JP2006051526A - 仕上圧延機の鋼板間アイドル時間制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 仕上圧延機にタイミング良く粗圧延後の熱間鋼板を供給して、該仕上圧延機に於ける鋼板間アイドル時間をより短かくする。
【解決手段】 粗圧延機、ディレーテーブル、クロップシャー、複数のスタンドを有する仕上圧延機を順次有する圧延設備で熱間鋼板を圧延する方法において、前記粗圧延機で粗圧延した熱間鋼板を仕上圧延機に搬送するに際し、前記粗圧延機からクロップシャーで先端のクロップを切断する迄は予め設定した速度で搬送し、該クロップシャーから前記仕上圧延機迄の間は、該仕上圧延機に噛み込む熱延鋼板間のアイドル時間が予め設定した時間となるように熱間鋼板の搬送速度を制御する方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 粗圧延機、ディレーテーブル、クロップシャー、複数のスタンドを有する仕上圧延機を順次有する圧延設備で熱間鋼板を圧延する方法において、前記粗圧延機で粗圧延した熱間鋼板を仕上圧延機に搬送するに際し、前記粗圧延機からクロップシャーで先端のクロップを切断する迄は予め設定した速度で搬送し、該クロップシャーから前記仕上圧延機迄の間は、該仕上圧延機に噛み込む熱延鋼板間のアイドル時間が予め設定した時間となるように熱間鋼板の搬送速度を制御する方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鋼板を圧延機で熱間圧延するに際し、圧延機での鋼板間アイドル時間を予め設定した時間になるように鋼板の搬送速度を制御する方法に関するものである。
熱間圧延設備においては圧延ライン全体の生産ピッチを適性に保ち、生産能率を高めるためには被圧延材料である熱間鋼板を最適なピッチで圧延機に供給する事が重要である。 従来、熱間圧延設備の仕上圧延機における鋼板間アイドル制御方法は、例えば特許文献1に提案されている様に、加熱炉、粗圧延機、ディレーテーブル、クロップシャー、仕上圧延機、巻取機を順次有する圧延設備において、予め設定した搬送パターンに基いて搬送時間を予測し、この予測搬送時間を基にして加熱抽出ピッチを制御すると共に、ライン上流側での搬送時間の予測誤差をディレーテーブルにて、粗圧延後の熱間鋼板を一時待機させて修正し、仕上圧延機に該熱間鋼板を搬送するものであった。
特開昭62−289308号公報
この方法を用いると、仕上圧延機に噛み込む鋼板間のアイドル時間の制御性は向上するが、下記の問題点が潜在しており、仕上圧延機に噛み込む時間の調整精度は充分ではなかった。
ライン上流側から搬送する予測時間の誤差修正の為に、前記ディレーテーブル上にて一時待機させるが、熱間鋼板をディレーテーブル上で停止させて待機させると、該鋼板のディレーテーブルのロール接触部分が局部的に冷却され、圧延時に厚みが過厚となる恐れがある。
ライン上流側から搬送する予測時間の誤差修正の為に、前記ディレーテーブル上にて一時待機させるが、熱間鋼板をディレーテーブル上で停止させて待機させると、該鋼板のディレーテーブルのロール接触部分が局部的に冷却され、圧延時に厚みが過厚となる恐れがある。
これを防止する為に、ディレーテーブル上での繰り返し前後進をさせて待機させる方法がとられる。しかしこれは、常に鋼板位置を変化させて待機するものであり、その待機状態を解除するタイミングによって、仕上圧延機への到達時間にバラツキが伴っていた。
仕上圧延機には、圧延する熱間鋼板を幅方向に拘束するサイドガイドや圧延ロールがあり、これらは圧延する熱間鋼板ごとに適切な幅やロール間隙に設定する必要があり、この準備完了以前に熱間鋼板が進入すると、サイドガイドへの突っかけや、圧下と速度のアンバランスによって熱間鋼板がたくれ込み、ミスロールによる長時間の操業休止に直結する。
仕上圧延機には、圧延する熱間鋼板を幅方向に拘束するサイドガイドや圧延ロールがあり、これらは圧延する熱間鋼板ごとに適切な幅やロール間隙に設定する必要があり、この準備完了以前に熱間鋼板が進入すると、サイドガイドへの突っかけや、圧下と速度のアンバランスによって熱間鋼板がたくれ込み、ミスロールによる長時間の操業休止に直結する。
つまり、これら設備の準備時間は最短アイドルの制約値であり、生産性の向上の為にアイドルを縮めても、これを下廻ると長時間の操業休止に繋がる。
実操業においては、前記制御バラツキを考慮して、これらバラツキが発生しても最短アイドルの制約時間を下回らない様に、最初から与える鋼板間のアイドル目標時間に余裕を持たせ、生産性の低下を犠牲にしつつ操業せざるを得なかった。
しかしながら、既設の設備を最大限に活用して能力を最大限に発揮させる為には、これらバラツキを改善し、この余裕も切り詰めて生産性を向上していく必要がある。
実操業においては、前記制御バラツキを考慮して、これらバラツキが発生しても最短アイドルの制約時間を下回らない様に、最初から与える鋼板間のアイドル目標時間に余裕を持たせ、生産性の低下を犠牲にしつつ操業せざるを得なかった。
しかしながら、既設の設備を最大限に活用して能力を最大限に発揮させる為には、これらバラツキを改善し、この余裕も切り詰めて生産性を向上していく必要がある。
本発明は、上記バラツキを抑え、精度良く仕上圧延機に粗圧延後の熱間鋼板を供給し、仕上圧延機の目標の鋼板間アイドル時間をより短かくすることを課題とするものである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、以下の構成を要旨とする。
(1) 粗圧延機、ディレーテーブル、クロップシャー、複数のスタンドを有する仕上圧延機を順次有する圧延設備で熱間鋼板を圧延する方法において、前記粗圧延機で粗圧延した熱間鋼板を仕上圧延機に搬送するに際し、前記粗圧延機からクロップシャーで先端のクロップを切断する迄は予め設定した速度で搬送し、該クロップシャーから前記仕上圧延機迄の間は、該仕上圧延機に噛み込む熱延鋼板間のアイドル時間が予め設定した時間となるように熱間鋼板の搬送速度を制御することを特徴とする仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
(2) 前記クロップシャーから前記仕上圧延機迄の間で熱間鋼板の搬送速度を制御するに際し、前記クロップシャーで後行鋼板の先端の切断が完了した時点で、予め設定した前記後行鋼板の搬送速度パターンから該後行鋼板先端が予め設定した仕上圧延機の第1スタンドの入側に到達する時間を予測すると共に先行鋼板の尾端が該第1スタンドを抜ける時刻を求め、この第1スタンドの入側に後行鋼板先端が到達する時間と先行鋼板尾端が抜ける時刻から仕上圧延機の鋼板間アイドル時間を求め、その鋼板間アイドル時間が予め設定した時間となるように、後行鋼板のシャーから前記仕上圧延機までの搬送速度を制御することを特徴とする前記(1)記載の仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
(3) 前記先行鋼板の尾端が前記第1スタンドを抜ける時刻を、前記先行鋼板尾端が既に第1スタンドを抜けている場合には、その実績時刻とし、未だ抜けていない場合には、前記後行鋼板先端の切断完了時点における先行鋼板の尾端位置とその尾端の進行速度から予測した時刻とすることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
(1) 粗圧延機、ディレーテーブル、クロップシャー、複数のスタンドを有する仕上圧延機を順次有する圧延設備で熱間鋼板を圧延する方法において、前記粗圧延機で粗圧延した熱間鋼板を仕上圧延機に搬送するに際し、前記粗圧延機からクロップシャーで先端のクロップを切断する迄は予め設定した速度で搬送し、該クロップシャーから前記仕上圧延機迄の間は、該仕上圧延機に噛み込む熱延鋼板間のアイドル時間が予め設定した時間となるように熱間鋼板の搬送速度を制御することを特徴とする仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
(2) 前記クロップシャーから前記仕上圧延機迄の間で熱間鋼板の搬送速度を制御するに際し、前記クロップシャーで後行鋼板の先端の切断が完了した時点で、予め設定した前記後行鋼板の搬送速度パターンから該後行鋼板先端が予め設定した仕上圧延機の第1スタンドの入側に到達する時間を予測すると共に先行鋼板の尾端が該第1スタンドを抜ける時刻を求め、この第1スタンドの入側に後行鋼板先端が到達する時間と先行鋼板尾端が抜ける時刻から仕上圧延機の鋼板間アイドル時間を求め、その鋼板間アイドル時間が予め設定した時間となるように、後行鋼板のシャーから前記仕上圧延機までの搬送速度を制御することを特徴とする前記(1)記載の仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
(3) 前記先行鋼板の尾端が前記第1スタンドを抜ける時刻を、前記先行鋼板尾端が既に第1スタンドを抜けている場合には、その実績時刻とし、未だ抜けていない場合には、前記後行鋼板先端の切断完了時点における先行鋼板の尾端位置とその尾端の進行速度から予測した時刻とすることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
本発明によれば、クロップシャー以降にて仕上圧延機への噛み込み時間を制御する事により、ディレーテーブルで発生する前述の制御時間のバラツキを吸収して、鋼板間アイドル時間を確実に短くする事が可能となり、この分野における効果は多大なものである。
本発明者等は、図1に示す圧延設備において、仕上圧延機の目標の鋼板間アイドル時間をより短かくするために種々実験、検討し、その解決策を見出した。
先ず、図1に示す圧延設備のブロック図について説明する。
図中、2は熱間鋼板1、5の先尾端のクロップを切断する回転ドラム式のクロップシャー、3は粗圧延機12と仕上圧延機6の間に設けたディレーテーブル、7はクロップシャー2の回転ドラム(図示せず)の回転角度でクロップ切断の完了を検知するクロップ切断完了検出装置、8はディレーテーブル3と仕上圧延機6との間に設けたアイドルロール4の回転速度により熱間鋼板の搬送速度を検知する搬送速度検知装置、9は仕上圧延機6の第一スタンド(以下単に第一スタンドと称す)6−1を熱間鋼板が噛抜けたか否かを判定するロードセル等の鋼板在荷判定装置、10はアイドル制御装置、11は設定器、13はディレーテーブル3の各ロールの駆動装置である。
先ず、図1に示す圧延設備のブロック図について説明する。
図中、2は熱間鋼板1、5の先尾端のクロップを切断する回転ドラム式のクロップシャー、3は粗圧延機12と仕上圧延機6の間に設けたディレーテーブル、7はクロップシャー2の回転ドラム(図示せず)の回転角度でクロップ切断の完了を検知するクロップ切断完了検出装置、8はディレーテーブル3と仕上圧延機6との間に設けたアイドルロール4の回転速度により熱間鋼板の搬送速度を検知する搬送速度検知装置、9は仕上圧延機6の第一スタンド(以下単に第一スタンドと称す)6−1を熱間鋼板が噛抜けたか否かを判定するロードセル等の鋼板在荷判定装置、10はアイドル制御装置、11は設定器、13はディレーテーブル3の各ロールの駆動装置である。
この設備構成において、仕上圧延機6の目標の鋼板間アイドル時間をより短かくするための方策としては、先ず、粗圧延機12と仕上圧延機6の第一スタンド6−1の間のディレーテーブル3全長域で後行熱間鋼板(以下後行鋼板とも称す)1の搬送速度を制御することを検討した。しかし、ディレーテーブル3の途中に設けたクロップシャー2でクロップを切断する際の鋼板速度が変動すると切断が確実に行えない場合が生じることがあり、この方法は好ましくない事が判明した。
次に、クロップシャー2から第一スタンド6−1までの間Lにおいて、後行熱間鋼板1の搬送速度を制御することを検討した。
クロップシャー2で鋼板の先端のクロップを切断してしまうと、その後は後行熱間鋼板1の搬送速度を制約する条件はなく、しかも、先端のクロップの切断直後は、後行熱間鋼板1の先端が常にクロップシャー2の直下の決まった位置にあり、また、先端の位置に関するクロップ形状等の誤差要因も除去される。(熱間圧延に於ける粗圧延後の鋼板は30m程度以上の長さを有しているために、仕上圧延機に該鋼板の先端を噛込んだ後に後端のクロップをクロップシャー2で切断することになり、熱間鋼板1の搬送速度制御の制約にならない。)
また、前記バラツキで生じる時間誤差は3〜4秒以内であり、また、クロップシャー2から第一スタンド6−1までの距離Lは10m程度であることから、この間で後行熱間鋼板1の搬送速度を調整すれば前記時間的誤差は吸収可能で有ることが判明した。
クロップシャー2で鋼板の先端のクロップを切断してしまうと、その後は後行熱間鋼板1の搬送速度を制約する条件はなく、しかも、先端のクロップの切断直後は、後行熱間鋼板1の先端が常にクロップシャー2の直下の決まった位置にあり、また、先端の位置に関するクロップ形状等の誤差要因も除去される。(熱間圧延に於ける粗圧延後の鋼板は30m程度以上の長さを有しているために、仕上圧延機に該鋼板の先端を噛込んだ後に後端のクロップをクロップシャー2で切断することになり、熱間鋼板1の搬送速度制御の制約にならない。)
また、前記バラツキで生じる時間誤差は3〜4秒以内であり、また、クロップシャー2から第一スタンド6−1までの距離Lは10m程度であることから、この間で後行熱間鋼板1の搬送速度を調整すれば前記時間的誤差は吸収可能で有ることが判明した。
本発明は、この知見を基になされたものであり、その具体的な制御方法、即ち、クロップシャー2と第一スタンド6−1間において後行熱間鋼板1の搬送速度を制御する方法を、図1〜図4を用いて以下に説明する。
本例は請求項1及び2に対応するものであり、図1、図2を参照しつつ説明する。
まず、被制御対象熱間鋼板である後行鋼板1の先端クロップがクロップシャー2で切断された(先尾端切断完了検出装置7から切断完了情報が入力した)時点で、仕上圧延機6の第一スタンド6−1に設けた鋼板在荷判定装置9が、先行熱間鋼板(以下先行鋼板とも称す)5の後端が該第一スタンド6−1を噛抜けしていると判定している場合について説明する。
まず、被制御対象熱間鋼板である後行鋼板1の先端クロップがクロップシャー2で切断された(先尾端切断完了検出装置7から切断完了情報が入力した)時点で、仕上圧延機6の第一スタンド6−1に設けた鋼板在荷判定装置9が、先行熱間鋼板(以下先行鋼板とも称す)5の後端が該第一スタンド6−1を噛抜けしていると判定している場合について説明する。
まず、仕上圧延機6の第一スタンド6−1に設けた鋼板在荷判定装置9で先行鋼板5の尾端が該第一スタンド6−1を噛抜けた事を検出すると、その検出情報をアイドル制御装置10に出力する。そしてアイドル制御装置10は、この噛抜時刻TM2aを記憶する。 その後、後行鋼板1がクロップシャー2に搬送され、該後行鋼板1の先端クロップをクロップシャー2で切断された事をクロップ切断完了検出装置7で検出すると、その切断完了情報をアイドル制御装置10に出力する。これによりアイドル制御装置10はその情報を入力した時刻を切断完了時刻TM3aとして記憶する。
そして、後行鋼板1の先端クロップをクロップシャー2で切断した以降から第一スタンド6−1までの後行鋼板1の搬送速度は、図2の実線に示す様に、第一スタンド6−1の噛込速度と同等の搬送速度V1にて搬送されるよう予め設定されている。
さらに、この時点(後行鋼板1の先端クロップをクロップシャー2で切断した時点)で、後行鋼板1の先端はクロップシャー2の直下にあるので、予め設定器11から設定しているクロップシャー2と第一スタンド6−1までの距離Lを基に、後行鋼板1が前記設定搬送速度V1のまま搬送された際に、該後行鋼板1の先端が第一スタンド6−1に到達するのに必要な時間T2a(T2a=L/V1)を算出する。そして、この演算した時間T2aを切断完了時刻TM3aに加算して、後行鋼板1の先端が第一スタンド6−1に噛込時刻TM4aを求める。
さらに、この時点(後行鋼板1の先端クロップをクロップシャー2で切断した時点)で、後行鋼板1の先端はクロップシャー2の直下にあるので、予め設定器11から設定しているクロップシャー2と第一スタンド6−1までの距離Lを基に、後行鋼板1が前記設定搬送速度V1のまま搬送された際に、該後行鋼板1の先端が第一スタンド6−1に到達するのに必要な時間T2a(T2a=L/V1)を算出する。そして、この演算した時間T2aを切断完了時刻TM3aに加算して、後行鋼板1の先端が第一スタンド6−1に噛込時刻TM4aを求める。
また先行鋼板5は、既に時刻TM2aにて第一スタンド6−1を抜けているので、仕上第一スタンド6−1のアイドル時間T1aを時刻TM2a〜TM4aの間の時間差(TM4a−TM2a)で求める。
そして、予め設定器11から設定した目標アイドル時間T refと算出アイドル時間T1aからその差ΔT1a(=T1a−T ref)を求め、この求めたアイドル時間差ΔT1aの分だけ、ディレーテーブル3での搬送速度を制御して到達時間を調整して、仕上圧延機6でのアイドル時間を目標アイドル時間T refに近づける。
そして、予め設定器11から設定した目標アイドル時間T refと算出アイドル時間T1aからその差ΔT1a(=T1a−T ref)を求め、この求めたアイドル時間差ΔT1aの分だけ、ディレーテーブル3での搬送速度を制御して到達時間を調整して、仕上圧延機6でのアイドル時間を目標アイドル時間T refに近づける。
即ち、算出したアイドル時間差ΔT1aが正の場合、つまり、クロップシャー2での切断完了時刻TM3aが、後行鋼板1の先端が該クロップシャー2に到達するタイミングとクロップシャー2の回転角の関係で目標より遅れて、算出アイドル時間T1aが目標アイドル時間T refより長くなった場合には、後行鋼板1の搬送速度を前記設定搬送速度V1より速くして、アイドル時間差ΔT1a分速く第一スタンド6−1に到達する様にすればよく、その搬送速度V2は、V2=L/(T2a−ΔT1a)で算出して、その算出搬送速度V2をディレーテーブル3の駆動装置13に出力して、該ディレーテーブル3の鋼板搬送速度を速くして、時刻TM5aに第一スタンド6−1に到着する様にする。
また、前記とは逆に、算出アイドル時間差(ΔT1ab)が負の場合、つまり、クロップシャー2での切断完了時刻(TM3ab)が、後行鋼板1先端のクロップシャー2到達タイミングとクロップシャー2回転角の関係で目標より早くなった場合について、図1、図3を参照しつつ説明する。
図3中に示す様に、クロップシャー2での切断完了時刻TM3abが先行鋼板5の噛抜時刻TM2aに接近すると、これに伴って後行鋼板1先端の第一スタンド6−1到達時刻TM4abも早くなる。これにより算出アイドル時間T1ab(=TM4ab−TM2a)が目標アイドル時間T refより短くなる場合がある。この場合には、後行鋼板1の搬送速度を前記設定搬送速度V1より遅くして、算出アイドル時間差ΔT1ab分遅く第一スタンド6−1に到達する様にする必要がある。
このため、第一スタンド6−1に於ける先行鋼板5尾端の噛抜時刻TM2a、クロップシャー2に於ける後行鋼板1先端クロップの切断完了時刻TM3ab、後行鋼板1の先端が第一スタンド6−1に噛込時刻TM4abを前記同様にして求め、この各時刻から前記同様にして先行鋼板5と後行鋼板1の算出アイドル時間T1abを求める。そして、この算出アイドル時間T1abと目標アイドル時間T refからアイドル時間差ΔT1abを求め、更に、前記同様に、予め設定した速度V1で後行鋼板1を搬送した際に於ける該後行鋼板1の先端が第一スタンド6−1に到達するのに必要な時間T2a(=L/V1)を算出する。
このアイドル時間差ΔT1ab、速度V1での後行鋼板1第一スタンド6−1到達時間T2a、クロップシャー2と第一スタンド6−1の間の距離Lを基にして、該アイドル時間差ΔT1abが零になる様に、後行鋼板1の搬送速度V3をL/(T2a+ΔT1ab)により算出して、その算出搬送速度V3をディレーテーブル3の駆動装置13に出力し、該ディレーテーブル3の鋼板搬送速度を遅くして、時刻TM5aに第一スタンド6−1に到着する様にする。
本例は請求項3に対応するものである。
クロップシャー2で後行鋼板1先端クロップの切断が完了した(クロップ切断完了検出装置7から切断完了情報が入力した)時点で、第一スタンド6−1に設けた鋼板在荷判定装置9が先行鋼板5がまだ第一スタンド6−1に在ると判断している場合について、図4を参照して説明する。
クロップシャー2で後行鋼板1先端クロップの切断が完了した(クロップ切断完了検出装置7から切断完了情報が入力した)時点で、第一スタンド6−1に設けた鋼板在荷判定装置9が先行鋼板5がまだ第一スタンド6−1に在ると判断している場合について、図4を参照して説明する。
先行鋼板5の尾端クロップをクロップシャー2で切断された事をクロップ切断完了検出装置7で検出すると、その切断完了情報はアイドル制御装置10に入力される。これによりアイドル制御装置10はその時刻TM1bを記憶する。更に、アイドル制御装置10は入力している搬送速度検知装置8で測定した先行鋼板5の鋼板搬送速度V0を基にして、この先行鋼板5の尾端が第一スタンド6−1を噛抜するまでの予測所要時間TTbをL/V0により求め、更に、その予測時刻TM4b(=TM1b+T1b)を求める。
その後、クロップ切断完了検出装置7から後行鋼板1先端クロップをクロップシャー2で切断完了の情報を入力すると、先のケースと同様に、その時刻TM3bを記憶すると共に、後行鋼板1の第一スタンド6−1へ到達するのに必要な時間T2bを、該鋼板の搬送速度V1と距離Lを基にしてL/V1により算出し、その時の予測時刻TM4b(=TM3b+T2b)を求める。
そして、この場合の鋼板間の予測アイドルT1bは、後行鋼板1の先端が第一スタンド6−1に到達する時刻TM4bと先行鋼板5の尾端が第一スタンド6−1を噛抜する時刻TM2bの差であり、該先行鋼板5尾端の第一スタンド6−1噛抜時点を基準にすると、T2b−(TTb−(TM3b−TM1b))により求る事が出来る。
さらに、この予測アイドルTbと、予め設定器11から設定した目標アイドル時間T refとの差ΔT1bを求め、求めたアイドル時間差ΔT1bにより、クロップシャー2と第一スタンド6−1の間における後行鋼板1の搬送速度V2bを算出し、前記アイドル制御装置10に出力する。そして、アイドル制御装置10は入力したアイドル時間差ΔT1bに基づいて、[実施例1]と同様に、駆動装置13を介してディレーテーブル3の鋼板搬送速度を調整してアイドル時間が設定時間になる様に、時刻TM5bに後行鋼板1が第1スタンドに噛込む様にする。
さらに、この予測アイドルTbと、予め設定器11から設定した目標アイドル時間T refとの差ΔT1bを求め、求めたアイドル時間差ΔT1bにより、クロップシャー2と第一スタンド6−1の間における後行鋼板1の搬送速度V2bを算出し、前記アイドル制御装置10に出力する。そして、アイドル制御装置10は入力したアイドル時間差ΔT1bに基づいて、[実施例1]と同様に、駆動装置13を介してディレーテーブル3の鋼板搬送速度を調整してアイドル時間が設定時間になる様に、時刻TM5bに後行鋼板1が第1スタンドに噛込む様にする。
前記実施例1、2では、クロップシャー2と第一スタンド6−1の間における後行鋼板1の搬送速度を調整する際に、簡略化のため四角形になる様に急速(直角)に加減速したが、設備保護的には加減速レートを加味して台形(点線)になる様にすることが好ましく、この場合には、この台形面積と四角形面積が同一となる様に若干速度を増減する。
1:後行鋼板 2:クロップシャー
3:ディレーテーブル 4:アイドルロール
5:先行鋼板 6:仕上圧延機
7:クロップ切断完了検知装置 8:鋼板速度検知装置
9:鋼板在荷判定装置 10:アイドル制御装置
11:設定器 12:粗圧延機
13:駆動装置
3:ディレーテーブル 4:アイドルロール
5:先行鋼板 6:仕上圧延機
7:クロップ切断完了検知装置 8:鋼板速度検知装置
9:鋼板在荷判定装置 10:アイドル制御装置
11:設定器 12:粗圧延機
13:駆動装置
Claims (3)
- 粗圧延機、ディレーテーブル、クロップシャー、複数のスタンドを有する仕上圧延機を順次有する圧延設備で熱間鋼板を圧延する方法において、前記粗圧延機で粗圧延した熱間鋼板を仕上圧延機に搬送するに際し、前記粗圧延機からクロップシャーで先端のクロップを切断する迄は予め設定した速度で搬送し、該クロップシャーから前記仕上圧延機迄の間は、該仕上圧延機に噛み込む熱延鋼板間のアイドル時間が予め設定した時間となるように熱間鋼板の搬送速度を制御することを特徴とする仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
- 前記クロップシャーから前記仕上圧延機迄の間で熱間鋼板の搬送速度を制御するに際し、前記クロップシャーで後行鋼板の先端の切断が完了した時点で、予め設定した前記後行鋼板の搬送速度パターンから該後行鋼板先端が仕上圧延機の第1スタンドの入側に到達する時間を予測すると共に先行鋼板の尾端が該第1スタンドを抜ける時刻を求め、この第1スタンドの入側に後行鋼板先端が到達する時間と先行鋼板尾端が抜ける時刻から仕上圧延機の鋼板間アイドル時間を求め、その鋼板間アイドル時間が予め設定した時間となるように、後行鋼板のシャーから前記仕上圧延機までの搬送速度を制御することを特徴とする請求項1記載の仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
- 前記先行鋼板の尾端が前記第1スタンドを抜ける時刻を、前記先行鋼板尾端が既に第1スタンドを抜けている場合には、その実績時刻とし、未だ抜けていない場合には、前記後行鋼板先端の切断完了時点における先行鋼板の尾端位置とその尾端の進行速度から予測した時刻とすることを特徴とする請求項1又は2記載の仕上圧延機の鋼板間アイドル制御方法。
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2004
- 2004-08-12 JP JP2004235426A patent/JP2006051526A/ja not_active Withdrawn
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