JP2002362086A - インキ導入管及びこれを内蔵した筆記具 - Google Patents

インキ導入管及びこれを内蔵した筆記具

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    • B43WRITING OR DRAWING IMPLEMENTS; BUREAU ACCESSORIES
    • B43KIMPLEMENTS FOR WRITING OR DRAWING
    • B43K8/00Pens with writing-points other than nibs or balls
    • B43K8/02Pens with writing-points other than nibs or balls with writing-points comprising fibres, felt, or similar porous or capillary material
    • B43K8/04Arrangements for feeding ink to writing-points
    • B43K8/06Wick feed from within reservoir to writing-points

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  • Pens And Brushes (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フェルトペン後部のインキタンクから先端の
チップへのインキの供給を安定化するインキ導入管とそ
れを内蔵した筆記具の構造を提供する。 【解決手段】 インキタンク13から先端のチップに連
絡するインキ導入管16の内周壁に複数の突条17を形
成して突条17間に毛細管作用を利用した流下通路を設
け、インキ導入管16の複数の突条17先端に囲まれた
内側空間を毛細管作用が可能な大きな空間に形成した。
これによりインキタンク13への空気の流通は空気泡に
なって内側空間を上昇移動し、インキは突条17間で保
持されながら流下するので、インキと空気の交換がスム
ーズに行なわれ、インキ垂れを防止し書き付けが良好に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】筆記具の殆どは、長期間に渉
って筆記できるようにインキを貯留するためのタンクを
備えている。これらの中にはインキタンクのインキを筆
記先端(ペン先,ボールポイント,プラスチックチップ
等)に十分なだけ供給するためのインキ導入管等を備え
たものがある。本発明は、インキタンクのインキを筆記
先端に誘導するインキ導入管及びこれを内蔵した筆記具
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、万年筆のように流体状のインキを
詰めたスペアインキタンク(カートリッジ)を交換して
使用する筆記ペンがある。図4に示す筆記用ペン1は、
筒状のハウジング2の中央内部に強固な中継部材3が固
定され、中継部材3に支持されたインキ導入管4が中継
部材3の前方に設けた筒状の中綿部材5に保持されてい
る。また、中綿部材5の前部においてインキ導入管4と
筆記用ペン先6が連結され、一方、中継部材3の後端部
には突起7Aを有するインキタンク保持用管体7が形成
され、カートリッジ式のインキタンク8をインキタンク
保持用管体7に嵌合することにより筆記可能状態とする
構造となっている。また、インキ導入管4の後端はイン
キタンク保持用管体7の中に突出して、インキタンク中
のインキと接触する。インキ導入管4には図5で示す様
に断面形状で中心から放射方向に8本のスリット状のイ
ンキ導入溝4Aを備えている。
【0003】インキ導入管4はスリットによる毛細管作
用によりペン先方向にインキを流動させるが、これによ
り供給されたインキは中綿部材5にその毛細管作用によ
り、径方向、軸方向いずれの方向にもインキが浸透して
中綿部材5に停留する構造になっている。また、ペン軸
方向においてペン先6側が中継部材3側より毛細管作用
が強くなるように形成されている。インキ導入管4から
供給されたインキは、多孔質のフェルト部材、合成樹脂
燒結体等で成形したペン先6に移動するが、余分なイン
キは結合部において中綿部材5に吸収される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の筆記用ペン1で
筆記したとき、インキの消費に伴ってスリット4Aの毛
細管作用でインキタンク8からインキがペン先側に移行
する。このときインキタンク8はインキ導入管4を除い
て密閉状態であるので、インキタンク内のインキと外部
からの空気の入れ替えがなければインキの流出はない。
インキの使用量に対応する空気がペン先6及びインキ導
入管4からインキタンク8に侵入して外部との圧力を平
衡に保つ。しかしながら、空気とインキとの交換が十分
行われなくなると、インキタンク8内が低圧になってイ
ンキが落ちにくくなって書いたインキ線が途切れたり、
逆に、インキタンク8内部の空気量が多くなってきたと
きに、インキタンク8内の空気が急激に膨張したりする
と、その分インキが押し出され、突然、文字が太くなっ
たり、インキが垂れたりする。
【0005】そこで、インキタンク8から多めのインキ
量が供給できるように、図6に示す構造のインキ導入管
4によって毛細管作用が随所で起きるように試みた。す
なわち、断面形状において、インキ導入管4の外周から
内周に向かって(中心付近まで延びた)突条を形成さ
せ、その間のスリットの全面積を大きくするように構成
した。なお、突起のスリット幅はA−A間で50ミクロ
ンとし、中心部空間Cを同程度とした。しかしながら、
インキ導入管4に停留するインキ量は多くなるが、スリ
ットに停留したインキは空気がインキタンク8に移動す
るのに障害物となり、インキタンク8内に空気が侵入し
なくなるので、インキの出が著しく悪くなった。一方、
図7に示すように、インキタンク8内に多くの空気を侵
入させ易くする試みとして、インキ導入管4の断面形状
を,高さの低い突条を間隔を広げて中心部に向かう様に
突出させたものにした。すなわち、高さの低い突条で形
成する毛細管作用の可能な空間幅B−B間を100ミク
ロンとし、中心部空間Cも同程度とした。この場合、イ
ンキタンク8内のインキと外部からの空気との交換がき
わめて容易に行なわれ、インキが過剰に流出しやすく、
筆記むらが生じた。
【0006】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
もので、空気がインキタンクへ導入され易く、インキの
流れも筆記に適した良好なものになるインキ導入管及び
これを内蔵した筆記具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、請求項1の発明は、密閉された筆記具のイ
ンキタンクから筆記用チップにインキを誘導するための
インキ導入管であって、該インキ導入管は、内壁周面か
ら中心に向かって複数の突条を毛細管作用が強く働くよ
うに突設し、かつ、軸方向に延長して形成してなり、ま
た、前記複数の突条の自由端で取り囲まれた中心部空間
は、毛細管作用が働き難い程の断面積をもって前記イン
キ導入管の全長にわたって形成されていることを特徴と
するものである。
【0008】請求項2の発明は、複数の突条は前記イン
キ導入管の中心部空間に近付いても、複数の突条間で
は、毛細管作用が略同じになるように、突条の中心部方
向への長さを長短合わせて形成したことを特徴とするも
のである。
【0009】請求項3の発明は、複数の突条間の幅を約
10〜100μ程度とし、中心部空間の横断距離を約1
00〜1000μとしたことを特徴とするものである。
【0010】請求項4の発明は、筆記具軸部内にインキ
タンクを設け、該インキタンクと筆記具軸部先端に位置
する筆記用チップとをインキ導入管で連絡し、前記イン
キ導入管は軸方向に延びる、その内周面に沿って設けら
れた毛細管作用の強い部分と、中央部に毛細管作用の弱
い円柱空間とを備え、該インキ導入管と筆記用チップと
が接続されている周辺を毛細管作用を有する中芯で囲っ
たことを特徴とするものである。
【0011】本発明は上記構成のインキ導入管としたの
で、少し粘性の高いインキであっても円滑に外部空気と
交換してインキをインキタンクから円滑に筆記用チップ
に供給できる。また、本発明のインキ導入管を組み込ん
だ筆記具も円滑な筆記が望まれる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図3に示す筆記用ペン1は、
インキタンク13を有する有底筒状のハウジング9と、
ハウジング9の先端に取り付けた筆記用チップ15と、
インキタンク13とチップ15との間に配置されたイン
キ導入管16とから概略構成されている。
【0013】詳細には、ハウジング9の内壁には、中子
12の大径部10が密に嵌合し、ハウジング底部にイン
キタンク13を形成させている。中子12は、大径部1
0の後端に小径部11を有し,小径部11はインキタン
ク13内に貫通する小径孔を備えている。中子12の大径
部10には中芯(中綿)14の後部を挿入し、中芯14
の前部の外周面はハウジング9の内壁には接触せずにそ
こに形成された空気層9aに囲まれた状態に配置されて
いる。中芯14の前面には円形凹部14aが形成されて
いる。チップ15は多孔質のフェルト部材等で構成さ
れ、その先端はハウジング9の先端から外部に突出し、
その後端は中芯14の円形凹部14aに嵌め込まれてい
る。
【0014】インキ導入管16の後端は、中子12の小
径部11の小径孔に支持されてインキタンク13内に突
出し、インキ導入管16の先端部は円筒状の中芯14の
中心を貫通して円形凹部14a内に突出してチップ15
の後端に係合している。中子14の小径部11の内側では
空気溜まり11aが形成されている。
【0015】チップ15とインキ導入管16の結合部を
中芯14で囲うことにより、チップ後端に必要以上のイ
ンクが供給されたとき、チップ15に浸入できないで溢
れたインキは,中芯14に吸収、貯留される。すなわ
ち、中芯14を構成する毛細管部の毛細管作用によっ
て、中芯14の前部側から順に後部にかけてインクが溜
まるようになっている。なお、中子12の小径部11の
空気溜まり11aは中芯(中綿)14の毛細管作用を支
援する。インキ導入管16は。インキタンク13とチッ
プ15間に配置され,インキをインキタンク13からチ
ップ15の後端部に供給するものであり、インキの供給
に当たっては、チップ側から入った空気を上方に通過さ
せ、インキの流下を促す役割を果たす。
【0016】インキ導入管の構成について、図1に基づ
いて説明する。インキ導入管16は合成樹脂で形成され
ており、その内周壁には中心部に向かう複数の突条17
が突設され、かつ、軸方向に延長されている。また、イ
ンキ導入管16の複数の突条17は、3種類の高さ(高
い、中間、低い)を有するが、いずれも中心部までは達
しない高さであって、各突条の自由端は大きな玉ぶち状
に形成されている。インキ導入管16の内壁近くに毛細
管作用が有効に働くように、一番高い突条17aは内壁
に等間隔に配置され、高い突条17aの間に中間突条1
7bを突設させ、高い突条17aと中間突条17bとの
間に低い突条17cを突設けている。そして、各突条1
7の両側面に長手方向に沿って凹凸模様を施している。
【0017】図1に示すように、インキ導入管16の内
周壁に突設した各突条17の間隔は略均一であって、そ
の側壁の間隔は約10〜100μ程度に形成されてい
る。また、図1に示す中心Oに向かう中間突条17b
は、小黒点間の線分a:bを略3:2にして形成し、長
い突条17aは、小黒点間の線分c:dを略2:3にし
て形成する。
【0018】インキ導入管16における長い突条17a
と中間突条17bとの各自由端で取り囲む内側の中心部
空間18は、外部の空気を上方すなわちインキタンクに
向かって送る役目を果たす。インキ導入管16の後端部
は、インクを使い切るまでは常時インキタンクの中でイ
ンキに取り囲まれ、満たされているので、想像するに、
インキは下降するに従って毛細管力の強い周壁に寄って
行くので、インキ導入管16の中心部空間18の下方部
は上昇する空気で満たされており、途中から泡状となっ
てインキタンク13の中に入り、インキと交換すると思
われる。図1における、インキ導入管16の内周壁の内
側における、中心部空間18と、突条17との占める割
合を半径上で見ると、長い突条17aでは、2(中心部
空間18)対3(突条17)であり、中間突条17bで
は、3(中心部空間18)対2(突条17)であった。
中心部空間18を横断距離で平均して約500μの大き
さに形成される。中心部空間の横断距離は例えば、長い
突起17a間で100μ、中間突起17b間で1000
μという割合である。なお、望ましい範囲は約300〜
500μである。
【0019】以上のように、空気の上昇通路を中心部空
間18によって確保し、インキの流路を突条17間の毛
細管作用によって確保したので、空気がインキの流下に
干渉せずスムーズに筆記ができる。また、筆記スピード
が早い場合、インキは毛細管作用の強い内周壁の近傍を
多く流れ、空気泡が多くなってきても中心部空間18に
よって空気の上昇が確保されるので、インキの流出がよ
く、インキ垂れの虞も無く、良好な筆記ができる。
【0020】また、突条17は円筒の内側面に連続して
形成したものであり、インキに馴染み、インキが十分に
突条間に浸透するように形成されている。
【0021】したがって、インキ導入管16に接続した
内蔵した筆記用ペン(筆記具)1は、前述したように、
筆記時に、チップから侵入した空気が中心部空間内を移
動し、突条17間のインキがチップ15側に回りこみ、
空気の侵入と突条17間に浸透するインキのバランスが
保たれ、インキ垂れも解消され、筆記し易いという効果
がある。
【0022】
【発明の効果】本発明は以上述べた通りであり、請求項
1に記載の発明では、インキ導入管に、その内周壁に複
数の突条を設けたことにより毛細管作用を有する溝を形
成し、また中心部に中心部空間を形成したことにより、
インキが毛細管作用によりインキ導入管内に停留し、イ
ンキ垂れを起こさず、筆記のときに、チップから侵入し
た空気が中心部空間内を移動し、インキの流下を妨げ
ず、良好にインキを送ることができる。また、スピード
を上げて筆記した場合にも空気の移動は円滑でありイン
キの流下を妨げないので、筆跡のインキラインがかすれ
ることはない。請求項2に記載の発明では、複数の突起
を長短合わせて形成したので、毛細管作用を営む箇所が
中心部に向かって多くなり、インキの停留量を多くする
ので、インキの供給が良くなる。
【0023】請求項3に記載の発明では、実施のベスト
モードであり、複数の突起間は十分毛細管作用を営むこ
とができ、中心部空間は侵入する空気をスムーズに移動
可能な大きさにし、かつインキとの交換を円滑にできる
ので、十分なインキ供給のもとに筆記ができ、また、イ
ンキ垂れ、インキ漏れを防ぐことがで切る。
【0024】請求項4に記載の発明では、筆記具の使用
時には、インキタンクに貯留されているインキはその内
周面に沿って設けられた毛細管作用の強い部分によって
筆記用チップに移動し、引圧になったインキタンクには
チップからインキ導入管の中心部空間に空気となって侵
入する。したがって、空気がインキの流下を妨げること
はなく、かすれることも無く良好に筆記を続けることが
できる。また、筆記具を横に寝かせた場合、インキが流
動してチップ側に移動しても中芯によってインキが吸収
されインキ垂れを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインキ導入管の横断面図である。
【図2】本発明のインキタンク内に位置したインキ導入
管の後端部付近の縦断面図である。
【図3】本発明によるインキ導入管を収納した筆記ペン
の縦断面図である。
【図4】公知の筆記用ペンの断面図である。
【図5】図4のインキ導入管の横断面図である。
【図6】想定のインキ導入管の横断面図である。
【図7】想定のインキ導入管の横断面図である。
【符号の説明】
1 筆記用ペン 9 ハウジング 13 インキタンク 14 中芯 15 チップ 16 インキ導入管 17 突条 18 中心部空間 19 溝
フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA01 GA03 GA04 KA01 KA07 KA09 KA10 NA10 NA11 NC20 4F042 FA22 FA25 FA26 FA29 FA30 FA60

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉された筆記具のインキタンクから筆
    記用チップにインキを誘導するためのインキ導入管であ
    って、 該インキ導入管は、内壁周面から中心に向かって複数の
    突条を毛細管作用が強く働くように突設し、かつ、軸方
    向に延長して形成してなり、また、前記複数の突条の自
    由端で取り囲まれた中心部空間は、毛細管作用が働き難
    い程の断面積をもって前記インキ導入管の全長にわたっ
    て形成されていることを特徴とするインキ導入管。
  2. 【請求項2】 複数の突条は前記インキ導入管の中心部
    空間に近付いても、複数の突条間では、毛細管作用が略
    同じになるように、突条の中心部方向への長さを長短合
    わせて形成したことを特徴とする請求項1記載のインキ
    導入管。
  3. 【請求項3】 複数の突条間の幅を約10〜100μ程
    度とし、中心部空間の横断距離を約100〜1000μ
    としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    インキ導入管。
  4. 【請求項4】 筆記具軸部内にインキタンクを設け、該
    インキタンクと筆記具軸部先端に位置する筆記用チップ
    とをインキ導入管で連絡し、 前記インキ導入管は軸方向に延びる、その内周面に沿っ
    て設けられた毛細管作用の強い部分と、中央部に毛細管
    作用の弱い円柱空間とを備え、 該インキ導入管と筆記用チップとが接続されている周辺
    を毛細管作用を有する中芯で囲ったことを特徴とする筆
    記具。
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