JP6064722B2 - 抗酸菌の溶菌試薬および当該試薬を用いた抗酸菌の検出方法 - Google Patents
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Description
本発明は、抗酸菌を溶菌し核酸を抽出するための試薬、および当該試薬を用いて試料中に含まれる抗酸菌を検出する方法に関する。
結核および非結核性抗酸菌症は世界的に蔓延する細菌性疾患であり、当該疾患の根絶が世界的に取り組まれている中、当該疾患であることを迅速に診断することが非常に重要となってきている。また結核と非結核性抗酸菌症とでは感染防護や治療戦略が異なるため、結核菌群と非結核性抗酸菌とを区別して検出することは極めて重要である。
結核および非結核性抗酸菌(以下あわせて抗酸菌とする)検査の公定法は培養法である。しかしながら抗酸菌(特に結核菌群)の増殖速度は極めて遅く、確定が出るまでに時間を要するため、培養法のみで検査する場合、二次感染の発生や拡大のリスクを有していた。そこで実際の抗酸菌検査業務では、時間のかかる培養法と迅速に抗酸菌の有無を検査可能な方法とを併用して検査している。
迅速に抗酸菌の有無を検査可能な方法として、最近注目されている方法は、抗酸菌特異的な核酸(DNA/RNA)を増幅し検出する方法である。具体的には検査対象の抗酸菌由来の核酸(DNA/RNA)に特異的なプライマー・プローブを用い、当該核酸を増幅・検出することで、試料中に前記抗酸菌が含まれているか否かを検出する。本方法は、結核菌群由来の核酸に特異的なプライマー・プローブと、非結核性抗酸菌由来の核酸に特異的なプライマー・プローブとを用いることで、結核菌群と非結核性抗酸菌とを区別して検出できるため、迅速な検査方法として好ましい。
抗酸菌特異的な核酸を増幅し検出する方法では、あらかじめ、抗酸菌を溶菌して核酸を抽出する必要がある。抗酸菌を溶菌する方法としては、従来より、有機溶媒等を用いた化学的方法、酵素を用いる生物学的方法、および超音波処理または微粒子存在下での超音波破砕や凍結・融解の繰り返し等の物理的方法等が知られている。また特許文献1には、抗酸菌を含む試料を、非イオン性界面活性剤を含む液体中で加熱処理することで、抗酸菌からDNAを抽出する方法を開示しており、非特許文献1には、有機溶媒や遠心操作を多用することで、抗酸菌からRNAを抽出する方法を開示しており、特許文献2には、抗酸菌を含む試料を界面活性剤を含む液体中で加熱処理後、前記抗酸菌を分離し、当該分離した抗酸菌にジルコニア微粒子を添加して超音波破砕することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出する方法を開示している。
Nucleic Acids Research,25(3),675−676(1997)
抗酸菌を溶菌して核酸を抽出しようとした場合、抗酸菌は強固な細胞壁を有しているため、処理条件が過酷であったり、処理時間が長くなったり、操作が煩雑であったり、特別な装置を使用する必要があった。またそれに伴いコンタミネーションのリスクもあった。さらに抽出する核酸がRNAの場合、DNAに比べてアルカリ加水分解に対して脆弱であるため、アルカリ加熱法による簡便な抽出が適用できないという問題もあった。
そこで本発明は、特殊な装置や煩雑な操作を必要とせず、簡便かつ短時間に試料中に含まれる抗酸菌を溶菌して核酸(特にRNA)を抽出可能な試薬、および前記試薬を用いた試料中に含まれる抗酸菌を検出する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的に鑑みて鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の第一の態様は、アルキルベンゼンスルホン酸と、前記酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤を含む水溶液からなる、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出するための試薬である。
また本発明の第二の態様は、アルキルベンゼンスルホン酸がドデシルベンゼンスルホン酸である、前記第一の態様に記載の試薬である。
また本発明の第三の態様は、中和剤がトリスヒドロキシメチルアミノメタンである、前記第一または第二の態様に記載の試薬である。
また本発明の第四の態様は、さらに非イオン性界面活性剤を含む、前記第一から第三の態様のいずれかに記載の試薬である。
また本発明の第五の態様は、さらに水溶性有機溶媒を含む、前記第一から第四の態様のいずれかに記載の試薬である。
さらに本発明の第六の態様は、アルキルベンゼンスルホン酸と、前記酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤を含む水溶液を、抗酸菌を含む試料に添加後、加熱処理することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出する方法である。
また本発明の第七の態様は、ドデシルベンゼンスルホン酸とトリスヒドロキシメチルアミノメタンを含む水溶液を、ドデシルベンゼンスルホン酸の終濃度が0.05%(w/v)以上となるよう、抗酸菌を含む試料に添加後、70℃から90℃で5分間から60分間加熱処理することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出する方法である。
さらに本発明の第八の態様は、
アルキルベンゼンスルホン酸と、前記酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤を含む水溶液を、抗酸菌を含む試料に添加後、加熱処理することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出する工程と、
前記工程で抽出した抗酸菌由来RNAを当該RNAに特異的なプライマー・プローブを用いて、増幅・検出する工程とを含む、
試料中に含まれる抗酸菌を検出する方法である。
アルキルベンゼンスルホン酸と、前記酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤を含む水溶液を、抗酸菌を含む試料に添加後、加熱処理することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出する工程と、
前記工程で抽出した抗酸菌由来RNAを当該RNAに特異的なプライマー・プローブを用いて、増幅・検出する工程とを含む、
試料中に含まれる抗酸菌を検出する方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出するための試薬(以下、単に本発明の試薬とする)は、アルキルベンゼンスルホン酸と中和剤を少なくとも含むことを特徴としている。
本発明の試薬を構成するアルキルベンゼンスルホン酸は、界面活性剤としての機能を有するものであれば特に限定はなく、一例として、デシルベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸といった、炭素数10から14の直鎖または分枝鎖を有するアルキル鎖が結合したベンゼンスルホン酸があげられる。中でもドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)は、本発明の試薬を構成するアルキルベンゼンスルホン酸として好ましい態様の一つといえる。
本発明の試薬を構成するアルキルベンゼンスルホン酸はスルホ基(−SO3H)を有しているため、水溶液にすると強酸性を示す(一例として、10%(w/v)DBSA水溶液のpHは1以下である)。一方、RNAは強酸性下では加水分解される可能性がある。そのため、本発明の試薬ではアルキルベンゼンスルホン酸に中和剤を添加することでRNAの加水分解が生じない程度のpHに調整する必要がある。ただし本発明の試薬に添加する中和剤として、金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム)など、アルキルベンゼンスルホン酸との反応により前記酸の金属塩を生成する中和剤を用いるのは好ましくない。その理由として、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩は、アルキルベンゼンスルホン酸と比較し溶菌性能が劣るからである(後述の実施例1参照)。本発明の試薬に添加する中和剤の一例として、アンモニアや、2−アミノエタノール、2,2’−イミノジエタノール、2,2’,2’’−ニトリロトリエタノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオールなどのアルカノールアミン類や、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)があげられる。中でも、毒劇物の扱いを受けず臭気もないTrisは、本発明の試薬に添加する中和剤として好ましい態様の一つといえる。
本発明の試薬におけるアルキルベンゼンスルホン酸の濃度は、アルキルベンゼンスルホン酸がDBSAの場合、抗酸菌を含む試料に本発明の試薬を添加した時点の終濃度で0.05%(w/v)以上であればよく、0.5%(w/v)以上であるとより好ましい。上限については特に限定はないが、アルキルベンゼンスルホン酸がDBSAの場合、20%(w/v)以上の水溶液は粘性が高く、取り扱いが困難となるため、避けたほうが好ましい。なおアルキルベンゼンスルホン酸は、粘性が高く、水への溶解速度も遅い。そのため本発明の試薬を調製する際、あらかじめアルキルベンゼンスルホン酸に、2−プロパノールといった低級アルコールや、エチレングリコールといったジオールや、ジメチルスルフォキシドといった非プロトン性有機溶媒などの水溶性の有機溶媒を混和させてから調製すると、粘性を下げることができ、かつ水への溶解速度も向上するため好ましい。
本発明の試薬の好ましい態様として、非イオン性界面活性剤をさらに添加した試薬があげられ、前記試薬により溶菌効率のばらつきを改善することができる。添加する非イオン性界面活性剤は、当業者が通常用いるものから適宜選択することができ、その一例として、MEGA−8(n−Octanoyl−N−methyl−D−glucamine)、MEGA−9(n−Nonanoyl−N−methyl−D−glucamine)、MEGA−10(n−Decanoyl−N−methyl−D−glucamine)、n−ドデシル−β−D−マルトシド、オクチル−β−D−グルコシド、Triton X−100(商品名)があげられる。濃度については、臨界ミセル濃度(CMC)を考慮のうえ、適宜設定すればよい。
本発明の試薬を抗酸菌を含む試料に添加し、加熱処理することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出することができる。加熱処理する温度は60℃以下では抗酸菌が実質的に溶菌しないことから(Chemical Engineering Science,64(9),1944−1951(2009))、65℃から95℃までの範囲内であればよく、70℃から90℃までの範囲内が特に好ましい。加熱処理する時間は温度に依存するが、加熱処理する温度が70℃から90℃までの場合、5分から60分までの間とすればよく、10分前後が特に好ましい。
本発明の試薬を抗酸菌を含む試料に添加し、加熱処理することで、抗酸菌を溶菌して抗酸菌由来RNAを抽出した後は、当該RNAに特異的なプライマー・プローブを用いて、増幅・検出することにより、試料中に含まれる抗酸菌を検出することができる。なおRNAを抽出した後、RNeasy(QIAGEN)などの市販のRNA精製キットを用いてRNAを高純度に精製してから、前記増幅・検出を行なってもよい。また前記増幅・検出は、TMA(Transcription−Mediated Amplification)法、NASBA(Nucleic Acid Sequence−Based Amplification)法、TRC(Transcription Reverse transcription Concerted reaction)(特開2000−014400号公報)法など従来より知られているRNA増幅法を用いて行なえばよい。
本発明の試薬で溶菌可能な抗酸菌は、Mycobacterium属に属する菌のことを指し、具体的には、M.avium、M.intracellularae、M.gordonae、M.tuberculosis(結核菌)、M.kansasii、M.fortuitum、M.chelonae、M.bovis、M.scrofulaceum、M.paratuberculosis(ヨーネ菌)、M.phlei、M.marinum、M.simiae、M.szulgai、M.leprae(らい菌)、M.xenopi、M.ulcerans、M.lepraemurium、M.flavescens、M.terrae、M.nonchromogenicum、M.malmoense、M.asiaticum、M.vaccae、M.gastri、M.triviale、M.africanum、M.thermoresistable、M.smegmatis、M.shinjukuenseが例示できる。試料中に含まれる抗酸菌を検出するには、前述した抗酸菌のRNAに特異的なプライマー・プローブを設計し、当該設計したプライマー・プローブを用いて適切な条件下でRNAの増幅・検出を行なえばよい(例えば、特開2004−194583号公報)。
本発明における抗酸菌を含む試料の一例として、喀痰、気管支洗浄液、気管支肺胞洗浄液、胃液、血液、骨髄液、尿、糞便、組織、その他体液、培養液などがあげられる。なお、抗酸菌を含む試料が喀痰の場合は、NALC(N−acetyl−L−cysteine)−NaOH法などの公知の方法によりあらかじめ試料の粘性を下げる前処理を行なったほうがよい。
本発明の試薬は、アルキルベンゼンスルホン酸と、前記酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤を少なくとも含むことを特徴としている。抗酸菌を含む試料に本発明の試薬を添加し加熱処理することで抗酸菌を溶菌しRNAを抽出後、当該RNAに特異的なプライマー・プローブを用いて増幅・検出することで、試料中に含まれる抗酸菌を簡便かつ短時間に検査することができる。また本発明の試薬を用いた抗酸菌の溶菌操作は、1本のチューブで完結し、ヒートブロック以外の特別な装置が不要なため、容易に実施することができる。またコンタミネーションリスクが少なく、バイオセーフティも確保できる操作である。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 界面活性剤による抗酸菌から溶菌効率の検討
各種界面活性剤により抗酸菌の溶菌操作を行ない、溶菌効率を、前記操作により液相に放出された抗酸菌由来のRNAを増幅・検出することで評価した。
(1)MycoBroth(極東製薬)中で静置培養したMycobacterium bovis BCG Tokyo株(以下、BCGと記載)を孔径5μmの親水性シリンジフィルター(日本PALL)でろ過後、ろ液の600nmにおける吸光度(OD600)を測定し、その吸光度を基にOD600が0.1になるように滅菌蒸留水で希釈した(107cfu(colony forming unit)/mL相当)。
(2)(1)の希釈液を段階希釈し、102cfuのBCGを含む200μLの菌液を調製した。
(3)(2)で調製した菌液200μLに、10%(w/v)ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)水溶液、10%(w/v)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(Na−DBS)水溶液、10%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液、または10%(w/v)セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)水溶液、各200μLを添加し混和後、80℃で10分加熱処理することで溶菌操作を行なった。なお10%(w/v)DBSA水溶液はpH1以下の強酸性水溶液であり、RNAが加水分解される可能性があるので、あらかじめトリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)で中和している。
(4)(3)の処理液のうち200μLを、RNeasy mini kit(QIAGEN)を用いることで精製操作を行ない、溶出液50μLを得た。なお本操作は、キットの取扱説明書に従い実施した。
(5)(4)の溶出液5μLを、市販の結核菌群rRNA検出試薬(TRCRapid M.TB、東ソー)およびTRCRリアルタイムモニター(TRCRapid−160、東ソー)を用いて溶出液中のRNAを増幅検出し、前記モニターで陽性判定となる時間(陽性時間)を測定した。なお本操作は、前記試薬の添付文書および前記モニターの取扱説明書に従い実施した。陽性時間が短いほど測定試料中のBCG RNA量が多いことから、溶菌効率がよいといえる。
各種界面活性剤により抗酸菌の溶菌操作を行ない、溶菌効率を、前記操作により液相に放出された抗酸菌由来のRNAを増幅・検出することで評価した。
(1)MycoBroth(極東製薬)中で静置培養したMycobacterium bovis BCG Tokyo株(以下、BCGと記載)を孔径5μmの親水性シリンジフィルター(日本PALL)でろ過後、ろ液の600nmにおける吸光度(OD600)を測定し、その吸光度を基にOD600が0.1になるように滅菌蒸留水で希釈した(107cfu(colony forming unit)/mL相当)。
(2)(1)の希釈液を段階希釈し、102cfuのBCGを含む200μLの菌液を調製した。
(3)(2)で調製した菌液200μLに、10%(w/v)ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)水溶液、10%(w/v)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(Na−DBS)水溶液、10%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液、または10%(w/v)セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)水溶液、各200μLを添加し混和後、80℃で10分加熱処理することで溶菌操作を行なった。なお10%(w/v)DBSA水溶液はpH1以下の強酸性水溶液であり、RNAが加水分解される可能性があるので、あらかじめトリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)で中和している。
(4)(3)の処理液のうち200μLを、RNeasy mini kit(QIAGEN)を用いることで精製操作を行ない、溶出液50μLを得た。なお本操作は、キットの取扱説明書に従い実施した。
(5)(4)の溶出液5μLを、市販の結核菌群rRNA検出試薬(TRCRapid M.TB、東ソー)およびTRCRリアルタイムモニター(TRCRapid−160、東ソー)を用いて溶出液中のRNAを増幅検出し、前記モニターで陽性判定となる時間(陽性時間)を測定した。なお本操作は、前記試薬の添付文書および前記モニターの取扱説明書に従い実施した。陽性時間が短いほど測定試料中のBCG RNA量が多いことから、溶菌効率がよいといえる。
溶菌操作(前記(3)の操作)は3重で行ない、精製操作と測定(前記(4)および(5))は各処理液に対し1重で行なった。結果を表1に示す。なお表1中、N.D.は標的RNAを検出できなかったことを表す。
実施例2 DBSAの最適濃度検討
実施例1で検討した界面活性剤のうち、抗酸菌を最も良好に溶菌したDBSAについて最適濃度を検討した。
(1)実施例1(1)の希釈液から滅菌蒸留水で段階希釈し、102cfuのBCGを含む100μLの菌液を調製した。
(2)あらかじめTrisで中和した10%(w/v)DBSA水溶液を蒸留水で段階希釈し、1%(w/v)、0.1%(w/v)および0.01%(w/v)DBSA−Tris水溶液を調製した。
(3)(1)で調製した菌液100μLに、(2)で調製したDBSA−Tris水溶液100μLを添加し混和後、80℃で10分加熱処理することで溶菌操作を行なった。なお、10%(w/v)DBSA−Tris水溶液を添加した場合の終濃度は5%(w/v)、1%(w/v)DBSA−Tris水溶液を添加した場合の終濃度は0.5%(w/v)、0.1%(w/v)DBSA−Tris水溶液を添加した場合の終濃度は0.05%(w/v)、0.01%(w/v)DBSA−Tris水溶液を添加した場合の終濃度は0.005%(w/v)となる。
(4)(3)の処理液全量(200μL)を実施例1(4)と同様な方法で精製し、実施例1(5)と同様な方法で陽性時間を測定した。
実施例1で検討した界面活性剤のうち、抗酸菌を最も良好に溶菌したDBSAについて最適濃度を検討した。
(1)実施例1(1)の希釈液から滅菌蒸留水で段階希釈し、102cfuのBCGを含む100μLの菌液を調製した。
(2)あらかじめTrisで中和した10%(w/v)DBSA水溶液を蒸留水で段階希釈し、1%(w/v)、0.1%(w/v)および0.01%(w/v)DBSA−Tris水溶液を調製した。
(3)(1)で調製した菌液100μLに、(2)で調製したDBSA−Tris水溶液100μLを添加し混和後、80℃で10分加熱処理することで溶菌操作を行なった。なお、10%(w/v)DBSA−Tris水溶液を添加した場合の終濃度は5%(w/v)、1%(w/v)DBSA−Tris水溶液を添加した場合の終濃度は0.5%(w/v)、0.1%(w/v)DBSA−Tris水溶液を添加した場合の終濃度は0.05%(w/v)、0.01%(w/v)DBSA−Tris水溶液を添加した場合の終濃度は0.005%(w/v)となる。
(4)(3)の処理液全量(200μL)を実施例1(4)と同様な方法で精製し、実施例1(5)と同様な方法で陽性時間を測定した。
結果を表2に示す。なお表2中、N.D.は標的RNAを検出できなかったことを表す。
実施例3 非イオン性界面活性剤の添加の効果(その1)
DBSAに非イオン界面活性剤をさらに添加することで、抗酸菌の溶菌効率がさらに向上するか評価した。
DBSAに非イオン界面活性剤をさらに添加することで、抗酸菌の溶菌効率がさらに向上するか評価した。
実施例1(2)で調製した菌液200μLに添加する水溶液として、2.8mg/mLのMEGA−10(n−Decanoyl−N−methyl−D−glucamine)(同仁化学)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液200μLとした他は、実施例1と同様な方法で評価した。結果を表3に示す。
実施例4 非イオン性界面活性剤の添加の効果(その2)
DBSAにMEGA−10以外の非イオン界面活性剤を添加することで、MEGA−10を添加したときと同様な効果が得られるか検討した。
DBSAにMEGA−10以外の非イオン界面活性剤を添加することで、MEGA−10を添加したときと同様な効果が得られるか検討した。
実施例1(2)で調製した菌液200μLに添加する水溶液として、以下に示す(A)から(F)の水溶液200μLとした他は、実施例1と同様な方法で評価した。
(A)2.8mg/mLのMEGA−8(n−Octanoyl−N−methyl−D−glucamine)(同仁化学)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(B)2.8mg/mLのMEGA−9(n−Nonanoyl−N−methyl−D−glucamine)(同仁化学)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(C)2.8mg/mLのMEGA−10(同仁化学)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(D)2.8mg/mLのn−ドデシル−β−D−マルトシド(12m)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(E)2.8mg/mLのn−オクチル−β−D−グルコシド(8g)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(F)2.8mg/mLのTriton X−100(TX)(商品名)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
結果を表4に示す。本実施例で検討した5種類の非イオン性界面活性剤のいずれもがMEGA−10と同様、溶菌効率のばらつきが改善されていることがわかる。
(A)2.8mg/mLのMEGA−8(n−Octanoyl−N−methyl−D−glucamine)(同仁化学)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(B)2.8mg/mLのMEGA−9(n−Nonanoyl−N−methyl−D−glucamine)(同仁化学)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(C)2.8mg/mLのMEGA−10(同仁化学)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(D)2.8mg/mLのn−ドデシル−β−D−マルトシド(12m)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(E)2.8mg/mLのn−オクチル−β−D−グルコシド(8g)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
(F)2.8mg/mLのTriton X−100(TX)(商品名)を含む10%(w/v)DBSA−Tris水溶液
結果を表4に示す。本実施例で検討した5種類の非イオン性界面活性剤のいずれもがMEGA−10と同様、溶菌効率のばらつきが改善されていることがわかる。
DBSAとMEGA−10とを含む水溶液で抗酸菌を溶菌する際の加熱処理温度および加熱処理時間の検討を行なった。
(1)実施例1(2)で調製した菌液200μLに、2.8mg/mLのMEGA−10(同仁化学)と10%(w/v)DBSAとを含む水(90%)/2−プロパノール(10%)混合溶液(Trisで中和)200μLを添加し、混和した。なお2−プロパノールは、DBSAの粘性の低下と水への溶解性の向上を目的に添加している。
(2)70℃、80℃または90℃で5分間、10分間、30分間または60分間加熱処理後、前記処理液100μLを実施例1(4)と同様な方法で精製し、実施例1(5)と同様な方法で陽性時間を測定した。
結果を表5に示す。本実施例で検討した加熱処理温度(70℃から90℃)および加熱処理時間(5分から60分)の範囲であれば、溶菌効率に大きな差はないことがわかる。また本実施例では、DBSAの粘性の低下と水への溶解性の向上を目的に2−プロパノールを添加したが、溶菌自体には大きな影響を与えていないことがわかる。
2−プロパノール(2−PrOH)の代わりに、非プロトン性有機溶媒であるジメチルスルフォキシド(DMSO)またはジオールであるエチレングリコール(Et−Gly)を用い、加熱処理温度・加熱処理時間を80℃・10分とした他は、実施例5と同様な方法で実施した。結果を表6に示す。本実施例で検討した水溶性有機溶媒はいずれも使用可能であることがわかる。
結核菌を含む抗酸菌の検査では、操作者のバイオセーフティが確保されていることが重要である。抗酸菌検査における塗抹検査の陽性最高値は3+であり、これは106cfu(colony forming unit)/mLに相当する(結核 第83巻 第4号 387−390、2008年)。また、液体培養の陽性時の菌数は106から107cfu/mLである(日本BD 培養同定・抗酸菌キット「ミジット分離培養剤」 添付文書)。そこで本発明者らは、検体が濃厚試料または培養液の場合は、107cfu程度の抗酸菌が検体に持ち込まれ得ると考え、107cfuの抗酸菌を本発明の試薬で処理した液から生菌が検出されない、すなわちバイオセーフティが確保されているかどうかを検討した。
(1)MycoBroth(極東製薬)中で静置培養したBCGを孔径5μmの親水性シリンジフィルター(日本PALL)でろ過後、ろ液の600nmにおける吸光度(OD600)を測定し、その吸光度を基にOD600が0.1になるように、氷冷した滅菌蒸留水で希釈した(107cfu/mL相当)。
(2)希釈した菌液を1mL分取後、16000Gで10分間、4℃の条件で遠心(以下、前記条件を「強遠心」と記載)し、上清を慎重に取り除いた後、沈殿を200μLの滅菌蒸留水に懸濁させた。得られたBCG懸濁液を抗酸菌を含む試料として、以下に示す溶菌処理を行なった。
(3)(2)で調製した菌液200μLに対し、12%(w/v)の2−プロパノール、と2.8mg/mLのMEGA−10とを含む10%(w/v)DBSA水溶液(Trisで中和)、または滅菌蒸留水を、それぞれ200μL添加し、混和した。
(4)(3)で混和した液のうち、DBSA水溶液と混和した液は7分間、9分間、10分間または15分間、蒸留水と混和した液は10分間、それぞれ70℃または80℃で加熱した。加熱後は氷上に5分以上静置した。前記処理は、それぞれの温度・時間で2重で行なった。
(5)加熱処理後、強遠心により上清を取り除いた後、沈殿に0.05%(w/v)のTween 80(Sigma)を含む1/15Mのリン酸緩衝液(以下、T−PBと記載)を1mL加え、よく撹拌することで沈殿を洗浄した。
(6)(5)の洗浄を再度行なった後、最終的に沈殿を300μLのT−PBに懸濁させ、全量を7H9−C平板培地(極東製薬)に塗布し、37℃、5%CO2の条件で培養した。培養期間は結核菌検査指針2007(日本結核病学会抗酸菌検査法検討委員会編)に従って8週間とした。なお(1)で希釈した菌液が正しく107cfu/mLに調製されたかどうかを確認する目的で、当該菌液から、T−PBを用いて105倍に段階希釈した液を7H9−C平板培地に塗布したものを培養陽性として同時に培養した。
(7)コロニーが認められた時点でコロニー数をカウントした。8週間後でもコロニーが認められないものはN.D.とした。
培養の結果を表7に示す。蒸留水を用いた場合、一部試料で菌の検出が確認され、バイオセーフティが必ずしも確保されていないことがわかる。一方、本発明の試薬を用いた場合は、いずれの試料も菌の検出が確認されないことから、少なくとも70℃以上かつ7分間以上の加熱処理を行なえば、バイオセーフティが確保された溶菌操作が行なえるといえる。すなわち、前述した本発明の試薬による抗酸菌の処理方法は、濃厚試料や培養液が検体であったとしても、107cfuの抗酸菌を死滅させることができるため、バイオセーフティの観点からも極めて有効な方法といえる。
実施例1から7においては、強酸性のドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA)水溶液の中和剤として、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)を採用したが、アルキルベンゼンスルホン酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない他の中和剤が採用できるか検討した。
(1)実施例1(1)から(2)に記載の方法にしたがい、102cfuのBCGを含む100μLの菌液を調製した。
(2)(1)で調製した菌液100μLに、以下に示す(A)から(C)の水溶液100μLを添加し混和後、80℃で10分加熱処理した。
(A)中和剤としてTrisを含む10%(w/v)DBSA水溶液
(B)中和剤としてアンモニア水(NH3)を含む10%(w/v)DBSA水溶液
(C)中和剤として2−アミノエタノール(NH2−EtOH)を含む10%(w/v)DBSA水溶液
(3)実施例1(4)と同様な方法で精製し、実施例1(5)と同様な方法で陽性時間を測定した。
結果を表8に示す。本実施例で検討した、アルキルベンゼンスルホン酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤は、いずれも使用可能であることがわかる。
本発明の試薬を用いた抗酸菌を溶菌し核酸を抽出する方法は、特殊な装置を用いることなく、簡便かつ短時間に抗酸菌から核酸を確実に抽出でき、かつ操作者の安全(バイオセーフティ)が確保された方法である。したがって、当該方法を、例えば、核酸の増幅・検出法による抗酸菌検査における試料の前処理に適用することにより、安全かつ効率的な抗酸菌検査を容易に実現できる。
Claims (8)
- アルキルベンゼンスルホン酸と、前記酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤を含む水溶液からなる、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出するための試薬。
- アルキルベンゼンスルホン酸がドデシルベンゼンスルホン酸である、請求項1に記載の試薬。
- 中和剤がトリスヒドロキシメチルアミノメタンである、請求項1または2に記載の試薬。
- さらに非イオン性界面活性剤を含む、請求項1から3のいずれかに記載の試薬。
- さらに水溶性有機溶媒を含む、請求項1から4のいずれかに記載の試薬。
- アルキルベンゼンスルホン酸と、前記酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤を含む水溶液を、抗酸菌を含む試料に添加後、加熱処理することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出する方法。
- ドデシルベンゼンスルホン酸とトリスヒドロキシメチルアミノメタンを含む水溶液を、ドデシルベンゼンスルホン酸の終濃度が0.05%(w/v)以上となるよう、抗酸菌を含む試料に添加後、70℃から90℃で5分間から60分間加熱処理することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出する方法。
- アルキルベンゼンスルホン酸と、前記酸との反応により前記酸の金属塩を生成しない中和剤を含む水溶液を、抗酸菌を含む試料に添加後、加熱処理することで、抗酸菌を溶菌しRNAを抽出する工程と、
前記工程で抽出した抗酸菌由来RNAを当該RNAに特異的なプライマー・プローブを用いて、増幅・検出する工程とを含む、
試料中に含まれる抗酸菌を検出する方法。
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