JP6157372B2 - 部品管理システム - Google Patents

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Description

本発明は、タグリーダおよびサーバからなる部品管理システムに関する。
近年、保守管理の省力化のために、部品交換の対象となる各部品にICタグを付して管理することが、広く行われている。ICタグには、部品の識別情報だけでなく、部品の製造・取付日時を保存できるため、タグリーダで当該ICタグを読取ることにより、部品交換の判断材料が得られる。たとえば特許文献1には、部品に付されたICタグの情報を利用して、部品交換及びメンテナンスの要否を自動で判断するシステムが開示されている。
特開2009−053934
しかし、ICタグは非接触で読み取ることができるために、タグリーダのユーザが意図しないICタグを読み取る可能性があり、その場合には、ユーザが求める部品の情報を把握することができず、また同じ種類の部品を異なる箇所に使用している場合には対象となる部品の特定が困難になる。
(1)請求項1に係る発明の部品管理システムは、部品に付したICタグを読み取るタグリーダと、遠隔地に設置され、部品を管理するサーバと、を備える。ICタグの情報は、当該ICタグを付している部品の前回の交換日時を少なくとも含む。タグリーダは、ICタグを付した部品の設置箇所を特定する情報を入力する入力部と、入力部により入力された情報と読み込んだICタグに含まれる部品の情報とから両者の設置箇所が同一かを判定する設置箇所一致判定部と、設置箇所一致判定部により同一でないと判断された場合に同一でないことを報知する報知部と、サーバと通信するタグリーダ通信部と、タグリーダ通信部によってサーバから受信して入力部に入力された対象部品と当該対象部品の設置個所とのリストを表示する表示部と、サーバから受信したリストにより設置箇所が特定される部品に付されたICタグから、ICタグに保存されている部品の前回の交換日時を読み取れなかった場合は、部品が不正規品であることをサーバへ通知するタグリーダ制御部と、を備える。サーバは、部品の情報を蓄積する部品データベースと、タグリーダと通信するサーバ通信部と、所定の条件で部品データベースを検索して得られた部品および当該部品の設置箇所を特定する情報を対応づけたリストを、サーバ通信部を介してタグリーダに送信するサーバ制御部と、タグリーダから受信した前記リストにより特定される部品に関連する部品を検索する関連部品検索部と、を備える。部品データベースに蓄積されている情報は、ICタグを付している部品の負荷状況、および当該部品の前回の交換日時を含む。部品データベースを検索する上記所定の条件は、前回の交換日時以後の部品の負荷状況を参照して算出した次回の部品交換時期がICタグの情報受信時から一定期間内にあること、または次回の部品交換時期を超過していることである。サーバ制御部は、不正規品であると通知された部品について関連部品検索部が関連する部品があると判断する場合に、関連する部品の情報を報知情報としてタグリーダに送信する。
本発明によれば、対象部品とは異なる別の部品にタグリーダをかざした場合、読み取った情報が対象部品からの情報ではないことをサービスマンなどが容易に認識することができる。たとえば、類似する部品が隣接して配置されている場合において、とくに効果がある。
本発明による部品管理システムによれば、メンテナンス等が必要な対象部品とその設置個所のリストをサーバから受信し、受信した対象部品とは異なる別の部品にタグリーダをかざした場合、読み取った情報が対象部品からの情報ではないことをサービスマンなどが容易に認識することができる。
第1の実施の形態におけるシステムの構成 取付部位番号対応表の一例 読取り部品リストの一例 部品データベースの一例 稼働実績記録の一例 関連部品リストの一例 使用部品対応表の一例 第1の実施の形態におけるタグリーダの動作を表すフローチャート 第1の実施の形態におけるサーバの読取り部品リスト作成・送信を表すフローチャート 第1の実施の形態におけるサーバの受信データ処理を表すフローチャート 変形例1におけるタグリーダの読取り部品リスト作成を表すフローチャート 変形例1におけるタグリーダの入力インタフェースの一例 第2の実施の形態におけるタグリーダ制御部の動作を示すフローチャート 第2の実施の形態におけるサーバの読取り部品リスト作成・送信を表すフローチャート 第2の実施の形態におけるサーバの受信データ処理を表すフローチャート
(第1の実施の形態)
以下、図1〜図10を参照して、本発明による部品管理システムを建設機械に適用した第1の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態における構成を示している。本発明に係る部品管理システム1は、タグリーダ10、およびサーバ20を備え、建設機械30に用いられる。建設機械30は、複数あってもよい。また、タグリーダ10とサーバ20、サーバ20と建設機械30は、それぞれ通信衛星を介して通信ができる。なお、タグリーダ10は建設機械30の点検や部品交換を行うサービスマンが使用する。
タグリーダ10は、タグリーダ制御部11、リード/ライト部12、入力部13、表示部14、記憶部15、タグリーダ通信部16、および報知部17を備える。
タグリーダ制御部11は、不図示のCPU、RAMおよびROMを備え、ROMに保存されている後述するプログラムをRAMに展開して実行する。また、タグリーダ制御部11は、他の構成部とバスで接続されており、それらとのデータ授受ができるだけでなく、構成部同士のデータ授受を中継することができる。たとえば、リード/ライト部12で読み込んだICタグ34の情報をタグリーダ通信部16を介してサーバ20に送信するほか、タグリーダ通信部16がサーバ20から受信したデータを表示部14に表示する。
リード/ライト部12は、不図示のアンテナを備え、建設機械30に設けられている部品に貼り付けられている所定距離内のICタグ34と通信ができる。リード/ライト部12は、ICタグ34から読み込んだ情報をタグリーダ制御部11に出力するだけでなく、タグリーダ制御部11から入力された情報をICタグ34に書き込むことができる。ICタグ34に保存される情報は、後述するサーバ20の部品データベース24の1レコードと同じであり、たとえば、部品取付日時や最終点検日時は、タグリーダ10からICタグ34に書きこまれる。
入力部13は、不図示のタッチパネルやボタンを備え、ユーザの入力をタグリーダ制御部11に伝達することができる。表示部14は、不図示の液晶ディスプレイを備え、タグリーダ制御部11を経由して伝達されるリード/ライト部12が読み取った情報や、タグリーダ通信部16が受信した情報が表示される。
記憶部15は、不図示のフラッシュメモリにより構成され、この記憶部15には、後述する取付部位番号対応表18、読取り部品リスト19が保存される。
取付部位番号対応表18とは、図2に示すように取付部位番号と取付部位名称の対応を建設機械の機種ごとに示したものである。なお後述するとおり、全ての建設機械30に固有な識別子である建設機械IDの上5桁が機種を表すので、取付部位番号対応表18は、建設機械IDの上5桁、取付部位番号、そして取付部位名称から構成される。また、この表は部位の特定を目的としているため、同一の部品を使用する場合でも取付場所が異なる場合は異なる部位コードを付している。たとえば建設機械IDの上5桁がC0101の機種では、車体の左右にブームシリンダーがあるため、左は部位コード0101を、右は部位コード0201を付して区別している。
読取り部品リスト19とは、図3に示すようにタグリーダで読取る部品について、部品ID、建設機械ID,取付部位番号、読取り結果、を列挙したものである。インデックスは読取り部品リスト19のレコードを識別する一意な値であり、自動的に全てのレコードに対して異なる値が割り振られる。部品IDは、10桁からなる全ての部品に固有な識別子であり、上5桁が部品の型番を、下5桁が型番ごとのシリアルナンバーを示す。読取り結果は、例えば、タグリーダ10で当該ICタグを読取った結果が記入される欄であり、正常に読取りができれば、交換した新たな部品の部品IDとその部品取付日時が書き込まれ、不正規品が発見されたら「NG。不正規品」などが書き込まれる。なお、この読取り部品リスト19の情報は、サーバ20で生成してタグリーダ10に送信し、タグリーダ20で更新した後にサーバ20に戻される。
タグリーダ通信部16は、ICタグ34に関する情報をサーバ20と通信し、例えばICタグ34に部品取付日時や最終点検日時を書き込む際に、サーバ20へその日時の情報および部品を特定する情報などを送信する。報知部17は、不図示のスピーカーを備え、スピーカーからアラームを発することによりユーザに各種イベントの発生、たとえば間違ったICタグを読み込んでいることを報知する。
サーバ20は、サーバ制御部21、記憶部22、およびサーバ通信部23から構成される。サーバ制御部21は、不図示のCPU、RAMおよびROMを備え、ROMに保存されている後述するプログラムをRAMに展開して実行する。また、サーバ制御部21は、他の構成部とバスで接続されており、それらとのデータ授受ができるだけでなく、構成部同士のデータ授受を中継することができる。
記憶部22には、読取り部品リスト19、部品データベース24、稼働実績記録25、関連部品リスト26、使用部品対応表27が記憶されている。
読取り部品リスト19は、タグリーダ10の記憶部15に保存されているものと同一である。ただし前述のとおり、読取り部品リスト19はサーバ20が生成してタグリーダ10に送信し、タグリーダ20で更新した後にサーバ20に戻される。
部品データベース24は、図4に示すように、建設機械30に使用されている部品に関する情報を記録している。インデックスは部品データベースのレコードを識別する一意な値であり、自動的に全てのレコードに対して異なる値が割り振られる。部品IDは、前述のとおり、10桁からなる全ての部品に固有な識別子であり、上5桁が部品の型番を、下5桁が型番ごとのシリアルナンバーを示す。建設機械IDは、10桁からなる全ての建設機械に固有な識別子であり、上5桁が建設機械の機種を、下5桁が機種ごとのシリアルナンバーを示す。また、取付部位番号は図2を用いて説明した取付位置を、部品取付日時は当該部品を取り付けた日時を、最終点検日時は当該部品が建設機械に取り付けられた状態で最後に点検をした日時を示す。すなわち、部品取付の直後は最終点検日時は空欄であり、次回の点検によって初めて日時が書き込まれる。
いずれの部品も用途、すなわちどの建設機械のどこに取り付けるかを定めているため、部品ID、建設機械ID、取付部位番号はあらかじめサーバ20の部品データベース24に記録されている。ただし、部品交換日時および最終点検日時は、組立てや交換・点検の際に、その日時がタグリーダ10からサーバ20に送信され、部品データベース24に記録される。
稼働実績記録25は、建設機械30の後述する稼働情報収集部33が収集し、建機通信部32を介してサーバ20に送信されたデータを蓄積したものであり、図5に示すように建設機械30の1日ごとの各動作の稼働時間および負荷の大きさが記録されている。後述する使用部品対応表27により、各動作により使用される部品が特定できるので、部品データベース24に記録されている標準交換時間および部品取り付け日時をあわせて参照することにより、後述のように次回の部品交換時期が算出できる。
関連部品リスト26は、機種ごとに不具合の発生原因が関連する部品(以下、関連部品)のグループを示したリストであり、たとえば図6のようなものである。たとえば同一グループに属する、作動油フィルター、タンク、油圧ポンプ、ピストン、コントロールバルブの5つのいずれかに不具合があると、他の4つの部品にも不具合がある可能性が高いことを示している。
使用部品対応表27は、稼働実績記録25に記載されている動作と、その動作を実行することにより使用され負荷が生じる部品の取付部位番号の対応を、機種ごとに示す表である。たとえば図7に示すように、機種、すなわち建設機械IDの上5桁がC0101であれば掘削により、取付部位番号0001、0002、0101、0201の4つの部品に負荷を生じることを表している。なお、表中の「N/A」は動作が不可能なため負荷が生じる部品がないことを表している。
サーバ通信部23は、不図示の衛星通信ユニットを有し、タグリーダ10および建設機械30と通信衛星を介して通信できる。サーバ通信部23は、建設機械30から定期的にその稼働情報を受信し、それらは稼働実績記録25に記録される。また、タグリーダ10から受信したデータに基づき、記憶部22を検索し、後述する処理の結果をタグリーダ10に送信する。
建設機械30は、図示しないエンジンと、エンジンに駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの吐出油で駆動される各種油圧アクチュエータと、エンジンや油圧ポンプを電子制御するコントローラと、油圧アクチュエータなどを操作する操作装置などを備えている。コントローラには、建機制御部31、建機通信部32、稼働情報収集部33、が設けられている。また、エンジンや油圧ポンプなどの建設機械30の構成部品には、ICタグ34が設けられている。なお、建設機械IDはあらかじめサービスマンが認識しているものとする。
建機制御部31は、不図示のCPU、RAMおよびROMを備え、ROMに保存されている後述するプログラムをRAMに展開して実行する。また、建機制御部31は、建機通信部32および稼働情報収集部33とバスで接続されており、稼働情報収集部33から建機通信部32へのデータ授受を中継することができる。ICタグ34は、消耗品であり交換対象となる個々の部品に貼り付けられ、各ICタグ34には図3に示す部品データベースの1レコードと同様のデータが保存されている。
建機通信部32は、不図示の衛星通信ユニットを有し、建設機械30の位置に関わらずサーバ20と通信ができる。稼働情報収集部33は、不図示の圧力制御ユニット、油圧ポンプ、および各種センサの出力を同期して収集しており、収集したデータは定期的に(例えば1日1回)建機通信部32を経由してサーバ20に送信される。このデータはサーバ20では稼働実績記録25として保存される。
次に、第1の実施の形態における動作を説明する。
第1の実施の形態では、交換すべき部品の情報をサーバ20からタグリーダ10に送信し、その情報をもとにタグリーダ10のユーザが部品交換を行う。
以下、第1の実施の形態におけるタグリーダ10の動作を説明する。
リード/ライト部12は、タグリーダ制御部11による読取り指令によりICタグ34を読取り、タグリーダ制御部11にその読み取った情報を伝達するが、読取りができなかった場合には、読取りができなかった旨の情報をタグリーダ制御部11に伝達する。
タグリーダ制御部11は、サーバ20から読取り部品リスト19を受信すると記憶部15に保存するとともに表示部14に表示し、図8に示すフローチャートで表されるプログラムの実行を開始する。ただしこの際に受信した読取り部品リスト19をそのまま表示してもよいが、タグリーダ10のユーザに理解しやすいように表示部14に表示してもよい。たとえば、取付部位番号対応表18を参照して、取付部位番号「0001」を文字列「アームシリンダ」に変換して表示する。また、2次元や3次元の図を用いて取付部位を表示してもよい。特に同じ部品が建設機械30の左右に取り付けられている場合には、図を用いることにより左右方向の定義に関わらず誤解を生じない利点がある。
ステップS101では、タグリーダ制御部11は、読取り部品リスト19から1レコードを読取り、照合データを作成する。照合データとは、部品ID、建設機械ID,取付部位番号からなるデータである。続くステップS102では、ステップS101で読取った情報をタグリーダ10の表示部14に表示し、ステップS103に進む。このとき、読取り部品リスト19の情報をそのまま表示してもよいし、上述したようにタグリーダ10のユーザに理解しやすいように表示部14に表示してもよい。
ステップS103では、タグリーダ制御部11は、ユーザからのタグ読取り指示を待ち、読取り指示があればリード/ライト部12に読取り指令を送り、ステップS104に進む。ユーザからのタグ読取り指示とは、たとえばユーザによる不図示のタグデータ読書きボタンの押下である。
ステップS104では、タグリーダ制御部11は、リード/ライト部12からの情報が、読取ったICタグ34の情報であるか、読取りができなかった旨の情報であるか、を判断する。リード/ライト部12からの情報が、ICタグ34の情報である場合にはステップS105へ、読取りができなかった旨の情報である場合はステップS106へ進む。
ステップS105では、タグリーダ制御部11は、読取ったICタグ34の情報に、部品取付日時、および照合データに含まれる建設機械IDが含まれるかを判断し、その両方が含まれる場合はステップS107に進み、どちらか片方でも含まれない場合はステップS106に進む。読取った部品にICタグが付されていても、本来記録されているはずの部品取付日時や建設機械IDの情報が含まれない、もしくは建設機械IDが一致しない場合はその部品が不正規品と考えられる。
ステップS106では、ステップS101で読取り部品リスト19から読取った、部品ID,建設機械ID、および取付部位番号、ならびに不正規品があったことを示す特別なコード、の4つを不正規品情報としてサーバ20へ送信し、ステップS112に進む。
ステップS107では、タグリーダ制御部11は、読取ったICタグ34の部品ID、建設機械ID,および取付部位番号と、ステップS101で作成した照合データが一致するかを判断し、一致している場合はステップS109に進み、1つでも一致しない場合はステップS108に進む。
ステップS108では、タグリーダ制御部11は、入力した部位と読取ったICタグの情報が一致しない旨の表示を表示部14に出力するように制御する。タグリーダ制御部11は、報知部17のスピーカーからアラーム音を発して、一致しないことをユーザに報知する。そして再度のICタグ34の読取りに備えてステップS103に戻る。
ステップS109では、タグリーダ制御部11は、読取ったICタグ34の情報をタグリーダ通信部16を介してサーバ20に送信し、ステップS110に進む。ステップS110では、タグリーダ制御部11は、ステップS104、S105、S107の判断が全てYESであったことをICタグ34に記録するとともにユーザに通知し、ステップS110Aに進む。ICタグ34への記録とは、ステップS103〜ステップS104において情報を読取ったICタグ34に対して、最終点検日時の日付を現在時刻に更新する書き込みを行う処理である。また、ユーザに通知するために、表示部14に正常に読取りが完了した旨の表示を出力する。
ステップS110により表示部14に正常に読取りが完了した旨が表示されるため、タグリーダ10のユーザはステップS103で読取ったICタグ34が付されていた部品を新たな部品に交換する。そして、タグリーダ10のユーザは、部品取付の記録を残すために、その新たな部品に付されたICタグ34をタグリーダ10のリード/ライト部に近づけて、不図示のタグデータ読書きボタン押下などによりICタグ34のタグ情報の読み取り指示を出す。
タグリーダ制御部11は、ステップS110Aにおいて、ICタグ34のタグ情報の読み取り指示の有無を判定し、指示があればステップS111に進む。ステップS111では、タグリーダ制御部11は、ICタグ34から部品IDを読み出して一時的にRAMに記録し、ICタグ34の部品取付日時に現在時刻を書き込んで、ステップS112に進む。
ステップS112では、タグリーダ制御部11は、読取り結果を読取り部品リスト19の当該部品の欄に書込む。正常にICタグ34の読み込みが完了し、部品交換が完了した場合にはステップS111でRAMに記録した部品ID、および部品取付日時を記録し、不正規品であると判断した場合は「NG.不正規品」と記録する。
続くステップS113では、タグリーダ制御部11は、読取り部品リスト19から読込んだ最後の部品が、読取り部品リスト19に記録されている最後の部品であるか否かを判断する。最後の部品であればステップS114に進み、最後の部品でなければステップS101に戻り次の部品を読み込む。
ステップS114では、タグリーダ制御部11は、ステップS112にて読取り結果を書き込んだ読取り部品リスト19をサーバ20に送信し、図8のフローチャートを終了する。
以下、第1の実施の形態におけるサーバ20の動作を説明する。サーバ20は、読取り部品リスト19を生成してタグリーダ10に送付する機能、およびタグリーダ10から受信したICタグ34などのデータを処理する機能、の2つの機能を有する。
サーバ制御部21は、一定時間ごと、もしくはユーザからの指示に基づいて、交換対象が記載された読取り部品リスト19をタグリーダ10に送付すべく、図9のフローチャートに示すプログラムを実行する。
図9のフローチャートは、ユーザ要求に対する読取り部品リスト19を生成するためのものである。ステップS201では、サーバ制御部21は、部品データベース24の先頭、すなわち、図4の部品データベース24のインデックスが1の部品を最初の処理対象に定め、ステップS202に進む。
ステップS202では、サーバ制御部21は、部品データベース24の処理対象の部品について機種、機体番号、および部品取付日時を特定し、稼働実績記録25から部品取付日時以後で、機種および機体番号が一致する稼働実績記録25を抽出してステップS203に進む。
ステップS203では、サーバ制御部21は、処理対象の部品について取付部位コードを特定し、使用部品対応表27から処理対象の部品が使用される作業を特定する。そして、抽出した稼働実績記録25から処理対象の部品が使用される作業が含まれる時間を累計し、処理対象の部品の現在までの累計稼働時間を算出する。ただし、稼働実績記録25に記録されている平均負荷、または最大負荷が予め設定する高負荷基準値を超えている場合には、高負荷作業が多く行われたと判断して、記録されている稼働時間に1を超える係数をかけた時間を累計してもよい。また、稼働実績記録25に記録されている平均負荷、または最大負荷が予め設定する低負荷基準値未満の場合には、低負荷作業が多く行われたと判断して、記録されている稼働時間に1未満の係数をかけた時間を累計してもよい。
続くステップS204では、サーバ制御部21は、ステップS203で算出した累計稼働時間、および部品取付日時から現在までの日数をもとに、1日あたりの平均稼働時間を算出する。そして、部品データベース24に記録されている、処理対象の部品の標準交換時間に達する時期を算出し、ステップS205に進む。
ステップS205では、サーバ制御部21は、ステップS204で算出した時期が、当該処理を実行している日時から一定期間内、例えば1月以内であるか、もしくはすでに交換時期を超過しているかを判断する。そして、いずれかの条件に該当する場合はステップS206に進み、いずれの条件にも該当しない場合はステップS207に進む。すなわち、早く交換すべき場合はステップS206に進み、交換までに時間がある場合はステップS207に進む。
ステップS206では、サーバ制御部21は、現在の処理対象の部品に関する情報を、読取り部品リスト19に新たなレコードとして追加し、ステップS207に進む。部品に関する情報とは、部品ID、建設機械ID,取付部位番号であり、読取り結果はタグリーダ10にて書き込まれるので空欄とする。
ステップS207では、サーバ制御部21は、部品データベース24に未処理の部品があるかを判断し、未処理の部品がある場合はステップS209に進み、未処理の部品がない場合はステップS208に進む。
ステップS208では、サーバ制御部21は、ユーザ要求によって作成された読取り部品リスト19をタグリーダ10に送信し、図9のフローチャートを終了する。
ステップS209では、サーバ制御部21は、処理対象をインデックスを1増加させた次の部品に変更し、ステップS202に進む。
また、サーバ制御部21は、サーバ通信部23がタグリーダ10からデータを受信すると、図10のフローチャートに示すプログラムを実行する。なお、サーバ通信部23がタグリーダ10から受信するデータは、図8のステップS106で送信する不正規品情報、同じくステップS109で送信するICタグ34の情報、または同じくステップS114で送信する読取り部品リスト19、のいずれかである。
ステップS301では、サーバ制御部21は、受信したデータが読取り部品リスト19であるかを判断し、読取り部品リスト19であった場合はステップS302に進み、読取り部品リスト19でなかった場合はステップS303に進む。
ステップS302では、サーバ制御部21は、読取り部品リスト19に記録されている交換した部品の情報を部品データベース24に反映させ、図10のフローチャートを終了する。たとえば、部品交換が正常に行われると、読取り結果には交換後の部品IDと部品取付日時が記載されるので、記載の部品IDと同一の部品IDを有するレコードに、その部品取付日時を記録する。
ステップS303では、サーバ制御部21は、受信したデータが不正規品情報であるか、ICタグ34の情報であるかを判断する。たとえば、不正規品情報には不正規品であることを示す特別なコードが含まれるため、その特別なコードの有無により不正規品情報であるか否かを判断できる。受信した情報がICタグ34の情報の場合はステップS304に進み、不正規品情報であった場合はステップS308に進む。
ステップS304〜S306では、サーバ制御部21は、受信したICタグ34の情報から、そのICタグ34が付された部品の次回の部品交換時期を、図9のステップS202〜S204と同様に算出する。続くステップS307では、算出した次回の部品交換時期をタグリーダ10に送信し、図10のフローチャートを終了する。
ステップS308では、サーバ制御部21は、不正規品情報に含まれる建設機械の機種(建設機械IDの上5桁)および取付部位番号により関連部品リスト26を参照して、不正規品情報に係る部品に関連部品が存在するかを判断する。関連部品が存在する場合はステップS309に進み、関連部品が存在しない場合はステップS311に進む。
ステップS309では、サーバ制御部21は、不正規品情報に係る部品の関連部品に関する情報を、関連部品リスト26および部品データベース24を参照して収集する。続くステップS310では、収集した部品の情報をタグリーダ10に送信し、図10のフローチャートを終了する。
ステップS311では、サーバ制御部21は、不正規品情報に係る部品には関連部品がない旨をタグリーダ10に送信し、図10のフローチャートを終了する。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)第1の実施形態のタグリーダ10は、ICタグ34を付した部品の設置箇所を特定する情報を入力する入力部13と、入力部13により入力された情報と読み込んだICタグ34に含まれる部品の情報とから両者の設置箇所が同一かを判定する設置箇所一致判定部、すなわちリーダ制御部11と、リーダ制御部11により同一でないと判断された場合に同一でないことを報知する報知部17とを備える。
そのため、対象部品とは異なる別の部品にタグリーダ10をかざした場合、読み取った情報が対象部品からの情報ではないことをサービスマンなどが容易に認識することができる。たとえば、類似する部品が隣接して配置されている場合において、とくに効果がある。また、読取ったICタグ34の情報が読取り部品リスト19に記録されている取付部位番号などと一致しない場合、報知部17により報知されるため、ユーザはICタグ34の読取り間違いに気づくことができる。
(2)第1の実施形態のタグリーダ10は、部品を管理する遠隔地に設置したサーバ20と通信するタグリーダ通信部16と、タグリーダ通信部16によってサーバ20から受信して入力部13に入力された対象部品とその設置個所のリストを表示する表示部14とをさらに備える。
そのため、サービスマン等は、表示部14に表示される検査すべき対象部品と設置箇所のリストに基づいて対象部品を容易に認識することができる。すわなち、サービスマン等は、表示された設置個所に位置する部品にタグリーダ10をかざすだけで、対象部品の点検や交換などの情報を入手できる。
(3)第1の実施形態の部品管理システムにおけるサーバ20は、部品の情報を有する部品データベース24と、タグリーダ10と通信するサーバ通信部23と、所定の条件で部品データベースを検索して得られた部品およびその設置箇所を特定する情報を対応づけた読取り部品リスト19を、サーバ通信部23を介してタグリーダ10に送付するサーバ制御部21とを備える。
そのため、タグリーダ10のユーザは、タグリーダ10を用いて読取るべき、所定の条件に該当する部品、例えば交換時期が近付いている部品の一覧を読取り部品リスト19として入手することができる。タグリーダ10が表示部14を備えていれば、表示部14で交換時期に近い部品をリストとして確認することができる。
(4)第1の実施形態の部品管理システムにおけるICタグ34の情報は、ICタグ34を付している部品の部品取付日時を少なくとも含む。タグリーダ10は、サーバ20から受信した読取り部品リスト19により設置箇所が特定される部品に付されたICタグ34から、ICタグ34に保存されている部品の部品取付日時を読み取れなかった場合は、部品が不正規品であることをサーバ20へ通知するタグリーダ制御部11をさらに備える。
サーバ20は、図10のステップS308において、タグリーダ10から受信した読取り部品リスト19により特定される部品に関連する部品を検索する処理、すなわち、関連部品検索処理を実行する。部品データベース24に蓄積された情報は、ICタグ34を付している部品の負荷状況、および部品の部品取付日時を含む。関連部品検索処理では、所定の条件が成立したとき、すなわち、部品取付日時以後の部品の負荷状況を参照して算出した次回の部品交換時期がICタグ34の情報受信時から一定期間内にあること、または次回の部品交換時期を超過していることが成立したとき、サーバ制御部21は、不正規品であると通知された部品について関連部品検索処理が関連する部品があると判断する場合に、関連する部品の情報を報知情報としてタグリーダ10に送信する。
そのため、タグリーダ10が不正規品であると判断した部品に関連する部品の情報が、サーバ20からタグリーダ10に報知されるため、ユーザは不正規品が取り付けられていたことにより交換が必要になった可能性のある部品を知ることができる。さらに、ユーザによるICタグ34の読取りから、サーバ20による前述の情報の送信までの時間は一般的に短いため、ユーザはICタグ34の読取りに続けて、サーバから送信された情報に基づいて部品を目視検査することができ、効率が良い。
(変形例1)
第1の実施の形態では、タグリーダ10は読取り部品リスト19をサーバ20から受信したが、ユーザがタグリーダ10の入力部13から各種情報を入力し、タグリーダ制御部11が以下のように処理をして読取り部品リスト19を作成してもよい。
図11はタグリーダ制御部11が、ユーザの入力部13からの操作により実行されるプログラムの処理を表すフローチャートである。
ステップS401では、タグリーダ制御部11は、図12に示す情報入力用インタフェース14aを表示部14に表示し、ユーザに建設機械ID入力欄14bへの入力を促す。続くステップS402では、タグリーダ制御部11は、ユーザによる建設機械IDの入力を待ってステップS403に進む。
ステップS403では、タグリーダ制御部11は、取付部位番号対応表18からユーザが入力した建設機械IDの上5桁が一致する欄を検索し、その欄に表示されている取付部位名称の一覧を取付部位名称リスト14cとして情報入力用インタフェース14aに追加する。例えば取付部位名称リスト14cはドロップダウンリストであり、リストに含まれる任意の取付部位を1つ、または複数を選択できる構造になっている。
続くステップS404では、タグリーダ制御部11は、ユーザによる取付部位名称リスト14cからの選択を待ち、選択があるとステップS405に進む。
ステップS405では、タグリーダ制御部11は、ユーザがステップS404で選択した取付部位について、取付部位番号対応表18およびユーザがステップS402で入力した建設機械IDを参照して、取付部位番号を特定する。そして、ユーザがステップS402で入力した建設機械IDと、特定した取付部位番号とからなるデータを、読取り部品リスト19として記憶部15に保存し、図11のフローチャートを終了する。
以上説明した変形例1によれば、次の作用効果を奏する。
タグリーダ10は、図8のステップS107において、入力部13により入力された情報と読み込んだICタグ34に含まれる部品の情報とから両者の設置箇所が同一かを判定する。すなわち、設置箇所一致判定処理を実行する。報知部17は、設置箇所一致判定処理により同一でないと判断された場合に同一でないことを報知する。
この変形例1によれば、タグリーダ10のユーザが、タグリーダ10による読取りの前に読取り対象のICタグ34が付された部品を明示的に入力するため、ICタグ34を読取る前にユーザ自身で読取り対象を確認することができる。また、サーバ20との通信ができない場合でも、ユーザによる入力により読取り対象のICタグ34を確認しながらのICタグ34の情報読み取りができる。
(変形例2)
第1の実施の形態では、サーバ制御部21は、次回の部品交換時期を条件として部品を選択したが、建設機械ID、部品ID、取付部位番号、機種(建設機械IDの上5桁)、部品型番(部品IDの上5桁)などを部品選択の条件としてもよい。また、先に挙げた複数の選択基準を組み合わせてもよい。さらに、ユーザがタグリーダ10の入力部13を利用して、サーバ20へ部品を選択する条件を指定してもよい。
(変形例3)
第1の実施の形態では、タグリーダ10はタグリーダ通信部16を備えていたが、タグリーダ10の構成はこれに限定されない。タグリーダ10は通信部を備えず、その代わりに通信用のインタフェース、たとえばシリアルポートやUSB端子を備え、通信機能を有する機器、たとえば携帯電話やモデムを接続して通信を行ってもよい。
この変形例3によれば、タグリーダ10の製造コストを低減でき、さらに状況に応じて最適な通信機器を選択して接続することができる。たとえば、周囲に無線LANのアクセスポイントが設置されている環境であれば無線LAN通信機と接続し、砂漠などインフラが全くない環境では通信衛星と直接通信のできる衛星携帯電話と接続して通信を行う。
(第2の実施の形態)
以下、図13〜図15を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、部品の点検を目的として読取り部品リスト19を作成する点が特徴である。
第2の実施の形態と第1の実施の形態との相違は、タグリーダ制御部11のROM、およびサーバ制御部21のROMに保存されているプログラムが異なる点である。
以下、第2の実施の形態におけるタグリーダ10の動作を説明する。
第2の実施の形態における、タグリーダ制御部11の動作は第1の実施の形態とほぼ同様であるが、部品の点検を目的としており部品交換を点検と同時に行うことは想定していない。そのため、タグリーダ制御部11は、第1の実施の形態におけるタグリーダ制御部11の動作を表す図8を、以下のように一部だけ変更した動作を行う。
第2の実施の形態では、部品交換に伴うICタグの読書き(図8のステップS112)を行わない。そのため、図8からステップS112を削除し、ステップS111の次はステップS113に進む。図13は、第2の実施の形態のタグリーダ制御部11の動作を示すフローチャートである。
第2の実施の形態におけるサーバ20の動作を説明する。第1の実施の形態と同様に、読取り部品リスト19を生成してタグリーダ10に送付する機能、およびタグリーダから受信したICタグ34などの情報を処理する機能、の2つの機能を有するが、以下のように詳細は異なる。
図14のフローチャートに示すプログラムは、第1の実施の形態における図9のフローチャートに示すプログラムに代わって、第2の実施の形態においてサーバ制御部21が実行する。
図14のフローチャートは、ユーザ要求に対する読取り部品リスト19を生成するためのものである。ステップS501では、サーバ制御部21は、部品データベース24のインデックスが1の部品を最初の処理対象に定める。続くステップS502では、その部品について、最終点検日時が部品取付日時よりも遅い(日時がより新しい)かを判断し、最終点検日時の方が遅ければステップS503に進み、同日または部品取付日時の方が遅ければステップS504に進む。ただし、部品取付日時しか記録がない場合はステップS504に進む。
ステップS503では、サーバ制御部21は、最終点検日時から当該処理日時までに一定期間以上、たとえば1月以上経過しているかを判断する。一定期間以上経過している場合はステップS505に進み、一定期間未満であればステップS506に進む。
ステップS504では、サーバ制御部21は、部品交換日時から当該処理日時までに一定期間以上、たとえば1月以上経過しているかを判断する。一定期間以上経過している場合はステップS505に進み、一定期間未満であればステップS506に進む。
ステップS505では、サーバ制御部21は、現在の処理対象の部品に関する情報を、読取り部品リスト19に新たなレコードとして追加し、ステップS506に進む。部品に関する情報とは、部品ID、建設機械ID,および取付部位番号であり、読取り結果はタグリーダ10にて書き込まれるので空欄とする。
ステップS506では、サーバ制御部21は、部品データベース24に未処理の部品があるかを判断し、未処理の部品がある場合はステップS508に進み、未処理の部品がない場合はステップS507に進む。
ステップS507では、ユーザ要求によって作成された読取り部品リスト19をタグリーダ10に送信し、図14のフローチャートを終了する。
ステップS508では、サーバ制御部21は、処理対象をインデックスを1増加させた次の部品に変更し、ステップS502に進む。
サーバ20がタグリーダ10からICタグ34などの情報を受信した際の動作を説明する。図15のフローチャートに示すプログラムは、第1の実施の形態における図10のフローチャートに示すプログラムに代わって、第2の実施の形態においてサーバ制御部21が実行する。第1の実施の形態の図10の処理と同じ内容のステップには、同じステップ番号を付してその説明を省略する。すなわち、第2の実施の形態では、第1の実施の形態において、受信したデータが不正規品情報であった場合(ステップS303:YES)の対処が、第1の実施の形態と異なる。
ステップS301では、サーバ制御部21は、受信したデータが読取り部品リスト19であるかを判断し、読取り部品リスト19であった場合はステップS302に進みその情報を部品データベース24に反映する。読取り部品リスト19でなかった場合はステップS303に進み、受信したデータが不正規品情報であるか、ICタグ34の情報であるかを判断する。
ステップS303では、サーバ制御部21は、受信した情報が不正規品情報であるか、ICタグ34の情報であるかを判断し、受信した情報がICタグ34の情報の場合はステップS304に進み、不正規品情報であった場合はステップS601に進む。
ステップS304〜S306では、サーバ制御部21は、前述のとおり部品交換時期を算出し、続くステップS307でその部品交換時期をタグリーダ10に送信して図15のフローチャートを終了する。
ステップS601では、サーバ制御部21は、不正規品情報に含まれる建設機械IDおよび取付部位番号を用いて、部品データベース24から不正規品が取り付けられていた位置に直前に取り付けられていた正規の部品(以後、最後の正規部品と呼ぶ)を検索する。例えば、まず、部品データベース24から、建設機械IDおよび取付部位番号が、不正規品情報に含まれていた建設機械IDおよび取付部位番号と一致する部品を検索する。そして、複数の部品が該当した場合は、最も部品取付日時が新しいものが最後の正規部品であり、1つのみが該当した場合はその部品が最後の正規部品である。
続くステップS602では、サーバ制御部21は、ステップS601において最後の正規部品が見つかったかを判断し、見つかった場合にはステップS603に進み、見つからなかった場合はステップS604に進む。
ステップS603では、サーバ制御部21は、部品データベース24に最後の正規部品の最終点検日時が記録されているかを判断し、記録されている場合はステップS605に進み、記録されていない場合はステップS606に進む。
ステップS604では、不正規品が取り付けられた日時を知る手がかりがないため、サーバ制御部21は、以下の手順(以後、受信時基準の不正規品交換時期算出処理と呼ぶ)により不正規品の交換時期を算出し、ステップS607に進む。
不正規品情報から、当該不正規品が取り付けられていた建設機械の建設機械IDを抽出し、過去一定期間における当該建設機械IDを有する建設機械の稼働実績記録25を全て抽出する。たとえばこの期間は過去1年とすることができる。不正規品情報から当該不正規品の取付部位番号を特定し、使用部品対応表27から当該部品が使用される作業を特定する。抽出した稼働実績記録25から上記特定された作業が含まれる時間を累計し、当該部品の現在までの累計稼働時間を算出する。この累計時間を、稼働実績記録25を抽出した日数で割ることにより、1日あたりの当該部品の平均稼働時間を算出する。当該部品の標準交換時間をその平均稼働時間で割ることにより使用できる日数が算出される。この不正規品データを受信した日付に算出した日数を加えて不正規品の交換時期を算出する。ただし、不正規品の標準交換時間は最後の正規部品よりも短い時間、たとえば正規部品の3分の1とする。
ステップS605では、最後の正規部品の最終点検日時以後に不正規品に交換されているため、サーバ制御部21は、その最終点検日時を基準として以下の手順(以後、点検時基準の不正規品交換時期算出処理と呼ぶ)により不正規品の交換時期を算出し、ステップS607に進む。
不正規品情報から、当該不正規品が取り付けられていた建設機械の建設機械IDを抽出し、最後の正規部品の最終点検日時以後の当該建設機械IDを有する建設機械の稼働実績記録25を全て抽出する。不正規品情報から当該不正規品の取付部位番号を特定し、使用部品対応表27から当該部品が使用される作業を特定する。抽出した稼働実績記録25から上記特定された作業が含まれる時間を累計し、当該部品の現在までの累計稼働時間を算出する。この累計時間を稼働実績記録25を抽出した日数で割ることにより、1日あたりの当該部品の平均稼働時間を算出する。当該部品の標準交換時間をその平均稼働時間で割ることにより使用できる日数が算出される。最終点検日時に算出した日数を加えて不正規品の交換時期を算出する。ただし、不正規品の標準交換時間は最後の正規部品よりも短い時間、たとえば正規部品の3分の1とする。
ステップS606では、最後の正規部品の部品取付日時以後に不正規品に交換されているため、サーバ制御部21は、その部品取付日時を基準として以下の手順(以後、交換時基準の不正規品交換時期算出処理と呼ぶ)により不正規品の交換時期を算出し、ステップS607に進む。
不正規品情報から、当該不正規品が取り付けられていた建設機械の建設機械IDを抽出し、最後の正規部品の部品取付日時以後の当該建設機械IDを有する建設機械の稼働実績記録25を全て抽出する。不正規品情報から当該不正規品の取付部位番号を特定し、使用部品対応表27から当該部品が使用される作業を特定する。抽出した稼働実績記録25から上記特定された作業が含まれる時間を累計し、当該部品の現在までの累計稼働時間を算出する。この累計時間を稼働実績記録25を抽出した日数で割ることにより、1日あたりの当該部品の平均稼働時間を算出する。当該部品の標準交換時間をその平均稼働時間で割ることにより使用できる日数が算出される。部品取付日時に算出した日数を加えて倣品の交換時期を算出する。ただし、不正規品の標準交換時間は最後の正規部品よりも短い時間、たとえば正規部品の3分の1とする。
ステップS607では、サーバ制御部21は、算出した不正規品の交換時期、算出基準日、およびその理由を、サーバ通信部23を介してタグリーダ10に送信する。送信するメッセージは例えば「交換時期:2014年6月上旬。算出基準日:本日。理由:最後の正規部品の記録がないため」である。このメッセージを見たタグリーダ10のユーザは、本日基準で不正規品の交換時期を算出しているため、上記交換時期よりも十分に早く正規部品に交換すべきであると判断できる。
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)第2の実施形態の部品管理システムにおけるサーバ20が有する部品に関する情報は、部品の負荷状況を含む稼働実績記録25、ならびに部品取付日時および最終点検日時を含む部品データベース24を含む。サーバ20は、部品データベース24に保存されていた部品取付日時と最終点検日時のうち遅い方から一定の期間を経過している部品をリストアップして読み取り部品リスト19を作成する。
タグリーダ10は、入力部13により入力した情報、すなわち、サーバ20から受信した読み取り部品リスト19から特定された設置箇所の部品に付されたICタグ34から部品取付日時を読み取れなかった場合に、入力部13により入力した情報から特定された設置箇所の部品が不正規品であることをサーバ20へ通知する。
サーバ20は、タグリーダ10から受信した不正規品の設置箇所にある部品の過去の負荷状況を参照して不正規品の次回の交換時期を算出する第1部品交換時期算出部と、タグリーダ10から受信した不正規品の設置箇所に直前に取り付けられていた部品(以後、最後の正規部品と呼ぶ)の部品取付日時以後の最後の正規部品の負荷情報を参照して不正規品の次回の部品交換時期を算出する第2部品交換時期算出部と、最後の正規部品の最終点検日時以後の最後の正規部品の負荷情報を参照して前記不正規品の次回の部品交換時期を算出する第3部品交換時期算出部と、をさらに備える。サーバ制御部21は、タグリーダ10から不正規品であることを受信すると、タグリーダ10から受信した情報、および部品データベース24に保存されているデータにより第1、第2または第3部品交換時期算出部を選択し、選択した算出部により算出した次回の部品交換時期を報知情報としてタグリーダ10へ送信する。
したがって、不正規品が使用されている建設機械の種々の部品に対する交換時期も適切に報知することができる。
(2)とくに、第2実施の形態の部品管理システムのように、サーバ制御部21により、まず部品データベース24に最後の正規部品の最終点検日時が保存されているかを確認し保存されている場合は第2部品交換時期算出部を選択し、次に最後の正規部品の部品取付日時が保存されているかを確認し保存されている場合は第3部品交換時期算出部を選択し、それ以外の場合は第1部品交換時期算出部を選択するように構成することにより、部品データベース24の記録を参照して、不正規品が取り付けられた可能性のある最も早い時期を特定し、推定できる不正規品の交換時期のうち最も早い時期をタグリーダ10へ送信することができる。
(変形例4)
第2の実施の形態では、サーバ制御部21は、不正規品情報に含まれる建設機械IDおよび取付部位番号を用いて、部品データベース24から最後の正規部品を検索し(図14のステップS601)、その有無などに基づいて不正規品の交換時期の計算方法を変更したが、最後の正規部品を検索せずに、常に受信時基準の不正規品交換時期算出処理をおこなってもよい。
上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
さらに、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における機器構成に何ら限定されない。
1…部品管理システム、10…タグリーダ、11…タグリーダ制御部、12…リード/ライト部、13…入力部、14…表示部、15…記憶部、16…タグリーダ通信部、17…報知部、18…取付部位番号対応表、19…読取り部品リスト、20…サーバ、21…サーバ制御部、22…記憶部、23…サーバ通信部、24…部品データベース、25…稼働実績記録、26…関連部品リスト、27…使用部品対応表、30…建設機械、31…建機制御部、32…建機通信部、33…稼働情報収集部、34…ICタグ

Claims (1)

  1. 部品に付したICタグを読み取るタグリーダと、遠隔地に設置され、前記部品を管理するサーバと、を備える部品管理システムにおいて、
    前記ICタグの情報は、当該ICタグを付している部品の前回の交換日時を少なくとも含み、
    前記タグリーダは、
    前記ICタグを付した部品の設置箇所を特定する情報を入力する入力部と、
    前記入力部により入力された情報と読み込んだ前記ICタグに含まれる部品の情報とから両者の設置箇所が同一かを判定する設置箇所一致判定部と、
    前記設置箇所一致判定部により同一でないと判断された場合に同一でないことを報知する報知部と、
    前記サーバと通信するタグリーダ通信部と、
    前記タグリーダ通信部によって前記サーバから受信して前記入力部に入力された対象部品と当該対象部品の設置個所とのリストを表示する表示部と、
    前記サーバから受信した前記リストにより設置箇所が特定される部品に付された前記ICタグから、当該部品の前記前回の交換日時を読み取れなかった場合に、前記部品が不正規品であることを前記サーバへ通知するタグリーダ制御部と、を備え、
    前記サーバは、
    部品の情報を蓄積する部品データベースと、
    前記タグリーダと通信するサーバ通信部と、
    所定の条件で前記部品データベースを検索して得られた部品および当該部品の設置箇所を特定する情報を対応づけた前記リストを、前記サーバ通信部を介して前記タグリーダに送信するサーバ制御部と、
    前記タグリーダから受信した前記リストにより特定される部品に関連する部品を検索する関連部品検索部と、を備え、
    前記部品データベースに蓄積されている情報は、前記ICタグを付している部品の負荷状況、および当該部品の前記前回の交換日時を含み、
    前記所定の条件とは、前記前回の交換日時以後の前記部品の負荷状況を参照して算出した次回の部品交換時期が前記ICタグの情報受信時から一定期間内にあること、または次回の部品交換時期を超過していることであり、
    前記サーバ制御部は、不正規品であると通知された部品について前記関連部品検索部が関連する部品があると判断する場合に、前記関連する部品の情報を報知情報として前記タグリーダに送信する部品管理システム。
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