JP6142814B2 - 光センサ - Google Patents

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本発明は、車両の上方または前方からの光を受光する光センサ装置に関する。
従来より、車両前方の光を検出する第1受光部と車両上方の光を検出する第2受光部とを備えた光センサが、例えば特許文献1で提案されている。具体的には、各受光部で検出された光の強度の両方が閾値を下回ったときに車両のライトを点灯させるように構成された光センサが提案されている。
このような光センサが設置された車両が橋げた等の建築物の下を通過した場合、第1受光部で検出された光の強度が閾値を下回るタイミングと、第2受光部で検出された光の強度が閾値を下回るタイミングと、がそれぞれ異なる。このため、橋げた等の建築物の下で車両のライトを点灯させてしまうことはない。
米国特許第6376824号明細書
しかしながら、上記従来の技術では、車両が進入する橋げた等の建築物の距離は一定ではなく建築物毎に異なる。このため、第1受光部で検出された光の強度と第2受光部で検出された光の強度との両方が閾値を下回り、ライトが誤点灯してしまう可能性がある。
本発明は上記点に鑑み、橋げた等の建築物に進入した車両のライトの誤点灯を防止し、ユーザの点灯フィーリングを向上させることができる光センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両(60)の上方から照射される光の第1強度を第1強度信号として出力する第1受光素子(11)と、車両(60)の前方から照射される光の第2強度を第2強度信号として出力する第2受光素子(12)と、を備えている。
また、第1受光素子(11)から第1強度信号を入力すると共に、第2受光素子(12)から第2強度信号を入力し、第1強度及び第2強度に基づく演算処理を行うことにより、車両(60)のライト(40)を点灯させるか否かを判定させるためのセンサ信号を生成すると共に当該センサ信号を出力する補正回路部(13)を備え、演算処理は、第1強度と第2強度とを比較することにより、第1強度及び第2強度のうち強度が高い方をセンサ信号とする比較処理であることを特徴とする。
これによると、補正回路部(13)は光の検出方向によって明るさが異なる第1強度及び第2強度の両方を用いて演算処理を行っている。このため、車両(60)の上方の明るさまたは暗さと、車両(60)の前方の暗さまたは明るさと、が互いに補完される。これにより、車両(60)の前方の状況に応じたセンサ信号が生成されるので、橋げた(90)等の建築物に進入した車両(60)のライト(40)の誤点灯を防止することができる。また、ユーザの点灯フィーリングを向上させることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る光センサを含んだオートライトシステムの構成図である。 各受光素子が車両の上方と前方の光を検出する様子を示した模式図である。 半導体チップの平面図である。 橋げたに対する車両の位置に応じた上方受光素子の出力(C)を示した図である。 橋げたに対する車両の位置に応じた前方受光素子の出力(F)を示した図である。 図4及び図5の各出力に基づいて補正回路部が生成したセンサ出力を示した図である。 本発明の第3実施形態に係る光センサを含んだオートライトシステムの構成図である。 (a)は車両を天井側から見た図であり、(b)は車両を後方側から見た図である。 第3実施形態に係る半導体チップの平面図である。 ビルに対する車両の位置に応じた上方受光素子の出力(C)を示した図である。 ビルに対する車両の位置に応じた前方受光素子の出力(F)を示した図である。 ビルに対する車両の位置に応じた右側受光素子の出力(R)を示した図である。 ビルに対する車両の位置に応じた左側受光素子の出力(L)を示した図である。 各受光素子の出力に基づいて補正回路部のセンサ出力を示した図である。 本発明の第5実施形態に係る補正回路部が生成したセンサ出力を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る光センサは、日中に橋げた等の建築物に進入したときに自動車のテールライトやヘッドライトを自動点消灯させるオートライトシステムに適用されるものである。
図1に示されるように、オートライトシステムは、光センサ10、制御ECU20、スイッチ30、ライト40、及び車載バッテリ50を備えて構成されている。このうち、光センサ10は、上方受光素子11、前方受光素子12、及び補正回路部13を備えて構成されている。
図2に示されるように、上方受光素子11は、車両60の上方(図2のC)から照射される光を検出すると共に当該光の第1強度を第1強度信号として補正回路部13に出力する素子である。一方、前方受光素子12は、車両60の前方(図2のF)から照射される光を検出すると共に当該光の第2強度を第2強度信号として補正回路部13に出力する素子である。
各受光素子11、12は、受光した光の強度を検出するフォトダイオードと、このフォトダイオードの信号を増幅等する図示しない処理回路と、を有している。具体的には、図3に示されるように、各受光素子11、12は1つの半導体チップ70に形成されている。半導体チップ70は例えばn型シリコン基板71で構成されている。このn型シリコン基板71の表層部に円形のp型領域72及びp型領域73が形成されている。また、n型シリコン基板71の裏面には図示しないカソード電極が形成されていると共に、各p型領域72、73には図示しないアノード電極が設けられている。
そして、半導体チップ70のうち一方のp型領域72に係る部分が上方受光素子11として機能する。また、半導体チップ70のうち他方のp型領域73に係る部分が前方受光素子12として機能する。このような構成により、各受光素子11、12は、光の強度を電圧値として出力する。
さらに、半導体チップ70の上方には、図示しない遮光板が配置されている。遮光板は、上方受光素子11に光を導く第1貫通孔80と、前方受光素子12に光を導く第2貫通孔81と、を有している。第1貫通孔80は上方受光素子11に係るp型領域72の真上に位置している。これにより、上方受光素子11は、車両60の上方から照射される光を選択的に受光する。一方、第2貫通孔81は、前方受光素子12に係るp型領域73よりも車両60の前方側に位置している。これにより、前方受光素子12は、車両60の前方から照射される光を選択的に受光する。
このように、各受光素子11、12が1つの半導体チップ70に形成されているので、光センサ10を小型化することができる。また、各受光素子11、12を個別に用意する必要がないので、光センサの製造コストを低減することができる。
補正回路部13は、上方受光素子11から第1強度信号を入力すると共に、前方受光素子12から第2強度信号を入力し、第1強度及び第2強度に基づく演算処理を行う回路部である。具体的に、補正回路部13は、演算処理として第1強度と第2強度との平均値を演算する平均化処理を行う。また、補正回路部13は、この平均化処理によって車両60のライト40を点灯させるか否かを判定させるためのセンサ信号を生成すると共に、当該センサ信号を制御ECU20に出力する。
以上が、光センサ10の全体構成である。各受光素子11、12及び補正回路部13は、例えば図示しないケースに収容されることでパッケージ化されている。また、光センサ10は例えば車両60のダッシュボード等に搭載される。
制御ECU20は、車両60に搭載されていると共に、車両60のライト40の点灯または消灯を制御する制御装置(Electrical Control Unit)である。制御ECU20は、制御回路部21及び駆動回路部22を有している。
制御回路部21は、車両60のライト40を点灯させるか否かを判定する判定機能を有している。このため、制御回路部21は当該判定を行うための点灯閾値を有している。そして、制御回路部21は、光センサ10から入力したセンサ信号が点灯閾値を超えるか否かを判定し、判定結果に応じて駆動回路部22を動作させる。
駆動回路部22は、制御回路部21の指令に応じてスイッチ30をオンまたはオフする駆動機能を有している。すなわち、駆動回路部22はスイッチ30をオンすることでライト40を点灯させ、スイッチ30をオフすることでライト40を消灯する。
スイッチ30は、車載バッテリ50とライト40との間に接続されており、制御ECU20によってオンまたはオフが制御される。スイッチ30は例えばリレーである。ライト40は、車両60に搭載されたテールライトやヘッドライトである。ライト40は車載バッテリ50から電源供給されることで点灯可能になっている。以上が、オートライトシステムの全体構成である。
次に、日中に車両60が建築物の下を通過する際の光センサ10の作動について、図4〜図6を参照して説明する。これらの図に示されるように、建築物として橋げた90の下を車両60が通過する場合について説明する。
図4に示されるように、上方受光素子11は橋げた90に対応した位置で第1強度に対応した出力(C)が小さくなる。具体的には、地点L10では、車両60の上方には光を遮るものが無い。このため、上方受光素子11の出力(C)は一定に保たれている。続いて、地点L11では、車両60が橋げた90の入口に位置する。このため、上方受光素子11は光を受光しなくなるので、上方受光素子11の出力(C)は小さくなる。
この後、地点L12では、車両60は橋げた90の出口に位置する。このため、上方受光素子11は再び光を受光するので、上方受光素子11の出力(C)は元に戻る。上方受光素子11は上記の出力(C)を橋げた90に対する位置に応じて補正回路部13に出力する。
一方、図5に示されるように、前方受光素子12は、橋げた90の進入前の位置で第2強度に対応した出力(F)が小さくなる。具体的には、地点L10では、車両60の前方に橋げた90が位置するため、前方受光素子12の出力(F)は橋げた90の手前で最も小さくなる。そして、地点L11では、前方受光素子12の出力(F)は元に戻る。したがって、この後の地点L12では、前方受光素子12の出力(F)は地点L10と同じになっている。前方受光素子12はこのような出力(F)を橋げた90に対する位置に応じて補正回路部13に出力する。
補正回路部13は、図4に示された出力(C)及び図5に示された出力(F)をそれぞれ取得すると共に、光の検出方向によって明るさが異なる出力(C)及び出力(F)の両方を用いた平均処理を行う。これにより、図6に示されるように、各受光素子11、12で検出された光の強度が平均化されるので、車両60の上方の暗さが車両60の前方の明るさによって補完される。
具体的には、地点L10と地点L11との間の出力(C)及び出力(F)が平均化されて出力(F)の変化が小さくなる。一方、地点L11と地点L12との間の出力(C)及び出力(F)が平均化されて出力(C)の変化が小さくなる。このように、補正回路部13は平均化処理を行い、車両60が橋げた90の下を通過していることを示す補正後のセンサ出力を生成する。また、補正回路部13は、このセンサ出力をセンサ信号として制御ECU20に出力する。
制御ECU20は、光センサ10からセンサ信号を入力し、このセンサ信号を制御回路部21に入力する。これにより、制御回路部21は、センサ信号の出力と点灯閾値とを比較する。なお、点灯閾値は、車両60が橋げた90の下に位置していないときのセンサ信号の出力よりも小さい値に予め設定されている。
まず、補正回路部13が平均化処理を行わなかった場合、図6に示されるように、補正回路部13は補正前のセンサ出力をセンサ信号として出力する。このセンサ信号の出力は点灯閾値を超えてしまう。このため、駆動回路部22は制御回路部21の判定結果に従って橋げた90の下で車両60のライト40を誤点灯させてしまう。
一方、補正回路部13が平均化処理を行った場合、橋げた90の位置に対応した地点L11と地点L12との間のセンサ信号の振幅の変化が小さくなる。このため、センサ信号の出力は点灯閾値を超えない。これにより、駆動回路部22は制御回路部21の判定結果に従ってスイッチ30をオフし続ける。したがって、制御ECU20は、橋げた90の下で車両60のライト40を点灯させることはない。
以上説明したように、本実施形態では、光センサ10は各受光素子11、12の各出力を平均化する補正回路部13を備えていることが特徴となっている。これにより、補正回路部13は、車両60の上方の明るさまたは暗さと、車両60の前方の暗さまたは明るさと、を互い補完することができる。このため、補正回路部13は、橋げた90の下では明るさが補正されたセンサ信号の出力が点灯閾値を超えないように、車両60の前方の状況に応じたセンサ信号を生成することができる。したがって、橋げた90に進入した車両60のライト40の誤点灯を防止することができる。また、橋げた90のようにライト40の点灯が不要な場所でライト40が誤点灯することがないので、ユーザの点灯フィーリングを向上させることができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、上方受光素子11が特許請求の範囲の「第1受光素子」に対応し、前方受光素子12が特許請求の範囲の「第2受光素子」に対応する。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、補正回路部13は、第1強度及び第2強度のいずれか一方または両方に重み付け処理を行った後に平均化処理を行う機能を有している。重み付け処理とは、第1強度もしくは第2強度の利得を変更する処理である。
例えば、車両60の前方の明るさをより重視する場合には、補正回路部13は前方受光素子12から取得した出力(F)に重み付け処理を行う。この後、補正回路部13は平均化処理を行うこととなる。
以上のように、補正回路部13が重み付け処理を行うことにより、各受光素子11、12の利得を調整することができる。このため、光センサ10が車両60に搭載される条件等に応じて、制御ECU20が適切なセンサ信号を取得することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分について説明する。図7に示されるように、本実施形態に係る光センサ10は、図1に示された構成に対してさらに左側受光素子14及び右側受光素子15を備えている。
図8(a)及び図8(b)に示されるように、左側受光素子14は、車両60の進行方向に対して左側方から照射される光を検出すると共に当該光の第3強度を第3強度信号として補正回路部13に出力する素子である。一方、右側受光素子15は、車両60の進行方向に対して右側方から照射される光を検出すると共に当該光の第4強度を第4強度信号として補正回路部13に出力する素子である。
また、図9に示されるように、各受光素子14、15は、上述の各受光素子11、12と共に1つの半導体チップ70に形成されている。具体的には、n型シリコン基板71の表層部に円形のp型領域74及びp型領域75が形成されている。シリコン基板71のうち車両前方側に対して右側にp型領域74が位置し、車両前方側に対して左側にp型領域75が位置している。そして、p型領域74に係る部分が左側受光素子14として機能し、p型領域75に係る部分が右側受光素子15として機能する。なお、第1実施形態と同様にカソード電極やアノード電極も形成されている。
さらに、半導体チップ70の上方に配置された図示しない遮光板は、左側受光素子14に光を導く第3貫通孔82と、右側受光素子15に光を導く第4貫通孔83と、を有している。第3貫通孔82は左側受光素子14に係るp型領域74よりも車両前方側に対して左側に位置している。これにより、左側受光素子14は、車両60の進行方向に対して左側方から照射される光を選択的に受光する。一方、第4貫通孔83は、右側受光素子15に係るp型領域75よりも車両60の車両前方側に対して右側に位置している。これにより、右側受光素子15は、車両60の進行方向に対して右側方から照射される光を選択的に受光する。
本実施形態では、4つの受光素子11、12、14、15が1つの半導体チップ70に形成されているので、光センサ10の小型化や製造コストの低減の効果が高い。
そして、本実施形態に係る補正回路部13は、各受光素子11、12、14、15から各強度信号をそれぞれ入力し、第1強度、第2強度、第3強度、及び第4強度に基づく演算処理を行う。ここで、補正回路部13は演算処理として第1強度、第2強度、第3強度、及び第4強度の平均値を演算する平均化処理を行う。補正回路部13は各強度を平均化したセンサ信号を制御ECU20に出力する。以上が、本実施形態に係る光センサ10の全体構成である。
次に、日中に車両60がビルの横を通過する際の光センサ10の作動について、図10〜図14を参照して説明する。本実施形態では、車両60の進行方向に対して左手側に位置するビル91の横を車両60が通過する場合について説明する。
図10に示されるように、上方受光素子11はビル91に対応した位置で第1強度に対応した出力(C)が小さくなる。ここで、車両60の上方にビル91は存在しないので、出力(C)の変化は小さい。
具体的には、地点L20では、車両60の上方には光を遮るものが無いので、上方受光素子11の出力(C)は一定に保たれている。続いて、地点L21では、車両60がビル91の横まで進行する。地点L21を通過して車両60がビル91の横に位置すると上方受光素子11はビル91の陰に入る。このため、上方受光素子11の出力(C)は小さくなる。
この後、地点L22では、車両60はビル91の端まで進行する。この位置はビル91の陰の境界付近となる。したがって、車両60が地点L22を通過すると上方受光素子11の出力(C)は元に戻る。上方受光素子11は上記の出力(C)をビル91に対する位置に応じて補正回路部13に出力する。
一方、車両60の前方及び右側の明るさはビル91の位置に影響されない。このため、図11に示されるように、前方受光素子12の出力(F)は、地点L20〜L22に関わらず一定に保たれている。同様に、図12に示されるように、右側受光素子15の出力(R)も地点L20〜L22に関わらず一定に保たれている。
他方、車両60の進行方向に対して左手にビル91が位置しているので、図13に示されるように、左側受光素子14はビル91の位置に対応する地点L21から地点L22までの範囲で出力(L)が小さくなる。
補正回路部13は、図10〜図13に示された各センサ出力を取得すると共に、これらを平均化したセンサ出力を取得する。これにより、図14に示されるように、各受光素子11、12、14、15で検出された光の強度が平均化されるので、車両60の左側の暗さが車両60の上方、前方、及び右側の明るさによって補完される。補正回路部13は、このセンサ出力をセンサ信号として制御ECU20に出力する。
制御ECU20は、光センサ10からセンサ信号を入力し、このセンサ信号を制御回路部21に入力する。これにより、制御回路部21は、センサ信号の出力と点灯閾値とを比較する。
そして、補正回路部13が平均化処理を行わなかった場合は、図14に示されるように、補正前のセンサ出力に係るセンサ信号の出力は点灯閾値を超えてしまう。一方、補正回路部13が平均化処理を行った場合、ビル91の位置に対応した地点L21と地点L22との間のセンサ信号の振幅の変化が小さくなるので、センサ信号の出力は点灯閾値を超えない。これにより、制御ECU20は、ビル91の横で車両60のライト40が誤点灯することはない。
以上説明したように、本実施形態では、光センサ10は車両60の左右の光を検出する受光素子14、15を備えていることが特徴となっている。これにより、ビル91の陰や木陰等のように、一方向のみ暗くなる状況でのライト40の誤点灯を防止することができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、左側受光素子14が特許請求の範囲の「第3受光素子」に対応し、右側受光素子15が特許請求の範囲の「第4受光素子」に対応する。
(第4実施形態)
本実施形態では、第3実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、補正回路部13は、第1強度、第2強度、第3強度、及び第4強度のいずれかに重み付け処理を行った後に平均化処理を行う機能を有している。
例えば、車両60の上方及び前方について各受光素子11、12の各出力に重み付け処理を行うことにより、車両60の進行方向に対する明るさの補完の割合を高めることができる。一方、車両60の右側及び左側について各受光素子14、15の各出力に重み付け処理を行うことにより、車両の左右方向に対する明るさの補完の割合を高めても良い。もちろん、どの受光素子11、12、14、15の出力に対して重み付けするかは適宜設定される。
以上のように、車両60の左右の明るさを検出する構成においても、補正回路部13は各強度のいずれかについて重み付け処理を行った後に各強度の平均化を取得することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。本実施形態では、補正回路部13は、演算処理として比較処理を行う機能を有している。比較処理とは、補正回路部13が第1強度と第2強度とを比較することにより、第1強度及び第2強度のうち強度が高い方をセンサ信号とする処理である。すなわち、補正回路部13は上方受光素子11の出力(C)と前方受光素子12の出力(F)とを比較し、出力(C)及び出力(F)のうち出力値が大きい方をセンサ信号とする処理を行う。なお、本実施形態に係るオートライトシステムの構成は図1に示された構成と同じである。
次に、日中に車両60が橋げた90の下を通過する際の光センサ10の作動について説明する。上述の図4に示されるように、上方受光素子11の出力(C)は橋げた90の入口から出口までに対応する地点L11から地点L12まで小さくなる。一方、図5に示されるように、前方受光素子12の出力(F)は橋げた90の手前から入口までに対応する地点L10から地点L11まで小さくなる。
そして、補正回路部13は、図4に示された出力(C)及び図5に示された出力(F)をそれぞれ取得すると共に、随時、比較処理を行う。図4及び図5に示されるように、地点L10よりも前では出力(C)及び出力(F)は同等である。このような場合、補正回路部13は出力(C)及び出力(F)のうちのいずれか一方を選択し、このセンサ出力をセンサ信号として制御ECU20に出力する。なお、出力(C)と出力(F)とが同等の場合には出力(C)を選択する、という設定が補正回路部13になされていても良い。
また、地点L10から地点L11までの区間では、出力(C)が出力(F)よりも大きくなる。このため、補正回路部13は出力(C)と出力(F)とを比較し、出力(F)よりも大きい出力(C)をセンサ信号として制御ECU20に出力する。
この後の地点L11から地点L12までの区間では、出力(F)が出力(C)よりも大きくなる。このため、補正回路部13は出力(C)と出力(F)とを比較し、出力(C)よりも大きい出力(F)をセンサ信号として制御ECU20に出力する。
そして、図15に示されるように、補正回路部13から出力されるセンサ信号は、橋げた90に対する車両60の位置にかかわらず、ほぼ一定となる。言い換えると、補正回路部13が比較処理を行った結果、橋げた90に対応した区間のセンサ信号の振幅の変化が小さくなる。つまり、車両60が橋げた90を通過したにも関わらず、センサ出力の低下が小さくなる。したがって、センサ信号の出力は点灯閾値を超えないので、制御ECU20は橋げた90の下で車両60のライト40の誤点灯を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態では、補正回路部13が演算処理として出力(C)と出力(F)とを比較して大きい方をセンサ信号として出力することが特徴となっている。車両60が橋げた90の下を通過する場合、車両60の前方と上方の両方が暗くならないという特徴があるため、出力(C)及び出力(F)のうち高い方の値を選択することで橋げた90の通過時の暗さを補完することができる。したがって、橋げた90等の遮蔽物に進入した車両60のライト40の誤点灯を防止することができる。
ここで、前方受光素子12の出力(F)の感度は上方受光素子11の出力(C)よりも低いので、補正回路部13は、出力(C)及び出力(F)は同等の感度になるように補正する機能を備えていることが望ましい。これにより、出力(F)が点灯閾値から離されるので、センサ出力が点灯閾値を超えにくくなる。したがって、ライト40の誤点灯を防止することができる。
なお、必ずしも出力(C)及び出力(F)の感度を同等にする必要はない。車両60は橋げた90だけではなく、遮蔽物としてトンネルに進入することもある。この場合も考慮すると出力(C)及び出力(F)の感度が異なっていることでトンネルへの進入時の点灯遅れを防止することができる。したがって、出力(C)及び出力(F)の感度をどのようにするかはオートライトシステムの仕様に応じて適宜設定すれば良い。
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された光センサ10の構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、上記各実施形態では、補正回路部13は演算処理として平均化処理を行っていたが、演算処理として加算処理を行っても良い。この場合、制御回路部21は加算処理に応じた点灯閾値を有していれば良い。
また、第1、第2実施形態では各受光素子11、12は1つの半導体チップ70に形成されており、第3、第4実施形態では各受光素子11、12、14、15は1つの半導体チップ70に形成されていたが、これは光センサ10の構成の一例である。したがって、各受光素子11、12、14、15は、それぞれ個別に構成されていても良い。
第5実施形態において、第2実施形態で示された重み付け処理を行った後に比較処理を行わせても良い。また、第5実施形態において、第3実施形態で示された左側受光素子14及び右側受光素子15を備えた構成としても良い。
11 上方受光素子(第1受光素子)
12 前方受光素子(第2受光素子)
13 補正回路部
60 車両
70 半導体チップ

Claims (6)

  1. 車両(60)の上方から照射される光の第1強度を第1強度信号として出力する第1受光素子(11)と、
    前記車両(60)の前方から照射される光の第2強度を第2強度信号として出力する第2受光素子(12)と、
    前記第1受光素子(11)から前記第1強度信号を入力すると共に、前記第2受光素子(12)から前記第2強度信号を入力し、前記第1強度及び前記第2強度に基づく演算処理を行うことにより、前記車両(60)のライト(40)を点灯させるか否かを判定させるためのセンサ信号を生成すると共に当該センサ信号を出力する補正回路部(13)と、
    を備え
    前記演算処理は、前記第1強度と前記第2強度とを比較することにより、前記第1強度及び前記第2強度のうち強度が高い方を前記センサ信号とする比較処理であることを特徴とする光センサ。
  2. 前記補正回路部(13)は、前記第1強度及び前記第2強度のいずれか一方または両方に重み付け処理を行った後に前記演算処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の光センサ。
  3. 前記第1受光素子(11)及び前記第2受光素子(12)は1つの半導体チップ(70)に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光センサ。
  4. 前記車両(60)の進行方向に対して左側方から照射される光の第3強度を第3強度信号として出力する第3受光素子(14)と、
    前記車両(60)の進行方向に対して右側方から照射される光の第4強度を第4強度信号として出力する第4受光素子(15)と、
    を備え、
    前記補正回路部(13)は、前記第3受光素子(14)から前記第3強度信号を入力すると共に、前記第4受光素子(15)から前記第4強度信号を入力し、前記第1強度、前記第2強度、前記第3強度、及び前記第4強度に基づく前記演算処理を行うことにより、前記センサ信号を生成すると共に当該センサ信号を出力することを特徴とする請求項1または2に記載の光センサ。
  5. 前記補正回路部(13)は、前記第1強度、前記第2強度、前記第3強度、及び前記第4強度のいずれかに重み付け処理を行った後に前記演算処理を行うことを特徴とする請求項に記載の光センサ。
  6. 前記第1受光素子(11)、前記第2受光素子(12)、前記第3受光素子(14)、及び前記第4受光素子(15)は1つの半導体チップ(70)に形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の光センサ。
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