JP6519986B2 - 硬化性組成物、それを用いた表層膜形成基材、表層膜形成基材の製造方法 - Google Patents

硬化性組成物、それを用いた表層膜形成基材、表層膜形成基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性組成物、可撓性基材上に当該硬化性組成物からなる硬化膜を形成して得られる表層膜形成基材及び表層膜形成基材の製造方法に関する。
フィルムのような30μmから100μm程度の厚さの膜を形成するための製造方法として、溶融押出成型法や溶液流延法などが一般的である。これらの方法を用いることで、フィルムなどの膜生成物が安価且つ高品質で大量生産可能となっている。このとき、溶液流延法では、キャスティングドラムやステンレス製の平滑ベルトなどの支持体上に塗材を流延してフィルムを作製するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような製造方法にて膜生成物を形成する塗材として硬化性組成物を用いる場合、塗膜の膜厚が厚くなると下層部まで反応が進まない場合がある。そのような場合、表層部と下層部とで硬化の進行度合いが異なってしまう。
表層部と下層部とで硬化の進行度合いが異なると、基材全体がカールしてしまうことや、基材をロール状に巻取りした際に未反応部が起点となってブロッキングが生じてしまうことがある。
特開2010−023312号公報
本発明は、表層膜の表面から下層部まで均一な硬化進行度が得られ、カールやブロッキングが抑えられた表層膜形成基材の製造に適した硬化性組成物、これを用いた表層膜形成基材の製造方法、並びに、当該硬化性組成物を硬化させて得られる樹脂硬化膜及びその製造方法を提供することを目的とする。
発明に係る硬化性組成物は、可撓性基材に塗布して硬化させることによって、厚さ30μm以上100μm以下の表層膜を形成するためのものであり、二官能以上の電離放射線硬化樹脂と、光重合開始剤と、可塑剤と、溶剤とからなり、二官能以上の電離放射線硬化樹脂が、ウレタンアクリレートモノマーあるいはオリゴマーの少なくとも一方を含有し、可塑剤が、フタル酸ジメチルであり、溶剤が、メチルエチルケトンであり、光重合開始剤の配合比率が、二官能以上の電離放射線硬化樹脂の質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であり、硬化性組成物全体に対して、1質量%以上50質量%以下の配合比率で溶剤を含有し、粘度が50mPa・s以上10000mPa・s以下であることを特徴とするものである。
また、本発明に係る表層膜形成機材の製造方法は、可撓性基材表面に、上記の硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する工程と、塗布膜を光硬化させる工程と備える。
また、本発明に係る樹脂硬化膜は、上記の硬化性組成物硬化膜からなることを特徴とするものである。
また、本発明に係る樹脂硬化膜の製造方法は、可撓性基材表面に、上記の硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する工程と、塗布膜を光硬化させる工程と、光硬化後の塗布膜を可撓性基材から剥離する工程とを備える。
本発明によれば、表層膜の表面から下層部まで均一な硬化進行度が得られ、カールやブロッキングが抑えられた表層膜形成基材の製造に適した硬化性組成物、これを用いた表層膜形成基材の製造方法、並びに、当該硬化性組成物を硬化させて得られる樹脂硬化膜及びその製造方法を実現できる。
本発明の実施形態に係る表層膜形成基材の一例を示す概略図
以下に、本発明に係る硬化性組成物およびその硬化塗膜を有する表層膜形成基材、表層膜形成基材の製造方法の一例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る表層膜形成基材の一例を示す概略図である。
表層膜形成基材3は、可撓性基材1と、可撓性基材1の少なくとも一方面に形成された硬化膜2とを備える。
可撓性基材1は、硬化性組成物中に含まれる各成分に溶解しない材質よりなるものであればよく、一般的な材料を用いることができる。中でも、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。可撓性基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトンなどの各種樹脂からなるフィルムなどを利用できる。
硬化性膜2は、二官能以上の電離放射線硬化樹脂と光重合開始剤とを少なくとも含有する硬化性組成物を、可撓性基材1の表面に塗布して硬化させたものである。
本発明の硬化性組成物に含まれる二官能以上の電離放射線硬化樹脂として、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を分子中に有する多官能モノマーを用いることができる。例えば、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスβ‐(メタ)アクリロイルオキシプロピネート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチル)イソシアネートジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2,3‐ビス(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル[2.2.1]ヘプタン、ポリ1,2−ブタジエンジ(メタ)アクリレート、1,2−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルヘキサン、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカンエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、3,8−ビス(メタ)アクリロイルオキシメチルトリシクロ[5.2.10]デカン、水素添加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバリンサンエステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エポキシ変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。多官能モノマーは、単独で用いても良いし、2種類以上を併用して用いても良い。また、必要で有れば単官能の電離放射線硬化樹脂と併用して共重合させても良い。
なお、本発明において「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基」と「メタクリロイル基」の両方を示している。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。
また、上記二官能以上の電離放射線硬化樹脂を重合させて合成された多官能オリゴマーを用いることもできる。その際、重合に用いる多官能モノマーは単一成分でもよく、また、2種類以上の上記二官能以上の電離放射線硬化樹脂を共重合させた多官能ブロックオリゴマーを用いることもできる。
また本発明は、硬化性組成物に含まれる二官能以上の電離放射線硬化樹脂が、ウレタンアクリレートモノマーあるいはオリゴマーの内少なくとも一つを含有しても良い。
可撓性基材上に表層膜形成を行うための硬化性組成物の成分として好ましい二官能以上の電離放射線硬化樹脂として、ウレタンアクリレートも挙げることができる。ウレタンアクリレートとしては、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応させて得られた生成物に水酸基を有するアクリレートモノマーを反応させ容易に形成されるものを挙げることができる。例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどを挙げることができる。また、これらの単量体は、1種または2種以上を混合して用いることができる。また、これらはモノマーとして用いてもよいし、一部が重合したオリゴマーとして用いても良い。
本発明の硬化性組成物に含まれる光重合開始剤は、電離放射線が照射された際にラジカルを発生するものであればよい。例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類などを用いることができる。
さらに具体的には、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシドと、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンなどの光重合開始剤を併用することができる。(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシドは、フォトブリーチング性を有しているため、光硬化性組成物の内部まで紫外線が届き、光硬化性組成物の下層部まで十分に硬化させることができる。また、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシドは、安価で、耐光性が良好で黄変しにくく、かつ、揮発性が低い。しかしながら、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルホスフィンオキシドを単独で用い、酸素存在下で光硬化させると、酸素阻害の影響により、表面が硬化しにくくなり、表面タック性(粘着性)が強くなるという問題がある。そこで、酸素阻害の影響を受けにくい開始剤である2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンと併用することにより、酸素存在下で光硬化させても表面も内部も十分に硬化させることができる。このことにより、ロール・ツー・ロールで可撓性基材上へ表層膜を塗布する際にブロッキングを防止することができる。また、硬化性組成物の表面と内部とを十分に硬化できることにより、硬化収縮が表面側と裏面側とで同じになるため、カールすることを抑制することができる。
また、光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化材料100質量%に対して0.1質量%以上10質量%以下程度であり、この範囲の中でも1質量%以上7質量%以下程度であることが好ましい。
光重合開始剤の添加量が電離放射線硬化材料100重量%に対して0.1重量%未満であった場合、後述の硬化方法により硬化性組成物が十分に硬化せず、満足な特性の表面層形成基材を得られない。また、10重量%を超えた場合、硬化は十分に進行するものの表面層形成基材中の光重合開始剤の残渣の影響により、硬化膜の機械特性が低下する。
また、硬化性組成物の粘度は、50mPa・s以上10000mPa・s以下である。
硬化性組成物の粘度が50mPa・s未満であった場合、表層膜を厚さ30μm以上で形成することができない、もしくはできたとしても形成方法が限定されてしまい、大面積での表層膜形成基材の作製はできなくなる。また、10000mPa・sを超えた場合、表層膜を形成した面内で膜厚のばらつき無く均一に形成することができない。
本発明の硬化性組成物は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤として例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールなどのエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびメチルシクロヘキサノンなどのケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン醸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトンなどのエステル類、さらにメチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ類、また炭酸ジメチルなどを用いることができる。これらの溶剤は単独、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。
また、本発明の硬化性組成物は、上記の溶剤を硬化性組成物全体の質量に対して1質量%以上50質量%以下の配合比率で含有することが好ましい。溶剤を含有する場合、硬化性組成物の粘度が上述した範囲内となるように、配合比率を調整する。
また、本発明の硬化性組成物は、添加剤として高分子系可塑剤、防汚剤、表面調整剤、レベリング剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤、光増感剤、導電材料などを加えても良い。
次いで、本発明に係る表層膜形成基材の製造方法を説明する。
本発明に係る表層膜形成基材の製造方法は、少なくとも、可撓性基材の表面へ硬化性組成物を塗布する工程と、塗布膜を光硬化させる工程とを少なくとも備える。
本発明の製造方法において、可撓性基材をロール・ツー・ロールで搬送しても良い。この場合、表層膜形成基材を効率的に製造することができる。
可撓性基材をロール・ツー・ロールで搬送する場合、可撓性基材の厚さは、ロール・ツー・ロールの基材搬送装置により連続的に搬送できる程度であれば良い。可撓性基材の厚さは、25μm以上200μm以下程度であることが好ましく、さらには40μm以上100μm以下程度がより好ましい。可撓性基材が25μmより薄い場合、可撓性基材にかかる張力により破断する可能性があり、可撓性基材が200μmより厚い場合、表層膜の形成工程において熱や光を減衰させる要因となる可能性がある。ただし、可撓性基材の厚さは上記範囲に限定されるものではない。
また、本発明の製造方法において、表層膜形成基材を作製した後、硬化性組成物により形成された塗布膜を可撓性基材から剥離することで、硬化膜の単体を得ることもできる。
可撓性基材上に硬化性組成物を塗布する方法としては、適宜公知の塗布方法の中からウェットコーティング法と総称される方法を用いることができる。例えば、ディップコーティング法、スピンコーティング法、フローコーティング法、スプレーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアロールコーティング法、エアドクターコーティング法、プレードコーティング法、ワイヤードクターコーティング法、ナイフコーティング法、リバースコーティング法、トランスファロールコーティング法、マイクログラビアコーティング法、キスコーティング法、キャストコーティング法、スロットオリフィスコーティング法、カレンダーコーティング法、ダイコーティング法、キャップコーティング法、アプリケータコーティング法などを用いることができる。中でも、ダイコーティング法、キャップコーティング法、ロールコーティング法などの塗布方法では、広い範囲の粘度の硬化性組成物について均一な塗布膜を形成できる。
上記の塗布方法により、可撓性基材の少なくとも片面上に硬化性組成物を塗布することにより塗膜を形成することができる。この際、乾燥後の膜厚が30μm以上100μm以下程度となるように、硬化性組成物の塗布を行うことが好ましい。
可撓性基材上に形成した塗膜中の溶剤を除去するために乾燥を行う。乾燥は、加熱、送風、熱風など、適宜公知の手法を用いて行うことができる。
乾燥させた塗膜を大気下で硬化させて硬化膜を形成する硬化方法としては、適宜公知の硬化方法を用いることができる。例えば、紫外線照射、電子線放射などを用いることができる。硬化膜を形成する硬化方法として、紫外線照射の場合、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク、などの光源を採用できる。また、電子線硬化の場合、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型、などの各種電子線加速器から放出される電子線などを用いることができる。用いる電子線は、50KeV以上1000KeV以下程度のエネルギーを有するのが好ましく、100KeV以上300KeV以下程度のエネルギーを有する電子線がより好ましい。
硬化膜の膜厚(硬化性組成物の乾燥後の膜厚)は、塗布精度、取扱いの観点から30μm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。硬化膜の膜厚が30μm未満では機械的強度が低いため取り扱い難い。また、硬化膜の膜厚が100μmより厚い場合では巻き取りや光硬化性組成物の塗布が困難となる。
本発明では、可撓性基材を支持体として用いることにより、ロール・ツー・ロール方式で安価に生産可能であり、表層膜の表面から下層部まで均一な硬化進行度が得られ、カールやブロッキングが抑えられた30μmから100μm程度の膜生成物の製造に適した硬化性組成物およびこれを用いて形成した表層膜形成基材を提供することができる。
以下、本発明を更に詳しく説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
参考例1>
電離放射線硬化樹脂「UA122P」(新中村化学工業社製)66.7重量部、光重合開始剤「イルガキュア184」(BASF社製)3.3重量部、溶剤「メチルエチルケトン」30重量部を混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。このときの硬化性組成物の粘度は150mPa・sであった。尚、「イルガキュア」は登録商標である。
次に上記硬化性組成物をアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が50μmになるように、可撓性基材「ルミラー75T60」(東レ社製)の上に塗布し、塗膜を100℃のオーブンにて2分間乾燥させた後、高圧水銀灯により250mJ/cmの紫外線を照射することにより、乾燥させた塗膜を硬化させて、大気下にて硬化膜を形成した。
参考例2>
電離放射線硬化樹脂「UA122P」(新中村化学工業社製)53.4重量部、単官能電離放射線硬化樹脂「ライトアクリレート130A」(共栄社化学社製)13.3重量部、光重合開始剤「イルガキュア184」(BASF社製)3.3重量部、溶剤「メチルエチルケトン」30重量部を混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。このときの硬化性組成物の粘度は120mPa・sであった。
次に上記硬化性組成物をアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が50μmになるように、可撓性基材「ルミラー75T60」(東レ社製)の上に塗布し、塗膜を100℃のオーブンにて2分間乾燥させた後、高圧水銀灯により250mJ/cmの紫外線を照射することにより、乾燥させた塗膜を硬化させて、大気下にて硬化膜を形成した。
<実施例3>
電離放射線硬化樹脂「UA122P」(新中村化学工業社製)60.4重量部、可塑剤「フタル酸ジメチル」6.7重量部、光重合開始剤「イルガキュア184」(BASF社製)2.9重量部、溶剤「メチルエチルケトン」30重量部を混合、攪拌し、硬化性組成物を調製した。このときの硬化性組成物の粘度は130mPa・sであった。
次に上記硬化性組成物をアプリケータを用いて乾燥後の膜厚が50μmになるように、可撓性基材「ルミラー75T60」(東レ社製)の上に塗布し、塗膜を100℃のオーブンにて2分間乾燥させた後、高圧水銀灯により250mJ/cmの紫外線を照射することにより、乾燥させた塗膜を硬化させて、大気下にて硬化膜を形成した。
<比較例1>
乾燥後の膜厚が10μmとなるように硬化性組成物を塗布したことを除いて、参考例1と同様の材料及び方法により、可撓性基材上への硬化性組成物の塗布を行った。
<比較例2>
乾燥後の膜厚が150μmとなるように硬化性組成物を塗布したことを除いて、参考例1と同様の材料及び方法により、可撓性基材上への硬化性組成物の塗布を行った。
(評価結果)
上記参考例、実施例、比較例により作製した表面層形成基材をそれぞれ2枚用意し、一方の表面層形成基材の可撓性基材面と他方の表面層形成基材の表層膜面を密着させて1kg/25cmにて加圧し、その際の両層のブロッキングの状態を暗室にて、3波長蛍光灯(松下電器産業株式会社製ナショナルパルック3波長形蛍光灯(FLR40S・EX−N/M−X)の直下40cmで目視観察し、評価した。その結果、参考例1、参考例2、実施例3、比較例1では両層面は密着しておらずブロッキング性は無かったが、比較例2では両層面が密着し貼りついていてブロッキングが起きていた。
上記参考例、実施例、比較例により作製した表面層形成基材を5cm角に切り出し、1辺を定規で抑え、反対辺の浮き上がり高さを測定し、カール評価した。その結果、浮き上がり高さ(カール量)は参考例1、参考例2、実施例3、比較例2では10mm、比較例1では20mmであった。
以上の評価結果から、参考例1、参考例2、実施例3に係る硬化性組成物を用いた場合、ウェットコーティング法により、30〜100μmの厚さで、カール及びブロッキングが抑制された自立膜を形成できることが確認された。
また、上記参考例1、参考例2、実施例3により形成された表層膜形成基材はいずれも良好な面性、塗膜強度を示し、また表面タック性もなかった。これに対して、比較例1では、作製した表層膜(硬化膜)にはカールが強く発生し、表層膜形成基材全体を湾曲させると表層膜が追従しきれずに割れが発生した。また、比較例2では、作製した表層膜(硬化膜)は、表面の面性が悪く不均一な凹凸が発生した。また、紫外線照射による硬化性組成物の硬化が不十分であり、表層膜内部が未硬化状態となった。このように、参考例1、参考例2、実施例3では、面性に優れ、表層膜(硬化膜)の表層部から下層部まで均一な硬化進行度が得られることが確認された。
本発明は、液晶表示装置などの表示装置部品や包装材、建築部材などに用いられる機能性フィルムなどに適用可能である。
1・・・・・可撓性基材
2・・・・・硬化膜
3・・・・・表層膜形成基材

Claims (5)

  1. 可撓性基材に塗布して硬化させることによって、厚さ30μm以上100μm以下の表層膜を形成するための硬化性組成物であって、
    二官能以上の電離放射線硬化樹脂と、光重合開始剤と、可塑剤と、溶剤とからなり、
    前記二官能以上の電離放射線硬化樹脂が、ウレタンアクリレートモノマーあるいはオリゴマーの少なくとも一方を含有し、
    前記可塑剤が、フタル酸ジメチルであり、
    前記溶剤が、メチルエチルケトンであり、
    前記光重合開始剤の配合比率が、前記二官能以上の電離放射線硬化樹脂の質量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であり、
    前記硬化性組成物全体に対して、1質量%以上50質量%以下の配合比率で前記溶剤を含有し、
    粘度が50mPa・s以上10000mPa・s以下であることを特徴とする、硬化性組成物。
  2. 可撓性基材上に表層膜が形成された表層膜形成基材の製造方法であって、
    前記可撓性基材表面に、請求項1に記載の硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜を光硬化させる工程と備える、表層膜形成基材の製造方法。
  3. 前記可撓性基材をロール・ツー・ロールで搬送することを特徴とする、請求項に記載の表層膜形成基材の製造方法。
  4. 請求項1に記載の硬化性組成物の硬化膜からなることを特徴とする、樹脂硬化膜。
  5. 樹脂硬化膜の製造方法であって、
    可撓性基材表面に、請求項1に記載の硬化性組成物を塗布して塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜を光硬化させる工程と、
    光硬化後の塗布膜を前記可撓性基材から剥離する工程とを備える、樹脂硬化膜の製造方法。
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