JP2017008384A - 廃ニッケル水素電池からのncm製造用原料の回収方法及びその回収装置 - Google Patents
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Abstract
Description
1−1.洗浄工程
1−2.浸出・晶出工程
1−3.第1固液分離工程
1−4.脱アルミニウム工程
1−5.第2固液分離工程
1−6.溶媒抽出工程
1−7.まとめ
2.廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収装置
2−1.第1反応槽
2−2.供給部
2−3.加熱部
2−4.第1回収部
2−5.第2反応槽
2−6.第2回収部
2−7.分離部
2−8.制御部
2−9.NCM製造用原料の回収装置の使用手順
本実施の形態に係る廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法(単に「回収方法」ともいう。)は、図1に示すように、浸出・晶出工程S1と第1固液分離工程S2と脱アルミニウム工程S3と第2固液分離工程S4と溶媒抽出工程S5とを有するものである。さらに、回収方法では、浸出・晶出工程S1前に、洗浄工程(不図示)を有することが好ましい。これにより、付着する硫酸ナトリウムや硫酸カリウム水溶液を洗浄することができ、ニッケルの浸出率が向上するからである。なお、NCM製造用原料とは、ニッケル、コバルト、及びマンガン系二次電池の製造用原料をいう。
洗浄工程(不図示)は、廃ニッケル水素電池を洗浄する。具体的には、洗浄工程(不図示)では、廃ニッケル水素電池からプラスチック等を粗選して、選択した正極材や負極材を粉砕する。洗浄工程では、その正極材や負極材を粉砕してふるい目開き(2mm以下)に通し、粉粒状物を得る。そして、洗浄工程(不図示)では、得られた粉粒状物を工業用水等の水で所定の時間、撹拌することで洗浄スラリーを得る。得られた洗浄液スラリーを固液分離し、固形分として有価金属含有物を得る。
浸出・晶出工程S1は、図1に示すように、原料として有価金属含有物に、硫酸溶液、アルカリ金属の硫酸塩の順に反応槽に供給して、混合及び加温して溶解することにより、浸出・晶出スラリーを得る。この浸出・晶出スラリーには、脱希土類元素液と、浸出残渣及び希土類元素の硫酸複塩混合沈澱の混合物とが含まれる。
浸出・晶出工程S1では、上述した通り、ニッケル、コバルト等の有価金属等を浸出させる浸出操作と共に、ランタン等の希土類元素を晶出させる晶出操作を、一つの反応槽内で行う。ここでは、まず浸出・晶出工程S1における浸出操作について説明する。
2La+3H2SO4→La2(SO4)3+3H2…(式2)
次に、浸出・晶出工程S1における晶出操作について説明する。
浸出・晶出工程S1における硫酸溶液としては、例えば、濃度70重量%の硫酸等が挙げられる。このような硫酸溶液を用いることで、有価金属等を浸出させることができる。
浸出・晶出工程S1では、一つの反応槽中の有価金属含有物に、まず硫酸溶液を供給し、上述した通り、ニッケル、コバルト、マンガン等の有価金属等を浸出させる浸出反応の完了後、アルカリ金属の硫酸塩を供給し、ランタン等の希土類元素を晶出させる晶出反応を進行させる。即ち、浸出・晶出工程S1では、下記式1及び式2で示す有価金属及び希土類元素の浸出反応と、下記式3で示す希土類元素の晶出反応が進行する。
2La+3H2SO4→La2(SO4)3+3H2…(式2)
La2(SO4)3+Na2SO4→2LaNa(SO4)2…(式3)
第1固液分離工程S2は、浸出・晶出工程S1で得られた浸出・晶出スラリーを固液分離することにより、脱希土類元素液と、浸出残渣及び希土類元素の硫酸複塩混合沈澱の混合物とを得る。
次に、脱アルミニウム工程S3では、第1固液分離工程S2で得られる脱希土類元素液に、中和剤を供給して、中和処理を施し、混合スラリーを得る。
次に、第2固液分離工程S4は、脱アルミニウム工程S3で得られた混合スラリーを、濾過して、浸出残渣と不純物除去液とを得る工程である。
溶媒抽出工程S5は、第2固液分離工程S4で得られる不純物除去液を、有機抽出剤を用い、かつ抽出段と逆抽出段を含む溶媒抽出処理に付すことにより、ニッケル、コバルト、及びマンガンを得る溶媒抽出工程である。具体的に、溶媒抽出工程S5では、第2固液分離工程S4で得られる不純物除去液を、有機抽出剤としてリン酸系抽出剤を用い、かつ抽出段と逆抽出段を含む溶媒抽出処理に付し、コバルト、マンガン、亜鉛及びイットリウムを含有する逆抽出液とニッケルを含有する抽出残液とを得ることができる。ここで、酸化中和後液からなる水相中のニッケルとアルカリ金属を除く、金属成分を有機相中に抽出する。
(イ)抽出段から得られた有機相とpHを2〜4に調整した硫酸水溶液からなる水相とを混合し、次いで逆抽出後有機相と逆抽出後水相とを分離して、コバルト及びマンガンを逆抽出する。
(ロ)上述した(イ)の段階から得られた逆抽出後有機相とpHを1以上2未満の硫酸水溶液からなる水相を混合し、次いで逆抽出後有機相と逆抽出後水相とを分離して、亜鉛を逆抽出する。
(ハ)上述した(ロ)から得られた有機相とpHが0以上1未満に調整した硫酸水溶液とを混合し、次いで逆抽出後有機相と逆抽出後水相とを分離して、イットリウムを逆抽出する。これによって、主として、コバルト及びマンガンを含有する水溶液、亜鉛を含有する水溶液及びイットリウムを含有する水溶液に分割して回収される。
廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法は、図1に示すように、浸出・晶出工程S1、第1固液分離工程S2を経て得られる脱希土類元素液を、さらに脱アルミニウム工程S3、第2固液分離工程S4、溶媒抽出工程S5を付し、不純物濃度を低下させ、脱マンガン工程を備えないことで、NCMタイプの原料に特化した原料として利用することができる。そして、硫酸ニッケル製造工程の負荷を低減させた原料として使用することができる。
次に、図2に基づき、上述した回収方法で利用することが可能な、本実施の形態に係る廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収装置(以下、「回収装置1」ともいう。)について説明する。図2に示すように、回収装置1は、第1反応槽10、供給部20、加熱部30、第1回収部40、第2反応槽50、第2回収部60、分離部70、及び制御部80を備えるものである。本実施の形態に係る回収装置1は、制御部80により、供給部20が第1反応槽10内に、硫酸溶液、アルカリ金属の硫酸塩の順番で供給するよう制御し、第1回収部40により固液分離することでニッケルの浸出率を向上させることができる。
第1反応槽10は、廃ニッケル水素電池より得られる有価金属含有物を貯留するものである。第1反応槽10の材質は、図1に示した浸出・晶出工程S1における浸出反応及び希土類元素の晶出反応において使用する各種薬剤及び各種反応により得られる生成物によって劣化しなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、反応槽10は、槽内で浸出反応と希土類元素の晶出反応とを行うことができる容器であれば、大きさ(容量)、形状、構造等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
供給部20は、第1反応槽10内の有価金属含有物に、硫酸溶液、硫酸アルカリ(アルカリ金属の硫酸塩)、及びpH調整剤を供給し、かつ第2反応槽50内の脱希土類元素液に、中和剤及びpH調整剤を供給するものである。供給部20は、有価金属含有物、硫酸溶液、アルカリ金属の硫酸塩、中和剤及びpH調整剤をそれぞれ貯留するための貯留槽(不図示)と、これらを反応槽10内へそれぞれ送液するためのポンプ等の送液・供給手段(不図示)及び配管(不図示)とから構成されている。供給部20では、送液・供給手段により貯留槽から有価金属含有物、硫酸溶液、アルカリ金属硫酸塩及びpH調整剤を第1反応槽10内へ配管を介し、そして、中和剤及びpH調整剤を第2反応槽50内へ配管を介してそれぞれ供給する。なお、貯留槽内に所定量の有価金属含有物と硫酸溶液とを供給して、浸出反応により浸出液を作製する。
加熱部30は、第1反応槽10内の浸出液を適温に加熱し、第2反応槽50内の脱希土類元素液を適温に加熱するものである。加熱部30は、第1反応槽10内の浸出液又は第2反応槽50内の脱希土類元素液を加熱することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。加熱部30としては、例えば、熱交換用の蛇管内に蒸気等の熱媒体を流す方法や、電熱式のヒーターを槽内に挿入する方法等を適用することができる。
第1回収部40は、有価金属含有物に硫酸溶液及びアルカリ金属の硫酸塩を上記供給部より供給することで得られる浸出・晶出スラリーから、浸出残渣及び希土類元素の硫酸複塩混合沈澱の混合物と、脱希土類元素液とを回収するものである。第1回収部40は、浸出反応及び希土類元素の晶出反応により得られた生成物(浸出・晶出スラリー)を、浸出残渣及び希土類元素の硫酸複塩混合沈澱の混合物と、脱希土類元素液とに固液分離することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第1回収部40としては、例えば、金属や樹脂製の凹凸のある穴のあいた濾板に濾布を張ったものを直列に密着させ、スラリーをポンプで濾板の穴から加圧圧入して脱水し、固形分を分離するフィルタープレス等を適用することができる。
第2反応槽50は、第1回収部40で得られる脱希土類元素液を貯留するものである。第2反応槽50の材質は、図1に示した脱アルミニウム工程S3における脱アルミニウム反応において使用する各種薬剤及び各種反応により得られる生成物によって劣化しなければ特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。また、第2反応槽50は、槽内で脱アルミニウム反応を行うことができる容器であれば、大きさ(容量)、形状、構造等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
第2回収部60は、脱希土類元素液に中和剤を供給部より供給することで得られる混合スラリーを、固液分離により浸出残渣と不純物除去液とを回収するものである。第2回収部60は、脱アルミニウム反応により得られた生成物(混合スラリー)を、浸出残渣と不純物除去液とに固液分離することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。第2回収部60としては、例えば、金属や樹脂製の凹凸のある穴のあいた濾板に濾布を張ったものを直列に密着させ、スラリーをポンプで濾板の穴から加圧圧入して脱水し、固形分を分離するフィルタープレス等を適用することができる。
分離部70は、第2回収部60で得られる不純物除去液をニッケル、コバルト、マンガンに分離するものである。分離部70は、抽出及び逆抽出により、有価金属混合溶液を、ニッケル、コバルト、マンガンに分離することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
制御部80は、回収装置1の各構成要素の動作を制御するものである。具体的には、制御部80は、供給部20、加熱部30、第1回収部40、第2回収部60、及び分離部70の各動作を制御し、少なくとも供給部20から供給する硫酸溶液、アルカリ金属硫酸塩の順番に供給する供給順序及び供給量を制御する。なお、回収装置1は、図2に示すように、一つの制御部80により供給部20、加熱部30、第1回収部40、第2回収部60、及び分離部70の動作を制御するように構成されてもよいし、目的に応じて各構成要素につき一つの制御部を設けて動作を制御するように構成してもよい。
回収装置1を用いてNCM製造用原料を回収するための使用手順について説明する。まず、供給部20によって、浸出液用の貯留槽(不図示)からポンプ等の送液手段(不図示)を用いて所定量の浸出液を、配管(不図示)を介して第1反応槽10内に供給する。なお、浸出液は、貯留槽内に所定量の有価金属含有物と硫酸溶液とを供給して予め作製する。
<前処理工程>
まず、前処理工程(不図示)では、廃ニッケル水素電池からプラスチック等を粗選別して取り除き、ボールミルにより粉砕してふるい目開き2mm以下の粉粒状である正極活物質や負極活物質を主に含む混合物(以下、「有価金属含有物」ともいう。)を得た。この得られた粉粒状の有価金属含有物は180kgであり、その中にニッケルが100kg含まれていた。
次に、洗浄工程(不図示)では、洗浄槽に前処理工程で得られた粉粒状の有価金属含有物180kgを供給し、工業用水1000Lを供給し、常温で60分間撹拌して、洗浄スラリーを得た。そして、洗浄工程(不図示)では、この撹拌後の洗浄スラリーを固液分離し、固形分として有価金属含有物180kgを得た。
次に、浸出・晶出工程S1では、反応槽に洗浄工程で得られた有価金属含有物180kgを供給し、工業用水800Lを供給した。浸出・晶出工程S1では、反応槽内を撹拌しながら、水素ガスの発生量が急激に増加しないように70重量%硫酸を徐々に供給した。この反応槽内の液の温度80℃に維持し、pH1に保持した。そして、浸出・晶出工程S1では、水素ガスの発生がなくなった時点で反応を終了とみなし、70重量%硫酸の供給を停止した。反応終了後の反応槽内の液のニッケル含有量は、100g/Lであった。
次に、浸出・晶出工程S1では、水素ガスの発生がなくなった反応槽に、アルカリ金属硫酸塩として硫酸ナトリウム水溶液を供給し、反応させた。ここで、硫酸ナトリウム水溶液の濃度は180g/Lであった。また、硫酸ナトリウム水溶液の供給量は、希土類元素のモル濃度の合計が2倍量となるように調整した。そして、浸出・晶出工程S1では、反応終了後に、浸出・晶出スラリーを得た。
次に、第1固液分離工程S2では、得られた反応槽内の浸出・晶出スラリーの温度を60℃まで低下したことを確認した後、フィルタープレスで濾過した。これにより、浸出残渣及び希土類元素の硫酸複塩混合沈澱の混合物と、脱希土類元素液(硫酸ニッケル、硫酸コバルト、及び硫酸マンガンの混合水溶液)とを得た。
脱アルミニウム工程S3では、第1固液分離工程S2で得られた脱希土類元素液の温度60℃に調整し、pH5.0になるまで撹拌しながら、中和剤として40%水酸化ナトリウム水溶液を供給した。
次に、第2固液分離工程S4では、脱アルミニウム工程S3で得られた混合スラリーを、フィルタープレスで固液分離し、浸出残渣と不純物除去液を得た。なお、第2固液分離工程S4で得られた不純物除去液を、ICP発光光度分析法により確認した。その結果、上述した脱アルミニウム工程S3では、アルミニウム及び鉄の除去率が99.9%であることを確認した。
溶媒抽出工程S5では、ミキサーセトラーを用い、抽出段数及び逆抽出段数をそれぞれ1段の構成とした。溶媒抽出工程S5では、第2固液分離工程S4で得られた不純物除去液をミキサーセトラーのミキサー部に供給した。有機相には、抽出剤としてジ−2−エチルヘキシルリン酸(D2EHPA)を使用し、テクリーン(登録商標、新日本石油化学)で希釈して20重量%に調製した。そして、水相と有機相の比(O/A比)0.2で開始した。なお、第2固液分離工程S4で得られた不純物除去液のpHを調整せず、pH5.0であった。抽出液の温度は40℃に調整した。供給中にはpH調整を行わずに、除去終了時には、pHが2.0となっていた。
実施例2では、浸出・晶出工程S1前に洗浄工程(不図示)を除いたこと以外、実施例1と同様にした。
比較例1では、浸出・晶出工程S1においてアルカリ金属硫酸塩を供給し、硫酸を供給すること以外、実施例1と同様にした。その結果、第1固液分離工程S2で得られた脱希土類元素液のニッケル濃度が、79g/Lであった。このニッケル浸出率に換算した場合、79%であった。
実施例1及び実施例2では、浸出・晶出工程S1において硫酸溶液、アルカリ金属の硫酸塩という順番で供給することにより、たとえ浸出・晶出工程S1が同一工程で処理したとしても、ニッケルの浸出率が85%以上であることを確認した。
Claims (7)
- 廃ニッケル水素電池より得られる有価金属含有物からニッケル、コバルト、及びマンガンを分離回収する廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法であって、
上記有価金属含有物に硫酸溶液とアルカリ金属の硫酸塩とを供給して、浸出・晶出スラリーを得る浸出・晶出工程と、
上記浸出・晶出スラリーを、浸出残渣及び希土類元素の硫酸複塩混合沈澱の混合物と、脱希土類元素液とに固液分離する第1固液分離工程と、
上記脱希土類元素液に、中和剤を供給して、中和処理を施し、混合スラリーを得る脱アルミニウム工程と、
上記混合スラリーを、浸出残渣と不純物除去液とに固液分離する第2固液分離工程と、
上記不純物除去液を、有機抽出剤を用い、かつ抽出段と逆抽出段を含む溶媒抽出処理に付すことにより、ニッケル、コバルト、及びマンガンを得る溶媒抽出工程とを有し、
上記浸出・晶出工程では、上記硫酸溶液、上記アルカリ金属の硫酸塩の順番で供給することを特徴とする廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法。 - 上記浸出・晶出工程前に、上記廃ニッケル水素電池を洗浄する洗浄工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法。
- 上記アルカリ金属の硫酸塩は、硫酸ナトリウム及び/又は硫酸カリウムであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法。
- 上記中和剤は、40%水酸化ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法。
- 上記有機抽出剤は、リン酸系抽出剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法。
- 上記脱アルミニウム工程では、pHを5.0〜7.0に調整することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収方法。
- 廃ニッケル水素電池より得られる有価金属含有物からニッケルとコバルトとマンガンとを分離回収する廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収装置であって、
第1反応槽に、硫酸溶液及びアルカリ金属の硫酸塩を供給し、かつ第2反応槽に、中和剤を供給する供給部と、
上記供給部から供給する上記硫酸溶液、上記アルカリ金属の硫酸塩、及び上記中和剤の供給量を制御する制御部と、
上記廃ニッケル水素電池より得られる有価金属含有物を貯留する第1反応槽と、
上記有価金属含有物に硫酸溶液及びアルカリ金属の硫酸塩を上記供給部より供給することで得られる浸出・晶出スラリーから、浸出残渣及び希土類元素の硫酸複塩混合沈澱の混合物と、脱希土類元素液とを回収する第1回収部と、
上記第1回収部で得られる上記脱希土類元素液を貯留する第2反応槽と、
上記脱希土類元素液に、上記中和剤を上記供給部より供給することで得られる混合スラリーを、固液分離により浸出残渣と不純物除去液とを回収する第2回収部と、
上記不純物除去液を、溶媒抽出によりニッケルとコバルトとマンガンとに分離する分離部とを有し、
上記制御部は、上記供給部が上記第1反応槽に、上記硫酸溶液、上記アルカリ金属の硫酸塩の順番で供給するように制御することを特徴とする廃ニッケル水素電池からのNCM製造用原料の回収装置。
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