JP6146377B2 - リン及び/又はフッ素の除去方法、並びに、有価金属の回収方法 - Google Patents

リン及び/又はフッ素の除去方法、並びに、有価金属の回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、廃リチウムイオン電池の解体物に含まれる有価金属を回収する際のリン及び/又はフッ素の除去方法、並びに、廃リチウムイオン電池の解体物に含まれる有価金属の回収方法に関する。
近年、軽量で大出力の二次電池としてリチウムイオン電池が普及している。リチウムイオン電池としては、アルミニウムや鉄等の金属製の外装缶内に、銅箔からなる負極基板に黒鉛等の負極活物質を固着した負極材、アルミニウム箔からなる正極基板にニッケル酸リチウムやコバルト酸リチウム等の正極活物質を固着した正極材、ポリプロピレンの多孔質フィルム等の樹脂フィルム製セパレータ、六フッ化リン酸リチウムを含む電解質、電解液等を封入したものが知られている。
リチウムイオン電池の主要な用途の一つに、ハイブリッド自動車や電気自動車があり、自動車のライフサイクルと共に、搭載されたリチウムイオン電池も将来廃棄される見込みとなっている。このような使用済みの電池(以下、「廃電池」と称する。)を資源として再利用する提案が多くなされており、廃電池の再利用法として、高温炉で廃電池を全量熔解する乾式処理法や、薬品で廃電池を水溶液に溶解する湿式処理法等が提示されている。
乾式処理法では、一般的に低コストで大量処理が可能であるが、回収した有価金属の純度が低いという問題があり、その有価金属をリチウムイオン電池の材料として再利用することはできない。一方、湿式処理法では、高純度の有価金属を回収することが可能であり、資源循環の理想である「廃電池から回収した元素は電池製造へ」が可能とされている。
湿式処理法の一例として、特許文献1に示す方法が知られている。この方法は、図6の工程図に示すように、廃電池を解体した廃電池解体物をアルコール類又は水で洗浄し、電解質及び電解液を除去する洗浄工程S41と、洗浄した廃電池解体物を硫酸水溶液に浸漬して、正極基板から剥離した正極活物質を固定炭素含有物の存在下において酸性溶液で浸出して浸出液と浸出残渣とを得る浸出工程S42と、得られた浸出液を中和してアルミニウムや銅を含む中和澱物と中和液とを得る中和工程S43と、得られた中和液からニッケルやコバルトを硫化澱物として分離回収し硫化液を得るニッケル・コバルト回収工程S44と、得られた硫化液中のリチウムを溶媒抽出と逆抽出により濃縮した後に、そのリチウムを炭酸リチウムの固体として分離回収するリチウム回収工程S45とを備えている。
この方法では、中和工程S43における中和処理に替えて硫化処理によりアルミニウムや銅を硫化澱物として除去することや、ニッケル・コバルト回収工程S44における硫化処理に替えて中和処理によりニッケルやコバルトを中和澱物として分離回収することや、リチウム濃度に応じてリチウム回収工程S45を省略することが可能と考えられている。
上述した通り、特許文献1に示す方法では、廃リチウムイオン電池の電解質には六フッ化リン酸リチウム等が含まれており、高純度のニッケルやリチウムを回収するためには、洗浄工程S41における処理能力を高めてリンとフッ素を確実に除去する必要がある。しかしながら、この除去方法では、リンとフッ素を確実に除去するために、洗浄工程S41で発生する洗浄液の浄化を担う排水処理工程S46における処理能力をも引き上げる必要があるため、経済的ではない。
また、特許文献1に示す方法においてリンとフッ素を確実に除去するために、洗浄工程S41に替えて加熱工程を設け、廃電池解体物に付着している電解質等を除去する方法も知られている。しかしながら、この除去方法では、リンやフッ素の含有量を低減する目的には向いている一方で、リンやフッ素を完全に除去するには、加熱工程における加熱温度や処理時間を極端に大きくする必要があるため、経済的ではない。
以上のように、廃電池から有価金属を回収する方法においては、従来から、廃電池中のリンとフッ素を除去する種々の方法が検討されているが、更に低コストでの操業が可能であって、且つ高効率なリンとフッ素の除去方法が切望されている。
ところで、排水処理の技術分野でも、排水中のリンとフッ素の除去方法が検討されている。例えば、特許文献2や特許文献3に示すように、アルミニウムを用いてリンとフッ素を同時に沈澱させる方法が知られており、この方法では、アルミニウムとの沈澱を作るために、アルミニウムイオン源が必要となる。しかしながら、この方法を廃電池の有価金属回収方法に適用すると、浸出液中に高濃度のニッケル等の有価金属が存在するため、アルミニウムを含む沈澱を作る工程で有価金属が沈澱物に取り込まれてしまい、有価金属を選択的に回収することができないという問題がある。
特開2007−122885号公報 特開2007−190516号公報 特開2002−018449号公報
そこで、本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、使用済みのリチウムイオン電池やリチウムイオン電池の不良品等(以下、「廃リチウムイオン電池」と称する。)に含まれる有価金属を回収するに際して、リンとフッ素を効率的に固定化することで、排水中に含まれるリンとフッ素の含有量を低減し、更に排水処理におけるリンとフッ素の除去に伴う設備費と運転費を削減し、操業の低コスト化を実現するリン及び/又はフッ素の除去方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、廃リチウムイオン電池に含まれる有価金属を回収するに際して、リンとフッ素を固定化して有価金属を選択的に分離することで、有価金属を効率的に回収して、その回収率を向上させることが可能な有価金属の回収方法を提供することも目的とする。
更に、本発明は、廃リチウムイオン電池に含まれる有価金属を回収するに際して、廃液中に含まれるリンとフッ素の含有量の低減と、有価金属の回収率の向上とを両立することが可能な有価金属の回収方法を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ねた。その結果、廃リチウムイオン電池に含まれる有価金属の回収における浸出工程において、浸出液に溶出するアルミニウム量がリン量とフッ素量に比して高くなるように、酸性溶液のpHを所定の範囲に調整し、その後の中和工程において、浸出工程で得られた浸出液のpHを所定の範囲に調整すれば、浸出液中の大部分のリンとフッ素を中和澱物として除去できることを見出した。しかしながら、この除去方法では、得られた中和澱物中に有価金属が含まれており、有価金属も一緒に除去されてしまう。
そこで、本発明者らは、得られた中和澱物中の有価金属を溶解する再溶解工程を設けることで、中和澱物中のリン及びフッ素と有価金属とをそれぞれ選択的に分離して回収できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、上述した目的を達成するための本発明に係るリン及び/又はフッ素の除去方法は、廃リチウムイオン電池の解体物に含まれる有価金属を回収する際にリン及び/又はフッ素を除去するリン及び/又はフッ素の除去方法において、解体物に含まれる少なくとも有価金属、アルミニウム、リン及び/又はフッ素が浸出した浸出液を中和して、リン及び/又はフッ素を含むアルミニウムの中和澱物を得る中和工程と、中和澱物に混入した有価金属を、酸性溶液を用いて再溶解して中和澱物から分離する再溶解工程とを有する。
また、上述した目的を達成するための本発明に係る有価金属の回収方法は、廃リチウムイオン電池の解体物に含まれる有価金属を回収する有価金属の回収方法において、解体物に含まれる少なくとも有価金属、アルミニウム、リン及び/又はフッ素を浸出して浸出液を得る浸出工程と、浸出工程で得られた浸出液を中和して、リン及び/又はフッ素を含むアルミニウムの中和澱物として分離し、有価金属を含む中和液を得る中和工程と、中和澱物に混入した有価金属を、酸性溶液を用いて再溶解して中和澱物から分離し、分離した有価金属を含む再溶解液を得る再溶解工程と、中和液から有価金属を分離回収する回収工程とを有する。
本発明によれば、リンとフッ素を効率的に固定化し、排水処理を要するリンとフッ素の量を低減することができるので、排水処理設備の規模を縮小することができると共に、排水処理工程で用いる薬剤の量を抑制することができる。その結果、本発明は、設備費と運転費を大幅に削減し、操業の低コスト化を実現することができる。
また、本発明によれば、リンとフッ素を固定化して有価金属を選択的に分離することで、有価金属を効率的に回収して、廃リチウムイオン電池から回収する有価金属の損失を大幅に低減することができる。その結果、本発明は、有価金属の回収率を向上させることができる。
更に、本発明によれば、リンとフッ素を固定化して有価金属を選択的に分離することで、廃液中に含まれるリンとフッ素の含有量の低減と、有価金属の回収率の向上とを両立することができる。
本発明の実施形態にかかる廃リチウムイオン電池から有価金属を回収するための各工程を示した工程図であり、実施例1における廃リチウムイオン電池から有価金属を回収するための各工程を示した工程図である。 比較例1における廃リチウムイオン電池から有価金属を回収するための各工程を示した工程図である。 比較例2における廃リチウムイオン電池から有価金属を回収するための各工程を示した工程図である。 実施例1、比較例1及び比較例2におけるニッケル回収率と排水処理工程へ送られるリン比率とを示したグラフである。 実施例1、比較例1及び比較例2におけるニッケル回収率と排水処理工程へ送られるフッ素比率とを示したグラフである。 従来の廃リチウムイオン電池から有価金属を回収するための各工程を示した工程図である。
以下、本発明にかかるリン及び/又はフッ素の除去方法、並びに、有価金属の回収方法(以下、「本発明」という。)の実施の形態について、図1に示す工程図を参照しながら以下の項目に沿って詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更を加えることは可能である。
1.本発明の概要
2.廃電池解体物の作製工程
3.調合工程
4.浸出工程
5.中和工程
6.再溶解工程
7.ニッケル・コバルト回収工程
8.リチウム回収工程
9.排水処理工程
10.まとめ
[1.本発明の概要]
本発明は、リン及び/又はフッ素の除去方法、並びに、その除去方法を適用した廃リチウムイオン電池に含まれる有価金属を湿式処理法により回収する方法である。より詳細には、リン及び/又はフッ素の除去方法は、廃リチウムイオン電池の解体物に含まれる有価金属を回収するに際し、不要となるリン及び/又はフッ素を除去する方法である。リン及び/又はフッ素の除去方法では、排水処理を要するリンとフッ素を効率的に固定化し、排水処理工程で消費する薬剤の量を低減することができる。
また、有価金属の回収方法は、廃リチウムイオン電池の解体物に含まれる有価金属を回収する方法である。有価金属の回収方法では、上述したリン及び/又はフッ素の除去方法を適用しているので、リンとフッ素を効率的に固定化することができ、有価金属のみを選択的に分離して効率的に回収することができる。
ここで、リチウム電池は、リチウム一次電池やリチウムイオン二次電池を含むものである。例えば、リチウムイオン二次電池の一般的な構成としては、アルミニウムや鉄等の金属製の外装缶内に、銅箔からなる負極基板に黒鉛(グラファイト)等の炭素材である負極活物質を固着した負極材、アルミニウム箔からなる正極基板にニッケル酸リチウム(LiNiO)やコバルト酸リチウム(LiCoO)等のリチウム金属酸化物である正極活物質を固着した正極材、ポリプロピレンの多孔質フィルム等の樹脂フィルム製セパレータ、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩を含む電解質、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、環状炭酸エステル、低級鎖状炭酸エステル、低級脂肪酸エステル等の有機溶媒を含む電解液等を封入したものが知られている。また、リチウム一次電池は、正極に酸化マンガン等を、負極にリチウムを用いている。
また、廃リチウムイオン電池とは、使用済み又は品質不良のリチウムイオン電池や、この電池を構成する正極材等の製造工程で生じた不良品である。
以下より、リン及び/又はフッ素の除去方法を適用した有価金属の回収方法について、図1に示す工程図を参照しながら各工程について詳細に説明する。なお、ここでは、有価金属の回収方法について説明するが、上述の通り、この方法はリン及び/又はフッ素の除去方法を適用しているので、有価金属の回収方法の説明の中にリン及び/又はフッ素の除去方法の説明も含まれる。
[2.廃電池解体物の作製工程]
まず、有価金属の回収方法では、廃リチウムイオン電池を加熱又は洗浄して、廃リチウムイオン電池に含まれる電解液を除去する。ただし、有価金属の回収方法では、充電された状態の廃リチウムイオン電池を加熱又は洗浄することは危険であるから、加熱又は洗浄に先立って、廃リチウムイオン電池を放電させることにより、無害化しておくことが望ましい。
廃リチウムイオン電池を加熱して電解液を除去する場合には、廃リチウムイオン電池に含まれる電解液を除去することが可能な温度で加熱すればよく、100℃〜500℃で加熱することが好ましく、特に150℃〜250℃が好ましい。有価金属の回収方法では、この温度領域で廃リチウムイオン電池を加熱することにより、電解液を容易に除去することができる。また、有価金属の回収方法では、電解液を予め除去することで、後工程で電解液が不純物として混入することを防止することができる。
なお、有価金属の回収方法では、廃リチウムイオン電池に含まれる電解液を加熱により除去することが、コスト性の観点から好ましい。また、有価金属の回収方法では、廃リチウムイオン電池に含まれる電解液を加熱により除去することで、従来法のように、後述する浸出工程S12の前に、コスト性に乏しい数段の洗浄工程を設ける必要はない。
また、廃リチウムイオン電池を洗浄して電解液を除去する場合には、アルコール類又は水を用いて行う。有価金属の回収方法では、エタノールやメタノール等のアルコール類、又はこれらのアルコール類の混合液を使用することが好ましい。一般的に、カーボネート類は、水に不溶であることが知られているが、電解液として利用されているカーボネート類には、炭酸エチレンが含まれている。炭酸エチレンは、水に任意に溶け、電解液に含まれる他の有機成分も水に多少の溶解度を有しているため、電解液の洗浄は、水でも可能である。
有価金属の回収方法では、1回の洗浄だけでは電解質を除去するのに不十分である場合には、1回目の洗浄が終了した後に、廃リチウムイオン電池とアルコール類又は水とを分離し、更に新しいアルコール類又は水を加えて、1回目と同様の洗浄操作を複数回繰り返して行うことが好ましい。ただし、有価金属の回収方法では、洗浄回数が多すぎると経済的ではないため、洗浄を10回以下とすることが好ましい。
なお、有価金属の回収方法では、廃リチウムイオン電池に含まれる電解液を洗浄により除去することで、従来法のように、後述する浸出工程S12の前に、コスト性に乏しい数段の洗浄工程を設ける必要はなく、洗浄工程の小規模化を図ることができる。
次に、有価金属の回収方法では、加熱又は洗浄済みの廃リチウムイオン電池を、破砕機や解砕機等を用いて、負極材、正極材、セパレータ等の構成部材に解体して廃電池解体物を得る。また、有価金属回収方法では、廃リチウムイオン電池の外装缶を切断し、各種構成部材に分解して廃電池解体物を得た後に、例えば、廃電池解体物の1辺が30mm角以下になるように、更に廃電池解体物を切断してもよい。
有価金属の回収方法では、廃電池解体物を適度な大きさに切断することで、後述する調合工程S11において、廃電池解体物に含まれる所定の元素が所定の割合になるように調合し易くなる。また、有価金属の回収方法では、廃電池解体物に含まれる所定の元素を所定の割合となるように調合することで、排水中に含まれるリンやフッ素の含有量を制御し、排水処理工程S17に供されるリンやフッ素の量を低減することができる。
なお、有価金属の回収方法では、後述する調合工程S11で調合し易いように、廃リチウムイオン電池から分離解体した正極材を、正極基板からなるアルミニウム箔と、正極活物質であるLiNiO等のリチウム遷移金属混合酸化物とに、更に分離してもよい。即ち、有価金属の回収方法では、廃電池解体物を作製した後も、正極活物質はアルミニウム箔に固着しているが、正極材を酸性溶液中に投入して撹拌することにより、正極活物質とアルミニウム箔とを固体のまま分離することができる。これは、アルミニウム箔が微量溶出することによって、正極活物質がアルミニウム箔から剥離されるためと思われる。
また、有価金属の回収方法では、得られたアルミニウム箔を、後述する中和工程S13で、アルミニウムイオン源として利用することができる。有価金属の回収方法では、廃電池解体物であるアルミニウム箔を、アルミニウムイオン源として利用することができるので、アルミニウムイオン源として別途アルミニウムを用意する必要がない。
[3.調合工程]
次に、図1に示す通り、有価金属の回収方法では、廃リチウムイオン電池から分離解体した廃電池解体物に含まれる所定の元素が、所定の割合となるように調合することで調合解体物を得る(調合工程S11)。ここで、廃電池解体物に含まれる所定の元素とは、アルミニウム、リン及びフッ素である。即ち、調合解体物とは、廃電池解体物に含まれるアルミニウム、リン及びフッ素が所定の割合になるように選別した、複数の廃電池解体物の集合体を意味する。
またここで、調合工程S11におけるアルミニウム、リン及びフッ素の所定の割合とは、リンの物質量がアルミニウムの物質量以下、且つフッ素の物質量がアルミニウムの物質量の6倍以下となる割合のことである。
具体的には、調合工程S11では、調合解体物に含まれるリンの割合を、アルミニウム量100に対し、0〜100の範囲になるように調整することが好ましい。後述する中和工程S13では、リンの沈澱量は下記式(1)で決定され、リン量がアルミニウム量に対し100%を超える場合、即ち、アルミニウムに対してリンが過剰に存在する場合には、過剰のリンについては下記式(1)の反応が矢印の方向に進まず、中和澱物として除去することができないので好ましくない。
2HPO+Al(SO+6NaOH
→ 2AlPO↓+3NaSO+6HO ・・・(1)
また、調合工程S11では、調合解体物に含まれるフッ素の割合を、アルミニウム量に対し、好ましくは、6倍以下になるように、更に好ましくは、3倍以下になるように調整する。後述する中和工程S13では、フッ素の沈澱量は、下記式(2)で決定され、フッ素量がアルミニウム量に対し3倍を超える場合、又は、ナトリウム濃度が高い反応条件においてフッ素量がアルミニウム量に対し6倍を超える場合、即ち、アルミニウムに対してフッ素が過剰に存在する場合には、下記式(2)の反応が矢印の方向に進まず、フッ素を中和澱物として除去することができないので好ましくない。
2xHF+Al(SO+2xNaOH
→ 2Na(x−3)AlF↓+3NaSO+2xHO・・・(2)
(ただし、式(2)中のxは、3≦x≦6である。)
なお、調合工程S11では、上記式(2)におけるxが3未満(x<3)の場合には、フッ素は、上記式(2)の反応式に従ってほぼ全量消費される。
調合工程S11では、廃電池解体物に含まれるアルミニウム、リン及びフッ素の割合を、リンの物質量がアルミニウムの物質量以下、且つフッ素の物質量がアルミニウムの物質量の6倍以下となるように調合し、調合解体物を得る。
しかしながら、回収した廃リチウムイオン電池は、その銘柄、荷姿、使用状態等によって、品質に差があるため、廃電池解体物の作製条件を一定に保つことが難しい。また、廃電池解体物は、それに含まれる元素やその含有量も構成部材によって異なるので、調合解体物を作製するのに際し、予め廃電池解体物に含まれるアルミニウム、リン及びフッ素の含有量を測定しておく必要がある。
そこで、調合工程S11では、廃リチウムイオン電池を破砕機や解砕機等を用いて粉砕して得た廃電池解体物を用い、その廃電池解体物の組成をロット毎に分析する。そして、調合工程S11では、得られた分析結果に基づいて、アルミニウム、リン及びフッ素が所定の割合になるように、調合解体物を作製することができる。
ただし、廃電池解体物から直接分析することは非常に困難であるので、調合工程S11では、廃電池解体物を酸性溶液に浸漬して得られた浸出液の組成をロット毎に分析し、得られた分析結果に基づいて、アルミニウム、リン及びフッ素が所定の割合になるように、調合解体物を作製することが好ましい。
調合工程S11においては、アルミニウム、リン及びフッ素が所定の割合になるように、調合解体物を作製することにより、後工程において、不要なリンやフッ素を効率的に除去し、これらの除去量を制御することができる。また、調合工程S11においては、アルミニウム、リン及びフッ素が所定の割合になるように調合解体物を作製することにより、不要なリンやフッ素をアルミニウムの沈澱物として確実に除去することで、リチウム、ニッケル、コバルト等の有価金属だけを選択的に回収することができる。
なお、廃電池解体物に含まれるアルミニウムは、正極基板であるアルミニウム箔に由来するものであり、廃電池解体物に含まれるリンやフッ素は、正極活物質であるニッケル酸リチウムやコバルト酸リチウム等に由来するものである。調合工程S11では、アルミニウム箔を、アルミニウムイオン源として利用することができるので、アルミニウムイオン源として別途アルミニウムを用意する必要がない。
[4.浸出工程]
次に、図1に示す通り、有価金属の回収方法では、調合工程S11で得られた調合解体物を酸性溶液に浸漬して、浸出液と浸出残渣とを得る(浸出工程S12)。具体的に、この浸出反応は、以下の反応式(3)に示すようにして進行する。なお、ここでは、正極活物質をLiNiOとして示すが、これに限られるものではない。
6LiNiO+2Al+12HSO
→ 3LiSO+6NiSO+Al(SO+12HO ・・・(3)
浸出工程S12では、この浸出反応が完了した後に固液分離する。また、浸出工程S12では、浸出液にはリチウムやニッケル、正極活物質の組成によってコバルト等の有価金属、アルミニウム、他には少量の不純物元素として、銅、リン、フッ素等が浸出される。浸出工程S12においては、分離された液体成分が、有価金属や不純物が含まれる浸出液であり、固体成分が、銅、炭素、樹脂等の不純物が含まれる浸出残渣である。
ここで、浸出工程S12で利用される酸性溶液としては、硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸のほか、有機酸等も使用可能である。浸出工程S12では、コスト面、作業環境面、及び、後工程で浸出液から更に有価金属を回収することを考慮すると、工業的には硫酸を使用することが好ましい。
浸出工程S12では、酸性溶液中で調合解体物が流動できる程度に、酸性溶液の使用量を適宜調整することが好ましい。そのために、浸出工程S12では、酸性溶液の一部として、水又は後述する再溶解工程S14で得られた再溶解液を用いてもよい。浸出工程S12では、有価金属を含む再溶解液を用いることで、回収し損ねた有価金属を、浸出工程S12で得られた浸出液に添加する効果があり、後工程のニッケル・コバルト回収工程S15で回収することができる。
浸出工程S12で使用する酸性溶液のpHは、少なくとも2.0以下とすることが好ましく、反応性を考慮するとpH0.5〜pH1.5に制御することが更に好ましい。浸出工程S12では、調合解体物の溶解反応が進むにつれてpHが上昇するので、反応中にも酸性溶液を補加して、pHを0.5〜1.5に保持することが好ましい。
また、浸出工程S12では、調合解体物を酸性溶液に浸漬することにより、正極材から剥離した正極基板由来のアルミニウム箔が、浸出液中にアルミニウムイオンとして溶出している。浸出工程S12では、外部からアルミニウムを補充することなく、このアルミニウムイオンを、後述する中和工程S13でアルミニウムイオン源として利用することができる。
なお、浸出工程S12では、得られた浸出液を分析し、浸出液に含まれるアルミニウム、リン及びフッ素の割合が、リンの物質量がアルミニウムの物質量以下、且つフッ素の物質量がアルミニウムの物質量の6倍以下となっているか確認してもよい。浸出工程S12では、その分析結果に基づき、浸出液中のリンの物質量がアルミニウムの物質量以下、且つフッ素の物質量がアルミニウムの物質量の6倍以下となるように、後述する中和工程S13で用いる浸出液の液量を増減したり、他の浸出液と混合したりして、適宜調整してもよい。
[5.中和工程]
次に、図1に示す通り、有価金属の回収方法では、浸出工程S12で得られた浸出液に中和剤を添加して中和し、不要なリンやフッ素を中和澱物として分離除去して中和液を得る(中和工程S13)。より詳細には、中和工程S13では、浸出液に中和剤を添加すると、浸出液中に、リンやフッ素を含んだアルミニウムや銅の沈澱物が形成され、その沈澱物の形成が完了した後に固液分離する。中和工程S13においては、分離された液体成分が、リチウム、ニッケル、コバルト等の有価金属が含まれる中和液であり、固体成分が、リンやフッ素を含んだアルミニウムや銅の中和澱物である。詳細は後述するが、中和工程S13では、中和澱物として、アルミニウムとリンを含む沈澱物、アルミニウムとフッ素を含む沈澱物、銅を含む沈澱物等が得られる。
ただし、中和工程S13では、中和澱物には、少量のリチウム、ニッケル、コバルト等の有価金属が混入されてしまうため、後述する再溶解工程S14で有価金属を再度溶解し、得られた再溶解液を浸出工程S12において用いることで、確実に有価金属を回収することができる。
なお、中和液又は中和澱物に含まれる有価金属は、正極活物質に由来し、中和澱物に含まれるアルミニウムは正極基板であるアルミニウム箔、銅は負極基板、リン及びフッ素は電解質にそれぞれ由来する。また、中和工程S13では、中和澱物を生成するのに必要なアルミニウムイオン源として、浸出工程S12で浸出液中に浸出したアルミニウム箔由来のアルミニウムイオンを利用することができるので、アルミニウムイオン源として別途アルミニウムを用意する必要がない。
また、中和工程S13では、ソーダ灰、消石灰、水酸化ナトリウム等の一般的な中和剤を用いることができ、これらの中和剤は安価で取り扱いも容易である。
中和工程S13では、中和剤の添加により、浸出工程S12で得られた浸出液をpH3.0〜pH5.5へ調整することが好ましい。中和工程S13では、この浸出液のpHを、中和剤で3.0〜5.5に調整することにより、不要なリンやフッ素を中和澱物として分離回収することができる。
例えば、アルミニウムとリンやフッ素とを含む中和澱物の生成においては、以下に示すような反応が生じる。即ち、中和工程S13では、下記式(4)から下記式(6)に示す反応が生じ、水酸化アルミニウムが沈澱すると同時に、リンとフッ素もアルミニウム塩として沈澱する。
Al(SO+6NaOH
→ 2Al(OH)↓+3NaSO ・・・(4)
2HPO+Al(SO+6NaOH
→ 2AlPO↓+3NaSO+6HO ・・・(5)
2xHF+Al(SO+2xNaOH
→ 2Na(x−3)AlF↓+3NaSO+2xHO・・・(6)
(ただし、式(6)中のxは、3≦x≦6である。)
中和工程S13では、中和剤の添加により浸出液のpHを3.0以上とすることで、アルミニウムと共にリン及びフッ素を沈澱させることができるが、浸出液のpHが3.0未満になると、アルミニウムと共にリン及びフッ素を中和澱物として分離回収することができない。また、中和工程S13では、浸出液のpHを5.5以下とすることで、リチウム、ニッケル、コバルト等の有価金属の沈澱を抑えることができるが、浸出液のpHが5.5を超えると、有価金属が同時に沈澱して、中和澱物中に含有されるため好ましくない。
中和工程S13における中和澱物は、アルミニウムが主な成分であり、共沈効果がある。pH5.5では、本来沈澱しない有価金属も少量沈澱してしまうため、このロスを小さくするためには、有価金属の回収工程(後述する再溶解工程S14)の追加が有効である。
[6.再溶解工程]
次に、図1に示す通り、有価金属の回収方法では、中和工程S13で得られた中和澱物に酸性溶液を添加し、中和澱物に混入していたニッケル、コバルト等の有価金属を選択的に再溶解液として分離回収して、不要成分を含む再溶解残渣を得る(再溶解工程S14)。再溶解工程S14では、具体的な有価金属の酸性溶液への溶解反応は、以下の式(7)に示すようにして進行する。
Ni(OH)+HSO → NiSO+2HO ・・・(7)
ここで、再溶解工程S14で利用される酸性溶液としては、硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸のほか、有機酸等が挙げられる。再溶解工程S14では、コスト面や作業環境面等を考慮すると、工業的には硫酸を使用することが好ましい。
より詳細には、再溶解工程S14では、中和澱物に酸性溶液を添加すると、酸性溶液中に、ニッケル、コバルト等の有価金属が溶解するので、その後に固液分離する。再溶解工程S14においては、分離された液体成分が、有価金属の含まれる再溶解液であり、固体成分が、アルミニウム、銅、リン、フッ素等の含まれる再溶解残渣である。従って、再溶解工程S14では、リチウム、ニッケル、コバルト等の有価金属を含まずに、中和澱物中のリン及びフッ素の大部分を、再溶解残渣として除去することができる。
再溶解工程S14では、再溶解液のpHが2.0〜5.0の範囲に保たれるように、中和澱物と酸性溶液の混合比率を、適宜調整することが望ましい。これは、再溶解液のpHが2.0未満の場合は、中和澱物、例えばアルミニウム沈澱の多くが再溶解してしまい、pHが5.0を超える場合は、再回収される有価金属の量が極端に少なくなるためである。
また、再溶解工程S14では、中和澱物の周囲に極端な低pH領域が形成されるのを避けることが望ましい。具体的には、pH2.0〜pH5.0の再溶解液に中和澱物を投入し、「中和澱物を沈降させ、酸を上から滴下し、添加位置にある再溶解液のpHが2.0〜5.0になってから撹拌する」操作を繰り返して、撹拌してもpHが2.0〜5.0で変動しなくなった時点で終了する。
また、有価金属の回収方法では、得られた再溶解液を浸出工程S12の酸性溶液として利用し、中和工程S13における有価金属回収ロスの低減操作を、適宜繰り返して行うことができる。
このように、再溶解工程S14では、酸性溶液中に、リチウム、ニッケル、コバルト等の有価金属を浸出させて再溶解液を得て、その再溶解液を浸出工程S12で用いることで、中和工程S13で回収できなかった、即ち、中和澱物として除去されていた有価金属を、確実に回収することができる。また、再溶解液中に含まれる有価金属は低濃度であるので、浸出工程S12で用いたとしても有価金属濃度が飽和する恐れがない。このことから、他の回収処理を施すことなく、有価金属を効率的に回収することができる。
[7.ニッケル・コバルト回収工程]
次に、図1に示す通り、有価金属の回収方法では、中和工程S13で得られた中和液から硫化澱物として分離回収して硫化液を得る(ニッケル・コバルト回収工程S15)。より詳細には、ニッケル・コバルト回収工程S15では、中和工程S13で得られた中和液に、硫化剤を添加しながら更に中和剤を添加し、そのpHを2.0〜4.0に調整して、ニッケルやコバルトを含む硫化澱物、及びリチウムを含む硫化液を得る。
ここで、ニッケル・コバルト回収工程S15では、硫化水素や水硫化ナトリウム(硫化水素ナトリウム)等の硫化剤を使用することができ、また、中和工程S13と同様にして、ソーダ灰、消石灰、水酸化ナトリウム等の一般的な中和剤を用いることができる。
具体的に、ニッケル・コバルト回収工程S15では、中和工程S13を経て得られた中和液中に含まれるニッケルイオンやコバルトイオンが、硫化剤による硫化反応により硫化澱物となる。例えば、ニッケルイオンが中和液に含まれている場合には、下記式(8)又は式(9)に従って硫化反応により硫化澱物となる。
Ni2++NaHS → NiS+H+Na ・・・(8)
Ni2++NaS → NiS+2Na ・・・(9)
ニッケル・コバルト回収工程S15における硫化剤の添加量としては、例えば、中和液中のニッケルやコバルトの含有量に対して、1.0当量〜1.5当量となるように添加する。ただし、実操業においては、中和液中のニッケルやコバルトの濃度を精確かつ迅速に分析することが困難な場合があることから、それ以上に硫化剤を添加しても反応溶液中の酸化還元電位(ORP:Oxidation-reduction Potential、以下、「ORP」と称する。)の変動がなくなる時点まで硫化剤を添加することがより好ましい。
例えば、硫化ナトリウムを硫化剤として添加した場合、その硫化ナトリウム飽和液のORP値(銀−塩化銀電極基準)は−400mV程度であることから、そのORP値を安定的に維持できるようになるまで添加することが好ましい。ただし、実際の中和液中の硫化ナトリウムは飽和状態でないため、その濃度に応じてORPは−400mVより正側で安定する。これにより、ニッケル・コバルト回収工程S15では、中和液中に浸出されたニッケルやコバルトを確実に硫化させることができ、これら有価金属を高い回収率で回収することができる。
また、ニッケル・コバルト回収工程S15では、中和液のpHが2.0未満になると、ニッケルやコバルトを硫化澱物として分離することができず、中和液のpHが4.0を超えると、不純物が澱物に混入したり、中和剤の使用量が増加したりする点で不経済である。
また、ニッケル・コバルト回収工程S15における硫化反応の温度としては、特に限定されるものではないが、0℃〜90℃とし、好ましくは25℃程度とする。
以上のように、ニッケル・コバルト回収工程S15では、硫化反応により、廃リチウムイオン電池の正極活物質に含まれていたニッケルやコバルトを、ニッケル硫化物やコバルト硫化物(硫化澱物)として回収することができる。ニッケル・コバルト回収工程S15では、得られた硫化澱物は、前工程においてリンやフッ素が除去されているので、リンやフッ素によって汚染されていない硫化澱物となる。従って、ニッケル・コバルト回収工程S15では、廃リチウムイオン電池から有価金属であるニッケルやコバルトを、高純度且つ高い回収率で回収することができる。
[8.リチウム回収工程]
次に、図1に示す通り、有価金属の回収方法では、ニッケル・コバルト回収工程S15で得られた硫化液中のリチウムを溶媒抽出と逆抽出により濃縮した後に、そのリチウムを炭酸リチウムの固体として分離回収する(リチウム回収工程S16)。
なお、廃リチウムイオン電池の有価金属の回収方法では、必要に応じてリチウム回収工程S16を行えばよく、リチウム回収工程S16を適宜省略することができる。
[9.排水処理工程]
次に、図1に示す通り、有価金属の回収方法では、リチウム回収工程S16によりリチウムを抽出した後の終液を処理する(排水処理工程S17)。より詳細には、排水処理工程S17では、ニッケル・コバルト回収工程S15で得られた硫化液からリチウムを抽出した終液を通常の方法で処理することができる。また、排水処理工程S17では、リチウム回収工程S16を経由しない場合には、ニッケル・コバルト回収工程S15で得られた硫化液を通常の方法で処理することができる。
排水処理工程S17では、上述した終液や硫化液中に排水処理を要するリンやフッ素が、中和工程S13及び再溶解工程S14において除去されており、終液や硫化液中には殆ど含まれていないので、排水処理設備の規模を縮小することができると共に、排水処理工程S17で用いる薬剤の量を抑制することができる。
なお、実操業においては、排水処理設備の能力に合わせて排水処理工程S17に流入するリンやフッ素の量を調節する必要がある。その具体的な方法としては、調合工程S11において、調合解体物に含まれるアルミニウム、リン及びフッ素の量を調節すること、中和工程S13において、中和剤を添加された浸出液のpH値を微調整すること、再溶解工程S14において、中和澱物に添加された酸性溶液のpH値を微調整すること、再溶解処理を行う中和澱物の量を調節することが考えられる。
[10.まとめ]
上述の説明の通り、リン及び/又はフッ素の除去方法を適用した有価金属の回収方法は、図1に示すように、廃電池解体物を酸性溶液に浸漬して浸出液を得る浸出工程S12と、浸出液を中和しアルミニウムと共にリン及び/又はフッ素を中和澱物として分離除去して中和液を得る中和工程S13と、酸性溶液を添加して中和澱物から有価金属を再溶解液として分離回収する再溶解工程S14と、中和液から有価金属を分離回収するニッケル・コバルト回収工程S15とを有している。
従って、有価金属の回収方法に含まれるリン及び/又はフッ素の除去方法では、浸出工程S12、中和工程S13及び再溶解工程S14において、アルミニウムを利用して、不要なリンやフッ素を効率的に除去することができる。
そして、リン及び/又はフッ素の除去方法では、排水処理工程S17において、ニッケル・コバルト回収工程S15で得られた硫化液からリチウムを抽出した終液、又は、リチウム回収工程S16を経由しない場合には、ニッケル・コバルト回収工程S15で得られた硫化液の中にリンやフッ素が殆ど含まれていない。
これにより、リン及び/又はフッ素の除去方法では、上述した終液又は硫化液の浄化を担う排水処理設備の規模を縮小することが可能となり、排水処理工程S17で消費する薬剤量を低減して低コスト化を図ることができる。
また、有価金属の回収方法では、調合工程S11において、廃リチウムイオン電池から分離解体した廃電池解体物に含まれるアルミニウム、リン及びフッ素が、リンの物質量がアルミニウムの物質量以下、且つフッ素の物質量がアルミニウムの物質量の6倍以下となるように、調合することで調合解体物を得る。
そして、有価金属の回収方法では、中和工程S13及び再溶解工程S14において、廃電池解体物の処理量を、各工程の処理能力に見合ったリン量やフッ素量となるように、適宜調整することができる。
その結果、有価金属の回収方法に含まれるリン及び/又はフッ素の除去方法では、中和工程S13及び再溶解工程S14において、各工程で処理を要するリンとフッ素の量を制御することができる。これにより、リン及び/又はフッ素の除去方法では、各処理設備の規模に見合った範囲で、リン量やフッ素量を安定して処理することができる。
また、有価金属の回収方法では、ニッケル・コバルト回収工程S15又はリチウム回収工程S16において、中和液又は硫化液から有価金属を回収する際に、これらに含まれるリンやフッ素の混入量を最小化することができる。これにより、有価金属回収方法では、高濃度且つ高品質な有価金属を回収することができる。
また、有価金属の回収方法では、再溶解工程S14において、中和工程S13で得られた中和澱物から再溶解液を作製し、得られた再溶解液を浸出工程S12で酸性溶液として利用することができる。
その結果、有価金属の回収方法では、中和工程S13で回収し損ねた、再溶解液中に含まれる有価金属を、浸出工程S12に戻して中和工程S13を経て、ニッケル・コバルト回収工程S15及びリチウム回収工程S16で回収することができる。これにより、有価金属回収方法では、廃リチウムイオン電池から回収する有価金属の損失を低減し、有価金属の回収率を向上させることができる。
更に、有価金属の回収方法では、得られたアルミニウム箔を、中和工程S13で、アルミニウムイオン源として利用することができる。その結果、有価金属回収方法では、廃電池解体物であるアルミニウム箔を、アルミニウムイオン源として利用することができるので、アルミニウムイオン源として別途アルミニウムを用意する必要がなく、低コスト化を図ることができる。また、アルミニウムは、中和工程S13でリンとフッ素を沈澱させるだけでなく、浸出工程S12で正極活物質を還元し浸出を助ける働きもあり、有価金属の回収方法の低コスト化に大いに寄与している。
以下、実施例及び各比較例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、廃リチウムイオン電池を電解液がなくなるまで加熱処理した後に破砕して篩い分けを行い、正極基板から分離したニッケル酸リチウムやコバルト酸リチウム等の正極活物質、負極基板から分離した黒鉛等の負極活物質、アルミニウム箔である正極基板、銅箔である負極基板、ポリプロピレンの多孔質フィルム等の樹脂フィルムからなるセパレータ部分等を回収して原料とした。
次に、実施例1では、図1に示すように、上述した方法により得られた原料(廃電池解体物)30gを水300mLに入れ、ウォーターバスにて液温80℃を維持しながら、64%硫酸を添加してpH1.0とした(浸出工程S12)。また、浸出工程S12では、原料に含まれる金属アルミニウム成分が浸出されることにより水素が発生した。浸出工程S12では、気泡が原料に付着しないよう、撹拌によって物理的に消泡しながら、断続的に64%硫酸を供給しpH1.0を維持した。浸出工程S12では、硫酸の供給を停止してもpH1.0のままとなった時点を浸出終了と判断し、反応後のスラリーをろ紙(5C)でろ過して浸出液と浸出残渣とに分離した。
浸出工程S12では、得られた浸出液中のニッケル濃度は14g/Lであり、リン濃度は0.73g/Lであり、フッ素濃度は2.83g/Lであり、アルミニウム濃度は2.7g/Lであった。従って、浸出工程S12では、浸出液中のリンの物質量がアルミニウムの物質量以下であり、且つフッ素の物質量がアルミニウムの物質量の6倍以下であることが確認できた。
次に、実施例1では、図1に示すように、浸出工程S12で得られた浸出液294mLに、8mol/Lの水酸化ナトリウムを少量ずつ加えてpH5.5とし、スラリーを得た(中和工程S13)。中和工程S13では、得られたスラリーをろ紙(5C)でろ過し、中和液と中和澱物とに分離した。
中和工程S13では、得られた中和液は使用した浸出液と同量の294mLであり、その中和液中のニッケル濃度は10g/Lであり、リン濃度は0.008g/Lであり、フッ素濃度は0.5g/Lであった。また、中和工程S13では、得られた中和澱物の乾燥重量は36gであり、その品位はニッケルが2.7%であり、リンが0.59%であり、フッ素が1.9%であった。
次に、実施例1では、図1に示すように、中和工程S13で得られた中和澱物から18gを取って水140mLに入れ、撹拌しながらpH4.0になるよう64%硫酸を添加し、スラリーを得た(再溶解工程S14)。再溶解工程S14では、得られたスラリーをろ紙(5C)でろ過し、再溶解残渣と再溶解液とに分離した。得られた再溶解残渣の乾燥重量は9.8gであり、そのニッケル品位は1.2%であった。得られた再溶解液は138mLであり、そのニッケル濃度は2.7g/Lであった。この再溶解液は、浸出工程S12の酸性溶液に混合した。
実施例1では、再溶解工程S14で得られた再溶解残渣に含まれるニッケル量から、浸出工程S12で得られた浸出液中のニッケル量に対する、再溶解残渣に含まれるニッケル量を計算すると、5.7%であった。また、このニッケル量から中和液及び再溶解液に含まれるニッケル量を算出すると、94.3%である。
次に、実施例1では、図1に示すように、中和工程S13で得られた中和液から100mLを取り硫化の操作を行った(ニッケル・コバルト回収工程S15)。
ニッケル・コバルト回収工程S15では、図1に示すように、中和工程S13で得られた中和液100mLに、25%の水硫化ソーダ溶液を0.8mL/minで供給しながら、pH3.0を維持するよう、8mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加した。次に、ニッケル・コバルト回収工程S15では、ORP(銀−塩化銀電極基準)が−270mVに到達したところで硫化を終了し、ろ紙(5C)で硫化液と硫化澱物とに分離した。
ニッケル・コバルト回収工程S15では、得られた硫化液は110mLであり、その硫化液中のリン濃度は0.005g/Lであり、フッ素濃度は0.39g/Lであった。
ニッケル・コバルト回収工程S15では、中和液及び再溶解液に含まれるニッケルを回収することができる。ニッケル・コバルト回収工程S15で回収できるニッケル量は、浸出工程S12で得られた浸出液中のニッケル量に対して94.3%であった。
(比較例1)
比較例1では、図2に示すように、浸出工程S21を経て中和工程S22において、実施例1と同様にして中和澱物及び中和液を得た。なお、比較例1では、浸出工程S21で得られた浸出液に含まれるニッケル、リン、フッ素、及びアルミニウムの含有量は、実施例1の浸出工程S12で得られた浸出液に含まれる各物質の含有量と同一である。また、比較例1では、中和工程S22で得られた中和液及び中和澱物に含まれる各物質の含有量は、実施例1の中和工程S13で得られた中和液及び中和澱物に含まれる各物質の含有量と同一である。
比較例1では、中和工程S22で得られた中和澱物に含まれるニッケル量から、浸出工程S21で得られた浸出液中のニッケル量に対する、中和澱物に含まれるニッケル量を計算すると、23.6%であった。また。このニッケル量から中和液に含まれるニッケル量を算出すると、76.4%であった。
なお、比較例1では、図2に示すように、実施例1における再溶解工程S14を経ることがないので、中和工程S22で得られる中和液のみから、有価金属であるニッケルを回収することができる。また、比較例1では、図2に示すように、実施例1の再溶解工程S14で得られる再溶解残渣でなく、中和工程S22で得られる中和澱物として、リンやフッ素を回収することができる。
次に、比較例1では、図2に示すように、中和工程S22で得られた中和液から100mLを取り硫化の操作を行った(ニッケル・コバルト回収工程S23)。
ニッケル・コバルト回収工程S23では、図2に示すように、中和工程S22で得られた中和液100mLに、25%水硫化ソーダ溶液を0.8mL/minで供給しながら、pH3.0を維持するよう、8mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加した。次に、ニッケル・コバルト回収工程S23では、ORP(銀−塩化銀電極基準)が−270mVに到達したところで硫化を終了し、ろ紙(5C)で硫化液と硫化澱物とに分離した。ニッケル・コバルト回収工程S23では、得られた硫化液は110mL中であり、その硫化液中に含まれるリン濃度は0.005g/Lであり、フッ素濃度は0.39g/Lであった。
また、ニッケル・コバルト回収工程S23では、中和液に含まれるニッケルを回収することができる。ニッケル・コバルト回収工程S23で回収できるニッケル量は、浸出工程S21で得られた浸出液中のニッケル量に対して76.4%であった。従って、回収できるニッケル回収率を実施例1と比較例1とで比較すると、実施例1は比較例1よりも17.9%多いことがわかった。
また、図4及び図5の結果から明らかなように、比較例1では、排水処理を行う硫化液中のリン濃度及びフッ素濃度を、実施例1と同程度に低減できるものの、ニッケルの回収率は実施例1より低いことがわかる。これに対し、実施例1では、ニッケルの回収率が高く、且つ、排水処理を行う硫化液中のリン濃度及びフッ素濃度を低減できている。従って、実施例1では、有価金属の回収率の向上と、廃液中に含まれるリンとフッ素の含有量の低減とを両立できると言える。
(比較例2)
比較例2では、図3に示すように、浸出工程S31において、実施例1と同様にして浸出液を得た。なお、比較例2では、浸出工程S31で得られた浸出液に含まれるニッケル、リン、フッ素、及びアルミニウムの含有量は、実施例1の浸出工程S12で得られた浸出液に含まれる各物質の含有量と同一である。なお、比較例2では、後述するニッケル・コバルト回収工程S32において、浸出工程S31で得られた浸出液からニッケルを回収するので、ニッケル・コバルト回収工程S32で回収できるニッケル量は、浸出工程S31で得られた浸出液中のニッケル量に対して100%であった。
次に、比較例2では、実施例1における中和工程S13を経ずに、硫化の操作を行った(ニッケル・コバルト回収工程S32)。
ニッケル・コバルト回収工程S32では、図3に示すように、浸出工程S31で得られた浸出液220mLに、25%水硫化ソーダ溶液を0.8mL/minで供給しながら、pH3.0を維持するよう、8mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加した。次に、ニッケル・コバルト回収工程S32では、ORP(銀−塩化銀電極基準)が−270mVに到達したところで硫化を終了し、ろ紙(5C)で硫化液と硫化澱物とに分離した。ニッケル・コバルト回収工程S32では、得られた硫化液は240mLであり、その硫化液中に含まれるリン濃度は0.43g/Lであり、フッ素濃度は2.2g/Lであった。
各排水処理工程へ送られる硫化液中のリン濃度を実施例1と比較例2とで比較すると、実施例1は比較例2よりも0.425g/L少ないことがわかった。従って、実施例1では、排水処理を行う硫化液中のリン濃度を低減できることがわかり、これにより、排水処理の設備コストを削減することができると考えられる。
また、各排水処理工程へ送られる硫化液中のフッ素濃度を実施例1と比較例2とで比較すると、実施例1は比較例2よりも1.81g/L少ないことがわかった。従って、実施例1では、排水処理を行う硫化液中のフッ素濃度を低減できることがわかり、これにより、排水処理の設備コストを削減することができると考えられる。
更に、図4及び図5の結果から明らかなように、比較例2では、ニッケルの回収率は高いものの、排水処理を行う硫化液中のリン濃度及びフッ素濃度を低減できていない。これに対し、実施例1では、ニッケルの回収率が高く、且つ、排水処理を行う硫化液中のリン濃度及びフッ素濃度を低減できている。従って、実施例1では、有価金属の回収率の向上と、廃液中に含まれるリンとフッ素の含有量の低減とを両立できると言える。

Claims (11)

  1. 廃リチウムイオン電池の解体物に含まれる有価金属を回収する際にリン及び/又はフッ素を除去するリン及び/又はフッ素の除去方法において、
    上記解体物に含まれる少なくとも有価金属、アルミニウム、リン及び/又はフッ素が浸出した浸出液を中和して、リン及び/又はフッ素を含むアルミニウムの中和澱物を得る中和工程と、
    上記中和澱物に混入した有価金属を、酸性溶液を用いて再溶解して該中和澱物から分離する再溶解工程とを有することを特徴とするリン及び/又はフッ素の除去方法。
  2. 上記中和工程では、上記浸出液をpH3.0〜pH5.5で中和し、
    上記再溶解工程では、有価金属がpH2.0〜pH5.0の液に分離されることを特徴とする請求項1に記載のリン及び/又はフッ素の除去方法。
  3. 上記解体物は、アルミニウム、リン及びフッ素が所定の割合となるように調合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリン及び/又はフッ素の除去方法。
  4. リンの物質量(モル数)がアルミニウムの物質量(モル数)以下、且つフッ素の物質量(モル数)がアルミニウムの物質量(モル数)の6倍以下であることを特徴とする請求項3に記載のリン及び/又はフッ素の除去方法。
  5. 廃リチウムイオン電池の解体物に含まれる有価金属を回収する有価金属の回収方法において、
    上記解体物に含まれる少なくとも有価金属、アルミニウム、リン及び/又はフッ素を浸出して浸出液を得る浸出工程と、
    上記浸出工程で得られた浸出液を中和して、リン及び/又はフッ素を含むアルミニウムの中和澱物として分離し、有価金属を含む中和液を得る中和工程と、
    上記中和澱物に混入した有価金属を、酸性溶液を用いて再溶解して該中和澱物から分離し、分離した有価金属を含む再溶解液を得る再溶解工程と、
    上記中和液から上記有価金属を分離回収する回収工程と
    を有することを特徴とする有価金属の回収方法。
  6. 上記再溶解液を上記浸出工程における酸性溶液として用いることを特徴とする請求項5に記載の有価金属の回収方法。
  7. 上記中和工程では、上記浸出液をpH3.0〜pH5.5で中和し、
    上記再溶解工程では、有価金属がpH2.0〜pH5.0の液に分離されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の有価金属の回収方法。
  8. 上記解体物は、アルミニウム、リン及びフッ素が所定の割合となるように調合されていることを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の有価金属の回収方法。
  9. リンの物質量(モル数)がアルミニウムの物質量(モル数)以下、且つフッ素の物質量(モル数)がアルミニウムの物質量(モル数)の6倍以下であることを特徴とする請求項8に記載の有価金属の回収方法。
  10. 上記浸出工程では、加熱した解体物を用いることを特徴とする請求項5乃至請求項9の何れか1項に記載の有価金属の回収方法。
  11. 上記浸出工程では、アルコール類又は水で洗浄した解体物を用いることを特徴とする請求項5乃至請求項9の何れか1項に記載の有価金属の回収方法。
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