JP6149689B2 - 車両用ドア開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドア開閉装置に関するものである。
従来、車両用ドア開閉装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この装置は、回転に伴って開扉用ケーブル及び閉扉用ケーブルのいずれか一方及び他方をそれぞれ巻き取り及び巻き出すことで車両ドア(スライド扉)を開閉作動させるワイヤードラムを備える。また、この装置は、回転に伴って車両ドアを全閉状態で保持するドアロックのラッチからポール(ラチェット)を離脱させる揺動アームを備える。そして、モータの出力軸(円筒ウォーム)に噛合する第1ウォームホイールとワイヤードラムとの間に第1クラッチが設けられるとともに、当該出力軸に噛合する第2ウォームホイールと揺動アームとの間に第2クラッチが設けられている。これにより、第1クラッチ及び第2クラッチを制御することで、1つのモータを連続回転させたままワイヤードラムの回転と揺動アームの回転とを行えるようにしている。
特許第3694493号公報
ところで、特許文献1では、モータの出力軸に対しその軸線を中心とする径方向一側に配置された第1支持軸にてワイヤードラム、第1クラッチ及び第1ウォームホイールが支持されており、径方向他側に配置された第1支持軸に平行な第2支持軸にて揺動アーム、第2クラッチ及び第2ウォームホイールが支持されている。このため、車両用ドア開閉装置をモータの出力軸の軸線方向に投影したときの車両用ドア開閉装置の占有面積が増大して車両搭載性の悪化を余儀なくされる。
そこで、第1支持軸及び第2支持軸を同軸に配置して、ワイヤードラム及び揺動アームを第1及び第2クラッチ等と共に共通の軸線方向に重ねて配置することが本発明者によって提案されている。しかしながら、この場合には、車両用ドア開閉装置が当該軸線方向に大型化するという別の課題が発生することになる。
本発明の目的は、第1及び第2クラッチ等の軸線方向への大型化を抑制することができる車両用ドア開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用ドア開閉装置は、モータにより回転駆動される伝達ギヤと、前記伝達ギヤと同軸に配置され、回転に伴ってロープ部材を移動させることで車両ドアを開閉作動させるプーリと、前記伝達ギヤと同軸に配置され、回転に伴ってドアロックを前記車両ドアの保持状態にさせ、あるいは前記ドアロックを前記車両ドアの保持の解除状態にさせる出力部材と、前記伝達ギヤと同軸で前記プーリに収容され、前記伝達ギヤ及び前記プーリ間の回転伝達を断接する第1クラッチと、前記伝達ギヤと同軸で該伝達ギヤに収容され、前記伝達ギヤ及び前記出力部材間の回転伝達を断接する第2クラッチとを備える。
この構成によれば、前記第1クラッチにより前記伝達ギヤ及び前記プーリ間の回転伝達を接続状態にするとともに、前記第2クラッチにより前記伝達ギヤ及び前記出力部材間の回転伝達を切断状態にすることで、前記モータにより回転駆動される前記伝達ギヤの回転が前記プーリのみに伝達される。これにより、前記プーリが回転して前記ロープ部材が移動し、前記車両ドアが開閉作動する。一方、前記第1クラッチにより前記伝達ギヤ及び前記プーリ間の回転伝達を切断状態にするとともに、前記第2クラッチにより前記伝達ギヤ及び前記出力部材間の回転伝達を接続状態にすることで、前記モータにより回転駆動される前記伝達ギヤの回転が前記出力部材のみに伝達される。これにより、前記出力部材が回転して前記ドアロックが前記車両ドアの保持状態にし、あるいは前記ドアロックが前記車両ドアの保持の解除状態にする。特に、前記伝達ギヤ、前記プーリ、前記出力部材、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチが互いに同軸に配置されるものの、前記第1クラッチが前記プーリに収容され、前記第2クラッチが前記伝達ギヤに収容されることで、それらの軸線方向への大型化を抑制することができる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチは、共に遊星歯車機構で構成されることが好ましい。
この構成によれば、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの各々は、前記遊星歯車機構のサンギヤ、内歯車及びキャリアを入力軸、出力軸及び回転伝達時の固定軸のいずれかとして採用することができ、設計の自由度を向上させることができる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記伝達ギヤには、前記両遊星歯車機構のサンギヤが一体形成されることが好ましい。
この構成によれば、前記伝達ギヤに前記両サンギヤが一体形成されることで、部品点数を削減することができる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記モータを支持するモータハウジングと、前記プーリ及び前記第1クラッチを収容する第1収容空間を、前記モータハウジングとともに形成する第1ハウジングと、前記伝達ギヤ及び前記第2クラッチを収容する第2収容空間を、前記モータハウジングとともに形成する第2ハウジングとを備え、前記モータハウジングは、前記第1収容空間と前記第2収容空間とを連通する貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記第1クラッチの前記サンギヤの径よりも大きく設定されていることが好ましい。
この構成によれば、前記第1収容空間と前記第2収容空間とを分けつつ、部材の軸方向への組付けを可能とする。
上記車両用ドア開閉装置について、前記伝達ギヤは樹脂材料にて成形されており、前記両サンギヤは互いに異なる径に設定されていることが好ましい。
この構成によれば、前記両サンギヤを互いに異なる径とすることで、前記伝達ギヤを樹脂材料にて成形した場合にひけを生じ難くすることができる。また、径が小さい方の前記サンギヤを、高い減速比が必要である出力側のクラッチに用いることにより、例えばリングギヤの径を大きくすることなく高い減速比を得ることが可能となる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記伝達ギヤと共に前記プーリ及び前記第1クラッチを支持する第1支持軸と、前記伝達ギヤと共に前記出力部材及び前記第2クラッチを支持する前記第1支持軸とは独立の第2支持軸とを有することが好ましい。
この構成によれば、前記プーリ等を支持する前記第1支持軸及び前記出力部材等を支持する前記第2支持軸が互いに独立していることで、互いに制約し合うことなくそれら第1支持軸及び第2支持軸の各々を前記遊星歯車機構の入力軸、出力軸及び回転伝達時の固定軸のいずれかとして採用することができ、設計の自由度を向上させることができる。
本発明は、第1及び第2クラッチ等の軸線方向への大型化を抑制できる効果がある。
本発明の第1の実施形態を模式的に示す側面図。 同実施形態を模式的に示す側面図。 (a)〜(c)は、ラッチ機構の動作を示す説明図。 同実施形態を示す分解斜視図。 同実施形態を示す縦断面図。 (a)、(b)は、第2クラッチの動作を示す説明図。 (a)、(b)は、ラッチ機構の動作を示す説明図。 (a)〜(c)は、ラッチ機構の動作を示す説明図。 (a)〜(c)は、出力レバーの動作を示す説明図。 本発明の第2の実施形態を示す分解斜視図。 同実施形態を示す縦断面図。 本発明の変形形態を示す部分縦断面図。
(第1の実施形態)
以下、車両用ドア開閉装置の第1の実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」という。
図1に示すように、車両ボデー10には、その側部に形成されたドア開口10aの上縁及び下縁に沿ってアッパレール11及びロアレール12が設置されるとともに、ドア開口10aの車両の後方のクォータパネル10bにおいて前後方向に延在するセンターレール13が設置されている。そして、これらアッパレール11、ロアレール12及びセンターレール13には、ガイドローラユニット14を介して車両ドアとしてのスライドドア20が前後方向に移動可能に支持されている。スライドドア20は、前後方向への移動に伴ってドア開口10aを開閉する。なお、クォータパネル10bには、センターレール13の下縁に沿ってその略全長に亘りケーブルガイド15が設置されている。
スライドドア20の内部下部には、駆動部材21が固定されている。この駆動部材21は、モータ22及び該モータ22により回転駆動されるプーリとしてのドラム23を有しており、該ドラム23にはロープ部材としての第1ケーブル24及び第2ケーブル25が巻回されている。すなわち、これら第1及び第2ケーブル24,25の各々は、一方の端末がドラム23に連結された状態で該ドラム23に巻回されている。第1及び第2ケーブル24,25は、駆動部材21により選択的に巻き取り及び巻き出しされる。
また、第1及び第2ケーブル24,25の各々は、中間プーリ26及びセンターレール13を移動するガイドローラユニット14に連結された案内プーリ27を経てスライドドア20側から車両ボデー10側へと渡され、ケーブルガイド15に沿って前後方向に配索されている。そして、第1ケーブル24は、ケーブルガイド15に案内されて車両の前方に配索され、他方の端末に連結されたテンショナー28を介して、ケーブルガイド15の前端側で車両ボデー10側に連結されている。また、第2ケーブル25は、ケーブルガイド15に案内されて車両の後方に配索され、他方の端末に連結されたテンショナー29を介して、ケーブルガイド15の後端側で車両ボデー10側に連結されている。
このような構成にあって、例えば駆動部材21により第1ケーブル24を巻き出しつつ第2ケーブル25を巻き取ると、スライドドア20はドア開口10aを開放すべく車両の後方に移動する。一方、駆動部材21により第1ケーブル24を巻き取りつつ第2ケーブル25を巻き出すと、スライドドア20はドア開口10aを閉鎖すべく車両の前方に移動する。
図2に示すように、スライドドア20内には、リモコン(リモートコントローラ)30が設置されている。このリモコン30は、複数のレバー等で構成される周知の機構部31を有する。また、スライドドア20には、その前部及び後部にドアロックとしてのフロントロック32及びリアロック33がそれぞれ設置されるとともに、下部にドアロックとしての全開ロック34が設置されている。
フロントロック32及びリアロック33の各々は、車両ボデー10側と係合してスライドドア20を閉状態(全閉状態又は半ドア状態)に保持し、あるいは、車両ボデー10側との係合を解除して閉状態にあるスライドドア20を開可能状態にする。全開ロック34は、車両ボデー10側と係合してスライドドア20を全開状態に保持し、あるいは、車両ボデー10側との係合を解除して全開状態にあるスライドドア20を閉可能状態にする。
ここで、リアロック33の構造について説明する。
図3(a)〜(c)に示すように、スライドドア20には、ベースプレート20aが固定されている。そして、リアロック33は、ベースプレート20aに支持されたラッチ機構70を有する。このラッチ機構70は、ベースプレート20aに配置された互いに平行な一対の回転軸71,72の周りにそれぞれ回転自在なラッチ73及びポール74を有する。
ラッチ73には、略U字状の係合凹部73aが形成されている。そして、ラッチ73は、係合凹部73aを挟んでその一側及び他側(図3(a)において時計回転方向及び反時計回転方向の側)にそれぞれ第1爪部73b及び第2爪部73cを形成する。また、ラッチ73は、第1爪部73bの長手方向中間部から突出する第3爪部73dを形成する。周方向において、第1爪部73bの先端部及び第3爪部73dの第2爪部73cに対向する端面は、フルラッチ係合面73e及びハーフラッチ係合面73fをそれぞれ形成する。このラッチ73は、ラッチ付勢ばね(図示略)により図示反時計回転方向に回動する側に付勢され、図3(a)に示す所定の回動位置(以下、「アンラッチ位置」ともいう)に保持される。なお、ラッチ73は、回転軸71から係合凹部73aの反対側に延出するアーム状の連動片73gを有する。
一方、ポール74は、回転軸72からその径方向一側(図3(a)の右側)に延出する略鉤爪状の係合端部74aを形成する。このポール74は、ポール付勢ばね(図示略)により図示時計回転方向に回動する側、即ち係合端部74aを図示下側に移動させる側に付勢され、図3(a)に示す所定の回動位置に保持される。
ここで、ラッチ機構70の基本的な動作について説明する。
図3(a)に示すように、スライドドア20が開放されている状態では、前記アンラッチ位置に保持されるラッチ73は、車両ボデー10に固着されたストライカ75に係合凹部73aを対向させる。つまり、係合凹部73aは、スライドドア20の閉作動に伴うストライカ75の進入経路を開放している。また、前記所定の回動位置に保持されるポール74は、係合端部74aを第3爪部73dの図示上側に配置する。なお、このときのラッチ機構70の状態をアンラッチ状態(解除状態)という。
次に、図3(a)から図3(b)への変化で示すように、スライドドア20の閉作動に伴い、係合凹部73a内にストライカ75が進入したとする。この際、ストライカ75により係合凹部73aの内壁面が押圧されることで、ラッチ73は、ラッチ付勢ばねに抗して図示時計回転方向に回動し、ハーフラッチ係合面73fに係合端部74aが係止されることで回り止めされる。このとき、スライドドア20は、係合凹部73aにおいてストライカ75と係合してこれを抜け止めする半ドア状態にある。このときのラッチ機構70の状態をハーフラッチ状態といい、ラッチ73の回動位置をハーフラッチ位置という。
続いて、図3(b)から図3(c)への変化で示すように、スライドドア20の更なる閉作動に伴い、係合凹部73a内にストライカ75が更に進入したとする。この際、ストライカ75により係合凹部73aの内壁面が押圧されることで、ラッチ73は、ラッチ付勢ばねに抗して図示時計回転方向に更に回動し、フルラッチ係合面73eに係合端部74aが係止されることで回り止めされる。このとき、スライドドア20は、係合凹部73aにおいてストライカ75と係合してこれを抜け止めする全閉状態にある。このときのラッチ機構70の状態をフルラッチ状態(係合状態)といい、ラッチ73の回動位置をフルラッチ位置という。
また、ハーフラッチ状態又はフルラッチ状態において、ポール74がポール付勢ばねに抗して図示反時計回転方向に回動すると、係合端部74aによるハーフラッチ係合面73f又はフルラッチ係合面73eの係止が解除される。このとき、ラッチ73は、例えばシール部材の反発力などでスライドドア20が開作動し始めることに伴い、係合凹部73a内から退出するストライカ75により係合凹部73aの内壁面が押圧されることで、図示反時計回転方向に回動する。そして、スライドドア20は、係合凹部73aにおけるストライカ75との係合を解除して開放可能となる。
なお、フロントロック32は、ラッチ73の連動片73gが省略されることを除いてリアロック33と同様のラッチ機構70を備えており、リアロック33と同様に動作する。一方、全開ロック34は、リアロック33と同様のラッチ機構70を備えており、「開」及び「閉」をそれぞれ「閉」及び「開」と読み替えることでリアロック33と同様に動作する。
ところで、フロントロック32及びリアロック33の各々は、ポール74においてリモコン30の機構部31に機械的に連係されており、該機構部31からの解除操作力を入力して前述のように車両ボデー10に対してスライドドア20を開可能状態にする。一方、全開ロック34も、ポール74においてリモコン30の機構部31に機械的に連係されており、該機構部31からの解除操作力を入力して車両ボデー10に対してスライドドア20を閉可能状態にする。つまり、この解除操作力は、ラッチ機構70によるスライドドア20の保持状態を解除すべくポール付勢ばねに抗してポール74を回動させる操作力である。
図2に示すように、リモコン30には、その車内側部にインサイドハンドル35が設置されている。このインサイドハンドル35は、リモコン30の機構部31に機械的に連係されており、該機構部31を介してフロントロック32、リアロック33及び全開ロック34の各々に解除操作力を入力する。
例えばスライドドア20の閉状態において、乗員によりインサイドハンドル35が中立位置から車両の後方(以下、「開方向」という)に操作された場合には、該インサイドハンドル35は、機構部31を介してフロントロック32及びリアロック33の各々に解除操作力を入力する。これにより、フロントロック32及びリアロック33の各々は、車両ボデー10に対してスライドドア20を開可能状態にする。
一方、スライドドア20の全開状態において、乗員によりインサイドハンドル35が中立位置から車両の前方(以下、「閉方向」という)に操作された場合には、該インサイドハンドル35は、機構部31を介して全開ロック34に解除操作力を入力する。これにより、全開ロック34は、車両ボデー10に対してスライドドア20を閉可能状態にする。
スライドドア20には、その車外側部にアウトサイドハンドル36が設置されている。このアウトサイドハンドル36は、リモコン30の機構部31に機械的に連係されており、該機構部31を介してフロントロック32、リアロック33及び全開ロック34の各々に解除操作力を入力する。
スライドドア20の内部下部には、前記モータ22により回転駆動される出力部材としての出力レバー37が設けられている。この出力レバー37は、ドラム23と同軸に配置されており、リリースケーブル38を介してリモコン30の機構部31に機械的に連係されるとともに、クローザケーブル39を介してリアロック33(ラッチ73)に機械的に連係されている。
出力レバー37は、一方向に回動することで、リリースケーブル38及び機構部31を介してフロントロック32、リアロック33及び全開ロック34の各々に解除操作力を入力する。これにより、前述のように閉状態にあるスライドドア20が開可能状態となり、あるいは全開状態にあるスライドドア20が閉可能状態となる。
また、出力レバー37は、他方向に回動することで、クローザケーブル39を介してリアロック33に係合操作力を入力する。この係合操作力は、リアロック33のラッチ73をラッチ付勢ばねに抗してハーフラッチ位置からフルラッチ位置へと回動させる操作力である。これにより、リアロック33は、例えばスライドドア20を半ドア状態で保持する状態から全閉状態で保持する状態へとフロントロック32と共に切り替わる。
次に、駆動部材21の構造について更に説明する。
図4及び図5に示すように、駆動部材21は、その外形をなすモータハウジング41、第1ハウジングとしてのドラムカバー42及び第2ハウジングとしてのロッキングハウジング43を有する。モータハウジング41は、例えば樹脂材からなり、その支持するモータ22の回転軸に設けられたウォーム44を回転可能に収容するとともに、樹脂材料からなるウォームホイール45のウォーム44に噛合する伝達ギヤとしてのウォームホイール部45aを回転可能に収容する。なお、ウォームホイール部45aは、図示下側に開口する有蓋略円筒状に成形されて、ギヤ側収容空間Sgを形成する。これは、ウォームホイール部45aは、その外周に沿ってウォーム44(モータ22)が配置されることで外側の空間利用が難しいものの、ウォームホイール部45aの内周部は、収容スペースとして使用可能であるためである。また、ウォームホイール45は、ウォームホイール部45aの蓋壁部からこれと同軸で図示上側及び下側にそれぞれ突出する第1サンギヤ部45b及び第2サンギヤ部45cを一体的に有する。第2サンギヤ部45cは、ギヤ側収容空間Sg内に概ね収まるように成形されている。なお、第1サンギヤ部45b及び第2サンギヤ部45cは、互いに異なる径に、即ち第1サンギヤ部45bの径よりも第2サンギヤ部45cの径の方が小さく設定されている。
ドラムカバー42は、例えば樹脂材にて図示下側に開口する有蓋略円筒状に成形されており、モータハウジング41の図示上側面に固定されて、前記ドラム23を回転可能に収容する。すなわち、ドラム23は、ウォームホイール45と同軸に配置された第1支持軸46に一体回転するように固着されている。この第1支持軸46は、一端が第1サンギヤ部45bに軸支されるとともに、他端がドラムカバー42の蓋壁部に嵌着されたベアリング47に軸支されている。以上により、ドラム23は、ドラムカバー42内で回転可能となっている。
ドラム23は、図示下側に開口する有蓋略円筒状に成形されて、ドラム側収容空間Sdを形成する。これは、ドラム23は、軸線方向の長さ及び直径が大きく内周部が収容スペースとして使用可能であるためである。このドラム側収容空間Sdには、第1リングギヤ48及び第1キャリア49が収容されている。第1サンギヤ部45b、第1リングギヤ48及び第1キャリア49は第1クラッチC1を構成する。
第1リングギヤ48は、図示下側に開口する有蓋略円筒状に成形されており、内周部に形成された第1内歯車48aを有するとともに、ドラム側収容空間Sdから突出する先端から径方向外側に延出してドラム23の開口端面を覆う円環状の大輪ギヤ48bを有する。第1内歯車48aは、第1サンギヤ部45b及び第1キャリア49と共に遊星歯車機構を構成する。
第1キャリア49は、前記第1支持軸46に一体回転するように固着された略Y字板状の第1保持プレート49aを有するとともに、該第1保持プレート49aの分岐する3つの先端部にそれぞれ回転可能に支持された3つの第1遊星歯車49bをする。また、第1キャリア49は、第1保持プレート49aとの間でそれら3つの第1遊星歯車49bを軸線方向に抜け止めする略円環状の第1キャリアプレート49cを有する。第1キャリア49は、第1リングギヤ48への挿入状態で3つの第1遊星歯車49bが第1内歯車48aに噛合するとともに、第1サンギヤ部45bの挿入状態で該第1サンギヤ部45bに3つの第1遊星歯車49bが噛合する。
なお、図4に示すように、ドラムカバー42は、ドラム23に加えて第1クラッチC1を収容する。つまり、ドラムカバー42は、モータハウジング41とともにドラム23及び第1クラッチC1を収容する第1収容空間S1を形成する。このドラムカバー42には、大輪ギヤ48bの軸線方向の位置を含むように径方向に開口するガイド孔42aが形成されている。そして、ドラムカバー42(又はモータハウジング41)には、ガイド孔42aの径方向に対向してガイドブロック50が固定されている。このガイドブロック50には、ガイド孔42aの位置でドラムカバー42の径方向に開口する第1ガイド溝50aが形成されている。この第1ガイド溝50aには、第1内歯車固定用ブロック51が移動自在に装着されている。
第1内歯車固定用ブロック51は、第1リングギヤ48に近付く一方向に第1ガイド溝50aを移動するとき、大輪ギヤ48bと係合することで、第1リングギヤ48を回転不能にする。このとき、第1サンギヤ部45b、第1内歯車48a及び第1キャリア49がそれぞれ遊星歯車機構の入力軸、固定軸及び出力軸となって、第1サンギヤ部45b(ウォームホイール45)の回転が第1キャリア49に伝達可能となる。この状態を第1クラッチC1の接続状態という。
一方、第1内歯車固定用ブロック51は、第1リングギヤ48から離れる他方向に第1ガイド溝50aを移動するとき、大輪ギヤ48bとの係合を解除することで、第1リングギヤ48を回転可能にする。このとき、第1サンギヤ部45b(ウォームホイール45)の回転が第1キャリア49に伝達不能となる。この状態を第1クラッチC1の切断状態という。
第1内歯車固定用ブロック51は、ガイドブロック50よりも図示上側に突出する係合ピン51aを有する。そして、ガイドブロック50の図示上側面には、ピン52により略扇板状の第1切替用レバー53が回動可能に連結されている。この第1切替用レバー53の先端部には、係合ピン51aが挿通される長孔状のカム孔53aが形成されている。第1切替用レバー53は、ピン52を中心に一方向に回動するとき、カム孔53aにて係合ピン51aを押し出すことで、第1内歯車固定用ブロック51を第1リングギヤ48に近付く一方向に移動させる。あるいは、第1切替用レバー53は、ピン52を中心に他方向に回動するとき、カム孔53aにて係合ピン51aを引き込むことで、第1内歯車固定用ブロック51を第1リングギヤ48から離れる他方向に移動させる。
なお、第1切替用レバー53は、例えば電動モータを主体に構成された切替用アクチュエータ54とロッド55を介して連結されており、切替用アクチュエータ54によって一方向及び他方向に選択的に回転駆動される。切替用アクチュエータ54による第1切替用レバー53の駆動タイミング、即ち第1クラッチC1の切替タイミングは、周知のドア位置センサにより検出されるスライドドア20の開閉位置に基づいて制御されるようになっている。
ロッキングハウジング43は、例えば樹脂材からなり、図示上側に開口する有底略円筒状の収容部43aを有する。そして、ロッキングハウジング43は、前記ウォームホイール45を回転可能に支持する。すなわち、収容部43aには、ウォームホイール45と同軸に配置された第2支持軸56が支持されている。この第2支持軸56は、一端が収容部43aの底壁部に形成された図5に示す略円形の軸受孔43bに挿通及び軸支されるとともに、他端が前記第2サンギヤ部45cに軸支されている。以上により、第2サンギヤ部45c(ウォームホイール45)は、第2支持軸56を介してロッキングハウジング43に回転可能に支持されている。
前記ギヤ側収容空間Sgには、第2リングギヤ57及び第2キャリア58が収容されている。第2サンギヤ部45c、第2リングギヤ57及び第2キャリア58は第2クラッチC2を構成する。つまり、ロッキングハウジング43は、モータハウジング41とともにウォームホイール部45a及び第2クラッチC2を収容する第2収容空間S2を形成する。なお、モータハウジング41は、第1収容空間S1と前記第2収容空間S2とを連通する貫通孔A1を有する。この貫通孔A1は、第1クラッチC1の第1サンギヤ部45bの径よりも大きく設定されている。
第2リングギヤ57は、図示上側に開口する有底略円筒状に成形されており、内周部に形成された第2内歯車57aを有するとともに、ギヤ側収容空間Sgから突出する先端から径方向外側に延出する円環状の大輪ギヤ57bを有する。第2内歯車57aは、第2サンギヤ部45c及び第2キャリア58と共に遊星歯車機構を構成する。
第2キャリア58は、前記第2支持軸56に一体回転するように固着された略三角板状の第2保持プレート58aを有するとともに、該第2保持プレート58aの3つの角部にそれぞれ回転可能に支持された3つの第2遊星歯車58bを有する。また、第2キャリア58は、第2保持プレート58aとの間でそれら3つの第2遊星歯車58bを軸線方向に抜け止めする略三角環状の第2キャリアプレート58cを有する。第2キャリア58は、第2リングギヤ57への挿入状態で3つの第2遊星歯車58bが第2内歯車57aに噛合するとともに、第2サンギヤ部45cの挿入状態で該第2サンギヤ部45cに3つの第2遊星歯車58bが噛合する。
ロッキングハウジング43には、収容部43aの径方向に延びて該収容部43a内に連通する第2ガイド溝43cが形成されている。この第2ガイド溝43cには、大輪ギヤ57bに対応する軸線方向の位置で第2内歯車固定用ブロック61が移動自在に装着されている。
図6(a)に示すように、第2内歯車固定用ブロック61は、第2リングギヤ57に近付く一方向に第2ガイド溝43cを移動するとき、大輪ギヤ57bと係合することで、第2リングギヤ57を回転不能にする。このとき、第2サンギヤ部45c、第2内歯車57a及び第2キャリア58がそれぞれ遊星歯車機構の入力軸、固定軸及び出力軸となって、第2サンギヤ部45c(ウォームホイール45)の回転が第2キャリア58に伝達可能となる。この状態を第2クラッチC2の接続状態という。
一方、図6(b)に示すように、第2内歯車固定用ブロック61は、第2リングギヤ57から離れる他方向に第2ガイド溝43cを移動するとき、大輪ギヤ57bとの係合を解除することで、第2リングギヤ57を回転可能にする。このとき、第2サンギヤ部45c(ウォームホイール45)の回転が第2キャリア58に伝達不能となる。この状態を第2クラッチC2の切断状態という。
第2内歯車固定用ブロック61は、一側(図4において上側)に突出する係合ピン61aを有する。一方、ロッキングハウジング43には、その第2ガイド溝43cよりも収容部43aから離れる部位から図示上側にピン状の軸部43dが突設されている。そして、この軸部43dには、略扇板状の第2切替用レバー62が回動可能に連結されている。この第2切替用レバー62の先端部には、係合ピン61aが挿通される長孔状のカム孔63が形成されている。
図6に示すように、このカム孔63は、周方向一側(図6の反時計回転方向の側)の部位に軸部43dを中心とする円弧状の大径溝63aを形成するとともに、周方向他側(図6の時計回転方向の側)の大径溝63aよりも軸部43dに近い部位に該軸部43dを中心とする円弧状の小径溝63bを形成する。そして、これら大径溝63a及び小径溝63bは、傾斜するガイド溝63cを介して互いに連通している。なお、大径溝63aの周方向の長さは、小径溝63bの同長さよりも十分に長く設定されている。
従って、第2切替用レバー62は、軸部43dを中心に一方向(図6の時計回転方向)に回動するとき、カム孔63(大径溝63a)にて係合ピン61aを押し出すことで、第2内歯車固定用ブロック61を第2リングギヤ57に近付く一方向に移動させる。あるいは、第2切替用レバー62は、軸部43dを中心に他方向(図6の反時計回転方向の側)に回動するとき、カム孔63(小径溝63b)にて係合ピン61aを引き込むことで、第2内歯車固定用ブロック61を第2リングギヤ57から離れる他方向に移動させる。
なお、第2切替用レバー62は、軸部43dを中心とする径方向に延出するアーム部64を有する。このアーム部64には、例えばプッシュプルケーブルからなるドア位置連動ケーブル65の一端が連結されている。ドア位置連動ケーブル65の他端は、リアロック33の前記連動片73gに連結されており、アーム部64には、ドア位置連動ケーブル65を介してスライドドア20の開閉位置(開閉状態)に応じた係脱操作力が入力されるようになっている。
すなわち、図7(a)に示すように、開状態からのスライドドア20の閉作動に伴ってリアロック33のラッチ73の係合凹部73a内にストライカ75が進入すると、該ストライカ75により係合凹部73aの内壁面が押圧されることで、ラッチ73は、アンラッチ位置からフルラッチ位置に向かって回動し始める。そして、ラッチ73は、連動片73gでドア位置連動ケーブル65を押す。このとき、図6(b)から図6(a)への変化で示すように、ドア位置連動ケーブル65にアーム部64の押される第2切替用レバー62が図示時計回転方向に回動することで、前述のように第2クラッチC2が接続状態になる。
なお、第2クラッチC2が接続状態になった後も、更なるラッチ73の回動に伴ってドア位置連動ケーブル65に押される第2切替用レバー62は回動し続けることになる。この際、第2内歯車固定用ブロック61の係合ピン61aは、大径溝63aの周方向の範囲で該大径溝63aを空走することで、第2クラッチC2の接続状態が維持される(第2クラッチ側ロストモーション)。
一方、図8(a)に示すように、スライドドア20の全閉状態において、ポール74の係合端部74aによるラッチ73のフルラッチ係合面73eの係止が解除されると、係合凹部73a内から退出するストライカ75により係合凹部73aの内壁面が押圧されることで、ラッチ73は、フルラッチ位置からアンラッチ位置に向かって回動し始める。そして、リアロック33のラッチ73は、連動片73gでドア位置連動ケーブル65を引く。このとき、図6(a)から図6(b)への変化で示すように、ドア位置連動ケーブル65にアーム部64の引かれる第2切替用レバー62が図示反時計回転方向に回動することで、前述のように第2クラッチC2が切断状態になる。第2内歯車固定用ブロック61の係合ピン61aが大径溝63aの周方向の範囲で該大径溝63aを空走する期間を経て第2クラッチC2が切断状態になることはいうまでもない。
なお、全開ロック34は、そのラッチ73の連動片73gにおいて第2切替用レバー62に同様に連結されており、「開」及び「閉」をそれぞれ「閉」及び「開」と読み替えることでリアロック33と同様に第2クラッチC2を動作させる。
図4及び図5に示すように、前記第2支持軸56の収容部43aを貫通する先端には、前記出力レバー37が一体回転するように連結されている。図9(a)〜(c)に併せ示すように、この出力レバー37の先端部には、第2支持軸56を中心とする周方向に延在する長孔状のスリット37aが形成されている。そして、このスリット37aには、前記リリースケーブル38の端末38a及び前記クローザケーブル39の端末39aがそれぞれ挿入及び抜け止めされている。
また、出力レバー37の基端には、一側(図9において紙面に直交する奥側)に屈曲する略四角板状の可動側係止片37bが形成されている。一方、ロッキングハウジング43には、可動側係止片37bよりも第2支持軸56から離れた位置で可動側係止片37bに対向可能な略四角板状の固定側係止片43eが突設されている。
第2支持軸56の周りには、ねじりコイルスプリングからなる復帰スプリング66が巻回されている。この復帰スプリング66の両端末は、第2支持軸56を中心とする固定側係止片43e等に向かう径方向に延びており、該固定側係止片43e等の周方向両端にそれぞれ弾性的に接触可能となっている。
そして、図9(a)に示すように、復帰スプリング66は、固定側係止片43e及び可動側係止片37bが径方向に並ぶように出力レバー37を付勢及び保持する。このときの出力レバー37の回動位置を初期位置Psという。
ここで、図9(a)に示すように、出力レバー37が初期位置Psに保持される状態では、前記リリースケーブル38の端末38a及び前記クローザケーブル39の端末39aがスリット37aの周方向両終端にそれぞれ配置されている。従って、この状態で、図9(b)に示すように、出力レバー37が復帰スプリング66の付勢力に抗して図示反時計回転方向(以下、「リリース方向」ともいう)に回動すると、スリット37aに端末38aの押されるリリースケーブル38が引っ張られる。このとき、機構部31を介してフロントロック32、リアロック33及び全開ロック34の各々に解除操作力が入力されるようになっている。一方、端末39aは、スリット37aの範囲で空走することで、クローザケーブル39が引っ張られることはない(クローザ側ロストモーション)。
一方、図9(c)に示すように、出力レバー37が初期位置Psから復帰スプリング66の付勢力に抗して図示時計回転方向(以下、「クローザ方向」ともいう)に回動すると、スリット37aに端末39aの押されるクローザケーブル39が引っ張られる。このとき、リアロック33のラッチ73に係合操作力が入力されるようになっている。一方、端末38aは、スリット37aの範囲で空走することでリリースケーブル38が引っ張られることはない(リリース側ロストモーション)。
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、スライドドア20が開状態にあるものとする。このとき、アンラッチ位置にあるリアロック33のラッチ73にドア位置連動ケーブル65を介して連動する第2切替用レバー62の小径溝63bに第2内歯車固定用ブロック61の係合ピン61aが位置することで、第2クラッチC2は切断状態となっている。
この状態で、切替用アクチュエータ54により第1クラッチC1を接続状態に切り替え、スライドドア20を閉作動すべくモータ22を回転させると、ウォーム44の回転がウォームホイール部45a及び第1クラッチC1を介してドラム23に伝達され、スライドドア20が閉作動を開始する。
図7(a)に示すように、スライドドア20の閉作動に伴ってラッチ73の係合凹部73a内にストライカ75が進入すると、該ストライカ75により係合凹部73aの内壁面が押圧されるラッチ73がアンラッチ位置から回動し始める。また、リアロック33のラッチ73の連動片73gにドア位置連動ケーブル65を介して押される第2切替用レバー62が回動し始める。そして、ラッチ73がハーフラッチ位置の近くまで回動すると、第2切替用レバー62の大径溝63aが第2内歯車固定用ブロック61の係合ピン61aに到達することで、前述のように第2クラッチC2が接続状態に切り替わる。
続いて、切替用アクチュエータ54により第1クラッチC1を切断状態に切り替えてモータ22を回転させ続けると、ウォーム44の回転がウォームホイール部45a及び第2クラッチC2を介して出力レバー37に伝達される。これにより、出力レバー37が初期位置Psからクローザ方向に回動してクローザケーブル39を引っ張り、リアロック33のラッチ73に係合操作力を入力する。
これに伴い、図7(b)に示すように、リアロック33のラッチ73がストライカ75を引き込みつつフルラッチ位置へと回動するとともに、ポール74の係合端部74aがフルラッチ係合面73eを係止することで、ラッチ機構70がフルラッチ状態になってスライドドア20が全閉状態で保持される。ラッチ機構70のフルラッチ状態では、ラッチ73がフルラッチ位置を維持することで、モータ22を停止させたとしても第2クラッチC2は接続状態を維持する。また、モータ22を停止させると、出力レバー37は、復帰スプリング66に付勢されて初期位置Psに復帰する。なお、フロントロック32のラッチ機構70は、リアロック33によるスライドドア20の閉作動に合わせてフルラッチ状態になる。
ところで、ラッチ73がフルラッチ位置へと回動する間も、ドア位置連動ケーブル65を介して押される第2切替用レバー62は回動し続けることになる。このとき、大径溝63aによる第2クラッチ側ロストモーションで吸収することは既述のとおりである。また、リアロック33のラッチ73に係合操作力を入力する際、スリット37aによるリリース側ロストモーションで吸収することで、フロントロック32、リアロック33及び全開ロック34の各々に解除操作力が入力されることはない。
次に、スライドドア20が全閉状態にあるものとする。このとき、前述のように第2クラッチC2は接続状態にある。
この状態で、第1クラッチC1の切断状態のままフロントロック32、リアロック33及び全開ロック34の各々に解除操作力を入力すべくモータ22を回転させると、ウォーム44の回転がウォームホイール部45a及び第2クラッチC2を介して出力レバー37に伝達される。これにより、出力レバー37が初期位置Psからリリース方向に回動してリリースケーブル38を引っ張り、機構部31を介してフロントロック32、リアロック33及び全開ロック34の各々に解除操作力を入力する。
これに伴い、図8(a)に示すように、ポール74の係合端部74aがフルラッチ係合面73eの係止を解除すると、係合凹部73a内から退出するストライカ75により係合凹部73aの内壁面が押圧されることで、ラッチ73は、フルラッチ位置からアンラッチ位置に向かって回動し始める。また、リアロック33のラッチ73の連動片73gにドア位置連動ケーブル65を介して引かれる第2切替用レバー62が回動し始める。そして、図8(b)に示すように、ラッチ73がハーフラッチ位置を超えるまで回動すると、第2切替用レバー62の小径溝63bが第2内歯車固定用ブロック61の係合ピン61aに到達することで、前述のように第2クラッチC2が切断状態に切り替わる。また、第2クラッチC2が切断状態に切り替わると、出力レバー37は、復帰スプリング66に付勢されて初期位置Psに復帰する。なお、図8(c)に示すように、リアロック33のラッチ73がアンラッチ位置に到達するまで第2切替用レバー62も回動し続けるが、前述のように大径溝63aによる第2クラッチ側ロストモーションで吸収する。
続いて、切替用アクチュエータ54により第1クラッチC1を接続状態に切り替えて、モータ22を回転させ続けると、ウォーム44の回転がウォームホイール部45a及び第1クラッチC1を介してドラム23に伝達される。そして、スライドドア20が開作動を開始する。スライドドア20の開作動に伴い、全開ロック34のラッチ73が該当のストライカ75を引き込みつつフルラッチ状態になると、スライドドア20が全開状態で保持される。
既述のように、全開ロック34は、リアロック33と同様に第2クラッチC2を動作させるため、スライドドア20の全開状態では第2クラッチC2が接続状態となっている。従って、スライドドア20の閉作動においては、フロントロック32、リアロック33及び全開ロック34の各々に解除操作力を入力すべくモータ22を回転させるとともに、第2クラッチC2の切断状態への切り替わりに伴って第1クラッチC1を接続状態にしてモータ22を逆方向に回転させる。これにより、ウォーム44の回転がウォームホイール部45a及び第1クラッチC1を介してドラム23に伝達され、スライドドア20が閉作動を開始する。スライドドア20の閉作動に伴う全閉状態への移行は前述のとおりである。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、ウォームホイール部45a、ドラム23、出力レバー37、第1クラッチC1及び第2クラッチC2が互いに同軸に配置される。しかしながら、第1クラッチC1がドラム23に収容され、第2クラッチC2がウォームホイール部45aに収容されることで、それらの軸線方向への大型化、即ち車両幅方向(ドア厚さ方向)への大型化を抑制することができる。そして、駆動部材21の車両搭載性(ドア搭載性)を向上させることができる。あるいは、駆動部材21をスライドドア20に搭載するためにドア厚を大きくする必要がないため、スライドドア20によって室内空間が狭くなることを抑制できる。
(2)本実施形態では、第1クラッチC1及び第2クラッチC2の各々は、共に遊星歯車機構で構成されることで、遊星歯車機構のサンギヤ、内歯車及びキャリアを入力軸、出力軸及び回転伝達時の固定軸のいずれかとして採用することができ、設計の自由度を向上させることができる。
(3)本実施形態では、ウォームホイール部45aには、両遊星歯車機構のサンギヤ(第1サンギヤ部45b及び第2サンギヤ部45c)が一体形成されることで、部品点数を削減することができる。また、ウォームホイール部45aと両遊星歯車機構のサンギヤ(第1サンギヤ部45b及び第2サンギヤ部45c)とを接続するための形状が不要のため、その分、それらの軸線方向への大型化、即ち車両幅方向(ドア厚さ方向)への大型化を抑制することができる。
(4)本実施形態では、ドラム23等を支持する開閉作動側の第1支持軸46及び出力レバー37等を支持するリリース・クローザ作動側の第2支持軸56が互いに独立している。従って、互いに制約し合うことなくそれら第1支持軸46及び第2支持軸56の各々を遊星歯車機構の入力軸、出力軸及び回転伝達時の固定軸のいずれかとして採用することができ、設計の自由度を向上させることができる。そして、例えばスライドドア20の開閉作動に要するトルクや回転速度を好適に確保することができる。
(5)本実施形態では、第1支持軸46及び第2支持軸56が互いに独立していることで、各々を該当の遊星歯車機構の出力軸にでき、ギヤレイアウトの自由度を向上させることができる。
(6)本実施形態では、互いに独立している第1支持軸46及び第2支持軸56を利用することで、開閉作動に係るドラム23及びリリース・クローザ作動に係る出力レバー37を共に、減速比の最も大きいサンギヤ入力・キャリア出力で回転させることができる。そして、例えば全閉状態へのスライドドア20の引き込み時に大トルクが必要な出力レバー37の回転に最大減速比で対応することができる。
また、第1及び第2クラッチC1,C2が共に内歯車固定になることで、例えばキャリア固定よりも小さな力でそれらの接続状態を維持することができる。そして、例えばスライドドア20から大荷重の入力があった場合にも第1クラッチC1の接続状態をより容易に維持することができる。
(7)本実施形態では、第1支持軸46及び第2支持軸56が互いに独立していることで、例えば開閉作動側の第1クラッチC1及びリリース・クローザ作動側の第2クラッチC2を個別に組み付けることができ、組付順序や組付方向の自由度を向上させることができる。そして、駆動部材21の組付工数を削減することができ、ひいてはコストを削減することができる。
(8)本実施形態では、第1支持軸46及び第2支持軸56が互いに独立していることで、例えば駆動部材21全体を第1支持軸46側及び第2支持軸56側で二分した一対のサブアッシー、即ち開閉作動用サブアッシー及びリリース・クローザ作動用サブアッシーで構成することができる。この場合、それら両サブアッシーを利用して駆動部材21を簡易に組み立てることができる。
(9)本実施形態では、第1支持軸46及び第2支持軸56が互いに独立していることで、例えばリリース・クローザ機能のみを搭載する車両仕様に対しても簡易な設計変更で対応することができる。すなわち、開閉作動側の第1クラッチC1等を取り外すことで容易に対応することができる。
(10)本実施形態では、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を使用して共通の一つのモータ22の出力を切り替えて開閉作動及びリリース・クローザ作動を実現したことで、例えば両作動を2つのモータでそれぞれ行う場合に比べて部品点数、質量及びコストを削減することができる。そして、スライドドア20の質量を削減できる分、挟み込み検知等に有利にできる。
(11)スライドドア20の開状態(全開状態を除く)において、第1クラッチC1の接続状態でモータ22を一方向に回転させて閉作動させ、その後に第1及び第2クラッチC1,C2をそれぞれ切断状態及び接続状態に切り替えてモータ22を一方向に回転させ続ければ、クローザ作動に伴ってスライドドア20が全閉状態になる。このように、スライドドア20の閉作動からクローザ作動への引き継ぎを、モータ22を逆回転させることなくできるため、反転に伴う作動開始の遅延や制御の複雑化を抑制することができる。
また、スライドドア20の全閉状態において、第2クラッチC2の接続状態でモータ22を他方向に回転させてリリース作動させ、その後に第1及び第2クラッチC1,C2をそれぞれ接続状態及び切断状態に切り替えてモータ22を他方向に回転させ続ければ、開作動に伴ってスライドドア20が全開状態になる。このように、リリース作動からスライドドア20の開作動への引き継ぎを、モータ22を逆回転させることなくできるため、反転に伴う作動開始の遅延や制御の複雑化を抑制することができる。
(12)第1及び第2クラッチC1,C2の断接が互いに独立で切り替え可能であることで開閉作動及びリリース・クローザ作動を互いに独立で行うことができる。このため、同時作動に背反作動、例えばリリース作動中に第1及び第2ケーブル24,25が突っ張ったり、開閉作動中にリリースケーブル38及びクローザケーブル39を引き続けたりすることを抑制できる。
(13)スライドドア20を手動で開閉操作する場合、第1内歯車固定用ブロック51等により第1リングギヤ48が回転の許容状態に切り替えられていれば、該第1リングギヤ48を空転させつつドラム23(第1キャリア49)の回転が許容される。このように、第1内歯車固定用ブロック51等によりドラム23側からの回転トルクとモータ22側からの駆動トルクとを切り離すことで、軽微な操作力でスライドドア20を開閉操作することができる。
(14)第1内歯車固定用ブロック51等による第1リングギヤ48の回転の規制状態及び許容状態の切り替えは、切替用アクチュエータ54による電動で行うことができるため、例えば手動で行う場合のような煩わしさを解消することができる。
(15)本実施形態では、第1内歯車固定用ブロック51等による第1リングギヤ48の回転の規制状態及び許容状態の切り替えを、小型の切替用アクチュエータ54等の少ない構成部品で実現したことで、例えば電磁クラッチに比べて低コスト化及び軽量化を図ることができる。
(16)本実施形態では、モータハウジング41は、第1収容空間S1と第2収容空間S2とを連通する貫通孔A1を有し、該貫通孔A1は、第1クラッチC1の第1サンギヤ部45bの径よりも大きく設定されていることで、第1収容空間S1と第2収容空間S2とを分けつつ、部材の軸方向への組付けを可能とする。
(17)本実施形態では、樹脂材料にて成形されたウォームホイール45の第1サンギヤ部45b及び第2サンギヤ部45cを互いに異なる径とすることで、ひけを生じ難くすることができる。また、径が小さい方の第2サンギヤ部45cを、高い減速比が必要である出力側の第2クラッチC2に用いることにより、例えば第2リングギヤ57の径を大きくすることなく高い減速比を得ることが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、車両用ドア開閉装置の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の駆動部材を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。
図10及び図11に示すように、本実施形態の駆動部材80は、前記モータハウジング41と共にその外形をなす第1ハウジングとしてのドラムカバー81及び第2ハウジングとしてのロッキングハウジング82を有する。
ドラムカバー81は、例えば樹脂材にて図示下側に開口する有蓋略円筒状に成形されており、モータハウジング41の図示上側面に固定されて、プーリとしてのドラム83を回転可能に収容する。すなわち、ドラム83は、前記ウォームホイール45と同軸に配置された支持軸86に回転可能に支持されている。この支持軸86は、一端がロッキングハウジング82(収容部43aの底壁部)に形成されたボス状の取付孔82aに嵌着されたベアリング87aに挿通及び軸支されるとともに、他端がドラムカバー81の蓋壁部に嵌着されたベアリング87bに挿通及び軸支されている。以上により、ドラム83は、ドラムカバー81内で回転可能となっている。なお、支持軸86は、モータハウジング41及びドラム83の間でウォームホイール45に挿通及び軸支されている。
ドラム83は、図示下側に開口する有蓋略円筒状に成形されており、内周部に形成された第1内歯車83aを有して、ドラム側収容空間Sd1を形成する。このドラム側収容空間Sd1には、前記第1サンギヤ部45bと共に遊星歯車機構を構成する第1キャリア89が収容されている。第1サンギヤ部45b、第1内歯車83a及び第1キャリア89は第1クラッチC11を構成する。
第1キャリア89は、第1サンギヤ部45bが遊挿される略円環状の第1保持プレート89aを有する。この第1保持プレート89aは、ドラム83の開口端面よりも径方向外側に延出しており、外周部に形成された大輪ギヤ89bを有する。また、第1キャリア89は、第1保持プレート89aの先端部にそれぞれ回転可能に支持された3つの第1遊星歯車89cを有する。それら第1遊星歯車89cは、ドラム83との間で軸線方向に抜け止めされている。第1キャリア89は、ドラム83への挿入状態で3つの第1遊星歯車89cが第1内歯車83aに噛合するとともに、第1サンギヤ部45bの挿入状態で該第1サンギヤ部45bに3つの第1遊星歯車89cが噛合する。
なお、図10に示すように、ドラムカバー81は、ドラム83に加えて第1クラッチC11を収容する。このドラムカバー81には、大輪ギヤ89bの軸線方向の位置を含むように径方向に開口するガイド孔81aが形成されている。そして、ドラムカバー81(又はモータハウジング41)には、ガイド孔81aの径方向に対向してガイドブロック90が固定されている。このガイドブロック90には、ガイド孔81aの位置でドラムカバー81の径方向に開口する第1ガイド溝90aが形成されている。この第1ガイド溝90aには、第1キャリア固定用ブロック91が移動自在に装着されている。
第1キャリア固定用ブロック91は、第1キャリア89に近付く一方向に第1ガイド溝90aを移動するとき、大輪ギヤ89bと係合することで、第1キャリア89を回転不能にする。このとき、第1サンギヤ部45b、第1内歯車83a及び第1キャリア89がそれぞれ遊星歯車機構の入力軸、出力軸及び固定軸となって、第1サンギヤ部45b(ウォームホイール45)の回転が第1内歯車83a(ドラム83)に伝達可能となる。この状態を第1クラッチC11の接続状態という。
一方、第1キャリア固定用ブロック91は、第1キャリア89から離れる他方向に第1ガイド溝90aを移動するとき、大輪ギヤ89bとの係合を解除することで、第1キャリア89を回転可能にする。このとき、第1サンギヤ部45b(ウォームホイール45)の回転が第1キャリア89に伝達不能となる。この状態を第1クラッチC11の切断状態という。
なお、第1キャリア固定用ブロック91は、前記第1の実施形態に準じて切替用アクチュエータ54に連結されて、一方向及び他方向に選択的に移動駆動されるようになっている。また、前記ギヤ側収容空間Sgには、前記第1の実施形態と同様に第2クラッチC2(第2サンギヤ部45c、第2リングギヤ57及び第2キャリア58)が収容されている。ただし、第2キャリア58(第2保持プレート58a)は、支持軸86に一体回転するように連結されている。前記第2切替用レバー62の回動に伴って第2クラッチC2が接続状態又は切断状態になることは既述のとおりである。さらに、前記出力レバー37は、支持軸86のロッキングハウジング82(収容部43aの底壁部)を貫通する先端に一体回転するように連結されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(1)〜(3)、(10)〜(17)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、第1クラッチC11及び第2クラッチC2は、それらに挿通される共通の支持軸86に支持されることで、第1クラッチC11及び第2クラッチC2の両軸線の精度をより向上させることができる。また、ウォームホイール45も、それに挿通される支持軸86に支持されることで、該支持軸86にてウォームホイール45に対する径方向の荷重をより堅固に支えることができ、該ウォームホイール45の径方向へのがたつきや位置ずれを抑制することができる。そして、ウォームホイール45の軸線の精度をより向上させることができる。
(2)本実施形態では、第1クラッチC11、第2クラッチC2、ウォームホイール45、ドラム83及び出力レバー37は、それらに挿通される共通の支持軸86に支持されることで、例えば一方向から順にそれらの部品を重ねていくことで組付けできる。
(3)本実施形態では、リリース・クローザ作動に係る出力レバー37を減速比の最も大きいサンギヤ入力・キャリア出力で回転させることができる。そして、例えば全閉状態へのスライドドア20の引き込み時に大トルクが必要な出力レバー37の回転に最大減速比で対応することができる。
(4)リリース・クローザ作動に係る出力レバー37の作動範囲(回転範囲)及び作動時間はわずかであるため、該出力レバー37と一体回転する支持軸86を固定軸と略同等に使用することができ、該支持軸86の支持構造をより簡素化することができる。そして、例えばベアリング(転がり軸受)等の高耐久・高コストの軸受構造を採用しなくてもよくなる可能性がある。また、支持軸86自体の回転に伴う磨耗を抑制でき、支持軸86の磨耗を局所的なものにできる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図12に示すように、伝達ギヤとして、モータ22の回転軸に一体回転するように連結された第1ギヤ101と共に、いわゆる平行軸の歯車を構成する第2ギヤ102を採用してもよい。これら第1ギヤ101及び第2ギヤ102は、互いに噛合する平歯車又ははすば歯車からなる。従って、モータ22が回転すると、その回転が第1ギヤ101を介して第2ギヤ102に伝達される。この場合においても、ドラム23,83のドラム側収容空間Sd,Sd1に第1クラッチC1,C11が収容されており、第2ギヤ102の回転を第1クラッチC1,C11を介してドラム23,83に伝達可能となっている。一方、第2ギヤ102は、前記ウォームホイール45(ウォームホイール部45a)に準じて有蓋略円筒状に成形されて、ギヤ側収容空間Sg1を形成する。このギヤ側収容空間Sg1に第2クラッチC12が収容されており、第2ギヤ102の回転を第2クラッチC12を介して出力レバー37に伝達可能となっている。
・前記第2の実施形態において、第1クラッチC11の接続状態及び切断状態の切替えは、円運動に伴って第1キャリア89の径方向に移動する適宜のキャリア固定用ブロックで行ってもよい。また、当該キャリア固定用ブロックの移動は、切替用アクチュエータにより電動で行ってもよいし、手動操作で行ってもよい。
・前記第2の実施形態において、第1クラッチC11の接続状態及び切断状態の切替えは、第1キャリア89の軸線方向と略平行に移動する適宜のキャリア固定用ブロックで行ってもよい。この場合、当該キャリア固定用ブロックの運動は、直線運動であってもよいし、円運動であってもよい。また、当該キャリア固定用ブロックの移動は、切替用アクチュエータにより電動で行ってもよいし、手動操作で行ってもよい。
・前記各実施形態において、切替用アクチュエータを省略して、第1クラッチの接続状態及び切断状態の切り替えを手動操作で行うようにしてもよい。
・前記各実施形態において、第2クラッチの接続状態及び切断状態の切替えは、第1クラッチと同様に専用の切替用アクチュエータで行ってもよい。
・前記各実施形態において、第2クラッチの第2内歯車及び第2キャリアがそれぞれ遊星歯車機構の出力軸及び固定軸となる構成であってもよい。この場合、第2クラッチの接続状態及び切断状態の切り替えは、第2キャリアの径方向に移動する適宜のキャリア固定用ブロックで行ってもよいし、第2キャリアの軸線方向と略平行に移動する適宜のキャリア固定用ブロックで行ってもよい。また、当該キャリア固定用ブロックの運動は、直線運動であってもよいし、円運動であってもよい。さらに、当該キャリア固定用ブロックの移動は、切替用アクチュエータにより電動で行ってもよいし、手動操作で行ってもよい。
・前記各実施形態において、第1サンギヤ部45b及び第2サンギヤ部45cは、互いに同等の径に設定されてもよいし、第1サンギヤ部45bの径よりも第2サンギヤ部45cの径の方が大きく設定されてもよい。
・前記各実施形態において、第1サンギヤ部をウォームホイール部とは別体の第1サンギヤとしてもよい。この場合、第1サンギヤ部をウォームホイール部と一体回転させるための適宜の連結構造を設ければよい。
・前記各実施形態において、第1サンギヤ部をウォームホイール部に対して独立で回転可能な第1サンギヤとしてもよい。この場合、第1サンギヤ、第1内歯車及び第1キャリアを、互いに重複しない範囲で遊星歯車機構の入力軸、出力軸及び固定軸に任意に採用すればよい。
・前記各実施形態において、第2サンギヤ部をウォームホイール部とは別体の第2サンギヤとしてもよい。この場合、第2サンギヤ部をウォームホイール部と一体回転させるための適宜の連結構造を設ければよい。
・前記各実施形態において、第2サンギヤ部をウォームホイール部に対して独立で回転可能な第2サンギヤとしてもよい。この場合、第2サンギヤ、第2内歯車及び第2キャリアを、互いに重複しない範囲で遊星歯車機構の入力軸、出力軸及び固定軸に任意に採用すればよい。
・前記各実施形態において、第1クラッチ又は第2クラッチは、例えば摩擦式やツース式の電磁クラッチであってもよい。あるいは、第1クラッチ又は第2クラッチは、いわゆる周面摩擦式(コーン式、ドラム式)のクラッチであってもよい。
・前記各実施形態においては、ロープ部材として第1ケーブル24及び第2ケーブル25の2本のケーブルを使用しているが、1本のケーブルであってもよい。
・駆動部材21を車両ボデー10側に固定してもよい。例えばクォータパネル10bに駆動部材21を搭載する場合には、該駆動部材21側にテンショナー28,29を繋ぐことがより好ましい。また、ドア開口10aの踏み台となるステップに駆動部材21を搭載する場合には、プーリとしてのベルトプーリ及びロープ部材としてのベルトを採用することがより好ましい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)上記車両用ドア開閉装置において、
支持部材により両端が支持され、前記伝達ギヤ、前記プーリ、前記出力部材、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチを支持する1本の支持軸を有する、車両用ドア開閉装置。
この構成によれば、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチは、前記伝達ギヤ、前記プーリ及び前記出力部材と共に共通の前記支持軸に支持されることで、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチの両軸線の精度をより向上させることができる。
A1…貫通孔、C1,C11…第1クラッチ、C2,C12…第2クラッチ、S1…第1収容空間、S2…第2収容空間、20…スライドドア(車両ドア)、22…モータ、23,83…ドラム(プーリ)、24…第1ケーブル(ロープ部材)、25…第2ケーブル(ロープ部材)、32…フロントロック(ドアロック)、33…リアロック(ドアロック)、34…全開ロック(ドアロック)、37…出力レバー(出力部材)、41…モータハウジング、42,81…ドラムカバー(第1ハウジング)、43,82…ロッキングハウジング(第2ハウジング)、45…ウォームホイール、45a…ウォームホイール部(伝達ギヤ)、45b…第1サンギヤ部(サンギヤ)、45c…第2サンギヤ部(サンギヤ)、46…第1支持軸、56…第2支持軸、86…支持軸。

Claims (6)

  1. モータにより回転駆動される伝達ギヤと、
    前記伝達ギヤと同軸に配置され、回転に伴ってロープ部材を移動させることで車両ドアを開閉作動させるプーリと、
    前記伝達ギヤと同軸に配置され、回転に伴ってドアロックを前記車両ドアの保持状態にさせ、あるいは前記ドアロックを前記車両ドアの保持の解除状態にさせる出力部材と、
    前記伝達ギヤと同軸で前記プーリに収容され、前記伝達ギヤ及び前記プーリ間の回転伝達を断接する第1クラッチと、
    前記伝達ギヤと同軸で該伝達ギヤに収容され、前記伝達ギヤ及び前記出力部材間の回転伝達を断接する第2クラッチとを備えた、車両用ドア開閉装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記第1クラッチ及び前記第2クラッチは、共に遊星歯車機構で構成された、車両用ドア開閉装置。
  3. 請求項2に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記伝達ギヤには、前記両遊星歯車機構のサンギヤが一体形成された、車両用ドア開閉装置。
  4. 請求項3に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記モータを支持するモータハウジングと、
    前記プーリ及び前記第1クラッチを収容する第1収容空間を、前記モータハウジングとともに形成する第1ハウジングと、
    前記伝達ギヤ及び前記第2クラッチを収容する第2収容空間を、前記モータハウジングとともに形成する第2ハウジングとを備え、
    前記モータハウジングは、前記第1収容空間と前記第2収容空間とを連通する貫通孔を有し、
    前記貫通孔は、前記第1クラッチの前記サンギヤの径よりも大きく設定されている、車両用ドア開閉装置。
  5. 請求項3又は4に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記伝達ギヤは樹脂材料にて成形されており、前記両サンギヤは互いに異なる径に設定されている、車両用ドア開閉装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか一項に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記伝達ギヤと共に前記プーリ及び前記第1クラッチを支持する第1支持軸と、
    前記伝達ギヤと共に前記出力部材及び前記第2クラッチを支持する前記第1支持軸とは独立の第2支持軸とを有する、車両用ドア開閉装置。
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