JP5933793B1 - 塗布具 - Google Patents

塗布具 Download PDF

Info

Publication number
JP5933793B1
JP5933793B1 JP2015162496A JP2015162496A JP5933793B1 JP 5933793 B1 JP5933793 B1 JP 5933793B1 JP 2015162496 A JP2015162496 A JP 2015162496A JP 2015162496 A JP2015162496 A JP 2015162496A JP 5933793 B1 JP5933793 B1 JP 5933793B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
relay member
liquid
ink
gas
reservoir
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015162496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017038787A (ja
Inventor
堀 英二
英二 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3S CORPORATION
Original Assignee
3S CORPORATION
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3S CORPORATION filed Critical 3S CORPORATION
Priority to JP2015162496A priority Critical patent/JP5933793B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5933793B1 publication Critical patent/JP5933793B1/ja
Priority to PCT/JP2016/068678 priority patent/WO2017026176A1/ja
Priority to TW105124780A priority patent/TW201705878A/zh
Publication of JP2017038787A publication Critical patent/JP2017038787A/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】内圧上昇や衝撃によって貯留室から溢れ出た液体を一時的に保持するリザーバ領域から、液体を残存させることなく確実に抜き取れるようにすること。【解決手段】貯留室131が貯留する液体(例えばインクIK)を中継部材151の介在によって塗布体111に導く構造中に、気液交換領域EAとリザーバ領域RAとを設ける。気液交換領域EAは、例えば六箇所の位置で中継部材151を位置決めすることで、中継部材151よりも弱い力の毛管現象を生じさせる六個に分割された気液交換用の隙間G1を開けて中継部材151を囲繞し、インクIKを中継部材151に導く。リザーバ領域RAは、気液交換領域EAよりも弱い力の毛管現象を生じさせる非分割の隙間G2を開けて中継部材151を囲繞し、貯留室131から押し出されて気液交換領域EAを通過したインクIKを一時的に保持する。【選択図】図1

Description

本発明は、アイライナーなどの化粧用具、サインペンやマーキングペンなどの筆記具、スタンプ、薬剤塗布容器などに適用され、インク、化粧水、香水、薬剤などの各種の液体を生のままの状態で貯留し、塗布できるようにした塗布具に関する。
≪液体を生のままの状態で貯留する種類の塗布具≫
従来、紙や人の肌などの塗布対象物に塗布するインクや化粧水などの液体を中綿などの吸蔵体に吸収させた状態で貯蔵するのではなく、生のままの状態で貯留し、適宜塗布できるようにした塗布具が実用化されている。
この種の塗布具は、吸蔵体に吸収させた状態で保存することができない種類の液体、例えば顔料インクの使用が可能であり、これが大きな利点となっている。
顔料系のインクの優位性は、その発色性の良さにある。例えばアイライナーに顔料系のインクを使用した場合、はっきりした深みのある色彩表現が可能となり、使用者に満足感をもたらす。もちろんアイライナーに限らず、ペンなどの筆記具であっても、顔料系のインクの使用によって鮮やかな発色を楽しむことができることは言うまでもない。
特許文献1、2はいずれも、インクを生のままの状態で貯留し、適宜塗布できるようにした塗布具を開示している。
いずれの文献に記載された塗布具も、筒形のハウジングの内周面に沿って形成した貯留室にインクを貯留しておき、貯留したインクをハウジングの一端に取り付けた塗布体に供給する点で共通性を有している。
相違するのは、貯留室から塗布体にインクを導くための構造である。
特許文献1に記載された塗布具は、「インク流出制御部材18(親水性不織布20b、インク流出孔19、親水性不織布20a)」「超親水性インク流動用繊維束8、12、16」「親水性不織布5」を介して、貯留室(インク室23)に貯留したインクを塗布体(ペン体2)に導く(特許文献1の段落[0021]、図1参照)。
特許文献2に記載された塗布具は、「インキ吸蔵体5」と一体化された「インキ連通部4」を介して、貯留室(インキ収容部1)に貯留したインクを塗布体(塗布体3)に導く(特許文献2の段落[0015]、図1参照)。インキ連通部4(インキ吸蔵体5)は、「インキを吸収しやすく且つ吐き出しやすい、スポンジ又はポリエステルやアクリル、アセテート繊維を集束したいわゆる中綿などを適宜使えばよい」とされている(特許文献2の段落[0014]参照)。
≪液体のボタ落ち防止≫
インクなどの液体を生のままの状態で貯留するようにした塗布具が克服しなければならない課題の一つは、塗布体からの液体の漏洩、いわゆるボタ落ちの防止である。
例えば気温の上昇や筆記時の体温の伝達などを原因として貯留室の内圧が高まった場合、貯留室から液体が溢れ出し、溢れ出した液体が過剰に塗布部に送られてその保持容量を超え、塗布部からボタ落ちしてしまうことがある。
あるいは塗布具に衝撃が加わった場合にも、やはり貯留室から液体が漏れ出し、塗布部に過剰に送られてボタ落ちしてしまうことがある。
そこで液体を生のままの状態で貯留するようにした塗布具では、このような塗布体からの液体の漏洩、いわゆるボタ落ちを防止するための対策が必要になる。
この点、先に紹介した二つの文献には、内圧上昇や衝撃によって貯留室から溢れ出たインクを一時的に保持し、塗布体からの液体の漏洩(ボタ落ち)を防止するようにした発明が記載されている。
特許文献1に記載された発明は、超親水性インク流動用繊維束8、12、16の周囲に中綿7、11、15を設けている。
したがって内圧上昇や衝撃による貯留室(インク室23)からの変則的なインクの漏れ出しが発生すると、中綿7、11、15が漏れ出したインクを吸収して保持し、塗布体(ペン体2)からのインクのボタ落ちを防止する(特許文献1の段落[0023]参照)。
特許文献2に記載された発明の場合、貯留室(インキ収容部1)から溢れ出したインクを吸収して保持する役割を、インキ連通部4と一体化されたインキ吸蔵体5が果たす(特許文献2の段落[0016]参照)。
つまりインキ吸蔵体5はインキ連通部4よりも密度(又は毛管力)が低く設定され、通常時にはインクの吸収が抑制されている。これによりインキ吸蔵体5はインクが空の状態を保つため、貯留室から溢れ出したインクを吸収して一時的に保持するスペースとして機能することになる。
したがって内圧上昇や衝撃による貯留室からの変則的なインクの漏れ出しが発生すると、インキ吸蔵体5が漏れ出したインクを吸収して保持し、塗布体からのインクのボタ落ちを防止する(特許文献2の段落[0016]参照)。
≪一時的に保持した液体の回収≫
このように上記二つの文献に記載された発明によれば、内圧上昇や衝撃によって貯留室からインクが溢れ出した場合、漏れ出たインクを吸収体(特許文献1の「中綿7、11、15」、特許文献2の「インキ吸蔵体5」)に吸収させて一時的に保持するようにしている。
このため吸収体に一時的に保持させたインクを回収する必要性が生ずる。
この点、特許文献1に記載された発明では、中綿7、11、15をテーパー付きのインク保持用部材6、10、14で保持し、塗布体(ペン体2)よりも貯留室(インク室23)側の密度勾配を高く設定している。
したがって一旦は高まった貯留室の内圧が元の状態に戻るに際して、中綿7、11、15に保持されているインクはより密度勾配が高い貯留室の側に引き込まれ、貯留室に回収される(特許文献1の段落[0015]〜[0016]、[0024]参照)。
特許文献2に記載された発明では、一旦は高まった貯留室の内圧が元の状態に戻るに際して、インキ吸蔵体5に吸収されて保持されていたインクは、相対的に密度の高いインキ連通部4に吸引され、貯留室に回収される(特許文献2の段落[0016]参照)。
特開平11−020373号公報 特開2003−226091号公報
特許文献1、2に記載された発明によれば、内圧上昇や衝撃によって貯留室からインクが溢れ出した場合、溢れ出たインクを一時的に保持して塗布体からの漏洩、いわゆるボタ落ちを防止するようにしている。そして一旦は高まった貯留室の内圧が元の状態に戻るに際して、一時的に保持していたインクを貯留室に回収するようにしている。
つまり貯留室から溢れ出したインクを一時的に保持するいわばリザーバ領域とでも呼ぶべき領域を設けておき、毛管現象の強弱を利用して、溢れ出たインクの一時的な保持と回収とを上手く制御しているわけである。
しかしながら特許文献1、2に記載された塗布具では、リザーバ領域を形成するために、繊維束や多孔質材料からなるインキ吸蔵体を用いている。つまり、
・特許文献1は「中綿7、11、15」
・特許文献2は「インキを吸収しやすく且つ吐き出しやすい、スポンジ又はポリエステルやアクリル、アセテート繊維を集束したいわゆる中綿」
をインキ収蔵体として用い、これによってリザーバ領域を形成しているわけである(特許文献1の段落[0023]、特許文献2の段落[0014]参照)。
このためリザーバ領域には、一時的に吸引して保持するインクなどの液体が残存しやすいという問題が発生する。特許文献1、2が紹介する中綿などのインキ吸蔵体は、その構造上、繊維密度(中綿)や孔径(スポンジ)が場所によって一定せず、液体に吸引作用を及ぼす毛管現象の強さが場所ごとに異なるからである。
こうしてリザーバ領域に液体が残存すると、リザーバ領域における液体の保持容量が減少するという望ましくない結果を招来する。
とりわけ顔料インクが用いられる場合には、問題はより一層深刻である。顔料インクは時間の経過と共に溶液から顔料が分離するので、溶液から分離した固体状の顔料がリザーバ領域に残存してしまうからである。こうなるとリザーバ領域を形成するインキ吸蔵体の性能、例えば前述した液体の保持容量や液体に対する毛管現象の作用力が変化してしまう可能性があり、はなはだ不都合である。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、内圧上昇や衝撃によって貯留室から溢れ出た液体を一時的に保持するリザーバ領域から、液体を残存させることなく確実に抜き取れるようにすることを目的とする。
本発明の塗布具は、液体を貯留する貯留室と、供給された液体を毛管現象によって吸引して一面に導く塗布体と、前記塗布体よりも弱い力の毛管現象の作用で当該塗布体に液体を導く棒状の中継部材と、前記塗布体を下向きにした状態で前記貯留室に貯留された液体に下方から面して配置され、少なくとも二箇所以上のN箇所の位置で前記中継部材を位置決めすることで、この中継部材よりも弱い力の毛管現象を生じさせるN個に分割された気液交換用の隙間を開けて当該中継部材を囲繞し、前記貯留室から前記気液交換用の隙間に毛管現象によって液体を吸引して前記中継部材に導く気液交換領域と、前記気液交換領域に連絡する位置で、この気液交換領域よりも弱い力の毛管現象を生じさせる非分割の隙間を開けて前記中継部材を囲繞し、前記貯留室から押し出されて前記気液交換領域を通過した液体を一時的に保持するリザーバ領域と、前記気液交換領域から前記リザーバ領域を経て前記貯留室を大気に連絡させる吸気通路と、を備えることによって上記課題を解決する。
本発明によれば、貯留室から漏れ出した液体を一時的に保持するリザーバ領域を、中継部材を囲繞して毛管現象を作用させる非分割の隙間によって形成したので、リザーバ領域に一時的に保持されている液体が吸引されて抜き取られるに際して、液体を残存させずに確実に抜き取らせることができ、したがって、液体の保持容量や毛管現象の作用力などのリザーバ領域の性能に変動を生じさせないようにすることができる。
第1の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)で、(a)は縦断正面図、(b)は中間栓及び中継部材の(a)におけるA−A線断面図、(c)は中間栓及び中継部材の(a)におけるB−B線断面図。 第2の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)で、(a)は縦断正面図、(b)は中間栓及び中継部材の(a)におけるA−A線断面図、(c)は中間栓及び中継部材の(a)におけるB−B線断面図。 第3の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)の縦断正面図。 第4の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)の縦断正面図。 第5の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)の縦断正面図。 第6の実施の形態を示す塗布具(アイライナー)で、(a)はレフィルの縦断正面図、(b)はレフィルを装填した塗布具の縦断正面図。
本実施の形態の塗布具は、液体としてのインクIK(図1(a)等参照)を生のままの状態で貯留し、適宜アイラインに塗布できるようにしたアイライナー101への各種適用例である。
以下、第1〜第6の実施の形態を順に紹介する。
≪第1の実施の形態≫
第1の実施の形態を図1(a)(b)(c)に基づいて説明する。
図1(a)に示すように、本実施の形態のアイライナー101は、細長い筒状のハウジング102の一端側に塗布体111を取り付け、インクIKを封入する他端側の開口部102aを尾栓103で閉じた構造を有している。
塗布体111は複数本の繊維を集束して圧縮したもので、繊維束の長手方向を軸方向とする断面が真円の棒形状に形成されている。したがって個々の繊維の間に毛管現象を生じさせ、長手方向に液体を移動させる。
このような塗布体111は、後端部分が切り落とされて平坦な連結面111aとされ、先端部分は丸みを帯びた形状に加工されて塗布面111bとされている。塗布面111bは、人の皮膚であるアイライン上にインクIKを塗布する役割を担う。
ハウジング102にはその内部に中間栓121が圧入され、中央付近で固定されている。
これによってハウジング102は後端側、つまり尾栓103の側にインクIKを貯留する貯留室131を形成し、先端側、つまり塗布体111の側にリザーバ室141を形成している。
アイライナー101は、貯留室131に貯留されたインクIKを塗布体111に導く。そのための構造として、中継部材151が設けられている。
中継部材151は、塗布体111と同様に、複数本の繊維を集束して圧縮し、繊維束の長手方向を軸方向とする断面が真円の棒形状に形成したものである。したがって個々の繊維の間に毛管現象を生じさせ、長手方向に液体を移動させる。このような中継部材151は、その後端部分を貯留室131に配置し、先端面を塗布体111の連結面111aに連結している。貯留室131に配置した中継部材151の後端部分は尖った形状に形成され、この部分はインクIKの供給を受ける給液部151aとなっている。また塗布体111の連結面111aに連絡する中継部材151の先端面は、平坦な連結部151bとされている。
そこで本実施の形態では、中継部材151に働く毛管現象の作用で、貯留室131から塗布体111にインクIKが誘導される。この場合、毛管現象が作用する力(以下「毛管力」と呼ぶ)は、中継部材151よりも塗布体111の方が強く設定されている。それ故にインクIKは、貯留室131から中継部材151を経由して塗布体111に至る方向に流れる。液体は毛管力が弱い側から強い側に吸引されるからである。
各部の構造をより詳細に説明する。
ハウジング102は、先端部を先窄まりの段状に形成した例えば樹脂成形品であり、先窄まりになった先端部に、塗布体111を取り付けるためのホルダ112を一体に成形している。
ホルダ112は、ハウジング102と同軸上に円筒状の大径部112aと小径部112bとを備えている。大径部112aは小径部112bよりもハウジング102の先端側に配置され、塗布体111を圧入状態で嵌合させる。小径部112bは中継部材151を圧入状態で嵌合させる。
もっとも大径部112aと小径部112bとは内部で連絡しており、大径部112aに保持された塗布体111の連結面111aと小径部112bに保持された中継部材151の連結部151bとは、互いに接触可能になっている。
ハウジング102の内部空間を二分割する中間栓121は、ハウジング102の内周面に圧接する円柱形状に形成された例えば樹脂成形品であり、軸方向に沿って貫通孔122を有している。この貫通孔122は、中間栓121がハウジング102に圧入されて固定された状態で、ハウジング102と同軸上に位置付けられている。
このようにホルダ112はハウジング102と同軸上に成形され、中間栓121の貫通孔122もハウジング102と同軸上に位置付けられている。したがってホルダ112と中間栓121とを介してハウジング102に装着される塗布体111及び中継部材151も、ハウジング102と同軸上に位置付けられることになる。
中間栓121に設けた貫通孔122について説明する。
図1(a)に示すように、中間栓121に設けられた貫通孔122は、貯留室131に面する側がストレート形状に形成され、この部分と連絡するリザーバ室141に面する側がテーパー形状に形成されている。つまりストレート形状に形成された貫通孔122は孔の大きさが一定であるのに対して、テーパー形状に形成された貫通孔122はリザーバ室141に向かうにしたがい孔の大きさがリニアに拡がっていく。したがって貫通孔122の孔の大きさは、貯留室131に面する部分が最も小さく、リザーバ室141に面する部分が最も大きくなっている。
図1(b)に示すように、ストレート形状に形成された貫通孔122は、断面が正六角形に形成されている。この部分は、貯留室131に面する貫通孔122の入口近傍にのみ形成されている。
図1(c)に示すように、テーパー形状に形成された貫通孔122は、断面が真円形状に形成されている。この真円形状は、同様に断面が真円形状である中継部材151の断面形状と相似形をなしている。
こうしてストレート形状に形成された断面正六角形の部分と、テーパー形状に形成された断面真円形状の部分とは、ぞれぞれの形態を保ったまま貫通孔122の内部で連結されている。一例として、テーパー形状に形成された断面真円形状の部分は、ストレート形状に形成された部分の断面正六角形が内接する大きさの真円を最小径とし、この部分をストレート形状に形成された部分に連絡させている。
ここで、中間栓121に形成した貫通孔122と中継部材151との間の寸法関係を説明する。
まず貫通孔122においてストレート形状に形成された断面正六角形の部分は、中継部材151が接触状態で嵌合する寸法に設定されている(図1(b)参照)。したがって中継部材151は、正六角形形状をした貫通孔122の六辺に接触し、貫通孔122との間に六条に分割された隙間を形成する。説明の便宜上、本実施の形態ではこの隙間を第1の隙間G1と呼ぶ。
次に貫通孔122においてテーパー形状に形成された断面真円形状の部分は、中継部材151が非接触状態で嵌合する寸法に設定されている(図1(c)参照)。このため貫通孔122と中継部材151との間には、非分割である単一の隙間が形成される。説明の便宜上、本実施の形態ではこの隙間を第2の隙間G2と呼ぶ。
こうして貫通孔122と中継部材151との間には、中間栓121の全長にわたって隙間Gが形成されることになる。この隙間Gは、その全長に渡ってインクIKに毛管現象を生じさせる。ただし非分割である第2の隙間G2は六条に分割された第1の隙間G1よりも断面積が大きくなるので、第1の隙間G1よりも毛管力が弱くなる。しかも第2の隙間G2はリザーバ室141に向かってテーパー状に拡がっていくので、リザーバ室141に近づくほど毛管力が弱まっていく。
以上のように構成されたアイライナー101は、中間栓121の貫通孔122と中継部材151との間に気液交換領域EAとリザーバ領域RAとを形成し、貯留室131を大気に連絡させる吸気通路161を形成する。
気液交換領域EAは、貯留室131から供給されたインクIKを中継部材151よりも弱い力の毛管現象で吸引する気液交換用の上記第1の隙間G1に保持し、インクIKを中継部材151に導く領域ある。
つまり第1の隙間G1は、毛管現象の作用でインクIKを吸引する。吸引されたインクIKは、毛管現象の強弱の関係上、第2の隙間G2にまで吸引されることはなく、第1の隙間G1に留まって保持される。そこで本実施の形態では、この第1の隙間G1が形成する領域を気液交換領域EAと呼んでいる。
このような気液交換領域EAにおいて特徴的なことは、例えば綿のような不定形のものではなく、樹脂成形品という形が定まった定形の部材と中継部材151との間に生ずる第1の隙間G1によって形成されていることである。
リザーバ領域RAは、気液交換領域EAに連絡する位置で、第1の隙間G1よりも弱い力の毛管現象を生じさせる上記第2の隙間G2を開けて中継部材151を囲繞する領域である。
前述したとおり、貯留室131から毛管現象の作用で吸引されたインクIKは第1の隙間G1に留まり、第2の隙間G2に吸引されない。第2の隙間G2に生ずる毛管力は第1の隙間G1に生ずる毛管力よりも弱いからである。本実施の形態では、こうしてインクIKが回り込まない隙間をリザーバ領域RAと呼んでいる。
リザーバ領域RAは、何らかの原因、例えば内圧の高まりなどによって貯留室131からインクIKが押し出された場合、押し出されて気液交換領域EAを通過したインクIKを一時的に保持する役割を担う。
このようなリザーバ領域RAにおいて特徴的なことは、例えば綿のような不定形のものではなく、樹脂成形品という形が定まった定形の部材と中継部材151との間に生ずる第2の隙間G2によって形成されていることである。
以上説明したとおり、アイライナー101は、塗布体111、中継部材151、気液交換領域EA、そしてリザーバ領域RAという四箇所において毛管現象を生じさせる。
これらの各部における毛管力の強弱関係は、塗布体111に生ずる毛管力をCP1、中継部材151に生ずる毛管力をCP2、気液交換領域EAに生ずる毛管力をCP3、リザーバ領域RAに生ずる毛管力をCP4とすると、
CP1>CP2>CP3>CP4 ・・・・・式1
の関係になる。
吸気通路161について説明する。
貯留室131は、塗布体111においてインクIKが消費されるにしたがい負圧になる。このため負圧になった貯留室131に空気を供給するための仕組みが必要になる。そのために設けられているのが吸気通路161である。
塗布体111においてインクIKが消費されると、まずは気液交換領域EAに保持されているインクIKが中継部材151を介して塗布体111に供給され、気液交換領域EAから消滅する。毛管現象の作用で液体が移動する場合、液体は最も毛管力が弱い部分から強い部分に移動するからである(上記式1参照)。
そこで本実施の形態は、気液交換領域EAにおいて発生するインクIKの消滅という現象を利用して、気液交換領域EAとこれに連なるリザーバ領域RA及びリザーバ室141とを吸気通路161の一部として利用する。
そして吸気通路161の残りの一部をホルダ112に形成している。つまりホルダ112には、大径部112aの内壁の一部と小径部112bの内壁の一部とに、それぞれ塗布体111と中継部材151との間に隙間を生じさせる通気溝113を形成する。これによってリザーバ室141がホルダ112の先端部から外部につながり、貯留室131を大気に連絡させる吸気通路161が生成される。
作用について説明する。
貯留室131に貯留されているインクIKは、毛管現象の作用で中継部材151に吸引され、互いに接触する連結部151bから連結面111aを介して塗布体111に供給される。塗布体111は中継部材151よりも毛管力が強いため(上記式1参照)、供給されたインクIKを塗布面111bに導く。このとき中継部材151と塗布体111とは、インクIKを含浸して保持した状態になっている。
この際、貯留室131に貯留されているインクIKは第1の隙間G1にも吸引され、気液交換領域EAを満たす。したがって吸気通路161は閉じられた状態になっている。
アイライナー101の使用者が塗布体111の塗布面111bをアイラインに当ててインクIKを塗布すると、塗布体111に含浸されていたインクIKが消費され、塗布体111は中継部材151を介して貯留室131からインクIKを吸引する。
これによって貯留室131が負圧になる。
これに対して、塗布体111が貯留室131からインクIKを吸引すると、最も毛管力が弱い気液交換領域EAのインクIKが塗布体111に向けて移送され、気液交換領域EAから消滅する。すると吸気通路161が開通し、負圧になっている貯留室131が大気を吸引して負圧状態を解消する。
そして塗布体111でのインクIKの消費が停止すると、気液交換領域EAには再びインクIKが満たされる。
このような作用が繰り返されることで、塗布対象物であるアイラインへのインクIKの塗布が行われる。
本実施の形態のように、インクを生の状態のまま貯留し、適宜塗布するようにしたアイライナーにおいては、塗布体からのインクの漏洩、いわゆるボタ落ちの防止が長年の課題になっていた。このようなインクのボタ落ちは、インクを貯留する貯留室の内圧の高まりや、アイライナーに加えられる衝撃を原因として発生する。
本実施の形態のアイライナー101は、このようなインクIKのボタ落ちという現象に対して、二重の防止策を施している。
防止策の一つは、リザーバ領域RAでのインクIKの保持であり、もう一つはリザーバ室141でのインクIKの保持である。
つまり温度上昇などによって貯留室131の内圧が高まったり、ハウジング102に強い衝撃が加わったりすると、貯留室131からインクIKが押し出され、貫通孔122と中継部材151との間の隙間Gに流れ込む。隙間Gに流れ込んだインクIKは気液交換領域EAを通って外部に流れ出そうとする。
これに対して本実施の形態では、貯留室131からインクIKが溢れ出して隙間Gに流れ込んだ場合、リザーバ領域RAでインクIKが一時的に保持される。そしてアイライナー101がどのような角度に傾けられた場合であっても、リザーバ領域RAは毛管現象の作用でインクIKの保持状態を維持する。
もっともリザーバ領域RAの容量を超えるインクIKが隙間Gに流れ込めば、インクIKはリザーバ領域RAから溢れ出してしまうが、こうしてリザーバ領域RAから漏れ出したインクIKは、リザーバ室141に流れ込んで保持される。
したがって本実施の形態によれば、内圧変動や衝撃によって貯留室131からインクIKが押し出された場合、インクIKはリザーバ領域RAあるいはリザーバ室141で一時的に保持される。これによって塗布体111からのインクIKのボタ落ちを二重に防止することができる。
ところでリザーバ領域RAあるいはリザーバ室141に一時的に保持されたインクIKについては、その回収が可能である。このようなインクIKの回収について説明する。
まずリザーバ領域RAに保持されたインクIKの回収について説明する。
リザーバ領域RAに保持されているインクIKは、一旦は高まった貯留室131の内圧が元に戻れば、より毛管力が強い気液交換領域EAに吸引され(上記式1参照)、貯留室131に回収される。あるいは塗布体111での塗布動作が行われれば、より毛管力が強い中継部材151に吸引され(上記式1参照)、塗布体111に回収される。
これによってリザーバ領域RAからインクIKが抜き取られ、リザーバ領域RAは初期状態に復帰する。この際、リザーバ領域RAは中継部材151を囲繞する非分割の隙間Gによって形成されているので、インクIKを残存させることがない。
その理由について述べる。
中間栓121は樹脂成形品という定型部材によって形成されているのに対して、中継部材151は複数本の繊維を集束して圧縮することによって形成されている。このため、中間栓121に形成する貫通孔122は比較的製造誤差が小さいのに対して、中継部材151は製造誤差が大きくなる。一例として、中継部材151の製造誤差の寸法は貫通孔122の製造誤差の寸法の十倍程度となる。
このため貫通孔122と中継部材151との間の隙間(第1の隙間G1、第2の隙間G2)に関しては、必然的に、高い精度を望めない。
そこで仮に、リザーバ領域RAも気液交換領域EAと同様に断面多角形形状に中間栓121の貫通孔122を形成し、第2の隙間G2を複数に分割した場合を想定すると、第2の隙間G2の個々の分割領域の断面積は、中継部材151の軸方向にも軸と直交する方向にも一定しなくなる。これにより、第2の隙間G2の個々の分割領域における毛管力に変動が発生してしまう。
すると気液交換が行われるに際して、互いに連絡する第1の隙間G1及び第2の隙間G2の個々の分割領域のうち、毛管力が弱い領域のインクIKが真っ先に消滅するという現象が発生する。この場合には、毛管力が強い領域のインクIKがリザーバ領域RAに残存しているにもかかわらず、第1の隙間G1及び第2の隙間G2の一部において吸気通路161が開放され、貯留室131への空気の導入が促されてしまう。その結果、貯留室131の内部の圧力が大気圧と平衡になり、リザーバ領域RAに残存しているインクIKが回収不能となってしまうという不都合が発生する。
これに対して本実施の形態では、リザーバ領域RAを形成する第2の隙間G2が非分割に形成されているので、リザーバ領域RAの一部からインクIKを回収できなくなってしまうという上記問題が発生しない。
したがってリザーバ領域RAにインクIKが残存した場合の不都合、例えばインクIKの保持容量が減少したり、毛管現象の作用力に変動が生じたりという性能の変動をリザーバ領域RAに生じさせないようにすることができる。
次にリザーバ室141に保持されたインクIKの回収について説明する。
リザーバ室141に保持されたインクIKは、塗布体111が上方を向くようにアイライナー101が傾けられると、リザーバ領域RAの出口に向けて集められる。すると毛管現象の作用でリザーバ領域RAに吸引されていく。
インクIKがリザーバ領域RAに吸引されれば、先に説明したように、貯留室131に回収されるか、あるいは塗布体111に回収される。
本実施の形態によれば、気液交換領域EAは、気液交換用の第1の隙間G1を開けて中継部材151を囲繞する。このため毛管力の強さが安定し、リザーバ領域RAとの間の毛管力の強さの関係(上記式1参照)を安定した状態に保つことができる。
したがって気液交換領域EAとリザーバ領域RAと境界区分について、製品ごとのバラツキを極力少なくすることができる。
この場合、気液交換領域EAは、少なくとも二個以上のN個(本実施の形態では六個)に分割された気液交換用の第1の隙間G1を形成するN箇所(本実施の形態では六箇所)の位置で中継部材151に接触し、中継部材151を位置決めする。
したがって第1の隙間G1の大きさを正確に定めることができ、気液交換領域EAの毛管力のバラツキを極力少なくすることができる。
また気液交換領域EAは中継部材151に各辺が接触する断面多角形形状に形成されており、リザーバ領域RAは非分割の断面真円形状に形成されている。したがって貫通孔122の形状が単純化し、中継部材151の製造の容易化を図ることができる。
またリザーバ領域RAは、中継部材151を囲繞する内面形状をテーパー状に拡げて形成しているので、この面からもリザーバ領域RAを形成する貫通孔122の形状を単純にすることができ、中継部材151の製造の容易化を図ることができる。
≪第2の実施の形態≫
第2の実施の形態を図2(a)(b)(c)に基づいて説明する。
第1の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図2(a)に示すように、本実施の形態は、中間栓121をバルク状のものから肉薄形状のものにし、ハウジング102に対する固定構造物を担う部分と、気液交換領域EA及びリザーバ領域RAを形成する貫通孔122を形成する部分とを分離している。
つまり中間栓121は、同軸上に共に円筒状に形成されて内部で連絡する大径の固定部121aと小径の作用部121bとからなり、固定部121aをハウジング102の内部に圧入し、ハウジング102に対する固定構造物としての役割を担わせている。
固定部121aは貯留室131の側に配置され、貯留室131の一部をも形成している。
作用部121bはリザーバ室141の側に配置され、内部に中継部材151を貫通させる貫通孔122を形成している。貫通孔122は、中継部材151との間に隙間を生じさせている。
中継部材151は貫通孔122を完全に貫通し、その先端部に形成する給液部151aを固定部121aが形成する貯留室131にまで至らせている。本実施の形態でも給液部151aは尖った形状に形成され、中間栓121の固定部121aが担う貯留室131に入り込んだ位置に位置付けられている。
図2(b)(c)に示すように、本実施の形態は、貫通孔122をテーパー状に形成せず、貯留室131に面する側とリザーバ室141に面する側との形状を変えることで、毛管力の強弱を生じさせている。
つまり作用部121bに形成した貫通孔122は、貯留室131に面する部分とリザーバ室141に面する部分とで異なる形状に形成されている。貯留室131に面する部分では断面正六角形(図2(b)参照)、リザーバ室141に面する部分では断面真円形状である(図2(c)参照)。したがって貫通孔122と中継部材151との間の隙間Gは、貯留室131に面する位置では六条に分割されて第1の隙間G1を構成し、リザーバ室141に面する位置では非分割の第2の隙間G2を構成している。
第1の隙間G1が形成されているのは、貯留室131に面する位置の近傍のみであり、貫通孔122の大部分の領域は第2の隙間G2となっている。
作用部121bに形成される気液交換領域EAとリザーバ領域RAとについて説明する。
貯留室131から第1の隙間G1に吸引されたインクIKは、毛管力の強弱の関係で、第2の隙間G2には吸引されず、第1の隙間G1に留まる。したがってこの第1の隙間G1の領域に気液交換領域EAが形成され、第2の隙間G2の領域にリザーバ領域RAが形成されることになる。
このような構成において、本実施の形態のアイライナー101も、第1の実施の形態のアイライナー101と同様の作用効果を生ずる。
その他、本実施の形態によれば、リザーバ領域RAは、貫通孔122を断面真円形状にすることで形成される。したがって貫通孔122の形状を単純にすることができ、中間栓121の製造の容易化を図ることができる。
≪第3の実施の形態≫
第3の実施の形態を図3に基づいて説明する。
第1の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図3に示すように、本実施の形態は、リザーバ室141に位置させて、中継部材151にリザーバ用の吸蔵体142を取り付けた。
リザーバ用の吸蔵体142は、例えばポリエステル、アクリル、アセテートなどの繊維を複数本からめた中綿状のものであり、繊維と繊維の間の隙間に毛管現象を作用させてインクIKを吸引し、吸引したインクIKを保持する。このような吸蔵体142に生ずる毛管力は、気液交換領域EAに発生する毛管力よりも弱く設定されている。
このような構成において、本実施の形態のアイライナー101も、第1の実施の形態のアイライナー101と同様の作用効果を生ずる。
その他、本実施の形態によれば、リザーバ領域RAの容量を超えるインクIKが隙間Gに流れ込み、リザーバ領域RAからインクIKが溢れ出してリザーバ室141に流出した場合、流出したインクIKはリザーバ用の吸蔵体142に吸収されて保持される。
そして吸蔵体142に保持されたインクIKは、次に塗布体111で塗布動作が行われた際、毛管力がより強い中継部材151に吸引され(上記式1参照)、塗布体111に供給される。
したがって本実施の形態によれば、リザーバ室141の内部でインクIKが自由に移動してしまうという不安定な状態を解消することができ、塗布体111からのインクIKのボタ落ちをより確実に防止することができる。
≪第4の実施の形態≫
第4の実施の形態を図4に基づいて説明する。
第1の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
図4に示すように、本実施の形態は、貯留室131に気液交換用の吸蔵体123を設けたものである。
気液交換用の吸蔵体142は、貯留室131に面する中間栓121の端面の全面に固定されている。吸蔵体123は、例えばポリエステル、アクリル、アセテートなどの繊維を複数本からめた中綿状のものであり、繊維と繊維の間の隙間に毛管現象を作用させてインクIKを吸引し、吸引したインクIKを保持する。吸蔵体123に生ずる毛管力は、気液交換用の隙間である第1の隙間G1に発生する毛管力と同等か、もしくはより強く設定されている。
このような吸蔵体142に対して、中継部材151は、その後端部分に設けた給液部151aを差し込んでいる。したがって中継部材151は、吸蔵体123が吸蔵しているインクIKを給液部151aから吸引し、塗布体111へと導く。
このような構成において、本実施の形態のアイライナー101も、第1の実施の形態のアイライナー101と同様の作用効果を生ずる。
その他、本実施の形態によれば、例えば貯留室131の内圧が高まってインクIKが一旦リザーバ室141に保持された後、貯留室131の内圧が下がって元に戻る際、気液交換領域EAの第1の隙間G1に生ずることがある寸法誤差を原因として、リザーバ領域RAにインクIKが残存してしまう可能性を排除することができる。
つまり第1の隙間G1は複数条、具体的には六条に分割されているので、中継部材151の製造誤差によって、六条に分割された個々の第1の隙間G1の断面積が中継部材151の軸方向にも軸と直交する方向にも一定しなくなる可能性がある。この場合には、第1の隙間G1の個々の分割領域で毛管力に変動が発生してしまう。
すると気液交換領域EAで気液交換が行われるに際して、第1の隙間G1の個々の分割領域のうち、毛管力が弱い領域のインクIKが真っ先に消滅するという現象が発生する。このような現象が発生した際、インクIKがリザーバ領域RAに僅かに残存しているにもかかわらず、第1の隙間G1及び第2の隙間G2の一部において吸気通路161が開放され、貯留室131への空気の導入が促されてしまうことがある。そうなると貯留室131の内部の圧力が大気圧と平衡になり、リザーバ領域RAに残存するインクIKが回収不能になってしまうという不都合が発生するのである。
これに対して本実施の形態によれば、第1の隙間G1に保持されているインクIKが気液交換用の吸蔵体123に吸収されるので、第1の隙間G1からの個々の分割領域インクIKが貯留室131に回収されるに際して、回収速度に生ずる遅速が極力平準化される。したがって、リザーバ領域RAに残存するインクIKが回収不能になってしまうという不都合を解消することができる。
≪第5の実施の形態≫
第5の実施の形態を図5に基づいて説明する。
第4の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
本実施の形態は、貯留室131に面する中間栓121の端面に吸蔵体ホルダ124を設け、この吸蔵体ホルダ124に気液交換用の吸蔵体123を収納して保持させたものである。
吸蔵体ホルダ124は、中間栓121と別体のものを中間栓121に固定しても、中間栓121と一体に成形するようにしてもよい。
また吸蔵体ホルダ124は中継部材151を貫通させるために孔を開けているわけであるが、この孔は第1の隙間G1の一部として形成されていてもよく、あるいはより大径に形成されて吸蔵体123を充填させる形態であってもよい。
このような構成において、本実施の形態のアイライナー101も、第1の実施の形態のアイライナー101と同様の作用効果を生ずる。
その他、本実施の形態によれば、中間栓121に収納する気液交換用の吸蔵体123の量を調節することで、吸蔵体123に生ずる毛管力の強さを容易に設定することができる。
≪第6の実施の形態≫
第6の実施の形態を図6に基づいて説明する。
第1の実施の形態と同一部分は同一の符号で示し、説明も省略する。
本実施の形態のアイライナー101は、塗布体111とリザーバ室141とを備えるハウジング102に対して、貯留室131、中継部材151、気液交換領域EA、及びリザーバ領域RAを備えるレフィル171を着脱自在にしたものである。
レフィル171は、一端側が開口して別の一端側が閉じられた筒状のカートリッジケース172を備え、カートリッジケース172の開口部分173を中間栓121で封止している。中間栓121には中継部材151が取り付けられている。したがって中間栓121の貫通孔122と中継部材151との間には、気液交換領域EAとリザーバ領域RAとが形成されている。
また中間栓121によって封止されたカートリッジケース172の内部には、貯留室131が形成されている。貯留室131にはインクIKが封入されている。
ハウジング102はその先端側に上記ホルダ112を備えず、リザーバ室141に配置されるインク保持体181によって塗布体111を保持している。
つまりインク保持体181は、円板状に形成された複数枚の円板状部材182を軸方向に積層配置したリザーバ用の吸蔵体として機能するもので、個々の円板状部材182の間にインクIKを保持するインク保持スリット183を形成している。
図6(a)(b)には図示しないが、インク保持体181は、個々のインク保持スリット183に連絡するインク誘導スリット(図示せず)を形成している。このインク誘導スリットは、リザーバ室141と塗布体111とに連絡している。
したがってリザーバ室141にインクIKが漏れ出した場合、インク保持体181は毛管現象の作用でインク誘導スリットからインク保持スリット183にインクIKを吸引して保持する。このときのインクIKの量に応じて、複数個あるインク保持スリット183に順にインクIKが吸引されていく。
またインク保持体181には、リザーバ室141、リザーバ領域RA、及び気液交換領域EAを介して貯留室131を大気に連絡させるための空気通路(図示せず)も形成されている。これによって吸気通路161が形成される。
ハウジング102は、その開口部102aからレフィル171を着脱自在にしている。ハウジング102に挿入されて規定の位置に達したレフィル171をその位置に位置付けるために、ハウジング102はその内壁にストッパ102bを備えている。開口部102aから挿入されてストッパ102bに塞き止められる位置がレフィル171の規定位置となる。レフィル171はストッパ102bに接触する位置に、肉厚にされて強度が補強された突当部174を形成している。
こうして規定の位置に位置付けられたレフィル171は、中継部材151の先端面に形成した連結部151bを塗布体111の後端面に形成した連結面111aに連結する。この際、中継部材151の連結部151bは凹形状に形成され、塗布体111の連結面111aは凸形状に形成されていることから、連結面111aに対する連結部151bの密着性が向上し、より確実な連結がなされる。
また規定の位置に位置付けられたレフィル171は、その後端部分をハウジング102の開口部102aから飛び出させて外部に露出させる。したがってこの露出部分を摘むことで、ハウジング102に対するレフィル171の着脱作業を行うことができる。
ハウジング102の開口部102aを封止する尾栓103は、開口部102aから飛び出ているレフィル171の後端部分を覆うことができるように形成されている。
このような構成において、本実施の形態のアイライナー101も、第1の実施の形態のアイライナー101と同様の作用効果を生ずる。
その他、本実施の形態によれば、ハウジング102に対してレフィル171の入れ替えが可能である。
したがってレフィル171に封入されているインクIKが消費された場合、それまで装着されていたレフィル171を取り外し、インクIKが十分に封入されているレフィル171を装着すれば、アイライナー101を長期にわたり使用することが可能となる。
≪変形例≫
以上説明した第1〜第6の実施の形態については、各種の変形や変更が可能である。
例えば気液交換領域EAについては、中間栓121の貫通孔122を断面楕円形状に形成し、二個に分割された第1の隙間G1を形成する二箇所の位置で中継部材151を位置決めするようにしてもよい。
また各実施の形態の要素を他の実施の形態に適用することもできる。
例えば第4及び第5の実施の形態のアイライナー101では、第3の実施の形態で示したような吸蔵体142をリザーバ領域RAに配置するようにしてもよい。
第1〜第5の実施の形態のアイライナー101では、第6の実施の形態で示したようなインク保持体181を吸蔵体として設置するようにしてもよい。
第1〜第5の実施の形態のアイライナー101では、第6の実施の形態で示したようなレフィル171の構造を適用することもできる。
レフィルに関しては、上記第6の実施の形態で示したレフィル171の形態ではなく、上記第1〜第5の実施の形態でアイライナー101として説明したものをレフィルとすることもできる。この場合には、予め用意した円筒状の外装ケース(図示せず)に対して、上記第1〜第5の実施の形態でアイライナー101として説明したレフィルを着脱自在にする。
第6の実施の形態では、中継部材151と塗布体111とを直接的に接触させて連結しているが、間接的に連絡させる構成であってもよい。例えばハウジング102の側に塗布体111と中継部材151の一部とを予め取り付けておき、この中継部材151の一部にレフィル171に取り付けた中継部材151を接触させるようにしてもよいのである。
また上記第1〜第6の実施の形態はアイライナー101の各種の例を示したが、サインペンやマーキングペンなどの筆記具、スタンプ、薬剤塗布容器などに適用してもよいことは言うまでもない。
その他、あらゆる変形や変更が許容される。
102 ・・・ハウジング
102a・・・開口部
111 ・・・塗布体
121 ・・・中間栓
123 ・・・気液交換用の吸蔵体
124 ・・・吸蔵体ホルダ
131 ・・・貯留室
141 ・・・リザーバ室
142 ・・・リザーバ用の吸蔵体
151 ・・・中継部材
171 ・・・レフィル
172 ・・・カートリッジケース
IK ・・・インク(液体)
G1 ・・・第1の隙間(気液交換用の隙間)
G2 ・・・第2の隙間(非分割の隙間)
EA ・・・気液交換領域
RA ・・・リザーバ領域

Claims (10)

  1. 液体を貯留する貯留室と、
    供給された液体を毛管現象によって吸引して一面に導く塗布体と、
    前記塗布体よりも弱い力の毛管現象の作用で当該塗布体に液体を導く棒状の中継部材と、
    前記塗布体を下向きにした状態で前記貯留室に貯留された液体に下方から面して配置され、少なくとも二箇所以上のN箇所の位置で前記中継部材を位置決めすることで、この中継部材よりも弱い力の毛管現象を生じさせるN個に分割された気液交換用の隙間を開けて当該中継部材を囲繞し、前記貯留室から前記気液交換用の隙間に毛管現象によって液体を吸引して前記中継部材に導く気液交換領域と、
    前記気液交換領域に連絡する位置で、この気液交換領域よりも弱い力の毛管現象を生じさせる非分割の隙間を開けて前記中継部材を囲繞し、前記貯留室から押し出されて前記気液交換領域を通過した液体を一時的に保持するリザーバ領域と、
    前記気液交換領域から前記リザーバ領域を経て前記貯留室を大気に連絡させる吸気通路と、
    を備えることを特徴とする塗布具。
  2. 前記気液交換領域は、前記中継部材に各辺が接触する断面多角形形状を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布具。
  3. 前記リザーバ領域は、前記中継部材を囲繞する内面の断面形状をこの中継部材の断面形状と相似形にしている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の塗布具。
  4. 前記リザーバ領域は、前記中継部材を囲繞する内面の形状を前記気液交換領域の側からテーパー状に拡げている、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一に記載の塗布具。
  5. 前記リザーバ領域から漏れ出た液体を貯留するリザーバ室を備える、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の塗布具。
  6. 前記リザーバ室内で前記中継部材に接触し、前記栓体の気液交換領域よりも弱い力の毛管現象の作用で液体を保持するリザーバ用の吸蔵体を備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載の塗布具。
  7. 前記気液交換領域は、前記気液交換用の隙間を前記貯留室に面する位置に配置する、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一に記載の塗布具。
  8. 先端側に前記塗布体を保持し、後端側に開閉自在の開口部を有する筒状のハウジングと、
    前記中継部材を軸方向に貫通させてこの中継部材との間に前記気液交換領域と前記リザーバ領域とを形成し、このリザーバ領域を前記塗布体の側に向けて前記ハウジングの内部に固定される中間栓と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一に記載の塗布具。
  9. 先端側に前記塗布体を保持し、後端側に開閉自在の開口部を有する筒状のハウジングと、
    前記貯留室と前記中継部材と前記気液交換領域と前記リザーバ領域とを備え、前記ハウジングに対して着脱自在で、このハウジングに取り付けられた状態で前記中継部材を前記塗布体に連結するレフィルと、
    を備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか一に記載の塗布具。
  10. 前記レフィルは、
    一端側が開口して別の一端側が閉じられた筒状のカートリッジケースと、
    前記中継部材を軸方向に貫通させてこの中継部材との間に前記気液交換領域と前記リザーバ領域とを形成し、前記気液交換領域の側に前記液体を封入した前記貯留室を形成するように前記カートリッジケースの内部に固定された中間栓と、
    を備えることを特徴とする請求項に記載の塗布具。
JP2015162496A 2015-08-07 2015-08-20 塗布具 Expired - Fee Related JP5933793B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015162496A JP5933793B1 (ja) 2015-08-20 2015-08-20 塗布具
PCT/JP2016/068678 WO2017026176A1 (ja) 2015-08-07 2016-06-23 塗布具
TW105124780A TW201705878A (zh) 2015-08-07 2016-08-04 塗布具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015162496A JP5933793B1 (ja) 2015-08-20 2015-08-20 塗布具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5933793B1 true JP5933793B1 (ja) 2016-06-15
JP2017038787A JP2017038787A (ja) 2017-02-23

Family

ID=56120542

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015162496A Expired - Fee Related JP5933793B1 (ja) 2015-08-07 2015-08-20 塗布具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5933793B1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7382640B2 (ja) * 2020-03-17 2023-11-17 株式会社サクラクレパス 塗布具
JP2022108160A (ja) * 2021-01-12 2022-07-25 株式会社トキワ 液状化粧料容器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59179082U (ja) * 1983-05-14 1984-11-30 龍宝堂製薬株式会社 筆記具
JPH0259717U (ja) * 1988-10-24 1990-05-01
WO2004000575A1 (ja) * 2002-06-24 2003-12-31 Hics Corporation 筆記具
WO2005123416A1 (ja) * 2004-06-22 2005-12-29 Hori, Yayoi 液体供給装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59179082U (ja) * 1983-05-14 1984-11-30 龍宝堂製薬株式会社 筆記具
JPH0259717U (ja) * 1988-10-24 1990-05-01
WO2004000575A1 (ja) * 2002-06-24 2003-12-31 Hics Corporation 筆記具
WO2005123416A1 (ja) * 2004-06-22 2005-12-29 Hori, Yayoi 液体供給装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017038787A (ja) 2017-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5933792B1 (ja) 塗布具
JP5859164B1 (ja) 塗布具
JP3909775B2 (ja) 液体供給装置
KR100946428B1 (ko) 직액식 필기구
JP6736144B2 (ja) 塗布具
JP6155408B1 (ja) 塗布具
JP2013102910A (ja) 液体供給装置
WO2017026176A1 (ja) 塗布具
US6695517B2 (en) Free ink system
JP5933793B1 (ja) 塗布具
KR101958956B1 (ko) 압력 변동 완충 기구 및 도포구
WO2012157594A1 (ja) 塗布具
JP6142622B2 (ja) 生インキ内蔵筆記具
JP6042005B1 (ja) 塗布具及びその製造方法
KR20210071057A (ko) 도포구
WO2011035575A1 (zh) 注液笔
JP2021007421A (ja) 塗布具
CN113556961A (zh) 涂敷工具
JP2019187464A (ja) 塗布具
JP4179808B2 (ja) 液体容器
JP2013056519A (ja) 塗布具
KR840001167B1 (ko) 필기구
EP1775143B1 (en) Free ink system
JP6142624B2 (ja) 生インキ内蔵筆記具
KR20100033690A (ko) 필기구

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5933793

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees