JP6149617B2 - 光源装置 - Google Patents
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Description
具体的には、特許文献1には、図12に示すプロジェクター装置が開示されている。このプロジェクター装置においては、緑色光源として青色領域で発振するレーザ光を放射するレーザ光源51と、蛍光ホイール52と、当該蛍光ホイール52を回転させるためのホイールモーター53とを備えてなる光源装置が用いられている。この光源装置の蛍光ホイール52は、レーザ光源51からのレーザ光を透過する基材に、当該レーザ光で励起される蛍光体よりなる波長変換部材の層が形成されてなるものである。
図12において、61は、コリメートレンズであり、62は、赤色発光ダイオードよりなる赤色光源である。また、63A,63B,63C,64A,64B,64Cは、集光レンズである。また、65は、緑色光源からの光を透過し、赤色光源からの光を反射するダイクロイックミラーであり、66は、導光装置入射レンズである。また、67は、反射ミラーであり、68は、導光装置である。
このような光源装置においては、青色領域で発振するレーザ光が蛍光ホイール52の波長変換部材層に照射されると、緑色光が放射される。
具体的に、特許文献2には、図13に示すように、レーザ光源からのレーザ光で励起される蛍光体(YAG焼結体)よりなる波長変換部材71が基板72上に硫酸バリウムよりなる熱膨張吸収層73を介して接合され、この接合体がレーザ光源に対して固定的に設けられた光源装置が開示されている。
図13において、74は金属よりなる放熱プレートであり、75は放熱用ヒートシンクである。
この要請に対応するよう、上記のような光源装置を光源として使用する場合、蛍光体から放射された蛍光の一部をダイクロイックミラー等でカットして色純度を向上させた高色純度の光として利用していた。
その結果、蛍光体に照射される励起光の出力に対して、実際に利用される高色純度の蛍光の明るさが低く、励起光の利用効率が低いという問題があった。
また、ダイクロイックミラー等によってカットされた光は熱に変換されるため、光源装置全体の温度を上昇させてしまい、結果として、蛍光体自身の変換効率が低下してしまう、という問題もあった。
前記波長変換部材から放射される蛍光における、前記励起光の波長域に重なる波長域の光を反射して、前記波長変換部材に再入射させる誘電体多層膜を有することを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施の形態の光源装置の一例における構成の概略を示す説明図であり、図2は、図1に示す光源装置における波長変換部材および誘電体多層膜の構成を示す説明用断面図である。
この光源装置は、図1に示すように、励起光源として励起光L0を放射する半導体レーザ10と、この半導体レーザ10に対向して配置された、当該半導体レーザ10から放射される励起光(レーザ光)L0によって励起されて蛍光(原蛍光)L1を放射する蛍光体から形成された波長変換部材20とを備えてなる。
半導体レーザ10と波長変換部材20との間における当該半導体レーザ10に接近した位置には、半導体レーザ10から入射された励起光L0を平行光線として出射するコリメートレンズ15が配置されている。また、コリメートレンズ15と波長変換部材20との間には、第1の集光レンズ13と平行レンズ14とが配置されている。また、平行レンズ14と波長変換部材20との間には、半導体レーザ10からの励起光L0を透過すると共に波長変換部材20からの光を反射する平板状のダイクロイックミラー16が、コリメートレンズ15の光軸に対して例えば45°の角度で傾斜した姿勢で配置されている。さらに、ダイクロイックミラー16と波長変換部材20との間には、第2の集光レンズ17が配置されている。
図1では、複数(3つ)の半導体レーザ10の光を用いているが、半導体レーザ10が1つである形態であってもよい。
励起光源は、半導体レーザ10に限られるものではなく、LED光源や、水銀、キセノン等が封入されたランプであってもよい。なお、ランプやLEDのように放射波長に幅を持つ光源を利用した場合には、励起光の波長は主たる放射波長の領域である。
緑色の蛍光を放射するβ−SiAlON:Eu蛍光体の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルを図3に示す。また、赤色の蛍光を放射するCaAlSiN3 :Eu蛍光体の励起スペクトルおよび蛍光スペクトルを図4に示す。図3、図4において、曲線(1)は励起スペクトルであり、曲線(2)は蛍光スペクトルである。
そして、本発明においては、波長変換部材20の半導体レーザ10に対向する当該面20a上には、波長変換部材20を形成する蛍光体から放射される原蛍光L1の一部を反射して、波長変換部材20に再入射させる誘電体多層膜24が接触して配置されている。具体的には、誘電体多層膜24は、励起光源に対向する面から入射する光を透過し、波長変換部材20に対向する面において蛍光体から放射される原蛍光L1における励起光L0の波長域に重なる波長域の光L3を反射するものである。
図5において、斜線を引いて示した領域は、原蛍光L1のうち、励起光L0の波長域に重なる波長域の光L3を示す。
また、ダイクロイックミラー16は、半導体レーザ10に対向する入射面に入射された光をすべて透過すると共に、当該入射面の反対側の出射面に入射された光のうち、580nm以上の波長域の光を透過する。
そして、波長変換部材20においては、当該波長変換部材20を形成する蛍光体が励起されて原蛍光L1が放射される。この原蛍光L1のうち、出力すべき高色純度の光の波長域の光L2は誘電体多層膜24を透過し、第2の集光レンズ17を介してダイクロイックミラー16によって垂直方向に反射された後、光源装置の外部に出射される。
一方、原蛍光L1のうち、励起光L0の波長域に重なる波長域の光L3は、誘電体多層膜24によって反射されて波長変換部材20に再入射される。励起光L0の波長域に重なる波長域の光L3が再入射された波長変換部材20においては、蛍光体が再励起されて原蛍光L4が放射される。この原蛍光L4は、原蛍光L1と同様に、出力すべき高色純度の光の波長域の光L2は誘電体多層膜24を透過して光源装置の外部に出射され、励起光L0の波長域に重なる波長域の光L3は誘電体多層膜24によって反射されて波長変換部材20に再入射される。
蛍光体が励起されて得られた原蛍光L1,L4のうち、出力すべき高色純度の光の波長域にも励起光L0の波長域にも重ならない波長域の光は、出力すべき高色純度の光の波長域の光L2と共に誘電体多層膜24を透過して第2の集光レンズ17を介してダイクロイックミラー16に入射されるが、ダイクロイックミラー16によって垂直に反射されずに透過されることによってカットされる。
その結果、出力すべき高色純度の光の波長域の光L2のみが光源装置の外部に出射される。
本発明の第2の実施の形態に係る光源装置は、誘電体多層膜が、波長変換部材から放射される蛍光の光路上に、当該波長変換部材と離間した位置に配置されていること以外は第1の実施の形態に係る光源装置と同様の構成を有するものである。
具体的に説明すると、図6に示されるように、誘電体多層膜24Aが、波長変換部材20から放射される蛍光の光路上における当該波長変換部材20とダイクロイックミラー16との間に配置された構成とされている。なお、第1の実施の形態では、誘電体多層膜24が蛍光体の励起光入射面に形成されていたが、本実施例の場合、ガラス部材等の透明な基台(不図示)の上に誘電体多層膜24Aを形成している。
さらに、誘電体多層膜24Aに照射される原蛍光L1は平行光のみであるので、当該誘電体多層膜24Aに照射される励起光L0の波長域に重なる波長域の光L3は全てそのまま反射されて再励起光として使用することができ、励起光のより高い利用効率が得られる。また、出力すべき高色純度の光の波長域の光L2が色ムラの抑制されたものとなる。
本発明の第3の実施の形態に係る光源装置は、誘電体多層膜が、波長変換部材から放射される蛍光の光路上に、当該波長変換部材と離間した位置に配置されていること以外は第1の実施の形態に係る光源装置と同様の構成を有するものである。
具体的に説明すると、図7に示されるように、誘電体多層膜24Bが、波長変換部材20から放射される蛍光の光路上におけるダイクロイックミラー16と平行レンズ14との間に配置された構成とされている。
さらに、出力すべき高色純度の光の波長域の光L2が誘電体多層膜24Bを1度も透過しないで出射されるために、光の損失が抑制されるので、励起光のより高い利用効率が得られる。
本発明の第4の実施の形態に係る光源装置は、誘電体多層膜が、波長変換部材から放射される蛍光の光路上に、当該波長変換部材と離間した位置に配置されていること以外は第1の実施の形態に係る光源装置と同様の構成を有するものである。
具体的に説明すると、図8に示されるように、誘電体多層膜24Cが、波長変換部材20から放射される蛍光の光路上におけるダイクロイックミラー16と光源装置の外部との間に配置された構成とされている。
さらに、励起光L0が誘電体多層膜24Cを透過しない構成であるために、光の損失が抑制されるので、励起光のより高い利用効率が得られる。
本発明の第5の実施の形態に係る光源装置は、誘電体多層膜がロッドレンズを介して配置されていること以外は第1の実施の形態に係る光源装置と同様の構成を有するものである。
具体的に説明すると、図9および図10に示されるように、第2の集光レンズ17と波長変換部材20との間にロッドレンズ25が設けられ、当該ロッドレンズ25における励起光L0が入射される端面(図9および図10において左面)上に誘電体多層膜24Dが配置された構成とされている。
さらに、ロッドレンズ25内の光は空気中の蛍光の広がる角度よりもゆるやかな角度になるために、波長変換部材20の面20a上に接触して誘電体多層膜24が設けられた第1の実施の形態に係る光源装置に比べて光の損失が抑制されるので、励起光のより高い利用効率が得られる。
本発明の第6の実施の形態に係る光源装置は、ダイクロイックミラーを備えておらず、波長変換部材の半導体レーザに対向する面が励起光受光面として機能すると共に反対側の面が光出射面として機能する透過型のものであること以外は第1の実施の形態に係る光源装置と同様の構成を有するものである。
具体的に説明すると、図11に示されるように、誘電体多層膜24Eが、波長変換部材20について半導体レーザ10と反対側の当該波長変換部材20から放射される原蛍光の光路上に、第3の集光レンズ18を介して当該波長変換部材20から独立して配置された構成とされている。
さらに、光源装置としてダイクロイックミラーを有さない構成であるために、光の損失が抑制されるので、励起光のより高い利用効率が得られる。
13 第1の集光レンズ
14 平行レンズ
15 コリメートレンズ
16 ダイクロイックミラー
17 第2の集光レンズ
18 第3の集光レンズ
20 波長変換部材
20a,20b 面
24,24A〜24E 誘電体多層膜
25 ロッドレンズ
51 レーザ光源
52 蛍光ホイール
53 ホイールモーター
61 コリメートレンズ
62 赤色光源
63A,63B,63C,64A,64B,64C 集光レンズ
65 ダイクロイックミラー
66 導光装置入射レンズ
67 反射ミラー
68 導光装置
71 波長変換部材
72 基板
73 熱膨張吸収層
74 放熱プレート
75 放熱用ヒートシンク
Claims (5)
- 励起光源と、当該励起光源から放射された励起光により励起されて蛍光を発する波長変換部材とを備えてなる光源装置であって、
前記波長変換部材から放射される蛍光における、前記励起光の波長域に重なる波長域の光を反射して、前記波長変換部材に再入射させる誘電体多層膜を有することを特徴とする光源装置。 - 前記誘電体多層膜は、当該波長変換部材から放射される蛍光の光路上に当該波長変換部材と離間した位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記誘電体多層膜は、波長変換部材に接触して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
- 前記励起光源が、レーザ光源またはLED光源であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光源装置。
- 前記波長変換部材が、ガーネット系蛍光体、酸化物系蛍光体、窒化物系蛍光体およびシリケート系蛍光体の群から選択される少なくとも1つから形成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の光源装置。
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