JP6149667B2 - スルホニルクロライド化合物類の製造方法 - Google Patents

スルホニルクロライド化合物類の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チオール類やジスルフィド類を酸化剤の存在下に酸化してスルホニルクロライド化合物類を製造するスルホニルクロライド化合物類の新規な製造方法に関する。
スルホニルクロライド化合物類は、医薬、農薬、機能性材料等を製造する際にその中間体として極めて重要な物質であり、多くの重要な医薬、農薬、機能性材料等の製造中間体として用いられている。そして、このようなスルホニルクロライド化合物類を製造する方法としては、一般に、水若しくは塩酸水溶液中でチオール類やジスルフィド類を塩素と反応させて製造する、いわゆる直接的塩素酸化法が知られており(例えば、特許文献1〜7)、この直接的塩素酸化法においては次の反応式に従って反応基質であるチオール類やジスルフィド類に対応した反応生成物であるスルホニルクロライド化合物類が得られるとされている。
RSH+3Cl2+2H2O→RSO2Cl+5HCl
RSSR+5Cl2+4H2O→2RSO2Cl+8HCl
しかしながら、上記の直接的塩素酸化法において、反応基質であるチオール類やジスルフィド類と反応させる塩素は、通常は塩素ガスとして反応系に供給され、また、この塩素ガスが有害であることから、工業的には塩素ガス除去設備が不可欠になり、それだけ製造コストが嵩むほか、反応基質がアルキル側鎖を有すると、このアルキル側鎖が容易に塩素化されて副生物として望ましくない側鎖塩素化物が生成し、この側鎖塩素化物の分離除去が困難な場合も多々あり、しかも、反応基質がチオール類の場合には1モルの反応基質から5モルの塩化水素が副生し、また、反応基質がジスルフィド類の場合には1モルの反応基質から8モルの塩化水素が副生し、工業的には経済上及び環境上の観点からこの塩化水素の処理問題が発生する。
そこで、従来においても、塩素を使用することなく反応基質のチオール類やジスルフィド類を酸化し、対応するスルホニルクロライド化合物類を製造する方法が検討されており、例えば、塩酸水溶液中にチオール類又はジスルフィド類を懸濁させ、この懸濁液中に過酸化水素水溶液を添加して対応するスルホニルクロライド化合物類を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献8)。
しかしながら、この特許文献8に記載されたような酸化剤として過酸化水素を用いる過酸化水素酸化法においては、過酸化水素が爆発の危険性を有する物質であって、特に工業的に大量に使用する場合には安全上の問題があり、塩素を用いる直接的塩素酸化法の場合と同様に、工業的には製造設備の観点から経済上の問題が発生する。
米国特許第3,626,004号公報 米国特許第4,280,966号公報 ヨーロッパ特許第0,040,560号公報 特開平06-306,043号公報 特開平08-059,601号公報 特開2001-247,537号公報 特開2006-249,062号公報 特開平02-072,147号公報
そこで、本発明者らは、チオール類やジスルフィド類を反応基質としてスルホニルクロライド化合物類を製造するに際し、上述した直接的塩素酸化法や過酸化水素酸化法において存在するような問題が無く、簡便で効率良く対応するスルホニルクロライド化合物類を製造することができる方法について鋭意検討を重ねた結果、酸化剤として次亜塩素酸ソーダを用いてpH7以下の中性又は酸性の条件下で反応させることにより、目的を達成できることを突き止め、本発明を完成させた。
従って、本発明の目的は、製造設備の問題や環境上の問題が無く、簡便で効率良く対応するスルホニルクロライド化合物類を製造することができるスルホニルクロライド化合物類の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されるチオール類又は下記一般式(2)で表されるジスルフィド類を酸化剤の存在下に酸化して下記一般式(3)で表されるスルホニルクロライド化合物類を製造するスルホニルクロライド化合物類の製造方法であり、
1−SH ……(1)
1−S−S−R2……(2)
1−SO2Cl及び/又はR2−SO2Cl ……(3)
〔但し、一般式(1)〜(3)において、R1及びR2は次亜塩素酸ソーダと反応しないアルキル基、アリール基、又はアラルキル基のいずれかであって、互いに同じであっても異なっていてもよい。〕
前記酸化剤として次亜塩素酸ソーダを用いると共に、反応系をpH7以下の中性又は酸性にpH調整して反応させるに際し、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ5水和物を用い、また、反応系のpH調整に有機酸からなる酸を用いることを特徴とするスルホニルクロライド化合物類の製造方法である。
本発明の方法において、反応基質として用いる上記一般式(1)のチオール類及び上記一般式(2)のジスルフィド類については、その置換基Rが酸化剤の次亜塩素酸ソーダと反応しない有機基であれば特に限定されるものではなく、例えばアルキル基、アリール基、及びアラルキル基等を掲示することができる。また、ここに例示したアルキル基としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖状、枝分れ状、又は環状のアルキル基等を挙げることができ、また、アリール基については、例えば、置換基を有する又は置換基を有しないフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基等を挙げることができ、更に、アラルキル基については、例えば、置換基を有する又は置換基を有しないベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ピコリル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。更に、一般式(1)のチオール類については、チオールとして使用できるほか、チオールのアルカリ金属塩として使用することもでき、特にこのチオール類が常温でガス状又は低沸点である場合には、取扱い時の飛散防止を目的に、例えばアルカリ水溶液中にチオール類を添加し、アルカリ金属塩を生成させた後に本発明の酸化反応に供することが望ましい。
また、本発明の方法において、酸化剤として使用する次亜塩素酸ソーダについては、特に制限されるものではなく、例えば、一般的に水溶液として市販されている有効塩素濃度6〜13質量%の次亜塩素酸ソーダ水溶液や、有効塩素濃度が39質量%以上、好ましくは約42質量%以上の次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)を挙げることができる。この次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)は、例えば特許第04,211,130号公報に記載の方法により製造することができ、また、有効塩素濃度が39質量%より低くなると、保存中にその水分により液状化し、次亜塩素酸ソーダの分解が進む虞がある。そして、これら次亜塩素酸ソーダは酸性条件下では次亜塩素酸になり、反応基質のチオール類及びジスルフィド類とは、それぞれ以下の反応式(4)及び(5)に従って反応する。
RSH+3HOCl→RSO2Cl+H2O+2HCl……(4)
RSSR+5HOCl→2RSO2Cl+H2O+3HCl……(5)
ここで、本発明で使用する次亜塩素酸ソーダについては、上記の反応式(4)及び(5)から分かるように、チオール類の酸化反応に必要な次亜塩素酸が3当量であって、ジスルフィド類の酸化反応に必要な次亜塩素酸が5当量であり、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ水溶液を用いた場合には、反応系の容量が大きくなって、必然的に1つの反応器を用いて1回の酸化反応で製造し得るスルホニルクロライド化合物類の生産量に限界が生じ、生産効率の低下や廃液量の増加が発生する場合があるので、好ましくは次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)を用いるのがよい。次亜塩素酸ソーダ5水和物(NaOCl・5H2O)の使用により、反応系での水分量を大幅に低減することができ、効率の良い酸化反応を実施することができる。
ここで、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ5水和物を使用する場合、次亜塩素酸ソーダ5水和物は、水に溶解して使用することができるが、反応速度や反応器の容積効率を考慮し、通常、有効塩素濃度12質量%以上の水溶液又は粉末状の結晶として、好ましくは有効塩素濃度20質量%以上の水溶液又は粉末状の結晶として、より好ましくは有効塩素濃度30質量%以上の水溶液又は粉末状の結晶として使用される。例えば、一般的に流通している有効塩素濃度約12質量%の次亜塩素酸ソーダ水溶液に比べて、有効塩素濃度約42質量%の次亜塩素酸ソーダ5水和物は約3.5倍高濃度であるため、酸化剤に対する基質比率も約3.5倍向上できるほか、高濃度のため反応速度も向上するという利点がある。
本発明の方法において、酸化反応はその反応系をpH7以下の中性又は酸性にpH調整して行われる。ここで、反応系をpH7以下の中性又は酸性に調整するpH調整については、特に制限されるものではないが、例えば、反応系に酸を添加して行う酸添加の方法や、反応溶媒として酸性溶剤を用いる方法等を例示することができる。
ここで、反応系のpH調整に際して、酸添加の方法で用いられる酸としては、水溶液が酸性を示すブレンステッド酸であれば特に制限されるものではなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、炭酸等の無機酸や、酢酸、プロピオン酸、スルホン酸等の有機酸を例示することができ、pHを強酸性にすると次亜塩素酸が分解し塩素ガスが発生し、系外に漏れ出る恐れがあるため、好ましくはpH調整が容易なリン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、安息香酸等である。また、反応溶媒として酸性溶剤を用いる方法においては、例えば、pHを3〜7程度に調整した塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸水溶液や、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機酸あるいは、その水溶液等や、リン酸緩衝液、フタル酸緩衝液、酢酸緩衝液等を例示することができる。ここで、反応系のpH調整に使用される酸や酸性溶剤については、有機酸を用いることで系内の水分量を低減でき、その結果、目的物のスルホニルクロライド類の分解を抑制できることから、有機酸が好ましい。
また、本発明の方法において、酸化反応は、必要により反応基質のチオール類やジスルフィド類を溶解する溶剤、及び/又は、酸化剤の次亜塩素酸ソーダ5水和物を溶解する溶剤(酸化剤が次亜塩素酸ソーダ水溶液の場合には水)を用い、反応系を均一系にして、若しくは水/油相の2相系にして、若しくは、反応系をスラリー状態にして実施される。ここで用いられる反応溶剤(反応基質を溶解する溶剤や酸化剤を溶解する溶剤)としては、溶剤自体が反応生成物のスルホニルクロライド化合物類や反応中間体と反応することがなく、また、酸化剤に酸化されないものである必要があり、例えばジクロロメタン、クロロホルム、エチレンジクロリド等のハロゲン系溶媒や、例えばt-ブチルアルコール、2-メチル-2-ブタノール、2-メチル-2-ヘキサノール等の3級アルコール系溶媒や、例えばメチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶媒、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒や、例えばモノクロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、ニトロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、4-クロロベンゾトリフルオリド等の電子不足型の芳香族系溶媒等や、例えば水、塩酸、リン酸水溶液等の無機溶剤等を例示することができる。なお、反応溶剤としての1級アルコール(メタノールやエタノール等)の使用は、反応生成物のスルホニルクロライド化合物類と反応してスルホン酸エステルを副生し、収率を低下させる場合があるので好ましくない。また、反応系のpH調整において、酸性溶剤として有機酸を用いる場合、使用する有機酸の種類によっては、この有機酸を反応溶剤として用いることができ、この場合には系内の水分量を低減できるので、目的化合物であるスルホニルクロライド類の分解を抑制できるという利点がある。
また、本発明の酸化方法において、その酸化反応は、必要により反応溶剤を使用し、単に反応基質のチオール類やジスルフィド類と酸化剤の次亜塩素酸ソーダとを撹拌下に接触させるだけで進行するが、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ水溶液を使用した際に反応系が2相系になる場合、若しくは次亜塩素酸ソーダ5水和物を使用した際に反応系がスラリー状である場合には、相間移動触媒を併用してもよく、本発明の酸化方法を適用するチオール類、ジスルフィド類の種類若しくは使用する溶媒の種類によっては、相間移動触媒の併用により反応時間を短縮し、また、反応収率を向上させることができる。
このような目的で使用する相間移動触媒としては、従来から知られている種々の相間移動触媒を挙げることができ、例えば、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、ポリエチレングリコール類、クラウンエーテル類、アルキル硫酸塩、及びアルキルスルホン酸塩、両性界面活性剤等を例示することができ、代表的には、硫酸水素テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、アリコート336、硫酸水素トリオクチルメチルアンモニウム、18-クラウン-6、塩化テトラブチルホスホニウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等であるが、これらはその1種のみを単独で使用できるほか、2種以上の混合物として使用することもできる。この相間移動触媒を併用する場合の使用量は、いわゆる触媒量の使用量でよく、チオール類、ジスルフィド類に対して通常0.001当量以上0.1当量以下、好ましくは0.01当量以上0.05当量以下の範囲で使用される。
また、本発明の酸化方法において、その酸化反応の反応条件については、通常、0℃以上50℃以下の反応温度で撹拌下に行われ、好ましくは0℃以上室温(30℃程度)以下の反応温度で撹拌下に行われる。反応温度を室温以上にすることは、次亜塩素酸ソーダの分解反応と酸化反応との競争反応になり、次亜塩素酸ソーダの分解が起こって必要な次亜塩素酸ソーダ5水和物の使用量が増大するので好ましくなく、また、反応温度を反応系が固化しない程度の低温(0℃未満)まで下げることは、特別に設備的な対応が必要になるほか、反応速度の低下を招く等、かえって利点が少ない。
本発明のスルホニルクロライド化合物類の製造方法によれば、反応基質のチオール類やジスルフィド類の酸化反応において、製造設備の問題や環境上の問題が無く、簡便で効率良く対応するスルホニルクロライド化合物類を製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
〔実施例1〕
ジフェニルジスルフィド0.6547g(3.0mmol)と内標物質としてm-ジクロロベンゼン0.4376gを酢酸33mL中に溶解し、室温(26℃)下で撹拌しながら酸化剤として粉末状の次亜塩素酸ソーダ5水和物2.470g(15.0mmol)を添加し、酸化剤添加終了後から撹拌下に30分反応させた。反応系の温度は、3分で41℃まで上昇し、反応開始から30分後の反応終了時には30℃まで低下した。
このジフェニルジスルフィドの酸化反応において、酸化剤添加時の反応開始時から30分後に反応系から反応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(GC)で内標分析した結果、ベンゼンスルホニルクロライドが80%の収率で生成したのを確認した。
〔実施例2(参考例)
ジフェニルジスルフィド0.6542g(3.0mmol)と内標物質としてm-ジクロロベンゼン0.4160gを酢酸33mL中に溶解し、酸化剤として一般の市販品であるpH12.6及び有効塩素濃度11.8質量%の次亜塩素酸ソーダ水溶液9.062g(15.0mmol)を使用した以外は、実施例1と同様にして酸化反応を行った。反応温度は2分で25℃から42℃まで上昇し、反応開始から30分後には29℃になった。
得られた反応液を実施例1と同様にして内標分析した結果、ベンゼンスルホニルクロライドが80%の収率で生成したのを確認した。
〔実施例3〕
ジフェニルジスルフィド0.6545g(3.0mmol)、酸添加剤として酢酸を1.2160g(20.2mmol)及び内標物質としてm-ジクロロベンゼン0.4294gをベンゾトリフルオリド33mL中に溶解し、酸化剤として粉末状の次亜塩素酸ソーダ5水和物2.473g(15.0mmol)を使用した以外は、実施例1と同様にして酸化反応を行った。反応温度は3分で26℃から48℃まで上昇し、反応開始から30分後には31℃になった。
反応液を実施例1と同様にして内標分析した結果、ベンゼンスルホニルクロライドが87%の収率で生成したのを確認した。
〔実施例4(参考例)
ジフェニルジスルフィド0.6553g(3.0mmol)、相間移動触媒として臭化テトラブチルアンモニウム0.0483g(0.15mmol)及び内標物質としてm-ジクロロベンゼン0.4157gをpH4.2及び濃度0.1mol/Lのリン酸二水素ナトリウム水溶液33mL中に添加し、酸化剤として粉末状の次亜塩素酸ソーダ5水和物2.478g(15.1mmol)を添加し、酸化剤添加終了後から撹拌下に30分反応させた。反応温度は8分で24℃からで37℃まで上昇し、反応開始から30分後の反応終了時には31℃になった。
反応終了後にジクロロメタン10mLを加え、そのジクロロメタン相を実施例1と同様にして内標分析した結果、ベンゼンスルホニルクロライドが34%の収率で生成したのを確認した。
〔比較例1〕
ジフェニルジスルフィド0.6549g(3.0mmol)、相間移動触媒として臭化テトラブチルアンモニウム0.0488g(0.15mmol)及び内標物質としてm-ジクロロベンゼン0.4245gをベンゾトリフルオリド33mL中に溶解し、酸化剤として一般の市販品であるpH12.6及び有効塩素濃度11.8質量%の次亜塩素酸ソーダ水溶液9.088g(15.1mmol)を使用した以外は、実施例1と同様にして酸化反応を行った。反応温度は13分で25℃からで50℃まで上昇し、反応開始から30分後の反応終了時には34℃になった。
反応開始30分後の反応終了後に反応液を実施例1と同様にして内標分析した結果、原料であるジフェニルジスルフィドはほぼ消失していたが、ベンゼンスルホニルクロライドの収率は17%であった。
〔実施例5〕
p-トルエンチオール0.2484g(2.0mmol)を酢酸11mL中に溶解し、室温(25℃)下で撹拌しながら粉末状の次亜塩素酸ソーダ5水和物1.3163g(8.0mmol)を添加し、添加終了後、20分間撹拌して反応させた。
反応終了後、得られた反応混合物中に水10mLを加え、反応混合物中の固形物を溶解し、次いでジクロロメタン20mLで抽出し、ロータリーエバポレーターを用いて得られた抽出溶液からジクロロメタン及び酢酸を減圧留去し、この際に留去しきれなかった酢酸をヘキサンで共沸させて取り除き、反応生成物のp-トルエンスルホニルクロライド0.3289g(1.7mmol、収率86%)を得た。
実施例6〜10〕
反応基質として表1に示す各チオール類を用い、実施例5と同様にして酸化反応を行い、実施例5と同様にして対応するスルホニルクロライドを得た。
得られた反応生成物スルホニルクロライドの収率を実施例5の結果と共に表1に示す。
Figure 0006149667
〔実施例11〕
ジ-p-トリルジスルフィド0.7392g(3.0mmol)を酢酸11mL中に溶解し、室温(25℃)下で撹拌しながら粉末状の次亜塩素酸ソーダ5水和物2.4681g(15.0mmol)を添加し、添加終了後、65分間撹拌して反応させた。
反応終了後、得られた反応混合物中に水10mLを加え、反応混合物中の固形物を溶解し、次いでジクロロメタン20mLで抽出し、ロータリーエバポレーターを用いて得られた抽出溶液からジクロロメタン及び酢酸を減圧留去し、この際に留去しきれなかった酢酸をヘキサンで共沸させて取り除き、反応生成物のp-トルエンスルホニルクロライド0.9150g(4.8mmol、収率80%)を得た。
実施例12〜16〕
反応基質として表2に示す各ジスルフィド類を用い、実施例11と同様にして酸化反応を行い、実施例11と同様にして対応するスルホニルクロライドを得た。
得られた反応生成物スルホニルクロライドの収率を実施例11の結果と共に表2に示す。
Figure 0006149667
〔比較例2〕
ジ-p-トリルジスルフィド0.2464g(1.0mmol)をメタノール11mL中に溶解し、溶液を0℃まで冷却した後、撹拌しながら粉末状の次亜塩素酸ソーダ5水和物1.3986g(8.5mmol)を添加し、添加終了後10分後に室温(25℃)に戻し、3時間撹拌下に反応させた。
反応終了後、得られた反応混合物中に水11mLを加え、反応混合物中の固形物を溶解し、次いでクロロホルム20mLで抽出し、ロータリーエバポレーターを用いて得られた抽出溶液からクロロホルム及びメタノールを減圧留去した。
得られた反応生成物は、p-トルエンスルホニルクロライドではなく、p-トルエンスルホン酸メチル0.1298g(0.7mmol)であった。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるチオール類又は下記一般式(2)で表されるジスルフィド類を酸化剤の存在下に酸化して下記一般式(3)で表されるスルホニルクロライド化合物類を製造するスルホニルクロライド化合物類の製造方法であり、
    1−SH ……(1)
    1−S−S−R2……(2)
    1−SO2Cl及び/又はR2−SO2Cl ……(3)
    〔但し、一般式(1)〜(3)において、R1及びR2は次亜塩素酸ソーダと反応しないアルキル基、アリール基、又はアラルキル基のいずれかであって、互いに同じであっても異なっていてもよい。〕
    前記酸化剤として次亜塩素酸ソーダ5水和物を用い、
    反応系のpH調整に有機酸からなる酸を用いてpH7以下の中性又は酸性にpH調整して反応させることを特徴とするスルホニルクロライド化合物類の製造方法。
  2. 反応系のpH調整は、反応溶媒として有機酸性溶剤を用いて行う請求項1に記載のスルホニルクロライド化合物類の製造方法。
  3. 反応基質がジスルフィド類であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスルホニルクロライド化合物類の製造方法。
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