JP2013082675A - プロピレンオキサイドの回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロピレンオキサイド放散塔底液の有するエネルギーの有効利用をはかったプロピレンオキサイドの回収方法の提供。
【解決手段】プロピレンを分子状酸素含有ガスと接触気相酸化して生成したプロピレンオキサイドを含有する反応生成ガスをプロピレンオキサイド吸収塔302へ導入して吸収液と向流接触させ、吸収塔302頂部からのガスの一部はプロピレン酸化反応工程へ循環し、プロピレンオキサイドを含む吸収塔底液はプロピレンオキサイド放散塔311へ供給し、放散塔311頂部からプロピレンオキサイドを放散せしめ、放散塔311底部から抜き出した液はフラッシュ処理して気相部と液相部に分離し、気相部は圧縮してプロピレンオキサイド放散塔311底部へ導入し、液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換し吸収塔302へ導いて吸収液として循環使用する工程からなるプロピレンオキサイドの回収方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、プロピレンを分子状酸素含有ガスで接触気相酸化して得られるプロピレンオキサイドを回収する方法に関するものである。
エチレンを分子状酸素含有ガスで接触気相酸化して得られるエチレンオキサイドの回収方法については、以下の方法等が知られており、その改良方法も開発されている。
エチレンオキサイドの回収工程において、反応生成ガスを水を主とする吸収液に吸収させエチレンオキサイド水溶液として回収し、この水溶液からエチレンオキサイドを放散せしめてエチレンオキサイドを得ている。一般には、エチレンと分子状酸素含有ガスとを銀触媒上で接触気相酸化して生成するエチレンオキサイドを含む反応ガスをエチレンオキサイド吸収塔へ導びき水を主とする吸収液と向流接触させエチレンオキサイド水溶液として回収し、ついでエチレンオキサイド放散塔へ送り、エチレンオキサイド放散塔底部を加熱蒸気で加熱することによってエチレンオキサイドを水溶液から放散させ、エチレンオキサイド放散塔底部から実質的にエチレンオキサイドを含まない水溶液は吸収液として循環使用し、エチレンオキサイド放散塔頂部から放散されるエチレンオキサイド、水、二酸化炭素、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン)の他ホルムアルデヒド等の低沸点不純物およびアセトアルデヒド、酢酸等の高沸点不純物を含む放散物を脱水工程、軽質分分離工程および重質分離工程の各々を経て精製しエチレンオキサイドを製造することができる。
エチレンオキサイドの回収方法を、図1を用いてさらに具体的に説明する。エチレンを銀触媒の存在下、分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して生成するエチレンオキサイドを含む反応生成ガスを導管1を通して、充填塔あるいは棚段塔型式のエチレンオキサイド吸収塔2の下部へ供給し、導管3からエチレンオキサイド吸収塔2の上部へ吸収液を導入し、反応生成ガスと向流接触させ、反応生成ガス中の99重量%以上のエチレンオキサイドを回収し、エチレンオキサイド吸収塔2の塔頂から吸収しなかったエチレン、酸素、二酸化炭素、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン)アルデヒド類、酸性物質等のガスは導管4を通して二酸化炭素吸収工程および/または酸化反応工程へ循環される。この吸収工程においてエチレンオキサイドの他、エチレン、酸素、二酸化炭素、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン、)ならびにエチレン酸化反応工程で生成したホルムアルデヒド等の低沸点不純物、アセトアルデヒド、酢酸等の高沸点不純物もその実質量が同時に吸収される。エチレンオキサイド吸収塔2の塔底液を導管5を通して熱交換器6へ送りエチレンオキサイド放散塔底液と熱交換して温度70〜110℃に高め、導管7によりフラッシュタンク8へ送られ一部エチレンオキサイド、水を含む不活性ガスの軽質分ガスが導管9により分離される。軽質分ガスをフラッシュした残部の吸収液を導管10を通して塔頂圧力0.1〜2kg/cm2G、塔頂温度85〜120℃のエチレンオキサイド放散塔11の上部へ供給し、エチレンオキサイド放散塔11の加熱器12により水蒸気またはダウサム(ダウ社、熱媒体商品)等の加熱媒体で導管13を通して加熱するか、または直接エチレンオキサイド放散塔11の底部へ水蒸気を導入する加熱方式により加熱し、吸収液中に含まれるエチレンオキサイドの99重量%以上を放散せしめ、エチレンオキサイド放散塔11の底部からエチレンオキサイドを実質的に含まない温度100〜150℃のエチレンオキサイド放散塔底液の一部は導管14および導管15を通して熱交換器6でエチレンオキサイド吸収塔2の塔底液と熱交換し、導管16を通して、さらに導管18および導管19に冷却水が通る冷却器17により冷却し、ついで吸収液中のエチレングリコール濃度を調節するため新鮮な水を導管21を通して導入し、必要により、吸収液中のpHを調節するため水酸化カリウム水溶液を添加し、吸収液中の消泡剤濃度を調節するため消泡剤をエチレンオキサイド吸収塔2へそれぞれ導入することができる。エチレンを分子状酸素で酸化する酸化工程およびエチレンオキサイド放散工程の間で吸収液中にエチレンオキサイドと水との加水反応で生成する副生エチレングリコールおよびホルムアルデヒド等の低沸点不純物、アセトアルデヒドおよび酢酸等の高沸点不純物の増加を防ぐためエチレンオキサイド放散塔11の塔底部から導管14および22を通してエチレンオキサイド放散塔11の底液を抜き出し、副生エチレングリコール濃縮工程に送られる。
一方、エチレンオキサイド放散塔11の塔頂部から放散されるエチレンオキサイドを含む放散蒸気は導管23を通して、導管25および導管26に冷却水が通る凝縮器24へ送り、凝縮液は導管27を通してエチレンオキサイド放散塔11の塔頂部へ還流し、未凝縮蒸気は導管28を通して脱水塔29へ供給される。
脱水塔29の加熱器30により水蒸気またはダウサム(ダウ社商品)等の加熱媒体で導管31を通して加熱するか、または直接脱水塔29の下部へ水蒸気を導入する加熱方式により加熱し、脱水塔29の塔底から導管32を通して実質的にエチレンオキサイドを含まない水が抜き出される。
脱水塔29の塔頂部からエチレンオキサイドを含む蒸気は導管33を通して、導管35および導管36に冷却水またはブラインが通る凝縮器34へ送り、凝縮液は導管37を通して脱水塔29の塔頂部へ還流し、凝縮器34の未凝縮蒸気は導管39を通して再エチレンオキサイド吸収塔(図示していない)へ供給される。凝縮器34の凝縮液の他部は導管38を通して軽質分分離塔40へ供給される。
軽質分分離塔40の加熱器41により水蒸気またはダウサム(ダウ社商品)等の加熱媒体で導管42を通して加熱する方式により加熱し、軽質分分離塔40の塔頂部から軽質分を含むエチレンオキサイド蒸気は導管43を通して凝縮器44へ送り、凝縮液は導管47を通して軽質分分離塔40の塔頂部へ還流し、未凝縮蒸気は導管48を通してエチレンオキサイドを回収するため再エチレンオキサイド吸収塔(図示していない)へ供給される。
一方、軽質分を分離されたエチレンオキサイドは軽質分分離塔40の塔底から導管49を通してエチレンオキサイド精留塔50へ供給される。
エチレンオキサイド精留塔50の加熱器58へ導管58から圧力0.5〜3.0kg/cm2Gの水蒸気を供給し、エチレンオキサイド精留塔50の塔底温度35〜85℃、エチレンオキサイド精留塔底圧力1.2〜8.2kg/cm2Gで精留を行ない、エチレンオキサイド精留塔頂から塔頂温度29〜81℃、塔頂圧力1.0〜8.0kg/cm2Gのエチレンオキサイド蒸気を導管51を通して、凝縮器52へ送りエチレンオキサイド蒸気は液化し、液化した一部は導管56を通してエチレンオキサイド精留塔50の塔頂部へ還流液として導入し、液化した他部は導管57を通してエチレンオキサイド製品として抜き出される。
エチレンオキサイド精留塔50の凝縮器52の未凝縮蒸気は導管55を通してエチレンオキサイドを回収するため再エチレンオキサイド吸収塔(図示してない)へ供給される。
エチレンオキサイド精留塔50の塔底液はアセトアルデヒド、水、および酢酸等の高沸点不純物の重質分分離のため必要により導管67を通して抜き出される。
特許文献1には、上記の従来方法を改善してエネルギーの有効利用を図ったエチレンオキサイドの回収方法が記載されている。
特開昭63−17873
従来のエチレンオキサイドの回収方法は、いずれも若干の変更を加えれば、プロピレンオキサイドの回収方法としても応用できる。その従来のエチレンオキサイドの回収方法では、エチレンオキサイド放散塔頂蒸気の凝縮熱の回収やエチレンオキサイド放散塔底部から抜き出された液が有する熱エネルギーを回収する点については十分でなく、大量の熱量が系外に廃棄されるという問題があった。従来の方法は100〜150℃のエチレンオキサイド放散塔底液をエチレンオキサイド吸収塔底液と熱交換させ、熱量の回収を行なった後、冷却してエチレンオキサイド吸収塔の吸収液としていた。また、エチレンオキサイドの精製方法はエチレンオキサイド放散塔及びエチレンオキサイド精留塔及び軽質分分離塔における加熱蒸気量を多量に消費する問題があった。
したがって、本発明の課題は、プロピレンオキサイド放散塔底液の有するエネルギーの有効利用をはかったプロピレンオキサイドの回収方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段について検討した結果、以下の発明を見出した。
[1] プロピレンを分子状酸素含有ガスと接触気相酸化して生成したプロピレンオキサイドを含有する反応生成ガスをプロピレンオキサイド吸収塔へ導入して吸収液と向流接触させ、吸収塔頂部からのガスの一部はプロピレン酸化反応工程へ循環し、プロピレンオキサイドを含む吸収塔底液はプロピレンオキサイド放散塔へ供給し、放散塔頂部からプロピレンオキサイドを放散せしめ、放散塔底部から抜き出した液は吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する工程からなるプロピレンオキサイドの回収方法において、
プロピレンオキサイド放散塔底部から抜き出した液をフラッシュ処理して気相部と液相部に分離し、
気相部は圧縮してプロピレンオキサイド放散塔底部へ導入し、
液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換し、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源および/または軽質分分離塔の加熱源とした後、吸収塔の吸収液とすることを特徴とする、プロピレンオキサイドの回収方法。
[2] 液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用し、ついで冷却器で冷却後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する、[1]記載の方法。
[3] プロピレンオキサイド精留塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、[1]記載の方法。
[4] 液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用し、ついで軽質分分離塔の加熱源に使用した後、冷却器で冷却後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する、[1]記載の方法。
[5] プロピレンオキサイド精留塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、[4]記載の方法。
[6] 軽質分分離塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、[4]記載の方法。
[7] プロピレンオキサイド放散塔頂から放散される放散物をプロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用する、[1]記載の方法。
[8] 液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、軽質分分離塔の加熱源に使用した後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する、[1]記載の方法。
[9] プロピレンオキサイド軽質分分離塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、[7]記載の方法。
[10] 液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、プロピレンオキサイド精留塔及び軽質分分離塔の加熱源に使用した後、冷却器で冷却後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する、[1]記載の方法。
[11] プロピレンオキサイド精留塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、[10]記載の方法。
[12] プロピレンオキサイド軽質分分離塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、[10]記載の方法。
[13] プロピレンオキサイド放散塔頂から放散される放散物をプロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用する、[10]記載の方法。
本発明の方法によれば、プロピレンオキサイド放散塔底液をフラッシュするときに発生した蒸気がフラッシュドラムから分離され、圧縮手段によりプロピレンオキサイド放散塔底部の圧力より少し高い圧力に圧縮されプロピレンオキサイド放散塔底部に導入することにより、プロピレンオキサイド放散塔を加熱するに要する加熱熱量を大幅に減少することが可能となる効果を発揮する。また、プロピレンオキサイド放散塔底液をフラッシュさせた後の液とプロピレンオキサイド吸収塔底液とを熱交換後、プロピレンオキサイド放散塔底液をプロピレンオキサイド精留塔及び軽質分分離塔の加熱源として利用することにより、プロピレンオキサイド精留塔及び軽質分分離塔の省エネルギーとも達成できる。また、プロピレンオキサイド放散塔頂蒸気をプロピレンオキサイド精留塔の加熱源とすることにより、プロピレンオキサイド精留塔の省エネルギーとも達成できる。さらにこの方法を実施することによってプロピレンオキサイド吸収塔に送る吸収液を冷却する冷却水の熱負荷及び、プロピレンオキサイド放散塔頂蒸気の凝縮器に通ずる冷却水の熱負荷が低減される効果を発揮する。
公知のエチレンオキサイド回収方法の一例を示すフローチャートである。 本発明のプロピレンオキサイド回収方法の一実施態様を示すフローチャートである。 本発明のプロピレンオキサイド回収方法の一実施態様を示すフローチャートである。 本発明のプロピレンオキサイド回収方法の一実施態様を示すフローチャートである。 本発明のプロピレンオキサイド回収方法の一実施態様を示すフローチャートである。
本発明が適用できるプロピレンオキサイドの接触気相酸化方法としては、例えば、金属酸化物等を含有するような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法等が挙げられる。このような金属触媒存在下でプロピレン及び酸素を反応させる製法については、例えば、WO2011/075458、WO2011/075459、WO2012/005822、WO2012/005823、WO2012/005824、WO2012/005825、WO2012/005831、WO2012/005832、WO2012/005835、WO2012/005837等に記載されている。その製法において用いる触媒としては、下記(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)及び(j)からなる群から選ばれる少なくとも2種を含む触媒が挙げられる。
(a)銅酸化物
(b)ルテニウム酸化物
(c)マンガン酸化物
(d)ニッケル酸化物
(e)オスミウム酸化物
(f)ゲルマニウム酸化物
(g)クロミウム酸化物
(h)タリウム酸化物
(i)スズ酸化物
(j)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分
好ましくは(a)銅酸化物及び(b)ルテニウム酸化物を含有する触媒であり、より好ましくは(a)銅酸化物、(b)ルテニウム酸化物及び(j)アルカリ金属成分又はアルカリ土類金属成分を含有する触媒である。
上記の製造方法で得られるプロピレンオキサイドを含むガス混合物には、通常0.5%〜5%のプロピレンオキサイドの他に、未反応プロピレン、未反応酸素、希釈ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン、メタン、エタン等)、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、生成水、炭酸ガス、一酸化炭素、有機酸類等が含まれる。
本発明において、プロピレンオキサイド吸収塔へ供給される吸収液の温度は5〜40℃、好ましくは10〜35℃であり、吸収液の組成はpHが5〜12、好ましくは6〜11、プロピレングリコール濃度が1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%、消泡剤濃度が0.1ppm以上、好ましくは1〜100ppm、残り水の範囲に制御される。吸収液中のプロピレングリコール濃度を一定に保持するためプロピレンオキサイド吸収塔とプロピレンオキサイド放散塔とを循環する吸収液の一部をプロピレンオキサイド放散塔底部から抜き出し副生プロピレングリコール濃縮塔へ送り、必要により新鮮な水が導入され制御される。pHの調節は、たとえばカリウム、ナトリウムのようなアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩等の吸収液に溶解する化合物を添加することにより行うのが好ましく、添加剤は具体的には水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが好ましい。
消泡剤は、プロピレンオキサイド等に不活性であり、吸収液の消泡効果を有するものであればいかなる消泡剤でも使用でき、代表的な例としては水溶性シリコンエマルションが吸収液への分散性、希釈安定性、熱安定性が優れているので効果的である。
プロピレンオキサイド吸収塔の操作条件は、反応生成ガス中のプロピレンオキサイド濃度が0.5〜5容量%、好ましくは1.0〜4容量%であり、プロピレンオキサイド吸収塔の操作圧は2〜40kg/cm2G、好ましくは10〜30kg/cm2Gである。プロピレンオキサイド放散塔の操作条件は、プロピレンオキサイド放散塔頂圧力0.1〜2kg/cm2G、好ましくは0.3〜0.6kg/cm2G、プロピレンオキサイド放散塔頂温度85〜120℃、プロピレンオキサイド放散塔底温度100〜150℃、プロピレンオキサイド放散塔底プロピレンオキサイド濃度は10ppm以下、好ましくは0.5ppm以下である。
本発明の第1の特徴は、プロピレンオキサイド放散塔底部から出る液をプロピレンオキサイド放散塔底部の圧力より低い圧力で操作されるフラッシュタンクへ導入し、低圧蒸気を発生させる。この蒸気の発生は吸熱的であり溶液の温度の低下をもたらす効果がある。発生した水蒸気は、電気駆動の遠心式圧縮機またはスクリュウ式圧縮機あるいは往復動式圧縮機により昇圧され、プロピレンオキサイド放散塔底部の気相部へ供給されプロピレンオキサイド放散塔の加熱源の一部となり、プロピレンオキサイド放散塔の加熱源の水蒸気の削減を持たらす。さらに低圧蒸気を発生した残部の液はプロピレンオキサイド吸収塔底部からの液と熱交換され熱回収される。
一方、プロピレンオキサイド吸収塔底液は低圧蒸気を発生したプロピレンオキサイド放散塔底液の残部と熱交換された後、フラッシュタンクにて軽質分ガスを分離した後、プロピレンオキサイド放散塔頂部へ供給されてプロピレンオキサイドは放散される。本発明においてプロピレンオキサイド放散塔頂部から放散されるものは、大部分がプロピレンオキサイドおよび水、少量が二酸化炭素および微量の酸素、プロピレン、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン)、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等からなる放散物である。
本発明の他の特徴は、プロピレンオキサイド放散塔底部から抜き出した液が有する熱エネルギーを回収し、その回収熱エネルギーの有効利用を図ることである。
その手段としては、プロピレンオキサイド放散塔底部から出る液をプロピレンオキサイド放散塔底部の圧力より低い圧力で操作されるフラッシュタンクへ導入し、低圧蒸気を発生させる。この蒸気の発生は吸熱的であり溶液の温度の低下をもたらす効果がある。発生した蒸気は、電気駆動の遠心式圧縮機またはスクリュウ式圧縮機あるいは往復動式圧縮機により昇圧されプロピレンオキサイド放散塔底部の気相部へ供給されプロピレンオキサイド放散塔の加熱源の一部となり、プロピレンオキサイド放散塔の加熱源の水蒸気の削減を持たらす。さらに低圧水蒸気を発生した残部の液はプロピレンオキサイド吸収塔底部からの液と熱交換器により熱交換され熱回収される。
一方、プロピレンオキサイド吸収塔底液は低圧蒸気を発生したプロピレンオキサイド放散塔底液の残部と熱交換された後、フラッシュタンクにて軽質分ガスを分離した後、プロピレンオキサイド放散塔頂部へ供給されてプロピレンオキサイドは放散される。本発明においてプロピレンオキサイド放散塔から放散されるものは、大部分がプロピレンオキサイドおよび水、少量が二酸化炭素および微量の酸素、プロピレン、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン)、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等からなる放散物である。
また、熱回収されたプロピレンオキサイド放散塔底液は、さらに熱エネルギーを有しているため、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源として利用され、プロピレンオキサイド精留塔加熱源の水蒸気の削減をもたらす。一方プロピレンオキサイド放散塔頂から放散される放散物も熱エネルギーを有しているためプロピレンオキサイド精留塔加熱源として利用することができ、プロピレンオキサイド精留塔加熱源の水蒸気の削減をもたらす。
本発明において、プロピレンオキサイド脱水塔へ供給される供給蒸気の温度は5〜60℃、好ましくは10〜50℃であり、供給蒸気のプロピレンオキサイド濃度は80〜98重量%の範囲である。プロピレンオキサイド脱水塔の操作条件は、脱水塔頂点圧力0〜2kg/cm2G、好ましくは0.3〜0.6kg/cm2G、脱水塔頂温度10〜40℃、脱水塔底温度100〜130℃の範囲である。脱水塔底プロピレンオキサイド濃度は100ppm以下、好ましくは10ppm以下の範囲である。
本発明において、軽質分分離塔へ供給される供給液の温度は0〜50℃、好ましくは5〜30℃であり、供給源の組成は大部分がプロピレンオキサイドで、わずかの水等を含んでいる。軽質分分離塔の操作条件は、軽質分分離塔頂圧力は1〜10kg/cm2G好ましくは3〜7kg/cm2Gの範囲である。軽質分分離塔頂温度30〜90℃、軽質分分離塔温度30〜90℃の範囲である。軽質分分離塔底プロピレンオキサイド濃度は99.5重量%以上、好ましくは99.95重量%以上の範囲である。
本発明において、プロピレンオキサイド精留塔は棚段塔型式および充填塔型式がある。棚段塔型式の蒸留塔の棚段としては種々あるがバブルキャップトレイ、ユニフラックストレイ、ターボグリッドトレイ、リップトレイ、フレキシトレイ、シーブトレイ、バラストトレイ等が挙げられる。また、充填塔型式の精留塔の充填物としては、ラシヒリング、ボールリング、サドル型リング、スパイラルリング、マクマホンパッキング、インターロックスメタルパッキング、一論理段数あたり10mmHg以下の圧力損失を有する充填物、織物または編物構造の金網積層板等が挙げられる。本発明においてプロピレンオキサイド精留塔および軽質分分離塔は一理論段数あたり20mmHg以下、好ましくは15mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔形式および一理論段数あたり10mmHg以下、好ましくは8mmHg以下の圧力損失を有する充填塔形式が好ましい。
本発明において、プロピレンオキサイド精留塔へ供給される供給液の温度は30〜90℃、好ましくは50〜70℃であり、供給液の組成はプロピレンオキサイド濃度が99.5重量%以上、好ましくは99.95重量%以上の範囲に制御される。プロピレンオキサイドの精留塔の操作条件は、精留塔頂圧力1.0〜8.0kg/cm2G、好ましくは1.2〜5.0kg/cm2G、精留塔頂温度29〜81℃、精留塔底温度35〜85℃、精留塔底プロピレンオキサイド濃度は30〜90重量%、好ましくは40〜80重量%の範囲である。本発明において、プロピレンオキサイド精留塔底液は、水等の高沸点不純物からなる重質分である。
したがって、前記特徴は、プロピレンを金属触媒の存在下、分子状酸素含有ガスと接触気相酸化して生成したプロピレンオキサイドを含有する反応生成ガスをプロピレンオキサイド吸収塔へ導入し吸収液と向流接触させ、プロピレンオキサイド吸収塔頂部からのガスの一部はプロピレン酸化反応工程へ循環し、プロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液はプロピレンオキサイド放散塔へ供給し、プロピレンオキサイド放散塔頂部からプロピレンオキサイドを放散せしめ、プロピレンオキサイド放散塔底部から抜き出した液の一部は熱交換器にてプロピレンオキサイド吸収塔底部と熱交換した後、冷却器にて冷却した後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導き吸収液として循環使用し、残部はその液に含まれるプロピレングリコールを濃縮するため副生プロピレングリコール濃縮塔へ送る工程において、プロピレンオキサイド放散塔頂部から放散する蒸気が有する熱エネルギーを回収し、その回収熱エネルギーの有効利用を計ることである。その手段としてプロピレンオキサイド放散塔頂部から放散する蒸気をプロピレンオキサイド精留塔の加熱器に送り、熱交換し放散物を液化し、凝縮した液はプロピレンオキサイド放散塔へ還流し、未凝縮ガスは脱水塔へ供給する方式が採用される。さらにプロピレンオキサイド放散塔底部から抜き出した液はプロピレンオキサイド放散塔底部の圧力より低い圧力で操作されるフラッシュタンクへ導入し低圧蒸気を発生させ、電気駆動の圧縮機により昇圧されプロピレンオキサイド放散塔底部の気相部へ供給し、プロピレンオキサイド放散塔の加熱源の一部となり、プロピレンオキサイド放散塔加熱用水蒸気の削減をもたらす。一方、低圧蒸気を発生させたプロピレンオキサイド放散塔底液はプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換して熱量を回収した後、プロピレンオキサイド放散塔底液はプロピレンオキサイド精留塔の加熱器に導かれ、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源の一部として利用され、ついで冷却水で冷却されプロピレンオキサイド吸収塔へ導かれる。
一方、プロピレンオキサイド吸収塔底液はプロピレンオキサイド放散塔底部からの液と熱交換された後、フラッシュタンクにて軽質分ガスを分離した後、プロピレンオキサイド放散塔頂部へ供給されてプロピレンオキサイドは放散される。本発明においてプロピレンオキサイド放散塔から放散されるものは、大部分が水、プロピレンオキサイド、少量が二酸化炭素および微量の酸素、プロピレン、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン)、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等からなる放散物である。
本発明の第2の特徴は、前記第1の特徴の方法において、フラッシュ処理後の液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用し、ついで軽質分分離塔の加熱源に使用した後、冷却器にて冷却し、プロピレンオキサイド吸収塔へ導き吸収液として循環使用することにある。
本発明の第3の特徴は、前記第1の特徴の方法において、フラッシュ処理後の液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、軽質分分離塔の加熱源に使用した後、冷却し、プロピレンオキサイド吸収塔へ導き吸収液として循環使用することにある。
本発明の第4の特徴は、前記第1の特徴の方法において、フラッシュ処理後の液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源および軽質分分離塔の加熱源に使用した後、冷却器にて冷却し、プロピレンオキサイド吸収塔へ導き吸収液として循環使用することにある。
以下、本発明をさらに詳しく述べるために、図面に基づいて具体的な実施態様を説明する。しかし本発明はこの実施態様のみによって本発明の範囲を規制するものでない。
図2においてプロピレンを金属触媒の存在下、分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化して生成するプロピレンオキサイドを含む反応生成ガスを導管301を通して、充填塔あるいは棚段塔形式のプロピレンオキサイド吸収塔302の下部へ供給し、導管303から吸収塔302の上部へ、温度40℃以下、pH=6以上、プロピレングリコール濃度=1〜20重量%、消泡剤(水溶性シリコーンエマルション)濃度=1〜500ppmおよび残部は水から成る吸収液を導入し、反応生成ガスと向流接触させ反応生成ガス中のプロピレンオキサイドを吸収液に吸収させる。ここで反応生成ガス中の99重量%以上のプロピレンオキサイドが回収される。吸収塔302の塔頂から吸収しなかったプロピレン、酸素、二酸化炭素、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン)、アルデヒド等のガスは導管304を通して炭酸ガス吸収工程および/または酸化反応工程へ循環される。
プロピレンオキサイド吸収工程において、プロピレンオキサイドの他、プロピレン、酸素、二酸化炭素、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン)ならびにプロピレン酸化反応工程で生成したアクロレイン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等もその実質量が同時に吸収される。
プロピレンオキサイド吸収塔302の塔底液を、導管305、熱交換器306へ送り放散塔底液と熱交換し温度70〜110℃に高め、導管307により、フラッシュタンク308へ送られ、一部のプロピレンオキサイド、水を含む不活性ガスの軽質分ガスが導管309により分離される。軽質分ガスをフラッシュした残部の吸収液を導管310を通して圧力0.1〜2kg/cm2・G、温度90〜120℃のプロピレンオキサイド放散塔311の上部へ供給し、放散塔311の加熱器312へ導管313を通して水蒸気またはダウサム(米国ダウ社熱媒体商品)等の加熱媒体を供給して、加熱するかまたは直接プロピレンオキサイド放散塔の底部に水蒸気を導入して加熱し、プロピレンオキサイド放散塔311の底部からプロピレンオキサイドを実質的に含まない温度100〜150℃の放散塔底液の一部は導管314および導管315を通してフラッシュタンク385へ供給され、プロピレンオキサイド放散塔底部の圧力より低い圧力(例えば0.3〜2.0kg/cm2・abs、好ましくは0.5〜1.8kg/cm2・abs)迄圧力が下げられ低圧蒸気を発生させ、溶液の温度の低下をもたらす。フラッシュタンク385で発生した低圧蒸気は導管386を通して蒸気圧縮機387に送られプロピレンオキサイド放散塔311の塔底圧力0.5kg/cm2・G〜2.4kg/cm2・Gよりわずかに高い圧力(例えば0.6〜2.5kg/cm2・G)までに圧縮され、導管386aによりプロピレンオキサイド放散塔311の底部の気相部に送入される。
フラッシュタンク385でフラッシュした残部の液は、導管316aを通して熱交換器306で、プロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、導管316bからプロピレンオキサイド精留塔350の加熱器358に導かれ、加熱源として使用した後、導管316cから冷却器317を通して、導管321から水、水酸化カリウム水溶液および消泡剤(水溶性シリコーンエマルション)を添加し、導管303を通してプロピレンオキサイド吸収塔302に導入することができる。
一方、プロピレンを分子状酸素で酸化する酸化工程およびプロピレンオキサイド放散工程の間で吸収液中のプロピレンオキサイドと水との加水反応で生成する副生プロピレングリコール、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン等の増加を防ぐためプロピレンオキサイド放散塔311の塔底から導管314を通して抜き出した残部の吸収液は導管322を通して副生プロピレングリコール濃縮塔に送られる。
一方、プロピレンオキサイド放散塔311の塔頂部から放散されるプロピレンオキサイドを含む放散蒸気は、導管323を通して、プロピレンオキサイド精留塔350の加熱器360へ送り加熱源とした後、凝縮液および未凝縮蒸気は導管361を通して導管362および導管363に冷却水が通る凝縮器364へ送り、凝縮液は導管327を通してプロピレンオキサイド放散塔311の塔頂部へ還流し、未凝縮蒸気は導管328を通して脱水塔329へ供給される。
脱水塔329の加熱器330により、水蒸気またはダウサム(ダウ社商品)等の加熱媒体で導管331を通して加熱するか、または直接脱水塔329の下部へ水蒸気を導入する加熱方式により加熱し、脱水塔329の塔底から導管332を通して実質的にプロピレンオキサイドを含まない水が抜き出される。
脱水塔329の塔頂部からプロピレンオキサイドを含む蒸気は導管333を通して、導管335および導管336に冷却水またはブラインが通る凝縮器334へ入り、凝縮液の一部は導管337を通して脱水塔329の塔頂部へ還流し、凝縮器334の未凝縮蒸気は導管339を通して再プロピレンオキサイド吸収塔(図示してない)へ供給される。凝縮液の他部は導管338を通して軽質分分離塔340へ供給される。軽質分分離塔340の塔頂部から軽質分ガスを含むプロピレンオキサイド蒸気は導管343を通して凝縮器344へ送り、凝縮液は導管347を通して軽質分分離塔340の塔頂部へ還流し、未凝縮蒸気は導管348を通してプロピレンオキサイドを回収するため再プロピレンオキサイド吸収塔(図示してない)へ供給される。
軽質分分離塔340の塔底液は、導管349を通してプロピレンオキサイド精留塔350へ供給される。
プロピレンオキサイド精留塔350の加熱器360へプロピレンオキサイド放散塔311の塔頂部からの放散物を供給し、プロピレンオキサイド精留塔350の加熱器358に導管316bからプロピレンオキサイド放散塔底液を導入し、加熱する方式により加熱し、プロピレンオキサイド精留塔350の塔底温度35〜85℃、プロピレンオキサイド精留塔底圧力1.2〜8.2kg/cm2・Gで精留を行ない、プロピレンオキサイド精留塔頂から塔頂温度29〜81℃、塔頂部圧力1〜8kg/cm2・Gのプロピレンオキサイド蒸気を導管351を通して、プロピレンオキサイド凝縮器352へ送り、プロピレンオキサイドを液化し、一部は導管356を通してプロピレンオキサイド精留塔350の塔頂部へ還流液として供給し、他部は導管357を通してプロピレンオキサイド製品として抜き出される。
プロピレンオキサイド精留塔350の塔底液はアクロレイン、プロピオンアルデヒド、アセトアルデヒド等の重質分分離のため必要により導管367を通して抜き出される。
図3は、本発明の別の実施態様を示すもので、図2に示す方法において、プロピレンオキサイド精留塔450の加熱器458に供給されて加熱源として利用されたフラッシュタンク485からのプロピレンオキサイド放散塔底液を、さらに導管442aから軽質分分離塔440の加熱器441に供給して軽質分分離塔440の加熱源として利用し、ついで導管442bを経て熱交換器417へ戻した以外は同様な方法である。
図4は、本発明のさらに別の実施態様を示すもので、図2に示す方法において、フラッシュタンク585でフラッシュして得られる液を熱交換器506を通したのち、軽質分分離塔540の加熱源として使用した場合であり、例えば加熱器541に導管516bから導入して利用したのち、導管516cにより熱交換器517へ送られる。
図5は、本発明の他の実施態様を示すもので、図4に示す方法において、フラッシュタンク685でフラッシュして得られる熱を熱交換器606を通したのち、プロピレンオキサイド精留塔650および軽質分分離塔640の両方の加熱源として使用した場合であり、例えば導管616cを経て加熱器658、また導管642aを経て加熱器641に供給され、ついでいずれも導管616eを経て熱交換器617へ送られる。
本発明によって、プロピレンオキサイド放散塔底液をフラッシュするときに発生した蒸気がフラッシュドラムから分離され、圧縮手段によりプロピレンオキサイド放散塔底部の圧力より少し高い圧力に圧縮されプロピレンオキサイド放散塔底部に導入することにより、プロピレンオキサイド放散塔を加熱するに要する加熱熱量を大幅に減少することができる。
2,302,402,502,602 プロピレンオキサイド吸収塔
17,317,417,517,617 冷却器
8,308,408,508,608 フラッシュタンク
11,311,411,511,611 プロピレンオキサイド放散塔
12,312,412,512,612 プロピレンオキサイド放散塔加熱器
29,329,429,529,629 脱水塔
30,330,430,530,630 脱水塔加熱器
34,334,434,534,634 脱水塔凝縮器
40,340,440,540,640 軽質分分離塔
41,341,441,541,641 軽質分分離塔加熱器
44,344,444,544,644 軽質分分離塔凝縮器
50,350,450,550,650 プロピレンオキサイド精留塔
52,352,452,552,652 プロピレンオキサイド精留塔凝縮器
58,358,458,558,658 プロピレンオキサイド精留塔加熱器
360,460,560,660 プロピレンオキサイド精留塔加熱器
364,464,564,664 プロピレンオキサイド放散塔凝縮器
6,306,406,506,606 熱交換器
387,487,587,687 蒸気圧縮機
385,485,585,685 フラッシュタンク

Claims (13)

  1. プロピレンを分子状酸素含有ガスと接触気相酸化して生成したプロピレンオキサイドを含有する反応生成ガスをプロピレンオキサイド吸収塔へ導入して吸収液と向流接触させ、吸収塔頂部からのガスの一部はプロピレン酸化反応工程へ循環し、プロピレンオキサイドを含む吸収塔底液はプロピレンオキサイド放散塔へ供給し、放散塔頂部からプロピレンオキサイドを放散せしめ、放散塔底部から抜き出した液は吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する工程からなるプロピレンオキサイドの回収方法において、
    プロピレンオキサイド放散塔底部から抜き出した液をフラッシュ処理して気相部と液相部に分離し、
    気相部は圧縮してプロピレンオキサイド放散塔底部へ導入し、
    液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換し、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源および/または軽質分分離塔の加熱源とした後、吸収塔の吸収液とすることを特徴とする、プロピレンオキサイドの回収方法。
  2. 液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用し、ついで冷却器で冷却後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する、請求項1記載の方法。
  3. プロピレンオキサイド精留塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、請求項1記載の方法。
  4. 液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、プロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用し、ついで軽質分分離塔の加熱源に使用した後、冷却器で冷却後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する、請求項1記載の方法。
  5. プロピレンオキサイド精留塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、請求項4記載の方法。
  6. 軽質分分離塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、請求項4記載の方法。
  7. プロピレンオキサイド放散塔頂から放散される放散物をプロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用する、請求項1記載の方法。
  8. 液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、軽質分分離塔の加熱源に使用した後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する、請求項1記載の方法。
  9. プロピレンオキサイド軽質分分離塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、請求項7記載の方法。
  10. 液相部はプロピレンオキサイドを含むプロピレンオキサイド吸収塔底液と熱交換後、プロピレンオキサイド精留塔及び軽質分分離塔の加熱源に使用した後、冷却器で冷却後、プロピレンオキサイド吸収塔へ導いて吸収液として循環使用する、請求項1記載の方法。
  11. プロピレンオキサイド精留塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、請求項10記載の方法。
  12. プロピレンオキサイド軽質分分離塔は、一理論段数当たり20mmHg以下の圧力損失を有する棚段塔型式の精留塔、又は一理論段数当たり10mmHg以下の圧力損失を有する充填塔型式の精留塔である、請求項10記載の方法。
  13. プロピレンオキサイド放散塔頂から放散される放散物をプロピレンオキサイド精留塔の加熱源に使用する、請求項10記載の方法。
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