JP6152762B2 - 活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物及び積層品 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物及び積層品 Download PDF

Info

Publication number
JP6152762B2
JP6152762B2 JP2013193251A JP2013193251A JP6152762B2 JP 6152762 B2 JP6152762 B2 JP 6152762B2 JP 2013193251 A JP2013193251 A JP 2013193251A JP 2013193251 A JP2013193251 A JP 2013193251A JP 6152762 B2 JP6152762 B2 JP 6152762B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
meth
acrylate
composition
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013193251A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015059166A (ja
Inventor
八木 政敏
政敏 八木
佐藤 寛之
寛之 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2013193251A priority Critical patent/JP6152762B2/ja
Publication of JP2015059166A publication Critical patent/JP2015059166A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6152762B2 publication Critical patent/JP6152762B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物及びその硬化物の層を有する積層品に関する。
活性エネルギー線硬化型金属用被覆材組成物は、例えば、樹脂基材の表面を真空蒸着やスパッタリング等の処理により金属化した表面のトップコート処理に利用されている。このようなトップコート処理されたものとしては、例えば、照明やライト等の反射鏡、リフレクター部品及び携帯電話等の家電製品並びに化粧品容器の加飾用途が挙げられる。
従来使用されている活性エネルギー線硬化型被覆材組成物の多くは、塗装時の作業性を向上させるために希釈溶剤として有機溶剤を含んでいる。この有機溶剤は塗装時に大気に放出され大気汚染を引き起こす一因となることから、環境保全及び大気汚染防止の観点から有機溶剤の使用量の削減が求められている。例えば、プラスチック成型品用として、溶剤として水を使用することで有機溶剤の使用量を減らした活性エネルギー線硬化型被覆材組成物が知られている。(特許文献1)
特開2012−241088号公報
特許文献1に示されたプラスチック成型品用の活性エネルギー線硬化型被覆材組成物を金属表面のトップコート材に用いると、形成される硬化物層の金属に対する付着性が低く、トップコートとしては性能が不十分である。
本発明の目的は、金属に対して優れた付着性を有し、金属表面のトップコートとして必要な耐擦傷性を有する硬化物層を形成できる活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物、及びその硬化物層が積層された積層品を提供することである。
脂環式骨格及び/又は複素環式骨格を有する1又は2官能の(メタ)アクリレート(A)(以下、「(A)成分」という。)、アルキレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート(B)(以下、「(B)成分」という。)、(A)成分及び(B)成分以外の2官能以上の(メタ)アクリレート(C)(以下、「(C)成分」という。)、(メタ)アクリロイルオキシ基含有リン酸エステル(D)(以下、「(D)成分」という。)、及び水を含む活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物であって、当該組成物に含まれる単量体成分及び重合体成分の合計に対して、(A)成分が15〜60質量%、(B)成分が25〜50質量%、(C)成分が10〜50質量%、及び(D)成分が0.2〜2質量%、並びに、水酸基を有するビニル系単量体単位を含む(共)重合体(E)(以下、「(E)成分」という。)が0〜25質量%であり、当該組成物に含まれる単量体成分及び重合体成分の合計100質量部に対して、水を25〜40質量部を含む組成物である。
本発明の活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物は、金属に対して優れた付着性を有し、金属表面のトップコートとして必要な耐擦傷性を有する硬化物層を形成できる。この組成物を用いると、金属に対して優れた付着性を有し、金属表面のトップコートとして必要な耐擦傷性を有する硬化物層を有する積層品を得ることができる。
以下本発明について先ず、被覆材組成物の成分について詳しく説明する。尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」の総称である。また「(メタ)アクリロイルオキシ」は「アクリロイルオキシ」及び「メタクリロイルオキシ」の総称である。
<活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物(以下、「本組成物」ともいう。)は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び水を含む。本組成物は、金属の表面、特に樹脂成型品の表面に設けたアルミニウム、錫、クロム等の金属薄膜を傷や汚れから保護するためのトップコートとして使用される。
<(A)成分>
(A)成分は、脂環式骨格及び/又は複素環式骨格を有する1又は2官能の(メタ)アクリレートである。
脂環式骨格としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等の単環の脂環式骨格、ジシクロペンタン(トリシクロデカン)、ジシクロペンテン、ノルボルネン、イソノルボルネン、アダマンタン等の多環の脂環式骨格が挙げられる。本発明においては、硬化物層の収縮が少なくなり、金属に対する付着性が高くなることから多環の脂環式骨格を有するものが好ましい。
多環の脂環式骨格を有する1又は2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、ヘキサヒドロフタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ターシャリーブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、イソボルニルアクリレート等の1官能の(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ECH変性ヘキサヒドロフタル酸ジアクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、等の2官能の(メタ)アクリレートが挙げられる。
複素環式骨格としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、シアヌル酸、イソシアヌル酸、オキソラン、ジオキソラン、ピペリジン、ピペラジン等の複素環式骨格が挙げられる。複素環骨格を有する1又は2官能の(メタ)アクリレートとしては、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルヒドロキシエチルイソシアヌレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、(2ーメチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート、(シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル))メチルアクリレートが挙げられる。また複素環式骨格としては、酸素を複素原子とするものが好ましい。(A)成分は、単独で、又は二種以上を併せて用いることができる。
(A)成分の使用割合は、本組成物に含まれる全ての単量体成分及び重合体成分の合計に対して15〜60質量%であり、好ましくは25〜35質量%である。この割合は多いほど本組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させた硬化物層(以下、単に「硬化物層」という。)と金属との付着性が向上し、少ないほど硬化物層の耐擦傷性が向上する。ここで、本組成物に含まれる全ての単量体成分とは、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分、並びに(A)〜(D)成分以外の単量体を意味する。また、本組成物に含まれる全ての重合体成分とは、(E)成分及び(E)成分以外の重合体を意味する。
<(B)成分>
(B)成分は、アルキレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレートである。中でもエチレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート及びプロピレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレートが好ましく、エチレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレートがより好ましい。(B)成分は、単独で、又は二種以上を併せて用いることができる。
(B)成分は親水性であり、本組成物の溶剤である水との相溶性に優れている。従来の活性エネルギー線硬化型含水被覆材組成物は、硬化物層の物性、特に硬度が低いものが多いが、(B)成分を含む本組成物の硬化物層は良好な硬度を示す。(B)成分は、アルキレンオキサイドによる変性モル数が異なる化合物が知られているが、エチレンオキサイド変性物の場合、エチレンオキサイド構造が1分子あたり平均3モルから20モル程度まで付加した化合物が容易に入手あるいは合成可能であるので好適である。その中でも、エチレンオキサイドの変性モル数が1分子あたり平均9モル変性した化合物が、本組成物の硬化性と硬化物層の硬度の観点からより好ましい。
(B)成分の使用割合は、本組成物に含まれる全ての単量体成分及び重合体成分の合計に対して25〜50質量%であり、好ましくは30〜40質量%である。この割合は多いほど溶剤である水の量を増やすことができ、少ないほど硬化物層の付着性が向上する。
<(C)成分>
(C)成分は、(A)成分及び(B)成分以外の(メタ)アクリレートであって、(メタ)アクリロイルオキシ基を2以上含む2官能以上の(メタ)アクリレートである。(C)成分としては、従来から知られている各種の(メタ)アクリレートモノマーや(メタ)アクリレートオリゴマーが使用出来る。例えば、ウレタンポリ(メタ)アクリレート類、エポキシポリ(メタ)アクリレート類、ポリエステルポリ(メタ)アクリレート類、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリレート類が挙げられる。
これらの中では、反応性が高く塗膜の硬度が良好となるジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましい。(C)成分は、単独で、又は二種以上を併せて用いることができる。
(C)成分の使用割合は、本組成物に含まれる全ての単量体成分及び重合体成分の合計に対して10〜50質量%であり、好ましくは30〜40質量%である。この割合は多いほど硬化物層の耐擦傷性が向上し、少ないほど硬化物層の付着性が向上する。
<(D)成分>
(D)成分は、(メタ)アクリロイルオキシ基含有リン酸エステルである。(D)成分としては、例えば、カヤマーPM−21(商品名、日本化薬社製)、リン酸モノマー3PMA(大阪有機化学工業社製)、リン酸モノマー3PA(大阪有機化学工業社製)等が挙げられる。(D)成分としては、このような市販品でも、公知の方法で合成したものでもよい。
(D)成分の使用割合は、本組成物に含まれる全ての単量体成分及び重合体成分の合計に対して0.2〜2質量%であり、好ましくは0.3〜1質量%である。この割合は多いほど硬化物層の付着性が向上し、少ないほど耐湿試験を行った後の硬化物層の白化が起き難い。
<(E)成分>
(E)成分は任意成分であり、水酸基を有するビニル系単量体単位を含む(共)重合体である。水酸基を有するビニル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。(E)成分としては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとメチルメタクリレートを共重合したものが好ましいものとして例示できる。
(E)成分の水酸基価は50〜100mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価は多いほど溶剤としての水の量を増やすことができ、少ないほど硬化物層の耐湿性や耐水性が向上する。(E)成分のポリスチレン換算の重量平均分子量は1万〜3万であることが好ましい。重量平均分子量は多いほど硬化物層の耐湿性や耐水性が向上し、少ないほど溶剤としての水の量を増やすことができる。
(E)成分の使用割合は、本組成物に含まれる全ての単量体成分及び重合体成分の合計に対して0〜25質量%であり、好ましくは0〜10質量%である。この割合は多いほど硬化物層の付着性が良好であり、少ないほど本組成物のレベリング性や硬化物層の耐擦傷性が向上する。
<溶剤>
本組成物には、溶剤としての水を、本組成物に含まれる単量体成分及び重合体成分の合計100質量部に対して25〜40質量部を含む。本組成物の溶剤は、水だけでもよいが、有機溶剤との混合溶剤とすることが好ましく、混合溶剤に占める水の割合は25〜45質量%が好ましい。水の使用割合は多いほど有機溶剤の使用量を低減することができ、少ないほど塗装後の溶剤乾燥時間を短くすることができる。使用する水としては、純水が好ましいが、工業的に使用されている水質であれば水道水や井戸水等も使用可能である。
水と併用できる有機溶剤としては、アルコール系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族系溶剤などが挙げられる。中でも、水との相溶性が高いアルコール系溶剤が好ましく、特にプロピルアルコール、ブチルアルコール及びメトキシプロパノール等が塗料の安定性が高く好適である。
溶剤は本組成物を塗装する工法に適した粘度となるようにその量を調節することができる。例えば、スプレー塗装工法を用いる場合には、本組成物に含まれる単量体成分及び重合体成分の合計100質量部に対して50〜200質量部用いることが好ましい。
このように、本組成物は溶剤として水を用いているので塗装時に排出する有機溶剤量を低減することができる。
<光重合開始剤>
本組成物は硬化させるために紫外線等の活性エネルギー線を用いる。そのため、本組成物には光重合開始剤を含有させることが効果的である。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインモノメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレート、エチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−エチルアントラキノン、及び2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中で、硬化性に優れるベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。光重合開始剤は単独で、又は二種以上の化合物を併せて用いることができる。
光重合開始剤は、本組成物に含まれる単量体成分及び重合体成分の合計100質量部に対して0.5〜10質量部の範囲で用いることが効果的である。
<その他の成分>
本組成物には、その他物性を調節する目的で、(A)〜(D)成分以外の単量体及び(E)成分以外の重合体、並びにレベリング剤、消泡剤、沈降防止剤、潤滑剤、研磨剤、防錆剤、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤及び重合禁止剤等の添加剤を含めることができる。
<積層品>
本発明は、金属の表面に本組成物の硬化物の層が積層された積層品である。このような積層品としては、樹脂成型品の表面上に金属薄膜層が積層されており、当該金属薄膜層上に本組成物の硬化物の層が積層された積層品が挙げられる。
樹脂成型品としては、例えば、ABS樹脂、PC樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂及びPP樹脂並びにこれら樹脂アロイ樹脂の樹脂成型品が挙げられる。
樹脂成型品の表面に金属薄膜層を積層する方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。樹脂成型品の表面に、まず、熱硬化型又は紫外線硬化型の公知のアンダーコート層を形成する。その後、形成されたアンダーコート層の表面に、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法等によって金属薄膜層を形成させる。樹脂成型品の表面に積層される金属としては、例えば、アルミニウム、錫、クロムが挙げられる。
金属の表面に本組成物を塗布する方法としては、ハケ塗り、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、フローコート等の公知方法が挙げられるが、塗布作業性、被膜の平滑性、均一性等の点から、スプレーコート法及びフローコート法が好ましい。本組成物を塗布したときの膜厚は、硬化後の本硬化物層の膜厚が3〜40μm程度となるような膜厚にすることが好ましい。
塗布した本組成物は硬化させる前に溶剤を揮発させることが好ましい。溶剤を揮発する方法としては、例えば、赤外線ヒーターや温風等で加温して、40〜130℃及び1〜20分の条件下で有機溶剤を揮発させることができる。
ついで、活性エネルギー線を照射して硬化させる。活性エネルギー線としては紫外線及び電子線等が挙げられる。活性エネルギー線の照射条件としては、例えば、高圧水銀灯を用いて紫外線を照射する場合には、照射されるエネルギー量は500〜4,000mJ/cmが好ましい。
このようにして得られた積層品は、照明やライト等の反射鏡やリフレクター部品、携帯電話等の家電製品、及び化粧品容器等の各種用途に用いることができる。
以下、本発明を実施例により説明する。尚、以下において「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。また、積層品の各種評価は以下の方法により実施した。
1.初期付着性
金属薄膜層が積層された樹脂成型品の金属薄膜層の表面に被覆材組成物の硬化物層を形成させた積層樹脂成型品の表面に、1mm間隔で樹脂基材まで達するクロスカットをカッターナイフで入れ、1mmの碁盤目を100個作成し、その上にセロハンテープを貼りつけ、急激に剥がし、剥離した碁盤目を数える碁盤目剥離試験により評価した。判定は以下の基準で行った。
◎ :剥離なし。
〇 :升目剥離の数が升目10個以内。
△ :升目剥離の数が11〜50個。
× :升目剥離の数が51〜100個
2.耐湿性試験後の付着性
積層樹脂成型品を80℃、相対湿度85%の恒温恒湿器に24時間入れ、その後、初期付着性の場合と同様に碁盤目剥離試験により評価した。
3.耐擦傷性
積層樹脂成型品の表面をスチールウール(#0000、ボンスター社製)で約1Kgの荷重で表面を5往復擦り、成型品の表面の傷つき易さを目視にて観察し、以下の基準で耐擦傷性を評価した。
◎:傷の跡がない。
○:僅かに傷跡がある。
△:傷跡がはっきりと残っている。
×:傷跡が多く残っている。
<アンダーコート材の調製>
4つ口フラスコにトルエン500部を仕込み、内温が80℃になるように加温した。次いで、内温を80℃に保ち、フラスコ内を攪拌しながら、単量体としてN−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド150部(30%)、メチルメタクリレート200部(40%)及びスチレン150部(30%)と、重合触媒としてアゾビスイソブチルニトリル1部との混合物を、2時間等速滴下によりフラスコ内に滴下した。その後、1時間毎にアゾビスイソブチルニトリル0.2部を合計4回追加投入しながら6時間攪拌し、GPC測定によるポリスチレン換算による質量平均分子量が3.0×10の共重合体を50%含むトルエン溶液を得た。この共重合体のトルエン溶液100部と、DPHA(日本化薬社製、商品名:KAYARAD DPHA)30部、EO変性水素化ビスフェノールAジアクリレート(第一工業製薬社製、商品名:ニューフロンティアHBPE―4)10部、テトラフルフリルアクリレート(大阪有機化学工業社製、商品名:ビスコート#150)5部、ベンゾフェノン5部、酢酸ブチル80部及びイソブタノール100部を混合し、攪拌してアンダーコート材組成物を調製した。
<実施例1>
幅5cm、長さ9cm及び厚さ3mmのABS樹脂成型品のテストピースに、前述したアンダーコート材組成物を硬化後の膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。この後、塗装された樹脂成型品のテストピースを、60℃の温風乾燥器中に5分間保持して有機溶剤を揮発させた。
次いで、得られたテストピースを、空気中で、高圧水銀灯により、波長340〜380nm、積算光量1,000mJ/cmの紫外線を照射してアンダーコート材組成物硬化させ、膜厚が10μmのアンダーコート層を形成した。次いで、日本真空技術社製の真空蒸着装置(商品名:EBX−6D)を使用して、アンダーコート層の表面にアルミニウムを膜厚が約100nmとなるように真空蒸着させて、アルミニウム膜が積層された樹脂成型品を得た。
表1に示す組成の被覆材組成物の原料をステンレス容器に計量投入し、全体が均一になるまで30分間攪拌して、被覆材組成物を調製した。この被覆材組成物を樹脂成型品のアルミニウム膜の表面に、硬化後の膜厚が10μmとなるようにスプレー塗装した。
更に、得られた塗装物を60℃の温風乾燥器中に5分間保持して有機溶剤を揮発させ、空気中で、高圧水銀灯により、波長340〜380nm、積算光量1,000mJ/cmの紫外線を照射して被覆材組成物を硬化させ、積層樹脂成型品を得た。得られた積層樹脂成型品の評価結果を表1に示す。
<実施例2〜7、比較例1〜4>
被覆材組成物の組成を表1に示す組成に変更した以外は実施例1と同様にして積層樹脂成型品を得た。得られた積層樹脂成型品の評価結果を表1に示す。


A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA−DCP)
FA−512A:ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート(日立化成工業社製、商品名:ファンクリルFA−512A)
A−DOG:ジオキサングリコールジアクリレート(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA−DOG)
A−GLY−9E:エチレンオキサイド9モル変性グリセリントリアクリレート(新中村化学工業社製、商品名:NKエステルA−GLY−9E)
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬社製、商品名:KAYARAD DPHA)
PM−21:メタクリロイルオキシ基含有リン酸エステル(日本化薬社製、商品名:カヤマーPM−21)
MB−7115:メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸位を有するアクリル共重合体。(三菱レイヨン社製、商品名:ダイヤナールMB−7115、水酸基価:86mgKOH/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量:1.2万)
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャリティーケミカル社製、商品名:イルガキュアー184)
IPA:イソプロピルアルコール
PM:メトキシプロパノール
実施例1〜7の被覆材組成物は請求項に示す成分及び比率から成り立っているので、その硬化物層は初期及び耐湿性試験後の付着性に優れており、耐擦傷性も良好であった。
一方、比較例1は(A)成分が多く、(C)成分が少ないので耐擦傷性が低く、比較例2は(A)成分が少なく、(C)成分が多いので付着性が低く、比較例3は(D)成分を含まないので付着性が低く、比較例4は(C)成分が少ないので耐擦傷性が低くかった。

Claims (4)

  1. 脂環式骨格及び/又は複素環式骨格を有する1又は2官能の(メタ)アクリレート(A)、アルキレンオキサイド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート(B)、(A)成分及び(B)成分以外の2官能以上の(メタ)アクリレート(C)、(メタ)アクリロイルオキシ基含有リン酸エステル(D)、及び水を含む活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物であって、当該組成物に含まれる単量体成分及び重合体成分の合計に対して、(A)成分が15〜60質量%、(B)成分が25〜50質量%、(C)成分が10〜50質量%、及び(D)成分が0.2〜2質量%、並びに、水酸基を有するビニル系単量体単位を含む(共)重合体(E)が0〜25質量%であり、当該組成物に含まれる単量体成分及び重合体成分の合計100質量部に対して、水を25〜40質量部を含む組成物。
  2. 前記(E)成分は、水酸基価が50〜100mgKOH/gでポリスチレン換算の重量平均分子量が1万〜3万の(共)重合体である請求項1に記載の活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物。
  3. 金属の表面に、請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物の硬化物の層が積層された積層品。
  4. 樹脂成型品の表面上に金属薄膜層が積層されており、当該金属薄膜層上に請求項1又は請求項2に記載の活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物の硬化物の層が積層された積層品。
JP2013193251A 2013-09-18 2013-09-18 活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物及び積層品 Active JP6152762B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013193251A JP6152762B2 (ja) 2013-09-18 2013-09-18 活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物及び積層品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013193251A JP6152762B2 (ja) 2013-09-18 2013-09-18 活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物及び積層品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015059166A JP2015059166A (ja) 2015-03-30
JP6152762B2 true JP6152762B2 (ja) 2017-06-28

Family

ID=52816959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013193251A Active JP6152762B2 (ja) 2013-09-18 2013-09-18 活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物及び積層品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6152762B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5312839B2 (ja) * 2008-05-13 2013-10-09 三菱瓦斯化学株式会社 曲げ加工可能な光透過型電磁波シールド積層体およびその製造方法
JP2009277762A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 曲げ加工可能な光透過型電磁波シールド積層体およびその製造方法
JP5388284B2 (ja) * 2009-05-26 2014-01-15 三菱レイヨン株式会社 硬化性組成物、及び物品
JP5665613B2 (ja) * 2011-03-09 2015-02-04 日本合成化学工業株式会社 金属基材のコーティング方法
JP5821271B2 (ja) * 2011-05-18 2015-11-24 三菱レイヨン株式会社 活性エネルギー線硬化性含水被覆塗料
TWI474917B (zh) * 2012-06-15 2015-03-01 Mitsubishi Rayon Co 物品、活性能量線硬化性樹脂組成物、光透射性物品活性能量線硬化性樹脂組成物以及抗反射物品
JP2014196429A (ja) * 2013-03-29 2014-10-16 三菱化学株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物およびそれを用いた積層体
JP6171767B2 (ja) * 2013-09-13 2017-08-02 三菱ケミカル株式会社 硬化性樹脂組成物、硬化物及び積層体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015059166A (ja) 2015-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6345599B2 (ja) ハードコート用組成物及びハードコート層が形成された成形品
JP5260169B2 (ja) 金属表面用被覆材組成物及び積層樹脂成型品
KR101497350B1 (ko) 베이스 코트 도료 조성물 및 복합 도막과 그 제조 방법
JP6075614B2 (ja) 被覆材組成物、及び積層物の製造方法
JP2009149735A (ja) 被覆材組成物及びその硬化物が被覆された成型品
JP6152762B2 (ja) 活性エネルギー線硬化型金属用含水被覆材組成物及び積層品
JP5821271B2 (ja) 活性エネルギー線硬化性含水被覆塗料
JP5930261B2 (ja) 金属表面用被覆材組成物及び積層成型品
JP4480970B2 (ja) 被覆材組成物、およびこの組成物を用いて得られる物品
JP2008120011A (ja) ハードコートフィルム
JP2004107653A6 (ja) 被覆材組成物、およびこの組成物を用いて得られる物品
JP5433195B2 (ja) 被覆材組成物および成型品
JP6794681B2 (ja) 金属表面上塗り組成物及び樹脂成形品
JP2007211094A (ja) 錫膜のアンダーコート層成形用組成物、錫膜のアンダーコート層及び錫膜被覆樹脂成型品
JP2017025192A (ja) 金属化処理用アンダーコート層形成用被覆材組成物及び樹脂成型物
JP3863162B2 (ja) チューブ状または円柱形状のアルミニウム積層体の作成方法およびチューブ状または円柱状のアルミニウム積層体
JP2011246515A (ja) 活性エネルギー線硬化型被覆材組成物及び成形物
JP2013060552A (ja) 金属表面用被覆材組成物及び積層樹脂成型品
JPH0718203A (ja) 被覆材組成物
JP2011122119A (ja) 活性エネルギー線硬化型塗料組成物、および複合塗膜
JP2011168753A (ja) 活性エネルギー線硬化性塗料及び成型品
JP2018035291A (ja) 硬化性組成物、それを用いた表層膜形成基材、および表層膜形成基材の製造方法
JP2013001871A (ja) 金属表面用被覆材組成物及び積層樹脂成型品
JP2014043594A (ja) 活性エネルギー線硬化型塗料組成物
KR20160020428A (ko) 저-오일링 코팅된 폴리카르보네이트 필름

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170502

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170515

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6152762

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151