JP6144616B2 - 電力制御装置、電力制御システム、および電力制御方法 - Google Patents

電力制御装置、電力制御システム、および電力制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力制御装置、電力制御システム、および電力制御方法に関するものである。より詳細には、本発明は、逆潮流可能な電力を出力する太陽光発電などの分散電源、および蓄電池を系統と連系して、負荷に電力を供給可能な電力制御装置に関するものである。さらに、本発明は、このような電力制御装置を含む電力制御システム、および、このような電力制御装置の電力制御方法に関するものである。
従来、太陽電池およびバッテリのような電源装置の電力が商用電力系統へ逆潮流するのを防止する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に記載の技術では、商用電源から負荷へ供給される電力が所定値以下に減少したら、逆潮流を抑制するための抑制指令信号を発令し、抑制指令信号発令中は商用電源から負荷へ供給される電力が予め定めた値を維持するようにしている。その結果、負荷が変動した場合、上述した電源装置から負荷への供給電力が増減して、商用電源の供給電力は前述の一定値を維持し、このような電源装置から商用電源への電力の逆潮流を未然に防止できる。
また、太陽光発電および蓄電池などの分散電源に対応したパワーコンディショナのような電力制御装置において、商用電力系統に連系して運転することにより、宅内などの負荷に電力を供給しつつ、余剰電力を系統に逆潮流させて売電可能にするものがある。このような電力制御装置において、現在、太陽光発電による電力は逆潮流させて系統に売電することができるが、蓄電池が放電する電力を売電することはできず、蓄電池の放電による電力が系統に逆潮流するのを防止しなければならない。
このように、太陽電池等の逆潮流可能な電源と、逆潮流不可能な蓄電池とを併用して運転を行う場合、蓄電池が放電する際はインバータが出力する電力を制限する等して系統への逆潮流が発生しないようにする技術が知られている。
特開平7−143688号公報
図4は、従来の電力制御装置において、逆潮流を抑制する際の動作を説明する図である。図4においては、縦方向が電力の流れの方向(順潮流方向・逆潮流方向)および大きさを表し、横方向が時間の経過を表している。
以下、例えば太陽電池および蓄電池を含む分散電源が連系運転している最中に、例えば宅内の負荷が急激に低下する場面を想定して説明する。このように負荷が急激に低下する場合、それまで太陽電池が発電していた電力および充電池が放電していた電力が消費されなくなる。このため、それまでは系統から電力制御装置へと順潮流で流れていた電力は、次第に電力制御装置から系統へと逆潮流の方向に流れることになる。図4は、点Aまでは系統から電力制御装置に順潮流の電力が流れていたが、点Aからは順潮流の電力が低下するとともに逆潮流の電力が増大した様子を示している。
このままでは逆潮流の発生が増大してしまうため、電力制御装置は、インバータの電力変換を制限するなど調整して、系統への逆潮流電力が生じないようにする。図4に示す点Bの時点では、インバータによる電力調整の効果が現れ、以後、逆潮流方向の電力の流れは低下し、点Cの時点で逆潮流の電力がなくなったことを示している。さらに、入出力する電力の均衡をとるように、蓄電池の放電電力を抑制することもできる。すなわち、上述のようにインバータの電力を制限する際に、このインバータの電力に追従させて、蓄電池が放電する電力を抑制することができる。
しかしながら、このようにして逆潮流が発生を防止しようとすると、以下のような問題が生じる。
まず、負荷が急激に低下すると、系統への逆潮流電力が瞬間的に大きくなるため、インバータの電力変換を制限したとしても、このような制限が急激であると、蓄電池放電電力の抑制が間に合わないおそれがある。このような場合、蓄電池放電に起因する逆潮流が発生してしまうおそれがある。また、逆潮流の電力が瞬間的に大きくなると、太陽電池および蓄電池の双方と並列に接続された中間リンクコンデンサの電圧である中間リンク電圧も上昇するという問題もある。
さらに、上述のようにインバータの電力変換を制限したとしても、太陽電池の発電を抑制しない場合は、たとえインバータの電力に追従させて蓄電池の放電を停止しても、中間リンク電圧は上昇することになる。すなわち、図4において、点C以降、逆潮流電力はほぼ発生していないが、点D〜点Eの辺りにおいて、太陽電池は発電を続けるため、中間リンク電圧は上昇し続けることになる。中間リンク電圧が上昇すると、やがて中間リンクコンデンサの容量が満たされ、それ以上の中間リンク電圧の上昇には対応できなくなる。なお、蓄電池の放電をインバータの電力に追従させて抑制する場合にも、追従遅れが発生することに起因して、中間リンク電圧は多少上昇し得る。このような場合、蓄電池の放電を抑制するとともに、さらに太陽電池による発電も抑制すれば、中間リンク電圧の上昇を抑えることができる。しかしながら、このような手法は、潜在的な発電の機会を逃すことにつながるため、効率の良い発電とは言い難い。
したがって、本発明の目的は、分散電源の発電効率を良好に保ちつつ蓄電池が放電する電力の逆潮流を防止する電力制御装置、電力制御システム、および電力制御方法を提供する。
上記目的を達成する第1の観点に係る発明は、
逆潮流可能な電力を出力する分散電源、および蓄電池を系統と連系して、負荷に電力を供給可能な電力制御装置であって、
前記分散電源および前記蓄電池の少なくとも一方が出力する直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、
前記蓄電池が出力する電力を昇降圧することにより制御するDC/DCコンバータと、
前記インバータおよび前記DC/DCコンバータを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電力制御装置から負荷に供給される電力が抑制される際、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御するものである。
また、前記分散電源および前記蓄電池からの直流電力を統合する中間リンクコンデンサを備え、
前記制御部は、前記中間リンクコンデンサの電圧が所定以上になると、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御してもよい。
また、前記制御部は、前記蓄電池が出力する電力が所定以下になる時、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御してもよい。
また、前記制御部は、前記電力制御装置から系統に出力される電力が所定以上になる時、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御してもよい。
また、上記目的を達成する第2の観点に係る発明は、
逆潮流可能な電力を出力する分散電源と、
蓄電池と、
前記分散電源および前記蓄電池を系統と連系して、負荷に電力を供給可能な電力制御装置と、を含む電力制御システムであって、
前記電力制御装置は、
前記分散電源および前記蓄電池の少なくとも一方が出力する直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、
前記蓄電池が出力する電力を昇降圧することにより制御するDC/DCコンバータと、
前記インバータおよび前記DC/DCコンバータを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電力制御装置から負荷に供給される電力が抑制される際、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御するものである。
上記目的を達成する第3の観点に係る発明は、
逆潮流可能な電力を出力する分散電源、および蓄電池を系統と連系して、負荷に電力を供給可能な電力制御装置の電力制御方法であって、
前記電力制御装置は、
前記分散電源および前記蓄電池の少なくとも一方が出力する直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、
前記蓄電池が出力する電力を昇降圧することにより制御するDC/DCコンバータと、
を備え、
前記電力制御装置から負荷に供給される電力が抑制される際、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御するステップと、
前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御するステップと、を含むものである。
本発明によれば、分散電源の発電効率を良好に保ちつつ蓄電池が放電する電力の逆潮流を防止する電力制御装置、電力制御システム、および電力制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電力制御装置を概略的に示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る電力制御装置の動作を説明する図である。 本発明の実施形態に係る電力制御装置の動作を説明するフローチャートである。 従来の電力制御装置による動作を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電力制御装置を含む構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る電力制御装置1は、制御部10、インバータ20、DC/DCコンバータ30、およびDC/DCコンバータ40を備えている。電力制御装置1は、さらに、中間リンクコンデンサ22、電圧センサ24,26,32,42、および電流センサ28,34,44,50も備えている。以下の説明において、従来よく知られている要素および機能部については、適宜、説明を簡略化または省略する。
また、図1に示すように、電力制御装置1は、太陽電池130、蓄電池140、負荷200、および系統300に接続されている。このように、電力制御装置1は、太陽電池130および蓄電池140を系統300と連系して、負荷200に電力を供給可能に構成される。
制御部10は、電力制御装置1の各機能部をはじめとして電力制御装置1の全体を制御および管理する。制御部10は、例えばマイコンまたはプロセッサなどで構成することができる。特に、本実施形態において、制御部10は、インバータ20、DC/DCコンバータ30、およびDC/DCコンバータ40を制御および管理する。このため、制御部10は、これらの各機能部に制御ラインにより接続されている。
本実施形態において、制御部10は、DC/DCコンバータ30を制御することにより、太陽電池130が発電する電力を制御する。また、本実施形態において、制御部10は、DC/DCコンバータ40を制御することにより、蓄電池140が放電する電力を制御する。さらに、本実施形態において、制御部10は、インバータ20を制御することにより、電力制御装置1が出力する電力を制御する。制御部10によるこれらの制御については、さらに後述する。
インバータ20は、太陽電池130および蓄電池140の少なくとも一方が出力する直流電力を、交流電力に変換して出力する。このため、インバータ20は、DC/DCコンバータ30とDC/DCコンバータ40とを並列接続した出力端に、さらに接続されている。また、インバータ20が直流電力を交流電力に変換した出力端には、宅内などの負荷200および系統300に接続されている。負荷200は、図1においては、1つのみを例示してあるが、家庭の宅内などで電力を必要とする、任意の個数の各種の負荷とすることができる。図1に示すように、インバータ20は、系統300に接続されることにより、太陽電池130および蓄電池140を系統300と連系して、負荷200に電力を供給可能に構成される。
中間リンクコンデンサ22は、分散電源130および蓄電池140からの直流電力を統合する。このため、中間リンクコンデンサ22は、DC/DCコンバータ30とDC/DCコンバータ40とを並列接続した出力端がインバータ20に接続される手前の段に、さらに接続されている。この中間リンクコンデンサ22に印加される電圧は、中間リンクコンデンサ22の両端に並列列続される電圧センサ24によって検出される。このようにして検出された中間リンクコンデンサ22の電圧は、制御部10に通知される。
また、インバータ20から系統300に出力される電力は、負荷200に供給される前段において、電圧センサ26によって電圧が検出され、電流センサ28によって電流が検出される。このようにして検出された電圧および電流は、制御部10に通知される。
さらに、電力制御装置1は、インバータ20から系統300に出力される電力のうち、負荷200に供給された後の電力を検出するために、電流センサ50を備えている。電流センサ50は、例えば、CT(Current Transformer:変流器)とすることができる。しかしながら、電流を検出することができる要素であれば、任意のものを採用することができる。この電流センサ50は、本実施形態においては、逆電力防止用CTとして用いる。電流センサ50が検出する電流および電圧センサ26が検出する電圧から、インバータ20から系統300に出力される電力のうち、負荷200に供給された後の電力、すなわち逆潮流電力を算出することができる。電流センサ50が検出した電流は、制御部10に直接または間接的に通知されるようにする。
DC/DCコンバータ30は、太陽電池130が発電する電力を昇降圧することにより制御する。このため、DC/DCコンバータ30は、太陽電池130が発電する電力の出力端に接続される。また、太陽電池130からDC/DCコンバータ30に出力される電力は、電圧センサ32によって電圧が検出され、電流センサ34によって電流が検出される。このようにして検出された電圧および電流は、制御部10に通知される。
太陽電池130は、太陽光を利用して発電することができ、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する。本実施形態において、太陽電池130は、例えば家の屋根などにソーラパネルを設置して、太陽光を利用して発電するような態様を想定している。しかしながら、本発明において、太陽電池130は、太陽光のエネルギーを電力に変換できるものであれば、任意のものを採用することができる。図1においては、太陽電池130を1つのみ例示してあるが、任意の個数の各種の太陽電池を接続することができる。
DC/DCコンバータ40は、蓄電池140が出力する電力を昇降圧することにより制御する。このため、DC/DCコンバータ40は、蓄電池140が放電する電力の出力端に接続される。また、蓄電池140からDC/DCコンバータ40に出力される電力は、電圧センサ42によって電圧が検出され、電流センサ44によって電流が検出される。このようにして検出された電圧および電流は、制御部10に通知される。
蓄電池140は、充電された電力を放電することにより、電力を供給することができる。また、蓄電池140は、電力系統または太陽電池130等から供給される電力を充電することもできる。本実施形態においては、主として蓄電池140の放電時の動作について説明し、充電時の動作については、詳細な説明は省略する。図1においては、蓄電池140を1つのみ例示してあるが、任意の個数の各種の蓄電池を接続することができる。
次に、本実施形態に係る電力制御装置1の動作について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る電力制御装置1の動作を説明する図である。まず、本実施形態に係る電力制御装置1の動作の基本概念を説明する。以下、上述した「発明が解決しようとする課題」の欄において、図4を用いて説明したのと同様の場面について説明する。すなわち、太陽電池130および蓄電池140を備える電力制御装置1が連系運転している最中に、負荷200が急激に低下する場面を想定して説明する。図2において、図4で説明したのと同様の記号などについては説明を省略する。
負荷200が急激に低下すると、それまで太陽電池130が発電していた電力および充電池140が放電していた電力が消費されなくなる。このため、それまでは系統300から電力制御装置1へと順潮流で流れていた電力は、次第に電力制御装置1から系統へと逆潮流300の方向に流れることになる。図2に示すように、点A’までは系統300から電力制御装置1に順潮流の電力が流れていたが、点A’からは順潮流の電力が低下するとともに逆潮流の電力が増大している。
このままでは逆潮流の発生が増大してしまうため、本実施形態において、制御部10は、インバータ20の電力変換を制限するように制御を行う。また、本実施形態において、制御部10は、インバータ20の電力変換の制限に追従させて、蓄電池140の放電電力も抑制するようにDC/DCコンバータ40を制御する。このような制御により、図2に示す点B’の時点では、インバータによる電力調整の効果が現れ、以後、逆潮流方向の電力の流れは低下し、点C’の時点で逆潮流の電力がなくなっている。
一方、上述したように、インバータ20の電力変換の制限および蓄電池140の放電電力の抑制を行ったとしても、負荷200が急激に低下して系統への逆潮流電力が瞬間的に大きくなり、蓄電池放電電力の抑制が間に合わないおそれがある。また、太陽電池130の発電を抑制しない場合は、たとえインバータ20の電力変換の制限および蓄電池140の放電電力の抑制を行ったとしても、中間リンクコンデンサ22の電圧は上昇する。このような場合、逆潮流の発生を防止することができないおそれがある。
そこで、本実施形態において、制御部10は、電力制御装置1から負荷200に供給される電力が抑制される際、蓄電池140が出力する電力を停止するようにDC/DCコンバータ40を制御する。そして、制御部10は、蓄電池140が出力する電力が停止したら、インバータ20が電力の出力を抑制しないように制御する。ここで、「電力制御装置1から負荷200に供給される電力が抑制される際」とは、典型的には負荷200が低下する場面を想定することができ、例えばインバータ20による変換電力を制限する時とすることができる。
また、上述のような本実施形態による制御を行うにあたり、電力制御装置1から負荷200に供給される電力が抑制されるタイミングは、例えば、次のようなタイミングをトリガとすることができる。すなわち、本実施形態において、制御部10は、中間リンクコンデンサ22の電圧が所定以上になった時をトリガとして、上述のような制御を行うことができる。これは、例えばリンク電圧が所定の閾値を超えた場合とすることができ、例えば電圧センサ24が検出する電圧が所定の閾値を超えた際とすることができる。このような閾値は、制御部10において予め設定しておくのが好適である。
また、本実施形態において、制御部10は、蓄電池140が出力する電力が所定以下になった時をトリガとして、上述のような制御を行うこともできる。これは、例えば蓄電池140の放電電力がゼロまたはほぼゼロになった場合とすることができる。このような場合とは、例えば電圧センサ42が検出する電圧および電流センサ44が検出する電流から算出した電力が、ゼロに近い所定の閾値以下となった際とすることができる。このような閾値も、制御部10において予め設定しておくのが好適である。
さらに、本実施形態において、制御部10は、電力制御装置1から系統に出力される電力が所定以上になった時をトリガとして、上述のような制御を行うこともできる。これは、例えば瞬間的な逆潮流電力が制限を大幅に超えた場合とすることができる。このような場合とは、例えば電圧センサ26が検出する電圧および電流センサ50が検出する電流から算出した電力が、比較的大きな所定の閾値を超えた際とすることができる。このような閾値も、制御部10において予め設定しておくのが好適である。
このような制御により、図2に示すように、逆潮流方向の電力の流れは点B’の時点から低下し、点C’の時点以降は逆潮流の電力がなくなり、点D’の時点でDC/DCコンバータ40の制御により蓄電池140が出力する電力は停止する。すると、点D’以降は蓄電池140が出力する電力は停止しているため、電力制御装置1から系統300への逆潮流を発生させることができる。したがって、点D’以降、インバータ20は太陽電池130の電力の出力を抑制しないように制御する。これにより、点E’以降、太陽電池130が発電する電力を逆潮流させて売電することができる。
このように、本実施形態に係る電力制御装置1によれば、中間リンク電圧が過度に上昇することを防止しつつ、蓄電池140を放電する際の逆潮流の発生を防止ないし抑制することができる。また、電力の流れが順潮流から逆潮流へと切り替わるタイミングにおいても、太陽電池130は最大発電を継続することができる。太陽電池130が発電する電力は、逆潮流可能であるので、太陽電池130を常に最大で動作状態にしておくことにより、効率の良い発電を行うことができる。
次に、本実施形態に係る電力制御装置1の動作の実施例について、さらに具体的に説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る電力制御装置1の動作を具体的に説明するフローチャートである。本フローチャートは、定期的にスタートから繰り返し実行することを想定している。
まず、図3に示す動作がスタートすると、制御部10は、蓄電池140の動作モードを検出し、蓄電池140が放電を行っているか、または充放電を停止しているかを判別する(ステップS11)。
ステップS11において蓄電池140が停止している場合、制御部10は、停止時間カウンタを所定量進めてから(ステップS12)、当該カウンタの加算によって停止時間が所定の時限に達したか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13において停止時間が所定の時限にまだ達していない場合、制御部10は、スタートから図3の動作を繰り返す。
ステップS13において停止時間が所定の時限に達したと判定されたら、制御部10は、インバータ20の電力制限値を下げるとともに、蓄電池140が電力を放電するようにDC/DCコンバータ40を制御し、停止時間カウンタをゼロにする(ステップS14)。ステップS14において「インバータ20の電力制限値を下げる」とは、上述したように、インバータ20の電力変換を制限することにより、インバータ20が出力する電力を低下させることである。ここで、インバータ20の電力変換の制限は、例えば数10ワットのような所定量を規定しておく。これは、蓄電池140の放電を開始する際に、インバータ20において多少のマージンをもたせて電力を若干買電している状態にしておかないと、交流電力の変動により、逆潮流が発生するおそれがあることを考慮している。
ステップS14の後、図3の動作を再びスタートすると、ステップS11においては、蓄電池140が放電していると判別されるため、制御部10は、ステップS15に進んで動作を続行する。ステップS11〜S15のようにするのは、蓄電池140が現在停止状態にあるということは、以前は放電していた状態であったと想定され、蓄電池140の停止と放電とを切り替える際は、所定の時間の経過を待つよう定められているような場合を想定している。
ステップS15においては、制御部10は、逆潮流する電力がインバータ20の電力制限値を超えているか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において逆潮流する電力がインバータ20の電力制限値を超えていない場合、当面逆潮流する電力は発生しないため、逆潮流時間カウンタをゼロにして(ステップS16)、ステップS18に進んで動作を続行する。一方、ステップS15において逆潮流する電力がインバータ20の電力制限値を超えた場合、このままでは逆潮流する電力が発生するため、逆潮流時間カウンタを所定量進めてから(ステップS17)、ステップS18に進んで動作を続行する。なお、ステップS15においては、逆潮流する電力がインバータ20の電力制限値を超えた状態が連続して何秒間か継続したことを検出して、ステップS17に進むのが好適である。逆潮流する電力がただの1度のみインバータ20の電力制限値を超えた状態を検出したことに基づいてステップS17に進むと、当該検出が誤検出である可能性もあるからである。
ステップS18においては、図2において説明した本実施形態による制御を行うトリガとして、各種の要件を挙げることができる。例えば、ステップS18において、制御部10は、逆潮流時間カウンタが所定の時限に達したか否かを判定することができる。
また、ステップS18において、制御部10は、逆潮流する電力が、インバータ20の電力制御値よりも大幅に高い所定の閾値を超えたか否かを判定することができる。ここで、インバータ20の電力制御値よりも大幅に高い所定の閾値とは、逆潮流する電力が一瞬たりとも超えるべきではない電力の値として、インバータ20の電力制御値に例えば1500Wのような値を加えた閾値とすることができる。また、ここで、インバータ20の電力制御値とは、例えば100Wのような、先の1500Wのような値からはかなり低い値を想定している。
さらに、ステップS18において、制御部10は、逆潮流する電力がインバータ20の電力制御値を超えるとともに、蓄電池140が放電を停止した、または、リンク電圧が目標よりもやや高い値を超えたか否かを判定することができる。ここで、リンク電圧の目標よりもやや高い値とは、例えばリンク電圧の電圧値に10Vを加算した値とすることができる。
ステップS18においては、上述のいずれも満たされないと判定される場合には、制御部10は、ステップS19に進んで動作を続行し、上述のうち少なくとも1つが満たされたと判定される場合には、制御部10は、ステップS20に進んで動作を続行する。
ステップS19に進む場合には、直ちに逆潮流が発生するおそれはない。したがって、ステップS19においては、制御部10は、インバータ20の電力制限値を下げるとともに、蓄電池140が電力を放電するようにDC/DCコンバータ40を制御してから、スタートに戻り図3の動作を繰り返す。
一方、ステップS20に進む場合、直ちに逆潮流が発生するおそれがある。したがって、ステップS20において、制御部10は、インバータ20の電力制限値を最大にして、蓄電池140の放電を強制的に停止するようにDC/DCコンバータ40を制御する。さらに、ステップS20において、制御部10は、蓄電池140が電力の放電を停止する停止モードになるように制御を行い、逆潮流時間カウンタをゼロにしてから、スタートに戻り図3の動作を繰り返す。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る電力制御装置によれば、分散電源の発電効率を良好に保ちつつ蓄電池が放電する電力の逆潮流を防止することができる。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本発明の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせて実施することもできる。
上述した実施形態においては、分散電源の一例として太陽電池130を採用して説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、太陽電池130は、逆潮流可能な電力を出力する任意の分散電源とすることができる。逆潮流可能な電力を出力する分散電源としては、例えば、燃料電池などを採用することができる。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した実施形態に係る電力制御装置1のような電力制御装置を含む電力制御システムとして実現することもできる。この場合、本発明に係る電力制御装置を含む電力制御システムは、電力制御装置1の他に、太陽電池130、蓄電池140、負荷200、および系統300を含んで構成される。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した実施形態に係る電力制御装置1のような電力制御装置による電力制御方法として実現することもできる。この場合、本発明に係る電力制御装置の電力制御方法は、電力制御装置1から負荷200に供給される電力が抑制される際、蓄電池140が出力する電力を停止するようにDC/DCコンバータ40を制御するステップと、蓄電池140が出力する電力が停止したら、インバータ20が電力の出力を抑制しないように制御するステップと、を含んで構成される。
1 電力制御装置
10 制御部
20 インバータ
22 中間リンクコンデンサ
24,26,32,42 電圧センサ
28,34,44 電流センサ
30,40 DC/DCコンバータ
50 電流センサ
130 太陽電池または燃料電池
140 蓄電池
200 負荷
300 系統

Claims (6)

  1. 逆潮流可能な電力を出力する分散電源、および蓄電池を系統と連系して、負荷に電力を供給可能な電力制御装置であって、
    前記分散電源および前記蓄電池の少なくとも一方が出力する直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、
    前記蓄電池が出力する電力を昇降圧することにより制御するDC/DCコンバータと、
    前記インバータおよび前記DC/DCコンバータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記電力制御装置から負荷に供給される電力が抑制される際、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御する、電力制御装置。
  2. 前記分散電源および前記蓄電池からの直流電力を統合する中間リンクコンデンサを備え、
    前記制御部は、前記中間リンクコンデンサの電圧が所定以上になると、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御する、請求項1に記載の電力制御装置。
  3. 前記制御部は、前記蓄電池が出力する電力が所定以下になる時、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御する、請求項1に記載の電力制御装置。
  4. 前記制御部は、前記電力制御装置から系統に出力される電力が所定以上になる時、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御する、請求項1に記載の電力制御装置。
  5. 逆潮流可能な電力を出力する分散電源と、
    蓄電池と、
    前記分散電源および前記蓄電池を系統と連系して、負荷に電力を供給可能な電力制御装置と、を含む電力制御システムであって、
    前記電力制御装置は、
    前記分散電源および前記蓄電池の少なくとも一方が出力する直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、
    前記蓄電池が出力する電力を昇降圧することにより制御するDC/DCコンバータと、
    前記インバータおよび前記DC/DCコンバータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記電力制御装置から負荷に供給される電力が抑制される際、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御し、前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御する、電力制御システム。
  6. 逆潮流可能な電力を出力する分散電源、および蓄電池を系統と連系して、負荷に電力を供給可能な電力制御装置の電力制御方法であって、
    前記電力制御装置は、
    前記分散電源および前記蓄電池の少なくとも一方が出力する直流電力を交流電力に変換して出力するインバータと、
    前記蓄電池が出力する電力を昇降圧することにより制御するDC/DCコンバータと、
    を備え、
    前記電力制御装置から負荷に供給される電力が抑制される際、前記蓄電池が出力する電力を停止するように前記DC/DCコンバータを制御するステップと、
    前記蓄電池が出力する電力が停止したら、前記インバータが電力の出力を抑制しないように制御するステップと、を含む電力制御方法。

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