JP6146687B1 - 傾斜対応束 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂製の束であっても、十分な強度を有する傾斜対応束を提供する。【解決手段】 樹脂製の上面基台1と、該上面基台1と上端側が組み合う樹脂製の支柱2と、該支柱2の下端側と組み合う樹脂製の下面基台3とを有し、前記支柱2の下端側に球状端部22が形成され、前記下面基台3に、前記支柱2の球状端部22と組み合う凹部収納体31とフランジ32が形成されると共に、前記球状端部22を組み合わせた際に凹部が広がるスリット33を凹部収納体31及びフランジ32に連続して形成し、前記凹部収納体の凹部の上端側の直径を、球状端部の球の部分の直径より小さくすることで、凹部収納体31への球状端部22の組み合わせ及び固定が容易にできるようにした。【選択図】図2

Description

本発明は傾斜対応束に関し、特に傾斜地にウッドデッキを施工する際の使用に適した傾斜対応束に関する。
傾斜地に対応した束として、特許文献1に記載のものが存在する。
該特許文献1に記載の束は、所定の厚みで球面状に突出する凸部を有し、該凸部の中心にて内外を貫通する通孔が形成される基台と、大引や根太といった横架材を載置するための載置部が上方に設けられ、下方が通孔に遊挿される支柱とを備える束であって、支柱は、基台の凸部の外面が内接する第1の座金と、該凸部の内面に内接する第2の座金と、該凸部を第1の座金と第2の座金とで挟持することにより、支柱を基台に締め付け固定するための締結手段とを備えたものである。
上記特許文献1に記載の鋼製束は、凸部を第1の座金の縁の周辺部分と第2の座金とで挟持することで固定する構造である。
そのため、鋼製の代わりに、例えば、金属より強度が劣るプラスチック等の樹脂で製作した場合には、荷重を受けるには、接触部分である周辺部分の強度が十分でない可能性がある。
従って、本発明の課題は、樹脂製の束であっても、十分な強度を有する傾斜対応束を提供することにある。
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
第1に、
樹脂製の上面基台と、該上面基台と上端側が組み合う樹脂製の支柱と、該支柱の下端側と組み合う樹脂製の下面基台とを有し、前記支柱の下端側に、球状端部が形成され、前記下面基台に、前記支柱の球状端部と組み合う凹部収納体とフランジが形成されると共に、前記球状端部を組み合わせた際に凹部が広がるスリットを、凹部収納体及びフランジに連続して形成したことを特徴とする、傾斜対応束。
第2に、
前記凹部収納体の凹部の上端側の直径は、球状端部の球の部分の直径より小さいことを特徴とする、前記第1に記載の傾斜対応束。
第3に、
前記下面基台の凹部収納体の中央部に、貫通する小孔を有し、前記スリットが該小孔まで続いて形成されていることを特徴とする、前記第1または第2に記載の傾斜対応束。
第4に、
前記下面基台のスリット形成箇所を挟むように、該スリットを閉じるための二つの係止片を凹部収納体の外面に形成したことを特徴とする、前記第1〜第3のいずれか一つに記載の傾斜対応束。
第5に、
前記係止片に、締め付け用のネジが貫通するネジ孔が形成されていることを特徴とする、前記第4に記載の傾斜対応束。
本発明によれば以下の効果を奏することができる
本発明の傾斜対応束は、下面基台の凹部収納体の凹部と、支柱の球状端部とが組み合うことで凹部のほぼ全面で荷重を受けるので、樹脂製であっても十分な強度を有する。
また、施工に際し、凹状収納体の凹部に支柱の球状端部を嵌め込む工程は、スリットが形成されているので、容易に行うことができる。
さらに、前記下面基台の凹部収納体の中央部に、貫通する小孔を設けることで、球状端部の最下端部分と開孔部の周縁とが接触するので、荷重をより効率的に受けることが可能となり、加えて、施工の際に設置目印の直接目視が可能となる。
本発明の傾斜対応束の使用状態の説明図であり、(a)は平地、(b)は傾斜地に設置した状態を示す図である。 本発明の傾斜対応束の各構成部品の斜視図である。 本発明の傾斜対応束の上面基台の説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 本発明の傾斜対応束の支柱の説明図である。 本発明の傾斜対応束の下面基台の説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は縦断面図である。 本発明の傾斜対応束のリングの説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ここで、添付図面において同一の部材には同一符号を付しており、また重複した説明は省略されている。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は該当形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る傾斜対応束は、ウッドデッキを施工する際の使用に適し、図1中、(a)に示すように平地でも使用可能なものであるが、(b)に示すように特に傾斜地での使用に適したものである。
該本実施形態の傾斜対応束は、図2に示すように、ポリプレピレン樹脂製の上面基台1と、該上面基台1と上端側が組み合うポリプレピレン樹脂製の支柱2と、該支柱2の下端側と組み合うポリプレピレン樹脂製の下面基台3と、支柱2に組み合わせるポリプレピレン樹脂製のリング4とを有している。
前記上面基台1は、床板を支持する根太材の底面側に例えばネジ止め等によって取り付けるものであり、図2及び図3に示すように、中央が開孔したドーナツ状の円形板11の中央部に、支柱2の上端側をねじ込み可能なネジ溝が内面側に形成された小円筒12を一体で形成したものである。
図2及び図3中、11aは円形板11の4箇所に設けられたネジ孔、13は小円筒12の外周に同間隔で6箇所に設けられた縦リブを示している。
なお、該上面基台1は、底面側からのネジ止め以外にも、根太材の上面側から底面側に貫通する取付孔に組み合わせる長ネジによって、取り付けることもできる。
また、図示は省略するが、円形板11の直径を100ミリメートルとした場合に、外径が51ミリメートルである小円筒12の形成側と反対側である上面基台1の上面側には、10ミリメートル間隔のマス目を形成する深さ1.0ミリメートルのV型溝を縦横に形成することで、ウッドデッキ側の根太材との接触力を高めることができる。
前記支柱2は、図4に示すように、外周面にネジ山が形成された、例えば外径が39ミリメートルの中空筒21の下端側に、僅かに中空筒21の外径より直径が大きい球状端部22を一体で形成したものである。
例えば、該中空筒21の外径を39ミリメートルとした場合には、球状端部22の直径が40ミリメートルとなるように形成されている。
なお、該支柱2は、プラスチック樹脂によって形成されているので、施工の際に必要となる高さ調整をするには、設置状態のままで上部をのこぎり等で切断することで容易に行うことが可能である。
前記下面基台3は、図5に示すように、前記支柱2の球状端部22と組み合う小円筒状の凹部収納体31の外周に、フランジ32を一体で形成したものである。
該凹部収納体31及びフランジ32には、前記球状端部22を組み合わせた際に凹部が広がるように、スリット33が連続して形成されている。
また、図示は省略するが、フランジ32の直径を100ミリメートルとした場合に、外径が50ミリメートルである凹部収納体31の形成側と反対側である下面基台3の下面側には、10ミリメートル間隔のマス目を形成する深さ1.0ミリメートルのV型溝を縦横に形成することで、設置面側との接触力を高めることができる。
前記凹部収納体31は、中央部に、底面側まで貫通する小孔31aを有し、前記スリット33が該小孔31aまで続いて形成されている。
ここで、中央部に小孔31aを形成することで、設置箇所に本実施形態の傾斜対応束を置いた状態で、中央部の小孔31を介して設置箇所の目印を、直接目視によって確認することができるので、設置作業が極めて容易となる。
前記凹部収納体31の凹部の上端側の直径は、球状端部22の球の部分の直径より小さく、例えば、球状端部22の直径が40ミリメートルの場合は、38.7ミリメートルに形成されている。
なお、前記凹部収納体31の凹部の上端側の直径とは、小円筒状の凹部収納体31の厚みを除く、内径部分の一端から対向する反対端までの長さを示す。
このように、前記凹部収納体31の凹部の上端側の直径を、球状端部22の球の部分の直径より小さく形成することで、下面基台3に支柱2を組み合わせた際に、支柱2が抜けにくくなって、保持力を高めることが可能となる。
前記凹部収納体31の外面に対して、縦方向にスリット33を閉じるための二つの係止片34が、下面基台3のスリット33の形成箇所を挟むように形成されている。
前記係止片34には、図1に示すように、締め付け用の締付ネジ35が貫通するネジ孔34aが形成されている。
図5中、32aはフランジに形成された傾斜地への固定用のネジ孔であり、36は凹部収納体31及びフランジ32と一体となって三角形状に形成された三角リブである。
該三角リブ36は、スリット33の形成箇所を除き、90度の角度毎に3箇所に形成されている。
前記リング4は、図6に示すように、小円筒状であり、同間隔で6箇所に縦リブ41が形成されている。
該リング4の内周面には、図2に示すように、ネジ溝が形成されている。
使用の際には、図1に示すように、該リング4を上面基台1に押しつけるように設置することで、上面基台1及び支柱2を、がたつき無く強固に固定することが可能となる。
次に、上記の傾斜対応束の使用例について説明する。
設置面である傾斜地の所定箇所に、必要な数の下面基台3を配置する。
この際、設置箇所に本実施形態の傾斜対応束を置いた状態で、中央部の小孔31を介して設置箇所の目印を、直接目視によって確認することができる。
設置位置の確認後、各傾斜対応束について、スリット33の形成側と反対側の2箇所のネジ孔32aをネジ止めして部分的に固定する。
その後、下面基台3の凹部収納体31に、支柱2の球状端部22を嵌め込むことで、下面基台3の位置がずれなくなるので、嵌め込み作業が容易となる。
ここで、支柱2の球状端部22を凹部収納体31に嵌め込む際は、スリット33の部分が一時的に広がるので、容易に組み合わせることが可能となる。
また、組み合わせた状態では、凹部収納体31の上端側の直径が球状端部22の直径より僅かに小さいので、支柱2が抜けにくく保持力を高めつつ、傾斜角度の調整が可能となる。
傾斜対応束への支柱2の嵌め込みが完了したら、残りの2箇所のネジ孔32aをネジ止めすることで、下面基台3の全体を固定する。
なお、下面基台3と支柱2とは、必要に応じて、接着剤で固定することもできる。
また、係止片34に形成されたネジ孔34aを利用して、ネジで締め付けることで、組み合わせた球状端部22を強固に固定することが可能となる。
固定後、各支柱2に、先にリング4を嵌め込んだ後で上面基台1を嵌め込む。
その後、各支柱2を垂直状態に調整する。
この際、上面基台1に水平器を置くことで、容易に垂直調整が可能となる。
垂直調整後、各上面基台1の位置を設定した水平レベルに調整する。
水平レベル調整後、リング4で締め付けることで位置を固定する。
この状態で、上面基台1の上面側より突出した支柱2の上端側は、切断することで長さを調整する。
そして、上面基台1は、ネジ孔11aへのネジ止めによって、根太材等に固定する
傾斜地においても、支柱2が直立するように下面基台3に組み合わせた状態では、支柱2の球状端部22の下半分に相当する半球状の部分が、凹部収納体31の凹部のほぼ全面と接触することで、広い面積で荷重を支持することが可能となり、樹脂製であっても十分な強度を有する。
また、凹部収納体31の中央に小孔31aを設けることで、球状端部22の最下端部分と開孔部の周縁とが接触するので、荷重をより効率的に受けることが可能となる。
さらに、該小孔31aが水抜きとしても作用する。
1 上面基台
11 円形板
11a ネジ孔
12 小円筒
13 縦リブ
2 支柱
21 中空筒
22 球状端部
3 下面基台
31 凹部収納体
31a 小孔
32 フランジ
32a ネジ孔
33 スリット
34 係止片
34a ネジ孔
35 締付ネジ
36 三角リブ
4 リング
41 縦リブ
特開2009−62757号公報

Claims (3)

  1. 上面基台と、該上面基台と上端側が組み合う支柱と、該支柱の下端側と組み合う下面基台とを有し、
    前記支柱の下端側に、球状端部が形成され、
    前記下面基台に、前記支柱の球状端部と組み合う小円筒状の凹部収納体とフランジが形成されると共に、
    該凹部収納体には、前記球状端部を組み合わせた際に凹部が広がるスリットが形成されると共に、底面側まで貫通し、設置箇所の目印を目視によって確認可能な大きさの小孔が中央部に形成され、
    前記凹部収納体の凹部の上端側の直径は、球状端部の球の部分の直径より小さく形成されることを特徴とする、傾斜対応束。
  2. 前記下面基台のスリット形成箇所を挟むように、該スリットを閉じるための二つの係止片が、凹部収納体の外面に形成されることを特徴とする、前記請求項1に記載の傾斜対応束。
  3. 前記凹部収納体が樹脂製であることを特徴とする、前記請求項1または2に記載の傾斜対応束。
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