JP5629366B2 - 空気調和装置、空気調和装置の運転制御方法および冷却システム - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態に係る空気調和装置Sの系統図である。
空気調和装置Sは、冷媒が循環する冷媒回路10を有し室外(被空調空間外)に設置される室外ユニット1と、室内(被空調空間)に設置される室内ユニット3と、制御装置5と、を備えている。
空気調和装置Sは、室内ユニット3が配置された室内を冷房する「冷房運転」と、室内ユニット3が配置された室内を暖房する「暖房運転」と、を行う機能を有している。
さらに、「冷房運転」は、後述する圧縮機11により冷媒回路10の冷媒を循環させる強制循環サイクルによる冷房運転(以下、「冷房運転(強制循環)」と称す)と、冷媒の密度差により冷媒回路10の冷媒を循環させる自然循環サイクルによる冷房運転(以下、「冷房運転(自然循環)」と称す)と、を行う機能を有している。
室外ユニット1に設けられた冷媒回路10は、冷媒を圧縮して高圧の冷媒とする圧縮機11と、冷房運転と暖房運転とで冷媒の流れ方向を切り替える四方弁12と、室外熱交換器13と、補助室外熱交換器14と、室外熱交換器13および補助室外熱交換器14に対して室外空気を送風する室外ファン13aと、冷媒を減圧する膨張弁15と、冷媒の流量を制御する冷媒流量制御弁16と、熱搬送媒体との熱交換を行う中間熱交換器17の一次側流体流路17aと、電磁弁24,25と、二方弁22,23と、バイパス弁21とを備えて構成されている。これらの各機器、弁等は、冷媒配管によって環状に接続されている。
室外ユニット1から室内ユニット3に亘って設けられた熱搬送媒体循環回路30は、熱搬送媒体を送液する循環ポンプ31と、三方弁32と、室内ユニット3に設置された室内熱交換器33と、室内熱交換器33に対して室内空気を送風する室内ファン33aと、冷媒との熱交換を行う中間熱交換器17の二次側流体流路17bとを配管で順次接続して、環状に形成された回路である。
この熱搬送媒体循環回路30内を流れる熱搬送媒体は、室内熱交換器33を介して室内ユニット3が配置された室内の室内空気と熱交換して、室内を冷房または暖房する。室内熱交換器33の能力調整は、循環ポンプ31の回転速度、三方弁32の開度、室内ファン33aの回転速度によって制御されている。
また、空気調和装置Sは、制御装置5を備えている。
制御装置5は、空気調和装置Sの運転モードを決定し、決定した運転モードに従って各種弁(四方弁12、膨張弁15、冷媒流量制御弁16、バイパス弁21、二方弁22,23、電磁弁24,25、三方弁32)の状態(開度)、循環ポンプ31の回転速度、圧縮機11の回転速度、各熱交換器のファン(室外ファン13a、室内ファン33a)の回転速度、を制御して、空気調和装置Sの各種運転を制御する機能を有している。
まず、冷房運転(強制循環)時における空気調和装置Sの動作について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る空気調和装置Sの冷房運転(強制循環)時における冷媒および熱搬送媒体の流れを示す系統図である。
図2に示すように、制御装置5は、冷媒流量制御弁16、バイパス弁21、電磁弁24および電磁弁25が閉弁し、二方弁22、二方弁23が開弁するように制御する。制御装置5は、膨張弁15の開度(絞り)を制御し、四方弁12を冷房運転の位置となるように制御する。制御装置5は、圧縮機11および室外ファン13aの回転速度を制御する。
なお、冷房運転(強制循環)時において、補助室外熱交換器14には余剰冷媒が貯留されるようになっている。
そして、低温低圧の冷媒は、蒸発器として機能する中間熱交換器17の一次側流体流路17aに流入する。中間熱交換器17の一次側流体流路17aを通流する冷媒は、中間熱交換器17の二次側流体流路17bを流れる熱搬送媒体と熱交換することにより熱搬送媒体によって加熱されて蒸発気化し圧縮機11へと送られ、冷媒回路10を循環する。
このように、室内ユニット3の室内熱交換器33で熱搬送媒体が吸熱することにより、空気(室内空気)が冷却され、室内(被空調空間)が冷房される。
なお、暖房運転時は、図2に示す冷房運転(強制循環)時と逆向きに冷媒を通流させる。即ち、冷媒回路10の四方弁12を切り替えて、圧縮機11から吐出された高温高圧の冷媒が中間熱交換器17へと送られ、中間熱交換器17が凝縮器として機能する。そして、膨張弁15で減圧され、室外熱交換器13が蒸発器として機能する。
また、中間熱交換器17で加熱された熱搬送媒体は、室内熱交換器33に流入し、室内ファン33aにより送られてくる空気(室内空気)と熱交換することにより放熱して、室内(被空調空間)が暖房される。
次に、冷房運転(自然循環)時における空気調和装置Sの動作について、図3を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る空気調和装置Sの冷房運転(自然循環)時における冷媒および熱搬送媒体の流れを示す系統図である。
図3に示すように、制御装置5は、膨張弁15、二方弁22、二方弁23が閉弁し、バイパス弁21、電磁弁24および電磁弁25が開弁するように制御する。制御装置5は、冷媒流量制御弁16の開度を制御する。制御装置5は、室外ファン13aの回転速度を制御する。なお、圧縮機11は停止している。
なお、冷房運転(自然循環)時において、補助室外熱交換器14は室外熱交換器13共に凝縮器として機能するようになっている。
なお、熱搬送媒体循環回路30は、冷房運転(強制循環)時の熱搬送媒体循環回路30の動作と同じで有り説明を省略する。
制御装置5が実行する空気調和装置Sの運転モードについて説明する。図4および図5は、空気調和装置Sの起動時における制御を説明するフローチャートである。なお、空気調和装置Sは停止しており、空気調和装置Sの空調運転を開始する場合について説明する。
このように、自然循環サイクルによる冷房運転ができない場合(S104・No)や、冷房負荷が大きい場合(S105・Yes)には、圧縮機11を駆動させる冷房運転(強制循環)を実行する。
ここで、図7を用いて説明する。図7は、冷房運転(自然循環)時における圧力とエンタルピーの関係を示す図の一例である。
まず、制御装置5は、室内温度TRMに基づいて、室内温度基準圧力PRMを算出する。また、制御装置5は、室外温度TOAに基づいて、室外温度基準圧力POAを算出する。また、制御装置5は、入口冷媒温度TEVINに基づいて、冷媒温度基準圧力Prefを算出する。
ここで、室内温度基準圧力PRMとは、冷媒回路10内の冷媒が室内温度TRMとした場合における冷媒の圧力であり、冷媒回路10に封入された冷媒の物性値に基づいて算出される。室外温度基準圧力POAとは、冷媒回路10内の冷媒が室外温度TOAとした場合における冷媒の圧力であり、冷媒回路10に封入された冷媒の物性値に基づいて算出される。
冷媒温度基準圧力Prefとは、冷媒回路10内の現在の冷媒温度に相当する圧力であり、基準温度としては、例えば中間熱交換器17の入口冷媒温度TEVINにおける冷媒の圧力であり、冷媒回路10に封入された冷媒の物性値に基づいて算出される。
そして、図7に示すように、室内温度基準圧力PRMと室外温度基準圧力POAとの圧力差(PRM−POA)をΔPとし、冷媒温度基準圧力Prefと室外温度基準圧力POAとの圧力差(Pref−POA)をΔP1とし、圧力比率Kは、ΔP1/ΔPとして、制御装置5は圧力比率Kを算出する。
ここで、立ち上げ運転とは、冷房運転(自然循環)を速やかに起動させるための立ち上げ運転であり、具体的には後述するステップS112からステップS114の処理である
ステップS201において、制御装置5は、冷媒流量制御弁16、二方弁22、二方弁23を閉弁状態とする。なお、この状態において、バイパス弁21、電磁弁24および電磁弁25は閉弁しており、膨張弁15は開弁している。
圧力差が規定値以内である場合(S203・Yes)、制御装置5の処理はステップS204に進む。圧力差が規定値以内でない場合(S203・No)、制御装置5の処理はステップS202に戻る。
このように、圧力差が規定値以内となるまで電磁弁25の開度を変更して、補助室外熱交換器14に貯留された冷媒を放出する。
ステップS205において、制御装置5は、バイパス弁21を開弁状態とする。そして、制御装置5の処理は、ステップS108に示す冷房運転(自然循環)への切替操作を終了し、図5のステップS109に進む。
次に、本実施形態に係る空気調和装置Sの作用効果について説明する。
空気調和装置Sの自然循環サイクルによる冷房運転を開始させるためには、冷媒回路10内の冷媒の圧力を自然循環が可能な圧力領域(図7のサイクルで示す圧力領域)へと移行させる必要がある。
しかし、例えば、空気調和装置Sが停止していた状態では、冷媒回路10内の冷媒の圧力(即ち、冷媒温度基準圧力Prefに相当)は、室外温度TOAと平衡した圧力(即ち、室外温度基準圧力POAに相当)となっている。
これにより、本実施形態に係る空気調和装置Sは、自然循環サイクルによる冷房運転を速やかに開始し、室内を空調するため、使用者の快適性が向上する。また、立ち上げ時間を短くすることができ、省エネルギ性が向上する。
中間熱交換器17において冷媒が熱搬送媒体により加熱されると、入口冷媒温度TEVINと出口冷媒温度TEVOUTとは、共に上昇し、出入口温度差ΔEVは小さいままである。更に冷媒が加熱されると、冷媒が蒸発してガス化し、中間熱交換器17の出口側からバイパス配管21aを通り、室外熱交換器13および補助室外熱交換器14に向かって流れる。このため、冷媒が蒸発してガス化すると、即ち、冷媒の自然循環が開始されると、出口冷媒温度TEVOUTは、急に立ち上がる。一方、中間熱交換器17の入口側には冷媒液柱が形成されており、入口冷媒温度TEVINは緩やかに上昇する。
このように、出入口温度差ΔEV(=TEVOUT−TEVIN)が所定値(PS4)より大きくなったか否かを判定することにより、冷媒の自然循環が開始されたか、即ち、立ち上げ運転を終了するか否かを判定することができる。
なお、本実施形態に係る空気調和装置Sは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本発明によれば、自然循環サイクルによる冷却運転の起動に要する時間を短縮することができるので、冷却不良状態で放置できる期間が短い機器(例えば、データセンタなど)にも適用することができる。
1 室外ユニット
3 室内ユニット
5 制御装置
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 四方弁
13 室外熱交換器(第一熱交換器)
13a 室外ファン
14 補助室外熱交換器(第三熱交換器)
15 膨張弁
16 冷媒流量制御弁
16a バイパス配管(膨張弁バイパス配管)
17 中間熱交換器(第二熱交換器)
17a 一次側流体流路
17b 二次側流体流路
21 バイパス弁
21a バイパス配管(圧縮機バイパス配管)
22,23 二方弁
24,25 電磁弁
30 熱搬送媒体循環回路
31 循環ポンプ
32 三方弁
33 室内熱交換器
33a 室内ファン
41,42 温度センサ
43 温度センサ(第一温度検出手段)
44 温度センサ(第二温度検出手段)
Claims (6)
- 圧縮機と、熱源側の第一熱搬送媒体と熱交換を行う第一熱交換器と、膨張弁と、前記第一熱交換器より低い位置に設置され、液体である利用側の第二熱搬送媒体と熱交換を行う第二熱交換器とを順次接続して環状に形成された冷媒回路に、
前記圧縮機をバイパスする圧縮機バイパス配管と、
前記第一熱交換器に対して並列に接続される第三熱交換器と、
該第三熱交換器の上流側および下流側に設けられる開閉弁と、
前記膨張弁をバイパスする膨張弁バイパス配管に設けられる冷媒流量制御弁と、を備え、
前記開閉弁を閉弁して前記第三熱交換器に余剰冷媒を貯留するとともに、前記圧縮機と、前記第一熱交換器と、前記膨張弁と、前記第二熱交換器との間で相変化する冷媒を循環させる強制循環サイクルと、
前記開閉弁を開弁して、前記圧縮機バイパス配管と、前記第一熱交換器および前記第三熱交換器と、前記冷媒流量制御弁と、前記第二熱交換器との間で相変化する冷媒を密度差により循環させて冷房する自然循環サイクルと、を切替えて運転可能であり、
前記自然循環サイクルによる冷房運転の起動時に、前記第二熱交換器に流入する前記利用側の第二熱搬送媒体の流量を前記自然循環サイクルによる冷房運転の起動後の流量である所定の流量より増加させる立ち上げ運転を行う
ことを特徴とする空気調和装置。 - 前記第二熱交換器を通流する冷媒の流入側温度を検出する第一温度検出手段と、流出側温度を検出する第二温度検出手段と、をさらに備え、
前記第一温度検出手段の検出温度と、前記第二温度検出手段の検出温度との温度差が、所定値より大きくなると、増加させた前記第二熱交換器に流入する前記利用側の第二熱搬送媒体の流量を前記所定の流量に変更する
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。 - 前記自然循環サイクルの起動時に、前記第二熱交換器に流入する前記利用側の第二熱搬送媒体の流量を所定の流量より増加させるとともに、前記冷媒流量制御弁の開度を所定の開度より絞ることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
- 前記第二熱交換器を通流する冷媒の流入側温度を検出する第一温度検出手段と、流出側温度を検出する第二温度検出手段と、をさらに備え、
前記第一温度検出手段の検出温度と、前記第二温度検出手段の検出温度との温度差が、所定値より大きくなると、前記冷媒流量制御弁の開度を前記自然循環サイクルによる冷房運転の起動後の開度である所定の開度に変更する
ことを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。 - 圧縮機と、熱源側の第一熱搬送媒体と熱交換を行う第一熱交換器と、膨張弁と、前記第一熱交換器より低い位置に設置され、液体である利用側の第二熱搬送媒体と熱交換を行う第二熱交換器とを順次接続して環状に形成された冷媒回路に、
前記圧縮機をバイパスする圧縮機バイパス配管と、
前記第一熱交換器に対して並列に接続される第三熱交換器と、
該第三熱交換器の上流側および下流側に設けられる開閉弁と、
前記膨張弁をバイパスする膨張弁バイパス配管に設けられる冷媒流量制御弁と、を備える空気調和装置の運転制御方法であって、
前記開閉弁を閉弁して前記第三熱交換器に余剰冷媒を貯留するとともに、前記圧縮機と、前記第一熱交換器と、前記膨張弁と、前記第二熱交換器との間で相変化する冷媒を循環させる強制循環サイクルと、
前記開閉弁を開弁して、前記圧縮機バイパス配管と、前記第一熱交換器および前記第三熱交換器と、前記冷媒流量制御弁と、前記第二熱交換器との間で相変化する冷媒を密度差により循環させて冷房する自然循環サイクルと、を切替えて運転可能であり、
前記自然循環サイクルによる冷房運転の起動時に、前記第二熱交換器に流入する前記利用側の第二熱搬送媒体の流量を前記自然循環サイクルによる冷房運転の起動後の流量である所定の流量より増加させる立ち上げ運転を行う
ことを特徴とする空気調和装置の運転制御方法。 - 圧縮機と、熱源側の第一熱搬送媒体と熱交換を行う第一熱交換器と、膨張弁と、前記第一熱交換器より低い位置に設置され、液体である利用側の第二熱搬送媒体と熱交換を行う第二熱交換器とを順次接続して環状に形成された冷媒回路に、
前記圧縮機をバイパスする圧縮機バイパス配管と、
前記第一熱交換器に対して並列に接続される第三熱交換器と、
該第三熱交換器の上流側および下流側に設けられる開閉弁と、
前記膨張弁をバイパスする膨張弁バイパス配管に設けられる冷媒流量制御弁と、を備え、
前記開閉弁を閉弁して前記第三熱交換器に余剰冷媒を貯留するとともに、前記圧縮機と、前記第一熱交換器と、前記膨張弁と、前記第二熱交換器との間で相変化する冷媒を循環させる強制循環サイクルと、
前記開閉弁を開弁して、前記圧縮機バイパス配管と、前記第一熱交換器および前記第三熱交換器と、前記冷媒流量制御弁と、前記第二熱交換器との間で相変化する冷媒を密度差により循環させて冷房する自然循環サイクルと、を切替えて運転可能であり、
前記自然循環サイクルによる冷房運転の起動時に、前記第二熱交換器に流入する前記利用側の第二熱搬送媒体の流量を前記自然循環サイクルによる冷房運転の起動後の流量である所定の流量より増加させる立ち上げ運転を行う
ことを特徴とする冷却システム。
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