JP6142851B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの空調装置を有すると共に、アイドルストップによるエンジン自動停止を行うようにした車両の制御装置に関するものである。
車両用空調制御装置にあっては、コンプレッサ、コンデンサおよびエバポレータを含む冷風生成器と、エンジン冷却水を熱源とする温風生成器とを有して、冷風と温風との混合比率をエアミックスダンパによって変更して、所望温度の空調風を得るようにしている。そして、空調風は、ブロアファンによって車室内に送風されることになり、ブロアファンの回転数変更によって送風量が変更される。上記コンプレッサは、エンジンにより駆動され、また冷却水の循環を行うウオータポンプもエンジンにより駆動されるのが一般的である。したがって、エンジンが停止したときには、コンプレッサおよびウオータポンプが停止されることになる。
また、車両用空調制御装置にあっては、目標室内温度となるように実際の室内温度を自動制御するオートエアコンが主流となっている。空調の自動制御は、車室内の環境条件、車室外の環境条件、乗員による空調操作状態(特に目標室内温度の設定)を表すパラメータに応じて行われて、空調吹出温度、空調風の吹き出し口、空調風の吹出量等が自動設定されることになる。
一方、最近の車両では、燃費向上のために、車両停止時や停止直前の極低速時にエンジンを自動停止させるいわゆるアイドルストップを行うものが多くなっている。このアイドルストップは、あらかじめ設定された停止条件が成立しているを条件に実行され、この開始条件としては、例えば、車速が零であること(車両停止であること)、ブレーキ操作されていること、アクセル操作されていないこと、変速機がD位置にある等の全ての条件を満足するものとして設定されることが一般的である。
アイドルストップによるエンジン自動停止中にあっても、乗員の快適性確保の観点から、空調装置の動作を継続することが行われている。すなわち、エンジン自動停止されていても、エバポレータが所定の上限温度にまで上昇するまではその冷却機能を利用した空調制御を継続して行ない、ヒータコアが所定の下限温度にまで低下するまではその加温機能を利用した空調制御を継続して行うことがある。なお、冷房中にエバポレータが上記上限温度以上になった場合、または暖房中にヒータコアが上記下限温度以下に低下した場合は、それぞれエンジンが自動再始動されることになる。
一方、ワゴン車や大型のSUV車にあっては、3列シートと呼ばれるように、第1列となる運転席を含む前席となる第1列目シートの後方に、第2列目のシート、第2列目のシートの後方に配設される3列目のシートを有するものがある。この場合、空調のための車室内空間が大きくなるため、特許文献1に示すように、前席となる第1列目シート用となる前席用空調装置の他に、前席用空調装置とは別個独立して後席用空調装置を設けることが行われている。
特開2010−76516号公報
前述したように、互いに別個独立した前席用空調装置と後席用空調装置との両方の空調装置を有する場合に、その熱交換器の容量が相違することが多く、一般的には前席用空調装置の熱交換器の容量が、後席用空調装置の熱交換器の容量よりも大きく設定されている。
前席用乗員への快適性確保と後席乗員への快適性確保とを共に十分に満足させるには、前席用空調装置と後席用空調装置とで個別にエンジンの自動停止に関する許可信号と禁止信号とを生成して、両空調装置からそれぞれ許可信号が出力されているときにのみ、エンジンの自動停止が行われるようにすればよいことになる(いずれか一方の空調装置から禁止信号が出力されているときは、エンジンの自動停止が禁止されると共に、自動停止中にあっては自動再始動される)。
しかしながら、両空調装置からそれぞれ許可信号が出力されているときを条件としてエンジンの自動停止を行う場合に、許可信号の生成条件を、前席用空調装置と後席用空調装置とで同一に設定したのでは、エンジンの自動停止される機会が大幅に減少されてしまうことになる。すなわち、前席用空調装置の熱交換器に比して、後席用空調装置の熱交換器の容量が小さいため、後席用空調装置側から許可信号が出力されにくいものとなる。
このような観点から、乗員によって、燃費を重視した第1モードと、第1モードよりもエンジンの自動停止が行われにくい(つまり空調を重視した)第2モードとを選択可能とすることが考えられる。この場合、第1モードのときに、燃費重視ということで、各空調装置からも許可信号・禁止信号を無視する(エンジンの自動停止の条件として利用しない)ことが考えられる。しかしながら、この場合は、空調に関する乗員の快適性という点で問題となりやすいものになってしまう。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、第1モードと第1モードよりもエンジン自動停止が行われにくい第2モードとを乗員によりマニュアル選択できるようにした場合に、簡単な手法により燃費と空調による乗員への快適性確保とを共に高い次元で満足できるようにした車両の制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては、次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
第1の熱交換器を有する第1の空調装置および該第1の熱交換器よりも容量の小さい第2の熱交換器を有する第2の空調装置を有し、あらかじめ設定された条件に基づいてエンジンの自動停止を行うようにした車両の制御装置であって、
前記第1の空調装置および前記第2の空調装置からそれぞれ自動停止に関する出力信号が出力されるようにされ、
運転者によってマニュアル操作されて、第1モードと該第1モードよりもエンジンの自動停止が行われにくい第2モードとのいずれかを選択するためのモード選択手段が設けられ、
前記第2モードが選択されているときは、前記第1の空調装置および前記第2の空調装置からそれぞれ自動停止に関する出力信号が許可信号であることを条件に、エンジンの自動停止が行われるようにされ、
前記第1モードが選択されているときは、エンジンの自動停止に関して前記第2空調装置からの自動停止に関する出力信号を用いないようにされる、
ようにしてある。
上記解決手法によれば、燃費重視モードとなる第1モードが選択されているときは、第2空調装置からの許可信号・禁止信号を用いることなく(つまり第1の空調装置からの許可信号・禁止信号に基づいて)エンジンの自動停止・自動再始動が行われるので、自動停止する機会あるいは期間が増大されて、燃費向上となる。また、第1モードのときは、第1の空調装置による空調制御が良好に行われる範囲でもってエンジンの自動停止が行われるので、乗員の快適性が大きく阻害されてしまうことも防止される。さらに、第2モードのときは、2つの空調装置を有効に利用した空調重視の制御状態となり、特に後席乗員の快適性が十分に確保されることになる。勿論、燃費を重視した第1モードにするか、空調を重視した第2モードにするかは、乗員によって選択されるので、空調に対する要請および燃費に対する要請の両方を共に高い次元で満足させることができる。以上に加えて、選択されたモードに応じて、第2の空調装置の許可信号・禁止信号を利用するか否かを変更するだけでよいので、制御も簡単である。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記第1の熱交換器がインストルメントパネル内に設けられて、前記第1の空調装置が前席用とされ、
前記第2の熱交換器が車室内のうち前記第1の熱交換器よりも後方に設けられて、前記第2の空調装置が後席用とされている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、2つの空調装置を、前記用空調装置と後席用空調装置との一般的な使用形態のものとすることができる。また、後席用となって車室内に設けられる第2熱交換器が小容量とされるので、車室内スペースを極力犠牲にしない上で好ましいものとなる。
後席に乗員が着座していることを条件として、前記第2モードが選択可能とされる、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、後席に乗員が着座していなくて後席の空調が問題とならないときは、第1モードとされて、燃費向上の上で好ましいものとなる。
エンジンの自動停止中に、前記第1の空調装置および前記第2の空調装置の動作がそれぞれ継続して行われるようにされ、
エンジンの自動停止中に、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器とのいずれか一方の温度が所定温度を超えたときに、エンジンが自動再始動され、
前記第1モードが選択されているときは、前記第2の熱交換器の温度を自動再始動の条件として用いないようにされる、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、エンジンの自動停止中に各空調装置の動作を継続して行う場合に、小容量となる第2の熱交換器の温度変化度合いが大きいため、第1の熱交換器に比して早期に所定温度を超えることになるが、燃費重視となる第1モードのときはこの第2熱交換器の温度に基づくエンジンの自動再始動は行われないようにして、エンジン自動停止している期間を長く確保することができ、燃費向上の上で好ましいものとなる。
本発明によれば、2つの空調装置における熱交換器の容量が互いに異なるということを有効に利用した簡単な手法によって、燃費と空調による乗員への快適性確保とを共に高い次元で満足させることができる。
本発明が適用された車両の簡略側面図。 本発明が適用された車両の簡略平面図。 空調システムの一例を示す系統図。 前席用空調装置における冷風生成器と温風生成器との一例を示す図。 前席用空調装置における空調の操作パネル部分の一例を示す図。 後席用空調装置における冷風生成器と温風生成器との一例を示す図。 後席用空調装置における空調の操作パネル部分の一例を示す図。 前席用空調装置における空調システムの制御系統例を示す図。 エンジン自動停止の制御系統例を示す図。 後席用空調装置における空調システムの制御系統例を示す図。 図8に示すBCMへの入力信号例を示す図。 第2モードのときの制御例を示すタイムチャート。 第1モードのときの制御例を示すタイムチャート。 本発明の制御例を示すフローチャート。 2つの空調装置での許可信号と禁止信号との利用態様をモード別にまとめて示す図。
図1、図2は、本発明が適用された車両Vの一例を示すもので、乗員が着座されるシートが、前方から後方へ順次、運転席および助手席からなる前席としての第1列目シートST1、後席としての第2列目シートST2、後席としての第3列目シートST3の3列シートとされている。図1、図2中、SHはステアリングハンドル、DPはインストルメントパネルである。また、フロントウインドガラスが符号FGで示され、運転席と助手席との間のセンターコンソールが符号CCで示される。
車両Vは、サイドドアとして、第1列目シートST1の左右側方にある左右の前サイドドアSD1と、第2列目シートST2の左右側方にある後サイドドアSD2とを有する。第3列目シートST3への乗り降りは、後サイドドアSD2を利用して行われる。そして、車両Vは、その後壁部が、開閉されるバックドアBDにより構成されている。図2に示すように、第1列目シートST1は、運転席と助手席とで構成されて、2名が着座可能とされている。第2列目シートST2は、3人が着座可能とされている。第3列目シートST3は、2人が着座可能とされている。
各シート(のシートクッション)には、乗員が着座されたことを検出するための例えば感圧スイッチ等からなる乗員(着座)検出センサJSが配設されている。また、車両Vには、後サイドドアSD2が開かれていることを検出するドアスイッチDS1と、バックドアBDが開かれていることを検出するドアスイッチDS2とが設けられている。
車両Vには、互いに別個独立した前席用空調装置Kと、後席用空調装置KRとが設けられている。まず、図3を参照しつつ、前席用空調装置Kについて説明する。流入口1を有する通路部2には、その上流側(流入口1)から下流側に向かって順次、切換ダンパ3、ブロアファン4、エバポレータ5が配設されている。通路部2のうちエバポレータ5の下流側部分が、隔壁6によって互いに並列に2つの独立通路7、8に区画され、この独立通路7、8の下流側は互いに合流された共通室9とされている。
前記隔壁6には、2つの独立通路7、8に突出するようにして、ヒータコア10が保持されている。独立通路7には、ヒータコア10の直上流側においてエアミックスダンパ11が配設されている。同様に、独立通路8には、ヒータコア10の直上流側においてエアミックスダンパ12が配設されている。通路部2には、前記共通室9よりも上流側の独立通路7に臨ませて運転席用のエア通路13が開口されている。また、通路部2には、前記共通室9よりも上流側の独立通路8に臨ませて助手席用のエア通路14が開口されている。さらに、共通室9に臨ませて、複数のエア通路15〜17が開口されている。エア通路15は例えばデフロスタ用とされ、エア通路16、17は例えばサイドベント用とされている。各エア通路13〜17には、開度調整用のダンパ13A〜17Aが配設されている。
エアミックスダンパ11の開度(位置)変更により、エバポレータ5を通過した冷却エアがヒータコア10を経由する割合が変更されて、独立通路7を通過した直後のエアの温度および湿度が調整される。この独立通路7を通過した直後のエアが、運転席に供給されることになる。なお、エアミックスダンパ11は、電気式のモータ(アクチュエータ)11Aによって駆動されて、開度0%〜100%の範囲で任意の開度をとり得るようになっている。
エアミックスダンパ12の開度(位置)変更により、エバポレータ5を通過した冷却エアがヒータコア10を経由する割合が変更されて、独立通路8を通過した後のエアの温度および湿度が調整される。この独立通路8を通過した直後のエアが、助手席に供給されることになる。なお、エアミックスダンパ12は、電気式のモータ(アクチュエータ)12Aによって駆動されて、開度0%〜100%の範囲で任意の開度をとり得るようになっている。
前述の説明から明らかなように、実施形態では、運転席用と助手席用との空調が個別に制御可能となっている。そして、エアミックスダンパ11、12の開度を図中実線で示す100%としたときに、運転席および助手席に対する空調温度がもっとも高くされる。逆に、エアミックスダンパ11、12の開度を図中破線で示す0%としたときに、運転席および助手席に対する空調温度がもっとも低くされる。なお、エア通路15〜17へは、独立通路7と8とを通過した空調エアが混合された混合エアが供給されることになる。
18は、流入口1近傍に設けられた内気導入口であり、前述した切換ダンパ1により外気導入と内気循環とが切換えられる。
図4は、エバポレータ5に対する冷媒の循環経路と、ヒータコア10に対するエンジン冷却水の循環経路を示すものである。この図4において、コンプレッサ50の回転軸に取付けたプーリ51と、エンジンEG(のクランク軸)に取付けたプーリ52との間にベルト53が巻回されて、エンジンEGによってコンプレッサ50が回転駆動される。コンプレッサ50によって圧縮された冷媒が、配管54、コンデンサ55、配管56を経てエバポレータ5に供給される。エバポレータ5に供給された冷媒は、空調風と熱交換された後に、配管57を経てコンプレッサ50に戻される。上記コンプレッサ50、コンデンサ55、エバポレータ5が、冷風生成器の主要構成要素となる。なお、プーリ51にはクラッチ51Aが組み込まれて、エンジンEGが作動しているときでも、適宜コンプレッサ50の駆動を停止可能とされている。
一方、エンジンEGによって駆動されるウオータポンプ60からの冷却水は、配管61を経てヒータコア10に供給されて、ヒータコア10によって空調風と熱交換される。そして、ヒータコア10内の冷却水は、配管62を経てウオータポンプ60へ戻される。このウオータポンプ60とヒータコア10とが、温風生成器の主要構成要素となる。
図5は、乗員により操作される空調用パネル部KPの一例を示すものであり、インストルメントパネルにセットされている。実施形態では、運転席と助手席とで左右独立して温度制御するものに対応しており、乗員により操作されるスイッチとして、次のように設定されている。
まず、スイッチ21は、オートエアコンをONするメインスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ22は、運転席の温度設定スイッチであり、ダイアル式とされている。スイッチ23は、オートエアコンのOFFスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ24は、風量調整用スイッチであり、ダイアル式とされている。スイッチ25は、助手席用の温度を個別に選択する際に操作されるもので、プッシュ式とされている。スイッチ26は、助手席用の温度調整用であり、ダイアル式とされている。
スイッチ31は、エアコンをOFFするスイッチである。スイッチ32は、フロントデフロスタ作動用のスイッチである。スイッチ33は、リアデフロスタ作動用スイッチである。スイッチ34、35は、空調風の吹出口選択用スイッチである。スイッチ36は、外気導入選択用のスイッチである。スイッチ37は、内気循環選択用のスイッチである。各スイッチ31〜37は、それぞれプッシュ式とされている。
図6は、後席用空調装置KRを示すものであるが、その構成は前席用空調装置Kと基本的に共通であるので、前席用空調装置Kに対応した構成要素には、前席用空調装置Kについて用いた符号に「R」の符号を付してその重複した説明は省略する。すなわち、通路部が符号2Rで示され、ブロアが符号4Rとして示され、エバポレータが符号5Rで示され、共通室が符号9Rで示され、ヒータコアが符号10Rで示され、エアミックスダンパが符号12Rで示される。
後席用空調装置KRについて、前席用空調装置Kと相違する部分は、次のとおりである。まず、内気のみが流入されるようになっている(外気導入はなし)。また、吹出口は、第2列目シートST2に着座する乗員に対して、足下用の吹出口18Rと、顔用の吹出口19Rとを有するのみとなっており、その切換用のリアモードダンパが符号20Rで示される。
後席用空調装置KR用のエバポレータ5R、ヒータコア10Rは、前席用空調装置Kにおけるものよりも小容量(小型)とされている。後席用空調装置KR用のエバポレータ5Rは、図5においては図示を略すが、前席用空調装置K用のエバポレータ5と直列あるいは並列に配管57に接続されている。同様に、後席用空調装置KR用のヒータコア10Rは、図5においては図示を略すが、前席用空調装置K用のヒータコア10と直列あるいは並列に配管62に接続されている。なお、後席用空調装置KR用のエバポレータ5R用に、別途コンプレッサ50、コンデンサ55を設けるようにしてもよく、またヒータコア10R用に、別途エンジン冷却水配管を設けるようにしてもよい。
図1、図2に示すように、上述した前席用空調装置K(のエバポレータ5,ヒータコア10)は、インストルメントパネルDP内に装備され、後席用空調装置KR(のエバポレータ5R、ヒータコア10)は、センターコンソールCC内に装備されている。そして、後席用空調装置KRの吹出口18R、19Rは、センターコンソールCCの後端部に位置されている(第1列目シートST1の後部付近で第2列目シートST2の前方に位置されている)。
図7は、後席用の空調用パネル部KPRの一例を示すものであり、センターコンソールCCの後部に配設されている。実施形態では、乗員により操作されるスイッチとして、次のように設定されている。まず、スイッチ21Rは、後席用空調装置KRをONするメインスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ22Rは、温度設定スイッチであり、ダイアル式とされている。スイッチ23Rは、オートエアコンのオンスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ24Rは、風量変更スイッチであり、ダイアル式とされている。スイッチ31Rは、エアコンをOFFするスイッチであり、プッシュ式とされている。スイッチ34Rは、空調風の吹出口選択用スイッチであり、プッシュ式とされている(プッシュする毎に吹出口が変更)。
図8は、前席用の空調システムKの制御系統例を示すものである。この図8中、UKは、マイクロコンピュータを利用して構成された空調システム用のコントローラ(制御ユニット)である。このコントローラUKには、前述した各種スイッチからの信号が入力される他、温度センサS0で検出されたヒータコア10の温度、外気温センサS1で検出された外気温度、内気温センサS2で検出された室内温度、日射センサS3で検出された車室内への日射状態、温度センサS4で検出されたエバポレータ8の温度に関する信号、エアミックスダンパ11、12の実際の開度を検出する開度センサ11B、12Bからの信号が入力される。また、コントローラUKは、前述した各ダンパ等の機器類1、4、11(11A)、12(12A)、13A〜17A、18の他、エンジンと冷媒圧縮用コンプレッサとの動力伝達経路に介在されたコンプレッサクラッチ51A(図4をも参照)を制御するようになっている。コントローラUKと、上記センサ、スイッチ、機器類とは、低速通信系でもって接続されている。
コントローラUKは、基本的に、各種センサS0〜S4で検出される車内外の環境条件と乗員によるスイッチ操作状態に応じて、目標室内温度を設定すると共に、実際の室内温度が目標室内温度にするのに最適な空調風吹出量、空調エア温度、空調風の吹出口の選択等を自動制御する。以上に加えて、コントローラUKには、運転者によりマニュアル操作されるエコスイッチS20からの信号が入力される。このエコスイッチS20は、燃費を重視した第1モードと、空調を重視した第2モードとを選択するためのものとなっている。なお、エコスイッチS20の選択に応じた制御の詳細については後述する。
上記コントロールユニットUKは、後席用空調装置KR用のコントロールユニットUKRと接続されており。このコントロールユニットUKRの制御系等例が図10に示される。図10において、図8に示すものに対応したセンサや機器類については、図8で示す符号に「R」の符号を付加することにより、その重複した説明は省略する。
図8に示す低速通信系となるコントローラUKは、インストルメントパネルに設けたメータを介して、高速通信系(CAN)に対して接続されている。この高速通信系には、エンジン自動停止と自動再始動を含むエンジン制御を行うPCM、自動変速機の変速制御等を行うTCM、エンジン自動停止時の自動ブレーキ制御を含むブレーキ制御を行うDSC、ドアの開閉状態の検出を含む車体回りの制御を行うBCM、キーの車内置き忘れの検出を含むスマートキーレスに関する制御を行うキーレスコントロールモジュール(SKEで表示)、パワーステアリング制御を行うEHPASが含まれる。コントローラUKには、PCMからアイドリングストップ状態に関する情報が入力される一方、コントローラUKからPCMに対して、後述するように、空調制御状態に応じてアイドリングストップの許可信号または禁止信号を出力するようになっている。また、DSCには車速センサS10が接続されており、車速センサS10で検出された車速信号は、CANを経由してコントローラUKおよびPCMに入力される。
図11に示すように、上記BCMには、図1に示す各スイッチJS、DS1、DS2からの信号が入力されるようになっている。このドアスイッチDS1、DS2による検出信号に基づいて、後サイドドアSD1あるいはバックドアBDが荷物の積み降ろし等で所定時間以上開いていたときは、後席の空調が大きく乱れている一方、このことは乗員が十分に承知していることから、後席用空調装置KRに対する空調要請は低いものであると考えられる。したがって、この場合は、後席用空調装置KRの空調制御状態に応じたアイドルストップ禁止信号を出力しないようにするようになっている。なお、この点は本発明とは直接関係がないので、これ以上の説明は省略する。
図9は、アイドリングストップに関する制御を行うPCMに関する詳細な制御系統例を示すものである。この図9において、PCMには、各種センサあるいはスイッチS10〜S19からの信号が入力される。センサS11は、アクセル開度を検出するアクセルセンサである。センサS12は、スロットル開度を検出するスロットルセンサである。センサS13は、クランクシャフトの回転角度位置を検出する角度センサである。センサS14は、吸気温度を検出する吸気温センサである。センサS14は、冷却水温を検出する水温センサである。センサS16は、負圧式倍力装置を有するブレーキ装置における負圧を検出する負圧センサである。スイッチS17は、ブレーキペダルが踏み込み操作されていることを検出するブレーキスイッチであり(ストップライトスイッチと兼用)。センサS18は、自動変速機のレンジ位置を検出するレンジ位置センサである。S19は、バッテリの充電量、電圧、消費電流等を総合的に検出するバッテリセンサである。
PCMは、エンジンの自動停止(アイドルストップ)と自動再始動の制御に関連して、次のような各種機器類41〜47を制御するようになっている。すなわち、41は、スロットルバルブを駆動するアクチュエータであり、エンジン自動停止時に全閉とされる。42は、電動式の可変バルブタイミング装置における駆動モータであり、エンジン自動停止時に、自動再始動に備えて吸気弁の開閉タイミングを遅らせる。43は、燃料噴射弁であり、エンジン自動停止の際に燃料噴射がカットされる。44はイグニッションコイルであり、エンジン自動停止時には通電が停止されて点火が禁止される。45はスタータモータであり、エンジン自動再始動時に駆動される。46は、オルタネータであり、エンジン自動停止時に、オルタネータの負荷を上げることによりエンジン回転数を下げる。47は、DC/DCコンバータであり、エンジン自動再始動時のためにクランキングを行う際に、バッテリの電力低下を補うように制御される。
車両停止時にエンジンを自動停止するアイドルストップが行われるが、これは、後述するアイドルストップ禁止条件の1つでも成立していないことを条件に実行される。
自動停止禁止条件(アイドルストップ禁止条件)
(1)車速が0でないとき。
(2)乗員によるブレーキ操作が行われていないとき。
(3)アクセルペダルが踏み込み操作されているとき。
(4)バッテリに関連して、電圧が所定電圧以下の低電圧のとき、充電量があらかじめ設定された所定充電量以下のとき、消費電流があらかじめ設定された所定電流以上のとき、あるいはバッテリ制御システムが異常のとき(異常信号発生のとき)。
(5)ハンドル舵角がニュートラル位置から所定の小舵角範囲内にないとき。
(6)変速機に関連して、変速機がDレンジ位置にないとき、油温が所定温度範囲内にないとき、油圧が所定圧力範囲内にないとき、変速機異常信号が発生されているとき、クラッチ(ロックアップクラッチを含む)に異常があるとき。
(7)エンジンに関連して、冷却水温度が所定温度範囲にないとき、吸気温度が高すぎるとき、大気圧が低いとき。
(8)負圧式倍力装置を含むブレーキ装置でのブレーキ負圧が不足するとき、あるいはエンジンシステムの異常信号が発生されたとき。
(9)車体回りに関連して、イグニッションキーが車外に持ち出されているとき(スマートキーレスエントリーシステムの場合)、シートベルトが取外されているとき、いずれかのドアが開いているとき、あるいはボンネットが開いているとき。
(10)路面の傾斜角度が大きいとき。
(11)空調用コントローラUKから自動停止禁止信号が出力されているとき。この点については、後に詳述する。
上述の自動停止禁止条件はあくまで一例を示すものであり、その他の禁止条件を付加してもよい。例えば、エンジン自動停止を運転者の意思によってキャンセル(禁止)するISスイッチ(図示略)がONされているとき、エンジン回転数があらかじめ設定された回転数(安定したときのアイドル回転数よりもかなり高い回転数)以上の高回転であるととき、等の条件をさらに追加してもよい。逆に、上記禁止条件の一部を削除した設定とすることもできる。
エンジンを自動停止しているアイドルストップ状態からエンジンを自動再始動する自動再始動開始条件としては、上記自動停止禁止条件のいずれか1つが解除されたときとして設定することができるが、特に、少なくとも乗員によるブレーキ操作が解除されたときを自動再始動の条件として設定するのが好ましい。
次に、空調システムK(KRについても基本的に同じ)に関連した自動停止禁止条件について説明する。まず、空調の自動制御は、内気温センサS2で検出される実際の室内温度が、乗員により選択された温度調整ダイアル22、26に基づいて設定される目標室内温度に近づくように制御される。この空調自動制御に際しては、空調風の温度、吹出口の選択、空調風吹出量等が自動制御されることになる。
空調用のコントローラUK(UKRについても同じ)は、次の場合に、空調を優先すべく、車両停止時におけるエンジンの自動停止を禁止する禁止信号を出力する。なお、空調用コントローラUKは、自動停止禁止信号を出力しないときは、自動停止許可信号を出力する。なお、前席用のコントローラUKは、後席用のコントローラUKRからの許可信号・禁止信号を考慮した最終的な許可信号・禁止信号の出力をPCMに対して出力するようになっているが、この点については後述する。
空調システム側からの自動停止禁止条件
(1)空調システムKにおける各種センサ等の異常が発生したとき。
(2)外気温度が、極めて高いとき(例えば40度C以上)、または極めて低いとき(例えば−10度C以下)。
(3)デフロスタを使用しているとき(視界確保を優先)。
(4)乗員により選択された室内温度が、高温側の上限値であるとき(暖房要求が極めて強いとき)。
(5)乗員により選択された室内温度が、低温側の下限値でありかつエアコン作動されているとき(冷房要求が極めて強いとき)。
(6)目標室内温度と実際の室内温度との偏差が所定値よりも大きいとき。
空調用コントローラUKは、上記自動停止禁止条件が成立しないときは、エンジン自動停止時であっても、空調制御を行う。このことは、後席用の空調用コントローラUKRにおいても同じである。
アイドルストップによるエンジン自動停止中は、基本的に、前席用空調装置Kおよび後席用空調装置KR共に、その動作を継続して行うようになっている。ただし、冷房中での上記動作継続中に、エバポレータ5あるいは5Rの温度があらかじめ設定された所定の上限温度以上になったときは、冷風生成機能を期待できないことから、自動停止の禁止信号を出力して、エンジンを自動再始動させるようになっている。同様に、暖房中での上記動作継続中に、ヒータコア10あるいは10Rの温度があらかじめ設定された所定の下限温度以下になったときは、温風生成機能を期待できないことから、自動停止の禁止信号を出力して、エンジンを自動再始動させるようになっている。
前述したように、空調用コントローラUKおよびUKRはそれぞれ、エンジンの自動停止についての許可信号と禁止信号とを個別に生成する(生成ロジックは基本的に共通)。そして、空調用コントローラUKは、空調用コントローラUKRからの許可信号・禁止信号を受信して、最終的に、空調装置側からの許可信号・禁止信号をエンジン側制御系(PCM)へ出力する。勿論、エンジン側制御系では、空調装置側から許可信号が出力されたときを条件としてエンジンの自動停止を行い、空調装置側から禁止信号が出力されたときはエンジンの自動停止を行わない(エンジンの自動停止中に空調装置側から禁止信号が出力されたときは、ただちにエンジンの自動再始動が行われる)。
次に、コントローラUKからの許可信号・禁止信号とエンジンの自動停止・自動再始動との関係について説明する。まず、後席となる第2列目シートST2あるいはST3に乗員が着座していないときは、後席用空調装置KRの空調制御は不用なときであるとして、エコスイッチS20の操作状況にかかわらず、後席用空調装置KRに基づくエンジンの自動停止、自動再始動は行わないようになっている(後席用となる空調用コントローラUKRからの許可信号と禁止信号とは無視される)。
いま、後席に乗員が着座しているときは、次のような制御が行われる。
(1)エコスイッチS20がオフされて、第2モード(空調重視のモード)が選択されているとき。このときは、前席用となるコントローラUKと後席用となるコントローラUKRとがそれぞれ許可信号を生成しているときに限り、コントローラUKからエンジン側制御系へ許可信号が出力される。これにより、エンジン側制御系で自動停止条件が成立すれば、エンジンが自動停止される。また、前席用となるコントローラUKと後席用となるコントローラUKRとのいずれか一方が禁止信号を生成しているときは、コントローラUKはエンジン側制御系へ禁止信号を出力して、エンジンの自動停止は行われないものとされる。
(2)エコスイッチS20がオンされて、第1モード(燃費重視のモード)が選択されているとき。このときは、前席用のコントローラUKで生成された許可信号または禁止信号がそのままエンジン側制御系へ出力される(後席用のコントローラUKRで生成された許可信号、禁止信号は無視される)。つまり、空調制御に起因するエンジンの自動停止、自動再始動は、もっぱら前席用空調装置Kの制御状態に基づくものとなる。
上記(1)、(2)で説明した、前席用コントローラUKで生成される許可信号・禁止信号と、後席用コントローラUKRで生成される許可信号・禁止信号と、前席用のコントローラUKからエンジン側制御系への最終的な許可信号、禁止信号の出力との関係が、まとめて図15に示される(Outputで示す欄が、エンジン側制御系への出力となる)。この図15から明かなように、空調重視となる第2モードは、燃費重視となる第1モードに比して、エンジンが自動停止されにくいものとなる。
図12は、空調重視となる第2モードが選択されているときに、エンジンの自動停止開始から、自動停止継続を経て、エンジンが自動再始動されるまでのタイムチャートを示す。なお、図12は、冷房中であることを前提としている。この図12において、t1時点よりも前の時点では、コントローラUKからエンジン側制御系へ許可信号が出力されているものの、例えば車速が0にならない等のエンジン側の停止条件が満足されていないために、エンジンは駆動されている状態である。t1時点になると、エンジン側制御系での停止条件が満足されて、エンジンが自動停止される。
t1時点の直後は、エバポレータ5、5Rの温度は十分に低いために、その冷風生成機能は十分に発揮されるが、時間の経過と共にその温度が徐々に上昇される。ただし、エバポレータ5Rの容量がエバポレータ5の容量よりも小さいために、温度上昇度合いはエバポレータ5Rの方が大きいものとなる。
t2時点では、前席用のエバポレータ5の温度は所定値(所定温度)よりも十分に低いものの、後席用のエバポレータ5Rの温度が所定値(所定温度)にまで上昇して、エバポレータ5Rによる冷風生成機能が期待できない状態となっている。このときは、後席用のコントローラUKRが禁止信号を生成して、この禁止信号をコントローラUKに出力する。そして、コントローラUKは、エンジン側へ禁止信号を出力して、エンジンが自動再始動されることになる。このように、エンジンが自動停止されている期間は、t1時点からt2時点までの短い期間となる。
なお、第2モードにおいて、後席用空調装置KRからの要請に基づいてエンジンが自動再始動されることは、暖房中においても同様である(後席用のヒータコア10Rの温度が前席用のヒータコア10の温度よりも早期に低下して、後席用のコントローラUKRからの禁止信号に基づいてエンジンが自動再始動されることになる)。
図13は、燃費重視となる第1モードが選択されているときに、エンジンの自動停止開始から、自動停止継続を経て、エンジンが自動再始動されるまでのタイムチャートを示す。なお、図13は、冷房中であることを前提としている。この図13において、t11時点よりも前の時点では、コントローラUKからエンジン側へ許可信号が出力されているものの、例えば車速が0にならない等のエンジン側の停止条件が満足されていないために、エンジンは駆動されている状態である。t11時点になると、エンジン側での停止条件が満足されて、エンジンが自動停止される。
t11時点の直後は、エバポレータ5、5Rの温度は十分に低いために、その冷風生成機能は十分に発揮されるが、時間の経過と共にその温度が徐々に上昇される。ただし、エバポレータ5Rの容量がエバポレータ5の容量よりも小さいために、温度上昇度合いはエバポレータ5Rの方が大きいものとなる。t11時点後となるt12時点で、後席用のエバポレータ5Rの温度が所定値にまで上昇しているものの、前席用のエバポレータ5の温度は上記所定値よりも十分に低い状態となっている。
t13時点では、前席用のエバポレータ5の温度が、上記所定値にまで上昇した時点である。このt13時点で、コントローラUKからエンジン側へ禁止信号が出力されて、エンジンが自動再始動される。なお、前述した第2モードでは、t12時点でエンジンの自動停止が終了されて自動再始動されるが、第1モードではそれよりも相当に遅いt13時点までエンジンの自動停止が継続されることとなり、燃費向上となる。なお、第1モードにおいて、前席用空調装置Kからの要請に基づいてエンジンが自動再始動されることは、暖房中においても同様である(後席用のヒータコア10Rの温度が所定温度にまで低下した後に、前席用のヒータコア10の温度が所定温度にまで低下した時点で、エンジンが自動再始動されることになる)。
図14は、前述した制御例を示すフローチャートであり、以下このフローチャートについて説明する。なお、以下の説明でQはステップを示す。まず、Q1においてデータ入力された後、Q2において、後席への着座人数が1人以上であるか否かが判別される(後席乗員の有無の判別)。このQ2の判別でYESのときは、Q3において、エコスイッチS20がオンされて第1モードが選択されているか否かが判別される。このQ3の判別でNOのときは、Q4において、前席用と後席用の両方のコントローラUK、UKRの両方の許可信号・禁止信号に基づいて設定される最終的な許可信号・禁止信号が、エンジン側制御系へ出力される。
前記Q3の判別でYESのときは、Q5において、前席用となるコントローラUKでの許可信号・禁止信号が、そのまま最終的な許可信号・禁止信号としてエンジン側制御系へ出力される。前記Q2の判別でNOのときも、Q5での処理が行われる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能であり、例えば次のような場合をも含むものである。熱交換器の容量が異なる2つの空調装置の配設位置は適宜選択、変更できる。第2列目のシートST2および第3列目シートST3への着座可能人数は適宜変更でき、例えば第2列目シートST2への着座可能人数が例えば2名であってもよく、また第3列目シートST3への着座可能人数が3名であってもよい。シートは、前後2列のシートであってもよい(第3列目シートなし)。後席用空調装置KRは、その吹出口(特に冷風吹出口)をルーフ付近の高所に設けたものであってもよい。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、2つの空調装置を有する車両用として好適である。
UK:コントローラ
UKR:コントローラ(後席用)
EG:エンジン
K:空調システム
KR:空調システム(後席用)
JS:乗員センサ
S20:エコスイッチ(モード選択用)
4:ブロアファン
4R:ブロアファン(後席用)
5:エバポレータ
5R:エバポレータ(後席用)
10:ヒータコア
10R:ヒータコア(後席用)
50:コンプレッサ
55:コンデンサ
60:ウオータポンプ

Claims (4)

  1. 第1の熱交換器を有する第1の空調装置および該第1の熱交換器よりも容量の小さい第2の熱交換器を有する第2の空調装置を有し、あらかじめ設定された条件に基づいてエンジンの自動停止を行うようにした車両の制御装置であって、
    前記第1の空調装置および前記第2の空調装置からそれぞれ自動停止に関する出力信号が出力されるようにされ、
    運転者によってマニュアル操作されて、第1モードと該第1モードよりもエンジンの自動停止が行われにくい第2モードとのいずれかを選択するためのモード選択手段が設けられ、
    前記第2モードが選択されているときは、前記第1の空調装置および前記第2の空調装置からそれぞれ自動停止に関する出力信号が許可信号であることを条件に、エンジンの自動停止が行われるようにされ、
    前記第1モードが選択されているときは、エンジンの自動停止に関して前記第2空調装置からの自動停止に関する出力信号を用いないようにされる、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1の熱交換器がインストルメントパネル内に設けられて、前記第1の空調装置が前席用とされ、
    前記第2の熱交換器が車室内のうち前記第1の熱交換器よりも後方に設けられて、前記第2の空調装置が後席用とされている、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項2において、
    後席に乗員が着座していることを条件として、前記第2モードが選択可能とされる、ことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項2または請求項3において、
    エンジンの自動停止中に、前記第1の空調装置および前記第2の空調装置の動作がそれぞれ継続して行われるようにされ、
    エンジンの自動停止中に、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器とのいずれか一方の温度が所定温度を超えたときに、エンジンが自動再始動され、
    前記第1モードが選択されているときは、前記第2の熱交換器の温度を自動再始動の条件として用いないようにされる、
    ことを特徴とする車両の制御装置。


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