JP2004344108A - 抗酸菌の前処理方法およびそれを用いた遺伝子増幅若しくは検出方法 - Google Patents
抗酸菌の前処理方法およびそれを用いた遺伝子増幅若しくは検出方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004344108A JP2004344108A JP2003146772A JP2003146772A JP2004344108A JP 2004344108 A JP2004344108 A JP 2004344108A JP 2003146772 A JP2003146772 A JP 2003146772A JP 2003146772 A JP2003146772 A JP 2003146772A JP 2004344108 A JP2004344108 A JP 2004344108A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- pretreatment method
- pretreatment
- fast
- nalc
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/30—Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
【課題】抗酸菌中の遺伝子を溶菌・抽出するための前処理方法において、NALC−NaOH処理後の抗酸菌の沈殿物を再分散した後の遠心分離装置や特殊な試薬を用いることなく、簡単かつ短時間に、前処理・溶菌・増幅といった一連の流れを実現できるようにする。
【解決手段】抗酸菌の含有が疑われる検体をNALC−NaOH処理した後、遠心分離処理を介することなく、その検体処理物を直接に溶菌手段に供する。当該検体処理物を滅菌蒸留水のみで分散してから溶菌手段に供してもよい。
【選択図】 図1
【解決手段】抗酸菌の含有が疑われる検体をNALC−NaOH処理した後、遠心分離処理を介することなく、その検体処理物を直接に溶菌手段に供する。当該検体処理物を滅菌蒸留水のみで分散してから溶菌手段に供してもよい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗酸菌中の遺伝子を抽出するための前処理方法およびそれを用いた遺伝子増幅若しくは検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗酸菌の中でも、特に結核菌が引き起こす結核は、今なお、世界的に重要な細菌性疾患であり、その治療方法のみならず診断方法は極めて重要である。結核の最終的確認は、培養法により行われるが、結核菌の増殖速度は極めて遅いため、培養法の前段階で実施される予備的診断方法の確立が望まれている。このような予備的診断方法として、注目されているのは、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR法)を適用した方法である。この方法は、結核菌の遺伝子に特異的なプライマーを用い、結核菌の遺伝子を増幅して検出することにより、結核菌の有無を判定する方法である。
【0003】
前記PCR法を適用した予備的診断方法では、その前段階として結核菌といった抗酸菌を溶菌して、核内から遺伝子を抽出する必要がある。さらにその前段階として、生体試料から抗酸菌のみを集菌する必要がある。
【0004】
例えば結核菌のみを収集するための処理方法として、N―アセチル―L―システイン・水酸化ナトリウム(NALC―NaOH)法が用いられる。もともと、NALC―NaOH法の目的は、検査材料(喀痰など)を消化・均等化し、含まれる雑菌を殺して汚染除去し、遠心(3000G、20分間)し、得られる沈澱を浮遊させて培地へ摂取し、抗酸菌のみを選択的に培養することにある。
【0005】
非結核性抗酸菌、特にエム・フォルツイツム(M.fortuitum)やエム・ケロネエ(M.chelonae)などの迅速発育菌は結核菌よりもアルカリに対する抵抗性が弱いため、抗酸菌の分離に当たっては、粘液溶解剤で喀痰を溶解しつつ、水酸化ナトリウムの濃度をできるだけ低く抑えることが重要である。そこで、最近では、前処理剤として粘液溶解剤である上記NALC―NaOH法の使用が推奨されている(Kubica GP, Dye E,Cohn ML et al.:Sputumdigestion and decontaminationwith N−acetyl−L−cysteine−sodiumhydroxide for cultureof mycobacteria. Am Rev Respir.Dis. 1963;87:775−779.)。このようにNALC―NaOH法は、前処理剤による消化均等化と遠心による集菌を組み合わせ、アルカリの影響を極端に少なくした方法であり、多用されている(AmericanSociety for Microbiology (ASM):Section 3. Mycobacteriology.Clinical MicorobiologyProcedures Handbook. ASM,Washington, D.C.,1994.)。
【0006】
さて、多くの細菌検査室では、NALC−NaOH処理後の沈殿をリン酸緩衝液(PBS)に再分散させている。これは、前工程で使用したNaOHの中和を完全に行い、pHの影響を受けやすい培養検査への影響を軽減するためである。実際、新結核菌検査指針2000(日本結核病学会 抗酸菌検査法検討委員会編)には、NALC−NaOH処理後の沈殿は滅菌PBSに浮遊させるよう規定されている。
【0007】
ところが、これまでの発明者らの実験結果から、NALC−NaOH処理後のサンプルをそのまま溶菌してPCR法にかけて核酸増幅を行うと、PCR法を阻害する率が極めて高いことが判明している。
【0008】
そのPCR法を阻害する原因として、喀痰中の蛋白質、pH、検体由来の阻害物質などが考えられるが、実はNALC−NaOH処理後の抗酸菌の沈殿物(ペレット)を再分散させる際に用いるPBSが、PCRを阻害する主原因である。
【0009】
これらの核酸増幅反応を阻害する要因を回避する最も確実な方法としては、再分散後に遠心分離して得た沈澱物のみを回収し、上清である溶媒をPBSから他のものに取りかえるか、除去することが考えられる。実際、遺伝子増幅キットであるアンプリコア検体前処理キット(ロシュ社製)は、遠心分離操作によりPBS除去を行っている。
【0010】
【非特許文献1】
新結核菌検査指針 2000,p.28−29、財団法人結核予防会 発行
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、NALC−NaOH処理後の抗酸菌の沈殿物を再分散した後に、上記のように溶媒を取りかえるためには、もう一度ペレットを得るために、13000G,10分間の高速遠心分離を必要とする。高速遠心分離は操作が煩雑であり、より大型の装置も必要である。遠心分離の手間を介在させるため、使用者の接触感染の危険性も高まる。また、通常試料を移し替えるので、試料が汚染される機会が増える。遠心分離機にかける必要があるため、精製操作を連続的な工程に組み込むことができない。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、特殊な装置や試薬を用いることなく、簡単かつ短時間に抗酸菌を前処理から溶菌,増幅するといった一連の流れを実現できる方法の提供を、その目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、抗酸菌中の遺伝子を溶菌・抽出するための前処理方法であって、抗酸菌の含有が疑われる検体をNALC−NaOH処理した後、得られた沈澱物を直接に溶菌手段に供することを特徴とする、抗酸菌の前処理方法である。
【0014】
この方法によれば、NALC−NaOH処理して得られたペレットを、高速遠心分離を伴う煩雑な再集菌作業を行うことなしに、直接に溶菌作業へ供することができる。更に、溶菌後の検体試料は、直接に核酸増幅反応の鋳型として用いることができる。阻害物質となるPBSを一切使わないために、PBSを除去するための遠心分離が不要になり、増幅前の前処理にかかる時間が大幅に短縮され、操作も簡略化される。PBSを使用しなくとも前処理操作が可能になるとは意外な発見であり、盲点であった。
【0015】
さらに加えて、本発明の前処理方法は、NALC−NaOH処理した後の沈澱物を滅菌蒸留水(Distilled water:D.W)のみで分散し、その分散液を溶菌手段に供することもできる。
【0016】
そのように滅菌蒸留水で分散することにより、検体試料の全体量が増加し、一部の検体試料は培養方法へ、また一部の検体試料はPCR法へ用いることができるという効果が得られる。そのため、複数種類の診断方法を併用することができるという利点も得られ、現在の保健制度における結核の必須最終的確認である培養法と、予備的診断方法であるPCR法とを、一度に利用することができる。
【0017】
NALC−NaOH処理後の滅菌蒸留水分散に続く溶菌手段は、有機溶媒や界面活性剤等を用いた化学的方法、超音波や凍結・融解を繰り返す物理的方法等を用いることが出来る。その中でも特に、非イオン界面活性剤を含む溶菌試薬と混合する方法が、安全面の高さ,核酸損傷度の低さなどから、好ましく用いることが出来る。
【0018】
その際の非イオン界面活性剤としては、d−ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルおよびポリオキシエチレングリコールp−t−オクチルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つが好ましく使用できる。もちろん、複数種を混合して使用してもよい。
【0019】
また更に、該溶菌試薬が金属キレート剤を含むことが好ましい。前記金属キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N´,N´−四酢酸(EGTA)、ジアミノシクロヘキサン四酢酸、o−フェナンスロリンおよびサリチル酸からなる群から選択された少なくとも一つが好ましく使用できる。もちろん、複数種を混合して使用してもよい。
【0020】
溶菌対象となる抗酸菌は、鳥型結核菌(M.avium)、エム・イントラセルラレエ(M.intracellularae)、エム・ゴルドネエ(M.gordonae)、ヒト型結核菌(M.tuberculosis)、エム・カンサシイ(M.kansasii)、エム・フォルツイツム(M.fortuitum)、エム・ケロネエ(M.chelonae)、ウシ型結核菌(M.bovis)、エム・スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、パラ結核菌(M.paratuberculosis)、チモテ菌(M.phlei)、エム・マリヌム(M.marinum)、エム・シミエー(M.simiae)、エム・スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、エム・スズルガイ(M.szulgai)、らい菌(M.leprae)、エム・キセノピ(M.xenopi)、エム・ウルセランス(M.ulcerans)、鼠らい菌(M.lepraemurium)、エム・フラベセンス(M.flavescens)、エム・テレエ(M.terrae)、エム・ノンクロモジェニクム(M.nonchromogenicum)、エム・マルメンス(M.malmoense)、エム・アシアティクム(M.asiaticum)、エム・ヴァケエ(M.vaccae)、エム・ガストリ(M.gastri)、エム・トリビアル(M.triviale)、エム・ヘモフィラム(M.haemophilum)、エム・アフリカヌム(M.africanum)、エム・サーモレジスタブル(M.thermoresistable)およびスメグマ菌(M.smegmatis)からなる群から選択される少なくとも一つである。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。
喀痰に結核菌を添加した擬似陽性サンプルを用いて、本願発明の方法と従来の前処理法の性能を比較した。
【0022】
擬似陽性NALC処理済み検体の調整について
1.培養結核菌の用意
結核菌をマイコブロス(極東製薬工業製培養液)で35℃、一週間培養し、滅菌蒸留水にてMcFarland#1の濁度に調整し、10倍希釈系列を作製した。
2.喀痰液(15検体)の用意
結核菌陰性の健常者由来喀痰を2分割してNALC−NaOH処理した後、一方をPBS(リン酸緩衝液pH6.8)に分散させ、他方を滅菌蒸留水に分散させた。
3.サンプルの調整
2の喀痰溶液(NALC−NaOH処理後の沈殿を、PBSおよび滅菌蒸留水に分散させたもの)それぞれに、1の上記培養結核菌を添加し、擬似陽性NALC処理済み検体を調整した。
【0023】
各方法のプロトコルについて
(従来法)
アンプリコアキットの添付文書通りに行った。すなわち、NALC−NaOH処理後の沈殿をPBSに分散させたサンプル100μLへ、検体洗浄液500μLを加え、遠心分離(13,000g,10分間)後、上清を除去し、溶菌試薬100μLを添加し、60℃,45分間加熱した。その後、中和試薬100μLを添加し、溶菌液25μLをPCR増幅へかけた。
(本願発明法(滅菌蒸留水法))
NALC−NaOH処理後の沈殿を滅菌蒸留水に分散させたサンプル100μLへ、TE−Triton溶液(10mMのTris,1mMのEDTA(pH8.0)、3%Triton)50μLを添加し、96℃,10分間加熱した。その後、得られた溶菌液18.75μLをPCR増幅へかけた。
【0024】
増幅・検出について
アンプリコアマイコバクテリウムツベルクローシス増幅試薬セット(日本ロシュ)およびアンプリコアマイコバクテリウムツベルクローシス検出試薬セット(日本ロシュ)を使用し、操作はキットの添付文書通りに行った。検出結果の判定は、ウェルの吸光度が0.35以上のものを結核菌陽性「+」、ウェルの吸光度が0.35未満のものを結核菌陰性「−」とした。また、1回目の測定でウェルの吸光度が0.1以上1.0未満だったものについては、N=2で再検を行い、計3測定の結果の多数決で「+」か「−」かを判定した。
【0025】
結果
結果を図1に示す。
図中の「+」は、1回目の測定で結果が陽性であるか、または再検後に陽性になったもの、あるいはPCRへ持ち込む検体量を18.75μLから24μLに増加させた場合に結果が陽性となったことを示す。図中の「−」は陰性を示す。希釈倍率における「10^3」は、「10のマイナス3乗」を示す。
【0026】
【図1】
【0027】
図に示すように、従来法と本願発明法とを比較すると、同等の感度が得られていることが判る。
【0028】
以上の結果から、滅菌水直接前処理法はアンプリコア前処理法に比べて操作が大幅に簡略化されるだけでなく、検出感度も従来の感度(アンプリコア法の感度)をほぼ維持出来ることが判った。
【0029】
本方法ではリン酸緩衝液置換を行わない原理であるため、遠心法に比べると検体中に含まれる夾雑物の影響を受けやすいことが懸念される。しかし意外なことに、これも大きな影響は受けなかった。
【0030】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の構成により、特殊な装置や試薬を用いることなく、簡単かつ短時間に抗酸菌を前処理から溶菌,増幅するといった一連の流れを実現できた。
【図面の簡単な説明】
図1は、喀痰に結核菌を添加した擬似陽性サンプルを用いて、本願発明の方法と従来の前処理法の性能を比較した結果を示す表である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗酸菌中の遺伝子を抽出するための前処理方法およびそれを用いた遺伝子増幅若しくは検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
抗酸菌の中でも、特に結核菌が引き起こす結核は、今なお、世界的に重要な細菌性疾患であり、その治療方法のみならず診断方法は極めて重要である。結核の最終的確認は、培養法により行われるが、結核菌の増殖速度は極めて遅いため、培養法の前段階で実施される予備的診断方法の確立が望まれている。このような予備的診断方法として、注目されているのは、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR法)を適用した方法である。この方法は、結核菌の遺伝子に特異的なプライマーを用い、結核菌の遺伝子を増幅して検出することにより、結核菌の有無を判定する方法である。
【0003】
前記PCR法を適用した予備的診断方法では、その前段階として結核菌といった抗酸菌を溶菌して、核内から遺伝子を抽出する必要がある。さらにその前段階として、生体試料から抗酸菌のみを集菌する必要がある。
【0004】
例えば結核菌のみを収集するための処理方法として、N―アセチル―L―システイン・水酸化ナトリウム(NALC―NaOH)法が用いられる。もともと、NALC―NaOH法の目的は、検査材料(喀痰など)を消化・均等化し、含まれる雑菌を殺して汚染除去し、遠心(3000G、20分間)し、得られる沈澱を浮遊させて培地へ摂取し、抗酸菌のみを選択的に培養することにある。
【0005】
非結核性抗酸菌、特にエム・フォルツイツム(M.fortuitum)やエム・ケロネエ(M.chelonae)などの迅速発育菌は結核菌よりもアルカリに対する抵抗性が弱いため、抗酸菌の分離に当たっては、粘液溶解剤で喀痰を溶解しつつ、水酸化ナトリウムの濃度をできるだけ低く抑えることが重要である。そこで、最近では、前処理剤として粘液溶解剤である上記NALC―NaOH法の使用が推奨されている(Kubica GP, Dye E,Cohn ML et al.:Sputumdigestion and decontaminationwith N−acetyl−L−cysteine−sodiumhydroxide for cultureof mycobacteria. Am Rev Respir.Dis. 1963;87:775−779.)。このようにNALC―NaOH法は、前処理剤による消化均等化と遠心による集菌を組み合わせ、アルカリの影響を極端に少なくした方法であり、多用されている(AmericanSociety for Microbiology (ASM):Section 3. Mycobacteriology.Clinical MicorobiologyProcedures Handbook. ASM,Washington, D.C.,1994.)。
【0006】
さて、多くの細菌検査室では、NALC−NaOH処理後の沈殿をリン酸緩衝液(PBS)に再分散させている。これは、前工程で使用したNaOHの中和を完全に行い、pHの影響を受けやすい培養検査への影響を軽減するためである。実際、新結核菌検査指針2000(日本結核病学会 抗酸菌検査法検討委員会編)には、NALC−NaOH処理後の沈殿は滅菌PBSに浮遊させるよう規定されている。
【0007】
ところが、これまでの発明者らの実験結果から、NALC−NaOH処理後のサンプルをそのまま溶菌してPCR法にかけて核酸増幅を行うと、PCR法を阻害する率が極めて高いことが判明している。
【0008】
そのPCR法を阻害する原因として、喀痰中の蛋白質、pH、検体由来の阻害物質などが考えられるが、実はNALC−NaOH処理後の抗酸菌の沈殿物(ペレット)を再分散させる際に用いるPBSが、PCRを阻害する主原因である。
【0009】
これらの核酸増幅反応を阻害する要因を回避する最も確実な方法としては、再分散後に遠心分離して得た沈澱物のみを回収し、上清である溶媒をPBSから他のものに取りかえるか、除去することが考えられる。実際、遺伝子増幅キットであるアンプリコア検体前処理キット(ロシュ社製)は、遠心分離操作によりPBS除去を行っている。
【0010】
【非特許文献1】
新結核菌検査指針 2000,p.28−29、財団法人結核予防会 発行
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、NALC−NaOH処理後の抗酸菌の沈殿物を再分散した後に、上記のように溶媒を取りかえるためには、もう一度ペレットを得るために、13000G,10分間の高速遠心分離を必要とする。高速遠心分離は操作が煩雑であり、より大型の装置も必要である。遠心分離の手間を介在させるため、使用者の接触感染の危険性も高まる。また、通常試料を移し替えるので、試料が汚染される機会が増える。遠心分離機にかける必要があるため、精製操作を連続的な工程に組み込むことができない。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、特殊な装置や試薬を用いることなく、簡単かつ短時間に抗酸菌を前処理から溶菌,増幅するといった一連の流れを実現できる方法の提供を、その目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、抗酸菌中の遺伝子を溶菌・抽出するための前処理方法であって、抗酸菌の含有が疑われる検体をNALC−NaOH処理した後、得られた沈澱物を直接に溶菌手段に供することを特徴とする、抗酸菌の前処理方法である。
【0014】
この方法によれば、NALC−NaOH処理して得られたペレットを、高速遠心分離を伴う煩雑な再集菌作業を行うことなしに、直接に溶菌作業へ供することができる。更に、溶菌後の検体試料は、直接に核酸増幅反応の鋳型として用いることができる。阻害物質となるPBSを一切使わないために、PBSを除去するための遠心分離が不要になり、増幅前の前処理にかかる時間が大幅に短縮され、操作も簡略化される。PBSを使用しなくとも前処理操作が可能になるとは意外な発見であり、盲点であった。
【0015】
さらに加えて、本発明の前処理方法は、NALC−NaOH処理した後の沈澱物を滅菌蒸留水(Distilled water:D.W)のみで分散し、その分散液を溶菌手段に供することもできる。
【0016】
そのように滅菌蒸留水で分散することにより、検体試料の全体量が増加し、一部の検体試料は培養方法へ、また一部の検体試料はPCR法へ用いることができるという効果が得られる。そのため、複数種類の診断方法を併用することができるという利点も得られ、現在の保健制度における結核の必須最終的確認である培養法と、予備的診断方法であるPCR法とを、一度に利用することができる。
【0017】
NALC−NaOH処理後の滅菌蒸留水分散に続く溶菌手段は、有機溶媒や界面活性剤等を用いた化学的方法、超音波や凍結・融解を繰り返す物理的方法等を用いることが出来る。その中でも特に、非イオン界面活性剤を含む溶菌試薬と混合する方法が、安全面の高さ,核酸損傷度の低さなどから、好ましく用いることが出来る。
【0018】
その際の非イオン界面活性剤としては、d−ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルおよびポリオキシエチレングリコールp−t−オクチルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つが好ましく使用できる。もちろん、複数種を混合して使用してもよい。
【0019】
また更に、該溶菌試薬が金属キレート剤を含むことが好ましい。前記金属キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N´,N´−四酢酸(EGTA)、ジアミノシクロヘキサン四酢酸、o−フェナンスロリンおよびサリチル酸からなる群から選択された少なくとも一つが好ましく使用できる。もちろん、複数種を混合して使用してもよい。
【0020】
溶菌対象となる抗酸菌は、鳥型結核菌(M.avium)、エム・イントラセルラレエ(M.intracellularae)、エム・ゴルドネエ(M.gordonae)、ヒト型結核菌(M.tuberculosis)、エム・カンサシイ(M.kansasii)、エム・フォルツイツム(M.fortuitum)、エム・ケロネエ(M.chelonae)、ウシ型結核菌(M.bovis)、エム・スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、パラ結核菌(M.paratuberculosis)、チモテ菌(M.phlei)、エム・マリヌム(M.marinum)、エム・シミエー(M.simiae)、エム・スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、エム・スズルガイ(M.szulgai)、らい菌(M.leprae)、エム・キセノピ(M.xenopi)、エム・ウルセランス(M.ulcerans)、鼠らい菌(M.lepraemurium)、エム・フラベセンス(M.flavescens)、エム・テレエ(M.terrae)、エム・ノンクロモジェニクム(M.nonchromogenicum)、エム・マルメンス(M.malmoense)、エム・アシアティクム(M.asiaticum)、エム・ヴァケエ(M.vaccae)、エム・ガストリ(M.gastri)、エム・トリビアル(M.triviale)、エム・ヘモフィラム(M.haemophilum)、エム・アフリカヌム(M.africanum)、エム・サーモレジスタブル(M.thermoresistable)およびスメグマ菌(M.smegmatis)からなる群から選択される少なくとも一つである。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。
喀痰に結核菌を添加した擬似陽性サンプルを用いて、本願発明の方法と従来の前処理法の性能を比較した。
【0022】
擬似陽性NALC処理済み検体の調整について
1.培養結核菌の用意
結核菌をマイコブロス(極東製薬工業製培養液)で35℃、一週間培養し、滅菌蒸留水にてMcFarland#1の濁度に調整し、10倍希釈系列を作製した。
2.喀痰液(15検体)の用意
結核菌陰性の健常者由来喀痰を2分割してNALC−NaOH処理した後、一方をPBS(リン酸緩衝液pH6.8)に分散させ、他方を滅菌蒸留水に分散させた。
3.サンプルの調整
2の喀痰溶液(NALC−NaOH処理後の沈殿を、PBSおよび滅菌蒸留水に分散させたもの)それぞれに、1の上記培養結核菌を添加し、擬似陽性NALC処理済み検体を調整した。
【0023】
各方法のプロトコルについて
(従来法)
アンプリコアキットの添付文書通りに行った。すなわち、NALC−NaOH処理後の沈殿をPBSに分散させたサンプル100μLへ、検体洗浄液500μLを加え、遠心分離(13,000g,10分間)後、上清を除去し、溶菌試薬100μLを添加し、60℃,45分間加熱した。その後、中和試薬100μLを添加し、溶菌液25μLをPCR増幅へかけた。
(本願発明法(滅菌蒸留水法))
NALC−NaOH処理後の沈殿を滅菌蒸留水に分散させたサンプル100μLへ、TE−Triton溶液(10mMのTris,1mMのEDTA(pH8.0)、3%Triton)50μLを添加し、96℃,10分間加熱した。その後、得られた溶菌液18.75μLをPCR増幅へかけた。
【0024】
増幅・検出について
アンプリコアマイコバクテリウムツベルクローシス増幅試薬セット(日本ロシュ)およびアンプリコアマイコバクテリウムツベルクローシス検出試薬セット(日本ロシュ)を使用し、操作はキットの添付文書通りに行った。検出結果の判定は、ウェルの吸光度が0.35以上のものを結核菌陽性「+」、ウェルの吸光度が0.35未満のものを結核菌陰性「−」とした。また、1回目の測定でウェルの吸光度が0.1以上1.0未満だったものについては、N=2で再検を行い、計3測定の結果の多数決で「+」か「−」かを判定した。
【0025】
結果
結果を図1に示す。
図中の「+」は、1回目の測定で結果が陽性であるか、または再検後に陽性になったもの、あるいはPCRへ持ち込む検体量を18.75μLから24μLに増加させた場合に結果が陽性となったことを示す。図中の「−」は陰性を示す。希釈倍率における「10^3」は、「10のマイナス3乗」を示す。
【0026】
【図1】
【0027】
図に示すように、従来法と本願発明法とを比較すると、同等の感度が得られていることが判る。
【0028】
以上の結果から、滅菌水直接前処理法はアンプリコア前処理法に比べて操作が大幅に簡略化されるだけでなく、検出感度も従来の感度(アンプリコア法の感度)をほぼ維持出来ることが判った。
【0029】
本方法ではリン酸緩衝液置換を行わない原理であるため、遠心法に比べると検体中に含まれる夾雑物の影響を受けやすいことが懸念される。しかし意外なことに、これも大きな影響は受けなかった。
【0030】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の構成により、特殊な装置や試薬を用いることなく、簡単かつ短時間に抗酸菌を前処理から溶菌,増幅するといった一連の流れを実現できた。
【図面の簡単な説明】
図1は、喀痰に結核菌を添加した擬似陽性サンプルを用いて、本願発明の方法と従来の前処理法の性能を比較した結果を示す表である。
Claims (11)
- 抗酸菌中の遺伝子を溶菌・抽出するための前処理方法であって、抗酸菌の含有が疑われる検体をNALC−NaOH処理した後、得られた沈澱物を直接に溶菌手段に供することを特徴とする、抗酸菌の前処理方法。
- 該沈澱物を滅菌蒸留水(Distilledwater:D.W)のみで分散し、その分散液を溶菌手段に供することを特徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の前処理方法。
- 前記溶菌手段が、有機溶媒と混合するものである、特許請求の範囲第1項に記載の前処理方法。
- 前記溶菌手段が、超音波を物理的に当てる方法である、特許請求の範囲第1項に記載の前処理方法。
- 前記溶菌手段が、凍結・融解を繰り返す方法である、特許請求の範囲第1項に記載の前処理方法。
- 前記溶菌手段が、非イオン界面活性剤を含む試薬と混合することである、特許請求の範囲第1項に記載の前処理方法。
- 非イオン界面活性剤が、d−ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステルおよびポリオキシエチレングリコールp−t−オクチルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも一つである特許請求の範囲第6項に記載の前処理方法。
- さらに金属キレート剤を含む、特許請求の範囲第6項に記載の前処理方法。
- 前記金属キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N´,N´−四酢酸(EGTA)、ジアミノシクロヘキサン四酢酸、o−フェナンスロリンおよびサリチル酸からなる群から選択された少なくとも一つである特許請求の範囲第8項に記載の前処理方法。
- 溶菌対象となる抗酸菌が、鳥型結核菌(M.avium)、エム・イントラセルラレエ(M.intracellularae)、エム・ゴルドネエ(M.gordonae)、ヒト型結核菌(M.tuberculosis)、エム・カンサシイ(M.kansasii)、エム・フォルツイツム(M.fortuitum)、エム・ケロネエ(M.chelonae)、ウシ型結核菌(M.bovis)、エム・スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、パラ結核菌(M.paratuberculosis)、チモテ菌(M.phlei)、エム・マリヌム(M.marinum)、エム・シミエー(M.simiae)、エム・スクロフラセウム(M.scrofulaceum)、エム・スズルガイ(M.szulgai)、らい菌(M.leprae)、エム・キセノピ(M.xenopi)、エム・ウルセランス(M.ulcerans)、鼠らい菌(M.lepraemurium)、エム・フラベセンス(M.flavescens)、エム・テレエ(M.terrae)、エム・ノンクロモジェニクム(M.nonchromogenicum)、エム・マルメンス(M.malmoense)、エム・アシアティクム(M.asiaticum)、エム・ヴァケエ(M.vaccae)、エム・ガストリ(M.gastri)、エム・トリビアル(M.triviale)、エム・ヘモフィラム(M.haemophilum)、エム・アフリカヌム(M.africanum)、エム・サーモレジスタブル(M.thermoresistable)およびスメグマ菌(M.smegmatis)からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1から9のいずれかに記載の前処理方法。
- 抗酸菌の遺伝子を特異的に増幅若しくは検出する方法であって、請求項1から10のいずれかの方法により抗酸菌を処理して遺伝子を抽出し、これを試料として遺伝子を特異的に増幅若しくは検出する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146772A JP2004344108A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 抗酸菌の前処理方法およびそれを用いた遺伝子増幅若しくは検出方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003146772A JP2004344108A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 抗酸菌の前処理方法およびそれを用いた遺伝子増幅若しくは検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004344108A true JP2004344108A (ja) | 2004-12-09 |
Family
ID=33533527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003146772A Pending JP2004344108A (ja) | 2003-05-23 | 2003-05-23 | 抗酸菌の前処理方法およびそれを用いた遺伝子増幅若しくは検出方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004344108A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014064518A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Taihei Enviromental Science Center Co Ltd | 自動細菌検査装置及び方法 |
JP2014079177A (ja) * | 2012-10-15 | 2014-05-08 | Taihei Enviromental Science Center Co Ltd | 細菌検査装置 |
CN105004585A (zh) * | 2015-06-19 | 2015-10-28 | 靖江市华煜阳光医疗器械有限公司 | 一种结核分枝杆菌细胞破碎方法 |
KR20180041384A (ko) * | 2016-10-14 | 2018-04-24 | (주)어핀텍 | 객담에서 결핵균 분리를 위한 객담 전처리 용기 및 이를 이용한 원심분리방법 |
-
2003
- 2003-05-23 JP JP2003146772A patent/JP2004344108A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014064518A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Taihei Enviromental Science Center Co Ltd | 自動細菌検査装置及び方法 |
JP2014079177A (ja) * | 2012-10-15 | 2014-05-08 | Taihei Enviromental Science Center Co Ltd | 細菌検査装置 |
CN105004585A (zh) * | 2015-06-19 | 2015-10-28 | 靖江市华煜阳光医疗器械有限公司 | 一种结核分枝杆菌细胞破碎方法 |
KR20180041384A (ko) * | 2016-10-14 | 2018-04-24 | (주)어핀텍 | 객담에서 결핵균 분리를 위한 객담 전처리 용기 및 이를 이용한 원심분리방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2451985C (en) | Universal method and composition for the rapid lysis of cells for the release of nucleic acids and their detection | |
Siddiqi et al. | Direct drug susceptibility testing of Mycobacterium tuberculosis for rapid detection of multidrug resistance using the Bactec MGIT 960 system: a multicenter study | |
Xiao et al. | Effects of diverse materials-based methods on DNA extraction for Clostridium difficle from stool samples | |
AU2002354838A1 (en) | Universal method and composition for the rapid lysis of cells for the release of nucleic acids and their detection | |
JPH01503006A (ja) | 細菌検定用標本の調製技法 | |
EP0547789A1 (en) | Process for lysing mycobacteria | |
Thornton et al. | Novel method for processing respiratory specimens for detection of mycobacteria by using C18-carboxypropylbetaine: blinded study | |
US7935483B2 (en) | Method of effecting lysis of acid-fast bacteria and method of performing gene amplification or detection therewith | |
Raveendran et al. | Utility of multiplex real-time PCR in the diagnosis of extrapulmonary tuberculosis | |
Ferguson et al. | Pilot study of a rapid and minimally instrumented sputum sample preparation method for molecular diagnosis of tuberculosis | |
Surat et al. | Rapid real-time PCR for detection of Mycobacterium tuberculosis complex DNA in formalin-fixed paraffin embedded tissues: 16% of histological ‘sarcoid’may contain such DNA | |
EP1574564B1 (en) | Microorganism or cell collecting method, and microorganism or cell collecting implement used for the method | |
CA2153103C (en) | Process for lysing mycobacteria | |
Moreno et al. | A novel liquid media mycobacteria extraction method for MALDI-TOF MS identification using VITEK® MS | |
JP2004344108A (ja) | 抗酸菌の前処理方法およびそれを用いた遺伝子増幅若しくは検出方法 | |
JP2004180551A (ja) | 微生物の収集方法およびそれを用いた遺伝子の増幅方法若しくは検出方法 | |
Omar et al. | Laboratory evaluation of a specimen transport medium for downstream molecular processing of sputum samples to detect Mycobacterium tuberculosis | |
JP6064722B2 (ja) | 抗酸菌の溶菌試薬および当該試薬を用いた抗酸菌の検出方法 | |
Iqbal et al. | Importance of polymerase chain reaction in diagnosis of pulmonary and extra-pulmonary tuberculosis | |
JP5434199B2 (ja) | 抗酸菌遺伝子の増幅方法 | |
Yoshimatsu et al. | Factors contribute to efficiency of specimen concentration of Mycobacterium tuberculosis by centrifugation and magnetic beads | |
US20050239045A1 (en) | Microorganism or cell collecting method, and microorganism or cell collecting implement used for the method | |
US20240043911A1 (en) | Crispr-based assay for detecting tb in bodily fluids | |
Singh et al. | Analysis, comparison, and significance of nested polymerase chain reaction with conventional methods for the diagnosis of pulmonary and extrapulmonary tuberculosis among the rural population of North India | |
Moore et al. | A Novel Microfluidic Dielectrophoresis Technology to Enable Rapid Diagnosis of Mycobacteria tuberculosis in Clinical Samples |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060512 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090428 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090908 |