JP2018035291A - 硬化性組成物、それを用いた表層膜形成基材、および表層膜形成基材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】調製後の保管安定性に優れ、且つ基材との密着性が良好である硬化性組成物、それを用いた表層膜形成基材、および表層膜形成基材の製造方法を提供する。【解決手段】硬化性組成物は、少なくとも、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物と、分子中に2個以上のメルカプト基を持つ化合物と、開始剤と、重合禁止剤とを含有し、開始剤/重合禁止剤の質量組成比が20以下であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が、50以上100以下であることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、硬化性組成物、基材上に当該硬化性組成物からなる表層膜を形成して得られる表層膜形成基材および表層膜形成基材の製造方法に関する。
光学表示装置用の透明基材や液晶ディスプレイ用偏光板保護フィルムにおいて、基材に対して表面層を設けることにより様々な機能を持たせた基材が利用されている。機能性の表面層としては、例えば帯電防止機能を持たせるための帯電防止層、反射を抑えるための反射防止層、表面硬度を向上させるためのハードコート層といったものがある。
これらの表面層を形成する方法として、炭素−炭素二重結合を持つ化合物とメルカプト基を持つ化合物との混合組成系の付加反応により硬化膜を得る方法がある(例えば、特許文献1参照)。
この混合組成系による硬化膜は光照射、加熱などにより形成することができる。特に紫外線照射により短時間で硬化膜を形成でき、さらには溶融流延により均一な厚みで広い面積を一括で形成できるなど一般的なアクリル樹脂の光硬化による硬化膜形成と同様に有用であることに加え、紫外線照射時に窒素雰囲気下にする必要がない、硬化による収縮が少なく基材の反りが起こりにくいなどアクリル樹脂の光硬化を用いる場合よりも優れた点もある。
一方で、溶融流延などのために調製する、炭素−炭素二重結合を持つ化合物とメルカプト基を持つ化合物とからなる硬化性組成物は暗反応が起こるため保管安定性が低く、また、含硫黄材料を用いるため基材種によっては硬化膜の密着性が低いといった問題点がある。
本発明では、炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物とメルカプト基を有する化合物と開始剤と重合禁止剤とを含んだ硬化性組成物を用いることにより、調製後の保管安定性に優れ、且つ基材との密着性が良好である硬化性組成物、それを用いた表層膜形成基材、および表層膜形成基材の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、硬化性組成物に関するものであって、硬化性組成物が、少なくとも、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物と、分子中に2個以上のメルカプト基を持つ化合物と、開始剤と、重合禁止剤とを含有し、開始剤/重合禁止剤の質量組成比が20以下であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が50以上100以下であることを特徴とする。
また、重合禁止剤は、ニトロソ系化合物であることが好ましい。
また、硬化性組成物が、さらに、溶剤を含有してもよい。
また、本発明は、基材上に硬化性組成物の硬化膜を備えた表層膜形成基材に関するものであって、硬化性組成物が、少なくとも、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物と、分子中に2個以上のメルカプト基を持つ化合物と、開始剤と、重合禁止剤とを含有し、開始剤/重合禁止剤の質量組成比が20以下であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が50以上100以下であることを特徴とする。
また、硬化膜の厚さが3μm以上80μm以下であることが好ましい。
また、本発明は、基材上に硬化性組成物の硬化膜を備えた表層膜形成基材の製造方法に関するものであって、少なくとも、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物と、分子中に2個以上のメルカプト基を持つ化合物と、開始剤と、重合禁止剤とを含有する硬化性組成物を基材に塗布する工程と、基材に塗布された塗膜を硬化させる工程とを含み、硬化性組成物の開始剤/重合禁止剤の質量組成比が20以下であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が、50以上100以下であることを特徴とする。
基材に硬化性組成物を塗布する工程の後に、さらに、塗膜を乾燥させる工程を設けてもよい。
また、基材に可撓性基材を用いてもよい。
また、可撓性基材をロール・トゥー・ロールで搬送してもよい。
本発明によれば、炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物とメルカプト基を持つ化合物と開始剤と重合禁止剤とを含有する硬化性組成物を用いることにより、硬化性組成物を調製した後の安定保管が可能となる。
また、基材上に形成した硬化膜が剥離することを抑制する表層膜形成基材を作製することが可能となる。
以下に、本発明による硬化性組成物、表層膜形成基材および表層膜形成基材の製造方法の一例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
炭素−炭素二重結合とメルカプト基との反応は、紫外線などの光照射、加熱などにより進行し、酸素阻害を受けないこと、硬化収縮が小さいことなどの特徴がある。
また、炭素−炭素二重結合とメルカプト基との反応は、炭素−炭素二重結合どうしの重合により形成される結合と比べ自由度の高いC−S結合により柔軟性を持った構造を形成する。一方、メルカプト基を1分子中に複数含む多官能性の化合物による反応では、この多官能性の化合物が架橋点となり、強度のある構造をもった表層膜となる。
まず、本発明の実施形態に係る表層膜形成基材を作製するための硬化性組成物について説明する。
本発明の実施形態で使用される硬化性組成物は、紫外線や電子線のような活性線照射、加熱などにより架橋反応を経て硬化する樹脂(硬化性樹脂)を主たる成分として構成される。硬化性樹脂としては、2個以上の炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物と、2個以上のメルカプト基を持つ化合物とを少なくとも使用する。
本発明の実施形態に係る硬化性組成物中に含まれる炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物として、2官能以上の(メタ)アクリレート樹脂を用いることにより、得られる表層膜形成基材の強度と伸度をバランスよく発現させ、硬度を高くすることができる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。また、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基」と「メタクリロイル基」の両方を示している。
2官能の(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタアクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート、1.54 エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシフェニル)フルオレンなどを用いることができる。
また、3官能以上の(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートなどのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの3官能の(メタ)アクリレート樹脂や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレートなどの3官能以上の多官能(メタ)アクリレート樹脂や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート樹脂などを用いることができる。
また、単官能の(メタ)アクリレート樹脂を、上記2官能以上の(メタ)アクリレート樹脂に混合して用いることができる。単官能の(メタ)アクリレート樹脂は、重合性を有し、且つ、比較的粘度の低いものが多く、得られる硬化膜の硬化性を損なわずに硬化性組成物の塗布工程への適性を高めるための希釈剤として有用である。
単官能の(メタ)アクリレート樹脂としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化フェニルフェノールアクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレートなどを用いることができる。
さらに、本発明の実施形態で使用される硬化性樹脂として、2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート系樹脂を用いることができる。2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートとしては、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有する(メタ)アクリレートモノマーを反応させ容易に形成されるものを用いることができる。具体的には例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを用いることができる。また、これらはモノマーとして用いてもよいし、一部が重合したオリゴマーとして用いてもよい。
また、芳香環もしくは脂環構造を有し、2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレートのモノマーは比較的強度の高い特性が得られる。このようなウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、AT−600(共栄社化学)、UA−306I(共栄社化学)、AH−600(共栄社化学)などを用いることができる。
さらに、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとして、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する材料を用いることができ、例えば、紫光UV−3520(日本合成化学工業)、紫光UV−7000(日本合成化学工業)、UF−8001G(共栄社化学)などを用いることができる。
そのほかに、表層膜形成基材の強度を高める目的として、イソシアヌル酸骨格を有し、2または3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートを用いることができる。
イソシアヌル酸骨格を有し、2または3個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、イソシアヌル酸変性ジ及びトリアクリレート、イソシアヌル酸変性トリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ又はトリアクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどを用いることできる。
さらに具体的には、イソシアヌル酸骨格と、2または3個の(メタ)アクリロイル基とを有する(メタ)アクリレートとして、M−215(東亞合成)、M−315(東亞合成)、A−9300(新中村化学工業)、A−9300−1CL(新中村化学工業)などを用いることができる。
また、炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物として、ビニル化合物、アリル化合物などを用いることができる。これらは(メタ)アクリレート樹脂よりもメルカプト基との反応性が高く、メルカプト基との結合反応により、柔軟性のある架橋構造を持つ表層膜形成基材を得られる。
2官能以上のビニル化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンメタノールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、ビス(4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル)グルタレート、ビス(4−ビニロキシブチル)イソフタレート、トリメチロールメタントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテルなどを用いることができる。
また、炭素−炭素二重結合を分子中に1個持つ単官能のビニル化合物を用いることもでき、例えば、ビニル−2−クロロエチルエーテル、ビニル−n−プロピルエーテル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−トリルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、ナフチルビニルエーテルなどを用いることができる。単官能のビニル化合物は、重合性を有し、且つ、比較的粘度の低いものが多く、得られる表層膜の硬化性を損なわずに硬化性組成物の塗布工程への適性を高めるための希釈剤として有用である。
2官能以上のアリル化合物としては、例えば、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、トリプロピレングリコールジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテルなどを用いることができる。
また、単官能のアリル化合物を用いることもでき、例えば、酢酸アリル、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、ケイ皮酸アリル、モノアリルシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、グリセリンモノアリルエーテル、ビスフェノールAモノアリルエーテル、ビスフェノールFモノアリルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテルなどを用いることができる。
本発明の実施形態に係る硬化性組成物中に含まれる硬化性樹脂として、2個以上のメルカプト基を持つ化合物を用いることで、得られる硬化膜の硬化性を高め十分な架橋構造を形成することができる。
2個以上のメルカプト基を持つ化合物としては、2〜6個のメルカプト基を持つものが好ましく、2〜4官能のものが特に好ましい。2〜6個のメルカプト基を持つ化合物としては、具体的には、2個のメルカプト基を持つテトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)など、3個のメルカプト基を持つ1,3,5−トリス(3−メルカプトプロピオニルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)イソシアヌレート:カレンズMTNR1(昭和電工)など、4個のメルカプト基を持つペンタエリスルトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−チオグリコラート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−チオラクテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート):カレンズMTPE1(昭和電工)など、6個のメルカプト基を持つジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)などを用いることができる。
また、炭化水素系骨格にメルカプト基を持つ化合物以外にも、ケイ素、フッ素などで置換された機能性有機化合物に2個以上のメルカプト基を導入した化合物を用いることができる。具体的には、例えば、ケイ素を内含した有機・無機ハイブリッド樹脂であるシルセスキオキサン:コンポセランシリーズ(荒川化学)などを用いることができる。
また、これらのメルカプト基を持つ化合物は単独、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。混合して用いる場合、硬化性組成物中のメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数を、(メタ)アクリレート樹脂、ビニル化合物などが持つ炭素−炭素二重結合官能基数に対して以下の範囲にすればよい。
重合性化合物の(メタ)アクリレート樹脂、ビニル化合物などが持つ炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が、50以上100以下となるようにすればよい。樹脂材料の混合量によって、作製する表層膜形成基材の強度、伸度といった物性を調整することができる。
重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が50未満である場合、形成した表層膜と基材との間の密着性が不足したり、C−S結合数が少なくなり柔軟性が不足することで、形成した表層膜が脆くなったりする可能性がある。一方、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が100以上である場合、余剰のメルカプト基化合物(チオール)モノマーにより、強度が低下したり、臭気が発生したりする可能性がある。
硬化性組成物に用いる開始剤としては、特に限定されるものではなく、透明性を有する硬化性組成物の硬化において、特に着色の少ないものを選べばよい。例えば、表面硬化系の開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンなどのα−ヒドロキシケトンや、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどのα−アミノケトンを用いることができる。
また、内部硬化系の開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフィンオキサイドや、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などを用いることができる。
また、上記に示されるもの以外にも、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類など表面硬化系、内部硬化系の特徴を有する開始剤であれば適宜選択して用いることができる。
また、これらの開始剤は単独、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。
また、開始剤の添加量は、硬化性組成物中のすべての重合性化合物及びメルカプト基を持つ化合物の合計100質量%に対して0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、さらには0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましい。開始剤の添加量が0.01質量%未満であると、十分に光硬化促進の効果が得られずに硬化が不十分になる可能性がある。一方、開始剤の添加量が5質量%を超えると、樹脂成形体が着色する、硬化性組成物の暗反応を助長し硬化性組成物の保管安定性が低下するなどの可能性がある。
また、本発明の実施形態に係る硬化性組成物には、重合禁止剤を用いる。硬化性組成物中に重合禁止剤を含むことにより、炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物とメルカプト基を持つ化合物とを混合した後の硬化性組成物を、暗反応による増粘、ゲル化といった不具合を生ずることなく安定的に長期保管することが可能となる。
硬化性組成物に用いる重合禁止剤としては、例えば、β−ナフトキノン、2−メトキシ−1,4−ナフトキノン、4−メトキシ−1−ナフトール、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、モノ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノンなどのハイドロキノン系、または、カテコール、tert‐ブチルカテコールといったカテコール系、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩などのニトロソ系、または、トリフェニルホスフィン、ピロガロールなどの重合禁止剤を用いることができる。
また、重合禁止剤は硬化性組成物中への相溶性がよく、紫外線や電子線などの活性線照射時の硬化性への影響がなければよく、上記のものに限定されるものではない。
また、これらの重合禁止剤は単独、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。
また、重合禁止剤の添加量は、硬化性組成物中のすべての重合性化合物及びメルカプト基を持つ化合物の合計100質量%に対して0.001質量%以上3質量%以下であることが好ましく、さらには0.01質量%以上1質量%以下であることが好ましい。重合禁止剤の添加量が0.001質量%未満であると、十分に効果が得られず、硬化性組成物の保管安定性を確保できない。一方、重合禁止剤の添加量が3質量%を超えると、硬化性組成物の光照射に対する感度が低下し、十分な硬化性の硬化膜が得られない可能性がある。
開始剤と重合禁止剤との添加量の質量組成比である開始剤/重合禁止剤は、20以下とする。質量組成比が20を超えると、硬化性組成物中の開始剤の添加による暗反応の進行を重合禁止剤が効果的に抑制することができず、保管安定性を確保できない。また、質量組成比が20を超えると、硬化性組成物の保管安定性を確保できた場合であっても形成した硬化膜が基材から剥離してしまう不具合が起こる可能性がある。
本発明の実施形態に用いる硬化性組成物は、構成材料の均一な混合の促進や、所望の厚みの表層膜の形成を容易にするなどの目的から、溶剤を含んでいてもよい。
硬化性組成物に含まれる溶剤は、硬化性樹脂および添加剤などを溶解するものであればよく、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールなどのエーテル類、またはアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノンなどのケトン類、または蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−ブチロラクトンなどのエステル類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ類、または炭酸ジメチルなどを用いることができる。
また、これらの溶剤は単独、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。
塗膜形成後の面性を良化させるためには、比較的沸点の高いものの方がレベリング性(均一塗布性)を向上するため好ましい。一方、塗膜の膜厚が厚い場合、塗膜中に溶剤が残りやすくなるため、できるだけ沸点は低いほうがよい。そのため、面性と塗膜の膜厚のバランスを考慮して溶剤を決定する。
溶剤の組成比は、硬化性樹脂、開始剤、重合禁止剤など硬化性組成物中の固形分を均一に溶解できれば、任意の組成比にすることができる。樹脂成形体を作製する際の塗布工程において使用する塗布方法と所望の厚みとに応じて適当な粘度となるように調整することが好ましい。
また、本発明の実施形態に用いる硬化性組成物には、添加剤として、高分子系可塑剤、防汚剤、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤、光増感剤、導電材料などを加えても良い。
また、本発明の実施形態に用いる硬化性組成物には、無機あるいは有機化合物の微粒子が含まれていてもよい。硬化性組成物に無機あるいは有機化合物の微粒子を加えることにより、得られる表層膜形成基材のブロッキング防止や、表層膜に硬度、防眩性または帯電防止性能を付与したり、屈折率調整をしたりすることできる。
上記無機あるいは有機化合物の微粒子は、硬化性組成物に混合できるものであれば特に限定されるものではない。
無機微粒子としては、酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、五酸化アンチモンといった酸化物やアンチモンドープ酸化スズ、リンドープ酸化スズなどの複合酸化物を用いることができる。その他では、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、カオリン、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウムなども使用することができる。
また、有機微粒子としては、ポリメタクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、アクリル−スチレン系樹脂粉末、ポリメチルメタクリレート樹脂粉末、シリコン樹脂粉末、ポリスチレン系粉末、ポリカーボネート粉末、メラミン系樹脂粉末、ポリオレフィン系樹脂粉末などを用いることができる。
これらの微粒子粉末の平均粒径としては、5nm以上20μm以下が好ましく、10nm以上10μm以下がより好ましい。また、これらの微粒子は1種類を単独で用いることもでき、2種類以上を複合して用いることもできる。ただし、微粒子径は作製する樹脂成形体の膜厚の範囲内で適宜選択することが好ましい。
次に、本発明の実施形態に係る硬化性組成物を用いた表層膜形成基材の製造方法について説明する。
上記成分を含有する硬化性組成物を、基材に塗布し、硬化させることで基材上に表層膜が形成される。
本発明の実施形態に使用する基材としては、硬化性組成物中に含まれる各成分に溶解せず、硬化性組成物を塗布した後、加熱、光照射などの各工程において基材が変形することがなければ、一般的な材料を用いることができる。
なかでも、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。本発明の実施形態に使用する基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトンなどの各種樹脂からなるフィルム状の可撓性基材などを用いることができる。
可撓性基材を基材として用いロール・ツー・ロールで搬送して表層膜形成基材を作製する場合、可撓性基材は基材搬送装置により連続的に搬送できる厚さがあれば良い。例えば、可撓性基材の厚さは、25μm以上200μm以下であることが好ましく、さらには35μm以上100μm以下が好ましい。25μmより薄い場合、可撓性基材にかかる張力により破断する可能性があり、また200μmより厚い場合、硬化膜の形成工程において熱や光を減衰させる要因となる可能性がある。ただし、可撓性基材の厚さは上記範囲に限定されるものではない。
基材上に硬化性組成物を塗布する方法としては、適宜公知の塗布方法の中からウェットコーティング法と総称される方法を採用することができる。例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、ブレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法、ギャップコーティング法、アプリケータコーティング法、バーコーティング法などを採用することができる。中でも、ダイコーティング法、ギャップコーティング法、ロールコーティング法などの塗布方法を採用すると、広い範囲の粘度の硬化性組成物について均一な塗布膜を形成できる。
硬化性組成物に溶剤を含んでいる場合、基材に形成した塗膜中の溶剤を除去するために乾燥工程を設けてもよい。乾燥には、適宜公知の乾燥手段を用いることができる。例えば、加熱、送風、熱風などを用いることができる。
硬化性組成物の塗膜を基材上に形成した後に(あるいは基材上に形成した塗膜を乾燥させた後に)、塗膜に光照射して硬化膜を形成する。硬化方法としては、適宜公知の光照射方法を採用することができる。例えば、紫外線照射の場合、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、無電極放電管などの光源を利用できる。照射条件として、紫外線照射量は、30mJ/cm2以上2000mJ/cm2以下に設定することが好ましく、さらには100mJ/cm2以上1000mJ/cm2以下に設定することが好ましい。紫外線照射量が30mJ/cm2未満の照射量では樹脂が十分に硬化せず強度不足となる可能性があり、紫外線照射量が2000mJ/cm2より大きい照射量では開始剤などの分解による着色が起こる可能性がある。
また、電子線照射の場合、コッククロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型、などの各種電子線加速器から放出される電子線などが利用できる。電子線は、50KeV以上1000KeV以下のエネルギーを有するのが好ましく、さらには100KeV以上300KeV以下のエネルギーを有する電子線がより好ましい。電子線が有するエネルギーが50KeVより小さいと樹脂が十分に硬化せず強度不足となる可能性があり、電子線が有するエネルギーが1000KeVより大きいと開始剤などの分解による着色が起こる可能性がある。
また、基材上に形成した硬化性組成物の塗膜を硬化させる方法として、加熱して熱硬化させることができる。
その場合、適宜公知の加熱手段を用いることができる。また、上述の硬化性組成物の塗膜から溶剤を除去するための乾燥工程と同様の設備により加熱硬化させることもできる。
硬化膜の膜厚は、塗布精度、取扱いの観点から3μm以上80μm以下の範囲であることが好ましい。硬化膜の膜厚が3μm未満では機械的強度が低いため取り扱い難い。また、硬化膜の膜厚が80μmより厚い場合、巻き取りや硬化性組成物の均一な塗布、硬化が困難となり、表層膜の厚みや硬化度のばらつきが大きくなる可能性がある。
上記で得られる表層膜形成基材には、必要に応じて、反射防止性能、帯電防止性能、防汚性能、防眩性能、電磁波シールド性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収性能、又は、色補正性能などを有する機能層を積層させてもよい。なお、これらの機能層は単層であってもかまわないし、複数の層であってもかまわない。例えば、反射防止層にあっては、低屈折率層単層から構成されても構わないし、低屈折率層と高屈折率層との繰り返しによる複数層から構成されていても構わない。また、機能層は、防汚性能を有する反射防止層というように、1層で複数の機能を有していても構わない。
以下に、実施例について説明する。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
[密着性の評価方法]
以下の実施例に記載の硬化性組成物により基材上に形成した表層膜に対して、碁盤目試験による密着性評価を行った(旧JIS−K5400準拠)。間隔1mmで10mm×10mmの範囲にクロスカット法により形成した100個の格子に対して、密着性試験後に剥離せずに残った格子の数をカウントして評価した。密着性試験により、例えば30個の格子が剥離せずに残った場合、「30/100」と表す。
以下の実施例に記載の硬化性組成物により基材上に形成した表層膜に対して、碁盤目試験による密着性評価を行った(旧JIS−K5400準拠)。間隔1mmで10mm×10mmの範囲にクロスカット法により形成した100個の格子に対して、密着性試験後に剥離せずに残った格子の数をカウントして評価した。密着性試験により、例えば30個の格子が剥離せずに残った場合、「30/100」と表す。
[実施例1]
「トリアリルイソシアヌレート」23.7質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)1.0質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.1質量部と、溶剤「メチルエチルケトン」11.3質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は10であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
「トリアリルイソシアヌレート」23.7質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)1.0質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.1質量部と、溶剤「メチルエチルケトン」11.3質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は10であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
調製した硬化性組成物を、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(「ルミラー75T60」:東レ)を基材として、硬化後の膜厚が10μmになるようにアプリケータを用いて塗布した後に、100℃のオーブンにて3分間乾燥させた。次に、メタルハライドランプにより500mJ/cm2の紫外線を照射して塗膜を光硬化させ、表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は100/100であり、基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
また、調製した硬化性組成物は、1ヶ月室温環境にて保管した後も粘度の変化はなく、保管後の硬化性組成物を用いて塗布及び硬化を行っても調製直後の硬化性組成物を用いた表層膜形成基材と同等の表層膜形成基材を形成することができた。
[実施例2]
「トリアリルイソシアヌレート」23.7質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)0.8質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.04質量部と、溶剤「メチルエチルケトン」15.0質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は20であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
「トリアリルイソシアヌレート」23.7質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)0.8質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.04質量部と、溶剤「メチルエチルケトン」15.0質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は20であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
調製した硬化性組成物を、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(「ルミラー75T60」:東レ)を基材として、硬化後の膜厚が10μmになるようにアプリケータを用いて塗布した後に、100℃のオーブンにて3分間乾燥させた。次に、メタルハライドランプにより500mJ/cm2の紫外線を照射して光硬化させ、表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は100/100であり、基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
また、調製した硬化性組成物は、1ヶ月室温環境にて保管した後も粘度の変化はなく、保管後の硬化性組成物を用いて塗布及び硬化を行っても調製直後の硬化性組成物を用いた表層膜形成基材と同等の表層膜形成基材を形成することができた。
[実施例3]
「ジアリルフタレート」31.5質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184」(BASF)0.4質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.06質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は6.5であり、重合性化合物の不飽和炭化水素官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
「ジアリルフタレート」31.5質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184」(BASF)0.4質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.06質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は6.5であり、重合性化合物の不飽和炭化水素官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
調製した硬化性組成物を、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(「ルミラー75T60」:東レ)を基材として、硬化後の膜厚が10μmになるようにアプリケータを用いて塗布した後に、100℃のオーブンにて3分間乾燥させた。次に、メタルハライドランプにより250mJ/cm2の紫外線を照射して光硬化させ、表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は100/100であり、基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
また、調製した硬化性組成物は、1ヶ月室温環境にて保管した後も粘度の変化はなく、保管後の硬化性組成物を用いて塗布及び硬化を行っても調製直後の硬化性組成物を用いた表層膜形成基材と同等の表層膜形成基材を形成することができた。
[実施例4]
「トリアリルイソシアヌレート」39.5質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、「トリメチロールプロパントリス(3−メツカプトプロピオネート)」25.3質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)1.1質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.11質量部と、溶剤「メチルエチルケトン」11.4質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は10であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
「トリアリルイソシアヌレート」39.5質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、「トリメチロールプロパントリス(3−メツカプトプロピオネート)」25.3質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)1.1質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.11質量部と、溶剤「メチルエチルケトン」11.4質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は10であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
調製した硬化性組成物を、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(「ルミラー75T60」:東レ)を基材として、硬化後の膜厚が10μmになるようにアプリケータを用いて塗布した後に、100℃のオーブンにて3分間乾燥させた。次に、メタルハライドランプにより500mJ/cm2の紫外線を照射して光硬化させ、表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は100/100であり、基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
また、調製した硬化性組成物は、1ヶ月室温環境にて保管した後も粘度の変化はなく、保管後の硬化性組成物を用いて塗布及び硬化を行っても調製直後の硬化性組成物を用いた表層膜形成基材と同等の表層膜形成基材を形成することができた。
[実施例5]
「トリアリルイソシアヌレート」9.6質量部と、「ジアリルフタレート」9.6質量部と、「コンポセランSQ106(荒川化学)」(72%ジメチルセロソルブ溶液)50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)0.35質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.07質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は5であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
「トリアリルイソシアヌレート」9.6質量部と、「ジアリルフタレート」9.6質量部と、「コンポセランSQ106(荒川化学)」(72%ジメチルセロソルブ溶液)50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)0.35質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.07質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は5であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
調製した硬化性組成物を、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(「ルミラー75T60」:東レ)を基材として、硬化後の膜厚が40μmになるようにアプリケータを用いて塗布した後に、100℃のオーブンにて3分間乾燥させた。次に、メタルハライドランプにより500mJ/cm2の紫外線を照射して光硬化させ、表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は90/100であり、僅かに表層膜の剥離が見られたものの基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
[実施例6]
実施例2の硬化性組成物を、硬化後の膜厚が50μmとなるように塗布したことを除き、実施例2と同様の方法により表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は100/100であり、基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
実施例2の硬化性組成物を、硬化後の膜厚が50μmとなるように塗布したことを除き、実施例2と同様の方法により表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は100/100であり、基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
[実施例7]
実施例4の硬化性組成物を、硬化後の膜厚が50μmとなるように塗布したことを除き、実施例4と同様の方法により表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は100/100であり、基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
実施例4の硬化性組成物を、硬化後の膜厚が50μmとなるように塗布したことを除き、実施例4と同様の方法により表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は100/100であり、基材に対して良好な密着性で表層膜を形成していた。
[比較例1]
「トリアリルイソシアヌレート」23.7質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)2.2質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.07質量部と、溶剤「メチルエチルケトン」11.7質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は30であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
「トリアリルイソシアヌレート」23.7質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)2.2質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.07質量部と、溶剤「メチルエチルケトン」11.7質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は30であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
調製した硬化性組成物を、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(「ルミラー75T60」:東レ)を基材として、硬化後の膜厚が10μmになるようにアプリケータを用いて塗布した後に、100℃のオーブンにて3分間乾燥させた。次に、メタルハライドランプにより500mJ/cm2の紫外線を照射して光硬化させ、表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は70/100であり、基材への密着性は不十分であった。
[比較例2]
「トリアリルイソシアヌレート」9.6質量部と、「ジアリルフタレート」9.6質量部と、「コンポセランSQ106(荒川化学)」(72%ジメチルセロソルブ溶液)50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)0.35質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.007質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は50であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
「トリアリルイソシアヌレート」9.6質量部と、「ジアリルフタレート」9.6質量部と、「コンポセランSQ106(荒川化学)」(72%ジメチルセロソルブ溶液)50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)0.35質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.007質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は50であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
調製した硬化性組成物を、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(「ルミラー75T60」:東レ)を基材として、硬化後の膜厚が40μmになるようにアプリケータを用いて塗布した後に、100℃のオーブンにて3分間乾燥させた。次に、メタルハライドランプにより500mJ/cm2の紫外線を照射して光硬化させ、表層膜形成基材を作製した。形成した表層膜の密着性評価は0/100であり、基材に対する表層膜の密着性は無かった。
[比較例3]
「トリアリルイソシアヌレート」23.7質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)0.7質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.007質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は100であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
「トリアリルイソシアヌレート」23.7質量部と、「トリス[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート」50.0質量部と、光重合開始剤「イルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン」(BASF)0.7質量部と、重合禁止剤「N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム」0.007質量部とを混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。開始剤/重合禁止剤の質量組成比は100であり、重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対するメルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合は100であった。
調製した硬化性組成物は、調製の翌日には粘度上昇が見られ、調液から4日後には塗布できないほどに増粘しており、保管安定性が著しく低かった。
本発明の表層膜形成基材は、重合性化合物と、メルカプト基を持つ化合物とを主成分としており高透明であるため、光学フィルムとして使用することができる。また、基材に対して設けた表層膜の密着性が良好であるため、各種光学装置などへの使用時に製造プロセス中での剥離などによる不具合を生ずることなく安定して利用することが期待できる。また、硬化性組成物として調製後の保管安定性が良好であるため、基材上に表層膜を設ける工程においても、膜厚、表面性などが均質な塗布膜を連続して安定的に作製することができる。
本発明は、液晶表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、タッチパネルなどの光学表示装置や包装材、建築部材などに用いられる機能性フィルムなどに利用することができる。
Claims (9)
- 少なくとも、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物と、分子中に2個以上のメルカプト基を持つ化合物と、開始剤と、重合禁止剤とを含有する硬化性組成物であって、
前記開始剤/前記重合禁止剤の質量組成比が20以下であり、
前記重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対する前記メルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が、50以上100以下であることを特徴とする、硬化性組成物。 - 前記重合禁止剤がニトロソ系化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の硬化性組成物。
- 前記硬化性組成物が、さらに、溶剤を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- 基材上に硬化性組成物の硬化膜を備えた表層膜形成基材であって、
前記硬化性組成物が、少なくとも、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物と、分子中に2個以上のメルカプト基を持つ化合物と、開始剤と、重合禁止剤とを含有し、
前記開始剤/前記重合禁止剤の質量組成比が20以下であり、
前記重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対する前記メルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が、50以上100以下であることを特徴とする、表層膜形成基材。 - 前記硬化膜の厚さが3μm以上80μm以下であることを特徴とする、請求項4に記載の表層膜形成基材。
- 基材上に硬化性組成物の硬化膜を備えた表層膜形成基材の製造方法であって、
少なくとも、分子中に2個以上の炭素−炭素二重結合を持つ重合性化合物と、分子中に2個以上のメルカプト基を持つ化合物と、開始剤と、重合禁止剤とを含有する硬化性組成物を基材に塗布する工程と、
前記基材に塗布された塗膜を硬化させる工程とを含み、
前記硬化性組成物の前記開始剤/前記重合禁止剤の質量組成比が20以下であり、
前記重合性化合物の炭素−炭素二重結合官能基数に対する前記メルカプト基を持つ化合物のメルカプト基数の割合が、50以上100以下であることを特徴とする、表層膜形成基材の製造方法。 - 前記基材へ前記硬化性組成物を塗布する工程の後に、さらに、前記塗膜を乾燥させる工程を含むことを特徴とする、請求項6に記載の表層膜形成基材の製造方法。
- 前記基材が可撓性基材であることを特徴とする、請求項6または7に記載の表層膜形成基材の製造方法。
- 前記可撓性基材をロール・トゥー・ロールで搬送することを特徴とする、請求項8に記載の表層膜形成基材の製造方法。
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