JP2021169109A - 冷間圧延機のスリップ防止方法およびスリップ防止装置 - Google Patents

冷間圧延機のスリップ防止方法およびスリップ防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】冷間圧延機の操業中に鋼板の速度を減速することなく、かつ鋼板に作用する張力を変更することなく、スリップを防止する方法および装置を提供する。【解決手段】第iスタンド(i:2〜Nの整数)の上流側に配設される第[i−1]スタンドの入側における鋼板1の板厚をTi-1(mm)、板速度をVi-1(m/分)とし、第iスタンドの入側における鋼板の板厚をTi(mm)として第iスタンドの入側における鋼板の板速度Vi(m/分)を算出し、第iスタンドのワークロール2の円周長さ(m)とワークロールの回転速度(回/分)からロール周速度Wi(m/分)を算出し、次いで板速度Viとロール周速度Wiを用いて第iスタンドにおける先進率δi(%)を算出し、得られた先進率δiが閾値Miを下回る場合に、第iスタンドの圧下率ηi(%)を低下させることによって、第iスタンドにおけるスリップの発生を防止する。【選択図】図1

Description

本発明は、冷間圧延機におけるワークロールと鋼板のスリップを防止するためのスリップ防止方法およびスリップ防止装置に関するものである。
鋼板に冷間圧延を施す冷間圧延機は複数台のロールスタンドを備えており、その鋼板の製造仕様に応じて各ロールスタンドで鋼板に作用する荷重や圧下率、ならびにロールスタンド間で鋼板に作用する張力、各ロールスタンドに供給する圧延油の量や種類(すなわち潤滑状態)等を制御する手段(以下、圧延制御手段という)を用いて、安定した操業を行なっている。
しかしながら、複数台のロールスタンドのうちの何れかに配設されるワークロールが摩耗して表面粗さが低下する、あるいは潤滑状態が変動する等の原因によってワークロールと鋼板との摩擦が減少した場合には、ワークロールの速度Wと鋼板の速度Vが適合せず、スリップが発生し易くなる。このようなスリップは、鋼板やワークロールの表面にスリ疵を発生させる、あるいは鋼板の板厚が目標範囲を外れる、鋼板が破断する等の様々な問題を引き起こす。
そこでスリップを未然に防止するために、冷間圧延機の操業中に鋼板やロールスタンドの異常を検知したときに圧延制御手段を介してロールスタンドの設定を変更する技術が検討されている。たとえば、ワークロールの円周長さ(m)と回転速度(回/分)から算出される速度W(以下、ロール周速度という)およびそのワークロールから排出される鋼板の速度V(m/分)から先進率δ(%)を算出する演算手段を用いて、操業しながら先進率δを監視する技術が検討されている。この技術は、先進率δが低下しすぎたときにスリップが発生し易いという広く知られた現象を活用するものである。
先進率δは、鋼板に作用する荷重、圧下率、張力や潤滑状態ならびにワークロールの直径(すなわち円周長さ)等の影響を受けて変動する。具体的には、ロールスタンドの入側で鋼板に作用する張力が低い場合、あるいはロールスタンドの出側で鋼板に作用する張力が高い場合、ロールスタンドにおける摩擦係数が高い場合に、先進率δが上昇する。その結果、スリップは発生し難くなる。したがって、スリップが発生した場合やスリップの発生が予想される場合には、先進率δを上昇させるために、圧延制御手段を介して鋼板の速度Vを減速し、摩擦係数の増加を図ることによって、スリップの発生を回避することができる。
スリップの発生の回避するための指標として先進率を活用する技術は、たとえば特許文献1に、熱間圧延におけるスリップの発生を防止する技術が開示されている。この技術は、操業を安定させるために必要な先進率の下限値を予め設定しておき、操業中に連続的に演算した先進率の実績値がその許容範囲の下限値を下回ったときに、その差に応じて鋼板の速度を減速するものである。そして、鋼板の速度を減速した後も先進率の実績値が許容される下限値を下回る場合は、圧下量も減少させることによって、スリップを防止する。
また特許文献2には、先進率の演算精度を高めた上で、スリップを発生させない先進率の条件を設定して、先進率の実測値に基づいてスリップの発生が予想される場合に、ロールスタンドの入側で鋼板に作用する張力を低下させ、かつ鋼板の速度を減速することによって、スリップを防止する技術が開示されている。
特許文献3には、先進率の実測値が予め設定した閾値を下回った場合に、ロールスタンドの入側で鋼板に作用する張力を低下させることによって、スリップを防止する技術が開示されている。
特許文献4には、実測した先進率からその変化率を求めて、先進率の変化率が所定値を上回った場合に、ワークロール同士のギャップを変更することによって、ロールスタンドの入側で鋼板に作用する張力を低下させることによって、スリップを防止する技術が開示されている。
これらの技術は、いずれもスリップを防止する技術であるが、種々の問題を有している。たとえば、鋼板の速度を減速すると、冷間圧延機の生産性の低下を招く。圧下量を減少すると、冷間圧延では入側の鋼板に作用する張力が増加して、先進率の低下(すなわちスリップ発生頻度の上昇)を引き起こす。入側の鋼板に作用する張力を低下させれば、先進率の上昇に有効であるが、ワークロールが摩耗して表面粗さが低下したロールスタンドでは、入側の張力を設備仕様の限界まで下げる(あるいは出側の張力を限界まで上げる)ように圧延制御手段を設定して操業するので、スリップの発生を回避するために更なる張力の変更は困難である。
とりわけ、特許文献1に開示された技術は、鋼板に張力を作用させずに熱間圧延を行なうものであるから、冷間圧延のように鋼板に張力を作用させる技術に適用するのは困難である。
特開平7-51716号公報 特開平9-295017号公報 特開2017-70953号公報 特開平4-59113号公報
本発明は、従来の技術の問題点を解消し、冷間圧延機の操業中に各ロールスタンドを通過する鋼板の板速度を減速することなく一定に保ち、かつ鋼板に作用する張力を変更することなく一定に保ちながら、スリップを防止する方法および装置を提供することを目的とする。
スリップを防止するためには、スリップの発生を高精度で予想する必要があり、そのためには先進率が有効な指標になる。そこで本発明者は、スリップが発生する前に予想することを可能にするために、冷間圧延機の操業中に常時監視する指標として先進率を有効に活用する技術について検討し、その結果、予め閾値を好適な数値に設定しておき、先進率がその閾値を下回った場合に、スリップ発生の危険性が高いと判定することによって、スリップの発生を高精度で予想できることが分かった。
次いで本発明者は、先進率が閾値を下回った場合に、先進率が上昇するように、圧延制御手段を介して冷間圧延機の設定を調整する技術について詳細に研究した。そして、圧下率を調整することによって、鋼板の速度を減速することなく、かつ鋼板に作用する張力を変更することなく、先進率を上昇させることが可能であるという知見を得た。
つまり本発明者の研究によれば、鋼板とワークロールの摩擦係数が大きい場合は、圧下率が大きいほど、先進率が上昇するが、摩擦係数が小さい場合(たとえば0.027以下である場合)は、圧下率が小さいほど、先進率が上昇する(図2参照)。そして、スリップが発生するのは摩擦係数が小さいロールスタンドであることは既に説明した通りである。したがって、スリップの発生を高精度で予想したロールスタンドでは摩擦係数が低下しているので、圧下率を下げれば、先進率を上昇させることができ、その結果、スリップの発生を回避できる。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、鋼板の進行方向の上流に位置する第1スタンドから下流に位置する第Nスタンドまで全N台(N:3以上の整数)のロールスタンドを備えた冷間圧延機にて、第iスタンド(i:2〜Nの整数)の上流側に配設される第[i−1]スタンドの入側における鋼板の板厚をTi-1(mm)、板速度をVi-1(m/分)とし、第iスタンドの入側における鋼板の板厚をTi(mm)として下記(1)式から第iスタンドの入側における鋼板の板速度Vi(m/分)を算出し、第iスタンドのワークロールの円周長さ(m)とワークロールの回転速度(回/分)からロール周速度Wi(m/分)を算出し、次いで板速度Viとロール周速度Wiを用いて下記(2)式で第iスタンドにおける先進率δi(%)を算出し、得られた先進率δiと予め設定した閾値Miが下記(3)式を満たす場合に、下記(4)式で算出される第iスタンドの圧下率ηi(%)を低下させることによって、第iスタンドにおけるスリップの発生を防止するスリップ防止方法である。
本発明のスリップ防止方法においては、第iスタンドの圧下率ηi(%)を低下させ、かつ第2スタンドから第[i−1]スタンドに到る各ロールスタンドの圧下率η2〜ηi-1を増加させて第iスタンドにおけるスリップの発生を防止することが好ましい。また、第2スタンドから第[i−1]スタンドのロール周速度W2〜Wi-1を増速することによって圧下率η2〜ηi-1を増加させることが好ましい。さらに、閾値Miを−3%〜0%の範囲内に設定することが好ましい。
また本発明は、鋼板の進行方向の上流に位置する第1スタンドから下流に位置する第Nスタンドまで全N台(N:3以上の整数)のロールスタンドを備えた冷間圧延機の第iスタンド(i:2〜Nの整数)の上流側に配設される第[i−1]スタンドの入側における鋼板の板厚をTi-1(mm)、板速度をVi-1(m/分)とし、第iスタンドの入側における鋼板の板厚をTi(mm)として下記(1)式から第iスタンドの入側における鋼板の板速度Vi(m/分)を算出する演算手段と、
第iスタンドのワークロールの円周長さ(m)とワークロールの回転速度(回/分)からロール周速度Wi(m/分)を算出する演算手段と、
板速度Viとロール周速度Wiを用いて下記(2)式で第iスタンドにおける先進率δi(%)を算出する演算手段と、
得られた先進率δiと予め設定した閾値Miとを比較する演算手段と、
先進率δiと閾値Miが下記(3)式を満たす場合に、下記(4)式で算出される第iスタンドの圧下率ηi(%)を低下させる圧延制御手段を有するスリップ防止装置である。
本発明のスリップ防止装置においては、圧延制御手段が、第iスタンドの圧下率ηi(%)を低下させ、かつ第2スタンドから第[i−1]スタンドに到る各ロールスタンドの圧下率η2〜ηi-1を増加させることが好ましい。また、圧延制御手段が、第2スタンドから第[i−1]スタンドのロール周速度W2〜Wi-1を増速することによって圧下率η2〜ηi-1を増加させることが好ましい。さらに、閾値Miが−3%〜0%の範囲内であることが好ましい。
i-1×Vi-1=Ti×Vi ・・・(1)
δi(%)=100×(Vi+1−Wi)/Wi ・・・(2)
δi<Mi ・・・(3)
ηi(%)=100×(Ti−Ti+1)/Ti ・・・(4)
本発明によれば、冷間圧延機の操業中に各ロールスタンドを通過する鋼板の板速度を減速することなく、かつ鋼板に作用する張力を変更することなく、スリップを防止することが可能となり、産業上格段の効果を奏する。
全N台のロールスタンドを備えた冷間圧延機の互いに隣り合う2台のロールスタンドの例を模式的に示す断面図である。 摩擦係数と先進率との大小関係を示すグラフである。 各ロールスタンドに設定される圧下率の例を示すグラフである。
図1は、全N台(N:3以上の整数)のロールスタンドを備えた冷間圧延機の第iスタンド(i:2〜Nの整数)と、その上流側に配設される第[i−1]スタンドと、鋼板1との関係を模式的に示す断面図である。図1中の矢印Aは鋼板1の進行方向を示す。なお、第iスタンドの下流側に配設される第[i+1]スタンドは図示を省略する。
図1に示すように、第[i−1]スタンドの入側における鋼板1の板厚をTi-1(mm)とし、板速度をVi-1(m/分)とする。また、第[i−1]スタンドのワークロール2の円周長さ(m)と回転速度(回/分)から算出されるロール周速度をWi-1(m/分)とする。
第[i−1]スタンドの入側から進入した鋼板1は、ワークロール2で圧下されて出側に排出される。第[i−1]スタンドの出側は第iスタンドの入側であるから、第[i−1]スタンドから排出された鋼板1の板厚をTi(すなわち第iスタンドの入側における板厚)、板速度をVi(すなわち第iスタンドの入側における板速度)とする。また、第iスタンドのワークロール2のロール周速度をWiとする。
そして、第iスタンドの入側から進入した鋼板1は、ワークロール2で圧下されて出側に排出される。第iスタンドの出側は第[i+1]スタンド(図示せず)の入側であるから、第iスタンドから排出された鋼板1の板厚をTi+1、板速度をVi+1とする。
なお図1において、i=2の場合は、T1は冷間圧延機に供給される素材の板厚、V1は素材の進行速度を意味する。i=Nの場合は、TN+1は冷間圧延機から排出される製品の板厚、VN+1は製品の進行速度を意味する。
冷間圧延機では、各ロールスタンドのワークロール2で圧下されて板厚が減少していくが、鋼板1の体積は変化しないので、板速度は圧下毎に増加していく。図1に示す例では、
i-1×Vi-1=Ti×Vi ・・・(1)
が成立する。つまり、冷間圧延機に供給される素材の板厚がT1、素材の進行速度がV1であり、第1スタンドの出側(すなわち第2スタンドの入側)における板厚T2は第1スタンドのワークロール2の間隔で決まる値であるから、上記の(1)式からV2=(T1×V1)/T2として、第2スタンドの入側における板速度V2を算出できる。
第3スタンド以降(第Nスタンドまで)においても、同様に各ロールスタンドにおける板厚Tiと板速度Viを、順次求めることが可能である。このような演算は、冷間圧延を行ないながら演算手段を用いて行なう。
さらに演算手段を用いて、第iスタンドにおける先進率δi(%)と圧下率ηi(%)を、下記の(2)式、(4)式から算出する。その演算手段は、板厚Tiと板速度Viを求めるための演算手段を併用しても良いし、個別に設けても良い。
δi(%)=100×(Vi+1−Wi)/Wi ・・・(2)
ηi(%)=100×(Ti−Ti+1)/Ti ・・・(4)
そして第2スタンド〜第Nスタンドについて、演算手段が第iスタンドにおける先進率δiを予め設定した閾値Miと比較して、下記の(3)式を満たす場合に、第iスタンドにてスリップが発生する危険性が高いと判定して、圧延制御手段を介して第iスタンドの圧下率ηiを低下させる。
δi<Mi ・・・(3)
閾値Miは、各ロールスタンド毎に個別の値を設定しても良いし、全てのロールスタンドに同一の値を設定しても良い。いずれの場合も閾値Miは−3%〜0%の範囲内に設定することが好ましい。このましくは−2%〜0%の範囲内である。
第iスタンドにおける圧下率ηiを低下させるために、第iスタンドの入側の板厚Tiを減少させる、あるいは第iスタンドの出側の板厚Ti+1を増加させるように、圧延制御手段を介してワークロール2の間隔を調整すれば、圧下率ηiの制御は可能である。したがって本発明は、板厚Tiを変更することによって圧下率ηiを低下させる機能を備えた冷間圧延機に適用できる。
ところが、ワークロール2の間隔(いわゆるロールギャップ)を変更すると、連続冷間圧延では張力も変動するため、かえってスリップが発生し易くなるという問題が生じる惧れがある。
そこで、各ロールスタンドにおけるワークロール2の間隔を変更することなく、第[i−1]スタンドから上流側に配設されるロールスタンドのロール周速度(たとえばWi-1、Wi-2等)を調整することによって、鋼板1の先進率δiを制御することが好ましい。つまり、第2スタンド〜第[i−1]スタンドのワークロール2のロール周速度W2〜Wi-1を増速すれば、圧下率η2〜ηi-1を増加させることができ、その結果、圧下率ηiを低下させることができる(図2参照)。
このようにして第iスタンドにおけるスリップの発生を防止しながら冷間圧延機を操業するにあたって、第1スタンドに供給される素材の板厚T1、および第Nスタンドから排出される製品の板厚TN+1は、冷間圧延の前工程と後工程の操業を円滑に行うために、所定の数値が規定されている。したがって、第iスタンドの圧下率ηiを低下させてスリップの発生を回避した場合には、全ロールスタンドのワークロール2の間隔を変更せず、第iスタンドの上流側に位置する第2スタンド〜第[i−1]スタンドの圧下率η2〜ηi-1を増加させることが好ましい。そして、圧下率η2〜ηi-1を増加させるための処置として、第2スタンド〜第[i−1]スタンドのロール周速度W2〜Wi-1を増速させることが好ましい。
ただし、第1スタンドにてスリップが発生する危険性が高いと判定された場合に、その上流側にロールスタンドは存在しないので、このようなロール周速度の調整は不可能である。したがって、(3)式に則ってスリップ発生の危険性を判定するロールスタンドは、第2スタンド〜第Nスタンド(i:2〜Nの整数)とする。
このようにして第1スタンド〜第Nスタンドのワークロールの間隔を変更することなく、ワークロールのロール周速度を調整することによってスリップの発生を防止すれば、各ロールスタンドの入側(すなわち出側)における鋼板の張力の変動を抑えることができ、冷間圧延機の円滑な操業を安定して保つことが可能となる。
鋼板の進行方向の上流に位置する第1スタンドから下流に位置する第6スタンドまで全6台のロールスタンドを備えた冷間圧延機(N=6)にて、本発明を適用し、第2スタンド〜第6スタンドのスリップ発生の危険性を評価しながら、鋼板の冷間圧延を行なった。第1スタンドの入側の板厚T1(すなわち素材の板厚)は3.0mm、第6スタンドの出側の板厚T7(すなわち製品の板厚)は0.8mmであった。
そして、操業中に第6スタンドの先進率δ6が予め設定した閾値−1.5%を下回ったので、第6スタンドにてスリップが発生する危険性が高いと判定して、第2、3スタンドのワークロールのロール周速度W2、W3を増速することによって、第6スタンドの入側の板厚T6を減少させて、その結果、圧下率η6を減少させた(図3参照)。
さらに、第6スタンドの上流側に位置する第2スタンド〜第5スタンドのうちの、第2スタンドと第3スタンドを選択してその圧下率η2、η3を増加させた(図3参照)。
これらの圧下率の変更(すなわち減少、増加)は、各ロールスタンドの設備仕様で許容される範囲内で行なった。
このようにして、第6スタンドにてスリップ発生の危険性が高まった時に、冷間圧延機の操業を継続しながら、その第6スタンドならびに上流側に位置するロールスタンドの圧下率を調整することによって、第6スタンドにおけるスリップの発生を未然に回避することができた。
1 鋼板
2 ワークロール

Claims (8)

  1. 鋼板の進行方向の上流に位置する第1スタンドから下流に位置する第Nスタンドまで全N台(N:3以上の整数)のロールスタンドを備えた冷間圧延機にて、第iスタンド(i:2〜Nの整数)の上流側に配設される第[i−1]スタンドの入側における前記鋼板の板厚をTi-1(mm)、板速度をVi-1(m/分)とし、前記第iスタンドの入側における前記鋼板の板厚をTi(mm)として下記(1)式から前記第iスタンドの入側における前記鋼板の板速度Vi(m/分)を算出し、前記第iスタンドのワークロールの円周長さ(m)と前記ワークロールの回転速度(回/分)からロール周速度Wi(m/分)を算出し、次いで前記板速度Viと前記ロール周速度Wiを用いて下記(2)式で前記第iスタンドにおける先進率δi(%)を算出し、得られた前記先進率δiと予め設定した閾値Miが下記(3)式を満たす場合に、下記(4)式で算出される前記第iスタンドの圧下率ηi(%)を低下させることによって、前記第iスタンドにおけるスリップの発生を防止することを特徴とするスリップ防止方法。
    i-1×Vi-1=Ti×Vi ・・・(1)
    δi(%)=100×(Vi+1−Wi)/Wi ・・・(2)
    δi<Mi ・・・(3)
    ηi(%)=100×(Ti−Ti+1)/Ti ・・・(4)
  2. 前記第iスタンドの前記圧下率ηi(%)を低下させ、かつ第2スタンドから前記第[i−1]スタンドに到る各ロールスタンドの圧下率η2〜ηi-1を増加させて前記第iスタンドにおけるスリップの発生を防止することを特徴とする請求項1に記載のスリップ防止方法。
  3. 前記第2スタンドから前記第[i−1]スタンドのロール周速度W2〜Wi-1を増速することによって前記圧下率η2〜ηi-1を増加させることを特徴とする請求項2に記載のスリップ防止方法。
  4. 前記閾値Miを−3%〜0%の範囲内に設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のスリップ防止方法。
  5. 鋼板の進行方向の上流に位置する第1スタンドから下流に位置する第Nスタンドまで全N台(N:3以上の整数)のロールスタンドを備えた冷間圧延機の第iスタンド(i:2〜Nの整数)の上流側に配設される第[i−1]スタンドの入側における前記鋼板の板厚をTi-1(mm)、板速度をVi-1(m/分)とし、前記第iスタンドの入側における前記鋼板の板厚をTi(mm)として下記(1)式から前記第iスタンドの入側における前記鋼板の板速度Vi(m/分)を算出する演算手段と、
    前記第iスタンドのワークロールの円周長さ(m)と前記ワークロールの回転速度(回/分)からロール周速度Wi(m/分)を算出する演算手段と、
    前記板速度Viと前記ロール周速度Wiを用いて下記(2)式で前記第iスタンドにおける先進率δi(%)を算出する演算手段と、
    得られた前記先進率δiと予め設定した閾値Miとを比較する演算手段と、
    前記先進率δiと前記閾値Miが下記(3)式を満たす場合に、下記(4)式で算出される前記第iスタンドの圧下率ηi(%)を低下させる圧延制御手段を有することを特徴とするスリップ防止装置。
    i-1×Vi-1=Ti×Vi ・・・(1)
    δi(%)=100×(Vi+1−Wi)/Wi ・・・(2)
    δi<Mi ・・・(3)
    ηi(%)=100×(Ti−Ti+1)/Ti ・・・(4)
  6. 前記圧延制御手段が、前記第iスタンドの前記圧下率ηi(%)を低下させ、かつ第2スタンドから前記第[i−1]スタンドに到る各ロールスタンドの圧下率η2〜ηi-1を増加させることを特徴とする請求項5に記載のスリップ防止装置。
  7. 前記圧延制御手段が、前記第2スタンドから前記第[i−1]スタンドのロール周速度W2〜Wi-1を増速することによって前記圧下率η2〜ηi-1を増加させることを特徴とする請求項6に記載のスリップ防止装置。
  8. 前記閾値Miが−3%〜0%の範囲内であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載のスリップ防止装置。
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