JP6143858B2 - アクロレイン及び3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの一体化された製造法 - Google Patents

アクロレイン及び3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドの一体化された製造法 Download PDF

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Description

4−チアペンタナール(3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒド)−ここではMMPとも呼ぶ−は、主にアミノ酸D,Lメチオニン又はいわゆるメチオニンヒドロキシアナログ(2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)酪酸)の化学合成のための出発材料として用いられる物質である。MMPの製造のために一般に用いられている手法は、メチルメルカプタン(MC)とアクロレイン(AC)との反応である。
プロピレンの部分酸化に基づく基本的なアクロレインプロセスは文献公知であり(Arntz, D., Fischer, A., Hoepp, M., Jacobi, S., Sauer, J., Ohara, T., Sato, T., Shimizu, N., Schwind, H., Acrolein and Methacrolein, Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH Verlag, 2007,特に第7頁〜第9頁)、このプロセスは主に反応工程、急冷−/副生成物分離工程及び吸収−/蒸留工程から成る。生成物をさらに精製するために(例えばアセトアルデヒドといった揮発性化合物の除去)、追加で1つ以上の蒸留工程が用いられることができる。一般的に部分酸化反応は、塩で冷却される固定床反応器中で300〜400℃の運転温度にて実施される。反応器には粒状触媒が充填されている管が備わっており、かつ液体の塩の循環によって必要な温度に保たれ、この塩は後で熱交換器中で一般的に蒸気を発生させることによって冷却される。通常、プロピレン及び空気の供給流は、不活性の希釈ガス、例えば窒素、水蒸気、二酸化炭素又はこれらの混合物で希釈される。通常の反応条件では触媒に対する有意な反応を示さない炭化水素、例えば飽和炭化水素のプロパンも同様に混合物の一部であってよい。混合物の希釈は、触媒層におけるピーク温度を抑えるためや、爆発性混合物の形成のリスクを最小限にするために実施される。通常、反応器には後冷却段階(冷媒は一般的に液体の塩である)が備わっており、そこでガス状の混合物の温度は、これが第一の塔の急冷段階に入る前に200〜280℃に落とされる。この後続の工程段階においては、迅速に温度を低下させるために混合物は水と接触させられる。この時点で、酸化反応中に生成した水並びに(場合によっては)希釈剤として反応供給混合物に加えられる水の凝縮もかなり起こる。塔の急冷ゾーンの次に、高アクロレインガスは塔内で上向きに流れ、そして落下してくる水流と接触するが、この水流は、不所望の副生成物、主にアクリル酸及び酢酸及び他の不純物を除去する役目を担う。この落下してくる水膜は、8〜25℃、好ましくは10〜20℃の温度で行われる塔の上部での水の凝縮から生まれる。場合によっては、より適切な液ガス比を得るために付加的な水流が塔の上部に供給されてよい。分離された副生成物は、それらがストリッピングゾーンを通過した後に、凝縮された水と一緒に塔底液として塔を抜け、そしてこの流のアクロイレン含有量を可能な限り減らすために熱的又は生物学的手段によって解毒される。アクロレインは、第一の塔の上部を抜けるガス流から、後続の処理段階において、適した媒体(通常は水溶液)への吸収によって分離される。装置、一般的に吸収塔の底部で得られた液体は、蒸留塔−そこで低沸点のアクロレインが高沸点の吸収媒体から分離され、かつ液体の形で回収される−に送り込まれる。水が吸収媒体として使用される場合、共沸濃度付近の生成物が塔頂生成物として得られる。存在する主たる不純物はアセトアルデヒドであり、その一方で、他の反応副生成物は非常に僅かな量か又は痕跡量で見出される。アクロレインはこの形で貯蔵槽に運ばれるか、又は随伴する副生成物の含有量を下げることによってその純度を高めるためにさらに後処理されることができる。この低い酸素含有量に鑑みて、凝縮可能ではない低アクロレインガス−これは塔の上部を通って吸収工程を抜ける−が、少なくとも部分的に不活性材料源として返送されることができる。通常、残留する低アクロレインガスは、その廃棄処理若しくは解毒のために焼却ユニットに導かれる。一般的に、可能な限り高いアクロレイン収率を得るために、プロピレンフィードが完全に変換される前に部分酸化反応の実施は止められる。反応段階において変換されなかったプロピレンは急冷−/副生成物分離工程を通過し、かつ他の凝縮可能ではないガスと一緒に塔頂部を介して吸収装置を抜ける。この低アクロレインガスのフラクションを反応混合物のための希釈媒体として使用することによって、転化されなかったプロピレンのフラクションを反応段階に返送する付加的なプラスの効果も得られる。このようにして、最も適した反応条件下でこの原料の全体の転化が増大し、このことはより高い全体のアクロレイン収率につながる。
アクロレインは、非常に毒性の、強燃性の、非常に反応性のある物質であり、これには大いに発熱を伴った重合反応を起こす傾向がある。この最後に挙げた理由から、ラジカル重合に対する安定剤が、プロセスにおけるいくつかの段階でと貯蔵前に混ぜられる。
主にアクロレインの貯蔵に関連した安全性リスクを減らすために、いくつかの代替的な製造−/精製コンセプトが提案されている。アクロレインの主な利用はMMPの製造であるので、これらのコンセプトは一般的にアクロレインからMMPへの有意な中間貯蔵を含まない反応を含んでいる。例えば、US7531066は、上記の標準的なプロセスに似た−ただし、蒸留工程の塔頂生成物として液体の形でアクロレインが取得される代わりに部分凝縮が実施され、かつ残留するガス状のアクロレインが更なる段階において液状又はガス状のメチルメルカプタンと触媒の存在下にMMPへと直接反応させられる−プロセスを記載している。
US5352837(若しくはWO94/29254)及びUS5744647は、アクロレインがまずプロピレン又はプロパンの部分酸化によって反応ユニットにおいて製造され、その後、反応ガスが水及び副生成物を分離するために冷却され、そして主に凝縮可能ではない成分及びアクロレインを含有する残留ガス流が後続の処理工程において液状のMMPと、液相中にアクロレインを保持しかつこの同じ媒体中でアクロレインをメチルメルカプタンと触媒の存在下に反応させてMMPを形成するために接触させられるMMPの製造法を記載している。従来のアクロレインプロセスと比較して、US5352837及びUS5744647に記載された方法は、液状のアクロレインが単離及び中間貯蔵される必要がないという利点を提供する。しかしながら、この方法は、アクロレイン吸収工程を抜ける低酸素ガスの部分的な返送がないことを特徴としている。反応器中に入る前に反応混合物の希釈のために必要とされる不活性材料は、この場合、水蒸気(蒸気)である。反応器中に送り込まれるこの大量の水蒸気は、急冷工程において凝縮され、そして酸副生成物(主にアクリル酸及び酢酸)と一緒にこのプロセスを抜ける。上記の従来のアクロレインプロセスと比較して、このプロセスは本質的により高い廃水処理費/廃棄処理費を有するという欠点を必然的に伴う。そのうえまた、プロセスに供給された炭化水素を基礎とする全体のアクロレイン収率が一般的に標準プロセスと比較して低い。既に言及した通り、通常、良好な収率を得るために、供給されたプロピレンが完全に変換される前に反応は止められる。用いられる触媒にとって最適な範囲より高いプロピレン転化速度が、より高い割合の副生成物を生む。既に言及した通り、慣例的なアクロレイン製造法においては、変換されなかったプロピレンの割合が低酸素ガスの成分としてフィードガス混合物の希釈のために反応器工程に返送される。反応器に供給し戻される炭化水素のフラクションが返送ガス流により返送されることで、アクロレイン収率を最大にするために、最適なシングルパス若しくは一回の通過の転化に近い運転が可能となり、その一方で、同時にこの高価な出発材料の全体の炭化水素転化がシングルパスユニットと比較して高められる。言い換えると、この再循環流の不足が意味することは、US5352837(若しくはWO94/29254)及びUS5744647に記載されたプロセスが従来のアクロレイン製造プロセスより低い出発材料効率を有する(供給される炭化水素1単位当たりにつき−より少ないアクロレイン−又はMMP)ことである。最後に記載したプロセスにおける不活性ガス源としての水蒸気の使用は、吸収段階を抜ける低酸素ガスを反応器に再循環し戻すことへの抵抗に起因していると考えられる。なぜなら、このガスは、不均一系のアクロレイン触媒に悪影響を及ぼし、系に蓄積するか又は不所望の副生成物を形成する可能性がある特定量の硫黄含有化合物を含有し、これは著しい欠点を必然的に伴うと考えられるからである。
US4225516若しくはDE2627430は、それらの実施例によれば、水48.2モル%、N241.6モル%、アクロレイン5.55モル%及びアクリル酸0.65モル%を含有する反応ガスをアクリル酸除去ユニットに送り込み、水を除去するために後で約0℃に冷却し、次いでアクロレインがMMPに吸収される吸収ユニットに通過させるMMPの製造法を記載している。MMPは、約−10℃の温度で塔の上部に入る。塔の底部で得られたMMPとアクロレインの混合物は反応器に導かれ、そこでアクロレインはメチルメルカプタンと触媒の存在下に反応させられる。メチルメルカプタンは、このプロセスでは連続的に反応器に加えられる。吸収ユニットを抜けるガスは、焼却ユニットに送り込まれる。プロセスの精製段階に入る反応混合物中の大量の水の存在は、アクロレインの反応のための不活性材料源が水蒸気であることを示す。US5352837及びUS5744647に記載された方法と同じように、反応器中に送り込まれる高い量の水は、標準的なアクロレイン製造プロセスと比較してより大量の廃水ひいてはより高い処理費/廃棄処理費につながる。そのほかに、転化されなかったプロピレンが反応器に返送されないので、供給された炭化水素を基礎とする全体のアクロレイン収率は、一般的に標準プロセスにおける収率より低い。これは、作製されるアクロレイン(又はMMP)1モル当たりにつき供給される炭化水素(プロピレン/プロパン)のより高い比消費量につながり、これはこの方法の大きな欠点である。
DE−102010064250.9は、気相のプロピレンの部分酸化によって作製されたアクロレインが、まず急冷−/副生成物分離工程を通過し、次いでMMPに吸収され、かつ遊離メチルメルカプタンと又は中間生成物として形成された3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒド/メチルメルカプタン−ヘミチオアセタール(=MMP/MC−ヘミチオアセタール、MC+MMP由来)から遊離したメチルメルカプタンと反応してMMPを生ずるMMPの製造法を記載している。この発明は、比較的高い不純物(ジメチルスルフィド、ジメチルエーテル)を含有するメチルメルカプタンと、MMPの反応のために均一系若しくは不均一系触媒とを利用する。このプロセスにおいては、反応器中に送り込まれた不活性材料は、窒素、二酸化炭素及び少量の水蒸気の混合物から成る。前で記載した通り、不活性ガスの主たる源として水蒸気を使用したプロセスと比較して、このプロセスは本質的により僅かな量の液状の廃水が作り出されるという利点を有するが、しかし同様に硫黄含有有機化合物を含むより大きなオフガス流の欠点を有する。オフガス流の量は、標準アクロレインプロセスと比較してもはるかに高い。そのうえまた、反応器工程へのプロピレンの返送がないので、この発明はプロピレンの利用がより低く、それにより標準アクロレインプロセスと比較して、供給される炭化水素の単位モル当たりにつき作製されるアクロレイン(又はMMP)の量が低い。
それゆえ本発明の課題は、公知の方法の欠点を可能な限り有さないか又はごく僅かにしか有さない、プロピレンを酸素含有ガスと接触気相酸化させることによってアクロレインを製造し、そして作製されたアクロレインをメチルメルカプタンとさらに反応させてMMPを得る一体化された製造法を提供することであった。
殊に本発明による方法は、可能な限り高いアクロレイン収率若しくはMMP収率にて可能な限りエネルギー効率的に行われるべきであり、つまり、可能な限り少ないエネルギー−若しくは蒸気の消費及び可能な限り少ない廃棄流を有するべきであり、しかし同時に、用いられるプロピレンの量を基準としてアクロレインを可能な限り高い収率で製造し、そのため可能な限り高い純度のかつ可能な限り高い収率でMMPを製造することを保証するべきである。
この課題は、本発明によれば、1つ目のプロセス選択肢に従ったアクロレイン及びメチルメルカプタンからMMPを製造する方法によって解決され、この方法の場合、連続的に次の工程:
A) プロピレンの気相酸化を、空気を用いて不均一系触媒上で希釈ガスの存在下に行う工程、
B) A)からのアクロレイン含有ガス流を、副生成物、例えばアクリル酸、酢酸、ホルムアルデヒド若しくはそれらの変成物を分離するための急冷段階において集める工程、
C) 急冷段階B)の下部に存在する液体から、殊にそこで取り出された液体流から残留アクロレインフラクションをストリッピングによって回収する工程、
D) (少なくとも2つの流にアクロレイン含有ガス流を分けた後に)急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流の第一の部分を、水の存在下に吸収段階に集めてアクロレイン水溶液を取得し、
D1) D)からの凝縮可能ではないガスを希釈ガス若しくは不活性化ガスとして反応段階A)に少なくとも部分的に返送する工程、
E) D)からのアクロレイン水溶液から蒸留段階においてアクロレインを蒸留分離し、
E1) E)からのアクロレイン含有留出液を濃縮し、かつ留出液を反応段階F)に供給し、
並びに急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流の更なる部分を、MMP及び/又はMMP/MC−ヘミチオアセタールの存在下にメチルメルカプタンと反応させるために反応段階F)に直接供給する工程
が実施される。
かかる方法(形態B/1つ目のプロセス選択肢)は従来の標準プロセス(形態A)と比べて、なかでも、ほぼ同じアクロレイン収率及びほぼ同じオフガス量で、同時に脱塩水の消費の明らかな低下を伴ってのいくらか少ない廃水量並びに蒸気の消費及び冷却塔水又は冷却水の形の冷却エネルギーの明らかな減少を可能にするという利点を有する(表1)。そのうえまた、この場合、液状のアクロレインの保管若しくは貯蔵が免れ、これにより、より少ない投資費及び危険物質貯蔵の回避に鑑みて顕著な利点が提供される。DE102010064250と比較して、この発明は、そのうえまた、より少ない冷却塔水の消費及び本質的により低いオフガス量及び相応して本質的により低いオフガス処理費にて、より高いアクロレイン収率が得られるという利点を有する。殊に本発明による方法は、吸収段階Dから固有の希釈ガス流若しくは不活性化ガス流を作り出して利用し、それによって付加的な不活性化ガス、例えば窒素、蒸気又は他の不活性ガス、例えばメタン、天然ガス又はプロパンの消費を少なく保つことを可能にすることが好ましい。これと関連した不活性ガスは、慣例的な製造条件にて触媒上で反応しないガスである。
上述の課題は、本発明によれば、2つ目のプロセス選択肢に従ったアクロレイン及びメチルメルカプタンからMMPを製造する方法によって解決され、この方法の場合、連続的に次の工程:
A) プロピレンの気相酸化を、空気を用いて不均一系触媒上で希釈ガスの存在下に第一の反応ユニットにおいて行い、並びに
A1) プロピレンの同時気相酸化を、空気を用いて不均一系触媒上で希釈ガスの存在下に更なる反応ユニットにおいて行う工程、
B) A)からのアクロレイン含有ガス流を、副生成物、例えばアクリル酸、酢酸、ホルムアルデヒド若しくはそれらの変成物を分離するための冷却下での急冷段階において集め、
B1) A1)からのアクロレイン含有ガス流を、副生成物を相応して分離するための並行する急冷段階において集める工程
C) 急冷段階B)の下部に存在する液体から、殊にそこで取り出された液体流から残留アクロレインフラクションをストリッピングによって回収する工程、
D) 急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流の少なくとも一部を、水の存在下に吸収段階に集めてアクロレイン水溶液を取得し、
D1) D)からの凝縮可能ではない、依然として変換されていないプロピレンも含有するガスを希釈ガス若しくは不活性化ガスとして反応段階A)及びA1)に少なくとも部分的に返送する工程、
E) D)からのアクロレイン水溶液から蒸留段階においてアクロレインを蒸留分離し、
E1) E)からのアクロレイン含有留出液を濃縮し、かつ留出液を反応段階F)に供給し、
並びに急冷段階B1)からのアクロレイン含有ガス流を、MMP及び/又はMMP/MC−ヘミチオアセタールの存在下にメチルメルカプタンと反応させるために反応段階F)に直接供給する工程
が実施される。
(形態C/2つ目のプロセス選択肢に従う)かかる方法は、1つ目のプロセス選択肢と類似した従来の標準法(形態A)と比べて、なかでも、ほぼ同じアクロレイン収率及びほぼ同じオフガス量で、同時に脱塩水の消費の明らかな低下を伴ってのいくらか少ない廃水量並びに蒸気の消費及び冷却水の形の冷却エネルギーの明らかな減少を可能にするという利点をとりわけ有する(表1)。同様にこの場合も、液状のアクロレインの保管若しくは貯蔵が免れ、これにより、より少ない投資費及び危険物質貯蔵の回避に鑑みて顕著な利点が提供される。そのうえまた、この方法は、DE102010064250.9の方法の長所、殊にMMPを得るためのガス状のアクロレインとMCとの迅速かつ効率的な直接反応と、その際に同時にDE102010064250.9(プロセス形態D)に比べて電力消費における節約とをまとめた利点をさらに提供する。
DE102010064250.9と比較して、1つ目のプロセス選択肢と類似した本発明による2つ目のプロセス選択肢は、より高いアクロレイン収率及び本質的により低いオフガス量及び相応してより低いオフガス処理費の利点をさらに有する。同様に、本発明による方法は、吸収段階Dから固有の希釈ガス流若しくは不活性化ガス流を作り出して利用し、それによって付加的な不活性化ガス、例えば窒素、蒸気又は他の不活性ガス、例えばメタン、天然ガス又はプロパンの消費を少なく保つことを可能にすることが好ましい。
有利には方法は、工程A)及び/又は工程A1)を、管が触媒を含む多管式反応器中でそれぞれ実施することを特徴とする。多管式反応器中では、それから部分酸化反応が行われてアクロレインが得られる。唯一の多管式反応器の代わりに、複数の反応器を並行して用いることも可能である。これは最大空時収量を可能にする。
ここで有利には、塩浴が多管式反応器の冷却のために使用される。なぜなら、この場合、温度を非常に確実に制御することができるからである。塩浴は、好ましくは出来る限り最良の変換率及び選択率を保証するために300〜400℃の温度に保たれる。その際に生じる圧力は、典型的には1.3〜3baraに達する。それゆえ、供給されるガス、空気、希釈ガスのプロピレン及び蒸気は、圧縮段階によって予め必要とされる圧力レベルにもたらされなければならない。
そのほかに、有利には方法は、A)及び/又はA1)からのアクロレイン含有ガス流が、200〜280℃の温度で相応する工程B)及び/又はB1)にそれぞれ入っていくように操作される。ガスの必要とされる冷却は、好ましくは後冷却段階を使って行われる。
有利には、それぞれの急冷塔B及び/又はB1の上方3分の1において、そこでそれぞれ存在する凝縮液の部分流が排出され、かつ場合によっては冷却が、好ましくは<20℃に行われた後に、それぞれの塔B及び/又はB1の頂部に再び供給される(上方のポンプ循環)。塔の上部に向かう途中で、反応ガスは向流で流れる水流と接触させられ、これがガス流の副生成物の量をさらに減少させる。水流は、塔の上方部分における<20℃への反応ガスの更なる冷却中に行われる凝縮から生まれる(上方のポンプ循環)。
さらに有利には、それぞれの急冷塔B及び/又はB1の底部において、そこでそのつど凝縮された部分流が排出され、かつ冷却が行われた後に、それぞれの塔B及び/又はB1の下方3分の1に再び供給される(下方のポンプ循環)。
副生成物、主にアクリル酸及び酢酸の大部分が、凝縮された液体中に保持され、かつ底部より急冷塔を抜ける。ポンプ循環系による液体の同時の循環及び外部冷却によって、液体は同時に冷媒として反応ガスの急冷のために利用される(下方のポンプ循環)。
その際に急冷塔を抜ける液体流は、好ましくはストリッピング塔(C)の上部にポンプ供給され、そこで溶解された残留アクロレインの大きなフラクションが回収される。次いで残りの液体は、例えば熱的な酸化段階又は生物学的な処理ユニットに廃棄のために送り込まれる。
収率を高めるために、好ましくは工程C)からの回収された残留アクロレインフラクションが工程B)に返送される。
吸収段階Dは、アクロレインの可能な限り完全な吸収を保証するために、有利には1〜25℃の温度、特に有利には3〜15℃の温度で行われる。
蒸留段階Eは、好ましくは0.4〜1.2bara(絶対圧)及びその際に生じる温度、例えば典型的には25〜65℃の温度で塔頂部にて行われる。それによって、共沸組成付近の水と高アクロレインとの混合物が塔の上部を介して得られ、そしてほぼアクロレイン不含の水流が塔の底部を介して得られるようになる。
さらに有利なのは、アクロレイン不含の水含有の蒸留塔底生成物が吸収段階Dへと、そこで必要とされる付加的な水が可能な限り少なくなるように返送され、その際、同時に廃水による負荷が軽減される。
アクロレインへのメチルメルカプタンの1,4−付加が行われる反応工程Fにおいては、好ましくは塩基含有触媒、特に有利にはアミンが、極めて有利には酸素との混合物において使用される。これによりMMP形成の高い変換率及び高い選択率が保証されるようになる。触媒は、その一般的に良好な可溶性によって均一系触媒として作用する。その際、好ましくはアクロレイン1モル当たり約1.005モルの僅かな過剰量のメチルメルカプタンが用いられ、これがアクロレインの高い変換率を保証する。
塩基として、有利には置換若しくは非置換のN−複素環式アミン又は式NR1R2R3のアミンが使用され、ここで、R1、R2及びR3は、同じであるか又は異なっており、かつ互いに無関係にH、C1〜C14−アルキル又はC7〜C14−アラルキルを意味し、ただし、R1、R2又はR3がHである場合、そのつど他の2つの基はHであってはならない。
特に適した塩基は、例えばピリジン、アルキル置換ピリジン、好ましくはピコリン又はルチジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン又はジメチルベンジルアミンである。
特に適した酸は、鉱酸、好ましくは塩酸、硫酸若しくはリン酸であるか、又は有機酸、好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸若しくはクエン酸である。
反応段階Fにおける反応は、好ましくは1.0〜2.5baraの圧力及び50〜100℃、好ましくは60〜90℃、極めて有利には75〜85℃の温度で行われる。
さらに有利なのは、反応段階Fに直接導かれる急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流の更なる部分が、B)からのアクロレイン含有ガスの全量の30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%、極めて有利には45〜55質量%、殊に約50質量%の量に相当することである。それによって標準的な製造法(表1における形態A)と比べて冷却エネルギー若しくは蒸気の特に低い消費が可能になる(表1における形態A)。本発明による反応操作、殊に液状及びガス状のアクロレインのフラクションを同時に使用することによって、DE102010064250.9に記載された方法より高いMMP収率が得られ、これは大規模工業的な方法における更なる大きな利点である。
それゆえ、特に有利なのはまた、工程Aにおけるプロピレンの気相酸化が並行して少なくとも1つの更なる反応器(A1)中で実施されることを特徴とするプロセス選択肢1に従った方法である。
さらに特に有利なのはまた、副生成物を除去するためのA1からのアクロレイン含有ガス流を更なる急冷段階B1において集めることを特徴とするプロセス選択肢1に従った方法である。この変形例の場合、更なる処理はプロセス選択肢2に従って行われる。
まとめると、本発明による方法(形態B、C、表1)の重要な利点は以下の通りである:
− アクロレイン/MMP−標準プロセス(形態A、表1)と比較して
・アクロレイン貯蔵が不要
・約50%少ない蒸気の消費
・約50%少ない脱塩水の消費
・冷却エネルギーのより僅かな消費
・似たようなオフガス量であるが、含まれる硫黄含有化合物は痕跡量である(良好な廃棄性)
− MMP/蒸気−不活性化(形態E、表1)と比較して
・50%超の少ない廃水量
・ほぼ40%低い蒸気の消費
・より高いアクロレイン収率
・(硫黄含有化合物を含む)オフガスのより僅かな量
− DE102010064250.9(“MMP−Kombi”、形態D、表1)と比較して
・(硫黄含有化合物を含む)オフガスの約50%少ない量(良好な廃棄性)
・プロセスにおけるより高い蒸気の消費
・より高いアクロレイン収率
・より低い電力消費
・希釈−/不活性化ガスの外部源を必要としない
本発明のプロセス選択肢1を示す図 本発明のプロセス選択肢2を示す図
図1に従ったプロセス選択肢1の説明
本発明の有利な形態においては(プロセス選択肢1に相当する図1を参照されたい)、ガス状の炭化水素(3)、好ましくはプロピレンを、圧縮された周囲空気(1)、僅かな量の水蒸気(2)及び低酸素再循環ガスと一緒に多管式反応器に供給し、そこでアクロレインへの部分酸化反応を行う。多管式反応器の代わりに、そのつど好ましくは別個のプロピレン供給管、空気供給管及び水蒸気供給管(ここでは、それぞれ3A、1A及び2Aと表す)を有する複数の反応器を並行して稼働させることもできる。アクロレインのほかに、アクリル酸、酢酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、二酸化炭素、一酸化炭素及び少量の他の化合物といった副生成物が反応工程において形成される。冷却塩の温度は300〜400℃に保つ。反応ゾーンの下流でガス混合物を、好ましくは、組み込まれた後冷却器(これは水で冷却又は有利には塩で冷却される)中で冷却し、これは第一の塔(急冷塔B)に入る。上で記載した従来のアクロレインプロセスのように、このプラント部分において、高温ガスをさらに冷却させるためにガス混合物を大量の水と接触させる。混合物中に含まれる、主に酸化反応の副生成物として生じる水蒸気の大部分をプロセスのこの段階で凝縮する。副生成物、主にアクリル酸及び酢酸の大部分を、凝縮された液体に留め、そしてこれらは底部より急冷塔Bを抜ける。この液体を、同様にポンプ循環系を用いて循環させ、そうして冷媒として反応ガスの急冷のために利用する(下方のポンプ循環)。塔の上部に向かう途中で、反応ガスを向流で流れる水流と接触させ、これがガス流の副生成物の量をさらに減少させる。水流は、塔の上方部分における<20℃への反応ガスの更なる冷却中に行われる凝縮から生まれる(上方のポンプ循環)。急冷塔を抜ける液体流をストリッピング塔(C)の上部にポンプ供給し、そこで溶解したアクロレインの大部分を回収する。次いで残りの液体を、例えば熱的な酸化段階又は生物学的な処理ユニットに廃棄のために送り込む。
塔(B)の上部からの高アクロレインガスを2つの流に分割する。第一の流は吸収塔(D)に送り込み、そこでアクロレインを、主に水を含有する液体流に吸収する。この塔に流れるガスの量は、塔を抜ける低アクロレインガスを圧縮段階後に完全に反応器に送ることに鑑みて、反応器に必要とされる再循環ガスの量によって制限する。塔Dの底部の高アクロレイン水流を蒸留塔(E)送り込み、そこでアクロレインを、塔の上部を介して水と単相の高アクロレインとの混合物を得、かつ塔底部を介してほぼアクロレイン不含の水流を得るために、好ましくは緩やかな真空条件下で蒸留する。この水流は、必要とされる付加的な水が可能な限り少なくなるように吸収塔(D)の上部に部分的に返送し、その際、同時に廃水による負荷が軽減される。ここで、流は熱交換器を通過し、それにより蒸留塔Eに向かう供給流が好ましくは加熱され、かつ0〜20℃、好ましくは4〜12℃の最終温度に達するようにさらに一続きの熱交換器を通過する。蒸留塔Eの上部で得られた高アクロレイン流は、好ましくは共沸組成付近の濃度を有する。ガス状のアクロレイン流を凝縮し、かつ部分的に還流として蒸留塔において利用する。残りの凝縮されたアクロレイン(5)を、中間貯蔵することなく反応器Fの底部、有利には反応吸収塔の形での反応吸収段階に送り、そこでメチルメルカプタンとの反応をMMPの形成下に行う。吸収/蒸留循環系においては、この循環系における反応副生成物の蓄積を回避するために脱塩水を加える(10)。この循環系からのパージ流(11)を、蒸留塔Eから吸収塔Dの方向に通ずる流から排出する。このパージ流を、真ん中の塔部分における液体/ガスの比を高め、かつそれによってより良好な副生成物分離を達成するために、部分的に急冷塔Bの上方のポンプ循環系に導いてよい。パージ流11は、熱的な酸化段階又は生物学的な処理ユニットに廃棄のために直接送り込んでもよい。塔Bを抜ける高アクロレインガスの他のフラクションも同様に反応器Fに送り込む。このプラント部分において、アクロレインをまずMMPに吸収し、それからこれは均一系触媒(7)の存在下にメチルメルカプタン(6)と、DE102010064250.9に記載の方法より多いMMP(過剰のメチルメルカプタン〜1.005モル/モル)を形成しながら反応する。この特許出願に記載された系と同じく、ここで製造されたMMPをポンプにより塔の底部から取り出し、それから2つの工程において、初めは冷却塔水(CTW)で〜35℃まで冷却し、次に冷却水(CW)で<10℃に冷却してよい。低温のMMPは反応吸収塔の上部に入り、そして吸収媒体として作用する。第一の冷却段階後又は第二の冷却段階後にMMPのフラクションが生成物流(8)としてプロセスを抜ける。MMPを使用した第二のポンプ循環流を塔の中間部分に送り込む。反応吸収塔の上部で適用される低い温度は、アクロレイン、メチルメルカプタン及びMMPの損失の減少に寄与する。塔を抜けるオフガスは、例えば熱的な酸化段階において廃棄されることができる。反応器の上流で、蒸留塔Eの凝縮器から生じるガス状及び/又は液状のアクロレイン流が系に入る。
図1に示したすべての熱交換器は、直列又は並列に配置された複数の熱交換器であってもよく、その際、必ずしも同じ冷媒を使用する必要はない。
図2に従ったプロセス選択肢2の説明
選択的に、本発明の他の有利な形態においては、少なくとも2つの別個のアクロレイン反応器から成るプロセスを行う(図2)。ガス状の炭化水素(3)、好ましくはプロピレンを、圧縮された周囲空気(1)、僅かな量の水蒸気(2)及び低酸素再循環流と一緒に、第一の多管式反応器(A)に送り込み、そこでアクロレインへの部分酸化反応を行う。上で図1の箇所で説明した通り、第一の塔(B)において高アクロレインガスを冷却し、かつ副生成物の大部分を除去する。塔Bを抜ける廃水流に溶解されるアクロレインの最も大きなフラクションを、ストリッピング塔Cに返送する。塔Bを抜けるガスは吸収装置(D)に入り、そこでアクロレインは、主に水を含有する液体流に吸収される。本発明のプロセス選択肢1のように、アクロレインを塔Eで蒸留し、かつ液体生成物流を中間貯蔵なしに即座に反応器F(反応吸収段階)に送り込む。塔Dを抜ける低アクロレインガス及び低酸素ガスについて、反応器Aから供給された混合物の希釈のために必要なフラクションのみを再循環する。反応しなかったプロピレンを含有する残りのガスは、希釈−/不活性化ガスとして、同様に別個の空気供給部及びプロピレン供給部が備わっている第二のアクロレイン反応器(A1)に送り込む。反応器A1を抜けるガスは、塔B1に底部を通って入る。B1は、塔Bと同じく第一の反応器用に組み立てられている。塔B1を抜ける水流をストリッピング塔Cに送り、そこでこの流に存在するアクロレインの大部分を回収する。塔Cを抜ける水流は、熱的又は生物学的な手段によって廃棄する。塔B1を頂部を通って抜けるガスを反応吸収段階Fに直接送り込む。このプラント部分において、アクロレインをまずMMPに吸収し、それからこれは均一系触媒(7)の存在下にメチルメルカプタン(6)と、DE102010064250.9に記載される実施形態と同じように、より多いMMP(過剰のメチルメルカプタン〜1.005モル/モル)を形成しながら反応する。MMP生成物流は流8として示している。プロセスのオフガス(9)は熱的な酸化段階に送る。プロセス形態1と同じく、吸収/蒸留循環系に、この循環系における反応副生成物の蓄積を回避するために脱塩水を加える(10)。この循環系からのパージ流(11)を、蒸留塔Eから吸収塔Dの方向に通ずる流から排出する。このパージ流を、真ん中の塔部分における液体/ガスの比を高め、かつそれによってより良好な副生成物分離を達成するために、部分的に急冷塔Bの上方のポンプ循環系に導いてよい。パージ流11は、熱的な酸化段階又は生物学的な処理ユニットに廃棄のために直接送り込んでもよい。
異なるプロセス形態同士の比較
以下に、Aspen Technology,Inc社のシミュレーションプログラム Aspen Plus(Version 7.1)を基にしたコンピューターシミュレーションの結果を示す。シミュレーションは、NRTL−HOC(Non−Random Two−Liquidモデル/Hayden O’Connel equation)モデル並びにNRTL−RK(Non−Random−Two−Liquidモデル/Redlich−Kwong equation)モデルに基づいている。必要な異種分子間相互作用パラメーターは、部分的にいくつかの測定データから若しくは文献/資料データベース中に存在する測定データから評価した。そのうえまた、シミュレーションは実際のプラントデータを使って検証した。
反応段階のシミュレーション計算のために、81.02%のプロピレン原料に基づくアクロレイン収率をASPENプログラムに入力した。入力したプロピレン変換率は、方法(形態D若しくはEと類似)におけるシングルパスを基準として97.1%であった。
アクロレインの全体の収率、プロピレンの転化、オフガス及び液体流出量並びに蒸気及び電気の消費値に関して複数のプロセス形態のシミュレーション結果を比較する。プロセス形態を、以下の通り詳述する:
形態A(比較例1):これは、3つの主たるプロセスブロック:空気の圧縮機段階、再循環ガス用の圧縮機、プロピレン蒸発ユニット並びに後冷却器及び蒸気発生器が組み込まれた少なくとも1つの多管式反応器を含む反応工程;少なくとも1つの塔、廃水ストリッパー並びに必要とされる熱交換器及びポンプ装置から成る急冷及び副生成物分離のためのプロセスブロック;並びに吸収塔、蒸留塔及び必要とされる熱交換器及びポンプ装置から成る吸収−/蒸留プロセス工程から成る、記載される従来のアクロレイン製造法(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Wiley−VCH Verlag,2007,特に第7頁〜第9頁)に相当する。吸収媒体の最も大きい部分を占めるのは脱塩水である。アクロレインは共沸組成(アクロレイン/水)付近の組成を有する蒸留塔の塔頂生成物として回収した。生成物中に依然として存在していた主たる不純物はアセトアルデヒドである。シミュレーション運転のために、反応器中に送り込まれる蒸気の量は、供給されるプロピレン1kg当たり0.19kgに設定した。新鮮な空気及び再循環ガス圧縮機の吐出し圧力は2.7baraに選択した。圧縮はシミュレーションにおいて等エントロピーと見なした(等エントロピー効率:0.65/1.0の機械効率)。圧縮機の入口点での新鮮な空気の温度は30℃にセットした。この形態においては、吸収ユニットを抜ける低アクロレインガスを、反応混合物の希釈のために(希釈ガス若しくは不活性化ガス)部分的に再循環ガスとして再利用する。低アクロレインガスの残りの部分は系を抜け、ここでは“オフガス”とする。プラントには2つの液体流出流が存在し、一つは急冷−及び副生成物分離工程のストリッピング塔を抜ける流出流であり、もう一つは吸収−/蒸留工程のパージ流である相当小さい流出流である。
形態B(例1):これは上記のプロセス選択肢1に相当する。形態Aと同じく、ガス流の圧縮圧力を2.7baraに調整し、かつ供給される蒸気の量を、供給されるプロピレン1kg当たり0.19kgに調整した。そのためにプロピレン蒸発ユニットを一緒に考慮に入れた。セクションA/A1、B、C、D及びE(図1)における圧力及び温度に関する他のすべてのプロセスパラメーターは、形態Aで選択したものと同じであった。ポンプ循環流及び吸収液相のような液体モル流量は、塔を流れる全体のガス流に応じて調整した。そのうえまた、塔の理論段の数及び再循環ガス/供給されるプロピレンの比は、形態Aで使用したものと同じであった。
そのほかに、シミュレーション計算のために以下の流を用いた:急冷塔Bからの吸収装置/脱着装置(塔D)の方向における流の割合は49.51質量%であり、反応吸収装置(塔F)に向かう割合は50.49質量%であった。
プラント部分の反応器Fにおいて、急冷塔Bから発するアクロレイン含有ガス流は、MMP、MC、MMP/MC−ヘミチオアセタール及び水の混合物と接触する。DE102010064250.9に記載されているのと同じく、アクロレインはこの液状混合物に吸収され、かつ触媒の存在下に、より多くのMMPを形成するために、遊離MCと又はMC及びMMPのヘミチオアセタール形から遊離したMCと反応する。反応は、塔の底部に留まった液体中でと同様に内部構造物で行われる。塔E(5)からの液状のアクロレイン流を、同様に塔Fの底部に加える。
形態C(例2):これは上記のプロセス選択肢2(図2)に相当する。圧縮機によって得られた圧力、蒸気供給比、再循環ガス比、塔の理論段の数並びにセクションA/A1、B、C、D、E及びFに相当する圧力及び温度の他のパラメーターに関するシミュレーション用の入力パラメーターは、先に挙げた形態においてとそれぞれ同じ基準に保った。ポンプ循環流及び吸収液相のような液体モル流量は、全体のガス流に応じて合わせた。プロピレン蒸発ユニットを一緒に考慮した。
形態D(比較例2):これはDE102010064250.9に記載されたプロセスに相当する。先のプロセス若しくは方法とは対照的に、この形態は再循環ガス流を利用しない。不活性材料は外部源によって準備する。この系の第一のプロセスブロック(反応)は、空気の圧縮機段階、プロピレン蒸発ユニット、後冷却器及び蒸気発生器が組み込まれた少なくとも1つの多管式反応器並びに外部不活性ガス流用の圧縮機から成る。この反応ブロックには、記載した塔並びに先の形態の塔B及びCを取り囲む周辺装置に類似した急冷−及び副生成物分離ブロックが続く。最後のプロセスブロックは、塔F及びその周辺装置(これらは形態B及びCに既に存在している)と同じである。この場合、不活性ガス流は、天然ガスを酸化剤としての周囲空気で燃焼する焼却ユニットから生ずることを規定した。このオフガスは雰囲気圧を有し、かつ冷却水で運転される熱伝達装置中で圧縮前に160℃から50℃に冷却する。ガスは4.2モル%のO2及び12.1モル%のH2Oを含有し、残分はN2及びCO2である。プロピレン濃度及び酸素濃度に関する反応器の入口での供給ガス組成は、先の形態で使用される組成と同等である。急冷−/副生成物分離セクション及び吸収−/反応セクションにおける圧力及び温度の条件は、形態B及びCの条件と同じであった。ポンプ循環流のような液体モル流量は、全体のガス流に応じて形態B及びCにおける比に適合させた。
形態E(比較例3):これは、形態Dの外部不活性ガス流の代わりに蒸気を用いた系に相当する。それに応じて、この形態における反応プロセスブロックは、1つだけの空気用圧縮器、プロピレン蒸発ユニット並びに後冷却器及び蒸気発生器が組み込まれた少なくとも1つの多管式反応器を含む。反応ブロックの下流で、反応ガスは、先の形態における塔B及びC並びにそれらの周辺装置と同じである急冷−/副生成物分離塔に入る。精製されたガス流は続く工程で、これまでの形態における塔Fと同じ吸収−/反応系に送り込む。この形態においては他の利用可能な不活性ガス流が存在しないので、窒素を塔Cにおいてストリッピング媒体として使用した。急冷−/副生成物分離セクション及び吸収−/反応セクションにおける圧力及び温度の条件は、形態B及びCにおける条件と同じであった。液体流は、ガス流に応じて適合させた。
シミュレーションの例の結果を表1にまとめている。標準的なアクロレイン製造プロセス(形態A)と比較して、2つの本発明によるプロセス設計−ここでは(形態B及びCとして)提示していた−は同等のアクロレイン収率を有する。MMP収率は、オフガスと共にプロセスを抜ける最小量のMMPに基づき、標準プロセスと比べていくらか低い。とはいえ再循環ガスが無いため、MMP中で製造されたアクロレインの直接的な吸収/反応を伴う2つの形態(形態D及びE)は、プロピレンを基準として本質的により低いアクロレイン収率及びMMP収率を示す。生成物収率は、比較的高いプロピレンの費用を勘案するとMMPの全体の製造費に著しい影響を及ぼす。
本発明による形態B及びCは、標準的プロセスと比較してほぼ50%低く、かつ形態Eより約30%低い蒸気消費量も有する。形態Dは、そもそも蒸気の消費がない。
<35℃の生成物側での温度を得るための冷水消費に関しても、形態B及びCは、形態Aより低い値を示す。蒸留運転なしの2つの形態(D及びE)は、さらに低い冷却水の消費値を示す。形態B及びCが、比較プロセス(形態A)と類似した量の液状及びガス状の流出流を作り出すことも重要である。他方で形態Dは、ほぼ2倍の量のオフガスを生み、それに対して形態Eは、ほぼ2倍に上るが、しかしはるかに低い有機含量を有する廃水流をもたらす。この廃水を焼却プラントにおいて解毒する場合、この変形例の廃棄費は、ここに表記した他の全ての方法より明らかに高い。ここに提示したプロセス形態A〜E(本発明によるプロセス選択肢1及びプロセス選択肢2を含む)を、Aspen Plus(Version 7.1)プログラム及び検証されたシミュレーションを使ってシミュレーションした。同じ基本的な物理的−化学特性を有するパッキングを、3つの選択的なプロセスのシミュレーションのために使用した。本発明によるプロセス選択肢1及び2(形態B若しくはCとしてシミュレート)は、従来の製造プロセスと比べてはっきりとした利点を示す。まず大量のアクロレインの中間貯蔵が回避され、次にプロセスは蒸気及び冷媒のより少ない消費を示す。外部源の不活性ガス又は反応工程に入る反応混合物の希釈のための蒸気を利用するガス状のアクロレインの直接的な吸収/反応を基礎とするプロセスと比較して、プロセス選択肢1及び2は、明らかにより高い生成物収率及びより僅かな廃棄流(ある時にはオフガス、また別の時には廃水)を有する。
Figure 0006143858
1A 空気供給管、 2A 水蒸気供給管、 3A プロピレン供給管、 A,A1 反応器、 B,B1 塔、 C ストリッピング塔、 D 吸収塔、 E 蒸留塔、 F 反応吸収装置、 1 圧縮された周囲空気、 2 水蒸気、 3 炭化水素、 5 残りの凝縮されたアクロレイン、 6 メチルメルカプタン、 7 均一系触媒、 8 生成物流、 9 オフガス、 10 脱塩水、 11 パージ流

Claims (23)

  1. アクロレイン及びメチルメルカプタンから3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを製造する方法であって、連続的に以下の工程:
    A) プロピレンの気相酸化を、空気を用いて不均一系触媒上で希釈ガスの存在下に行う工程、
    B) A)からのアクロレイン含有ガス流を、副生成物を分離するための急冷段階において集める工程、
    C) 急冷段階B)の下部に存在する液体から残留アクロレインフラクションをストリッピングによって回収する工程、
    D) 急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流の第一の部分を、水の存在下に吸収段階に集めてアクロレイン水溶液を取得し、
    D1) D)からの凝縮可能ではないガスを希釈ガスとして反応段階A)に少なくとも部分的に返送する工程、
    E) D)からのアクロレイン水溶液から蒸留段階においてアクロレインを蒸留分離し、
    E1) E)からのガス状アクロレイン流を凝縮し、かつ凝縮されたアクロレインを反応段階F)に供給し、
    並びに急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流の更なる部分を、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒド及び/又は3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒド/メチルメルカプタン−ヘミチオアセタールの存在下にメチルメルカプタンと反応させるために反応段階F)に直接供給する工程
    を実施する方法。
  2. アクロレイン及びメチルメルカプタンから3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒドを製造する方法であって、連続的に以下の工程:
    A) プロピレンの気相酸化を、空気を用いて不均一系触媒上で希釈ガスの存在下に第一の反応ユニットにおいて行い、並びに
    A1) プロピレンの同時の気相酸化を、空気を用いて不均一系触媒上で希釈ガスの存在下に更なる反応ユニットにおいて行う工程、
    B) A)からのアクロレイン含有ガス流を、副生成物を分離するための冷却下での急冷段階において集め、
    B1) A1)からのアクロレイン含有ガス流を、高沸点物を分離するための並行する急冷段階において集める工程
    C) 急冷段階B)の下部に存在する液体から残留アクロレインフラクションをストリッピングによって回収する工程、
    D) 急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流の少なくとも一部を、水の存在下に吸収段階に集めてアクロレイン水溶液を取得し、
    D1) D)からの凝縮可能ではないガスを希釈ガスとして反応段階A)及びA1)に少なくとも部分的に返送する工程、
    E) D)からのアクロレイン水溶液から蒸留段階においてアクロレインを蒸留分離し、
    E1) E)からのガス状アクロレイン流を凝縮し、かつ凝縮されたアクロレインを反応段階F)に供給し、
    並びに急冷段階B1)からのアクロレイン含有ガス流を、3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒド及び/又は3−メチルメルカプトプロピオンアルデヒド/メチルメルカプタン−ヘミチオアセタールの存在下にメチルメルカプタンと反応させるために反応段階F)に直接供給する工程
    を実施する方法。
  3. 工程A)及び/又は工程A1)を、管が触媒を含む多管式反応器中でそれぞれ実施することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  4. 塩浴を多管式反応器の冷却のために使用し、かつ該塩浴を300〜400℃の温度に保つことを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. A)及び/又はA1)からのアクロレイン含有ガス流が、そのつど200〜280℃の温度で相応する工程B)及び/又はB1)に入っていくことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  6. それぞれの急冷塔B及び/又はB1の上方3分の1において、そこでそれぞれ存在する凝縮液の部分流を排出し、かつ場合によっては冷却を、<20℃に行った後に、それぞれの塔B及び/又はB1の頂部に再び供給する(上方のポンプ循環)ことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  7. それぞれの急冷塔B及び/又はB1の底部において、そこでそれぞれ凝縮された液体の部分流を排出し、かつ冷却を行った後に、それぞれの塔B及び/又はB1の下方3分の1に再び供給する(下方のポンプ循環)ことを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
  8. 回収された工程C)からの残留アクロレインフラクションを工程B)に返送することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 吸収工程Dを、1〜25℃の温度で操作することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 蒸留段階Eを、0.4〜1.2bara(絶対圧bar)の圧力及びその際に生じる温度で操作することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. アクロレイン不含の水含有の蒸留塔底生成物を吸収段階Dに返送することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 工程Fにおいて、塩基含有触媒を使用することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 塩基含有触媒を酸との混合物において使用することを特徴とする、請求項12記載の方法。
  14. 塩基が、置換若しくは非置換のN−複素環式アミン又は式NR1R2R3のアミンであり、ここで、R1、R2及びR3は、同じであるか又は異なっており、かつ互いに無関係にH、C1〜C14−アルキル又はC7〜C14−アラルキルを意味し、ただし、R1、R2又はR3がHである場合、そのつど他の2つの基はHであってはならないことを特徴とする、請求項12または13記載の方法。
  15. 塩基が、ピリジン、アルキル置換ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン又はジメチルベンジルアミンであることを特徴とする、請求項14記載の方法。
  16. 塩基が、ピコリン又はルチジンであることを特徴とする、請求項15記載の方法。
  17. 酸が、鉱酸又は有機酸であることを特徴とする、請求項13から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. 酸が、塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸又はクエン酸であることを特徴とする、請求項17記載の方法。
  19. 反応段階Fを、1.0〜2.5baraの圧力及び50〜100℃の温度で操作することを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
  20. 反応段階Fを60〜90℃の温度で操作することを特徴とする、請求項19記載の方法。
  21. 反応段階Fに直接導かれる急冷段階B)からのアクロレイン含有ガス流の更なる部分が、B)からのアクロレイン含有ガスの全量の30〜70質量%の量に相当することを特徴とする、請求項1又は3から20までのいずれか1項記載の方法。
  22. 工程Aにおけるプロピレンの気相酸化を、並行して少なくとも1つの更なる反応器(A1)中で実施することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  23. 副生成物の分離のためのA1からのアクロレイン含有ガス流を、更なる急冷段階B1において集めることを特徴とする、請求項22記載の方法。
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