以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図3は、本発明の第1実施形態に基づくLED電球を示している。本実施形態のLED電球101は、発光部200、台座300、放熱部材400、電源部500、口金550、およびグローブ600を備えている。LED電球101は、一般的な白熱電球に代えて照明器具に取り付けられるものであり、X方向寸法がたとえば123mm程度である。なお、図3においては、グローブ600および後述する封止樹脂315を省略している。
発光部200は、図3に示すように、全体として矩形薄板状とされている。図7は、X方向に対して直角である断面における発光部200の断面図である。本図に示すように、発光部200は、LED基板210、複数のLEDチップ220、封止樹脂230、および堰部240を有している。LED基板210は、矩形状であり、たとえばアルミナなどのセラミックスからなる。LED基板210には、複数のLEDチップ220を搭載し、
これらのLEDチップ220に電力を供給する経路となる配線パターン(図示略)が形成されている。図3に示すように、LED基板210には、1対のパッド211が形成されている。1対のパッド211は、CuやAgなどの金属からなり、LED基板210の対角方向に互いに離間配置されている。1対のパッド211は、上記配線パターンに導通している。
各LEDチップ220は、たとえばGaN系半導体材料からなるp型半導体層、n型半導体層、これらのp型半導体層およびn型半導体層に挟まれた活性層を有しており、たとえば青色光を発する。図7に示すように、本実施形態においては、LEDチップ220は、上述したLED基板210の配線パターンに対して2つのワイヤを介して接続される、いわゆる2ワイヤタイプであるが、これに限定されず、1ワイヤタイプのものや、フリップチップタイプのものであってもよい。図3に示すように、複数のLEDチップ220は、LED基板210上にマトリクス状に配置されている。
封止樹脂230は、図7に示すように、複数のLEDチップ220を封止しており、LEDチップ220からの光を透過するたとえばシリコーン樹脂またはエポキシ樹脂などの樹脂材料からなる。また、封止樹脂230には、LEDチップ220からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光材料が混入されている。この蛍光材料に代えて、青色光によって励起されることにより、緑色光を発する蛍光材料と赤色光を発する蛍光材料とを混入してもよい。図7に示すように、堰部240は、LED基板210上において矩形枠状に形成されており、たとえば白色のシリコーン樹脂からなる。堰部240は、封止樹脂230の形成において、液状の樹脂材料を堰き止めることにより、この樹脂材料が意図しない領域に流出することを防止する。
図3および図7に示すように、発光部200の封止樹脂230のX方向X1側の面は平面とされており、この面から光が出射される。発光部200からの光は、X方向に延びる中心軸を中心としてX1側に出射される。発光部200からの光量は、上記中心軸を0°とした場合に、最大光量の50%以上である領域が±60°以内である。言い換えると、光量が最大光量の50%以上である領域が120°以内である。
台座300は、たとえばアルミなどの金属からなり、円板部310および枠状係合部320を有している。円板部310は、X方向視円形状であり、直径が35mm程度、厚さが1mm程度である。円板部310のX方向X1側の面は、搭載面311とされている。搭載面311には、発光部200がたとえば接着剤を介して搭載されている。図4〜図6に示すように、円板部310には、1対の配線用貫通孔312および1対の固定用貫通孔313が形成されている。1対の配線用貫通孔312は、円板部310の径方向に離間配置されており、各々がこの径方向を長手方向とする長穴とされている。図3に示すように、各配線用貫通孔312は、その一部がLED基板210によって覆われている。1対の固定用貫通孔313は、一対の配線用貫通孔312よりも円板部310の中心寄りに配置されており、LED基板210によって覆われている。固定用貫通孔313は、電源部500を台座300に対して位置決めするために用いられる。
枠状係合部320は、台座300に対して放熱部材400およびグローブ600を固定するための部位である。枠状係合部320は、内側円筒部321、環状底部322、および外側円筒部323からなる。内側円筒部321は、円板部310の周縁からX方向X2側に延びる円筒形状部分である。内側円筒部321のX方向寸法は、たとえば6.4mm程度である。環状底部322は、内側円筒部321のX方向X2側端に対して外方に繋がっており、内径が35mm程度、外径が38mm程度の環状部位である。外側円筒部323は、環状底部322の外縁からX方向X1側に延びる円筒形状部分である。外側円筒部323のX1側方向寸法は、たとえば4.4mm程度である。
放熱部材400は、図2に示すように台座300が取り付けられており、図8〜図10に示すように、凸状係合部401、複数のフィン402、および電源収容部403を有している。放熱部材400の材質としては、熱伝導率が高いものが好ましく、たとえばアルミなどの金属が用いられる。放熱部材400は、X方向寸法が38mm程度、最大径が40mm程度、X方向X2側端部の直径が27mm程度とされている。
凸状係合部401は、X方向X1側に突出する部位であり、外径が33mm程度、X方向寸法が5mm程度の円環状である。図2に示すように、凸状係合部401は、台座300の内側円筒部321の内側に嵌まっている。台座300と放熱部材400とは、たとえば接着剤によって接合されている。複数のフィン402は、図8〜図10に示すようにX方向に延びる軸を中心として放射状に形成されている。複数のフィン402は、放熱部材400の放熱性を高めるために設けられている。電源収容部403は、放熱部材400を貫通する円柱形状空間であり、電源部500を収容している。放熱部材400には、傾斜面404が形成されている。傾斜面404は、電源収容部のX方向X1側端に繋がっており、X方向X1側に向かうほど径が大となる断面円形状とされている。図3に示すように、傾斜面404は、X方向視において、1対の配線用貫通孔312と重なっている。
電源部500は、たとえば商用の交流100V電源から発光部200(LEDチップ220)を点灯させるのに適した直流電力を発生させ、この直流電力を発光部200(LEDチップ220)に供給するものであり、図2に示すように、電源基板510、複数の電子部品520、および配線530を備えている。電源部500を構成する電源基板510および複数の電子部品520は、放熱部材400の電源収容部403に収容されている。
電源基板510は、たとえばガラスコンポジッド銅張積層板からなり、全体として円形状とされている。電源基板510は、台座300の円板部310のX方向X2側に配置されている。電源基板510には、図示しない複数の突起が設けられている。これらの突起を図4に示す固定用貫通孔313に挿入することにより、電源基板510の台座300に対する位置決めがなされている。電源基板510のX方向X2側の面には、複数の電子部品520が実装されている。
複数の電子部品520は、たとえば商用の交流100V電源を発光部200(LEDチップ220)を点灯させるのに適した直流電力に変換する機能を果たす。複数の電子部品520は、たとえば、コンデンサ、抵抗、コイル、ダイオード、ICなどを含む。たとえば、図2において、X方向X2側に最も突出した電子部品520は、コンデンサである。
配線530は、複数の電子部品520からの直流電力を発光部200へと導くためのものである。配線530は、電源基板510から台座300の1対の配線用貫通孔312を通じて発光部200に到達している。各配線用貫通孔312のうち配線530を除く領域には、封止樹脂315が充てんされている。封止樹脂315は、絶縁性の樹脂からなり、グローブ600内の空間と電源収容部403との間の気密性を高めている。図2および図3に示すように、X方向視において、配線530は、放熱部材400の傾斜面404と一部同士が重なっている。配線530のうち傾斜面404と重なっている部分は、LED基板210を迂回するように湾曲した部分である。図3に示すように、配線530の先端は、LED基板210に形成されたパッド211に対してハンダ533によって接合されている。配線用貫通孔312とパッド211との間において、配線530は、矩形状とされたLED基板210の辺に沿って延びている。
口金550は、たとえばJIS規格に準拠した一般的な電球用の照明器具に取り付けるための部分であり、絶縁スペーサ540を介して放熱部材400に取り付けられている。
本実施形態においては、口金550は、JIS規格に定められた仕様を満たす構成とされている。口金550は、電源部500に対して配線によって接続されている。
グローブ600は、発光部200を覆っており、X方向X1側に膨出した形状とされている。グローブ600は、たとえばポリカーボネート樹脂などに拡散剤が混入された、乳白色の半透明な樹脂からなる。本実施形態においては、グローブ600の透過率は、60〜65%である。グローブ600の厚さは、1mm程度であり、X方向寸法が60mm程度である。
図1、図2、図11、図12に示すように、グローブ600は、頂部611、最大径部612、くびれ部613、露出底端部614、および筒状係合部615を有している。頂部611は、X方向X1側に最も突出した部位である。最大径部612は、グローブ600のうちX方向に対して直角である断面における直径が最も大である部位である。本実施形態においては、最大径部612の直径は、60mm程度である。露出底端部614は、図1に示すように、外部に露出しているグローブ600の部位のうち、最もX方向X2側に位置する部位である。露出底端部614の直径は、42mm程度である。X方向における最大径部612と頂部611との距離が30mm程度であり、最大径部612と露出底端部614との距離が26mm程度である。すなわち、最大径部612は、X方向において、露出底端部614からの距離よりも頂部611からの距離よりの方が大である。
図1、図2、図11、図12に示すように、くびれ部613は、最大径部612と露出底端部614との間に位置しており、グローブ600の内方に向かってわずかに凸となった部分である。筒状係合部615は、露出底端部614のX方向X2側に設けられており、外形が38mm程度、X方向寸法が3.5mm程度の円柱状部分である。図2に示すように、筒状係合部615は、台座300の枠状係合部320の内側円筒部321と外側円筒部323との間に係合しており、たとえば接着剤によって互いに接合されている。これにより、グローブ600は、台座300に対して固定されている。
図2に示すように、本実施形態においては、発光部200の封止樹脂230の上面が、X方向においてくびれ部613と重なる位置、あるいはくびれ部613と露出底端部614との間の位置に配置されている。図13は、LED電球101(グローブ600から出射する光)の配光特性を示している。本図においては、発光部200の中央からX方向X1側に延びる中心軸が指す方位が0°に相当している。グローブ600からの光量は、方位0°において最大であり、図中では100%と表示されている。方位±125°以上の領域においては、最大光量の50%以上である光量が確保されている。言い換えると、光量が最大光量の50%以上である領域が250°以上である。本実施形態においては、方位±135°の領域において、最大光量の50%以上である光量が確保されている。言い換えると、光量が最大光量の50%以上である領域が270°に及んでいる。
次に、LED電球101の作用について説明する。
本実施形態によれば、X方向X2側のより広い領域に光を出射できる。LED電球101をたとえば天井に設置された照明器具に取り付けた場合、X方向X2側は天井側にあたる。したがって、白熱電球を点灯させた場合と同様に、屋内の床から天井にわたるより広い領域を適切に照らすことができる。
グローブ600のうち最大径部612よりもX方向X2側部分は、X方向X1寄りではなくX方向X2寄りを向く面となっている。このため、これらの面から発せられる光は、X方向X2側の領域に向かって進行しやすい。これにより、LED電球101によってX方向X2側の領域をより明るく照らすことができる。
くびれ部613のうちX方向X1側に位置する部分は、X方向X2側を向く度合いがより強くなっている。したがって、この部分から発せられる光は、X方向X2側により向かいやすい。
グローブ600の透過率を60〜65%とすることにより、発光部200からの光を適切に拡散させつつ、これらの光を効率よく出射することができる。本実施形態においては、発光部200からの全光束に対するグローブ600からの全光束の割合である出光効率が、90%以上と顕著に高い。発明者らの研究によると、グローブ600の透過率を60%未満としても、光の拡散効果はそれほど向上することがなく、出光効率が不当に低下することが判明した。また、グローブ600の透過率が65%以上であると、LED電球101の配光特性が250°を下回ってしまうという知見が得られた。
本実施形態においては、発光部200がグローブ600内におけるX方向X2側に配置されており、出光面である封止樹脂230の上面が平面とされている。これにより、発光部200から発せられた光のうちグローブ600のある部位によって内方に反射された光は、発光部200に吸収されるよりも、グローブ600の他の部位から外部へと透過する可能性が高くなる。これは、LED電球101の出光効率を高めるのに適している。
1対の配線用貫通孔312を発光部200を挟んで離間配置することにより、台座300において1対の配線用貫通孔312が偏って配置されることを回避できる。1対の配線用貫通孔312の配置が偏っていると、台座300に対する発光部200の位置が偏ってしまいやすい。このようなことでは、LED電球101の光量分布が不均一となる虞がある。本実施形態によれば、台座300と発光部200との中央を一致させるように配置することが可能であり、LED電球101の光量分布を均一にするのに適している。さらに、LED電球101の製造工程において、1対の配線用貫通孔312に嵌合する位置決め突起を有する治具を用意し、台座300に仮固定した上記治具によって発光部200の台座300に対する位置決めを行うことができる。
また、2本の配線530をたとえば対角方向に離間した2つのパッド211に接続しやすい。2つのパッド211がLED基板210の対角方向に離間した位置にあれば、マトリクス状に配置された複数のLEDチップ220を導通させる上記配線パターンの経路が複雑化することを抑制することができる。
配線530を配線用貫通孔312からパッド211に向けてLED基板210の辺に沿って配置することにより、配線530にX方向X2側への意図しない力が作用した場合に、LED基板210の辺に沿った部分が、緩衝機能を果たす。これにより、ハンダ533に負荷される力を緩和することができる。配線用貫通孔312を封止樹脂315によって埋めることにより、配線530への外力がハンダ533に作用することを抑制することができる。
図2に示すように、放熱部材400に傾斜面404を設けることにより、LED基板210を迂回するように配線530を電源基板510から発光部200へと配置することができる。たとえば、傾斜面404を設けることなく配線530を配置しようとすると、電源収容部403を大径化する必要がある。これは、放熱部材400の大型化を招来するため好ましくない。本実施形態によれば、傾斜面404を設けることにより、発光部200を小型化することなく、LED電球101の小型化を達成できる。
図14は、本発明の第2実施形態に基づくLED電球を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付し
ている。本実施形態のLED電球102は、台座300の1対の配線用貫通孔312の構成および放熱部材400の構造が、上述した実施形態と異なっている。
本実施形態においては、1対の配線用貫通孔312は、円形状とされている。また、1対の配線用貫通孔312は、いずれもLED基板210とは重なっていない。1対の配線用貫通孔312は、LED基板210の辺の中央よりも対角に位置する角寄りに配置されている。
図15および図16に示すように、放熱部材400には、1対の凹部405が形成されている。1対の凹部405は、電源収容部403のX方向X1側端からX方向に対して直角である方向およびX方向X2側に凹んでいる。図14に示すように、各凹部405は、X方向視において各配線用貫通孔312と重なっている。図14および図16に示すように、各配線530のうちLED基板210を迂回するように湾曲する部分が、各凹部405に収容された格好となっている。
本実施形態によれば、凹部405を設けることにより、電源収容部403、ひいては放熱部材400の大型化を招来することなく、配線530を適切に配置できる。これは、発光部200を小型化することなく、LED電球102の小型化を達成するのに適している。
本発明に係るLED電球は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLED電球の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本発明の第2の側面によって提供されるLED電球の技術的構成について、以下に付記する。
〔付記1〕
1以上のLEDチップを有し、第1方向一方側に延びる中心軸を中心として光を発する発光部と、
上記発光部が搭載された上記第1方向一方側を向く搭載面を有する台座と、
上記台座に対して上記第1方向他方側に配置されており、上記発光部に電力供給する電源部と、
上記台座に対して上記第1方向他方側に取り付けられており、上記電源部を収容する電源収容部を有する放熱部材と、
上記放熱部材に対して上記第1方向他方側に取り付けられた口金と、
上記第1方向一方側に膨出しており、上記発光部を囲むとともに、上記発光部からの光を拡散させつつ透過させるグローブと、を備えており、
上記搭載面には、発光部を挟んで離間配置された1対の配線用貫通孔が開口しており、
上記各配線用貫通孔には、上記発光部と上記電源部とを接続する配線が挿通されていることを特徴とする、LED電球。
〔付記2〕
上記発光部は、上記1以上のLEDチップが搭載されたLED基板を有する、付記1に記載のLED電球。
〔付記3〕
上記LED基板は、セラミックスからなる、付記2に記載のLED電球。
〔付記4〕
上記LED基板には、複数の上記LEDチップがマトリクス状に配置されている、付記2または3に記載のLED電球。
〔付記5〕
上記発光部は、上記LEDチップを封止し、かつ上記LEDチップからの光を透過する
封止樹脂を有する、付記2ないし4のいずれかに記載のLED電球。
〔付記6〕
上記封止樹脂は、上記LEDチップからの光によって励起されることにより、上記LEDチップからの光とは異なる波長の光を発する蛍光材料が混入されている、付記5に記載のLED電球。
〔付記7〕
上記LED基板は、矩形状である、付記2ないし6のいずれかに記載のLED電球。
〔付記8〕
上記LED基板には、このLED基板の対角方向に互いに離間配置された1対のパッドが形成されており、
上記各配線は、上記各配線用貫通孔と上記各パッドとの間を上記LED基板の辺に沿って延びている、付記7に記載のLED電球。
〔付記9〕
上記搭載面は、平面である、付記7または8に記載のLED電球。
〔付記10〕
上記台座は、上記搭載面を構成する円板部を有する、付記9に記載のLED電球。
〔付記11〕
上記電源収容部は、円柱形状空間であり、
上記円板部が、上記電源収容部を上記第1方向一方側から塞いでいる、付記10に記載のLED電球。
〔付記12〕
上記各配線用貫通孔は、上記第1方向に対して直角である方向を長手方向とする長穴であり、かつその一部が上記LED基板によって覆われている、付記11に記載のLED電球。
〔付記13〕
上記放熱部材は、電源収容部の上記第1方向一方側端に繋がっており、上記第1方向一方側に向かうほど径が大となる断面円形状とされた傾斜面を有しており、
上記第1方向視において、上記各配線用貫通孔と上記傾斜面とが重なっている、付記12に記載のLED電球。
〔付記14〕
上記各配線用貫通孔は、上記第1方向視において上記LED基板と重なっていない、付記11に記載のLED電球。
〔付記15〕
上記放熱部材は、上記第1方向視において各々が上記各配線用貫通孔と重なり、上記電源収容部の上記第1方向一方側端から上記第1方向に対して直角である方向および上記第1方向他方側に凹む1対の凹部を有する、付記14に記載のLED電球。
〔付記16〕
上記発光部からの光量は、上記中心軸を0°とした場合に、最大光量の50%以上である領域が±60°以内であり、かつ、
上記グローブからの光量は、上記中心軸を0°とした場合に、±125°以上の領域において50%以上である、付記1ないし15のいずれかに記載のLED電球。
〔付記17〕
上記グローブは、上記第1方向一方側端である頂部、上記第1方向と直角である断面の直径が最大である最大径部、外部に露出する部分の上記第1方向他方端であり、かつ上記最大径部よりも上記第1方向と直角である断面の直径が小である露出底端部、を有する、付記16に記載のLED電球。
〔付記18〕
上記第1方向における上記頂部と上記最大径部との距離は、上記第1方向における上記露出底端部と上記最大径部との距離よりも大である、付記17に記載のLED電球。
〔付記19〕
上記グローブは、上記最大径部と上記露出底端部との間に位置し、内方に凸である、くびれ部を有する、付記17または18に記載のLED電球。
〔付記20〕
上記グローブの透過率は、60〜65%であり、
上記発光部からの全光束に対する上記グローブからの全光束の割合である出光率が、90%以上である、付記16ないし19のいずれかに記載のLED電球。
図17および図18は、本発明の第3実施形態に基づくLED電球を示している。本実施形態のLED電球103は、発光部200、放熱部材400、電源部500、グローブ600、および口金550を備えている。LED電球103は、白熱電球の代替製品として白熱電球用の照明器具に取り付けられて用いられる。LED電球103は、たとえば60W型の電球相当の大きさとされており、直径が55mm程度、高さが108mm程度である。
本実施形態において、発光部200は、複数のLEDモジュール201を備えて構成されている。図22に示すように、LEDモジュール201は、LEDチップ202、1対のリード203、ケース205、封止樹脂206、およびワイヤ207を備えている。1対のリード203は、たとえばCu合金からなり、その一方にLEDチップ202が搭載されている。リード203のうちLEDチップ202が搭載された面と反対側の面は、LEDモジュール201を面実装するために用いられる実装端子204とされている。LEDチップ202は、LEDモジュール201の光源であり、たとえば青色光を発光可能とされている。封止樹脂206は、LEDチップ202を保護するためのものである。封止樹脂206は、LEDチップ202からの光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光物質を含む透光樹脂を用いて形成されている。上記蛍光物質としては、黄色光を発するものに代えて、赤色光を発するものと緑色光を発するものとを混合して用いてもよい。ケース205はたとえば白色樹脂からなり、LEDチップ202から側方に発された光を上方に反射するためのものである。
上記構成の各LEDモジュール201は、後述する電源基板510に搭載されている。複数のLEDモジュール201は、たとえばマトリクス状に配置されている。
図17および図18に示すように、放熱部材400は、本実施形態においては、本体410およびスペーサ420からなる。放熱部材400は、電源基板510を介してLEDモジュール201(発光部200)を支持している。放熱部材400の材質としては、熱伝導率が高いものが好ましく、たとえばアルミなどの金属が用いられる。本体410およびスペーサ420のそれぞれは、たとえばダイカストにより形成される。
本体410は、全体としてラッパに類似した形状とされており、複数のフィン411を有している。複数のフィン411は、外方に向かって放射状に形成されている。本体410には、電源収容凹部412が形成されている。電源収容凹部412は、電源部500の少なくとも一部を収容する部位であり、本実施形態においては、電源部500のほとんどを収容している。
スペーサ420は、本体410の図中上端に取り付けられており、放熱部材400における図中上方側端(x方向の一方側端)に位置している。スペーサ420は、グローブ600が取り付けられる部分であり、本発明でいう取付端部の一例に相当する。スペーサ420は、図中上下方向(x方向)に沿う軸心O1を有する円板状であり、軸心O1を囲む外周部421を有している。図17および図18から理解されるように、スペーサ420の外周部421は、LED電球103全体において軸心O1に直交する寸法が最大とされている。外周部421の図中上下方向の寸法の一例を挙げると、たとえば3〜5mm程度
である。
図17および図19に示すように、外周部421は、外部に露出しており、互いに離間する複数の突部422と、隣り合う突部422の間に位置する溝部423と、からなる凹凸状とされている。本実施形態においては、突部422および溝部423は、それぞれx方向(軸心O1)に沿って帯状に延びている。これら突部422および溝部423は、スペーサ420の周方向に交互に並んでおり、外周部421の全領域にわたって設けられている。
図20に示すように、各突部422は、断面矩形状とされている。突部422について寸法の一例を挙げると、隣り合う突部422のピッチP1が1〜5mm程度である。また、上記ピッチP1に対する、隣り合う突部422の間隔L1の割合は、30〜50%とされており、突部422の幅W1に対する溝部423の深さD1の割合は、25〜50%とされている。
図20および図21に示すように、各突部422の表面(外周部分)は、複数のディンプル424を有しており、微細な凹凸状とされている。複数のディンプル424について寸法の一例を挙げると、隣り合うディンプル424の間隔L2が50μm〜0.5mmであり、ディンプル424の深さD2が0.1mm以上である。
複数のディンプル424は、たとえば、スペーサ420の外周部421にサンドブラスト処理を施すことによって形成することができる。スペーサ420がダイカストにより形成されている場合、サンドブラスト処理によって、溝部423にもディンプル(図示略)が形成される。なお、ディンプル424の間隔L2は、上記範囲とされるが、突部422のピッチP1と比較すると、十分に小さい値とされる。これにより、突部422の表面において、十分な数のディンプル424が分散した状態で存在することになる。
図18に示すように、スペーサ420には、開口425が形成されている。開口425は、LEDモジュール201との干渉を回避するために設けられている。
電源部500は、たとえば商用の交流100V電源から発光部200(LEDチップ202)を点灯させるのに適した直流電力を発生させ、この直流電力を発光部200(LEDチップ202)に供給するものであり、図18に示すように、電源基板510、および複数の電子部品520を備えている。
電源基板510は、熱伝導性に優れた構成のものが用いられ、たとえばガラスコンポジッド銅張積層板からなる。電源基板510は、全体として円形状とされている。電源基板510の図中下面には、複数の電子部品520が実装されている。電源基板510の図中下面および図中上面には、LEDチップ202に電力を供給する経路となる配線パターン(図示略)が適宜形成されており、また、上面の配線パターンと下面の配線パターンとは、たとえばスルーホールを介して適宜導通させられている。電源基板510は、その周縁付近が放熱部材400の本体410とスペーサ420との間に挟まれた状態で放熱部材400に固定されている。
複数の電子部品520は、たとえば商用の交流100V電源を、発光部200(LEDチップ202)を点灯させるのに適した直流電力に変換する機能を果たす。複数の電子部品520は、たとえば、コンデンサ、抵抗、コイル、ダイオード、ICなどを含む。たとえば、図18において、電源収容凹部412のほぼ中央において、図中下方にもっとも突出した電子部品520は、コンデンサである。
口金550は、たとえばJIS規格に準拠した一般的な電球用の照明器具に取り付けるための部分である。口金550は、JIS規格に定められたE17、E26などの仕様を満たす構成とされている。口金550は、電源部500に対して配線によって接続されている。口金550には、照明器具のねじ込み式のソケットに装着するためのねじが形成されている。
グローブ600は、発光部200(LEDモジュール201)を保護するためのものであり、発光部200を覆っている。グローブ600は、たとえば透明の樹脂からなり、発光部200から出射された光を透過する。本実施形態において、グローブ600は、全体としてドーム状を呈しており、x方向の一方側(図中上方側)に膨出している。グローブ600の図中下端には、鍔部621および挿入部622が形成されている。鍔部621は、円環状の突起である。挿入部622は、放熱部材400に形成された溝に挿入されることにより、グローブ600を放熱部材400に対して固定するために用いられる。
次に、LED電球103の作用について説明する。
本実施形態によれば、スペーサ420の外周部421は、凹凸状とされる部分(複数の突部422および複数の溝部423)を有している。LED電球103を照明器具から取り外す際には、たとえばスペーサ420の外周部421が掴まれる。ここで、外周部421が凹凸状であることにより、当該外周部421を指F(図19において仮想線で表す)で掴むときの接触面積が小さくなる。これにより、スペーサ420の表面の温度が比較的高い場合でも、スペーサ420から指Fへ熱が伝わるのを抑制することができる。したがって、LED電球103においては、取り外し時における不快感を抑制することができる。
また、スペーサ420の外周部421が凹凸状とされることにより、平滑である場合と比べて、外周部421の表面積が大きい。したがって、スペーサ420は、外周部421における放熱作用に優れており、外周部421の温度上昇が抑制される。このことは、LED電球103の取り外し時における不快感を抑制するのに適する。
スペーサ420は軸心O1を有する円板状とされており、スペーサ420の外周部421は、軸心O1に直交する寸法が最大である最大外形部とされている。このような構成によれば、たとえば、スペーサ420に対してグローブ600とは反端側にある本体410に、不当に指Fが接触するのを抑制することができる。また、LED電球103を取り外す際には、口金550のねじを緩める必要があるところ、最大外形であるスペーサ420の外周部421を掴むことにより、口金550のねじに比較的大きな回転モーメントを作用させることができる。これにより、外周部421を強く掴まなくても口金550のねじを緩めることが可能となる。したがって、本実施形態のLED電球103によれば、取り外しの際に、外周部421に対する指Fの接触面積を実質的に小さくすることができ、不快感を抑制するのにより適している。また、本実施形態では、軸心O1に沿って延びる帯状の突部422および溝部423がスペーサ420の周方向に並んでいる。これにより、外周部421を掴んで口金550のねじを緩める際に、外周部421に対するグリップ力を高めることができる。
本実施形態では、外周部421の凹凸状部分を構成する突部422および溝部423の配置に工夫がなされている。突部422および溝部423は、外周部421の全領域に設けられていることにより、外周部421を掴む際に、凹凸状部分の突部422に指Fを的確に触れさせることができる。突部422は断面矩形状とされており、また、隣り合う突部422のピッチP1が1〜5mm程度と比較的小さくされ、かつ上記ピッチP1に対する隣り合う突部422の間隔L1の割合が30〜50%とされているため、外周部421
を指で掴む際に、指Fが不当に隣り合う突部422どうしの間に進入するのを防止することができる。また、溝部423を有する構成は、外周部421の表面積を大きくするうえで好ましい。さらに、突部422の幅W1に対する溝部423の深さD1の割合が25〜50%とされている。このように溝部423の深さD1を適度な割合とすることにより、溝部423の内側からの熱が指Fに伝わるのを抑制することができる。
断面矩形状とされた突部422の表面(外周部分)は、複数のディンプル424を有しており、微細な凹凸状とされている。このような構成によれば、スペーサ420の外周部421を指で掴むときの接触面積がより小さくなる。このことは、LED電球103の取り外し時における不快感を抑制すのにより適している。また、突部422の表面に複数のディンプル424が設けられる構成は、外周部421の表面積を増大させるのに資する。
本実施形態では、凹凸状部分を構成する、複数ずつの突部422および溝部423、ならびに複数のディンプル424は、スペーサ420に設けられており、スペーサ420は、本体410に固定されている。このように本体410とは別部材のスペーサ420に凹凸状部分を設ける構成によれば、所望形状の凹凸状部分の形成を比較的容易に行うことができる。
図23は、本発明の第3実施形態の変形例を示す。図23に示すスペーサ420においては、突部422は、断面台形状とされており、この点において図20に示した断面矩形状の突部422と異なっている。突部422についての寸法の一例を挙げると、隣り合う突部422のピッチP1が1〜5mm程度である。また、上記ピッチP1に対する突部422における底部の幅W2の割合は50〜100%とされており、上記ピッチP1に対する突部422における頂部の幅W3の割合は25〜50%とされている。
図23に示す場合においても、スペーサ420の外周部421は、凹凸状とされる部分(複数の突部422および複数の溝部423)を有している。外周部421が凹凸状であることにより、当該外周部421を指で掴むときの接触面積が小さくなる。これにより、スペーサ420の表面の温度が比較的高い場合でも、スペーサ420から指へ熱が伝わるのを抑制することができる。したがって、LED電球103の取り外し時における不快感を抑制することができる。
また、隣り合う突部422のピッチP1に対する突部422における頂部の幅W3の割合を50%以下(25〜50%)にすることにより、頂部への熱伝導を適切に低減することが可能である。すなわち、スペーサ420と本体410との接触部においては、たとえば85℃前後の高温になるところ、上記ピッチP1に対する上記頂部の幅W3の割合を上記所定の範囲とすることにより、この高温部分から突部422における頂部への熱量の移動を1/4程度にまで低減することができる。
図24ないし図26は、本発明の第4実施形態に基づくLED電球を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
本実施形態のLED電球104は、スペーサ420の外周部421の構成が上述した実施形態と異なっている。外周部421が、互いに離間する複数の突部422と、隣り合う突部422の間に位置する溝部423と、からなる凹凸状とされている点は上記実施形態と同様である。その一方、突部422および溝部423のサイズが上記実施形態よりも小さく、かつ上記実施形態におけるディンプル424を有していない。
図26に示すように、各突部422は、断面矩形状とされており、各突部422の先端
は平滑とされている。突部422および溝部423について寸法の一例を挙げると、隣り合う突部422のピッチP1が50μm〜2mmであり、隣り合う突部422の間隔L1が50μm〜1mmであり、溝部423の深さD1が50μm〜1mmである。また、上記ピッチP1に対する上記間隔L1の割合は、30〜50%とされており、突部422の幅W1に対する溝部423の深さD1の割合は、25〜50%とされている。
本実施形態のLED電球104において、スペーサ420の外周部421は、凹凸状とされる部分(複数の突部422および複数の溝部423)を有している。外周部421が凹凸状であることにより、当該外周部421を指で掴むときの接触面積が小さくなる。これにより、スペーサ420の表面の温度が比較的高い場合でも、スペーサ420から指へ熱が伝わるのを抑制することができる。したがって、LED電球103の取り外し時における不快感を抑制することができる。
また、突部422は断面矩形状とされており、隣り合う突部422の間隔L1が50μm〜1mmであるため、外周部421を指で掴む際に、指Fが不当に隣り合う突部422どうしの間に進入するのを防止することができる(図25参照)。また、隣り合う突部422のピッチP1が50μm〜2mmと小さくされ、溝部423の深さD1が50μm〜1mmである。このような構成は、外周部421の表面積を大きくするうえで好ましい。さらに、突部422の幅W1に対する溝部423の深さD1の割合が25〜50%とされている。このように溝部423の深さD1を適度な割合とすることにより、溝部423の内側からの熱が指Fに伝わるのを抑制することができる。
図27は、本発明の第4実施形態の変形例を示す。図27に示すスペーサ420においては、突部422は、断面台形状とされており、この点において図26に示した断面矩形状の突部422と異なっている。突部422についての寸法の一例を挙げると、隣り合う突部422のピッチP1が50μm〜2mmである。また、上記ピッチP1に対する突部422における底部の幅W2の割合は50〜100%とされており、上記ピッチP1に対する突部422における頂部の幅W3の割合は25〜50%とされている。
図27に示す場合においても、スペーサ420の外周部421は、凹凸状とされる部分(複数の突部422および複数の溝部423)を有している。外周部421が凹凸状であることにより、当該外周部421を指で掴むときの接触面積が小さくなる。これにより、スペーサ420の表面の温度が比較的高い場合でも、スペーサ420から指へ熱が伝わるのを抑制することができる。したがって、LED電球103の取り外し時における不快感を抑制することができる。
また、隣り合う突部422のピッチP1に対する突部422における頂部の幅W3の割合を50%以下(25〜50%)にすることにより、頂部への熱伝導を適切に低減することが可能である。すなわち、スペーサ420と本体410との接触部においては、たとえば85℃前後の高温になるところ、上記ピッチP1に対する上記頂部の幅W3の割合を上記所定の範囲とすることにより、この高温部分から突部422における頂部への熱量の移動を1/4程度にまで低減することができる。
図28ないし図30は、本発明の第5実施形態に基づくLED電球を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
本実施形態のLED電球105は、発光部200、放熱部材400、およびグローブ600の構成が上述した実施形態と異なっており、台座300をさらに備える。
発光部200は、上記第3実施形態と同様のLEDモジュール201を複数備えるが、フレキシブル配線基板(図示略)を介して台座300に支持されており、この点において第3実施形態とは異なる。
台座300は、フレキシブル配線基板および複数のLEDモジュール201を支持するとともに、LEDチップ202からの熱を放熱部材400へと伝えるためのものである。台座300は、全体としてX方向の一方側に膨出しており、天板331、円筒部332、および鍔板333を有している。天板331は、円形状とされており、この天板331に複数のLEDモジュール201が配置されている。円筒部332は、天板331に繋がっており、天板331に近づくほど直径が小となるテーパ状の円筒形状とされている。円筒部332には、その周方向に複数のLEDモジュール201が2列に配置されている。鍔板333は、円筒部332から外方に向かって延びており、円環状とされている。台座300の材質としては、熱伝導率が高いものが好ましく、たとえばアルミなどの金属が用いられる。
放熱部材400は、本実施形態においては、単一の部材(本体410)からなる。本実施形態の放熱部材400は、たとえばダイカストにより形成された一体成型品であり、上記第3実施形態で示したスペーサ420を有していない。
放熱部材400(本体410)の図中上方側端部は、グローブ600が取り付けられる部分であり、本発明でいう取付端部の一例に相当する。放熱部材400(本体410)は、上記実施形態と同様に複数のフィン411を有しており、複数のフィン411は、外方に向かって放射状に形成されている。本実施形態では、複数のフィン411は、それぞれ、本体410における図中下方側(x方向の他方側)の部位から上方側端部に至るまで延びている。
複数のフィン411のそれぞれの表面(外周面413)には、複数のディンプル414が形成されている。これらディンプル414は、本体410上端部の一定領域(図28において点線で囲まれた領域)に設けられている。このようにディンプル414が形成されることにより、フィン411の外周面413は、微細な凹凸状とされている。
電源部500の電源基板510は、放熱部材400(本体410)と台座300の鍔板333との間に挟まれている。なお、電源基板510には複数の電子部品520からの直流電力を上記フレキシブル配線基板へと導くための配線(図示略)が接続されており、この配線は、台座300に設けられた配線用貫通孔(図示略)を通じて上記フレキシブル配線基板に到達している。
グローブ600は、本実施形態においては、上記した台座300を覆うためにX方向の長さが長くされている。本実施形態のグローブ600は、X方向の一方側(図中上方側)に膨出するドーム形状部623と、このドーム形状部623の下方につながる円筒部624とを有する。
本実施形態のLED電球105においては、各フィン411の図中上方側端部の外周面413は、複数のディンプル414が形成されることにより、微細な凹凸状とされている。LED電球105を照明器具から取り外す際には、たとえばフィン411の上方側端部の外周面413が掴まれる。ここで、フィン411の上方側端部の外周面413が凹凸状であることにより、当該外周面413を指で掴むときの接触面積が小さくなる。これにより、フィン411の表面の温度が比較的高い場合でも、フィン411から指へ熱が伝わるのを抑制することができる。したがって、LED電球105においては、取り外し時における不快感を抑制することができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明に係るLED電球は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLED電球の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
上記第3実施形態では、突部422および溝部423からなる凹凸状部分について、ダイカストにより形成される場合を例に挙げて説明したが、これに代えて、たとえば加工によって突部および溝部からなる凹凸状部分を構成してもよい。加工によって凹凸状部分を形成する場合、当該凹凸状部分は、取付端部の外周部の全領域に設けてもよく、あるいは、取付端部の外周部のうち所定の間隔を隔てた複数の領域に分離して設けてもよい。図31は、取付端部の外周部において間隔を隔てて複数の領域に凹凸状部分426を設けた場合の一例を示している。凹凸状部分426は、その周囲の外周部421よりも窪んでおり、たとえばサンドブラスト処理により凹凸状とされる。凹凸状部分の形状についても、上記実施形態のような断面矩形状に限定されず、たとえば、断面三角状の突部と溝部が交互に並ぶギザギザ形状や、断面曲線状の突部と溝部が交互に並ぶ波形状を採用することもできる。
また、取付端部(外周部)の凹凸状部分について、たとえばメッシュ状の金網を巻き付けて固定することによって構成することもできる。この場合、凹凸状部分は、互いに離間する複数の溝部(網の目に相当する部分)と、隣り合う溝部の間に位置する突部(網本体に相当する部分)と、を有するように構成される。
本発明の第3の側面によって提供されるLED電球の技術的構成について、以下に付記する。
〔付記1〕
1以上のLEDチップを有する発光部と、
上記発光部を支持する金属製の放熱部材と、
上記発光部を覆い、光を透過するグローブと、を備え、
上記グローブは、第1方向の一方側に膨出しており、上記放熱部材における上記第1方向の上記一方側端に位置する取付端部に取り付けられた、LED電球であって、
上記取付端部は、上記第1方向を囲む外周部を有し、
上記外周部は、少なくとも一部に凹凸状部分を有することを特徴とする、LED電球。
〔付記2〕
上記凹凸状部分は、互いに離間する複数の突部と、隣り合う上記突部の間に位置する溝部と、を有する、付記1に記載のLED電球。
〔付記3〕
上記突部および上記溝部は、それぞれ一定方向に帯状に延びており、かつ所定ピッチで交互に並んでいる、付記2に記載のLED電球。
〔付記4〕
上記取付端部は、上記第1方向に延びる軸心を有する円板状とされている、付記3に記載のLED電球。
〔付記5〕
上記突部および上記溝部は、上記取付端部の周方向に並んでいる、付記4に記載のLED電球。
〔付記6〕
隣り合う上記突部のピッチは、1〜5mmである、付記2ないし5のいずれかに記載のLED電球。
〔付記7〕
上記各突部は、断面矩形状とされている、付記6に記載のLED電球。
〔付記8〕
隣り合う上記突部のピッチに対する隣り合う上記突部の間隔の割合は、30〜50%である、付記7に記載のLED電球。
〔付記9〕
上記突部の幅に対する上記溝部の深さの割合は、25〜50%である、付記8に記載のLED電球。
〔付記10〕
上記各突部は、断面台形状とされており、隣り合う上記突部のピッチに対する上記突部における底部の幅の割合が50〜100%であり、かつ、隣り合う上記突部のピッチに対する上記突部における頂部の幅の割合が25〜50%である、付記6に記載のLED電球。
〔付記11〕
上記凹凸状部分は、互いに離間する複数の溝部と、隣り合う上記溝部の間に位置する突部と、を有する、付記1に記載のLED電球。
〔付記12〕
上記凹凸状部分は、複数のディンプルを有する構成とされている、付記1ないし11のいずれかに記載のLED電球。
〔付記13〕
隣り合う上記ディンプルの間隔は、50μm〜0.5mmである、付記12に記載のLED電球。
〔付記14〕
上記各ディンプルの深さは、0.1mm以上である、付記12または13に記載のLED電球。
〔付記15〕
上記複数のディンプルは、サンドブラスト処理により形成される、付記12ないし14のいずれかに記載のLED電球。
〔付記16〕
上記突部の先端が平滑であり、かつ隣り合う上記突部のピッチが50μm〜2mmである、付記2ないし5のいずれかに記載のLED電球。
〔付記17〕
上記各突部は、断面矩形状とされており、隣り合う上記突部の間隔は、50μm〜1mmである、付記16に記載のLED電球。
〔付記18〕
隣り合う上記突部のピッチに対する隣り合う上記突部の間隔の割合は、30〜50%である、付記17に記載のLED電球。
〔付記19〕
上記溝部の深さは、50μm〜1mmである、付記16ないし18のいずれかに記載のLED電球。
〔付記20〕
上記突部の幅に対する上記溝部の深さの割合は、25〜50%である、付記19に記載のLED電球。
〔付記21〕
上記各突部は、断面台形状とされており、隣り合う上記突部のピッチに対する上記突部における底部の幅の割合が50〜100%であり、かつ、隣り合う上記突部のピッチに対する上記突部における頂部の幅の割合が25〜50%である、付記16に記載のLED電球。
〔付記22〕
上記放熱部材は、第1部材と、この第1部材に固定され、上記取付端部を有する第2部材と、を備える、付記1ないし21のいずれかに記載のLED電球。
〔付記23〕
上記取付端部は、上記第1方向に直交する寸法が最大である最大外形部を有する、付記1ないし22のいずれかに記載のLED電球。
〔付記24〕
上記凹凸状部分は、上記外周部の全領域に設けられている、付記1ないし23のいずれかに記載のLED電球。
〔付記25〕
上記凹凸状部分は、上記外周部のうち所定の間隔を隔てた複数の領域に分離して設けられている、付記1ないし23のいずれかに記載のLED電球。
〔付記26〕
上記放熱部材は、外方に向かって放射状に形成され、かつ上記第1方向の他方側の部位から上記取付端部に至るまで延びる複数のフィンを有し、
上記複数のフィンの外周面には、上記凹凸状部分を構成する複数のディンプルが形成されている、付記1に記載のLED電球。
図32〜図34は、本発明の第6実施形態に基づくLED電球を示している。本実施形態のLED電球106は、複数のLEDモジュール201、基板250、放熱部材400、電源部500、口金550、およびグローブ600を備えている。LED電球106は、白熱電球の代替製品として白熱電球用の照明器具に取り付けられて用いられる。LED電球106は、たとえば60W型の電球相当の大きさとされており、直径が60mm程度、高さが123mm程度である。
基板250は、複数のLEDモジュール201を支持し、かつこれらへの電源供給経路を提供するためのものである。本実施形態においては、基板250は、熱伝導が比較的高いガラスコンポジッド銅張積層板として構成されており、円形状とされている。基板250は、基材260および配線パターン270を有する。基材260は、実装面261および裏面262を有する。実装面261には、複数のLEDモジュール201が実装されている。裏面262は、放熱部材400に対して、たとえば接着剤または両面粘着テープによって取り付けられている。
配線パターン270は、基材260の実装面261に形成されており、たとえばCu,Agなどの金属膜からなる。配線パターン270は、基材260の外周に沿って略環状に形成されている。基材260には、2対の貫通孔253が形成されている。2対の貫通孔253は、基材260の中央を挟んで離間配置されている。
図36は、図33の断面図の一部を拡大したものである。本図に示すように基材260(基板250)には、導通部251およびパッド252が形成されている。本実施形態においては、2対の貫通孔253に対応して、2つの導通部251および2つのパッド252が形成されている。パッド252は、基材260の裏面262に形成されており、たとえばCuからなる。導通部251は、配線パターン270とパッド252とを導通させている。本実施形態においては、導通部251は、基材260を貫通している。各対の貫通孔253は、パッド252に対して近いものと遠いものとを含んでいる。
複数のLEDモジュール201は、基板250(基材260)の実装面261に実装されている。図34に示すように、複数のLEDモジュール201は、基板250の周縁に沿って円環状に配置されている。本実施形態においては、複数のLEDモジュール201の実装方向は、すべて一方向(図34における左右方向)に統一されている。
図35に示すように、LEDモジュール201は、LEDチップ202、1対のリード203、ケース205、封止樹脂206、および1対のワイヤ207を備えている。1対のリード203は、たとえばCu合金からなり、その一方にLEDチップ202が搭載さ
れている。リード203のうちLEDチップ202が搭載された面と反対側の面は、LEDモジュール201を面実装するために用いられる実装端子204とされている。LEDチップ202は、LEDモジュール201の光源であり、たとえば青色光を発光可能とされている。LEDチップ202と1対のリード203とは、1対のワイヤ207によって接続されている。封止樹脂206は、LEDチップ202を保護するためのものである。封止樹脂206は、LEDチップ202からの光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光物質を含む透光樹脂を用いて形成されている。上記蛍光物質としては、黄色光を発するものに代えて、赤色光を発するものと緑色光を発するものとを混合して用いてもよい。ケース205はたとえば白色樹脂からなり、LEDチップ202から側方に発された光を上方に反射するためのものである。
なお、本実施形態とは異なり、LEDチップ202を基板250に直接実装する構成としてもよい。
基板250の実装面261中央付近には、輻射部材490が設けられている。輻射部材490は、基板250(基材260)よりも輻射率が高く、比熱が大きい材質からなり、たとえばセラミックスからなる。また、輻射部材490は、黒色とされている。
図33および図34に示すように、放熱部材400は、板状部430および筒状部440からなる。なお、本実施形態と異なり、放熱部材400を、一体的に形成してもよい。板状部430は、基板250を支持するとともに、基板250からの熱を筒状部440へと伝えるためのものである。板状部430の材質としては、熱伝導率が高いものが好ましく、たとえばアルミなどの金属が用いられる。
板状部430のうち基板250から露出する部分には、露出部431が設定されている。露出部431は、平面視リング状である。露出部431には、母材であるアルミに対してアルマイト処理が施されている。
筒状部440は、全体として筒状とされており、板状部430に対してたとえば図示しないボルトあるいは接着剤によって取り付けられている。筒状部440の材質としては、熱伝導率が高いものが好ましく、たとえばアルミなどの金属が用いられる。
筒状部440は、複数のフィン441および電源収容凹部442を有している。複数のフィン441は、外方に向かって放射状に形成されている。電源収容凹部442は、電源部500の少なくとも一部を収容する部位であり、本実施形態においては、電源部500のほとんどを収容している。
電源部500は、たとえば商用の交流100V電源からLEDモジュール201(LEDチップ202)を点灯させるのに適した直流電力を発生させ、この直流電力をLEDモジュール201(LEDチップ202)に供給するものであり、電源基板510、複数の電子部品520を備えている。
電源基板510は、たとえばガラスコンポジッド銅張積層板からなり、全体として円形状とされている。図33に示すように、電源基板510の図中下面には、複数の電子部品520が実装されている。複数の電子部品520は、たとえば商用の交流100V電源をLEDモジュール201(LEDチップ202)を点灯させるのに適した直流電力に変換する機能を果たす。複数の電子部品520は、たとえば、コンデンサ、抵抗、コイル、ダイオード、ICなどを含む。
図33および図36に示すように、電源部500と基板250とは、2本の配線530
によって接続されている。図36に示すように、各配線530は、電源部500から1対の貫通孔253のうちパッド252から遠い方の貫通孔253を通って、基材260の実装面261側に至っている。そして、基材260の実装面261に沿って1対の貫通孔253のうちパッド252に近い方の貫通孔253に延びている。さらに、各配線530は、1対の貫通孔253のうちパッド252に近い方の貫通孔253を通って、基材260の裏面262に至っている。電源部500から1対の貫通孔253を経て裏面262側に至るまでの区間においては、芯線531が被覆532によって覆われている。配線530の先端付近においては、芯線531が被覆532から露出している。そして、この露出した芯線531がパッド252に対して、ハンダ533によって接合されている。1対の貫通孔253は、それぞれ封止部254によって塞がれている。本実施形態においては、封止部254は、貫通孔253と配線530との隙間に絶縁樹脂を充てんすることによって形成されている。
口金550は、たとえばJIS規格に準拠した一般的な電球用の照明器具に取り付けるための部分であり、放熱部材400の下端に取り付けられている。口金550は、JIS規格に定められたE17、E26などの仕様を満たす構成とされている。口金550は、電源部500に対して配線(図示略)によって接続されている。
グローブ600は、LEDモジュール201を保護するためのものであり、たとえば透明または半透明のガラスまたは樹脂からなる。グローブ600は、放熱部材400に対して固定されている。グローブ600の外面を粗面としてもよい。この粗面を構成する手法としては、たとえばショットブラスト処理が挙げられる。グローブ600の内面には、コールドミラー処理が施されている。コールドミラー処理とは、赤外線を選択的に反射し、その他のたとえば可視光を高い透過率で通過させる面を形成する処理である。
次に、LED電球106の作用について説明する。
本実施形態によれば、図33および図36に示すように、配線530の芯線531は、基材260の裏面262に形成されたパッド252に接合されている。このため、ハンダ533に含まれる臭素が放散されても、この臭素がLEDモジュール201に直接到達することを回避することができる。したがって、LED電球106の光量の減少を抑制することができる。
配線530は、1対の貫通孔253を通ることにより、電源部500から基材260の実装面261を迂回してパッド252に至っている。このため、配線530に電源部500へと向かう引っ張り力が作用すると、配線530のうち実装面261側に迂回している部分が実装面261と当接するなどによってこの力が緩和される。このため、上記引っ張り力がハンダ533に直接作用することを回避することが可能であり、芯線531がパッド252から外れてしまうことを防止することができる。
貫通孔253は、封止部254によって塞がれている。これにより、ハンダ533から放散しうる臭素が、実装面261側へと進入することを防止することができる。
1対の貫通孔253のうちパッド252に近い側の貫通孔253を通って配線530が裏面262に至っていることにより、貫通孔253とパッド252との距離を縮小することができる。
LEDモジュール201が発光によって発熱すると、この熱が基板250を介して輻射部材490へと伝わる。輻射部材490は、基板250よりも輻射率が高いため、基板250よりも多くの輻射熱を発する。この輻射熱は、コールドミラー処理が施されたグロー
ブ600によって反射される。この反射された輻射熱は、アルマイト処理されることにより比較的熱吸収しやすい放熱部材400の板状部430の露出部431によって吸収される。したがって、LEDモジュール201からの熱を、熱輻射の現象を利用して放熱部材400へと伝えることができる。
輻射部材490をセラミックスによって形成することは、輻射部材490の輻射率および比熱を大きくするのに適している。輻射部材490を黒色とすることにより、輻射部材490の輻射率をさらに高めることができる。
図37および図38は、LED電球106の変形例を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
図37に示す変形例においては、封止部254が、1対の貫通孔253を実装面261側から塞いでいる。本変形例においては、封止部254は、1対の貫通孔253のごく一部に進入している程度である。このような封止部254は、配線530を一対の貫通孔253に通した後に、絶縁性の樹脂ペーストを実装面261側から1対の貫通孔253を塞ぐように塗布することによって形成することができる。このような変形例によっても、ハンダ533からの臭素が実装面261側へと漏れることを防止することができる。
図38に示す変形例においては、封止部254が設けられていない。貫通孔253は、配線530がちょうど隙間なく嵌る内径とされている。このため、配線530の被覆532が貫通孔253に密着する格好となっている。このような変形例によっても、ハンダ533からの臭素が実装面261側へと漏れることを防止することができる。
本発明に係るLED電球は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLED電球の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
本発明の第4の側面によって提供されるLED電球の技術的構成について、以下に付記する。
〔付記1〕
1以上のLEDチップと、
互いに反対側を向く実装面および裏面を有する基材を含んでおり、上記実装面によって上記LEDチップを支持する基板と、
上記基板を挟んで上記LEDチップとは反対側に配置されており、上記LEDチップを発光させるための電力を供給する、電源部と、
上記電源部に対して上記基板とは反対側に配置された口金と、
上記LEDチップを覆い、かつ上記LEDチップからの光を透過させるグローブと、を備えたLED電球であって、
上記基板は、上記基材の上記実装面に形成された配線パターン、上記基材の裏面に形成されたパッド、上記配線パターンおよび上記パッドを導通させる導通部、を有しており、
上記パッドは、上記LEDチップに導通しており、
上記電源部に接続された一端と上記パッドに接合された他端を有する配線を備えていることを特徴とする、LED電球。
〔付記2〕
上記基板は、1対の貫通孔を有しており、
上記配線は、上記電源部から上記1対の貫通孔の一方を通って上記基材の実装面を経由し、上記1対の貫通孔の他方を通って上記基材の裏面に至っている、付記1に記載のLED電球。
〔付記3〕
上記1対の貫通孔を塞ぐ封止部を備える、付記2に記載のLED電球。
〔付記4〕
上記封止部は、絶縁性樹脂からなる、付記3に記載のLED電球。
〔付記5〕
上記封止部は、上記1対の貫通孔に充てんされている、付記3または4に記載のLED電球。
〔付記6〕
上記1対の貫通孔は、上記基材の厚さ方向視において上記パッドに近いものと遠いものとを含んでおり、
上記配線は、上記パッドに対して遠い方の上記貫通孔を通って上記電源部から上記基材の実装面に至り、かつ上記パッドに対して近い方の上記貫通孔を通って上記基材の実装面から上記記載の裏面に至る、付記2ないし5のいずれかに記載のLED電球。
〔付記7〕
複数の上記LEDチップが、上記基材の厚さ方向視において環状に配置されており、
上記1対の貫通孔および上記パッドが、上記基材の厚さ方向視において上記複数のLEDチップの内側に設けられている、付記2ないし6のいずれかに記載のLED電球。
〔付記8〕
上記導通部は、上記基材を貫通している、付記1ないし7のいずれかに記載のLED電球。
〔付記9〕
上記配線は、上記パッドに対してハンダ付けされている、付記1ないし8のいずれかに記載のLED電球。
〔付記10〕
上記基材の実装面に設けられており、上記基材の実装面よりも輻射率が高い輻射部材を備える、付記1ないし9のいずれかに記載のLED電球。
〔付記11〕
上記輻射部材は、上記基材よりも比熱が高い、付記10に記載のLED電球。
〔付記12〕
上記輻射部材は、セラミックスからなる、付記10または11に記載のLED電球。
〔付記13〕
上記輻射部材は、黒色である、付記10ないし12のいずれかに記載のLED電球。
〔付記14〕
上記グローブの内面には、コールドミラー処理が施されている、付記10ないし13のいずれかに記載のLED電球。
〔付記15〕
上記基板を支持し、かつ上記基板が広がる方向に上記基板から露出する露出部を有する放熱部材を備えている、付記10ないし14のいずれかに記載のLED電球。
〔付記16〕
上記放熱部材は、アルミからなり、上記露出部には、アルマイト処理が施されている、付記15に記載のLED電球。
〔付記17〕
上記放熱部材には、上記電源部を収容する電源収容凹部が形成されている、付記15または16に記載のLED電球。
〔付記18〕
上記口金は、上記放熱部材に対して上記グローブとは反対側に取り付けられている、付記15ないし17のいずれかに記載のLED電球。
以下、図面を参照して本発明の第7実施形態に基づくLED電球を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。図面
は模式的なものであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
図39は、本実施形態のLED電球の調光部に関するブロック構成例を示す。AC電源707にスイッチ708が接続されている。AC電源707及びスイッチ708は、LED電球の外部に設けられている。スイッチ708を介してLED電球の調光部700が接続されている。調光部700は、AC電圧をDC電圧に変換するAC/DC変換部701、フォトカプラ702、LEDの駆動信号を生成するLEDドライバ部703、DC/DC変換部704、PWM(パルス幅変調)信号生成部706等で構成される。また、LEDドライバ部703には、複数個直列に接続されたLEDモジュール705が接続されており、LEDドライバ部703からの駆動信号によって発光する。上記調光部700とLEDモジュール705は、LED電球の内部に配置されている。
スイッチ708は、LED電球にAC電源を投入する際に用いる壁等に設置されたスイッチを示す。最初にスイッチ708を押したときには、AC電源707のAC電圧が調光部700に供給される。調光部700では、入力されたAC電圧をAC/DC変換部701でDC電圧に変換し、LEDドライバ部703、DC/DC変換部704にそれぞれ供給する。DC/DC変換部704では、入力されたDC電圧をさらに降圧したDC電圧を生成し、これをPWM信号生成部706に供給する。また、スイッチ708のオン時の立ち上がりのパルス信号は、フォトカプラ702により、ノイズのない信号状態でPWM信号生成部706に伝達する。
LEDドライバ部703にAC/DC変換部701からDC電圧が供給され、PWM信号生成部706からの調光信号が入力されることにより、LEDモジュール705が発光する。LEDモジュール705は定電流源に接続されており、輝度の調整はパルス信号のデューティ比によって制御することにより行われる。これが、図39のLED調光信号に相当する。
ここで、スイッチ708を連続的にオフ−オン動作させることにより、パルス信号をフォトカプラ702を介してPWM信号生成部706に送信する。PWM信号生成部706では、このパルス信号をトリガーにしてLED調光信号が生成される。LED調光信号は、パルス幅変調信号(PWM信号)であり、このPWM信号がLEDドライバ部703に供給され、LEDドライバ部703によりLEDモジュール705の調光が行われる。
調光部700とLEDモジュール705は、LED電球の内部に組み込まれているが、LED電球内部の構成例を以下に示す。LED電球は、例えば、図43〜図45に示されるように構成される。基板741、複数のLEDモジュール705、カバー743、ブラケット744、放熱部材745、調光部700、および口金747を備えている。LED電球は、白熱電球の代替製品として白熱電球用の照明器具に取り付けられて用いられる。
基板741は、複数のLEDモジュール705を支持するためのものであり、例えばガラスエポキシ樹脂からなる本体に配線パターンが形成された構成とされている。基板741の構成としては、このほかに、例えばアルミからなる本体、この本体に形成された絶縁層、この絶縁層に積層された配線パターンを有するものであってもよい。図45に示すように、基板741は、例えば略正方形状とされている。図44および図45に示すように、基板741には、複数の取付け孔748が形成されている。複数の取付け孔748は、調光部700と基板741とを取り付けるために用いられる。
複数のLEDモジュール705は、例えば白色光を発する。図45に示すように、4つのLEDモジュール705が基板741の四隅に搭載されている。図46に示すようにL
EDモジュール705は、LEDチップ750、基板772、ワイヤ773、および封止樹脂774を備えている。
LEDチップ750は、例えばGaN系半導体からなるn型半導体層、p型半導体層、およびこれらに挟まれた活性層からなる。LEDチップ750からは、例えば青色光が発せられる。基板772は、LEDチップ750を支持するためのものであり、例えばガラスエポキシ樹脂からなる本体に配線パターンが形成されている。この配線パターンは、LEDチップ750が搭載される部位、およびLEDチップ750を面実装するための実装電極として用いられる部位、などを有する。
ワイヤ773は、例えば金からなり、LEDチップ750の上面と上記配線パターンとを導通させている。封止樹脂774は、LEDチップ750およびワイヤ773を覆っており、例えば透明なエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂に蛍光体材料が混入された材質からなる。この蛍光体材料は、例えばLEDチップ750から発せられた青色光によって励起されることにより黄色光を発する。この黄色光とLEDチップ750からの青色光とが混色することにより、白色光が得られる。なお、封止樹脂774の材質としては、透明なエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂に、青色光によって励起されることにより赤色光を発する蛍光体材料と緑色光を発する蛍光体材料とが混入されたものを用いてもよい。
カバー743は、複数のLEDモジュール705を保護するためのものであり、例えば透明または半透明の樹脂からなる。本実施形態においては、カバー743は、その外形が軸方向Naを長軸方向とする半楕円体とされている。
ブラケット744は、カバー743と放熱部材745との取り付けを容易化するためのものである。ブラケット744は、例えば樹脂からなり、リング形状とされている。
放熱部材745は、LEDモジュール705からの熱を放散させるためのものであり、筒状部751、複数のフィン752、および台座部753が形成されている。放熱部材745は、例えばアルミからなり、押し出し加工等を利用して形成されている。
筒状部751は、軸方向Naに延びる中心軸を有する筒状であり、円筒形状とされる。筒状部751は、放熱部材745の軸方向Naにおける全域にわたる長さとされる。筒状部751は、軸方向Naと直角である平面の断面形状が軸方向Naのいずれの箇所においても同一である。
調光部700は、LEDモジュール705に定電流源を供給するとともに、調光を行うものであり、基板761、複数の電子部品762、およびケース763を備えている。基板761は、例えばガラスエポキシ樹脂からなり、軸方向Naを長手方向とする長矩形状で構成される。複数の電子部品762は、例えば基板761の両面に実装されている。複数の電子部品762には、図39の調光部700のブロック構成で示した機能を有する電子部品が含まれる。
以上説明したように、調光部700とLEDモジュール705は、LED電球内に配置される。次に、調光部700の動作を図40を参照しつつ、説明する。図40は、調光部700の具体的な回路構成例を示す。図39と同じ番号を付しているものは、同じ構成を示す。調光部700は、整流回路711、平滑回路712、LEDドライバ素子713、DC/DCコンバータ714、フリップフロップ回路715、NAND(否定論理積)回路716、ダイオード717、抵抗718、抵抗719、コンデンサ720、N型MOSのFET21、NPN型のトランジスタ722、PNP型のトランジスタ723、抵抗724、抵抗725等で構成される。
ここで、図39と図40とを対比すると、AC/DC変換部701は、整流回路711と平滑回路712で構成されている。LEDドライバ部703は、LEDドライバ素子713、FET21、トランジスタ722、トランジスタ723、抵抗724、抵抗725で構成される。DC/DC変換部704は、DC/DCコンバータ714で構成される。PWM信号生成部706は、フリップフロップ回路715、NAND回路716、ダイオード717、抵抗718、抵抗719、コンデンサ720で構成される。
また、LEDモジュール705は、LEDチップを複数直列に接続したものであり、図45では、LEDチップ750が複数直列に接続された構成に相当する。図45では、4個のLEDチップ750が示されているが、この個数に限定されるものではない。なお、整流回路711には、例えばダイオードのブリッジ回路を用いた全波整流回路等が使用される。平滑回路712には、例えば、電解コンデンサからなるコンデンサ回路が用いられる。
まず、最初に、スイッチ708を押してAC電源707をLED電球に供給すると、整流回路711によりAC電圧が整流されて、平滑回路712に供給される。平滑回路712では、AC変動の脈流分を平滑化して直流電源として使用できるようにする。この平滑化された直流電圧は、LEDドライバ素子713、DC/DCコンバータ714、FET21のドレイン端子に供給される。平滑化された直流電圧は、例えば、24V±7.2V(30%)に生成される。
LEDドライバ素子713は、LEDを定電流で駆動させてPWM(パルス幅変調)信号により、調光を行わせる素子であり、直流電圧がVin端子に供給されると、LEDドライバ素子713が作動する。一方、DC/DCコンバータ714では、平滑化された直流電圧をさらに低電圧に降圧して出力する。DC/DCコンバータ714から出力される直流電圧は、例えば、3.5V〜5Vの範囲に降圧される。この降圧された直流電圧は、フリップフロップ回路715のVcc端子、NAND回路716に電源電圧として供給される。
フリップフロップ回路715は、Dフリップフロップで構成されており、D入力端子とQバー出力端子とが短絡されている。スイッチ708によるスイッチング信号は、フォトカプラ702を介してフリップフロップ回路715のクロック端子(CLK)に入力される。フリップフロップ回路715のQ出力端子は、NAND回路716の入力Ibに接続されている。NAND回路716の他方の入力Ibには、コンデンサ720の一方の端子が接続され、コンデンサ720の他方の端子は接地されている。
コンデンサ720が接続されたNAND回路716の入力IaとNAND回路716の出力との間には、抵抗718とダイオード717とが直列に接続された回路が設けられており、この直列接続回路に並列に抵抗719が接続されている。
最初に、スイッチ708を押してAC電源が供給されたとき、コンデンサ720は充電されていないので、コンデンサ720に接続されたNAND回路716の入力Ibはローレベルとなる。一方、最初のAC電源投入時では、フリップフロップ回路715のQ出力端子はローレベルとなるので、NAND回路716の入力Iaはローレベルとなる。したがって、NAND回路716の出力信号はハイレベル信号となり、これが、トランジスタ723のベースに入力される。
トランジスタ723のコレクタはトランジスタ722のベースと接続されており、トランジスタ723のエミッタは接地されている。トランジスタ722のエミッタはLEDド
ライバ素子713のVDD端子と接続されており、VDD端子から一定の電圧が供給される。トランジスタ722のコレクタは、抵抗724の一端と接続され、抵抗724の他端は接地されている。また、トランジスタ722のコレクタはLEDドライバ素子713のPWM端子に接続されている。
ここで、LEDドライバ素子713について説明すると、GD端子は、FET21のゲートのドライブ端子であり、VDD端子は電圧レギュレータの出力端子である。FET21のゲートはLEDドライバ素子713のGDに接続され、FET21のソースは抵抗725に直列に接続され、抵抗725はLEDモジュール705と直列に接続される。
PWM端子は、PWM信号の入力端子であり、例えば、周波数1KHz、5Vの大きさのPWM信号が入力される。CS端子は、LED電流の検知端子であり、FET21のソース端子と抵抗725との間に接続されている。CS端子は、FET21のソースを流れるLED電流を検知するために、抵抗725の端子電圧を検出し、これを所定の閾値電圧と比較し、その閾値電圧を超えた場合にGD端子出力をローレベルにする。GD端子出力がローレベルになると、FET21のゲート端子がローレベルとなるので、FET21はオフし、LEDモジュール705には電流が供給されなくなり、発光が停止する。
上記のように、CS端子で検出される電圧が閾値電圧を超えていない場合は、GD端子には、LEDドライバ素子713の内部の発振周波数によるパルス信号Psが出力される。パルス信号Psは、上記PWM信号よりも十分大きい周波数、例えば50KHzで、24Vの大きさのデューティ比50%のパルス信号が出力される。ただし、PWM端子に入力されるPWM信号のハイレベル信号の期間(オン期間)のみパルス信号Psが出力される。パルス信号Psの周波数は、LEDドライバ素子713にRF端子等がある場合は、RF端子とGND間に接続する抵抗の値によって変化させることができる。
すなわち、PWM端子に入力されるPWM信号のデューティ比によって、LEDモジュール705の調光が行われる。PWM信号のハイレベル信号幅が長くなれば、LEDモジュール705の発光は明るくなり、ハイレベル信号幅が短くなれば、LEDモジュール705の発光は暗くなる。
VDD端子は、LEDドライバ素子713内部に設けられている電圧レギュレータの出力端子であり、所定のDC電圧が出力されるようになっている。
次に、スイッチ708による調光の動作を説明する。前述したように、最初にスイッチ708を押してAC電源が供給されたときには、ハイレベル信号がトランジスタ723のベースに入力される。これにより、トランジスタ723がオンし、トランジスタ722もオンするので、抵抗724に電流が流れ、抵抗724の両端に一定の電圧が発生する。この抵抗724に発生する端子電圧が、例えば5Vになるように、抵抗724の抵抗値が決められる。このように、LEDドライバ素子713のPWM端子には、一定のハイレベル信号が入力された状態が続くので、PWM信号はデューティ比100%の信号となり、LEDモジュール705は全灯の状態となる。
次に、スイッチ708を押して、スイッチ708をオフにする。さらに、スイッチ708をオフにした時点から所定の時間内にスイッチ708をオンにするという、オフ−オンの連続動作を行ったときは次のようになる。スイッチ708をオフにし、AC電源707を切り離しても、調光部700の内部に供給されているDC電圧はすぐに0になるわけではない。したがって、フリップフロップ回路715のQ出力端子はローレベル、Qバー出力端子はハイレベルとなっているので、D端子はハイレベルの状態となっている。
ここで、AC電源がオフとなっても、平滑回路712に設けられているコンデンサにより、一定の時間はロジック回路が動作できるDC電圧が保持される。平滑回路712は、所定の値の電解コンデンサで構成されており、例えば、ロジック回路が動作できないDC電圧の値に降下するまでの時間が3秒になるように構成されている。
したがって、AC電源707と切り離されてから所定の時間内(例えば3秒以内)にスイッチ708がオンされると、スイッチ708のオフ−オンの切り替え動作によるパルス信号がフォトカプラ702を介してフリップフロップ回路715のクロック端子(CLK)に入力される。このパルス信号の立ち上がりに同期してD端子に入力されているデータが取り込まれて、Q端子に出力されるので、Q端子はハイレベルとなる。
また、スイッチ708がオフ−オンされたときには、コンデンサ720は充電された状態を維持しているので、NAND回路716の入力Iaは、ハイレベルとなり、上記フリップフロップ回路715のQ端子出力がNAND回路716の入力Ibに入力されるので、入力Ibもハイレベルとなる。したがって、NAND回路716の出力はローレベルとなる。
NAND回路716の出力はローレベルとなると、コンデンサ720に蓄積された電荷は、抵抗719を介して放電されるので、NAND回路716の入力Iaはローレベルとなる。NAND回路716の入力Ibは、ハイレベルを維持したままであり、NAND回路716の入力Iaがローレベルになると、NAND回路716の出力は、ハイレベルとなる。
NAND回路716の出力がハイレベルとなるとダイオード717と抵抗718を介してコンデンサ720に電流が流れ、コンデンサ720が充電される。コンデンサ720が充電されるとNAND回路716の入力Iaはハイレベルとなり、NAND回路716の入力Ibはハイレベルを維持したままであるので、NAND回路716の出力は、ローレベルとなる。以上のように、コンデンサ720が充放電を繰り返すことにより、NAND回路716の出力には、ハイレベル信号(オン期間)とローレベル信号(オフ期間)とが交互に出力され、パルス信号(PWM信号)が生成される。
ここで、NAND回路716の入力Ibはゲートの役割を果たす。NAND回路716の入力Ibがハイレベルのときは、入力Iaに入力される信号がそのまま出力される。一方、NAND回路716の入力Ibがローレベルのときは、入力Iaに入力される信号は出力されずに、NAND回路716の出力はハイレベルで固定される。
また、NAND回路716、ダイオード717、抵抗718、抵抗719、コンデンサ720で、発振回路を構成している。この発振回路とフリップフロップ回路715でPWM信号生成回路を構成している。NAND回路716から出力されるPWM信号は、トランジスタ723に供給されて、トランジスタ723をオン−オフし、トランジスタ723のオン−オフ動作が、トランジスタ722をオン−オフさせ、LEDドライバ素子713のPWM端子にPWM信号を供給する。前述したように、PWM信号のオン期間のみ、LEDドライバ素子713のGD端子から所定周波数のLED駆動信号が出力されて、LEDモジュール705を発光させる。
このように、スイッチ708をオフし、所定の時間内にオンすることにより、全灯から所定の明るさに調光される。なお、ダイオード717の抵抗値を0とみなすと、PWM信号のオン時間はコンデンサ720の容量と抵抗718の抵抗値による充電時間に基づいて決まり、PWM信号のオフ時間はコンデンサ720の容量と抵抗719の抵抗値による放電時間に基づいて決まる。これを言い換えれば、コンデンサ720の容量をC、抵抗71
8の抵抗値をR1、抵抗719の抵抗値をR2とした場合、時定数C×R1、及び、時定数C×R2により決定される。
上記では、PWM信号生成部706を、NAND回路716、ダイオード717、抵抗718、抵抗719、コンデンサ720等によるロジック回路で構成したが、これらの機能をマイクロプロセッサー(MPU)で行わせるようにしても良い。
次に、図40の回路を用いて多段階の調光を行う方法を以下に示す。図41は、多段階調光を行う回路例を示す。また、図42は、多段階調光のフローチャートを示す。図41において、図40と同一の符号を付しているものは同一の構成を示すので説明は省略する。
図40では、フリップフロップ回路715、NAND回路716、ダイオード717、抵抗718、抵抗719、コンデンサ720で構成されるPWM信号生成回路は1つだけであったが、図41ではPWM信号生成回路がn個設けられている。
第1のPWM信号生成回路は、フリップフロップ回路7151、NAND回路7161、ダイオード7171、抵抗7181、抵抗7191、コンデンサ7201で構成される。第2のPWM信号生成回路は、フリップフロップ回路7152、NAND回路7162、ダイオード7172、抵抗7182、抵抗7192、コンデンサ7202で構成される。そして、n番目の第nのPWM信号生成回路は、フリップフロップ回路715n、NAND回路716n、ダイオード717n、抵抗718n、抵抗719n、コンデンサ720nで構成される。
また、第1のPWM信号生成回路から第nのPWM信号生成回路にかけて、PWM信号のオン時間が段階的に短くなっていくように、すなわちデューティ比が小さくなるように抵抗7181〜18n、抵抗7191〜19n、コンデンサ7201〜20nの各値が設定される。
シフトレジスタ730は、n個のフリップフリップ(FF)により構成されており、クロック入力により、各フリップフリップに保持されているデータがシリアルに移動するものである。スイッチ708の所定時間内における第1回目のオフ−オン動作により、入力INのデータ1を読み込みQ1に出力する。このとき、シフトレジスタ730の出力(Q1、Q2、・・・、Qn)は(1、0、・・・、0)となる。
また、入力INのデータ1は、スイッチ708の所定時間内における第1回目のオフ−オン動作のとき、スイッチ708の所定時間内における第2回目のオフ−オン動作のとき、スイッチ708の所定時間内における第(n+2)回目のオフ−オン動作のとき、スイッチ708の所定時間内における第(n+3)回目のオフ−オン動作のときだけ1が入力され、それ以外は0が入力される。入力INへのデータ1の入力は、マイクロプロセッサー等により行われる。
例えば、スイッチ708の所定時間内における第2回目のオフ−オン動作が行われると、シフトレジスタ730の出力(Q1、Q2、Q3、・・・、Qn)は(1、1、0、・・・、0)となる。スイッチ708の所定時間内における第3回目のオフ−オン動作が行われると、シフトレジスタ730の出力(Q1、Q2、Q3、・・・、Qn)は(0、1、1、・・・、0)となる。スイッチ708の所定時間内における第n回目のオフ−オン動作が行われると、シフトレジスタ730の出力(Q1、Q2、・・・、Qn−1、Qn)は(0、0、・・・、1、1)となる。スイッチ708の所定時間内における第n+1回目のオフ−オン動作が行われると、シフトレジスタ730の出力(Q1、Q2、・・・
、Qn−1、Qn)は(0、0、・・・、0、1)となる。
最初にスイッチ708を押してAC電源が供給されたときには(S1)、シフトレジスタ730の出力は、(0、0、・・・、0)となるので、AND回路731の入力はすべてハイレベル信号となり、AND回路731の出力がハイレベルを維持した状態となるので、PWM信号はデューティ比100%となり全灯状態になる(S2)。次に、スイッチ708をオフにし(S3)、このオフの時点から所定の時間内にスイッチ708をオンにするという、オフ−オンの連続動作を行ったときは次のようになる。なお、本実施例では、上記所定の時間内は3秒以内であることとして説明する。
AC電源オフからAC電源オンまでの動作が3秒以内に行われたかどうかが判定され(S4)、3秒以内の場合は(S4 YES)、第1段階の調光であるモード1に移行する(
S11)。3秒以内でない場合は(S4 YES)消灯する。
第1段階の調光であるモード1に移行する場合を説明する。この場合、シフトレジスタ730の出力は、(1、0、・・・、0)となるので、Q1に出力された1のデータは、第1のPWM信号生成回路のフリップフロップ回路7151のクロック端子に入力される。図40で説明したように、所定時間内にスイッチ708をオフ−オンした場合は、フリップフロップ回路7151のQバー端子の出力のハイレベル信号がD端子に入力されているため、Q1の出力信号の立ち上がりで、フリップフロップ回路7151のQ端子にはハイレベル信号が出力される。
これにより、NAND回路7161のゲートが開くことになり、図40で説明したコンデンサ7201の充放電の繰り返しにより、NAND回路7161の出力端子にパルス信号(PWM信号)が出力される。
一方、フリップフロップ回路7151以外のフリップフロップ回路のクロック端子には、パルス信号が供給されず、ローレベル信号のままであるので、フリップフロップ回路7152〜15nまでのQ端子はローレベルの状態が維持される。このため、NAND回路7162〜16nまでの出力は、すべてハイレベルとなる。
したがって、AND回路731の入力は、NAND回路7161の出力端子と接続された入力以外は、すべてハイレベルとなり、NAND回路7161の出力のPWM信号がそのままAND回路731の出力に現れる。これが、トランジスタ723、722を駆動して、LEDドライバ素子713のPWM端子に供給され、第1段階の調光が行われる。
次に、第1段階の調光であるモード1から第2段階の調光であるモード2に移行する動作を説明する。第1段階の調光の状態(S11)で、スイッチ708をオフしてAC電源をオフにする(S12)。この次に、3秒以内にスイッチ708がオンされてAC電源707と接続された場合(S13YES)はモード2に移行する。一方、スイッチ708をオ
フしてから3秒以内にスイッチ708がオンされなければ(S13NO)、消灯(S5)する。
S13のYESの場合は以下のように動作する。フォトカプラ702を介して2回目のパ
ルス信号が入力されるので、前述したように、シフトレジスタ730の出力(Q1、Q2、Q3、・・・、Qn)は(1、1、0、・・・、0)となる。すると、第1のPWM信号生成回路のフリップフロップ回路7151のクロック端子にクロックが供給され、これにより、D端子に入力されているローレベル信号がQ端子に出力される。このため、NAND回路7161のゲートが閉まり、NAND回路7161の出力はハイレベルを維持した状態になる。
同時に、第2のPWM信号生成回路のフリップフロップ回路7152のクロック端子にクロックが供給され、D端子に入力されているハイレベル信号がQ端子に出力される。このため、NAND回路7162のゲートが開き、コンデンサ7202の充放電の繰り返しにより、NAND回路7162の出力端子にパルス信号(PWM信号)が出力される。
他方、フリップフロップ回路7151、7152以外のフリップフロップ回路のクロック端子には、パルス信号が供給されず、ローレベル信号のままであるので、フリップフロップ回路7153〜15nまでのQ端子はローレベルの状態が維持される。このため、NAND回路7163〜16nまでの出力は、すべてハイレベルとなる。
したがって、AND回路731の入力は、NAND回路7162の出力端子と接続された入力以外は、すべてハイレベルとなり、NAND回路7162の出力のPWM信号がそのままAND回路731の出力に現れる。これが、トランジスタ723、722を駆動して、LEDドライバ素子713のPWM端子に供給され、第2段階の調光が行われる(S21)。
上記のように、モードnまで同様な動作が繰り返される。例えば、第3段階の調光であるモード3に移行する過程では、以下のようになる。フォトカプラ702を介して3回目のパルス信号が入力されるので、シフトレジスタ730の出力(Q1、Q2、Q3、・・・、Qn)は(0、1、1、・・・、0)となる。すると、第2のPWM信号生成回路のフリップフロップ回路7152のクロック端子にクロックが供給され、これにより、D端子に入力されているローレベル信号がQ端子に出力される。このため、NAND回路7162のゲートが閉まり、NAND回路7162の出力はハイレベルを維持した状態になる。
同時に、第3のPWM信号生成回路(図示せず)のフリップフロップ回路7153のクロック端子にクロックが供給され、D端子に入力されているハイレベル信号がQ端子に出力される。このため、NAND回路7163のゲートが開き、コンデンサ7203の充放電の繰り返しにより、NAND回路7163の出力端子にパルス信号(PWM信号)が出力される。そして、NAND回路7163の出力のPWM信号がそのままAND回路731の出力に現れる。
以上のように、シフトレジスタ730の出力の最初の1のデータを用いて発振回路を駆動させてPWM信号を生成し、次に、2番目の1のデータを用いて発振回路を停止させてPWM信号を止める。
この動作を繰り返してモードnの状態になったとき(Sn1)には、第nのPWM信号生成回路のコンデンサ720nの充放電の繰り返しにより、NAND回路716nの出力端子にパルス信号(PWM信号)が出力される。そして、NAND回路716nの出力のPWM信号がそのままAND回路731の出力に現れる。
次に、スイッチ708をオフしてAC電源をオフにする(Sn2)。この次に、3秒以内にスイッチ708がオンされてAC電源707と接続された場合(Sn3YES)は、最
初の全灯(S2)の状態に移行する。一方、スイッチ708をオフしてから3秒以内にスイッチ708がオンされなければ(Sn3NO)、消灯(S5)する。
さらに、続けて、スイッチ708が3秒以内にオフ−オン動作された場合には、モード1からの段階的な調光動作に再び移行する。
上記のように、壁等に設置されたAC電源とLEDとを接続、遮断するスイッチをオン−オフすることにより、LEDの段階的調光を行うことができる。
また、n個のPWM信号生成回路のうち、1個又は2個以上を調色に用いるようにしても良い。
本発明の第5の側面によって提供されるLED電球の技術的構成について、以下に付記する。
〔付記1〕
LEDチップと、
前記LEDチップをパルス幅変調信号により段階的に調光する調光部とを電球内部に備え、
前記調光部のパルス幅変調信号の生成は、外部のAC電源と電球内部とを接続する外部スイッチのオフ−オン動作により行われることを特徴とするLED電球。
〔付記2〕
前記調光部は、前記外部のAC電源からDC電圧を生成するAC/DC変換部、前記LEDチップを駆動するパルス信号を生成するLEDドライバ部、前記LEDドライバ部を制御するためのパルス幅変調信号を生成するPWM信号生成部を備えていることを特徴とする付記1に記載のLED電球。
〔付記3〕
前記PWM信号生成部は、前記外部スイッチのオフ−オン動作が所定の時間内に行われたときにPWM信号を出力することを特徴とする付記2に記載のLED電球。
〔付記4〕
前記PWM信号生成部は、発振回路とフリップフロップ回路とで構成されており、前記外部スイッチのオフ−オン動作により発生するパルス信号によって前記フリップフロップ回路の出力が変更され、前記発振回路からPWM信号が出力されることを特徴とする付記2又は付記3に記載のLED電球。
〔付記5〕
前記フリップフロップ回路の出力の変化により、前記発振回路の発振動作と停止動作とが切り替わることを特徴とする付記4に記載のLED電球。
〔付記6〕
前記発振回路の出力パルス幅は、コンデンサの充放電時間を利用することを特徴とする付記4又は付記5に記載のLED電球。
〔付記7〕
前記LEDドライバ部は前記PWM信号のオン期間の間のみ、前記LEDチップを駆動するパルス信号を出力することを特徴とする付記2〜付記4のいずれか1項に記載のLED電球。
〔付記8〕
前記PWM信号生成部は、前記所定の時間内に行われた外部スイッチのオフ−オン動作が連続して行われたときは、該オフ−オン動作の回数に応じてPWM信号のデューティ比を段階的に変化させることを特徴とする付記3〜付記5のいずれか1項に記載のLED電球。
〔付記9〕
所定の時間内に行われた外部スイッチのオフ−オン動作が連続して行われ、所定のオフ−オン動作回数を超えたときは、前記PWM信号生成部はデューティ比100%のPWM信号を出力することを特徴とする付記6に記載のLED電球。
〔付記10〕
前記PWM信号生成部は複数のPWM信号生成回路を備え、各PWM信号生成回路は1対の発振回路とフリップフロップ回路とを有し、各発振回路はそれぞれ異なるデューティ
比のPWM信号を出力することを特徴とする付記8又は付記9に記載のLED電球。
〔付記11〕
前記各発振回路の動作は、対応するフリップフロップ回路の出力の変化により発振又は停止の動作が行われることを特徴とする付記10に記載のLED電球。
〔付記12〕
前記各発振回路から出力される異なるデューティ比のPWM信号は、前記各発振回路が有するコンデンサの充放電時間がそれぞれ異なることを利用していることを特徴とする付記10又は付記11に記載のLED電球。
〔付記13〕
前記外部スイッチのオフ−オン動作によるパルス信号は、フォトカプラを介して前記調光部に供給されることを特徴とする付記1〜付記11のいずれか1項に記載のLED電球。