JP6147730B2 - 細胞を溶解する方法 - Google Patents
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Description
酵素法は、リゾチーム、プロテアーゼなどを用いる。
それでもなお、迅速かつ効果的な溶解法に対する必要性が存在する。
a) 該細胞を含む試料を提供すること
b) 水非混和性液体を少なくとも含む溶解溶液を該試料へと添加すること
c) ステップb)において得られた混合物を80℃より上の温度へと加熱すること
d) ステップc)における温度が100℃より上であった場合、試料を100℃より下の温度へと冷却すること
e) 水または水性緩衝液を該混合物へと添加し、水非混和性液体相および水相を生成させること
によって、細胞を溶解する方法を対象とする。
好ましい態様において、混合物を100〜150℃の温度へと加熱する。
好ましい態様において、ステップd)において、試料を20〜40℃の温度へと冷却する。
好ましい態様において、ステップb)において添加される溶解溶液は、少なくとも1種のビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[NtF2]をベースとしたイオン液体を含む。これは、イオン液体のアニオンがビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[NtF2]であることを意味する。
一態様においてステップe)の後および任意にプロテイナーゼとともに培養した後に、水相における核酸を、PCR法、特にリアルタイムPCRにより、電気泳動(アガロースまたはポリアクリルアミド)あるいはライゲーションまたは制限酵素消化などのクローン化技術により、直接的に分析する。
本明細書において用いられる用語「核酸」は、当業者に公知の任意のタイプのDNAまたはRNAに言及する。例は、ゲノムDNA、メッセンジャーRNA、プラスミドDNAである。
a) 複合試料を提供する、
b) 該試料を以下のものとともに培養する:
− 少なくとも1種のカオトロープ、
− 緩衝液、および
− 少なくとも1種の洗剤、
c) 遠心分離またはろ過により、得られた混合物から該細胞を単離する。
複合試料から細胞を単離するこの手順に関する詳細は、EP 2049677に開示されている。
a) 複合試料を提供する、
b) 少なくともMgCl2および/またはイオン液体を含む抽出溶液で該試料を培養する
c) ステップb)の混合物から、好ましくは遠心分離、親和結合および/またはろ過により、該細胞を単離する。
複合試料から細胞を単離するこの手順に関する詳細は、WO 2010145754に開示されている。
本発明によれば、水非混和性液体は水非混和性油または水非混和性イオン液体である。
精油の例は、テルペン類またはテルペノイド類である。
[NR4]+ (1)
式中
Rはそれぞれの場合において、互いに独立して
H、ここで全ての置換基Rは同時にHであることはできない、
OR’、NR’2、但し式(1)における最大1つの置換基RがOR’、NR’2である、
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する、直鎖のまたは分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する、直鎖のまたは分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、
これは1〜6個のC原子を有するアルキルにより置換されていてもよく、ここで1つまたは2つ以上のRは部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより、あるいは部分的に−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SO2NR’2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2により置換されていてもよく、ならびにここでRにおける、α位にない1つまたは2つの非隣接の炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’2)NR’−、−PR’2=N−または−P(O)R’−の群から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよい、
を示し、ここでR’は=H、非フッ素化、部分的にフッ素化されたまたはパーフッ素化C1−〜C6−アルキル、C3−〜C7−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであってもよく、およびXは=ハロゲンであってもよい。
[PR2 4]+ (2)
式中
R2はそれぞれの場合において、互いに独立して
H、OR’またはNR’2、
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖のまたは分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキル基により置換されていてもよく、ここで1つまたは2つ以上のR2は、ハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより部分的にまたは完全に、あるいは−OH、−OR、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SO2NR’2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2により部分的に置換されていてもよく、およびここでα位にないR2における1つまたは2つ以上の非隣接の炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’2)NR’−、−PR’2=N−または−P(O)R’−の群から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよい、
を示し、ここでR’=H、非フッ素化、部分的にフッ素化されたまたはパーフッ素化C1−〜C6−アルキル、C3−〜C7−シクロアルキル、非置換のまたは置換されたフェニル、およびX=ハロゲンである。
[(R3R4N)−C(=OR5)(NR6R7)]+ (3)
により、およびチオウロニウムカチオンは式(4)
[(R3R4N)−C(=SR5)(NR6R7)]+ (4)
により記載されることができ、
R3〜R7はそれぞれ、互いに独立して、
水素、ここでR5に対して水素は除外される、
1〜20個のC原子を有する、直鎖のまたは分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する、直鎖のまたは分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する、直鎖のまたは分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキル基により置換されていてもよく、ここで1つまたは2つ以上の置換基R3〜R7は部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより、あるいは部分的に−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SO2NR’2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2により置換されていてもよく、およびここでα位にないR3〜R7における1つまたは2つの炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’2)NR’−、−PR’2=N−または−P(O)R’−の群から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよい、
を示し、ここでR’=H、非フッ素化、部分的にフッ素化されたまたはパーフッ素化C1−〜C6−アルキル、C3−〜C7−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、およびX=ハロゲンである。
[C(NR8R9)(NR10R11)(NR12R13)]+ (5)
により記載されることができ、
式中
R8〜R13はそれぞれ、互いに独立して
水素、−CN、NR’2、−OR’、
1〜20個のC原子を有する、直鎖または分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の三重結合を有する、直鎖または分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキル基により置換されていてもよく、ここで置換基R8〜R13の1個または2個以上はハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより部分的にまたは完全に、あるいは−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SO2NR’2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2により部分的に置換されていてもよく、およびここでα位にないR8〜R13における1個または2個以上の非隣接の炭素原子は群−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’2)NR’−、−PR’2=N−または−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団により置き換えられていてもよい
を示し、ここでR’=H、非フッ素化、部分的にフッ素化またはパーフッ素化C1−〜C6−アルキル、C3−〜C7−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、およびX=ハロゲンである。
[HetN]+ (6)、
で表されるカチオンを採用することができ、ここで
HetN+は、以下の群から選択される複素環式カチオンを示す。
R1’〜R4’はそれぞれ、互いに独立して
水素、−CN、−OR’、−NR’2、−P(O)R’2、−P(O)(OR’)2、−P(O)(NR’2)2、−C(O)R’、 −C(O)OR’、
1〜20個のC原子を有する、直鎖または分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の三重結合を有する、直鎖または分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキル、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C1〜C6−アルキルまたはアリール−C1〜C6−アルキルにより置換されていてもよい
を示し、
ここで1個または2個以上の置換基R1’〜R4’は、ハロゲン、特に−Fおよび/または−Cl、あるいは−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SO2NR’2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2により部分的または完全に置換されていてもよく、しかしここで、R1’およびR4’は同時にはハロゲンにより完全に置換されることができず、およびここで、置換基R1’〜R4’において、ヘテロ原子へと結合しない1個または2個の非隣接の炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’2)NR’−、−PR’2=N−または−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよく、ここでR’=H、非フッ素化、部分的またはパーフッ素化C1−〜C6−アルキル、C3−〜C7−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、およびX=ハロゲンである。
式(2)
[PR2 4]+ (2)
ここでR2はそれぞれの場合において、互いに独立して、
H、または1〜20個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキル
を示す、で表されるホスホニウムカチオンから選択される。
ここで
Rはそれぞれの場合、互いに独立して、
H、
1〜20個のC原子を有する、直鎖または分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の三重結合を有する、直鎖または分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキルにより置換されていてもよい、を示し、ここで1個または2個以上のRはハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより部分的にまたは完全に、あるいは−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SO2NR’2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2により部分的に置換されていてもよく、およびここでα位にないRにおける1個または2個の非隣接の炭素原子は群−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’2)NR’−、−PR’2=N−または−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよく、ここでR’は=H、非フッ素化、部分的にフッ素化またはパーフッ素化されたC1−〜C6−アルキル、C3−〜C7−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであってもよく、およびXは=ハロゲンであってもよい。
第3の相は、例えば、水相および水非混和性液体相の両方と混和しない、有機溶媒またはポリマー相であることができる。油が水非混和性液体として用いられる場合、第3の相もまた水非混和性イオン液体を含むことができ、水非混和性液体が水非混和性イオン液体を含む場合、第3の相は、例えば、油であることができる。第3の相は、もしそうでなければ核酸から分離することができない水相から不純物を抽出する追加の可能性を提供する。有機不純物は、例えば、有機溶媒で製造される第3の相を添加することにより抽出することができる。タンパク質は、例えば、ポリマーを含む相を添加することにより除去することができる。
単離手順の効率を決定付けるためにまたはモニターするために、試料を規定量の核酸でスパイクすることができる。
以下の例は、本発明の実用的適用を表す。
溶解:1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(bmpyrr Ntf2)中で120または140℃で1分
Listeria:
N,N−ジメチルエタノールアンモニウムプロピオナート(DMAE prop)とともに80℃で10分の前培養。
その後:プロテイナーゼKとともに20分
他に示さなければ、全ての化学物質およびイオン液体(IL)は、Merck KgaA(Darmstadt, Germany)により提供される。
それらを100℃より上に加熱するために、マイクロカートリッジの寸法へと適合するドリル穴を有するアルミニウムブロックを製造し、そしてマグネチックスターラー(IKAMAG(登録商標)RCT; IKA-Labortechnik, Staufen i. Br., Germany)上に配置した。実際の温度は常に、それぞれのILを含有する参照チューブ中に差し込んだ金属温度計(ama-digit ad14th, Amarell, Kreuzwertheim, Germany)で、直接測定する。
グラム陰性
終夜の培養のネズミチフス菌および大腸菌細菌の調製物を5分、6,000×gでの遠心により収穫し、ddH2Oで3回洗浄し、そしてddH2O中に最初の容量の1/20中に再懸濁させる。10μlの再懸濁培養物を100μlのbmpyrr Ntf2中へと配置し、アルミ箔で覆い、そして異なる培養時間および温度を試験する。培養後、2×250μl ddH2OのILへの添加により「懸濁液」を2mlのチューブ(Eppendorf, Hamburg, Germany)へと移し、そして数秒間ピペットで混合する。懸濁液を手短かにボルテックスし、そして上方の相をリアルタイムPCR測定のために直接的に用いる。
終夜の培養のリステリア(L. monocytogenes.)細菌の調製物を5分、6,000×gでの遠心により収穫し、ddH2Oで3回洗浄し、そしてDMAEプロピオナートの20%溶液中に最初の容量の1/20容量中に再懸濁させる(時間および温度は、表1を参照)。10μlの再懸濁培養物を100μlのbmpyrr Ntf2へと配置し、そして異なる培養時間および温度を試験する。培養後、2×250μl ddH2OのILへの添加により「懸濁液」を2mlのチューブ(Eppendorf, Hamburg, Germany)へと移し、そして数秒間ピペットで混合する。懸濁液を手短かにボルテックスし、そして上方の相をリアルタイムPCR測定のために直接的に用いる。
表1は、異なる細菌株からのゲノムDNAの抽出に関するいくつかの反応条件の概要を示す。
表2は、大腸菌からのプラスミドDNAの抽出に対する反応条件の概要を示す。
両方の表において、平均の収率(Av.収率)は、NucleoSpin(登録商標)組織キットと比較して示す。
試薬
Campylobacter jejuni DSMZ 4866の維持および増殖のため、ハートインフュージョンブイヨン、グリセロール、トリプシン大豆寒天、酵母エキス(Merck, Darmstadt, Germany)、コロンビア寒天およびウマ血液(laked horse blood)(Oxoid, Basingstoke, UK)を購入する。DNA単離をNucleoSpin(登録商標)組織キット(Macherey-Nagel, Dueren, Germany)でおよびRNA単離をHigh Pure RNA単離キット(Roche, Mannheim, Germany)で実行する。リアルタイムRT−PCRのために用いられる試薬(SuperScript(商標)III逆転写酵素、RNase(商標)OUT、SYTO9、PlatinumTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ)をInvitrogen(Lofer, Austria)、ならびにプライマーおよびプローブをMWG Biotech(Ebersberg, Germany)から得る。
100μlの凍結永久(20% v/vグリセロール、20% v/vウマ血液および60% v/vブレインハートインヒュージョンブイヨン、−80℃で維持)のC. jejuni DSMZ 4688株を、9mlのブレインハートインヒュージョン(膜ろ過)中で植菌し、微好気的条件(3% O2、10% CO2、87% N2)で48h、42℃で増殖させる。培養物の純度を証明するために、それぞれ酵母エキスを添加した(0.6% w/v)コロンビア寒天およびトリプトン大豆寒天の2つのプレートを追加的にストリークし、およびブレインインヒュージョンブイヨンの純度の証明のために100μlをそれぞれの場合において同じタイプのプレート上に配置する。
それぞれの場合において、1mlの48h培養物を6,000×gでの5分の遠心分離により収穫し、20μlのDEPC処理H2O中に再懸濁し、全量を100μlのbmpyrr Ntf2へと配置し、アルミ箔で覆い、そして120℃または140℃で1分間培養する。培養後、100μlのDEPC処理H2Oまたは90μlのDNase培養緩衝液および10μlのDNase I(High Pure RNA単離キットによるプロトコール)を試料へと添加し、全体の懸濁液を1.5mlチューブ(Eppendorf, Hamburg, Germany)へと移す。さらに、懸濁液を数秒間ボルテックスし、DNaseを含有する試料をまず、室温で攪拌下で50分培養し、その後DNA活性を75℃15分で停止させる。一方で、DEPC処理H2Oで処理された試料を、氷で冷ます。最終のボルテックス後、試料の上方の相を新しいチューブへと写し、−80℃で貯蔵する。
夫々の試料に関し、1mlの48h培養物を6,000×gでの5分の遠心分離により収穫し、High Pure RNA単離キットのプロトコールにより処理する。DNase Iの影響の推定のため、このステップを2つの試料で省略する。
1ミリリットルの48h培養物を5分6,000×gでの遠心分離により収穫し、この試料をイオン液体法との比較のためのDNA含有量もまた得る参照として用いる。加えて、DNA標準を作るために、試料をコロンビア寒天プレートから採取する。DNA単離をグラム陽性細菌に対するNucleoSpin(登録商標)組織キットのプロトコールにより実行する(1h リゾチーム、プロテイナーゼ 終夜)。プロトコールの最終ステップを修飾する。100μlの前加温(70℃)溶出緩衝液BEでの1回の洗浄の代わりに、前加温したddH2Oでの50μlの2回の洗浄を、カラムからのDNAの溶出のために用いる(Maryl et al., 2009)。標準に関するDNA濃度は、Hoefer DyNA Quant 200装置(Pharmacia Biotech, San Francisco, CA)を用いることにより、蛍光分析により獲得する。
cDNAの合成およびリアルタイムRT−PCR分析を、Dzieciol et al. (2011)のプロトコールにより実行する。
本発明の方法のC. jejuniからのRNAの単離のために用いられる参照方法(市販のKit RNA Isolation Kit)との比較を表3に示す。ゲノムDNA残基の消化および除去のための追加のDNAseステップを有する本発明のプロトコールの低減された回復は、DNAseプロトコールの持続から生じるものであり、明示的な低いRNA含有量から生じるものではない。これは、低いDNA含有量提供するデータを表す表5において示される。それゆえ、本表において表される本プロトコールのRNA回復は顕著である。
表3に示される実験の間のゲノムDNAの回復を、表4において参照することができる。
表3に示される実験のRT(−)値。RT(−)値はプロトコール後の試料におけるDNAの比率を実証する。実験に関し、2対数スケールの間隔は、試料における1%のDNA含有量を意味する。
Claims (11)
- a) 細胞を含む試料を提供すること、
b) 水非混和性液体を少なくとも含む溶解溶液を試料へと添加すること、
c) ステップb)で得られた混合物を80℃より上の温度へと加熱すること、
d) ステップc)における温度が100℃より上であった場合、試料を100℃より下の温度へと冷却すること、
e) 水または水性緩衝液を混合物へと添加し、それにより水非混和性液体相および水相を得ること、ここで、水非混和性液体が、水非混和性油または水非混和性イオン液体である、
によって、細胞を溶解する方法。 - 細胞が細菌細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- ステップc)において、混合物が100〜150℃の温度へと加熱されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
- ステップd)において、試料が20〜40℃の温度へと冷却されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- ステップb)において添加される溶解溶液が水非混和性イオン液体を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- イオン液体のアニオンがビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[Ntf2]であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
- ステップb)において添加される溶解溶液がトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート[Ttp][Fap]および/または1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[bmpyrr][Ntf2]を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 溶解溶液を添加する前に、ステップb1)において、アンモニウムカチオン[NR4]+
ここで
Rはそれぞれの場合において、互いに独立して、
H、
1〜20個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の二重結合を有する直鎖または分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の三重結合を有する直鎖または分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、
これは1〜6個のC原子を有するアルキル基により置換されていてもよく、ここで1個または2個以上のRは部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより、または部分的に−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SO2NR’2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2により置換されていてもよく、およびここでα位にないRにおける1個または2個の非隣接の炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R’2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’2)NR’−、−PR’2=N−または−P(O)R’−の群から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよく、ここでR’は=H、非フッ素化、部分的にまたはパーフッ素化C1−〜C6−アルキル、C3−〜C7−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであってもよく、およびXは=ハロゲンであってもよい、
を含む少なくとも1種の物質で試料を前培養することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。 - 溶解溶液を添加する前に、ステップb1)において、試料が少なくとも1種のN,N−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム[DMAE]をベースとしたイオン液体で前培養されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- ステップe)の後に、得られた混合物をプロテイナーゼで培養することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- ステップe)および任意にプロテイナーゼとともに培養した後に、水相がリアルタイムPCRにより直接的に分析されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
Applications Claiming Priority (3)
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