の乗客コンベアの駆動監視装置の第1実施形態を示すブロック図である。 図1に示すエスカレーターのハンドレール駆動機構を示す要部側面図である。 図1に示すエスカレーターの走行抵抗とスリップ率の相関を示す図である。 本発明の第2実施形態を示すブロック図である。 図1に示すエスカレーターの踏段走行機構を示す要部側面図である。 本発明の第3実施形態を示すブロック図である。
符号の説明
1 駆動モータ
2 ベルト
3 減速機
4 駆動トルク制御装置
5 ドライビングチェーン
6 踏段
7 踏段チェーン
8 ハンドレール
9 ハンドレール駆動装置
10 ハンドレール駆動チェーン
11 駆動ローラ
12 踏段速度検出器
13 ハンドレール速度検出器
14 ハンドレール速度算出手段
15 ハンドレール速度差算出手段
16 第1のハンドレール走行抵抗算出手段
17 モータトルク算出手段
18 モータトルク差算出手段
19 第2のハンドレール走行抵抗算出手段
20 左右負担率算出手段
21 第3のハンドレール走行抵抗算出手段

Claims (3)

  1. 駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールと、このハンドレールの速度を検出するハンドレール速度検出装置とを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、
    前記ハンドレール速度検出装置の出力信号を用いてハンドレールの速度を算出するハンドレール速度算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のハンドレール速度差を算出するハンドレール速度差算出手段と、このハンドレールに速度差算出手段で算出されたハンドレール速度差前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出する第1のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴とする乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置。
  2. 駆動モータのトルク指令と回転速度を可変制御する駆動トルク制御装置と、前記駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールとを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、
    前記駆動トルク制御装置の出力信号を用いて乗客コンベア走行中の駆動モータトルクを算出するモータトルク算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のモータトルク差を算出するモータトルク差算出手段と、このモータトルク差算出手段で算出されたモータトルク差前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出する第2のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴とする乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置。
  3. 駆動モータのトルク指令と回転速度を可変制御する駆動トルク制御装置と、前記駆動モータの回転と同期して移動する踏段と、この踏段の側方に立設される欄干に設けられたガイドレールに案内されて前記踏段と同期するよう走行するハンドレールと、前記ハンドレールの速度を検出するハンドレール速度検出装置とを備えた乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置において、
    前記駆動トルク制御装置の出力信号を用いて乗客コンベア走行中の駆動モータトルクを算出するモータトルク算出手段と、前記ハンドレール速度検出装置の出力信号を用いてハンドレールの速度を算出するハンドレール速度算出手段と、上昇運転の場合と下降運転の場合のハンドレール速度差を算出すハンドレール速度差算出手段と上昇運転の場合と下降運転の場合のモータトルク差を算出するモータトルク差算出手段と、前記ハンドレール速度差で算出された左右のハンドレール速度差の比から前記モータトルクのモータトルク差の左右負担率を算出する左右負担率算出手段と、前記モータトルク差算出手段で算出されたモータトルク差を前記ガイドレールとハンドレールの接触摺動によって上昇運転の場合と下降運転の場合とでそれぞれ発生するハンドレール走行抵抗差として置き換えることでハンドレール走行抵抗を算出すると共に、前記左右負担率で算出された左右負担率に基づいて前記ハンドレール走行抵抗を左右ハンドレールに振り分けて算出する第3のハンドレール走行抵抗算出手段とを備えたことを特徴とする乗客コンベアのハンドレール駆動力監視装置。
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