JP2014512192A - 細胞を溶解する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、細胞、特に細菌細胞の溶解方法および核酸の単離方法に関する。試料は、水に混和性でなくかつ発熱しない少なくとも1種の液体を含む溶解溶液で処理される。その後、混合物を冷却し、そして水を添加すると、冷却後に二相系が生成される。核酸は水相において見出すことができる。

Description

本発明は、細胞、特に細菌細胞の溶解(lysis)方法および核酸の単離方法に関する。試料を、水と混和せずかつ発熱しない、少なくとも1種の液体を含む溶解溶液で処理する。その後、混合物を冷却し、そして水を添加すると、冷却後に二相系が生成される。核酸は、水相に見出すことができる。
DNAなどの核酸は、分子生物学の分野において、研究および臨床分析に対して広く用いられている。DNAの分析のための共通の方法は、サザンブロット法、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの方法による増幅、およびシークエンシングである。これらの方法を用いると、DNA配列における差異が決定され、遺伝子同定、集団検診、病原菌同定および診断検査において手助けとなる。これらの分析の全ては、一貫したかつ正当な結果の基礎として、精製されたDNA試料を必要とする。
核酸の分析およびin vitro操作は、典型的には、引き続く加工手順を妨げうる、好ましからざる混入物質から核酸から取り除くための、核酸単離ステップが先行する。研究および診断分子生物学の両方における大多数の手順に対し、抽出された核酸が第1のステップとして必要とされる。典型的なDNA抽出プロトコールにおいては、対象の核酸を含有する細胞を採取し、そして溶解させる。
細胞溶解は、細胞膜を破壊することにより細胞から物質を放出させる方法であり、特に、PCRおよびクローン化技術などの核酸に基づく方法でのさらなる加工の前にDNAまたはRNAを単離するための、細胞から細胞内物質を抽出させる方法である。
細胞破壊による細胞溶解法は、機械的方法および非機械的方法に分類される。
機械的方法は、超音波処理、ホモジナイザーを用いる破壊、例えばフレンチプレスなどを用いる圧縮、減圧、粉砕などを含む。非機械的方法は、化学的方法、熱的方法、酵素法などを含む。
化学的方法は、非機械的方法であり、例えば、酸、塩基、洗剤、溶媒、カオトロピック試薬などを用いる。特に、洗剤を用いる化学的方法が広汎に用いられる。試薬は脂質二重膜を破壊し、細胞内容物を放出させ、膜タンパク質を溶解させる。洗剤は、動物細胞を溶解させるために、最も広汎に用いられる。しかし、細胞溶解のための試薬は別途添加され、それゆえかかる試薬を除去する後続のプロセスが必要とされる。PCR阻害が生じ得ることがあり、プロセスは長い時間が掛かる。
酵素法は、リゾチーム、プロテアーゼなどを用いる。
熱的方法は、凍結融解、加熱、浸透圧効果、電気的効果などを含む。例えば細胞溶解は、細胞を高熱の対象、例えばホットプレートなどと接触させることにより、または−70℃への凍結および室温への融解の周期を繰り返すことにより、達成される。
US 2006/0141556においては、マイクロ波を試料へと照射することによって、試料の温度を上昇させることにより、細胞溶解が実行される。蒸気圧の上昇が、両性イオン化合物またはイオン液体を試料に添加することにより阻害される。
それでもなお、迅速かつ効果的な溶解法に対する必要性が存在する。
細胞、特に細菌細胞は、水非混和性液体を含む溶解溶液を試料へと添加し、混合物を加熱し、そして冷却後に、水または水性緩衝液を添加して二相系を生成することにより、効果的に溶解させることができることが見出された。核酸は水相に見つけることができ、PCRなどのさらなる下流の操作へと直接的に移すことができる。
それゆえ本発明は、
a) 該細胞を含む試料を提供すること
b) 水非混和性液体を少なくとも含む溶解溶液を該試料へと添加すること
c) ステップb)において得られた混合物を80℃より上の温度へと加熱すること
d) ステップc)における温度が100℃より上であった場合、試料を100℃より下の温度へと冷却すること
e) 水または水性緩衝液を該混合物へと添加し、水非混和性液体相および水相を生成させること
によって、細胞を溶解する方法を対象とする。
好ましい態様において、細胞は細菌細胞である。
好ましい態様において、混合物を100〜150℃の温度へと加熱する。
好ましい態様において、ステップd)において、試料を20〜40℃の温度へと冷却する。
好ましい態様において、ステップb)において添加される溶解溶液は、少なくとも一種の油または少なくとも1種のイオン液体を含む。非常に好ましい態様において、少なくとも1種のイオン液体を含む。
好ましい態様において、ステップb)において添加される溶解溶液は、少なくとも1種のビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[NtF]をベースとしたイオン液体を含む。これは、イオン液体のアニオンがビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[NtF]であることを意味する。
好ましい態様において、ステップb)において添加される溶解溶液は、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート[Ttp][Fap]および/または1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[bmpyrr][Ntf]を含む。
グラム陽性細胞に対する特に好ましい一態様において、溶解溶液を添加する前に、ステップb1)において、試料を、少なくとも1種のN,N−ジメチル−エタノールアンモニウム[DMAE]をベースとしたイオン液体とともに前培養する。これは、かかるイオン液体のカチオンがN,N−ジメチル−エタノールアンモニウム[DMAE]であることを意味する。
一態様において、ステップe)の後に、得られた混合物をプロテイナーゼとともに培養する。
一態様においてステップe)の後および任意にプロテイナーゼとともに培養した後に、水相における核酸を、PCR法、特にリアルタイムPCRにより、電気泳動(アガロースまたはポリアクリルアミド)あるいはライゲーションまたは制限酵素消化などのクローン化技術により、直接的に分析する。
本発明はまた、水非混和性液体を有する1つの容器、およびプロテイナーゼを備える1つの容器を含むキットに関する。
発明の説明
本明細書において用いられる用語「核酸」は、当業者に公知の任意のタイプのDNAまたはRNAに言及する。例は、ゲノムDNA、メッセンジャーRNA、プラスミドDNAである。
本明細書中で用いられる用語「緩衝液」は、酸または塩基を溶液または組成物に加えた場合にpHの変化に抵抗する水溶液または組成物を指す。pH変化に対するこの抵抗は、かかる溶液の緩衝特性のためである。したがって、緩衝活性を示す溶液または組成物は、緩衝液または緩衝溶液と呼ばれる。緩衝液は、一般的に溶液または組成物のpHを維持せしめる無制限の能力は有しない。むしろ、それらは、典型的には、ある範囲内のpH、例えばpH7〜pH9を維持することが可能である。典型的には、緩衝液は、それらのpKaより1対数高い、および低い範囲内のpHを維持することが可能である(例えば、C . Mohan, Buffers, A guide for the preparation and use of buffers in biological systems, CALBIOCHEM, 1999を参照)。緩衝液および緩衝溶液は、典型的には緩衝塩から、または好ましくは非イオン性緩衝構成成分、例えばTRISおよびHEPESから作製される。本発明において用いられる緩衝液は、好ましくは、リン酸緩衝液、リン酸緩衝食塩水(PBS)、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール(TRIS)緩衝液、TRIS緩衝食塩水(TBS)およびTRIS/EDTA(TE)の群から選択される。
本発明の方法で溶解させる細胞は全てのタイプの細胞、好ましくは細胞壁を含む細胞、最も好ましくは細菌細胞、真菌細胞、古細菌細胞、藻類細胞または植物細胞である。特に好ましい細胞はグラム陽性またはグラム陰性細菌細胞、特にListeria spp.、 S. aureus、P. paratuberculosis、Salmonella spp.、 C. jejuni、Penicillum roquefortiiおよびE. Coliからなる群から選択されるものである。
本発明によれば、試料は細胞を含む任意の試料であってもよい。試料は例えば、食品試料、体液、特に血液、血漿または血清、水または組織試料であってもよい。好ましい態様において、試料は以下のステップを含む方法を以って、複合試料から生成された:
a) 複合試料を提供する、
b) 該試料を以下のものとともに培養する:
− 少なくとも1種のカオトロープ、
− 緩衝液、および
− 少なくとも1種の洗剤、
c) 遠心分離またはろ過により、得られた混合物から該細胞を単離する。
複合試料から細胞を単離するこの手順に関する詳細は、EP 2049677に開示されている。
本発明による試料はまた、以下により複合試料から生成することができる。
a) 複合試料を提供する、
b) 少なくともMgClおよび/またはイオン液体を含む抽出溶液で該試料を培養する
c) ステップb)の混合物から、好ましくは遠心分離、親和結合および/またはろ過により、該細胞を単離する。
複合試料から細胞を単離するこの手順に関する詳細は、WO 2010145754に開示されている。
本発明によれば、複合試料は、例えば食品試料、体液、特に血液、血漿または血清、水または組織試料であってもよい。典型的には、複合試料は、複合マトリックス(つまり、とりわけ、タンパク質、脂質、炭水化物などを含む)および/または高度な粘性を有する。
本発明によれば、水非混和性液体は水非混和性油または水非混和性イオン液体である。
本発明による方法に好適な油は、室温において液体であり、かつ150℃より上の、より好ましくは200℃より上の沸点ならびに引火点を有する、任意の油である。加えて、かかる油は水非混和性である必要がある。これは、本発明による方法に好適なかかる油は、20〜80℃の温度で水と混合される際に二相系を形成することを意味する。好適な油の例は、有機油、鉱油、シリコン油または精油である。
有機油は、少なくとも脂肪酸および/またはトリグリセリドを含む油である。室温で液体である有機油は、典型的には、6〜30炭素原子の鎖長の一不飽和または多不飽和の脂肪酸を含む。好適な有機油の例は、菜種油およびヒマシ油である。
鉱油は、灯油および またはナフテン油および/または芳香油を含む油である。好ましい鉱油は、重ホワイトオイル(CAS 8012-95-1)など、より重いアルカン類の混合物を含む灯油である。
好適なシリコン油は、一般式R(RSiO)SiRで表される線状のシリコン油であり、Rは、互いに独立するが、好ましくは全体の分子において同一で、直鎖または分枝のC1〜C8アルキル残基である。好適なシリコン油の一例は、ポリ(ジメチルシロキサン)(CAS 63148-62-9)である。
精油の例は、テルペン類またはテルペノイド類である。
本発明において用いられるイオン液体または液体塩は、典型的には有機カチオンおよびアニオンからなるイオン種である。それらはいかなる中性分子をも含まず、通常373Kより下の融点を有する。
イオン液体の領域は、その潜在的な用途は多種多様であるため、集約的に研究されている。イオン液体に関する総説は、例えば、以下のものである。
一般的に、当業者に公知の一般式Kで表される全てのイオン液体、特に水に非混和性であるものは、本発明による方法において好適である。
かかるイオン液体のアニオンAは、典型的には、ハロゲン化物、テトラフルオロボラートまたは誘導体、ヘキサフルオロホスファートまたは誘導体、例えばPF(Rなど、一般式[N(Rまたは一般式[N(XRで表されるシアナミド、チオシナートまたはイミドの群から選択され、ここでRは、1〜8個のC原子を有する部分的にまたは完全にフッ素置換されたアルキルを示し、およびXはSOまたはCOを示す。ここでハロゲン化物アニオンは、塩化物アニオン、臭化物アニオンおよびヨウ化物アニオンから、好ましくは塩化物アニオンおよび臭化物アニオンから選択することができる。
イオン液体のカチオンKの選択に関し、自体制限はない。しかし、好ましいのは有機カチオン、特に好ましくはアンモニウム、ホスホニウム、ウロニウム、チオウロニウム、グアニジニウムカチオンまたはピロリジニウムカチオンなどの複素環カチオンである。
アンモニウムカチオンは、例えば、式(1)により記載することができる。
[NR (1)
式中
Rはそれぞれの場合において、互いに独立して
H、ここで全ての置換基Rは同時にHであることはできない、
OR’、NR’、但し式(1)における最大1つの置換基RがOR’、NR’である、
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する、直鎖のまたは分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する、直鎖のまたは分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、
これは1〜6個のC原子を有するアルキルにより置換されていてもよく、ここで1つまたは2つ以上のRは部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより、あるいは部分的に−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOにより置換されていてもよく、ならびにここでRにおける、α位にない1つまたは2つの非隣接の炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよい、
を示し、ここでR’は=H、非フッ素化、部分的にフッ素化されたまたはパーフッ素化C−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであってもよく、およびXは=ハロゲンであってもよい。
ホスホニウムカチオンは、例えば、式(2)により記載することができる。
[PR (2)
式中
はそれぞれの場合において、互いに独立して
H、OR’またはNR’
1〜20個のC原子を有する直鎖のまたは分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する直鎖のまたは分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する直鎖のまたは分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキル基により置換されていてもよく、ここで1つまたは2つ以上のRは、ハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより部分的にまたは完全に、あるいは−OH、−OR、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOにより部分的に置換されていてもよく、およびここでα位にないRにおける1つまたは2つ以上の非隣接の炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよい、
を示し、ここでR’=H、非フッ素化、部分的にフッ素化されたまたはパーフッ素化C−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換のまたは置換されたフェニル、およびX=ハロゲンである。
しかし、式中全ての4つのまたは3つの置換基RおよびRがハロゲンにより完全に置換されている式(1)および(2)で表されるカチオン、例えばリス(トリフルオロメチル)メチルアンモニウムカチオン、テトラ(トリフルオロメチル)アンモニウムカチオンまたはテトラ(ノナフルオロブチル)アンモニウムカチオンは除外される。
ウロニウムカチオンは、例えば式(3)
[(RN)−C(=OR)(NR)] (3)
により、およびチオウロニウムカチオンは式(4)
[(RN)−C(=SR)(NR)] (4)
により記載されることができ、
式中、
〜Rはそれぞれ、互いに独立して、
水素、ここでRに対して水素は除外される、
1〜20個のC原子を有する、直鎖のまたは分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の二重結合を有する、直鎖のまたは分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1つまたは2つ以上の三重結合を有する、直鎖のまたは分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和の、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキル基により置換されていてもよく、ここで1つまたは2つ以上の置換基R〜Rは部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより、あるいは部分的に−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOにより置換されていてもよく、およびここでα位にないR〜Rにおける1つまたは2つの炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよい、
を示し、ここでR’=H、非フッ素化、部分的にフッ素化されたまたはパーフッ素化C−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、およびX=ハロゲンである。
グアニジニウムカチオンは、式(5)
[C(NR)(NR1011)(NR1213)] (5)
により記載されることができ、
式中
〜R13はそれぞれ、互いに独立して
水素、−CN、NR’、−OR’、
1〜20個のC原子を有する、直鎖または分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の三重結合を有する、直鎖または分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキル基により置換されていてもよく、ここで置換基R〜R13の1個または2個以上はハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより部分的にまたは完全に、あるいは−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’2、−SONR’2、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOにより部分的に置換されていてもよく、およびここでα位にないR〜R13における1個または2個以上の非隣接の炭素原子は群−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団により置き換えられていてもよい
を示し、ここでR’=H、非フッ素化、部分的にフッ素化またはパーフッ素化C−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、およびX=ハロゲンである。
さらに、一般式(6)
[HetN] (6)、
で表されるカチオンを採用することができ、ここで
HetNは、以下の群から選択される複素環式カチオンを示す。
ここで置換基
’〜R’はそれぞれ、互いに独立して
水素、−CN、−OR’、−NR’、−P(O)R’、−P(O)(OR’)、−P(O)(NR’、−C(O)R’、 −C(O)OR’、
1〜20個のC原子を有する、直鎖または分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の三重結合を有する、直鎖または分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキル、飽和、部分的にまたは完全に不飽和のヘテロアリール、ヘテロアリール−C〜C−アルキルまたはアリール−C〜C6−アルキルにより置換されていてもよい
を示し、
ここで置換基R1’、R2’、R3’および/またはR4’はともに、また環系を形成してもよく、
ここで1個または2個以上の置換基R’〜R’は、ハロゲン、特に−Fおよび/または−Cl、あるいは−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOにより部分的または完全に置換されていてもよく、しかしここで、R’およびR’は同時にはハロゲンにより完全に置換されることができず、およびここで、置換基R’〜R’において、ヘテロ原子へと結合しない1個または2個の非隣接の炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよく、ここでR’=H、非フッ素化、部分的またはパーフッ素化C−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであり、およびX=ハロゲンである。
本発明の目的に対し、完全に不飽和の置換基はまた、芳香族置換基を意味するものとする。
本発明による方法に対し好適である水非混和性イオン液体は、水と混和しないイオン液体である。これは、本発明による方法に好適なイオン液体は、20〜80℃の温度で水と混合される時に、二相系を形成することを意味する。水と混和しない疎水性イオン液体は、例えばUS 5,827,602に開示される。
本発明により用いられるイオン液体は、好ましくは液体であり、つまり好ましくはこれらは室温(約25℃)において液体である。
好ましい態様において、水非混和性イオン液体のアニオンAは、一般式[N(Rで表されるまたは一般式[N(XRで表されるイミドおよびPF(Rを含む群から選択され、ここでRは1〜8個のC原子を有する、部分的にまたは完全にフッ素置換されたアルキルを示し、およびXはSOまたはCOを示す。
非常に好ましい態様において、水非混和性イオン液体のアニオンAは、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート[Fap]または特に好ましくはそれはビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[Ntf]である。
水非混和性イオン液体のアニオンAは、カチオンよりも、イオン液体が本発明の方法に対し、より好適であるかどうか決定するために重要であることが見出された。トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート[Fap]を有するイオン液体、および特にビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[Ntf]アニオンを有するものが、好適なカチオンと混合される際に水非混和性相を提供するだけでなく、水相における核酸の富化を提供することが見出された。
[Fap]または[Ntf]アニオンを用いる際、水非混和性イオン液体のカチオンは好ましくは
を含む基、ここで置換基R’〜R’はそれぞれ、互いに独立して、水素または1〜20個のC原子を含む直鎖または分枝のアルキルを示す、および
式(2)
[PR (2)
ここでRはそれぞれの場合において、互いに独立して、
H、または1〜20個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキル
を示す、で表されるホスホニウムカチオンから選択される。
本発明において用いられる好ましい水非混和性イオン液体は、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート[Ttp][Fap]、トリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、N−ブチルジエタノールアンモニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドおよび特に好ましくは1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[bmpyrr][Ntf]である。
本発明は、少なくとも1種の水非混和性液体の存在下での、熱的溶解による細胞を溶解するための方法に関する。液体は、熱的溶解の間に用いられるだけでなく、−およびなおより重要には−溶解後の混合物から核酸を単離するために用いられる。好適な水非混和性液体の例は、油およびイオン液体である。
溶解させるべき細胞とともに、試料を、少なくとも1種の水混和性液体を含む溶解溶液と接触させる。典型的には、試料は、試料の容量に少なくとも等しい容量の溶解溶液に接触させる。これは、例えば、試料が5μlの容量を有する場合、それは5μlの溶解溶液に少なくとも接触させる。好ましい態様において、溶解溶液の容量は、試料の少なくとも3倍の容量である。非常に好ましい態様において、それは試料の少なくとも5倍の容量である。
好ましい態様において、溶解溶液は1種の水混和性溶液を含むが、それは、1種または2種以上の追加の水非混和性液体などの、追加の物質もまた含むことができる。好ましい態様において、溶解溶液は、1種の水混和性イオン液体を少なくとも含む。
試料および溶解溶液の混合物を、熱的溶解のために、次いで80℃より上の温度へと加熱する。好ましい態様において、それは80〜200℃の温度へと加熱され、非常に好ましくはそれは100〜150℃の温度へと加熱される。
加熱は、例えば加熱ブロックにおける、マイクロ波照射での、加熱マントルまたは超音波での、当業者に公知の任意の方法によりなすことができる。
典型的には、混合物を加熱される温度において、短時間培養させる。培養時間は、選択された時間、溶解させるべき細胞の種類および混合物の容量に依存して、典型的には2秒〜5分の範囲である。
核酸の抽出のために、混合物を次いで水または水性緩衝液に接触させる。試料および溶解溶液の混合物が100℃より上の温度へと加熱される場合、混合物は水または水性緩衝液の添加前に100℃より下の温度へと冷却されるべきである。
好ましい態様において、熱的溶解が起こる温度と関係なく、混合物をその後50℃より下の温度へと、好ましくは4〜40℃の温度へと、最も好ましくは20〜40℃の温度へと、水または水性緩衝液の添加前に冷却させる。
混合物への水または水性緩衝液の添加により、結果として二相系が形成され−1つの相は水非混和性液体を含み、1つの相は水または水性緩衝液を含む水相である。
添加される水または水性緩衝液のpHは、典型的にはpH4〜pH12である。好ましい態様において、pH6〜pH10、最も好ましくはpH6.5〜pH8.5である。
典型的には、試料および溶解溶液の混合物へと添加される水または水性緩衝液の量に限定はない。好ましくは、水または水性緩衝液の量は、試料および溶解溶液の混合物の10分の1〜10倍の量である。これは、容量比が好ましくは1:10〜10:1であることを意味する。非常に好ましい態様において、それは1:2〜2:1である。
水または水性緩衝液の添加後に、混合物を好ましくは撹拌し、かかる二相の徹底した混合を提供する。これは、例えば振とうまたはボルテックスにより、なすことができる。
細胞残屑ならびに変性タンパク質が、水相および水非混和性液体相の相間に、しばしば見出される。水相を分離することができ、および核酸を水相から単離することができるか、または水相をさらなる評価のために、例えばリアルタイムPCRのために直接用いることができる。
特に[Ntf]アニオンとのイオン液体が、水相における核酸の富化を提供することが見出された。本発明による他の水非混和性イオン液体または油を用いる場合、水相において見出すことができる核酸の量は、典型的には約50%以上であるが、[Ntf]アニオンとのイオン液体を用いる場合、水相における核酸の量は、典型的には(混合物における核酸の合計量の)70%よりも多くにまで拡大せしめることができる。
好ましい態様において、溶解溶液を添加する前に、試料を、溶解を支持する物質とともに前培養することができる。溶解を支持する物質は、例えば洗剤、カオトロピック物質または水混和性イオン液体である。アンモニウムカチオンを含む物質、特にアンモニウムカチオンを含む水混和性イオン液体との前培養が、特にグラム陽性細菌細胞を含む試料に対して好ましいことが見出された。
アンモニウムカチオンを含む好適な物質の例は、式(1)によるカチオン[NRを含むものであり、
ここで
Rはそれぞれの場合、互いに独立して、
H、
1〜20個のC原子を有する、直鎖または分枝のアルキル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の二重結合を有する、直鎖または分枝のアルケニル、
2〜20個のC原子および1個または2個以上の三重結合を有する、直鎖または分枝のアルキニル、
3〜7個のC原子を有する飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、これは1〜6個のC原子を有するアルキルにより置換されていてもよい、を示し、ここで1個または2個以上のRはハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより部分的にまたは完全に、あるいは−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOにより部分的に置換されていてもよく、およびここでα位にないRにおける1個または2個の非隣接の炭素原子は群−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよく、ここでR’は=H、非フッ素化、部分的にフッ素化またはパーフッ素化されたC−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであってもよく、およびXは=ハロゲンであってもよい。
イオン液体でない式(1)によるカチオン[NRを含む好適な物質は、例えば水性アンモニア、(NHSO、NHCl、NHCOOHである。
非常に好ましい態様において、前培養を少なくとも1種のN,N−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム[DMAE]ベースのイオン液体とともに実行する。これらのイオン液体のカチオンは[DMAE]である。アニオンは好ましくはプロピオナート、アセタート、オクタノアート、2−ヒドロキシアセタート、トリフルオロアセタートおよび2−ヒドロキシブチラートの群から選択される。前培養に対し最も好ましいイオン液体は、N,N−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム−2−ヒドロキシブチラートおよび特にN,N−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム−プロピオナートである。
前培養を典型的には、溶解を支持する物質、例えばイオン液体を試料に添加することにより実行する。溶解を支持する物質を、純粋な物質として、あるいは水または水性緩衝液とともに混合して添加することができる。添加される容量は、典型的には試料の容量の10倍〜10分の1である。イオン液体が溶解支持物質として用いられる場合、これらは好ましくは前もって水または水性緩衝液とともに混合され、次いで試料へと添加される。水相におけるイオン液体の量は、典型的には0.05〜6M、好ましくは0.5〜2Mである。
溶解を支持する1種または2種以上の物質を試料へと添加することができる。溶解を支持する物質(単数)または物質(複数)(例えばN,N−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム−プロピオナート)の添加後、混合物を典型的には5〜30分、20〜100℃の温度で培養する。好ましい態様において、培養を10〜20分、70〜90℃の温度で実行する。
その後、本発明による熱的溶解を実行するために、水非混和性液体を試料および溶解を支持する物質とともに混合する。
もう1つの好ましい態様において、熱的溶解を実行したあとおよび水または水性緩衝液を添加した後に、二相系をプロテイナーゼとともに処置して、タンパク質または細胞残屑へとくっついた核酸を遊離させてもよい。これに対し好ましいプロテイナーゼは、プロテイナーゼKである。典型的には二相混合物をプロテイナーゼとともに、20〜60℃の温度で、好ましくは56℃近辺で、10〜60分間、好ましくは10〜30分間培養する。
その後、固形材料は、遠心により除去してもよい。核酸を伴う水相は、次いで単離し、およびさらに分析することができる。使用後にタンパク質を不活性化するために、試料を典型的には不活性化剤で処理するかまたは加熱する。プロテイナーゼを不活性化する方法は、当業者に公知である。好ましい方法は、試料を約100℃へと加熱することによる熱不活性化である。プロテイナーゼ処置は、ゲノムDNAを単離する場合、収率を改善するために特に有用である。これは、タンパク質または細胞残屑へと典型的には付着しないプラスミドまたはより短いオリゴヌクレオチドの単離に対し必要ではない。
典型的には、本発明による手順は、リアルタイムPCRなどのPCR、電気得移動(アガロースまたはポリアクリルアミド)あるいはライゲーションまたは制限酵素消化などの典型的なクローン化技術を直接的に行うに十分な純度で核酸が存在する水相を提供する。
特に高純度を必要とするある適用のために、または元の試料が特定の不純物を含む場合、溶解および相分離後に第3の相を混合物へと添加することができる。
第3の相は、例えば、水相および水非混和性液体相の両方と混和しない、有機溶媒またはポリマー相であることができる。油が水非混和性液体として用いられる場合、第3の相もまた水非混和性イオン液体を含むことができ、水非混和性液体が水非混和性イオン液体を含む場合、第3の相は、例えば、油であることができる。第3の相は、もしそうでなければ核酸から分離することができない水相から不純物を抽出する追加の可能性を提供する。有機不純物は、例えば、有機溶媒で製造される第3の相を添加することにより抽出することができる。タンパク質は、例えば、ポリマーを含む相を添加することにより除去することができる。
核酸の純度をさらに改善するもう1つの可能性は、pHを調整し、水相および水非混和性液体相を分離する前に濃度勾配または塩勾配を構築することにより、副生成物を沈殿させるか、または水相および水非混和性液体相の間の中間相を除去することである。特にイオン液体が水非混和性液体として用いられる場合、水相がイオン液体相の上端の上にあるため、遠心分離はまた水相から沈殿した副生成物を除去するのに役立つ。
本発明の方法を以って単離された核酸は、試料における細胞を量的にまたは質的に決定付けるために用いてもよい。これは、例えば、PCR法、特にリアルタイムPCR、電気泳動(アガロースまたはポリアクリルアミド)あるいはライゲーションまたは制限酵素消化などの典型的なクローニング技術により達成されることができる。
単離手順の効率を決定付けるためにまたはモニターするために、試料を規定量の核酸でスパイクすることができる。
本発明による方法は、顕著に細胞溶解および核酸抽出を促進および迅速化する。全体の手順は、典型的には、前培養なしで10〜20分、または前培養ありで50〜60分かかる。加えて、二相系またはさらには三相系は、水非混和性液体相(水非混和性イオン液体を用いる場合の塩など)、水非混和性液体相および水相の間の中間相に止まる(大きなタンパク質および細胞残屑など)または第3の相の標的化された添加により除去されることができる(例えば、有機溶媒の添加による有機不純物)あるいは他の手段を以って為す、不純物の自動的な除去を提供する。
本発明の方法はさらに、水非混和性液体を有する少なくとも1つの容器およびプロテイナーゼを有する1つの容器を含む、細胞溶解を実行するためのキットを対象とする。好ましい態様において、プロテイナーゼはプロテイナーゼKである。もう1つの好ましい態様において、水非混和性液体は水非混和性イオン液体である。キットは加えて、少なくとも1種のN−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム[DMAE]ベースのイオン液体を有する、好ましくはN,N−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム−プロピオナートを有する、1つの容器を含む。容器は、水非混和性液体、油またはプロテイナーゼを貯蔵および梱包するのに好適な任意の箱、ボトルまたは他の梱包手段である。
本発明による方法は、非常に迅速かつ効果的な溶解システムを提供する。本発明はさらに、以下の図面および例により説明されるが、しかし、そこにへと制限はされない。
図1は好ましいイオン液体の一部である、イオンの化学構造を示す図である。
図2は水非混和性イオン液体を含む溶解溶液を以ってのグラム陰性細胞溶解する場合に好ましく実行される手順ステップに対する例示的なフロースキームを示す図である。この場合、典型的には、前培養を要さない。
図3は水非混和性イオン液体を含む溶解溶液を以ってのグラム陽性細胞を溶解する場合に好ましく実行される手順ステップに対する例示的なフロースキームを示す図である。この場合、典型的には、前培養により核酸の収率が拡大せしめられる。
図4はネズミチフス菌の溶解のための標準的な技術−Macherey&Nagel NucleoSpin(登録商標)キット−と比較しての、異なる培養温度および異なる培養時間に対する結果を示す図である。
本明細書において引用される全ての出願、特許および出版物ならびに2011年4月27日出願の対応EP出願EP 11003449.3の開示の全体を、ここに参照により組み入れる。

以下の例は、本発明の実用的適用を表す。
SalmonellaおよびEscherichia:
溶解:1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(bmpyrr Ntf)中で120または140℃で1分
Listeria:
N,N−ジメチルエタノールアンモニウムプロピオナート(DMAE prop)とともに80℃で10分の前培養。
その後:プロテイナーゼKとともに20分
材料および方法:
他に示さなければ、全ての化学物質およびイオン液体(IL)は、Merck KgaA(Darmstadt, Germany)により提供される。
細菌株および培養条件。 リステリア菌(L. monocytogenes)EGDe(1/2a、内部番号2964)を、グラム陽性細菌に対するモデル生命体として用いる。ネズミチフス菌(S. Typhimurium)(NCTC 12023)、大腸菌(E.coli)TOP10F´および大腸菌(E.coli)TOP10F´, +ppl2/IAC (Fruehwirth et al., 2011)を、グラム陰性細菌に対するモデル生命体として用いる。全ての株を、MicroBank技術(Pro-Lab Diagnostics, Richmont Hill, Canada)を用いて−80℃で維持する。リステリア菌EGDe、ネズミチフス菌および大腸菌TOP10F´, +ppl2/IACは、the Institute of Milk Hygiene, Department of Veterinary Public Health and Food Science, University of Veterinary Medicine, Vienna, Austriaにおける細菌株のコレクションの一部である。大腸菌TOP 10 F'は、Invitrogen GmbH(Lofer, Austria)により提供された。全ての細菌株は、0.6%(w/v)の酵母エキス(TSB-Y; Oxoid, Hampshire, United Kingdom)とともにトリプトン大豆ブイヨン中で終夜で、それらのそれぞれの最適な生育温度37℃で生育させる。
細胞破壊実験のための装置。 小容量(100μl)のILのためのチューブ、ねじ山ボトル用の0.3mlガラスマイクロカートリッジ(40 x 6mm; Fisherbrand, Fisher Scientific Austria GmbH, Vienna, Austria)、HPLC測定のための通常の装置を用いる。
それらを100℃より上に加熱するために、マイクロカートリッジの寸法へと適合するドリル穴を有するアルミニウムブロックを製造し、そしてマグネチックスターラー(IKAMAG(登録商標)RCT; IKA-Labortechnik, Staufen i. Br., Germany)上に配置した。実際の温度は常に、それぞれのILを含有する参照チューブ中に差し込んだ金属温度計(ama-digit ad14th, Amarell, Kreuzwertheim, Germany)で、直接測定する。
細菌および細胞破壊物の調製の実験。
グラム陰性
終夜の培養のネズミチフス菌および大腸菌細菌の調製物を5分、6,000×gでの遠心により収穫し、ddHOで3回洗浄し、そしてddHO中に最初の容量の1/20中に再懸濁させる。10μlの再懸濁培養物を100μlのbmpyrr Ntf中へと配置し、アルミ箔で覆い、そして異なる培養時間および温度を試験する。培養後、2×250μl ddHOのILへの添加により「懸濁液」を2mlのチューブ(Eppendorf, Hamburg, Germany)へと移し、そして数秒間ピペットで混合する。懸濁液を手短かにボルテックスし、そして上方の相をリアルタイムPCR測定のために直接的に用いる。
グラム陽性
終夜の培養のリステリア(L. monocytogenes.)細菌の調製物を5分、6,000×gでの遠心により収穫し、ddHOで3回洗浄し、そしてDMAEプロピオナートの20%溶液中に最初の容量の1/20容量中に再懸濁させる(時間および温度は、表1を参照)。10μlの再懸濁培養物を100μlのbmpyrr Ntfへと配置し、そして異なる培養時間および温度を試験する。培養後、2×250μl ddHOのILへの添加により「懸濁液」を2mlのチューブ(Eppendorf, Hamburg, Germany)へと移し、そして数秒間ピペットで混合する。懸濁液を手短かにボルテックスし、そして上方の相をリアルタイムPCR測定のために直接的に用いる。
細胞破壊法に対する対照試料。 細胞破壊法で用いられた10μリットルの同じ細菌懸濁液を、NucleoSpin(登録商標)組織キットおよびグラム陽性細菌に対するサポートプロトコールを用いるDNA単離に対して用いる。前溶解緩衝液(リゾチームを含む)でのステップを1時間実行し、プロテイナーゼKのステップを終夜で実行する。プロトコールの最後のステップを修飾する。100μの予め温めた(70℃)溶出緩衝液BEでの1回の洗浄の代わりに、予め温めたddHOでの50μlの2回の洗浄をカラムからのDNAの溶出に対して用いる(Meryl et al.,2009)。最後に、400μlのddHOを添加して、細胞破壊実験においてと同じ容量に到達する。
リアルタイムPCR定量化のためのDNA標準。 それぞれの細菌種の1ミリリットルの純粋な終夜の培養物を、NucleoSpin(登録商標)組織キットおよびグラム陽性細菌に対するサポートプロトコールを用いて、DNA単離に対して用いる。前溶解緩衝液(リゾチームを含む)でのステップを1時間、およびプロテイナーゼKのステップを終夜で実行する。修正されたプロトコールを最終ステップで用いた。100μlの予め温めた(70℃)溶出緩衝液BEでの1回の洗浄の代わりに、予め温めたddHOでの50μlの2回の洗浄を、カラムからのDNAの溶出のための用いる。(Maryl et al., 2009)。DNA濃度の決定を、Hoefer DyNA Quant 200装置(Pharmacia Biotech, San Francisco, CA, USA)を用いる蛍光分析測定により実行する。
リアルタイムPCR。 従前の出版物(Mester et al., 2010; Roeder et al., 2010)に従い、ネズミチフス菌を分析する。リステリア菌に対するリアルタイムPCRプロトコールは、従前出版されたように、リステリア菌のprfA遺伝子の274bp断片を標的化することにより実行する(D'Agostino et al., 2004;Rossmanith et al., 2006)。内部増幅対照を含有するプラスミドppl2/IACは、pLuc-LM5プローブを用いるリステリア菌に対するプロトコールに従い、リアルタイムPCRにより分析する(Fruehwirth et al. 2011)。E. coliは、Kaclikova et. al. (2005)のプロトコールにより分析する。
図4は、溶解プロトコールの結果を、Salmonella Typhimuriumに関し、異なる培養温度および培養時間に対して表す。
表1は、異なる細菌株からのゲノムDNAの抽出に関するいくつかの反応条件の概要を示す。
表2は、大腸菌からのプラスミドDNAの抽出に対する反応条件の概要を示す。
両方の表において、平均の収率(Av.収率)は、NucleoSpin(登録商標)組織キットと比較して示す。
RNA単離
試薬
Campylobacter jejuni DSMZ 4866の維持および増殖のため、ハートインフュージョンブイヨン、グリセロール、トリプシン大豆寒天、酵母エキス(Merck, Darmstadt, Germany)、コロンビア寒天およびウマ血液(laked horse blood)(Oxoid, Basingstoke, UK)を購入する。DNA単離をNucleoSpin(登録商標)組織キット(Macherey-Nagel, Dueren, Germany)でおよびRNA単離をHigh Pure RNA単離キット(Roche, Mannheim, Germany)で実行する。リアルタイムRT−PCRのために用いられる試薬(SuperScript(商標)III逆転写酵素、RNase(商標)OUT、SYTO9、PlatinumTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ)をInvitrogen(Lofer, Austria)、ならびにプライマーおよびプローブをMWG Biotech(Ebersberg, Germany)から得る。
Campylobacter jejuni(DSMZ 4688)の培養
100μlの凍結永久(20% v/vグリセロール、20% v/vウマ血液および60% v/vブレインハートインヒュージョンブイヨン、−80℃で維持)のC. jejuni DSMZ 4688株を、9mlのブレインハートインヒュージョン(膜ろ過)中で植菌し、微好気的条件(3% O、10% CO、87% N)で48h、42℃で増殖させる。培養物の純度を証明するために、それぞれ酵母エキスを添加した(0.6% w/v)コロンビア寒天およびトリプトン大豆寒天の2つのプレートを追加的にストリークし、およびブレインインヒュージョンブイヨンの純度の証明のために100μlをそれぞれの場合において同じタイプのプレート上に配置する。
bmpyrr Ntfの使用によるC. jejuni DSMZ 4688からのRNA単離
それぞれの場合において、1mlの48h培養物を6,000×gでの5分の遠心分離により収穫し、20μlのDEPC処理HO中に再懸濁し、全量を100μlのbmpyrr Ntfへと配置し、アルミ箔で覆い、そして120℃または140℃で1分間培養する。培養後、100μlのDEPC処理HOまたは90μlのDNase培養緩衝液および10μlのDNase I(High Pure RNA単離キットによるプロトコール)を試料へと添加し、全体の懸濁液を1.5mlチューブ(Eppendorf, Hamburg, Germany)へと移す。さらに、懸濁液を数秒間ボルテックスし、DNaseを含有する試料をまず、室温で攪拌下で50分培養し、その後DNA活性を75℃15分で停止させる。一方で、DEPC処理HOで処理された試料を、氷で冷ます。最終のボルテックス後、試料の上方の相を新しいチューブへと写し、−80℃で貯蔵する。
High Pure RNA単離キットによるC. jejuniからのRNA単離
夫々の試料に関し、1mlの48h培養物を6,000×gでの5分の遠心分離により収穫し、High Pure RNA単離キットのプロトコールにより処理する。DNase Iの影響の推定のため、このステップを2つの試料で省略する。
NucleoSpin(登録商標)組織キットを介するC. jejuniからのDNA抽出物に対するDNA単離および参照
1ミリリットルの48h培養物を5分6,000×gでの遠心分離により収穫し、この試料をイオン液体法との比較のためのDNA含有量もまた得る参照として用いる。加えて、DNA標準を作るために、試料をコロンビア寒天プレートから採取する。DNA単離をグラム陽性細菌に対するNucleoSpin(登録商標)組織キットのプロトコールにより実行する(1h リゾチーム、プロテイナーゼ 終夜)。プロトコールの最終ステップを修飾する。100μlの前加温(70℃)溶出緩衝液BEでの1回の洗浄の代わりに、前加温したddHOでの50μlの2回の洗浄を、カラムからのDNAの溶出のために用いる(Maryl et al., 2009)。標準に関するDNA濃度は、Hoefer DyNA Quant 200装置(Pharmacia Biotech, San Francisco, CA)を用いることにより、蛍光分析により獲得する。
定量化のための核酸の操作
cDNAの合成およびリアルタイムRT−PCR分析を、Dzieciol et al. (2011)のプロトコールにより実行する。
表3
本発明の方法のC. jejuniからのRNAの単離のために用いられる参照方法(市販のKit RNA Isolation Kit)との比較を表3に示す。ゲノムDNA残基の消化および除去のための追加のDNAseステップを有する本発明のプロトコールの低減された回復は、DNAseプロトコールの持続から生じるものであり、明示的な低いRNA含有量から生じるものではない。これは、低いDNA含有量提供するデータを表す表5において示される。それゆえ、本表において表される本プロトコールのRNA回復は顕著である。
表4
表3に示される実験の間のゲノムDNAの回復を、表4において参照することができる。
表5
表3に示される実験のRT(−)値。RT(−)値はプロトコール後の試料におけるDNAの比率を実証する。実験に関し、2対数スケールの間隔は、試料における1%のDNA含有量を意味する。
引用文献リスト:

Claims (12)

  1. a) 細胞を含む試料を提供すること、
    b) 水非混和性液体を少なくとも含む溶解溶液を試料へと添加すること、
    c) ステップb)で得られた混合物を80℃より上の温度へと加熱すること、
    d) ステップc)における温度が100℃より上であった場合、試料を100℃より下の温度へと冷却すること、
    e) 水または水性緩衝液を混合物へと添加し、それにより水非混和性液体相および水相を得ること、
    によって、細胞を溶解する方法。
  2. 細胞が細菌細胞であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ステップc)において、混合物が100〜150℃の温度へと加熱されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. ステップd)において、試料が20〜40℃の温度へと冷却されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ステップb)において添加される溶解溶液が水非混和性イオン液体を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. イオン液体のアニオンがビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[Ntf]であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. ステップb)において添加される溶解溶液がトリヘキシル(テトラデシル)ホスホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスファート[Ttp][Fap]および/または1−ブチル−1−メチルピロリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド[bmpyrr][Ntf]を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 溶解溶液を添加する前に、ステップb1)において、アンモニウムカチオン[NR
    ここで
    Rはそれぞれの場合において、互いに独立して、
    H、
    1〜20個のC原子を有する直鎖または分枝のアルキル、
    2〜20個のC原子および1個または2個以上の二重結合を有する直鎖または分枝のアルケニル、
    2〜20個のC原子および1個または2個以上の三重結合を有する直鎖または分枝のアルキニル、
    3〜7個のC原子を有する飽和、部分的にまたは完全に不飽和のシクロアルキル、
    これは1〜6個のC原子を有するアルキル基により置換されていてもよく、ここで1個または2個以上のRは部分的にまたは完全にハロゲン、特に−Fおよび/または−Clにより、または部分的に−OH、−OR’、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR’、−SONR’、−C(O)X、−SOOH、−SOX、−NOにより置換されていてもよく、およびここでα位にないRにおける1個または2個の非隣接の炭素原子は−O−、−S−、−S(O)−、−SO−、−SOO−、−C(O)−、−C(O)O−、−NR’−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SONR’−、−OP(O)R’O−、−P(O)(NR’)NR’−、−PR’=N−または−P(O)R’−の群から選択される原子および/または原子団により置換されていてもよく、ここでR’は=H、非フッ素化、部分的にまたはパーフッ素化C−〜C−アルキル、C−〜C−シクロアルキル、非置換または置換フェニルであってもよく、およびXは=ハロゲンであってもよい、
    を含む少なくとも1種の物質で試料を前培養することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 溶解溶液を添加する前に、ステップb1)において、試料が少なくとも1種のN,N−ジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム[DMAE]をベースとしたイオン液体で前培養されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. ステップe)の後に、得られた混合物をプロテイナーゼで培養することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ステップe)および任意にプロテイナーゼとともに培養した後に、水相がリアルタイムPCRにより直接的に分析されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 水非混和性イオン液体または水非混和性油を備える容器およびプロテイナーゼを備える容器を含む、キット。
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