第1の発明は、1台の圧縮機と複数の庫内にそれぞれ配置された庫内熱交換器と庫外に配置された庫外熱交換器とを用いて冷却運転用の冷媒流路とヒートポンプ運転用の冷媒流路とに切替可能な冷凍サイクルを構成し、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、運転制御手段が、前記冷凍サイクルをヒートポンプ運転用の冷媒流路に切替えた上で前記庫内熱交換器により冷却される冷却設定の庫内の温度が制御温度になるように前記圧縮機の運転を制御し、前記庫内熱交換器により加温される加温設定の庫内の温度が加温設定温度になるように、前記庫内熱交換器により加温される加温設定の庫内に配置されたヒータへの通電を制御する物品冷却装置であって、前記運転制御手段が、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも前記圧縮機の運転率を上げることを特徴とする。
上記構成において、運転制御手段が、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも圧縮機の運転率を上げるので、ヒートポンプ運転による加温の寄与率が増えてヒータによる加温の寄与率が減ること
になる。
この場合、加温の消費電力量の減少量は、冷却の消費電力量の増加量より大きいので、全体として消費電力量を減らす(省エネルギーを図る)ことができる。
第2の発明は、特に第1の発明における前記運転制御手段が、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも、前記冷凍サイクルをヒートポンプ運転用の冷媒流路にしている時に前記庫内熱交換器により冷却される冷却設定の庫内の制御温度を下げることにより、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも前記圧縮機の運転率を上げることを特徴とする。
ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも、冷凍サイクルをヒートポンプ運転用の冷媒流路にしている時に庫内熱交換器により冷却される冷却設定の庫内の制御温度を下げると、サーモオン時間(圧縮機が運転している時間)が長くなってサーモオフ時間(圧縮機が停止している時間)が短くなるので、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも圧縮機の運転率を上げことができる。
したがって、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転による加温の寄与率が増えてヒータによる加温の寄与率が減ることになり、全体として消費電力量を減らす(省エネルギーを図る)ことができる。
第3の発明は、特に第1の発明に加えて、前記庫内熱交換器により冷却または加温された空気を循環させる回転数可変の庫内ファンを各庫内に備え、前記運転制御手段が、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも、前記冷凍サイクルをヒートポンプ運転用の冷媒流路にしている時に前記庫内熱交換器により冷却される冷却設定の庫内の前記庫内ファンの回転数を高回転数にする(回転数を上げる、回転数を高くする)ことにより、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも前記圧縮機の運転率を上げることを特徴とする。
上記構成により、庫内熱交換器で冷却される冷却設定の庫内の庫内ファンの回転数が上がると、庫内熱交換器と庫内ファンから離れた庫内の上部の領域にまで冷気(庫内熱交換器で冷却された空気)が循環し、庫内の庫内熱交換器と庫内ファンに近い庫内の下部領域のみの部分冷却から庫内のほぼ全体の冷却になり、その分、庫内における冷気(庫内熱交換器で冷却された空気)の循環量(循環領域、循環サイクルの長さ)の増加により、庫内温度検知手段が検知する庫内温度がサーモオフ設定温度または下限温度に到達するまでに要する時間が長くなるので、圧縮機の運転率が上がる。
したがって、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転による加温の寄与率が増えてヒータによる加温の寄与率が減ることになり、全体として消費電力量を減らす(省エネルギーを図る)ことができる。
さらに、庫内熱交換器と庫内ファンが配置される庫内の下部領域から上部領域まで冷却販売する商品を収納した庫内が冷却されることにより、蓄冷効果が増えて、冷たい商品を提供する機会(適温に冷却された商品を販売できる数)を増やすことができる。
第4の発明は、特に第1の発明に加えて、前記庫外熱交換器に外気を送風する庫外ファンを備え、前記庫外熱交換器が、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転で加温される加温設定の庫内の前記庫内熱交換器で凝縮した冷媒を外気との熱交換により冷却し、前記運転制御手段が、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温
する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも前記庫外ファンの回転数を低回転数にすることにより、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温しない時よりも前記圧縮機の運転率を上げることを特徴とする。
上記構成において、庫外熱交換器は、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、加温設定の庫内の庫内熱交換器から流出して冷却設定の庫内の庫内熱交換器に向かって流れる冷媒を外気との熱交換により冷却するが、この庫外熱交換器に送風する庫外ファンの回転数が下がると、庫外熱交換器を通過して熱交換する外気の送風量が減るので、庫外熱交換器での冷媒と外気との熱交換量が減り、庫外熱交換器から流出して冷却設定の庫内の庫内熱交換器に流入する冷媒の温度(冷却設定の庫内の庫内熱交換器での冷媒の蒸発温度)が上がる。
その結果、冷却設定の庫内の庫内熱交換器において互いに熱交換する冷媒と空気との温度差が小さくなり、冷却設定の庫内の庫内熱交換器の冷却能力が低下するので、冷却設定の庫内の庫内温度検知手段が検知する庫内温度がサーモオフ設定温度または下限温度に到達するまでに要する時間が長くなって、圧縮機の運転率が上がる。
したがって、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温する時に、ヒートポンプ運転による加温の寄与率が増えてヒータによる加温の寄与率が減ることになり、全体として消費電力量を減らす(省エネルギーを図る)ことができる。
さらに、冷却設定の庫内の庫内熱交換器での冷媒の蒸発温度が上がることで冷凍サイクルの効率が上がり、冷却の消費電力量も減らすことができ、更なる省エネルギーを達成することができる。
第5の発明は、特に第1から第4の発明における前記運転制御手段が、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温している時に、ヒートポンプ運転で加温される加温設定の庫内の温度が前記ヒータによる加温を停止させる加温停止温度より所定温度だけ低い温度に到達すると、前記圧縮機の回転数を下げることを特徴とするものであり、第1から第4の発明における作用効果に加えて、ヒートポンプ運転で加温される加温設定の庫内の温度がヒータによる加温を停止させる加温停止温度より高くなるのを抑制できる。
第6の発明は、特に第1から第5の発明における前記運転制御手段が、ヒートポンプ運転で加温設定の庫内を加温している時に、ヒートポンプ運転で加温される加温設定の庫内の温度が前記ヒータによる加温を停止させる加温停止温度より所定温度だけ低い温度に到達すると、前記圧縮機から吐出された冷媒を加温設定の庫内の前記庫内熱交換器で凝縮させるヒートポンプ運転用の冷媒流路から前記圧縮機から吐出された冷媒を加温設定の庫内の前記庫内熱交換器で凝縮させずに前記庫外熱交換器に流して前記庫外熱交換器で凝縮させる冷却運転用の冷媒流路へと前記冷凍サイクルの冷媒流路を切り替えることを特徴とする。
これにより、ヒートポンプ運転で加温される加温設定の庫内の温度がヒータによる加温を停止させる加温停止温度より所定温度だけ低い温度に到達すると、ヒートポンプ運転をやめて冷却運転を行うので、ヒートポンプ運転で加温される加温設定の庫内の温度がヒータによる加温を停止させる加温停止温度より高くなるのを抑制でき、ヒートポンプ運転で増加していた冷却の消費電力量の増加分を減らすことができる。
なお、ヒートポンプ運転用の冷媒流路から冷却運転用の冷媒流路に冷凍サイクルの冷媒流路を切り替えた時に、加温設定の庫内の庫内熱交換器には冷媒を流さない(加温設定の庫内の庫内熱交換器で冷媒を蒸発させない)ものとする。
第7の発明は、特に第1から第6の発明の物品冷却装置を備えた自動販売機であり、第1から第6の発明の作用効果を有する自動販売機を得ることができる。
以下、本発明の物品冷却装置とそれを備えた自動販売機の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における物品冷却装置を備えた自動販売機の本体内部構造を示す概略構成図であり、図2は同実施の形態の自動販売機の冷凍サイクルの構成図であり、図3は同実施の形態の自動販売機の制御系を示すブロック図であり、図4は同実施の形態の自動販売機の制御を示すフローチャートである。
図1に示すように、本発明の実施の形態1における物品冷却装置を備えた自動販売機21は、断熱隔壁22により左右に区画された左庫内A、中庫内B、右庫内Cを備え、それぞれに販売する商品を収納する商品収納コラム23A,23B,23Cを有する。各商品収納コラム23A,23B,23C内には、それぞれコラム内の温度(庫内温度)を測定するためのコラム内温度センサ41A,41B,41Cを有する。
また、自動販売機21は、自動販売機21の周囲温度を検出するための外気温度センサ100と、自動販売機全体を制御するためのコントローラ27、圧縮機等の冷却装置及び商品排出機構等が内蔵された機構部26を備えている。
図2に示すように、左庫内Aに対しては、左庫内Aの空気を冷却または加温する庫内熱交換器51A、左庫内Aの空気を左庫内A内で循環させる庫内ファン61A、通電時に発熱して左庫内Aの空気を加温するヒータ62A、左庫内Aの空気を冷却する時に庫内熱交換器51Aに流入する液冷媒を絞り膨張させるキャピラリチューブ93A、キャピラリチューブ93Aを介して庫内熱交換器51Aに冷媒を流す流さないを切替えるための電磁弁81A、左庫内Aの空気を加温する時に庫内熱交換器51Aから流出する液冷媒を絞り膨張させるキャピラリチューブ93D、左庫内Aの空気を庫内熱交換器51Aにより加温する時にインバータ圧縮機71から吐出された高温高圧の冷媒が庫内熱交換器51Aで凝縮し左庫内Aの空気を庫内熱交換器51Aにより加温しないときにインバータ圧縮機71から吐出された高温高圧の冷媒が庫内熱交換器51Aを経由せずに庫外熱交換器81で凝縮するように冷凍サイクルの冷媒流路を切替える四方弁92、庫内熱交換器51Aの温度を検出する庫内熱交換器温度センサ101Aが設けられている。
なお、庫内熱交換器51Aは、左庫内Aの空気を庫内熱交換器51Aにより冷却する冷却運転のときに冷媒が流れて蒸発器として機能する配管と、左庫内Aの空気を庫内熱交換器51Aにより加温するヒートポンプ運転のときに冷媒が流れて凝縮器として機能する配管とに分割されている。
また、中庫内Bに対しては、中庫内Bの空気を冷却する庫内熱交換器51B、中庫内Bの空気を中庫内B内で循環させる庫内ファン61B、通電時に発熱して中庫内Bを加温するヒータ62B、中庫内Bの空気を冷却する時に庫内熱交換器51Bに流入する液冷媒を絞り膨張させるキャピラリチューブ93B、キャピラリチューブ93Bを介して庫内熱交換器51Bに冷媒を流す流さないを切替えるための三方弁94、庫内熱交換器51Bの温度を検出する庫内熱交換器温度センサ101Bが設けられている。
また、右庫内Cに対しては、右庫内Cの空気を冷却する庫内熱交換器51C、右庫内C
の空気を右庫内Cで循環させる庫内ファン61C、三方弁94から庫内熱交換器51Bを経由せずに庫内熱交換器51Cに流れる液冷媒を絞り膨張させるキャピラリチューブ93C、庫内熱交換器51Cの温度を検出する庫内熱交換器温度センサ101Cが設けられている。
また、機構部26(庫外の機械室)には、庫外熱交換器81と、庫外熱交換器81に送風する庫外ファン82と、庫外熱交換器81の温度を検知するための庫外熱交換器温度センサ102が設けられている。なお、庫外熱交換器81は、2つに分割されており、蒸発器として作用するときと凝縮器として作用するときとで冷媒が流れる経路を分けている。
なお、左庫内A用の冷凍サイクルは、インバータ圧縮機71と、庫外熱交換器81と、電磁弁81A,81B,81Cと、四方弁92と、キャピラリチューブ93A,93D,93Eと庫内熱交換器51Aとが環状に連接された構成である。
そして、左庫内Aを冷却する場合は、インバータ圧縮機71から吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁92を経由して、庫外熱交換器81で凝縮し、左庫内Aの冷却時は電磁弁81Cが閉じているために電磁弁81C側には流れずに電磁弁81A側と三方弁94側とに分流し、電磁弁81A側に流れた冷媒が、電磁弁81Aを経由してキャピラリチューブ93Aで減圧され、庫内熱交換器51Aで蒸発し、インバータ圧縮機71に戻る。
なお、庫外熱交換器81から三方弁94側に流れた冷媒は、三方弁94の状態により、三方弁94からキャピラリチューブ93B側に流出して、キャピラリチューブ93Bで減圧され、庫内熱交換器51Bと庫内熱交換器51Cで蒸発して、庫内熱交換器51Aで蒸発した冷媒と合流してインバータ圧縮機71に戻る場合と、三方弁94からキャピラリチューブ93C側に流出して、キャピラリチューブ93Cで減圧され、キャピラリチューブ93Bと庫内熱交換器51Bを流れることなく庫内熱交換器51Cで蒸発して、庫内熱交換器51Aで蒸発した冷媒と合流してインバータ圧縮機71に戻る場合とがある。
なお、電磁弁81Bは、キャピラリチューブ93Dと四方弁92との間の配管と、庫内熱交換器51A,51Cから流出した冷媒が合流してインバータ圧縮機71に戻る配管とをつなぐ配管に設けられて常に開いており、左庫内Aの空気を庫内熱交換器51Aにより加温するヒートポンプ運転時に冷媒が流れる庫内熱交換器51Aからキャピラリチューブ93Dを経由して冷媒を回収している。
また、左庫内Aを庫内熱交換器51Aにより加温するヒートポンプ運転で加温する場合は、インバータ圧縮機71から吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁92を経由して、庫内熱交換器51Aで凝縮し、キャピラリチューブ93Dで減圧され、再び四方弁92を経由して、庫外熱交換器81でさらに凝縮し、電磁弁81Cが開いている場合は電磁弁81A及び三方弁94側と電磁弁81C側とに分流し、電磁弁81C側に流れた冷媒は、電磁弁81Cを経由してキャピラリチューブ93Eで減圧され、庫外熱交換器81で蒸発し、インバータ圧縮機71に戻る。
なお、電磁弁81C側に流れずに電磁弁81A及び三方弁94側に流れた冷媒は、左庫内Aの加温時は電磁弁81Aが閉じているために三方弁94側にのみ流れ、中庫内Bをヒータ62Bで加温する場合または中庫内Bが所定下限温度まで冷却された場合は、三方弁94からキャピラリチューブ93C側に流出して、キャピラリチューブ93Cで減圧され、キャピラリチューブ93Bと庫内熱交換器51Bを流れることなく庫内熱交換器51Cで蒸発して、インバータ圧縮機71に戻る。また、中庫内Bを冷却する場合は、三方弁94からキャピラリチューブ93B側に流出して、キャピラリチューブ93Bで減圧され、庫内熱交換器51Bと庫内熱交換器51Cで蒸発して、インバータ圧縮機71に戻る。
なお、右庫内Cを冷却せずに(庫内熱交換器51Cで冷媒を蒸発させずに)左庫内Aを庫内熱交換器51Aにより加温するヒートポンプ運転で加温する場合は、電磁弁81Cを開けるが、庫内熱交換器51Bと庫内熱交換器51Cのうち少なくとも庫内熱交換器51Cで冷媒を蒸発させるために庫外熱交換器81で冷媒を蒸発させる必要がない場合は電磁弁81Cを閉じる。
また、中庫内Bと右庫内Cの兼用の冷凍サイクルは、インバータ圧縮機71と四方弁92と庫外熱交換器81と三方弁94とキャピラリチューブ93Cと庫内熱交換器51Cとが順次環状に連接され、さらに、庫内熱交換器51Bの冷媒の入口側がキャピラリチューブ93Bを介して三方弁94のもう一つの出口側に接続され、庫内熱交換器51Bの冷媒の出口側がキャピラリチューブ93Cと庫内熱交換器51Cとの間の冷媒配管に接続された構成である。
そして、中庫内Bと右庫内Cを同時に冷却する場合は、インバータ圧縮機71から吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁92を経由して、庫外熱交換器81で凝縮し、三方弁94からキャピラリチューブ93B側に流れて、キャピラリチューブ93Bで減圧され、庫内熱交換器51Bで一部の冷媒が蒸発し、その後、庫内熱交換器51Cで残りの液冷媒が蒸発して、インバータ圧縮機71に戻る。
また、中庫内Bと右庫内Cのうち右庫内Cのみを冷却する場合は、インバータ圧縮機71から吐出された高温高圧の冷媒が、四方弁92を経由して、庫外熱交換器81で凝縮し、三方弁94からキャピラリチューブ93C側に流れて、キャピラリチューブ93Cで減圧され、庫内熱交換器51Cで蒸発して、インバータ圧縮機71に戻る。
図3に示すように、本実施の形態の自動販売機21を制御する主制御手段200は、入力処理部103、運転制御手段104、運転状態判定手段105、制御温度補正手段106、庫内ファン回転数補正手段107、庫外ファン回転数補正手段108、圧縮機回転数補正手段109、運転モード切替手段110により構成されている。
入力処理部103は、各庫内コラム内温度センサ41A,41B,41C、外気温度センサ100、各庫内熱交換器温度センサ101A,101B,101C、庫外熱交換器温度センサ102の温度データを読み取る。
運転制御手段104は、各庫内ファン61A,61B,61C、各ヒータ62A,62B、インバータ圧縮機71、庫外ファン82、四方弁92、三方弁94を制御する。
運転状態判定手段105は、外気温度センサ100の値が、ヒートポンプ運転(インバータ圧縮機71から吐出した冷媒ガスが四方弁92を経由して庫内熱交換器51Aに送られ、庫内熱交換器51Bで凝縮して、キャピラリチューブ93Dで減圧されて、庫外熱交換器81で凝縮して、庫内熱交換器51Bまたは庫内熱交換器51Cで蒸発してインバータ圧縮機71にて圧縮されるサイクルを繰り返す運転)の条件に入っているかどうかを判定する。
外気温度センサ100の値が例えば0℃以上で20℃以下の場合、ヒートポンプ運転であり、それ以外はヒートポンプ運転ではないとする。
制御温度補正手段106は、インバータ圧縮機71や各ヒータ62A,62Bを動作および停止する温度を補正する。左庫内Aが加温設定、中庫内Bと右庫内Cが冷却設定の場合、ヒータ62Aは左庫内コラム内温度センサ41Aの値が例えば53℃で動作して57
℃で停止し、インバータ圧縮機71は中庫内コラム内温度センサ41Bと右庫内コラム内温度センサ41Cの温度が例えば5℃で動作して1℃で停止する。
庫内ファン回転数補正手段107は、左庫内ファン61A、中庫内ファン61B、右庫内ファン61Cの回転数を補正する。庫外ファン回転数補正手段108は、庫外ファン82の回転数を補正する。圧縮機回転数補正手段109は、インバータ圧縮機71の回転数を補正する。運転モード切替手段110は、ヒートポンプ運転をするかしないかを決定する。
以上のように構成された本実施の形態の自動販売機21について、図4を参照しながら、以下その動作、作用を説明する。
図4に示すように、運転状態判定手段105が、外気温度センサ100の値を入力処理部103から読み取り、ヒートポンプ運転の条件に入っているかどうかを確認する(図4のSTEP1)。
図4のSTEP2で、外気温度センサ100の値がヒートポンプ運転の条件(例えば、0℃以上かつ20℃以下)に入っていない場合は処理を終了し、外気温度センサ100の値がヒートポンプ運転の条件入っている場合は、図4のSTEP3に進む。
そして、図4のSTEP3では、左庫内Aが加温設定、中庫内Bと右庫内Cが冷却設定になり、四方弁92によりヒートポンプ運転用の冷媒流路に切り替えて、左庫内Aをヒートポンプ運転で加温するが、この時は、インバータ圧縮機71の運転率を上げる制御(例えば制御温度補正手段106が、冷却制御温度を1℃シフトダウンする(下げる))を行う。
制御温度補正手段106が冷却制御温度を1℃シフトダウンする制御温度補正を行わない場合は、中庫内コラム内温度センサ41Bと右庫内コラム内温度センサ41Cの温度が5℃にまで上昇すると、インバータ圧縮機71を運転し、中庫内コラム内温度センサ41Bと右庫内コラム内温度センサ41Cの温度が1℃以下になると、インバータ圧縮機71の運転を停止するのであるが、制御温度補正手段106が冷却制御温度を1℃シフトダウンする制御温度補正を行った場合は、中庫内コラム内温度センサ41Bと右庫内コラム内温度センサ41Cの温度が4℃にまで上昇すると、インバータ圧縮機71を運転し、中庫内コラム内温度センサ41Bと右庫内コラム内温度センサ41Cの温度が0℃以下になると、インバータ圧縮機71の運転を停止する。
以上のように、本実施の形態の自動販売機21に用いた物品冷却装置は、インバータ圧縮機71と共に冷凍サイクルを構成し冷却運転時に蒸発器として働き庫内の空気を冷却する庫内熱交換器51A,51B,51Cと、庫内熱交換器51A,51B,51Cにより冷却された空気がそれぞれ左庫内A、中庫内B、右庫内Cを循環するように送風する回転数可変の各庫内ファン61A,61B,61Cと、庫外熱交換器81を空冷するための庫外ファン82と、左庫内Aと中庫内Bを加温するためのヒータ62A,ヒータ62Bの運転を制御する運転制御手段104と、運転状態判定手段105と、制御温度補正手段106と、庫内ファン回転数補正手段107と、庫外ファン回転数補正手段108を有している。
制御温度補正手段106が、ヒートポンプ運転中、冷却制御温度をシフトダウンして、運転制御手段104がシフトダウンされた温度でインバータ圧縮機71を制御する。
そのため、冷却制御温度がシフトダウンされる前に比べてインバータ圧縮機71の運転
率が増えることで、ヒートポンプ運転(インバータ圧縮機71から吐出した冷媒ガスが四方弁92を経由して庫内熱交換器51Aに送られ、庫内熱交換器51Bで凝縮して、キャピラリチューブ93Dで減圧されて、庫外熱交換器81で凝縮して、庫内熱交換器51Bまたは庫内熱交換器51Cで蒸発してインバータ圧縮機71にて圧縮されるサイクルを繰り返す運転)の寄与率が増えてヒータ62Aの運転率が減ることになる。
ゆえに、冷却の運転率が増えて冷却による消費電力量は増えるものの、それ以上に加温の運転率が減って加温による消費電力量が減るので、冷却と加温の全体をみると消費電力量を減らすことができる。
なお、図4のSTEP3におけるインバータ圧縮機71の運転率を上げる方法として、制御温度補正手段106で冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの冷却制御温度を所定温度(1℃)下げる代わりに、庫内ファン回転数補正手段107を用いてもよい。
庫内ファン回転数補正手段107を用いて図4のSTEP3におけるインバータ圧縮機71の運転率を上げる場合は、庫内ファン回転数補正手段107が、中庫内Bの庫内ファン61Bと右庫内Cの庫内ファン61Cの回転数をヒートポンプ運転を行わないときよりも高くする(高回転数に上げる)。
この場合は、商品収納コラム23Bと商品収納コラム23Cの下部から上部までに冷気が行き渡りトータルクーリングとなり、その分、冷却する仕事量が増えて、インバータ圧縮機71の運転率も増える。そして、ヒートポンプ運転の寄与率が増えてヒータ62Aの運転率が減ることになる。
ゆえに、冷却の運転率が増えて冷却による消費電力量は増えるものの、それ以上に加温の運転率が減って加温による消費電力量が減るので、冷却と加温の全体をみると消費電力量を減らすことができる。さらに、商品収納コラム23Bと商品収納コラム23Cの下部から上部まで冷却されることにより蓄冷効果が増えて、冷たい商品を提供する機会を増やすことができる。
もしくは、図4のSTEP3におけるインバータ圧縮機71の運転率を上げる方法として、制御温度補正手段106で冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの冷却制御温度を所定温度(1℃)下げる代わりに、庫外ファン回転数補正手段108を用いてもよい。
庫外ファン回転数補正手段108を用いて図4のSTEP3におけるインバータ圧縮機71の運転率を上げる場合は、庫外ファン回転数補正手段108が庫外ファン82の回転数をヒートポンプ運転を行わないときよりも低くする(低回転数に下げる)。
この場合は、庫外熱交換器81の凝縮温度が上がり、中庫内Bの庫内熱交換器51Bと右庫内Cの庫内熱交換器51Cの蒸発温度も上がることになる。そして、蒸発温度と商品温度との温度差が小さくなるので、商品から奪われる熱量も減り、インバータ圧縮機71の運転率は増えることになる。
ゆえに、インバータ圧縮機71の運転率が増えることで加温の運転率が減って加温による消費電力量を減らすことができる。さらに、蒸発温度が上がることで冷凍サイクルの効率も上がり、冷却の商品電力量も減らすことができ、さらなる省エネルギーを達成することができる。
以上説明したように、本実施の形態の物品冷却装置を備えた自動販売機は、1台のインバータ圧縮機71と複数(3つの)の庫内(左庫内A、中庫内B、右庫内C)にそれぞれ
配置された庫内熱交換器51A,51B,51Cと庫外に配置された庫外熱交換器81とを用いて冷却運転用の冷媒流路とヒートポンプ運転用の冷媒流路とに四方弁92で切替可能な冷凍サイクルを構成している。
そして、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、運転制御手段104が、四方弁92で冷凍サイクルをヒートポンプ運転用の冷媒流路に切替えた上で庫内熱交換器51B,51Cにより冷却される冷却設定の中庫内B、右庫内Cの温度が制御温度になるようにインバータ圧縮機71の運転を制御し、庫内熱交換器51Aにより加温される加温設定の左庫内Aの温度が加温設定温度になるように、庫内熱交換器51Aにより加温される加温設定の左庫内Aに配置されたヒータ62Aへの通電を制御する。
そして、運転制御手段104が、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりもインバータ圧縮機71の運転率を上げることを特徴とする。
上記構成において、運転制御手段104が、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりもインバータ圧縮機71の運転率を上げるので、ヒートポンプ運転による加温の寄与率が増えてヒータ62Aによる加温の寄与率が減ることになる。
この場合、加温の消費電力量の減少量は、冷却の消費電力量の増加量より大きいので、全体として消費電力量を減らす(省エネルギーを図る)ことができる。
また、本実施の形態では、運転制御手段104が、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりも、四方弁92で冷凍サイクルをヒートポンプ運転用の冷媒流路にしている時に庫内熱交換器51B,51Cにより冷却される冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの制御温度を(制御温度補正手段106により)下げることにより、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりもインバータ圧縮機71の運転率を上げることを特徴とする。
ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりも、四方弁92で冷凍サイクルをヒートポンプ運転用の冷媒流路にしている時に庫内熱交換器51B,51Cにより冷却される冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの制御温度を(制御温度補正手段106により)下げると、サーモオン時間(インバータ圧縮機71が運転している時間)が長くなってサーモオフ時間(インバータ圧縮機71が停止している時間)が短くなるので、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりもインバータ圧縮機71の運転率を上げことができる。
したがって、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転による加温の寄与率が増えてヒータ62Aによる加温の寄与率が減ることになり、全体として消費電力量を減らす(省エネルギーを図る)ことができる。
また、本実施の形態では、庫内熱交換器51A,51B,51Cにより冷却または加温された空気を循環させる回転数可変の庫内ファン61A,61B,61Cを各庫内に備え、運転制御手段104が、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりも、四方弁92により冷凍サイクルをヒートポンプ運転用の冷媒流路にしている時に庫内熱交換器51B,51Cにより冷却される冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内ファン61B,61Cの回転数を庫内ファン回転数補正手段107により高回転数にする(回転数を上げる、回転数を高くする)こ
とにより、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりもインバータ圧縮機71の運転率を上げることを特徴とする。
上記構成(回転数補正手段107)により、庫内熱交換器51B,51Cで冷却される冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内ファン61B,61Cの回転数が上がると、庫内熱交換器51B,51Cと庫内ファン61B,61Cから離れた中庫内Bと右庫内Cの上部の領域にまで冷気(庫内熱交換器51B,51Cで冷却された空気)が循環し、中庫内Bと右庫内Cの庫内熱交換器51B,51Cと庫内ファン61B,61Cに近い中庫内Bと右庫内Cの下部領域のみの部分冷却から中庫内Bと右庫内Cのほぼ全体の冷却になり、その分、中庫内Bと右庫内Cにおける冷気(庫内熱交換器51B,51Cで冷却された空気)の循環量(循環領域、循環サイクルの長さ)の増加により、庫内温度検知手段(コラム内温度センサ41B,41C)が検知する庫内温度がサーモオフ設定温度または下限温度に到達するまでに要する時間が長くなるので、インバータ圧縮機71の運転率が上がる。
したがって、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転による加温の寄与率が増えてヒータ62Aによる加温の寄与率が減ることになり、全体として消費電力量を減らす(省エネルギーを図る)ことができる。
さらに、庫内熱交換器51B,51Cと庫内ファン61B,61Cが配置される中庫内Bと右庫内Cの下部領域から上部領域まで冷却販売する商品を収納した中庫内Bと右庫内C(の商品収納コラム23B,23C)が冷却されることにより、蓄冷効果が増えて、冷たい商品を提供する機会(適温(制御温度)に冷却された商品を販売できる数)を増やすことができる。
また、本実施の形態では、庫外熱交換器81に外気を送風する庫外ファン82を備え、庫外熱交換器81が、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転で加温される加温設定の左庫内Aの庫内熱交換器51Aで凝縮した冷媒を外気との熱交換により冷却し、運転制御手段104が、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりも庫外ファン82の回転数を庫外ファン回転数補正手段108で低回転数にすることにより、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温しない時よりもインバータ圧縮機71の運転率を上げることを特徴とする。
上記構成において、庫外熱交換器81は、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、加温設定の左庫内Aの庫内熱交換器51Aから流出して冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内熱交換器51B,51Cに向かって流れる冷媒を外気との熱交換により冷却するが、この庫外熱交換器81に送風する庫外ファン82の回転数が庫外ファン回転数補正手段108により下がると、庫外熱交換器81を通過して熱交換する外気の送風量が減るので、庫外熱交換器81での冷媒と外気との熱交換量が減り、庫外熱交換器81から流出して冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内熱交換器51B,51Cに流入する冷媒の温度(冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内熱交換器51B,51Cでの冷媒の蒸発温度)が上がる。
その結果、冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内熱交換器51B,51Cにおいて互いに熱交換する冷媒と中庫内Bと右庫内Cの空気との温度差が小さくなり、冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内熱交換器51B,51Cの冷却能力が低下するので、冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内温度検知手段(コラム内温度センサ41B,41C)が検知する庫内温度がサーモオフ設定温度または下限温度に到達するまでに要する時間が長くなって、インバータ圧縮機71の運転率が上がる。
したがって、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温する時に、ヒートポンプ運転による加温の寄与率が増えてヒータ62Aによる加温の寄与率が減ることになり、全体として消費電力量を減らす(省エネルギーを図る)ことができる。
さらに、冷却設定の中庫内Bと右庫内Cの庫内熱交換器51B,51Cでの冷媒の蒸発温度が上がることで冷凍サイクルの効率が上がり、冷却の消費電力量も減らすことができ、更なる省エネルギーを達成することができる。
(実施の形態2)
図5本発明の実施の形態2における物品冷却装置を備えた自動販売機の制御を示すフローチャートである。図6は同実施の形態の自動販売機の別の制御を示すフローチャートである。
本実施の形態は、運転制御手段104が、ヒートポンプ運転で加温設定の左庫内Aを加温している時に、ヒートポンプ運転で加温される加温設定の左庫内Aの庫内温度検知手段(コラム内温度センサ41A)が検知する庫内温度が加温停止温度より所定温度(1℃)だけ低い温度に到達すると、圧縮機回転数補正手段109によりインバータ圧縮機71の回転数を下げる点で、実施の形態1と異なっており、その他は実施の形態1と同様であるので、共通する部分については説明を省略する。
以上のように構成された本実施の形態の自動販売機21について、図5を参照しながら、以下その動作、作用を説明する。
図5に示すように、運転状態判定手段105が、外気温度センサ100の値を入力処理部103から読み取り、ヒートポンプ運転の条件に入っているかどうかを確認する(図5のSTEP1)。
図5のSTEP2で、外気温度センサ100の値がヒートポンプ運転の条件(例えば、0℃以上かつ20℃以下)に入っていない場合は処理を終了し、入っている場合は、図5のSTEP3に進む。
そして、図5のSTEP3では、左庫内Aが加温設定、中庫内Bと右庫内Cが冷却設定になり、四方弁92によりヒートポンプ運転用の冷媒流路に切り替えて、左庫内Aをヒートポンプ運転で加温するが、この時は、インバータ圧縮機71の運転率を上げる制御(例えば制御温度補正手段106が、冷却制御温度を1℃シフトダウンする(下げる))を行う。
中庫内コラム内温度センサ41Bと右庫内コラム内温度センサ41Cの温度が1℃より高くて4℃より低いときに左庫内コラム内温度センサ41Aの温度が左庫内Aの加温停止温度より1℃低い温度に到達すると(図5のSTEP4)、圧縮機回転数補正手段109がインバータ圧縮機71の回転数を1段階減速するように補正し(図5のSTEP5)、運転制御手段104は圧縮機回転数補正手段109が補正した回転数でインバータ圧縮機71を動作させる。
そして6分後に左庫内コラム内温度センサ41Aにより測定した左庫内Aの温度が左庫内Aの加温停止温度に到達すれば、運転制御手段104は四方弁92を動作させて、インバータ圧縮機71から吐出された冷媒を加温設定の左庫内Aの庫内熱交換器51Aで凝縮させるヒートポンプ運転用の冷媒流路からインバータ圧縮機71から吐出された冷媒を加温設定の左庫内Aの庫内熱交換器51Aで凝縮させずに庫外熱交換器81に流して庫外熱交換器81で凝縮させる冷却運転用の冷媒流路に冷凍サイクルの冷媒流路を切り替える。
左庫内Aの加温時の温度制御はヒータ62Aで行い、ヒートポンプ運転による加温を行うことにより、ヒータ62Aによる加温の消費電力量を減らしている。
もし、左庫内Aの左庫内コラム内温度センサ41Aの温度が左庫内Aの加温停止温度に到達した状態でヒートポンプ運転すると、左庫内Aの加温商品温度はヒートポンプ運転を行わない場合よりも高くなってしまう。
そこで、本実施の形態では、圧縮機回転数補正手段109が、ヒートポンプ運転中に左庫内コラム内温度センサ41A測定した温度が左庫内Aの加温停止温度より1℃低い温度に到達すると、圧縮機回転数補正手段109がインバータ圧縮機71の回転数を1段階減速する(低回転にする)ように補正する。運転制御手段104は圧縮機回転数補正手段109が補正した回転数でインバータ圧縮機71を制御する。
そのため、左庫内Aの加温商品温度がヒータ62Aのみで加温する場合よりも高くなることを抑制し、加温基準温度よりも高くなることを防止できる。
ゆえに、加温商品を加温基準温度の範囲内になるように加温制御することができる。
なお、図5のSTEP5で、圧縮機回転数補正手段109によりインバータ圧縮機71の回転数を1段階減速する(低回転にする)代わりに、図6に示すように運転モード切替手段110によりヒートポンプ運転を停止させて(ヒートポンプ運転用の冷媒流路から冷却運転用の冷媒流路に冷凍サイクルの冷媒流路を切り替えて)もよい。
この場合は、運転モード切替手段110が、ヒートポンプ運転を停止するように運転制御手段104に命令して、運転制御手段104が、四方弁92を動作させて、インバータ圧縮機71から吐出された冷媒を加温設定の左庫内Aの庫内熱交換器51Aで凝縮させるヒートポンプ運転用の冷媒流路からインバータ圧縮機71から吐出された冷媒を加温設定の左庫内Aの庫内熱交換器51Aで凝縮させずに庫外熱交換器81に流して庫外熱交換器81で凝縮させる冷却運転用の冷媒流路に冷凍サイクルの冷媒流路を切り替えて、圧縮機の運転率を冷却運転用の運転率に戻す。
左庫内Aの加温時の温度制御はヒータ62Aで行い、ヒートポンプ運転による加温を行うことにより、ヒータ62Aによる加温の消費電力量を減らしているが、ヒートポンプ運転を行うと、加温と冷却のバランスをとりながらインバータ圧縮機71制御することとなるので、ヒータ62A単独制御の場合よりも制御が複雑になってしまう。
そこで、ヒートポンプ運転中に左庫内コラム内温度センサ41A測定した温度が左庫内Aの加温停止温度より1℃低い温度に到達すると、運転モード切替手段110が、ヒートポンプ運転を停止するように運転制御手段104に命令して、運転制御手段は四方弁92を動作させてインバータ圧縮機71から吐出した冷媒ガスが庫内熱交換器51Aに流すのではなく、庫外熱交換器81に流してヒートポンプ運転を停止させる。
運転モード切替手段110によりヒートポンプ運転を停止させる場合は、より簡易的な制御で、左庫内Aの加温商品温度がヒータ62Aのみで加温する場合よりも高くなることを抑制し、加温基準温度よりも高くなることを防止できる。
ゆえに、加温商品を加温基準温度の範囲内になるように加温制御することができる。また、ヒートポンプ運転で増加していた冷却の消費電力量の増加分を減らすことができる。