JP6149815B2 - 厚鋼板の搬送方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厚鋼板製造における搬送効率の高い厚鋼板の搬送方法に関する。
厚鋼板は、圧延ラインにて熱間圧延および冷却された後、圧延ラインから連続して設けられるせん断・精整ラインにて所定の大きさに切断されることで製造される。このとき、厚鋼板は、複数の搬送ロールで構成される搬送テーブル上を搬送されることで、各ライン内および各ライン間を移動する。搬送テーブルでは厚鋼板が連続して搬送されるため、渋滞が発生してしまうと、搬送速度低下による生産ロスが生じる。このため、搬送テーブルでの渋滞を防止する搬送方法が求められている。
例えば、特許文献1には、せん断ライン上を移動する厚鋼板の枚数から渋滞状況を把握し、渋滞緩和のために一定枚数の厚鋼板を一度せん断ライン外へ退避させ、渋滞緩和時に退避させた厚鋼板をせん断ライン上へ戻す厚鋼板搬送の方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、渋滞判定ゾーンの鋼板占有率に応じて、渋滞していない他の搬送テーブルへ鋼板の搬送経路を変更する鋼板の搬送方法が開示されている。
特開2007−313514号公報 特開2013−86885号公報
しかし、特許文献1に記載の搬送方法は、厚鋼板をせん断ライン外へ退避させる作業や退避させた厚鋼板を再びせん断ラインへ戻す作業が生じるため、これらの作業中に厚鋼板の搬送を停止させる必要がある。このため、特許文献1に記載の搬送方法は、厚鋼板の退避に伴う作業によって搬送速度が低下し、生産効率が低下してしまう。
また、特許文献2に記載の搬送方法は、別の搬送経路を辿ることにより、鋼板の搬送距離が拡大することから生産効率が低下してしまう。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、厚鋼板を高効率で搬送する厚鋼板の搬送方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る厚鋼板の搬送方法は、複数の搬送テーブルで構成された搬送ラインで厚鋼板を搬送する際に、列接する複数の上記搬送テーブルを搬送される複数の上記厚鋼板の長さから、複数の上記搬送テーブルにおける上記厚鋼板の渋滞状況を示す渋滞率を算出する算出工程と、上記算出工程で算出された上記渋滞率に基いて、複数の上記搬送テーブルよりも搬送方向の上流側にある上記厚鋼板の搬送速度を決定する判断工程と、を備えることを特徴とする。
また、上記厚鋼板の搬送方法において、上記算出工程で算出される上記渋滞率は、複数の上記搬送テーブルの全体長さに対する複数の上記厚鋼板の長さの比率であってもよい。
また、上記厚鋼板の搬送方法において、上記判断工程において、上記渋滞率が閾値以下の場合には上記搬送速度を第1の搬送速度に決定し、上記渋滞率が閾値より大きい場合には上記搬送速度を上記第1の搬送速度よりも低い第2の搬送速度に決定してもよい。
また、上記厚鋼板の搬送方法において、上記渋滞率の閾値は、50%であり、上記第1の搬送速度は、上記搬送テーブルの最大搬送速度であり、上記第2の搬送速度は、上記最大搬送速度の25%の速度であってもよい。
また、上記厚鋼板の搬送方法において、上記判断工程において、上記渋滞率が第1の閾値以下の場合には上記搬送速度を第1の搬送速度に決定し、上記渋滞率が第2の閾値より大きい場合には上記搬送速度を上記第1の搬送速度よりも低い第2の搬送速度に決定し、上記渋滞率が第1の閾値よりも大きく且つ第2の閾値以下の場合には上記搬送速度を上記第1の搬送速度よりも低く且つ上記第2の搬送速度よりも高い第3の搬送速度に決定してもよい。
また、上記厚鋼板の搬送方法において、上記渋滞率の第1の閾値は、30%であり、上記渋滞率の第2の閾値は、50%であり、上記第1の搬送速度は、上記搬送テーブルの最大搬送速度であり、上記第2の搬送速度は、上記最大搬送速度の25%の速度であり、上記第3の搬送速度は、上記最大搬送速度の67%の速度であってもよい。
また、上記厚鋼板の搬送方法において、上記判断工程において、上記搬送速度は下記(1)式で決定されてもよい。
Figure 0006149815
V:搬送速度[m/min]
max:最大搬送速度[m/min]
θ:渋滞率[%]
X:定数
本発明に係る厚鋼板の搬送方法によれば、厚鋼板を高効率で搬送することが可能となる。
本発明の第1の実施形態におけるせん断・精整ラインを示す説明図である。 同実施形態の搬送テーブルを示す説明図である。 従来の搬送方法における通常時の搬送状態を示す説明図である。 従来の搬送方法における渋滞時の搬送状態を示す説明図である。 従来の搬送方法における渋滞時の搬送速度を示すグラフである。 同実施形態に係る厚鋼板の搬送方法を示すフローチャートである。 同実施形態に係る厚鋼板の搬送方法における搬送状態を示す説明図である。 同実施形態に係る厚鋼板の搬送方法における搬送速度を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る厚鋼板の搬送方法を示すフローチャートである。 同実施形態に係る厚鋼板の搬送方法における搬送速度を示すグラフである。 同実施形態に係る厚鋼板の搬送方法の変形例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る厚鋼板の搬送方法の変形例における搬送速度を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る厚鋼板の搬送方法を示すフローチャートである。 同実施形態に係る厚鋼板の搬送方法における搬送速度を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<1.第1の実施形態>
[1−1.せん断・精整ラインの構成]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施形態のせん断・精整ライン1について説明する。本実施形態に係る厚鋼板の搬送方法は、厚鋼板の製造ラインの一つである、せん断・精整ラインにおいて厚鋼板を高効率で搬送させる。
図1に示すように、せん断・精整ライン1は、クロップシャー21と、サイドシャー22と、スリッター23と、エンドシャー24と、検査装置25と、搬送ライン3と、制御部4とを備える。せん断・精整ライン1にて処理される厚鋼板は、せん断・精整ライン1の全長にわたって設けられた搬送ライン3上を移動し、切断装置であるクロップシャー21、サイドシャー22、スリッター23、およびエンドシャー24にて順に切断処理される。切断処理された厚鋼板は、検査装置25にて寸法検査や表面検査等が行われる。
厚鋼板の切断処理では、まず、クロップシャー21まで搬送された厚鋼板は、クロップシャー21にて長さ方向の両端である先端および尾端のクロップ部分が切断され、さらに必要に応じて幅方向に切断・分割される。次いで、厚鋼板は、サイドシャー22まで搬送され、サイドシャー22にて幅方向両端のクロップ部分が切断される。さらに、厚鋼板は、スリッター23まで搬送され、スリッター23にて長さ方向に切断・分割される。その後、厚鋼板は、エンドシャー24まで搬送され、エンドシャー24にて幅方向に切断・分割されることで、所定の寸法となる。
搬送ライン3は、搬送方向上流側に配された圧延ライン(不図示)から各切断装置および検査装置25へと厚鋼板を搬送し、さらに次の工程へと搬送する。搬送ライン3は、図2に示すように、搬送テーブル32と、検出センサ34とを備える。
搬送テーブル32は、厚鋼板Sの搬送方向であるx軸方向に列接して複数設けられる。図2では、搬送ライン3の一部である、4つの搬送テーブル32n−2,32n−1,32,32n+1を示す。搬送テーブル32は、接続されたモータ(不図示)の回転駆動を受けて回転する搬送ロール320を有する。本実施形態では、図2に示すように、搬送ロール320は、x軸方向に並んで設けられた8本の搬送ロール320a〜320hからなる。同じ搬送テーブル32に設けられた搬送ロール320a〜320hは、同じ回転速度で回転する。
検出センサ34は、隣接する2つの搬送テーブル32の間にそれぞれ設けられ、搬送テーブル32間を移動する厚鋼板Sを検出する。例えば、検出センサ34は、搬送テーブル32を挟んでy軸方向に対向して設けられる投光器と受光器とからなる光センサであってもよい。図2に示した例では、列接して設けられる4つの搬送テーブル32n−2,32n−1,32,32n+1の間に検出センサ34n−1,34,34n+1がそれぞれ設けられる。
制御部4は、各切断装置の切断動作、検査装置25の検査動作、搬送ライン3の搬送動作を制御する。制御部4は、搬送ライン3の搬送動作を制御する際、モータを介して各搬送ロール320の回転速度を制御することで、搬送テーブル32ごとに厚鋼板Sの搬送速度Vをそれぞれ制御する。また、制御部4は、各検出センサ34の検出結果を取得することで、厚鋼板Sがどの搬送テーブル32に在るかを把握する。
[1−2.従来の厚鋼板の搬送方法]
次に、図1〜図5を参照して、従来の厚鋼板Sの搬送方法について説明する。せん断・精整ライン1の構成は、図1および図2で説明した本実施形態における構成と同様である。
従来の厚鋼板Sの搬送方法では、制御部4は、1つの搬送テーブル32に厚鋼板Sが搬送方向に並んで2枚以上在ることがないように、厚鋼板Sの搬送速度Vを制御する。なお、スリッター23よりも下流側では、厚鋼板Sが幅方向に複数枚並んで同時に搬送される場合もある。具体的には、ある厚鋼板Sの搬送速度Vを制御する際に、この厚鋼板Sが在る搬送テーブル32と隣接した搬送方向下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sが在る場合には、制御する厚鋼板Sの搬送速度Vを0まで減速させ、厚鋼板Sの搬送を停止させる。一方、制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32と隣接した搬送方向下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sがない場合には、制御する厚鋼板Sを最大搬送速度で搬送する。
このとき、せん断・精整ライン1では、上述のように搬送方向の下流側になるに従い、切断処理により厚鋼板Sが分割され枚数が増えていくため、渋滞が生じやすくなる。
図3に示すように、搬送ライン3に渋滞が生じていない通常の搬送状態の場合、x軸正方向に搬送される3枚の厚鋼板S1〜S3は、厚鋼板S1〜S3がそれぞれ在る搬送テーブル32a,32d,32fと隣接した搬送方向下流側(x軸正方向側)の搬送テーブル32b,32e,32gには厚鋼板Sがないため、それぞれ最大搬送速度で搬送される。
一方、図4に示すように、搬送ライン3に渋滞が生じている状態の場合、厚鋼板S2〜S5は、隣接した搬送方向下流側(x軸正方向側)の搬送テーブル32d,32e,32f,32gに厚鋼板S3〜S6がそれぞれ在るため、搬送が停止した状態となる。このとき、厚鋼板S2〜S5は、下流側にある厚鋼板S3〜S6が次の搬送テーブル32にそれぞれ搬送されるまで搬送が再開されない。厚鋼板S1は、図4に示す状態では搬送テーブル32a上を搬送されているが、搬送テーブル32bまで搬送されると、隣接した下流側の搬送テーブル32cには厚鋼板S2が在るため、搬送が停止される。
図4の状態から厚鋼板S1の搬送が停止され、搬送が再開するまでの厚鋼板S1の搬送速度Vの時間変化を図5に示す。制御部4は、厚鋼板S1が搬送テーブル32aに在るときには、最大搬送速度である第1の搬送速度Vで厚鋼板S1を搬送し、厚鋼板S1が搬送テーブル32bまで搬送されると(時間t)、搬送速度Vが0になるまで厚鋼板S1を減速させ、停止させる(時間t)。次いで、制御部4は、厚鋼板S2が搬送テーブル32dに移動するまで(時間t)、厚鋼板S1を停止させる。その後、制御部4は、厚鋼板S1の搬送を再開し、搬送速度Vが第1の搬送速度Vになる(時間t)まで厚鋼板S1を増速させ、第1の搬送速度Vまで増速させた後は第1の搬送速度Vで搬送させる。このとき、厚鋼板S1の搬送動作は、隣接した下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sが在る状態となるまで行われる。
このような従来の厚鋼板Sの搬送方法では、厚鋼板Sの搬送が停止してしまうと、搬送が再開される際に停止した状態から加速がはじまるため、第1の搬送速度Vとなるまでの時間が長くなることにより搬送効率が低下する。また、第1の搬送速度Vとなるまでに時間がかかってしまうことから、連続して搬送される複数の厚鋼板Sが停止した場合、搬送方向の上流側にある厚鋼板Sは、下流側にある厚鋼板Sの搬送効率低下の影響を累積的に受ける。このため、従来の厚鋼板Sの搬送方法は、上流側にある厚鋼板Sの搬送が再開されるまでの時間が下流側にある厚鋼板Sよりも長くなり、搬送ラインでの渋滞が発生し易くなる。
[1−3.本実施形態の搬送方法]
次に、図6〜図8を参照して、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法について説明する。
図6に示すように、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、まず、制御部4は、搬送速度Vを制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32aよりも搬送方向下流側の連続した5つの搬送テーブル32における渋滞率θを算出する(S100)。
渋滞率θは、連続した5つの搬送テーブル32のx軸方向の合計長さである領域長Bに対する、5つの搬送テーブル32上に在る厚鋼板Sの合計長さである合計長Aの比率であり、下記(2)式で示される。なお、厚鋼板Sが幅方向であるy軸方向に複数枚並べられて搬送される場合には、幅方向に並んだ複数枚の厚鋼板Sをまとめて1枚の厚鋼板Sとして認識する。この際、複数枚の厚鋼板Sをまとめた1枚の厚鋼板Sのx軸方向の長さは、複数枚の厚鋼板Sのうちx軸方向の長さが最も長い厚鋼板Sの長さとする。また、渋滞率θの算出にあたり、制御部4は、各搬送テーブル32のx軸方向の長さ、および各搬送テーブル32に在る厚鋼板Sの長さを予め記憶している。
Figure 0006149815
θ:渋滞率[%]
A:合計長[m]
B:領域長[m]
図7に図示した例では、厚鋼板S1の搬送速度Vを制御する際、厚鋼板S1が在る搬送テーブル32aよりも搬送方向下流側(x軸正方向側)の連続した5つの搬送テーブル32b〜32fにおける渋滞率θが算出される。このとき、領域長Bは搬送テーブル32b〜32fのx軸方向の合計長さであり、合計長Aは搬送テーブル32b〜32f上に在る厚鋼板S2〜S4の合計長(A=a2+a3+a4)である。
ステップS100の後、制御部4は、渋滞率θが50%より大きいか否かを判断する(S104)。
ステップS104において渋滞率θが50%以下の場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送速度Vを第1の搬送速度Vに決定する(S108)。第1の搬送速度Vは、搬送テーブル32で厚鋼板Sを搬送可能な最大速度である。
一方、ステップS104において渋滞率θが50%より大きい場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送速度Vを第2の搬送速度Vに決定する(S112)。第2の搬送速度Vは、第1の搬送速度Vの25%の速度である。
ステップS108またはステップS112の後、制御部4は、制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32の搬送ロール320の回転速度を制御し、厚鋼板Sを決定した搬送速度Vで搬送させる(S116)。
なお、本実施形態では、ステップS100,S104,S108,S112,S116の処理は、一定時間毎に繰り返し行われる。また、このような搬送速度Vの制御は、搬送ライン3を搬送される全ての厚鋼板Sについて行われる。
また、本実施形態では、制御部4は、ステップS100,S104,S108,S112,S116と平行して、搬送速度Vを制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32に隣接する下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sが在るか否かを、一定時間毎に繰り返し判断する。このとき、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32にない場合、制御部4は、ステップS100,S104,S108,S112,S116の処理を平行して行う。一方、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32に在る場合、制御部4は、制御する厚鋼板Sの搬送を停止させ、ステップS100,S104,S108,S112,S116の処理を停止する。その後、隣接する下流側の搬送テーブル32から他の厚鋼板Sが移動すると、制御する厚鋼板Sの搬送を再開させる。この際、制御部4は、ステップS100,S104,S108,S112の処理を行い、ステップS108またはステップS112で決定される搬送速度Vとなるように、制御する厚鋼板Sの搬送を再開させる。
図8は、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法を用いた際の搬送速度Vの時間変化(実線)と、図5で説明した従来の搬送方法を用いた際の搬送速度Vの時間変化(破線)とを比較したグラフである。ここで、図5および図8では、図示しないが、横軸に示す時間tに応じて渋滞率θが同様に変化する。図8に図示した例では、渋滞率θは、時間の経過に応じて増加し時間tで50%となり、時間t〜時間tの間もさらに増加する。その後、渋滞率θは、時間の経過に応じて時間tからさらに増加した後に減少し、時間tで50%となる。さらに、時間t以降では、渋滞率θは徐々に減少していく。
図8に示した例では、まず、制御部4は、時間tより後において渋滞率θが50%より大きくなるため、第1の搬送速度Vで搬送される厚鋼板Sを第2の搬送速度Vになるまで減速する(時間t〜時間t)。本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、渋滞率θが50%より大きくなった場合に厚鋼板Sを減速するため、通常であれば、従来の搬送方法よりも早いタイミングで厚鋼板Sを減速する。
次いで、制御部4は、渋滞率θが50%以下となる時間tまで第2の搬送速度Vで厚鋼板Sを搬送させる。
さらに、制御部4は、厚鋼板Sを第1の搬送速度Vになるまで増速させ(時間t〜時間t)、時間t以降は第1の搬送速度Vで搬送させる。
本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、厚鋼板Sの搬送速度Vを従来よりも早く減速させるため、搬送速度Vが0となるまで厚鋼板Sを減速する必要がない。このため、本実施形態に係る厚鋼板Sは、時間tにおける搬送速度Vを従来の搬送方法よりも高くすることができ、従来の搬送方法に比べて、厚鋼板Sを図8に示した斜線の領域分だけ下流側へ搬送させることができることから、搬送効率を向上させることができる。図8の斜線の領域は、時間t〜tにおける従来の搬送方法および第1の実施形態での搬送距離の差を示す領域であり、従来の搬送方法および第1の実施形態の各グラフの面積の差分を示す。
ここで、時間tは、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32から移動し、隣接する下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sがない状態となる時間である。時間tにおける厚鋼板Sの搬送方向における位置は、従来の搬送方法により搬送された場合と同じ位置、または従来の搬送方法により搬送された場合よりも上流側の位置となるように制御される。
また、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32から移動するタイミングが図8に示す時間tよりも後になる場合、制御部4は、制御する厚鋼板Sを第2の搬送速度Vから減速させる。すなわち、時間tまたはそれよりも早い時間において、他の厚鋼板Sが時間tの時点で隣接する下流側の搬送テーブル32に在ることが確認または予測できた場合、制御部4は、制御する厚鋼板Sが従来の搬送方法において停止する位置に停止するように搬送速度Vを制御する。
以上のように、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、複数の搬送テーブル32で構成された搬送ライン3で厚鋼板Sを搬送する際に、列接する複数の搬送テーブル32を搬送される少なくとも1枚の厚鋼板Sの長さから、複数の搬送テーブル32における厚鋼板Sの渋滞状況を示す渋滞率θを算出する算出工程(S100)と、算出工程で算出された渋滞率θに基いて、複数の搬送テーブル32よりも搬送方向の上流側にある厚鋼板Sの搬送速度Vを決定する判断工程(S104,S108,S112)と、を備える。また、算出工程で算出される渋滞率θは、複数の搬送テーブル32の全体長さに対する少なくとも1枚の厚鋼板Sの長さの比率である。さらに、判断工程において、渋滞率θが閾値(50%)以下の場合には搬送速度Vを最大搬送速度である第1の搬送速度Vに決定し、渋滞率θが閾値より大きい場合には搬送速度Vを第1の搬送速度Vよりも低い第2の搬送速度Vに決定する。本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、搬送速度Vが0とならないように、厚鋼板Sの搬送速度Vを従来よりも早く減速させることにより、厚鋼板Sの搬送効率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、搬送効率を向上させることにより、従来の搬送方法に比べ搬送ライン3での渋滞の発生を抑制または渋滞を早く緩和および解消することができる。搬送ライン3では、連続して搬送される厚鋼板Sが近接している場合、搬送方向上流側の厚鋼板Sは、下流側の厚鋼板Sの搬送効率の影響を受ける。例えば、従来の搬送方法では、連続して搬送される上流側の厚鋼板Sは、下流側の厚鋼板Sの図8の斜線領域で示す搬送効率低下の影響を累積的に受けるため、図8の斜線領域よりもさらに搬送効率が低下する。このため、連続した厚鋼板Sの上流側になるほど渋滞が発生しやすく、また発生した渋滞が緩和しにくくなる。これに対して、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、各厚鋼板Sに対して図8の斜線領域で示した搬送効率の向上効果を得ることにより、従来の搬送方法に比べ累積的な搬送効率の低下を抑制することができるため、搬送ライン3における渋滞の発生を抑制でき、発生した渋滞を早く緩和・解消することができる。
<2.第2の実施形態>
次に、図9および図10を参照して、本発明の第2の実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法について説明する。
本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、第1の実施形態と同様に、せん断・精整ライン1における厚鋼板Sの高効率な搬送方法であり、せん断・精整ライン1の構成は図1および図2で説明した第1の実施形態と同じである。
まず、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、図9に示すように、制御部4は、搬送速度Vを制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32aよりも搬送方向下流側の連続した5つの搬送テーブル32における渋滞率θを算出する(S200)。ステップS200における渋滞率θの算出方法は、第1の実施形態におけるステップS100と同じである。
次いで、制御部4は、渋滞率θが30%より大きいか否かを判断する(S204)。
ステップS204において、渋滞率θが30%以下の場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送速度Vを第1の搬送速度Vに決定する(S208)。第1の搬送速度Vは、搬送テーブル32で厚鋼板Sを搬送可能な最大速度である。
一方、ステップS204において、渋滞率θが30%より大きい場合、制御部4は、渋滞率θが50%より大きいか否かを判断する(S212)
ステップS212において、渋滞率θが50%以下の場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送速度Vを第3の搬送速度Vに決定する(S216)。第3の搬送速度Vは、第1の搬送速度Vの67%の速度である。
一方、ステップS212において、渋滞率θが50%より大きい場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送速度Vを第2の搬送速度Vに決定する(S220)。第2の搬送速度Vは、第1の搬送速度Vの25%の速度である。
ステップS208,ステップS216およびステップS220の後、制御部4は、制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32の搬送ロール320の回転速度を制御し、厚鋼板Sを決定した搬送速度Vで搬送させる(S224)。
なお、本実施形態では、ステップS200,S204,S208,S212,S216,S220,S224の処理は、一定時間毎に繰り返し行われる。また、このような搬送速度Vの制御は、搬送ライン3を搬送される全ての厚鋼板Sについて行われる。
また、本実施形態では、制御部4は、ステップS200,S204,S208,S212,S216,S220,S224と平行して、搬送速度Vを制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32の隣接する下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sが在るか否かを、一定時間毎に繰り返し判断する。このとき、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32にない場合、制御部4は、ステップS200,S204,S208,S212,S216,S220,S224の処理を平行して行う。一方、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32に在る場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送を停止させ、ステップS200,S204,S208,S212,S216,S220,S224の処理を停止する。その後、隣接する下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sがなくなると、厚鋼板Sの搬送を再開させる。この際、制御部4は、ステップS200,S204,S208,S212,S216,S220の処理を行い、ステップS208,S216またはS220で決定される搬送速度Vとなるように、厚鋼板Sの搬送を再開させる。
図10は、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法を用いた際の搬送速度Vの時間変化(実線)と、図5で説明した従来の搬送方法を用いた際の搬送速度Vの時間変化(破線)とを比較したグラフである。図10では、図5および図8と同様に、横軸に示す時間tに応じて渋滞率θが変化する。図10に図示した例では、渋滞率θは、時間の経過に応じて増加し、時間tで30%、時間tで50%となり、時間t〜時間t11の間もさらに増加する。その後、渋滞率θは、時間の経過に応じて時間t11からさらに増加した後に減少し、時間tで50%となる。さらに、渋滞率θは、時間t13で30%まで減少し、時間t13以降も減少していく。
図10に示した例では、まず、制御部4は、時間tより後において渋滞率θが30%より大きくなるため、第1の搬送速度Vで搬送される厚鋼板Sを第3の搬送速度Vになるまで減速させる(時間t〜時間t)。
次いで、制御部4は、渋滞率θが50%となる時間t10まで第3の搬送速度Vで厚鋼板Sを搬送させる。
さらに、制御部4は、厚鋼板Sを第2の搬送速度Vになるまで減速させ(時間t10〜時間t11)、渋滞率θが50%以下となる時間tまで第2の搬送速度Vで搬送させる。
その後、制御部4は、厚鋼板Sを第3の搬送速度Vになるまで増速させ(時間t〜時間t12)、渋滞率θが30%以下となる時間t13まで第2の搬送速度Vで搬送させる。
次いで、制御部4は、厚鋼板Sを第1の搬送速度Vになるまで増速させ(時間t13〜時間t14)、それ以降は第1の搬送速度Vで搬送させる。
ここで、第1の実施形態と同様に、時間tにおける厚鋼板Sの搬送方向における位置は、従来の搬送方法により搬送された場合と同じ位置、または従来の搬送方法により搬送された場合よりも上流側の位置となるように制御される。
また、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、第1の実施形態と同様に、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32から移動するタイミングが図10に示す時間tよりも後になる場合、制御部4は、制御する厚鋼板Sを第2の搬送速度Vから減速させる。
このように、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、渋滞率θに対しての2つの閾値を設け、渋滞率θに応じて厚鋼板Sの搬送速度Vを変化させることにより、図10に示す斜線の領域分だけ厚鋼板Sを下流側へ搬送することができ、第1の実施形態と同様に厚鋼板Sの搬送効率を向上させることができる。図10の斜線の領域は、時間t〜tにおける従来の搬送方法および第2の実施形態での搬送距離の差を示す領域であり、従来の搬送方法および第2の実施形態の各グラフの面積の差分を示す。
次に、図11および図12を参照して、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法の変形例について説明する。本変形例に係る厚鋼板Sの搬送方法は、上記の本実施形態に対して、ステップS204およびステップS212における渋滞率θの閾値が異なる。
まず、本変形例に係る厚鋼板Sの搬送方法では、図11に示すように、制御部4は、搬送速度Vを制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32aよりも搬送方向下流側の連続した5つの搬送テーブル32における渋滞率θを算出する(S228)。ステップS228における渋滞率θの算出方法は、第1の実施形態におけるステップS100と同じである。
次いで、制御部4は、渋滞率θが50%より大きいか否かを判断する(S232)。
ステップS232において、渋滞率θが50%以下の場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送速度Vを第1の搬送速度Vに決定する(S236)。第1の搬送速度Vは、搬送テーブル32で厚鋼板Sを搬送可能な最大速度である。
一方、ステップS232において、渋滞率θが50%より大きい場合、制御部4は、渋滞率θが60%より大きいか否かを判断する(S240)
ステップS240において、渋滞率θが60%以下の場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送速度Vを第3の搬送速度Vに決定する(S244)。第3の搬送速度Vは、第1の搬送速度Vの67%の速度である。
一方、ステップS240において、渋滞率θが60%より大きい場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送速度Vを第2の搬送速度Vに決定する(S248)。第2の搬送速度Vは、第1の搬送速度Vの25%の速度である。
ステップS236,ステップS244およびステップS248の後、制御部4は、制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32の搬送ロール320の回転速度を制御し、厚鋼板Sを決定した搬送速度Vで搬送させる(S252)。
上記のステップS228,S232,S236,S240,S244,S248,S252以外の処理および動作については、上記の本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法と同様である。
図12は、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法を用いた際の搬送速度Vの時間変化(実線)と、図5で説明した従来の搬送方法を用いた際の搬送速度Vの時間変化(破線)とを比較したグラフである。図12では、図5、図8および図10と同様に、横軸に示す時間tに応じて渋滞率θが変化する。図12に図示した例では、渋滞率θは、時間の経過に応じて増加し、時間tで50%、時間t10で60%となり、時間t10〜時間t16の間もさらに増加する。その後、渋滞率θは、時間の経過に応じて時間t16からさらに増加した後に減少し、時間t17で60%となる。さらに、渋滞率θは、時間t18で50%まで減少し、時間t18以降も減少していく。
図12に示した例では、まず、制御部4は、時間tより後において渋滞率θが50%より大きくなるため、第1の搬送速度Vで搬送される厚鋼板Sを第3の搬送速度Vになるまで減速させる(時間t〜時間t10)。
次いで、制御部4は、渋滞率θが60%となる時間t15まで第3の搬送速度Vで厚鋼板Sを搬送させる。
さらに、制御部4は、厚鋼板Sを第2の搬送速度Vになるまで減速させ(時間t15〜時間t16)、渋滞率θが60%以下となる時間t17まで第2の搬送速度Vで搬送させる。
その後、制御部4は、厚鋼板Sを第3の搬送速度Vになるまで増速させ(時間t17〜時間t18)、渋滞率θが50%以下となる時間tまで第2の搬送速度Vで搬送させる。
次いで、制御部4は、厚鋼板Sを第1の搬送速度Vになるまで増速させ(時間t〜時間t19)、それ以降は第1の搬送速度Vで搬送させる。
本変形例に係る厚鋼板Sの搬送方法は、図12に示す斜線の領域分だけ厚鋼板Sを下流側へ搬送することができ、従来の搬送方法よりも厚鋼板Sの搬送効率を向上させることができる。図12の斜線の領域は、時間t〜tにおける従来の搬送方法および第2の実施形態の変形例での搬送距離の差を示す領域であり、従来の搬送方法および第2の実施形態の変形例の各グラフの面積の差分を示す。
また、本変形例に係る厚鋼板Sの搬送方法は、図12に示す斜線の領域を、図8および図10に示す搬送方法における斜線の領域に比べ大きくすることができることから、第1の実施形態や渋滞率θの閾値を30%および50%とした上記の本実施形態に係る搬送方法よりも搬送効率を向上させることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、複数の搬送テーブル32で構成された搬送ライン3で厚鋼板Sを搬送する際に、列接する複数の搬送テーブル32を搬送される少なくとも1枚の厚鋼板Sの長さから、複数の搬送テーブル32における厚鋼板Sの渋滞状況を示す渋滞率θを算出する算出工程(S200)と、算出工程で算出された渋滞率θに基いて、複数の搬送テーブル32よりも搬送方向の上流側にある厚鋼板Sの搬送速度Vを決定する判断工程(S204,S208,S212,S216,S220)と、を備える。また、算出工程で算出される渋滞率θは、複数の搬送テーブル32の全体長さに対する少なくとも1枚の厚鋼板Sの長さの比率である。さらに、判断工程において、渋滞率θが第1の閾値(30%)以下の場合には搬送速度Vを第1の搬送速度Vに決定し、渋滞率θが第2の閾値(50%)より大きい場合には搬送速度Vを第1の搬送速度V1よりも低い第2の搬送速度Vに決定し、渋滞率θが第1の閾値より大きく且つ第2の閾値以下の場合には搬送速度Vを第1の搬送速度Vよりも低く且つ第2の搬送速度Vよりも高い第3の搬送速度Vに決定する。本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、搬送速度Vを第1の搬送速度V〜第3の搬送速度Vの3段階で変化させることにより、第1の実施形態と同様に、厚鋼板Sの搬送効率を向上させることができる。また、例えば変形例のように、第1の閾値および第2の閾値を適当に設定することにより、第1の実施形態よりも厚鋼板Sの搬送効率をさらに向上させることができる。
<3.第3の実施形態>
次に、図13および図14を参照して、本発明の第3の実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法について説明する。
本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、第1の実施形態と同様に、せん断・精整ライン1における厚鋼板Sの高効率な搬送方法であり、せん断・精整ライン1の構成は図1および図2で説明した第1の実施形態と同じである。
まず、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、図13に示すように、制御部4は、搬送速度Vを制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32aよりも搬送方向下流側の連続した5つの搬送テーブル32における渋滞率θを算出する(S300)。ステップS300における渋滞率θの算出方法は、第1の実施形態におけるステップS100と同じである。
次いで、制御部4は、算出される渋滞率θから搬送速度Vを算出し、決定する(S304)。このとき、制御部4は、下記(1)式を用いて、搬送速度Vを算出する。ここで、(1)式におけるXは、定数であり、せん断・精整ライン1に応じて好適な値が用いられる。例えば、定数Xは、0.01でもよい。
Figure 0006149815
V:搬送速度[m/min]
max:最大搬送速度[m/min]
θ:渋滞率[%]
X:定数
ステップS304の後、制御部4は、決定した搬送速度Vとなるように搬送ロール320の回転速度を制御し、厚鋼板Sを決定した搬送速度Vで搬送させる(S308)。
なお、本実施形態では、ステップS300,S304,S308の処理は、一定時間毎に繰り返し行われる。また、このような搬送速度Vの制御は、搬送ライン3を搬送される全ての厚鋼板Sについて行われる。
また、本実施形態では、制御部4は、ステップS300,S304,S308と平行して、搬送速度Vを制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32の隣接する下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sが在るか否かを、一定時間毎に繰り返し判断する。このとき、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32にない場合、制御部4は、ステップS300,S304,S308の処理を平行して行う。一方、他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32に在る場合、制御部4は、厚鋼板Sの搬送を停止させ、ステップS300,S304,S308の処理を停止する。その後、隣接する下流側の搬送テーブル32に他の厚鋼板Sがなくなると、厚鋼板Sの搬送を再開させる。この際、制御部4は、ステップS300,S304の処理を行い、ステップS304で決定される搬送速度Vとなるように、厚鋼板Sの搬送を再開させる。
図14は、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法を用いた際の搬送速度の時間変化(実線)と、図5で説明した従来の搬送方法を用いた際の搬送速度Vの時間変化(破線)とを比較したグラフである。図14では、図5,図8,図10および図12と同様に、横軸に示す時間tに応じて渋滞率θが同様に変化する。
本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、搬送速度Vは渋滞率θに応じて、厚鋼板Sの搬送速度Vを連続的に変化させる。このため、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、図12に示すように渋滞率θが増加した後減少する場合、搬送速度Vも連続的に減少した後増加する。
ここで、第1の実施形態と同様に、時間tにおける厚鋼板Sの搬送方向における位置は、従来の搬送方法により搬送された場合と同じ位置、または従来の搬送方法により搬送された場合よりも上流側の位置となるように制御される。
また、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法では、第1の実施形態と同様に他の厚鋼板Sが隣接する下流側の搬送テーブル32から移動するタイミングが図14に示す時間tよりも後になる場合、制御部4は、制御する厚鋼板Sを減速させる。
以上のように、本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、複数の搬送テーブル32で構成された搬送ライン3で厚鋼板Sを搬送する際に、列接する複数の搬送テーブル32を搬送される少なくとも1枚の厚鋼板Sの長さから、複数の搬送テーブル32における厚鋼板Sの渋滞状況を示す渋滞率θを算出する算出工程(S300)と、算出工程で算出された渋滞率θに基いて、複数の搬送テーブル32よりも搬送方向の上流側にある厚鋼板Sの搬送速度Vを決定する判断工程(S304)と、を備える。また、算出工程で算出される渋滞率θは、複数の搬送テーブル32の全体長さに対する少なくとも1枚の厚鋼板Sの長さの比率である。さらに、判断工程において、搬送速度Vは(1)式で決定される。本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、搬送速度Vを渋滞率θに応じて連続的に変化させることにより、厚鋼板Sを図14に示した斜線の領域分だけ多く搬送することができる。図8の斜線の領域は、時間t〜tにおける従来の搬送方法および第3の実施形態での搬送距離の差を示す領域であり、従来の搬送方法および第3の実施形態の各グラフの面積の差分を示す。
本実施形態に係る厚鋼板Sの搬送方法は、渋滞率の経時変化等の条件に応じて、計算または実績から渋滞率と搬送速度との関係を設定することにより、図14に示した斜線の領域を、図8,図10および12図に示す第1および第2の実施形態における斜線の領域よりも大きくすることができる。このため、第1および第2の実施形態よりも厚鋼板Sの搬送効率を向上させることができる。
<4.他の変形例>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、第1の実施形態では、第1の搬送速度Vを最大搬送速度、第2の搬送速度Vを第1の搬送速度Vの25%の速度としたが、本発明はかかる例に限定されない。第1の搬送速度Vが第2の搬送速度Vよりも高ければ、上記以外の速度に設定されてもよい。
また、第2の実施形態では、第1の搬送速度Vを最大搬送速度、第2の搬送速度Vを第1の搬送速度Vの25%の速度、第3の搬送速度Vを第1の搬送速度Vの67%の速度としたが、本発明はかかる例に限定されない。第1の搬送速度Vが第3の搬送速度Vよりも高く、第3の搬送速度Vが第2の搬送速度Vよりも高ければ、上記以外の速度に設定されてもよい。
さらに、第1の実施形態および第2の実施形態における、第1の搬送速度Vおよび第2の搬送速度Vは、各実施形態に応じて各々別の速度が設定されてもよい。
また、第1の実施形態では、50%の渋滞率θを閾値として搬送速度Vを変化させるが、本発明はかかる例に限定されない。渋滞率θの閾値には、せん断・精整ライン1における搬送能力、搬送ライン3の長さ、厚鋼板Sの長さや分割される数等の条件に応じて適当な値が用いられてもよい。
また、第2の実施形態では、30%および50%の渋滞率θを閾値として搬送速度Vを変化させるが、本発明はかかる例に限定されない。渋滞率θの閾値には、せん断・精整ライン1における搬送能力、搬送ライン3の長さ、厚鋼板Sの長さや分割される数等の条件に応じて、適当な2つの値である第1の閾値および第2の閾値が用いられてもよい。
また、上記実施形態では、せん断・精整ライン1における厚鋼板Sの搬送方法としたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、厚鋼板Sを搬送する圧延ラインや他の搬送ラインに適用してもよい。
また、第2の実施形態では、搬送速度Vを3段階に変化させて搬送させるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、制御部4は、渋滞率θに応じて搬送速度Vを4段階以上に変化させてもよい。
また、上記実施形態では、渋滞率θが(2)式で示される領域長Bに対する合計長Aの比率であるとしたが、本発明は係る例に限定されない。例えば、各搬送テーブル32の長さがほぼ一定であれば、渋滞率θとして合計長Aを用い、合計長Aに応じて搬送速度Vを変化させてもよい。さらに、搬送ライン3の各切断装置間の領域における厚鋼板Sの長さがほぼ一定であれば、渋滞率θとして下流側の5つの搬送テーブル32に在る他の厚鋼板Sの枚数を用い、他の厚鋼板Sの枚数に応じて搬送速度Vを変化せてもよい。
また、上記実施形態では、渋滞率θを算出する際に考慮される搬送テーブル32が、厚鋼板Sが在る搬送テーブル32よりも搬送方向下流側の連続した5つの搬送テーブル32であるとしたが、本発明はかかる例に限定されない。渋滞率θを算出する際に考慮される搬送テーブル32は、搬送速度Vを制御する厚鋼板Sが在る搬送テーブル32よりも搬送方向下流側にある連続した複数の搬送テーブルであればよい。
<5.まとめ>
以上のように、本発明に係る厚鋼板の搬送方法は、複数の搬送テーブル32で構成された搬送ライン3で厚鋼板Sを搬送する際に、列接する複数の搬送テーブル32を搬送される少なくとも1枚の厚鋼板Sの長さから、複数の搬送テーブル32における厚鋼板Sの渋滞状況を示す渋滞率θを算出する算出工程と、算出工程で算出された渋滞率θに基いて、複数の搬送テーブル32よりも搬送方向の上流側にある厚鋼板Sの搬送速度Vを決定する判断工程と、を備える。これにより、厚鋼板を高効率で搬送することが可能となる。
1 :精整ライン
3 :搬送ライン
4 :制御部
21 :クロップシャー
22 :サイドシャー
23 :スリッター
24 :エンドシャー
25 :検査装置
32,32a〜32g :搬送テーブル
34 :検出センサ
320,320a〜320h :搬送ロール
A :合計長
B :領域長
S :厚鋼板
V :搬送速度
:第1の搬送速度
:第2の搬送速度
:第3の搬送速度
t :時間
θ :渋滞率

Claims (6)

  1. 複数の搬送テーブルで構成された搬送ラインで厚鋼板を搬送する際に、
    列接する複数の前記搬送テーブルを搬送される複数の前記厚鋼板の長さから、複数の前記搬送テーブルにおける前記厚鋼板の渋滞状況を示す渋滞率を算出する算出工程と、
    前記算出工程で算出された前記渋滞率に基いて、複数の前記搬送テーブルよりも搬送方向の上流側にある前記厚鋼板の搬送速度を決定する判断工程と、
    を備え
    前記渋滞率は、複数の前記搬送テーブルの前記厚鋼板の搬送方向における合計長さに対する、複数の前記搬送テーブル上に在る複数の前記厚鋼板の合計長さの比率であることを特徴とする厚鋼板の搬送方法。
  2. 記判断工程において、前記渋滞率が閾値以下の場合には前記搬送速度を第1の搬送速度に決定し、前記渋滞率が閾値より大きい場合には前記搬送速度を前記第1の搬送速度よりも低い第2の搬送速度に決定することを特徴とする請求項に記載の厚鋼板の搬送方法。
  3. 前記渋滞率の閾値は、50%であり、
    前記第1の搬送速度は、前記搬送テーブルの最大搬送速度であり、
    前記第2の搬送速度は、前記最大搬送速度の25%の速度であることを特徴とする請求項に記載の厚鋼板の搬送方法。
  4. 前記判断工程において、前記渋滞率が第1の閾値以下の場合には前記搬送速度を第1の搬送速度に決定し、前記渋滞率が第2の閾値より大きい場合には前記搬送速度を前記第1の搬送速度よりも低い第2の搬送速度に決定し、前記渋滞率が第1の閾値より大きく且つ第2の閾値以下の場合には前記搬送速度を前記第1の搬送速度よりも低く且つ前記第2の搬送速度よりも高い第3の搬送速度に決定することを特徴とする請求項に記載の厚鋼板の搬送方法。
  5. 前記渋滞率の第1の閾値は、30%であり、
    前記渋滞率の第2の閾値は、50%であり、
    前記第1の搬送速度は、前記搬送テーブルの最大搬送速度であり、
    前記第2の搬送速度は、前記最大搬送速度の25%の速度であり、
    前記第3の搬送速度は、前記最大搬送速度の67%の速度であることを特徴とする請求項に記載の厚鋼板の搬送方法。
  6. 前記判断工程において、前記搬送速度は下記(1)式で決定されることを特徴とする請求項に記載の厚鋼板の搬送方法。
    Figure 0006149815
    V:搬送速度[m/min]
    max:最大搬送速度[m/min]
    θ:渋滞率[%]
    X:定数
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