JP6142624B2 - 生インキ内蔵筆記具 - Google Patents

生インキ内蔵筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP6142624B2
JP6142624B2 JP2013068981A JP2013068981A JP6142624B2 JP 6142624 B2 JP6142624 B2 JP 6142624B2 JP 2013068981 A JP2013068981 A JP 2013068981A JP 2013068981 A JP2013068981 A JP 2013068981A JP 6142624 B2 JP6142624 B2 JP 6142624B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
occlusion body
fiber structure
dense
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013068981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014188971A (ja
Inventor
貴広 西川
貴広 西川
伴廣 影山
伴廣 影山
Original Assignee
シヤチハタ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by シヤチハタ株式会社 filed Critical シヤチハタ株式会社
Priority to JP2013068981A priority Critical patent/JP6142624B2/ja
Priority to DE201410004459 priority patent/DE102014004459A1/de
Priority to CN201410286113.2A priority patent/CN104070884B/zh
Publication of JP2014188971A publication Critical patent/JP2014188971A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6142624B2 publication Critical patent/JP6142624B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Description

本発明は、インキの漏れを的確に防止することができる生インキ内蔵筆記具に関するものである。
従来から、水性、油性の筆記具用インキやジェットプリンタ用インキ等を収容した生インキ内蔵筆記具は広く利用されている。この筆記具の機能としては、吐出量が安定しており、かつ温度や圧力等の使用環境条件に変化が生じたとしても、インキ漏れやボタ落ちがなく吐出が安定していることが要求されている。
なお、本発明でいう筆記具とは、上述の水性、油性の筆記具のみを意味するのでなく、例えば、幅広い部分の塗布が可能なポスター用の塗布具や修正液の塗布具、更には化粧液や薬剤等を塗るための塗布具も包含するものである(以下、筆記具という)。
このような生インキ内蔵筆記具として、筒状本体内に、後端が閉じられ内部にインキ吸蔵体が収容された内筒体を嵌挿して、両者間をインキタンクとし、このインキタンクのインキを内筒体の壁面に形成したインキ供給孔を通じてインキ吸蔵体、及びその先端側に装着したペン芯に供給するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。
上記の特許文献1や特許文献2に示されるものでは、インキ吸蔵体を用いるとともに、毛細管作用を調整するための特別な接続孔や空隙部を設けることで吐出量の安定を図っている。しかしながら上記のものでは、インキ吸蔵体の繊維組織が、軸方向にみたとき、密な部分と粗な部分からなり、粗な部分が密な部分の後方側に配置されていて、前方側にインキを分散・吸収する部分がないため、ペン芯からのインキ漏れが生じやすいという問題や、空気流路をインキ吸蔵体の後方側を経由させる必要があって、構造が複雑になるという問題があった。この結果、温度や圧力等の使用環境条件に変化が生じた場合に、オーバーフローしてペン芯からインキ漏れが生じるという問題があった。また、特別な接続孔や空隙部を設ける必要があり、加工及び組み立てが煩雑となって生産コストを高くするという問題もあった。
一方、特許文献3や特許文献4に示されるように、インキ吸蔵体として繊維組織の密な層が形成され、接着剤を介して外周部に繊維組織の粗な層が形成された多層構造からなるものが知られている。しかし、これら特許文献3や特許文献4に記載のものは、中心の繊維組織の密な層全体にインキを均一に保持させることを目的とするもので、インキ漏れについては全く考慮されていない。また、生インキに用いることは想定されておらず、生インキを用いた場合は、インキ吸蔵体全体が均一にインキで満たされてしまい、インキ漏れやボタ落ちを発生するという問題があった。
特許第3931722号公報 特公平7−45271号公報 実開昭60−9686号公報 実公昭47−5642号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、温度や圧力等の使用環境条件に変化が生じた場合にもインキを適度に分散して吸収することでペン芯からのインキ漏れを的確に防止することができ、また、構造的にもシンプルで加工及び組み立て作業を容易に行うことが可能で生産コストを安くすることができる生インキ内蔵筆記具を提供することを目的として完成されたものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の生インキ内蔵筆記具は、筒状本体内に、後端が閉じられ内部にインキ吸蔵体が収容された内筒体を嵌挿して、両者間をインキタンクとし、このインキタンクのインキを内筒体の壁面に形成したインキ供給孔を通じてインキ吸蔵体、及びその先端側に装着したペン芯に供給するようにした生インキ内蔵筆記具であって、前記インキ吸蔵体を軸方向に垂直な断面でみた場合に、中心部に繊維組織の密な層が形成され、外周部に繊維組織の粗な層が形成された多層構造からなるものとし、このインキ吸蔵体のペン芯の後端部近傍に繊維組織が密な部分を形成し、また、前記内筒体に底面からペン芯に向けて延びるインキ供給管を形成し、前記インキ供給孔とインキ供給管の先端開口部の2つをインキ吸蔵体の繊維組織が密な部分に向けて開口させ、更に、前記インキ吸蔵体の繊維組織が密な部分を、内筒体の壁面に設けた凹み部によって軸方向に対し垂直方向に圧縮形成するとともに、インキ供給管の挿入によって軸方向に圧縮形成し、また前記凹み部の底面にはインキ供給孔を形成したことを特徴とするものである。
インキ吸蔵体の軸方向の繊維組織が密な部分の前方側に繊維組織が粗な部分を形成してあるものが好ましく、これを請求項2に係る発明とする。
また、前記凹み部は、内筒体の壁面の円周方向に部分的に形成してあることが好ましく、これを請求項3に係る発明とする。
前記インキ吸蔵体は、軸方向にみた場合に、先端側から繊維組織が粗な部分、密な部分、粗な部分の順に並んでいることが好ましく、これを請求項4に係る発明とする。
あるいは、前記インキ吸蔵体は、軸方向にみた場合に、先端側から繊維組織が粗な部分、密な部分、密な部分の順に並んでいることが好ましく、これを請求項5に係る発明とする。
請求項1に係る発明では、筒状本体内に、後端が閉じられ内部にインキ吸蔵体が収容された内筒体を嵌挿して、両者間をインキタンクとし、このインキタンクのインキを内筒体の壁面に形成したインキ供給孔を通じてインキ吸蔵体、及びその先端側に装着したペン芯に供給するようにした生インキ内蔵筆記具であって、前記インキ吸蔵体を軸方向に垂直な断面でみた場合に、中心部に繊維組織の密な層が形成され、外周部に繊維組織の粗な層が形成された多層構造からなるものとし、このインキ吸蔵体のペン芯の後端部近傍に繊維組織が密な部分を形成し、また、前記内筒体に底面からペン芯に向けて延びるインキ供給管を形成し、前記インキ供給孔とインキ供給管の先端開口部の2つをインキ吸蔵体の繊維組織が密な部分に向けて開口させたので、インキ供給孔より供給されたインキはインキ吸蔵体の中心部の繊維組織の密な層に十分に吸収され貯留されることとなる。
更に、ペン芯の後端部近傍に繊維組織が密な部分が形成されているので、ペン芯にインキをより安定して供給することが可能となる。また、インキはインキ供給孔とインキ供給管の先端開口部の2箇所より供給されるので、繊維組織が密な部分においてインキが十分に吸収され貯留され、ペン芯にインキを安定して供給することが可能となる。
一方、温度や圧力等の使用環境条件に変化が生じた場合でも、外周部に繊維組織の粗な層が形成されているので、この粗な部分に余剰インキが分散・吸収されることでインキ漏れが的確に防止されることとなる。また、空気流路は従来のように必ずインキ吸蔵体の後方側を経由させる必要がなく、前方側からも空気を流通させることが可能となり、シンプルな構造とすることができる。
更には、インキ吸蔵体の軸方向の繊維組織が密な部分は、内筒体の壁面に設けた凹み部によって圧縮形成されるとともに、インキ供給管の挿入によって軸方向に圧縮形成されるものであり、この凹み部の底面にはインキ供給孔が形成してあるので、インキ吸蔵体を内筒体内へ挿入するだけで繊維組織が密な部分を容易に形成することができる。また、簡単な構造であり、加工及び組み立て作業を容易に行うことが可能である。
請求項2に係る発明では、インキ吸蔵体の軸方向の繊維組織が密な部分の前方側に繊維組織が粗な部分を形成してあるので、この粗な部分に余剰インキが分散・吸収されることでインキ漏れが的確に防止されることとなる。
請求項3に係る発明では、凹み部は、内筒体の壁面の円周方向に部分的に形成してあるので、軸方向に垂直な断面でみた場合に、中心部に繊維組織の密な層が形成され、外周部に繊維組織の粗な層が部分的に形成されることとなり、この粗な部分において余剰インキを分散・吸収することでペン芯からのインキ漏れを防止することができる。また、凹み部を部分的に設けると、インキ吸蔵体の外周面と内筒体の内周面の間に間隙が生じるため、別途空気流路を確保する必要がなくなる。
請求項4に係る発明では、インキ吸蔵体は、軸方向にみた場合に、先端側から繊維組織が粗な部分、密な部分、粗な部分の順に並んでいるので、密な部分でインキ貯留量を超えたとしても、前方側と後方側の繊維組織が粗な部分が溢れたインキ(余剰インキ)を分散・吸収して、ペン芯からインキ漏れが生じるのを防止することとなる。
一方、請求項5に係る発明では、インキ吸蔵体は、軸方向にみた場合に、先端側から繊維組織が粗な部分、密な部分、密な部分の順に並んでいるので、密な部分におけるインキ貯留量を大幅に増加させることができる。一方、使用環境条件に変化が生じた場合は、密な部分の前方側に繊維組織が粗な部分が形成されているので、この粗な部分がインキを分散・吸収してインキ漏れを的確に防止することとなる。
本発明の実施の形態を示す断面図である。 図1の要部を示す断面図である。 図2におけるインキ吸蔵体の状態を示す説明図である。 内筒体の正面図である。 (a)は図1におけるA−A断面図、(b)はそのインキ吸蔵体の状態を示す説明図である。 その他の実施の形態を示す断面図である。 図6の要部を示す断面図である。 図7におけるインキ吸蔵体の状態を示す説明図である。 インキ吸蔵体を示す斜視図である。 図9におけるB−B断面図である。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図1は、本発明の実施の形態を示す断面図であり、図において、1は有底の筒状本体、2はこの筒状本体1内に嵌挿される内筒体である。この内筒体2は、後端が栓体2aで閉じられており、内部にポリエステルやアクリル繊維等を集束したいわゆる中綿、あるいはスポンジ等からなるインキ吸蔵体3が収容されている。この筒状本体1と内筒体2の間には一定の空間が形成されてインキタンク4となっており、このインキタンク4内のインキ(液状の生インキ)を、前記内筒体2の壁面に形成したインキ供給孔2bを通じてインキ吸蔵体3、及びその先端側に装着したペン芯5に供給する構造となっている。なお、インキ供給孔2bを設ける位置については、後述する。
前記インキ吸蔵体3は、図9〜図10に示されるように、軸方向に垂直な断面でみた場合に、中心部に繊維組織の密な層3aが形成され、外周部に繊維組織の粗な層3bが形成された多層構造からなるものである。
このような多層構造とすることにより、インキ供給孔2bから供給されたインキをインキ吸蔵体3の中心部にある繊維組織の密な層3aに十分に吸収させて貯留することができ、ペン芯5に安定して供給できることとなる。
図1において、6は前記ペン芯5を固定するための首座である。
この首座6は、ペン芯5の先端部分を外部へ露出させ、一方、後端部分をインキ吸蔵体3内へ押し込んで埋没させるようにペン芯5を保持している。このペン芯5の押し込みにより、ペン芯5の後端部近傍には繊維組織が密(スポンジであれば、密度が密)な部分が形成された構造となっている。
なお、ペン芯5を保持する首座6の内面には、空気流路が形成されている。この空気流路は、インキタンク4内の空気が膨張してインキ供給孔2bよりインキ吸蔵体3にインキが強制的に流入した際、インキ吸蔵体3に流入したインキによって押し出される空気が外気へ排出されるために必要な構成である。
また、ペン芯5の先端部は、キャップ(図示せず)により開閉自在とされている点は従来と同様である。
前記のようにインキ吸蔵体3には、ペン芯5の軸方向でペン芯5の後端部近傍に繊維組織が密な部分が形成されているとともに、この密な部分の前方側に繊維組織が粗な部分が形成された構造となっている。なお、密な部分と粗な部分は相対的な関係を意味するものであり、密な部分は粗な部分に比べると繊維組織が密なため、毛細管力によって、粗な部分より密な部分により多くのインキが集まることになる。
図2に示すように、前記内筒体2の壁面には中心点を挟んで一対の凹み部2cが設けられている。この凹み部2cにより、インキ吸蔵体3の対応する位置の部分が中心に向けて圧縮された状態となり、繊維組織の密な部分が形成された構造となっている。
また、凹み部2cの底面には、前記インキ供給孔2bが設けられており、前記インキ吸蔵体3の繊維組織が密な部分に向けて開口させた構造となっている。これにより、インキタンク4内のインキが繊維組織の密な部分に向けて補給され、この密な部分は常にインキが満たされた状態となってペン芯5に安定してインキを供給することとなる。この結果、ペン芯5からは安定したインキの吐出量が確保されることとなる。
図4に内筒体2の正面図、図5に図1におけるA−A断面図とインキ吸蔵体の状態の説明図を示す。なお、図示のものでは、凹み部2cは、内筒体2の壁面の円周方向に部分的に形成してある。具体的には、直径方向に一対設けられているが、3個以上設けてもよいことは勿論である。
凹み部2cを全周でなく部分的に設けることで、軸方向に垂直な断面でみた場合に、中心部に繊維組織の密な層が形成され、外周部に繊維組織の粗な層が部分的に形成されるため、この粗な部分においても余剰インキを分散・吸収し、ペン芯からのインキ漏れを防止することができる。
また、「凹み部2cを部分的に設けると、インキ吸蔵体3の外周面と内筒体2の内周面の間に間隙(図5(a)を参照)が生じるため、別途空気流路を確保する必要がなくなる。この空気流路は、インキタンク4内の空気が膨張してインキ供給孔2bよりインキ吸蔵体3にインキが強制的に流入した際、インキ吸蔵体3に流入したインキによって押し出される空気が外気へ排出されるために必要な構成である。また、インキタンク4内だけでなく、内筒体2内またはインキ吸蔵体3内の空気が膨張することによって押し出される空気が外気へ排出されるためにも必要な構成である。
更には、前記内筒体2の栓体2aには、底面側からペン芯5に向けて延びるインキ供給管2dが形成されており、インキ供給管2dの先端開口部2eをインキ吸蔵体3の繊維組織が密な部分に向けて開口するように構成されている。
ここで、インキと空気の置換を無理なく円滑に行うことができれば、インキ供給孔2bおよび先端開口部2eの形状や大きさや設置数(単数・複数)、及び、インキの種類(油性・水性)や粘度や表面張力は、適宜最適な組合わせで採用可能である。
このように、前記インキ供給孔2bと、インキ供給管2dの先端開口部2eの2つをインキ吸蔵体3の繊維組織が密な部分に向けて開口させた構造としたので、軸方向に対して垂直な方向および軸方向の両方向から、繊維組織が密な部分に十分なインキを供給することが可能となり、常に安定したインキの吐出量を確保して長時間にわたって滑らかな書き味を保証している。
以下に、空気とインキの流れについて説明する。
なお、インキ供給孔2bと先端開口部2eは、そのどちらでも空気およびインキの流通が可能であり、その形状や大きさや設置数によって適宜設定できるが、ここでは、インキ供給孔2bでの空気とインキの流れについて説明する。
本発明では、組立てたときに、インキ供給孔2bからインキ吸蔵体3にインキは流出する。このインキの流出によってインキタンク4にはインキが減少した分の空気がインキ吸蔵体3より同時に流入し、インキタンク4とインキ吸蔵体3の間でインキと空気の置換が行われる。そして、インキタンク4への空気の流入とインキ吸蔵体3へのインキの流出が平衡に達した時点で、インキ供給孔2bを通じたインキ吸蔵体3へのインキの流出は停止する。
そして、インキ吸蔵体3に流出したインキが筆記によって消費されると、前記首座6の内面に設けた空気流路から取り込まれた外気が、インキ吸蔵体3を通ってインキ供給孔2bよりインキタンク4内に流入し、その際、これと入れ替わってインキがインキ供給孔2bを通ってインキ吸蔵体3へ流出し、インキがインキ供給孔2bを閉塞する位置に到達するまで流出すると、空気はもはやインキ供給孔2bを通過することが不可能となり、その結果インキのインキ吸蔵体3への流出は停止する。
このように、インキ供給孔2bはインキおよび空気の流通のバルブ機能を有するもので、インキが過剰にインキ吸蔵体3に供給されることを防止し、常に一定量のインキをインキ吸蔵体3に供給する役目をする。すなわち、空気の流入量分だけインキがインキ吸蔵体3へ流出することになる。
また、インキタンク4内の空気の圧力が大気圧と比べて高い状態となる「高圧時」は、インキ供給孔2bより溢れ出したインキ(余剰インキ)は、インキ吸蔵体3の粗の部分によって速やかに吸収される。
なぜなら、平常時、インキはインキ吸蔵体3の粗の部分に吸収されることが殆どないため、インキ吸蔵体3の粗の部分は常にインキが吸収できるスペースを確保することできるからである。そのため、インキタンク4内の空気が膨張して、インキ供給孔2bよりインキが強制的に溢れ出しても、溢れ出したインキ(余剰インキ)はインキ吸蔵体3の粗の部分が吸収するのでペン芯5よりのインキボタ落ちを防ぐことができる。このとき、インキ吸蔵体3の粗の部分に吸収されたインキによって押し出される内筒体2内の空気は、空気流路を通じて外気に排出され、ペン芯5からのインキボタ落ちを防止できる。
一方、再びインキタンク4内の空気が圧縮する場合、インキ吸蔵体3の粗の部分に流入したインキはインキタンク4内の減圧によって吸い戻されるため、インキ吸蔵体3の粗の部分は再びインキを吸収する能力を回復し、インキタンク4内の空気の膨張・圧縮が繰り返されてもインキ漏れを起こすことはない。
次に、インキ吸蔵体3の繊維組織の粗密の関係を示す。
図3に示されるように、前記インキ吸蔵体3は、ペン芯5がある先端側から筒状本体1の底部がある後端側に向けて、軸方向に繊維組織が粗な部分、密な部分、粗な部分の順に並んだ構造となっている。
この場合は、常時は繊維組織が密な部分に十分なインキが蓄えられていて、ペン芯5に供給するため、安定した書き味を保証することができる。一方、温度や圧力等の環境条件等の変化により、繊維組織が密な部分でインキ貯留量を超えたとしても、前方側と後方側の繊維組織の粗な部分が溢れたインキ(余剰インキ)を即座に分散・吸収するので、ペン芯5からインキ漏れが生じるのを的確に防止することとなる。
前記のインキ吸蔵体3の繊維組織が密な部分は、内筒体2の壁面に設けた凹み部2cによって軸方向に対し垂直方向に圧縮形成されるとともに、インキ供給管2dの挿入によって軸方向に圧縮形成されるものである。更に、ペン芯5の押し込みによる軸方向の圧縮も加えられている。
また、ペン芯5の軸方向とインキ供給孔2bを結んだ線の交叉する部分の近傍は、軸方向に対し垂直方向の圧縮力と軸方向の圧縮力の2方向の圧縮力がかかるため、特に繊維組織が密になり、最密な部分が形成されることとなる。この結果、最密部分に十分なインキが貯留され、より安定したインキの貯留と供給が確保される。
図5(a)及び図9〜図10に示すように、前記インキ吸蔵体3は、軸方向に垂直な断面でみた場合に、中心部に繊維組織の密な層3aが形成され、外周部に繊維組織の粗な層3bが形成された多層構造からなる。この結果、軸方向に垂直な面に毛細管力の差が生じることになり、繊維組織が密となる中心部により多くのインキが集まることになる。なお、本実施の形態では二層構造で示しているが、三層構造以上の多層構造にしてもよいことは勿論である。
そして本構造は、インキ供給孔2bと当接する位置3b1においてインキ供給速度をコントロールできる利点を有する。すなわち、繊維組織の密な層3aと繊維組織の粗な層3bの材質や目付量(単位面積あたりの重量)のバランスを調整することで、インキ供給孔2bの形状や大きさや設置数を変えずに、インキの供給速度をコントロールできる。これは、多層構造を有するインキ吸蔵体3を変更するだけで、金型を変えず種々のインキに対応できることを意味する。
また本構造は、インキ供給孔2bと当接する以外の位置3b2において、余剰インキを分散・吸収できる。すなわち、軸方向に垂直な断面でみた場合に、本構造は、中心部に繊維組織の密な層3aが形成され、外周部に繊維組織の粗な層3bが形成された多層構造からなるため、外周部に設けた繊維組織の粗な層3bにおいても余剰インキを分散・吸収し、ペン芯からのインキ漏れをより効果的に防止することができる。
また、図示のように、内筒体2の壁面の円周方向に部分的に凹み部2cを形成すると、インキ供給孔2bと当接する位置3b1は、インキ供給孔2bと当接する以外の位置3b2より繊維組織が密になるため、インキ供給孔2bと当接する位置3b1にインキが集まるとともに、インキ供給孔2bと当接する以外の位置3b2でも余剰インキを分散・吸収し、ペン芯からのインキ漏れをより効果的に防止することができる。
次に、図6に、その他の実施の形態を示す。
図6に示すものでは、前記インキ吸蔵体3を、ペン芯5がある先端側から筒状本体1の底部がある後端側に向けて、繊維組織が粗な部分、密な部分、密な部分の順に並んだ構造とされている。図7にその要部の断面図を示し、図8にインキ吸蔵体の状態の説明図を示す。
図6に示すものでは、前記内筒体2の壁面に前方部から後端に向けて帯状に続く凹み部2cが設けられており、この凹み部2cによって、対応する位置のインキ吸蔵体3が中心方向へ圧縮された状態となることで、繊維組織の密な部分が形成された構造である。また、凹み部2cの前方部の底面には、インキ供給孔2bが設けられており、前記インキ吸蔵体3の繊維組織が密な部分に向けて開口させた構造となっている。
この場合は、密な部分は凹み部2cから内筒体2の後端まで続く体積が大きいものであり、インキ貯留量を大幅に増加させることができるので、長期間にわたって安定したインキの吐出量を確保することができる。一方、使用環境条件に変化が生じて、ペン芯5が接する繊維組織が密な部分でインキ貯留量を超えた場合においても、繊維組織が密な部分の前方側に繊維組織が粗な部分が形成されているので、この粗な部分が溢れたインキ(余剰インキ)を分散・吸収して、ペン芯5からのインキ漏れを的確に防止することとなる。
また、ペン芯5の軸方向とインキ供給孔2bを結んだ線の交叉する部分の近傍は、前記凹み部2cによる軸方向に対し垂直方向の圧縮力と、インキ供給管2dの挿入による軸方向の圧縮力(更には、ペン芯5の押し込みによる圧縮力も加えられている)の2方向の圧縮力がかかるため、繊維組織の最密な部分が形成されて、十分なインキの貯留ができる点は第1の実施例と同じである。
なお、前述したような繊維組織が粗な部分と密な部分で構成されたインキ吸蔵体3は、均一な繊維組織に成形した柱状の繊維素材を内筒体2にセットするだけで簡単に形成することができる。
即ち、前記繊維素材を内筒体2に押し込むと、内筒体2の壁面に設けられた凹み部2cによって、対応部分が中心方向へ圧縮された状態となる。また、軸方向の圧縮については、インキ供給管2dの挿入による軸方向の圧縮力と、ペン芯5の押し込みによる圧縮力がかかることとなる。このような圧縮作用によって、インキ吸蔵体3のペン芯5の軸方向でペン芯5の後端部近傍に繊維組織が密な部分を形成するとともに、この密な部分の前方側に繊維組織が粗な部分を形成することができる。
以上のように構成されたものは、インキ供給孔より供給されたインキが繊維組織の密な部分において十分に吸収され貯留されることとなり、この結果、ペン芯にインキを安定して供給することが可能であり、また常時は、ペン芯の周囲の繊維組織が粗でインキの貯留量が少ないため、ペン芯からのインキ漏れを生じることがない。一方、温度や圧力等の使用環境条件に変化が生じた場合でも、密な部分の前方側に繊維組織が粗な部分が形成されているので、この粗な部分にインキが分散・吸収されることでインキ漏れが的確に防止されることとなる。
1 筒状本体
2 内筒体
2a 栓体
2b インキ供給孔
2c 凹み部
3 インキ吸蔵体
3a 繊維組織の密な層
3b 繊維組織の粗な層
3b1 繊維組織の粗な層のインキ供給孔と当接する位置
3b2 繊維組織の粗な層のインキ供給孔と当接する以外の位置
4 インキタンク
5 ペン芯
6 首座

Claims (5)

  1. 筒状本体内に、後端が閉じられ内部にインキ吸蔵体が収容された内筒体を嵌挿して、両者間をインキタンクとし、このインキタンクのインキを内筒体の壁面に形成したインキ供給孔を通じてインキ吸蔵体、及びその先端側に装着したペン芯に供給するようにした生インキ内蔵筆記具であって、前記インキ吸蔵体を軸方向に垂直な断面でみた場合に、中心部に繊維組織の密な層が形成され、外周部に繊維組織の粗な層が形成された多層構造からなるものとし、このインキ吸蔵体のペン芯の後端部近傍に繊維組織が密な部分を形成し、また、前記内筒体に底面からペン芯に向けて延びるインキ供給管を形成し、前記インキ供給孔とインキ供給管の先端開口部の2つをインキ吸蔵体の繊維組織が密な部分に向けて開口させ、更に、前記インキ吸蔵体の繊維組織が密な部分を、内筒体の壁面に設けた凹み部によって軸方向に対し垂直方向に圧縮形成するとともに、インキ供給管の挿入によって軸方向に圧縮形成し、また前記凹み部の底面にはインキ供給孔を形成したことを特徴とする生インキ内蔵筆記具。
  2. インキ吸蔵体の軸方向の繊維組織が密な部分の前方側に繊維組織が粗な部分を形成してある請求項1に記載の生インキ内蔵筆記具。
  3. 凹み部は、内筒体の壁面の円周方向に部分的に形成してある請求項1または2に記載の生インキ内蔵筆記具。
  4. インキ吸蔵体は、軸方向にみた場合に、先端側から繊維組織が粗な部分、密な部分、粗な部分の順に並んでいる請求項2または3に記載の生インキ内蔵筆記具。
  5. インキ吸蔵体は、軸方向にみた場合に、先端側から繊維組織が粗な部分、密な部分、密な部分の順に並んでいる請求項2または3に記載の生インキ内蔵筆記具。
JP2013068981A 2013-03-28 2013-03-28 生インキ内蔵筆記具 Active JP6142624B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013068981A JP6142624B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 生インキ内蔵筆記具
DE201410004459 DE102014004459A1 (de) 2013-03-28 2014-03-27 Marker mit tinteninnenbehälter
CN201410286113.2A CN104070884B (zh) 2013-03-28 2014-03-28 墨水内置的书写工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013068981A JP6142624B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 生インキ内蔵筆記具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014188971A JP2014188971A (ja) 2014-10-06
JP6142624B2 true JP6142624B2 (ja) 2017-06-07

Family

ID=51835731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013068981A Active JP6142624B2 (ja) 2013-03-28 2013-03-28 生インキ内蔵筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6142624B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0745271B2 (ja) * 1986-09-30 1995-05-17 ぺんてる株式会社 生インキ内蔵筆記具
DE3642037A1 (de) * 1986-12-09 1988-06-23 Staedtler Fa J S Kapillarspeicher fuer tintenschreibgeraete
JP3931722B2 (ja) * 2001-05-31 2007-06-20 ぺんてる株式会社 塗布具
JP4848068B2 (ja) * 2006-03-09 2011-12-28 パイロットインキ株式会社 直液式筆記具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014188971A (ja) 2014-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6142622B2 (ja) 生インキ内蔵筆記具
JP3909775B2 (ja) 液体供給装置
JP5687529B2 (ja) 塗布具
JP5859164B1 (ja) 塗布具
WO2003101760A1 (fr) Applicateur
JP6155408B1 (ja) 塗布具
JP5933792B1 (ja) 塗布具
JP2013102910A (ja) 液体供給装置
JP5700817B2 (ja) 塗布具
JP5866747B2 (ja) 塗布具
JP6142624B2 (ja) 生インキ内蔵筆記具
JP6142623B2 (ja) 生インキ内蔵筆記具
WO2017026176A1 (ja) 塗布具
WO2014041901A1 (ja) 筆記具
JP6016410B2 (ja) 筆記具
JP6142621B2 (ja) 生インキ内蔵筆記具
CN104070884A (zh) 墨水内置的书写工具
JP5933793B1 (ja) 塗布具
JP2002362086A (ja) インキ導入管及びこれを内蔵した筆記具
TW201318886A (zh) 塗布具
JP4321118B2 (ja) 塗布具
JP3849549B2 (ja) 塗布具
KR100968623B1 (ko) 필기구
KR20100033690A (ko) 필기구
KR101958599B1 (ko) 마카용 탄성 닙 및 이를 포함하는 마카

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170411

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170424

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6142624

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250