以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
図1は、循環式遊技機(遊技球の機外への払出しを行わず、機内に遊技球を封入して遊技を行う)である循環式遊技機50の正面図である。図1に示すように、循環式遊技機50は、台間ユニット100(本発明のユニットに該当)と隣り合わせで配置されている。台間ユニット100には、カード挿入口100aと、現金挿入口100bとが設けられており、カード挿入口100aにICカード(本発明の記録媒体に該当)を挿入するか現金挿入口100bに現金を挿入することで、循環式遊技機50に設けた球貸しボタン102a(本発明の球貸し操作部に該当)の操作が可能となる。
また、循環式遊技機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各部を保持する構造を有している。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられていると共に、該ヒンジ53には内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。
また、内枠70には、ヒンジ53等により前枠52が開閉可能に取り付けられていると共に、この前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には、内枠70に取り付けられた遊技盤1が配されている。
前枠52の上部左右には、スピーカ(図示無し)が設けられており、循環式遊技機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ(図示無し)も複数設けられている。また、前枠52の右下部には入賞表示装置20が配置され、後述する入賞口に遊技球が入賞すると、入賞口毎に設定された獲得遊技球数を表示する。
前枠52の下方右側には遊技球の発射操作を行う発射操作ユニット107が配置され、その下には手置き台71が取付けられている。発射操作ユニット107については図2を用いて詳細を説明する。手置き台71は、常時発射操作を行う遊技者の手を乗せておく台となる。
発射操作ユニット107の右上(循環式遊技機50の右端)には、内枠70と前枠52の両方の枠の開放が規制できるスライド錠を操作するシリンダ錠36が配置され、鍵が挿入可能となっている。このシリンダ錠36は、解錠するための鍵の種類を変更自在に行い得る可変式錠になっており、このような可変式錠を循環式遊技機50に使用することで、遊技店は、店に配置される全ての遊技機を店独自の鍵(1種類)に設定することが出来る。
発射操作ユニット107の左には、遊技者とのインターフェースとなるコントロール部8が設けられている。このコントロール部8には、タッチパネル式の液晶表示器となる操作部装置102と、計数スイッチ105(本発明の精算操作部に該当)と、遊技球数表示装置106が配置されている。操作部装置102のタッチパネル上には、球貸しボタン102a(本発明の球貸し操作部に該当)と、返却ボタン102bと、画面切換ボタン102cと、球貸しボタン102a及び返却ボタン102bの操作結果を示す操作結果表示部102dとが設けられている。各操作ボタン等の詳細については図5を用いて後述する。
コントロール部8を備える前板部も、ヒンジ53等によって内枠70から開閉可能となっているが、前枠52が前板部に被さる様に設置されているため、前枠52の開放時のみ前板部の開放が可能となる。
また、図1は、板ガラス61の奥に位置する遊技盤1の遊技領域3(本発明の遊技領域に該当)の様子を概略的に示している。遊技領域3は、ガイドレール16によって囲まれた略円形の領域であると共に、多数の遊技釘が植設されており、遊技盤1の左上に配置した発射装置(本発明の球発射手段に該当)から発射された遊技球は、発射直後に遊技領域3を流下する構成となっている。
遊技領域3のほぼ中央部には、ワープ通路やステージ等が形成されたセンターケースや窓が設けられており、この窓の奥には、演出図柄表示装置6の液晶画面が配置される。また、これら以外にも、遊技領域3には、常時入賞可能な第1始動口11や、普通電動役物として構成された第2始動口12や、一般入賞口13、アタッカー式の大入賞口14等の役物(入賞口)や、アウト口15、特図表示装置、特図保留数表示装置等が設けられている。
次に、図2を用いて発射操作ユニット107を説明する。発射操作ユニット107は、点線で示した発射強度調整スイッチ部108と、遊技者が遊技球を発射するために操作する摺動操作部107a(本発明の発射調節手段に該当)と、摺動操作部107aの上部に配置した発射停止スイッチ111と、発射強度を固定する場合に操作する発射強度固定スイッチ110(本発明の発射固定手段に該当)と、発射強度を数値で示す発射強度表示部107bとで構成されている。
本実施例では、発射強度調整スイッチ部108に備えた摺動スイッチの抵抗値が遊技者の摺動操作部107aの操作に応じて変化することによって発射強度が調節可能となっている。図2の上図に示すように、摺動操作部107aが最も左の位置にある場合は、発射強度が0となり遊技球の発射は停止され、下図に示すように摺動操作部107aが最も右の40の位置にある場合は、最も強い発射強度で遊技球を発射する。従って、摺動操作部107aを右に操作するほど遊技球を強い強度で発射する。
発射強度表示部107bでは、摺動操作部107aの位置に応じた数値(発射強度表示)を常時表示する。但し、発射強度の固定中は、固定が解除されるまで固定した数値(固定値)を表示し、摺動操作部107aの位置が変化しても発射強度表示部107bに表示した発射強度表示は変化しない。発射強度が固定されている場合の発射強度表示は赤色で行われ、発射強度が固定されていない場合の発射強度表示は緑色で行われる。
発射強度の固定は、摺動操作部107aを0以外の位置にして発射強度固定SWを操作すると、該操作した時点の摺動操作部107aの位置が示す値で発射強度が固定される。発射強度の固定中は、摺動操作部107aの位置を変化させても発射強度は変化しない。但し、摺動操作部107aの位置を0の位置に操作すると発射強度の固定が解除される。従って、遊技者が自らの操作によって発射強度の固定を解除するには、摺動操作部107aを上図の位置まで操作(発射の停止操作)する必要がある。
摺動操作部107aにはタッチセンサ112(本発明の遊技検出手段に該当)が備えられている。本実施例では摺動操作部107aに遊技者が触れている場合にタッチセンサ112が検出状態となり、発射装置87による遊技球の発射が可能となる。従って、発射強度が固定された状態であても、タッチセンサ112が遊技者を検出していなければ遊技球は発射されない。なお、タッチセンサ112を摺動操作部107aに備えず、他の遊技者が触れることができる位置に設けてもよい。
本実施例では、発射強度の調節を摺動スイッチを用いて実施したが、もちろんこの構成に限るわけではなく、発射強度の強弱を遊技者の操作によって調節できる構成であればよく、例えば、ハンドルの回動量(回転方向)、ボタンの押下し回数、ダイアルの回転量(回転方向)、レバーの操作時間(操作方向)、摺動スイッチの摺動量(摺動方向)、の操作に応じて発射強度が調節される構成でもよい。
また、発射強度の固定は、本実施例のように固定用のボタン(スイッチ)を操作する方法だけに限らず、所定時間同一の発射強度が遊技者によって保持された場合、保持された強度に固定されるという構成でもよいし、機械式として発射強度の調節部を固定することによって発射強度を固定する構成としてもよい。機械式の場合は、発射強度の調節部を固定箇所から操作すると、発射強度の固定は解除されるが、電子式の場合は、発射強度の調節部(本実施例では摺動操作部107a)が、固定した発射強度以外に操作された場合でも、発射強度を保持する構成(発射強度の固定解除には固定解除操作を実施)でもよいし、機械式と同様に発射強度の固定を解除する構成としてもよい。
次に、図3を用いて、本実施例における循環式遊技機50の遊技球の循環の仕組みを説明する。図3は循環の仕組みを背面から模式的に示した説明図となる。図3には、遊技球を循環させるための主な装置と、遊技球を揚上させる経路と、主な制御装置が記載されている。遊技球が発射されてから循環する流れを順を追って説明する。
発射可能な遊技球を循環式遊技機50(具体的には払出発射制御装置84)が管理(記憶)している状態で、摺動操作部107aが操作されると、球送りソレノイド130が作動し、遊技球を発射位置に送り出す。その際、発射装置87内に設けられた減算センサ131が、送り出した遊技球を発射球として検出し、発射可能な遊技球数から1を減算する(発射球数検出手段)。発射可能な遊技球数は、遊技球数表示装置106に表示され、減算センサ131の遊技球検出に応じて1を減算して表示する。
発射位置に送り出された遊技球は、摺動操作部107aの位置に応じた発射強度で発射ソレノイド129の作動により遊技領域3に発射される。循環式遊技機50では、発射装置87の位置(遊技球を発射する位置)が遊技領域3を表から見て左上部となるため、従来機のように、発射された遊技球がガイドレールで形成された発射経路によって打ち上げられることがなく、発射ソレノイド129によって弾球された遊技球は、弾球直後に遊技領域3に到達する構成となる。
遊技領域3に到達した遊技球は、遊技領域3を流下し、第1始動口11、第2始動口12等の入賞口に入球するか、或いは、アウト口15に入球する。いずれかの入賞口に入賞した遊技球は、遊技盤1の裏面を流下し誘導経路に配置された入賞検出センサ124に検出され、アウト口15に入球した遊技球は非入賞検出センサ125に検出される。入賞検出センサ124、又は非入賞センサ125が遊技球を検出するとアウト球数として加算され、このアウト球数と発射球数(減算センサ131検出球数)とにより遊技球循環の管理が行われる。上記した各センサは払出発射制御装置84に接続されているため、各センサの検出に応じた球循環は払出発射制御装置84によって管理される。
入賞検出センサ124、又は非入賞センサ125が検出した遊技球は玉磨き装置85に繋がる誘導経路を流下する。玉磨き装置85では、カセットモータ114、研磨モータ115、カセットスイッチ116、研磨モータセンサ117を備え、研磨布を搭載したカセットを使用し、遊技球の研磨を実施する。また、研磨布を搭載したカセットの検知が行われる。
遊技球の研磨は、研磨モータ115を動作させて遊技球を研磨布に押し付けるように動かすことにより実施される。研磨布はカセットに搭載した構造で交換可能となっており、カセットモータ114を使用して一定周期で布を巻き取るように作動させる。また、カセットスイッチ116により、研磨布を搭載したカセットの有無を検知する。
研磨された遊技球は、球磨き装置85から誘導経路を経て揚上装置86に誘導される。揚上装置85は、揚上発射モータ119、揚上発射モータ監視センサ121、揚上入口センサ120を備え、循環式遊技機50の下部まで流下した遊技球を、発射装置87を配置した上部(発射球タンク40)まで揚上させる。
本実施例の循環式遊技機50では、揚上装置86に誘導された遊技球を、揚上発射モータ119を用いて、循環式遊技機50の上部に配置されている発射球タンク40まで打ち上げる構成となっている。揚上装置86では、揚上入口センサ120、発射入口センサ131により、揚上発射モータ119の遊技球発射位置と揚上経路の出口(発射球タンク40の入口)とに遊技球が存在するか否かを検出し、該検出結果に応じて揚上発射モータ119を駆動させる。揚上発射モータ119の駆動によって発射された遊技球は、図に示す、封入球打上げ揚上経路の最上部の曲面に接触することより飛球経路が変化し、飛球速度が減速して発射球タンク40に達する。揚上発射モータ監視センサ121は、揚上モータ119が正常な発射動作を行っているか検出する。
上記した構成により、本実施例の循環式遊技機50では、揚上装置86に誘導された遊技球は、揚上動作(揚上発射モータ119による球の打ち上げ)の実施直後に発射球の待機する発射球タンク40に移動する。従って、螺旋構造の揚上装置や、ベルトによる揚上装置のように揚上経路上に複数の遊技球が存在することがないため、遊技を待機せざるを得ない遊技球の数を減少させ、結果的に循環式遊技機50内で循環させる封入球数を減らすことが可能となっている。
発射球タンク40まで揚上された遊技球は、転動して発射装置87に至るが、発射装置87への誘導を兼ねる封入球数計数経路に配置された適正量センサ123と満タンセンサ126とで遊技球を検出し、循環に必要な遊技球数を管理して過不足を検出すると報知を行う構成となっている。この場合の報知は、後述する外部接続端子板78を介して機外の管理装置に信号を出力すると共に、循環式遊技機50が備える表示装置(演出図柄表示装置6およびタッチパネル式液晶表示器)に遊技球の過不足を表示する。
次に、循環式遊技機50の電気的構成を図4、5に示したブロック図を用いて説明する。詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出発射制御装置84、演出図柄制御装置82(本発明の表示制御手段に該当)、サブ統合制御装置83、はいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。
図4に示す主制御装置80を中心にしたブロックでは、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を検出するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口13に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ13a等の検出信号が入力され、裏配線中継端子板75を介して、前枠閉鎖スイッチ18、内枠閉鎖スイッチ19からの検出信号が入力される。
主制御装置80は、搭載しているプログラムに従って動作し、上記した検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成してサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9、第2特図表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特図保留数表示装置9a、第2特図保留数表示装置10a、普図保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御し、入賞口への入賞を検出すると入賞口毎に設定された獲得遊技球数を入賞表示装置20に表示する。また、各入賞口に入賞した遊技球の個数と各入賞口に設定された獲得遊技球数を、払出発射制御装置84に一定間隔毎にシリアル信号(コマンド形式)で送信する。
また、主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。なお、主制御装置80に不正行為となる外力を検出するためのセンサ(例えば、電波、磁力、振動を検出するセンサ)を接続する構成としても何ら差し支えない。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカか66らの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が主制御装置80からの入力に基づいて生成したものとがある)に基づく制御を行い、擬似図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とはサブ統合制御装置83から演出図柄制御装置82への一方向通信回路として構成されている。
次に、図5を用いて、主制御装置80と双方向通信が可能に接続された払出発射制御装置84を中心としたブロックを説明する。払出発射制御装置84は、搭載しているプログラムに従って動作し、主制御装置80から上述した獲得遊技球数の要求を示すコマンドを受信すると、要求された獲得遊技球数を発射可能な遊技球数へ加算し、加算した値を遊技球数表示装置106に表示する。また、後述する操作に応じた信号又は、センサの検出に応じた信号に基づいて、貸球の加算、遊技球の発射、遊技球の研磨、遊技球(封入球)の循環、等を制御する。
払出発射制御装置84に台間ユニット100及び操作部接続基板101を介して接続された操作部装置102となるタッチパネル式の液晶表示器には、前述したように球貸しボタン102aと、返却ボタン102bと、画面切換ボタン102cと、球貸しボタン102a及び返却ボタン102bの操作結果を示す操作結果表示部102dとが設けられている。この循環式遊技機50に設けられたタッチパネル式の液晶表示器の電源は、台間ユニット100から供給される。
また、タッチパネル式液晶表示器には、台間ユニット100に挿入されたICカード(又は会員カード)に記録されているカード情報や循環式遊技機50の遊技情報(遊技履歴等)を表示する機能も備えている。
操作部装置102の球貸しボタン102aを操作すると、タッチパネル操作情報として貸球数の加算を要求する信号が台間ユニット100を介して払出発射制御装置84に入力され、払出発射制御装置84は、該入力によって要求された貸球数を発射可能な遊技球数に加算し、加算した値を遊技球数表示装置106に表示する。この時、遊技球数表示装置106の加算状況に応じて貸球動作の結果内容を操作結果表示部102dに表示する。なお、一回の球貸しボタン102aの操作に対しては、予め設定された所定額(例えば、500円)に応じた貸球数(例えば、125個)を要求する。
操作部装置102の返却ボタン102bを操作すると、タッチパネル操作情報としてICカードの返却動作を要求する信号が台間ユニット100に入力され、台間ユニット100から払出発射制御装置84に入力される。その時の循環式遊技機50の状態がICカードの返却が可能な状態であるか否かに応じて返却の可否と返却結果を操作結果表示部102dに表示する。返却可能な状態であれば、操作結果表示部102dに返却が可能であることが表示され、ICカードが台間ユニット100から排出される。
操作部装置102の画面切換ボタン102cを操作すると切換回路101aが作動し、タッチパネル式液晶表示器に表示する情報を、台間ユニット100から受信した情報から循環式遊技機50の演出図柄制御装置82から受信した情報(画像含む)へ切り替える。この切り替えに応じて、演出図柄表示装置6には台間ユニット100からの情報が表示される。
台間ユニット100と操作部接続基板101とは相互通信が可能に接続され、演出図柄制御装置82と操作部装置102とは、互いに操作部接続基板101と相互通信が可能に接続されている。
循環式遊技機50内においては、払出発射制御装置84には操作部中継基板103が相互通信可能に接続され、操作部中継基板103には相互通信可能に遊技球数表示基板104が接続されている。遊技球数表示基板104には、計数スイッチ105と遊技球数表示装置106が配置され、計数スイッチ105の操作信号が払出発射制御装置84に入力され、払出発射制御装置84の出力に応じて遊技球数表示装置106に発射可能な遊技球数が表示される。
計数スイッチ105が操作されると、発射可能な遊技球数から所定球数を減算し、台間ユニット100に減算した所定球数を送信する(ICカードに所定数を記憶)。この時、遊技球数表示装置106に表示される数値も計数スイッチ105の操作に応じて減算される。計数スイッチ105の操作によって発射可能な遊技球数が0になると、台間ユニット100に挿入されているICカードの返却が可能となる。なお、計数スイッチ105の1回の操作で全ての発射可能な遊技球数を台間ユニット100に送信(発射可能な遊技球数が0)する構成としてもよい。
また、払出発射制御装置84には、操作部中継基板103を介して、発射操作ユニット107が相互通信が可能に接続され、発射操作ユニット107では、前述したように、発射強度調節スイッチ108、発射強度固定スイッチ110、発射停止スイッチ111、タッチセンサ112、からの信号が払出発射制御装置84へ入力され、発射強度表示装置109の表示が払出発射制御装置84によって制御される。
また、払出発射制御装置84には、相互通信可能に接続された研磨中継基板113を介して、カセットスイッチ116、研磨モータセンサ117の検出信号が入力され、払出発射制御装置84は研磨中継基板113を介してカセットモータ114、研磨モータ115の駆動を制御する。
また、研磨中継基板113と相互通信可能に接続された揚上中継基板118を介して、払出発射制御装置84には、揚上入口センサ120、揚上モータ監視センサ121からの検出信号が入力され、払出発射制御装置84は前述した揚上発射モータ119の駆動を制御する。
また、内枠中継基板122は、内枠中継基板122から研磨中継基板113へと一方向通信が可能に接続され、内枠中継基板122には、前述した、適正量センサ123、入賞検出センサ124、非入賞検出センサ125、満タンセンサ126と、夜間監視スイッチ127とが接続され、各センサ又はスイッチからの信号が払出発射制御装置84に入力される。
夜間監視スイッチ127は、夜間(営業時間外)の扉開放を伴う不正を判断するための装置であり、電源基板に搭載されたバックアップ電源により、電源がオフの状態であっても内枠70の開放を監視可能とし、払出発射制御装置84が夜間の内枠70の開放回数情報を記憶し、電源投入時に開放回数情報を主制御装置80を介して機外に出力する構成となっている。
また、研磨中継基板と相互通信が可能に接続された発射中継基板128を介して、払出発射制御装置84には、減算センサ131、発射入口センサ132の検出信号が入力され、同様に発射中継基板128を介して払出発射制御装置84は、球送りソレノイド130の駆動を制御する。
次に、図6を用いて、払出発射制御装置84が実行する発射強度固定判定処理を説明する。この処理では、前述した発射強度固定スイッチ110を遊技者が操作した場合に、発射強度の固定が可能な遊技状態か否かを判定し、可能であれば、発射強度の固定を実施すると共に、発射強度を固定したことを示す信号を台間ユニット100に送信する処理を行う。
発射強度固定判定手段を開始すると、発射強度固定スイッチ110の操作に応じた信号を受信したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)リターンし、肯定判定なら(S10:yes)、払出発射制御装置84が記憶する発射可能な遊技球数が0より多いか否か判定する(S15)。否定判定、即ち、発射可能な遊技球数が存在しなければ(S15:no)リターンし、肯定判定なら(S15:yes)、現在の発射強度が0より大きいか否か判定する(S20)。否定判定、即ち、摺動操作部107aの位置が発射強度0の位置(発射強度の固定を解除する操作位置)なら(S20:no)リターンし、肯定判定なら(S20:yes)、発射強度固定処理を行い(S25)、台間ユニット100に発射強度の固定状態を示す発射強度固定情報を送信し(S30)、リターンする。
S25の発射強度固定処理では、発射強度固定スイッチ110の操作に応じた信号を受信した時点の発射強度(摺動操作部107aの位置に応じた発射強度)を記憶し、発射強度が解除されるまで、記憶した発射強度で発射ソレノイド129の制御を行う。また、S25の発射強度固定処理が行われた場合は、演出図柄表示装置6に、発射強度が固定された旨と、発射強度の固定を解除する方法を表示する構成が好適である。
本実施例では、払出発射制御装置84が発射強度の値を記憶することで発射強度を固定する制御を行い、発射強度の記憶値があるか否かで発射強度の固定状態か否かを判断可能とするが、この方法に限るわけではなく、発射強度固定の固定制御が行われた場合にフラグを立て、フラグが立っているか否かで発射強度が固定されているか否かを判断する構成としてもよい。
また、本実施例では発射強度の固定方法を電子式としているが、機械式としてもよく、例えば、摺動操作部107aを固定したい発射強度に調節してから奥に押し込むようにすると、ラッチ機構が働きその状態からは左右への移動ができなくなるといった構成でもよい。その場合、摺動操作部107aが押し込まれたことを、発射強度固定検出スイッチが検出する構成が望ましく、該スイッチが検出状態か否かで発射強度が固定状態か否かを判断する構成となる。
次に、図7を用いて、払出発射制御装置84が実行する発射強度固定中判定処理を説明する。この処理は、発射強度の固定中に発射可能な遊技球数を参照し、該遊技球数が存在しなくなったことを契機に発射強度の固定を解除し、該解除した情報を台間ユニットに送信する処理となる。
発射強度固定中判定手段を開始すると、払出発射制御装置84の発射強度の記憶の有無に応じて発射強度が固定されているか否かを判定する(S50)(本発明における固定判定手段に該当)。否定判定なら(S50:no)リターンし、肯定判定、即ち、発射強度が固定されていれば(S50:yes)、払出発射制御装置84が記憶する発射可能な遊技球数が0より多いか否か(発射可能な遊技球数が存在するか否か)判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)リターンし、肯定判定、即ち、発射可能な遊技球が存在しない状態(全ての遊技球を打ちつくした状態)なら(S55:yes)、発射強度固定解除処理を行い(S60)、台間ユニット100に発射強度が固定されていない状態を示す発射強度非固定情報を送信し(S65)、リターンする。発射強度固定解除処理(S60)では、S25で払出発射制御装置84が記憶した発射強度の値をクリアする処理を行う。
発射強度固定判定手段と発射強度固定中判定手段とによって、発射強度の実施が可能か否かの判定と、発射強度を固定中の遊技状況に応じて固定を解除する判定を行っているが、この内容は、「前記発射固定手段は、発射可能な遊技球数が存在する場合に限り発射強度の固定を実施し、前記固定判定手段が発射強度の固定された状態であると判定しているときに、発射可能な遊技球数が存在しなくなった場合、発射強度の固定を解除する」の構成に該当するものとなる。
また、発射強度の固定時及び固定解除時には台間ユニット100に固定状態又は非固定状態を示す信号を送信する構成としたが、この構成とすることで、台間ユニット100は、接続された循環式遊技機50が発射強度の固定された状態であるか否かが判断できるため、発射強度が固定されている期間は、新たなICカード、会員カードの挿入、又は現金の投入が不可とすることが可能となる。
次に、図8を用いて、払出発射制御装置84が実行する固定解除催促判定処理を説明する。この処理では、球貸し操作実施時に発射強度が固定されていれば、タッチセンサ112の検出に基づいて、この球貸し操作が新に入れ替わった遊技者によるものかどうか判断し、新たな遊技者であれば、固定の解除を催促する報知を指示する処理となる。
固定解除催促判定処理を開始すると、払出発射制御装置84が台間ユニット100から貸球数の加算を要求する信号を受信したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)リターンし、肯定判定なら(S100:yes)、発射強度の記憶の有無によって発射強度の固定中か否か判定する(S105)(本発明の固定判定手段に該当)。否定判定なら(S105:no)リターンし、肯定判定なら(S105:yes)、タッチセンサ112による検出信号が未受信か否か、即ち、遊技者が摺動操作部107aに触れていないか否か判定する(S110)。否定判定なら(S110:no)リターンし、肯定判定、即ち、遊技者が摺動操作部107aに触れていないなら(S110:yes)、主制御装置80を介してサブ統合制御装置83に演出図柄表示装置6で催促報知1を開始する指示信号を送信し(S115)、解除催促フラグに1を設定して(S120)リターンする。
解除催促フラグは、払出発射制御装置84が記憶する値であり、値が1であれば、遊技球の発射を禁止すると共に発射強度の解除を促す報知(催促報知1)を実施し、値が0であれば、遊技球の発射を禁止せず発射強度の解除(催促報知1)を促す報知を行わないことを判断する。
タッチセンサ112の検出は、遊技球を発射するための条件でもあるため、常時(割込み毎に)実施するのが望ましいが、遊技球の発射の条件としないのであれば、球貸要求信号の受信時に実施するようにしてもよい。
次に、図9を用いて、払出発射制御装置84が実行する固定解除催促報知中処理を説明する。この処理では、解除催促フラグが立っている場合(解除催促フラグ=1)に発射強度の固定解除が行われたか否かを判定し、解除されたなら催促報知1を終了すると共に発射禁止処理を終了し、台間ユニット100に発射強度の固定が解除された情報を送信する処理を行う。
固定解除催促報知中処理を開始すると、解除催促フラグが1か否か判定する(S150)。否定判定なら(S150:no)リターンし、肯定判定なら(S150:yes)、発射装置87による遊技球の発射を禁止する処理を行い(S155)、発射強度が固定されていないか否かを発射強度の記憶の有無によって判定する(S160)。否定判定、即ち、発射強度が固定されていれば(S160:no)リターンし、肯定判定、即ち、発射強度の固定が解除されていれば(S160:yes)、解除催促フラグに0を設定し(S165)、催促報知1を終了し(S170)、発射禁止処理を終了し(S175)、台間ユニット100に発射強度が非固定であることを示す情報を送信し(S180)、リターンする。
以上が固定解除催促報知中処理となる。これにより、解除催促フラグが立っている(解除催促フラグ=1)期間は、発射禁止処理を継続するため、遊技球の発射が不可能な状態となると共に、発射強度固定の解除を催促する報知も継続される。
従って、図8の固定解除催促判定処理と図9の固定解除催促報知中処理とにより、「前記球貸し操作部を操作したときに、前記発射強度が固定された状態であると、前記遊技検出手段が前記検出をしていないことを条件に、前記表示制御手段により発射強度の固定解除が必要である旨を表示し、該表示の実施中は、前記球発射手段による遊技球の発射を禁止する」の構成を実施している。
次に、図10を用いて、演出図柄表示装置6で実施する発射強度の固定解除を催促する催促報知1の表示例を説明する。払出発射制御装置84が、図8のS115で演出制御装置82に催促報知1の開始を指示すると、演出図柄表示装置には図10に示すように「発射強度を「0」に戻してから再度発射強度を調整してください」の文字列を表示する。表示する文字列は、固定された発射強度の解除を促す内容であればよく、この内容に限らない。また、摺動操作部107aの操作内容を示す画像を併せて表示する構成とすることで、必要な操作内容が遊技者に伝わりやすくなる。
以上が実施例1の説明となる。本実施例では、新しい遊技者への入れ替わりを、タッチセンサ112が検出していない状態で操作部装置102において球貸し操作が実施された場合と想定したが、新しい遊技者への入れ替わりを、球貸し操作の前段階、即ちタッチセンサ112が検出していない状態で、台間ユニット100にICカードが投入されたことを契機に判断し、発射強度の固定解除を促す報知を実施してもよい。同様に、台間ユニット100に現金が投入されたことを契機に判断し、発射強度の固定解除を促す報知を実施してもよいが、現金の投入はICカードの投入遊技の継続中でも行われる可能性が高いため、タッチセンサ112が検出していること、図柄が変動中であること、保留記憶があることなど、遊技者が入れ替わっていないことを担保する何等かの判断に基づいて、発射強度の固定解除を促す報知を実施することが望ましい。このように構成することで、より確実に遊技者の入れ替わりを認識することができ、新たな遊技者が必ず自力で発射強度を調節すること(技術介入を行うこと)を可能とすることができる。
また、本実施例では、払出発射制御装置84が台間ユニット100から貸球数の加算を要求する信号を受信すると、発射強度が固定された状態であっても要求された加算制御を実施し発射を禁止する構成としているが、発射強度が固定されている間は要求された加算制御を実施しない構成も考えられる。この場合、固定の解除を遊技者に催促するために、例えば、「貸球を実施するには発射強度の解除を行ってください」などの表示を催促報知1に追加することにより、より強力に発射強度の解除を促すことができるとともに、発射を禁止する構成ではないため、発射強度の固定を解除した後の球貸し動作の実施後は、球貸し動作となる払出しの直後に遊技を開始することができる。
遊技を実施している途中で発射可能な遊技球が減少し、新たに球貸しを受けようとした場合は、遊技者は、遊技球の発射を継続しながら、即ちタッチセンサ112が遊技者を検出した状態で球貸し操作が行われるため、発射強度が固定された状態で貸球数の加算を要求する信号を受信したとしても固定を解除する催促は実施されず、遊技球の発射も禁止されないため、遊技者は快適に遊技を継続することができる。
また、図6の発射強度固定判定処理においては、発射強度固定スイッチ110から該スイッチの操作信号を受信しても、該受信時に発射可能な遊技球が存在しない場合は発射強度の固定が実施されないため、空き台となっている時のいたずらによって摺動操作部107a及び発射強度固定スイッチ110が操作されても、発射強度が固定されることを防止することができる。
次、に実施例2を説明する。実施例2における循環式遊技機50を構成する部品とその電気的接続は実施例1と共通であり、特別に説明のない部分については共通内容であり重複する説明は割愛する。
実施例1では、台間遊技機50で新たな遊技者が遊技を開始することを契機に、発射強度の固定解除を催促し、固定解除が実施された後に遊技が開始できる構成としたが、本実施例では、遊技者が遊技を終了する場合に、発射強度の固定を解除しなければならない構成とし、台間ユニット100からのICカードの取り出しを遊技の終了として捉え、発射強度の解除が行われていない状態ではICカードが排出されない(ICカードを取り出して離席できない)構成としている。
実施例1と異なる具体的な処理構成を以下に説明する。図11は、払出発射制御装置84が実行するカード排出操作信号受信処理となる。この処理は、操作部装置102(タッチパネル)におけるICカード返却操作に応じて、台間ユニット100からカード排出操作信号(本発明の記録媒体の排出に係る信号に該当)を受信したことを契機に実施される処理となる。
カード排出操作信号受信処理を開始すると、台間ユニット100からカード排出操作信号を受信したか否か判定する(S200)。否定判定なら(S200:no)リターンし、肯定判定なら(S200:yes)、払出発射制御装置84が記憶する発射強度(値)の記憶の有無に応じて発射強度が固定されているか否かを判定する(S205)。肯定判定、即ち、遊技を終了する時点で発射強度が固定された状態なら(S205:yes)、払出発射制御装置84が管理する発射可能な遊技球が存在しない(0個)か否か判定する(S210)。
S210が肯定判定、即ち、発射可能な遊技球が無い状態(遊技球を打ちつくした状態、又は計数スイッチ105の操作によって持球が精算された状態)なら(S210:yes)、主制御装置80及びサブ統合制御装置83を介して、演出図柄制御装置82に催促報知2の表示を開始する指示信号を送信し(S215)、台間ユニット100に、ICカードの排出処理を待機させるカード排出待機指示信号を送信し(S225)、カード排出待機フラグに1を設定して(S230)リターンする。
カード排出待機フラグは払出発射制御装置84が記憶する値であり、値が1なら、台間ユニット100がICカードの排出を待機中である事を、値が0なら、台間ユニット100がICカードの排出が可能な状態であることを判断する。
S210が否定判定、即ち、遊技を終了する時点で発射強度が固定されたままであり、且つ、発射可能な遊技球が残っている(精算されていない)状態であれば(S210no)、演出図柄制御装置82に催促報知3の表示を開始する指示信号を送信し(S220)、S225に進む。
S205が否定判定、即ち、遊技を終了する時点で発射強度が固定されていなければ(S205:no)、発射可能球数が0よりも大きいか否か判定する(S240)。否定判定、即ち、発射可能な遊技球数が存在しなければ(S240:no)リターンし、この場合に限り、カード返却操作に応じて問題なくカードが排出される。
S240が肯定判定、即ち、遊技を終了しようとしているにも関わらず、循環式遊技機50に発射可能な遊技球が存在している場合(S240:yes)、演出図柄制御装置82に催促報知4の表示を開始する指示信号を送信し(S245)、S225に進む。
以上がカード排出操作信号受信処理となる。催促報知2では、発射強度の固定解除を催促する報知(図14(1)参照)を行い、催促報知3では、発射強度の固定解除と、循環式遊技機50が管理する発射可能な遊技球を精算させるために前述した計数スイッチ105の操作とを併せて催促する報知(図14(2)参照)を行い、催促報知4では、計数スイッチ105の操作を催促する報知(図14(3)参照)を行う。
ICカードを排出して遊技を終了するためには、発射強度の固定解除と、発射可能な遊技球の精算との両方の操作を行わなければならず、図11のカード排出操作信号受信処理によって、遊技を終了しようとした時の遊技機の状態に応じて異なる内容の報知を実施する構成となり、遊技を終了して離席するために必要な操作を、遊技者に対して明確に知らせている。これは「前記ユニットから前記記録媒体の排出に係る信号が入力されたときに、前記発射強度が固定された状態であると、前記表示制御手段により前記記録媒体の排出には発射強度の固定解除が必要である旨を表示し、前記ユニットから前記記録媒体の排出に係る信号が入力されたときに、前記発射強度が固定された状態であり、尚且つ、前記発射可能な遊技球数が存在している場合には、前記記録媒体の排出には、前記精算操作部の操作が必要である旨を、発射強度の固定解除が必要である旨と併せて表示する」と言う構成に該当する。
次に、図12を用いて、払出発射制御装置84が実行する、固定解除催促報知中処理を説明する。この処理では、図11の処理で実行した報知の内容に応じた操作が、遊技者によって行われたか否か判定し、全て行われていればICカードの排出を指示する、即ち、遊技の終了を許可する処理となる。
固定解除催促報知中処理を開始すると、カード排出待機フラグが1か否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、発射強度が固定されていないか否か判定する(S305)。肯定判定なら(S305:yes)、払出発射制御装置84が管理する発射可能な遊技球が存在しない(0個)か否か判定する(S310)。
肯定判定なら(S310:yes)、カード排出待機フラグに0を設定し(S315)、演出図柄制御装置82に催促報知を終了する指示信号を送信し(S320)、台間ユニット100にカード排出待機処理を終了する指示信号を送信し(S325)、発射強度の非固定状態を示す信号を台間ユニットに送信し(S330)リターンする。S325の処理によって、台間ユニット100に挿入されたカードが排出(遊技者のカード返却操作に応じた動作が実施)される。
S310が否定判定、即ち、発射強度の固定が解除された状態であっても、発射可能な遊技球が精算されていない状態なら(S310:no)、演出図柄制御装置82に催促報知4(計数スイッチ105の操作を催促する報知)の実行を指示する信号を送信し(S335)リターンする。
S305が否定判定、即ち、発射強度が固定さていれば(S305:no)、払出発射制御装置84が管理する発射可能な遊技球が存在しない(0個)か否か判定し(S340)、肯定判定なら(S340:yes)、演出図柄制御装置82に催促報知2(発射強度固定の解除を催促する報知)の実行を指示する信号を送信して(S345)リターンし、否定判定なら(S340:no)、演出図柄制御装置82に催促報知3(発射強度固定の解除と計数スイッチ105の操作を併せて催促する報知)の実行を指示する信号を送信して(S350)リターンする。
以上が、固定解除催促報知中処理となる。この処理により、カード排出待機フラグに1が設定されている期間において、発射強度の固定解除が行われ、尚且つ計数ボタン105の操作に応じた精算処理によって払出発射制御装置84が管理する遊技球数(発射可能球数)が0になるとICカードが排出され、循環式遊技機50から離席することが可能となる。いずれか一方、または両方の条件が満たされていない場合は、状態に応じて操作を催促する報知を演出図柄表示装置6上で行う。これにより、ICカードを排出するための操作が状況に応じて報知されるため、遊技者は行わなければならない操作を明確に知ることができる。
また、ICカードを排出するための必要条件が満たされていない場合は、循環式遊技機50の状態に応じた催促報知を継続(一部の操作が実施された場合は報知の内容を変化させながら催促報知を継続)し、催促報知を実施している期間は、ICカードの排出を禁止する構成となる。
上記の構成により、有価価値を記録したICカードを排出して離席するためには、発射強度の固定解除と持球(発射可能な遊技球として循環式遊技機50が未だに記憶されている遊技球数)を精算する必要があるため、これらの条件を満たして離席した後に新たな遊技者が遊技を開始する場合、スムーズに遊技を開始することができる。
なお、S225にて台間ユニット100に、ICカードの排出処理を待機させるカード排出待機指示信号を送信しているが、カード排出待機指示信号を送信しない構成としてもよい。その場合、台間ユニット100にICカードの排出処理を行っても問題ない状況であることを示すカード排出許可信号を、S240の否定判定後にて送信することが必須となる。このように構成することで、ICカードの排出を待機させる場合には、台間ユニット100はカード排出許可信号を受信しないことになるため、ICカードの排出処理は実質的には行われず、遅延されることになる。当然、カード排出許可信号及びカード排出待機指示信号を送信する構成としてもよい。
次に、払出発射制御装置84が実行する発射強度固定解除報知処理を、図13を用いて説明する。この処理は、発射強度を固定した遊技中に、発射可能な遊技球数が所定個数を下回ると発射可能な遊技球数が0になると発射強度の固定を解除する旨の報知を行い、実際に発射可能な遊技球数が0になると発射強度の固定解除および解除した旨の報知を実施する処理となる。従って、この発射強度固定解除報知処理は、本実施例において、「前記発射固定手段は、発射可能な遊技球数が存在する場合に限り発射強度の固定を実施し、前記固定判定手段が発射強度の固定された状態であると判定しているときに、発射可能な遊技球数が存在しなくなった場合、発射強度の固定を解除する」の構成を満たす処理となる。
発射強度固定解除報知処理を開始すると、払出発射制御装置84が記憶する発射強度(値)の記憶の有無に応じて発射強度が固定されているか否かを判定する(S400)。否定判定なら(S400:no)リターンし、肯定判定なら(S400:yes)、発射強度を調節する発射操作ユニット107の摺動操作部107aが、発射強度0より大きい値に調節されているか否か判定し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、払出発射制御装置84が記憶する発射可能な遊技球数が20個よりも少ないか否か判定する(S410)。
S410が肯定判定なら(S410)、事前報知フラグが0か否か判定する(S415)。事前報知フラグは、払出発射制御装置84が記憶する値であり、値が1であれば、発射可能な遊技球数が0になると発射強度の固定が解除される旨を発射可能な遊技球数が0になる以前に報知する事前報知を既に実施していることを、値が0であれば、事前報知を実施していないことを払出発射制御装置84が判断する。
S415が肯定判定なら(S415:yes)、上記した事前報知を実施する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S420)、事前報知フラグに1を設定して(S425)リターンする。
S415が否定判定、即ち、事前報知が既に実施されている状態なら(S415:no)、発射可能な遊技球数が0か否か判定する(S430)。否定判定なら(S430:no)リターンし、肯定判定、即ち、発射可能な遊技球を打ち尽くした状態なら(S430:yes)、事前報知フラグに0を設定する(S435)。
S435、又はS405の否定判定(摺動操作部107aの位置が0)(S405:no)に続いては、払出発射制御装置84が記憶する発射強度の値をクリアして発射強度の固定を解除する処理を行い(S440)、発射強度の固定を解除した旨を報知する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S445)、発射強度の非固定状態を示す信号を台間ユニットに送信し(S450)リターンする。
S410が否定判定、即ち、発射可能な遊技球数が20個以上なら(S410:no)、事前報知フラグが1か否か判定し(S455)、肯定判定、即ち、事前報知に応じて球貸し操作を行い、発射可能な遊技球を増加させたか、又は入賞口への遊技球の入賞に応じた払出しによって発射可能な遊技球数が20個以上となった場合には(S455:yes)、実施中の事前報知を終了する指示信号を演出図柄制御装置82に送信し(S460)、事前報知フラグに0を設定し(S465)リターンする。S455が否定判定(S455:no)の場合もリターンする。
以上が発射強度固定解除報知処理となる。この処理により、発射強度の固定中に発射が可能な遊技球数が20個未満になると、発射可能な遊技球が0個になったら発射強度の固定を解除する事前報知を行い、発射が可能な遊技球数が0個になると発射強度の固定を解除し、該解除した旨の報知を演出図柄表示装置6上で行う。発射強度の固定が解除されると、発射強度が0になると共に発射強度表示部107bの表示も0に変化する。
遊技者が全ての遊技球(ICカードに記憶した有価価値分全て)を打ちつくしたことによって離席しても、上記の処理を実施することによって、入れ替わった新たな遊技者が以前の遊技者が調節した発射強度で遊技を開始するという状況を一掃することが可能となる。
次に、実施例2において演出図柄表示装置6において実施する催促報知2、3、4及び固定解除事前報知と固定解除報知の表示例を図14、15を用いて説明する。図14(1)は、S215又はS345の処理によって実施される、催促報知2となる表示内容である。この場合、演出図柄表示装置6に「カードを排出するためには発射強度を「0」に戻してください」の文字列を表示する。
図14(2)は、S220又はS350の処理によって実施される、催促報知3となる表示内容である。この場合、演出図柄表示装置6に「カードを排出するためには発射強度を「0」に戻し計数スイッチを操作してください」の文字列を表示する。
図14(3)は、S245又はS335の処理によって実施される、催促報知4となる表示内容である。この場合、演出図柄表示装置6に「カードを排出するためには計数スイッチを操作してください」の文字列を表示する。
図15(1)は、S420の処理によって実施される、固定解除事前報知となる表示内容である。この場合、演出図柄表示装置6に「発射可能な遊技球数が0になると発射強度の固定が解除されます」の文字列を表示する。
図15(2)は、S445の処理によって実施される、固定解除報知となる表示内容である。この場合、演出図柄表示装置6に「発射強度の固定が解除されました」の文字列を表示する。
以上が本実施例における報知内容の表示例となる。いずれの報知も演出図柄表示装置6に文字列を表示することにより実施したが、操作が必要な操作部の画像を演出図柄表示装置6に併せて表示する構成が好適であり、これにより遊技者が操作の必要性をより認識しやすくなる。また、他の演出機器や効果音を併せて用いても何ら差し支えない。
以上が、実施例の説明となる。実施例1では、遊技球の発射強度が固定された循環式遊技機50において、新たな遊技者が遊技を開始するために行う操作(球貸し)の実施を契機として、発射強度の固定解除を報知し、該固定解除を遊技開始の条件とした。また、実施例2では、発射強度が固定された循環式遊技機50において、遊技者が遊技を終了するために行う操作(ICカード返却)の実施を契機として、発射強度の固定解除(及び循環式遊技機50の状態によっては計数スイッチ105の操作)を報知し、該固定解除を遊技終了(台間ユニット100からのICカード排出)の条件とした。
尚、実施例1、2は単独で用いることに限定されず、併用しても何等差し支えない。特に、発射強度の固定を機械式とし、固定の解除を遊技者の協力なしに行うことが困難な場合などでは優れた効果を奏する。
更に、実施例1、2ともに、発射強度を固定した状態での遊技中に、発射可能な遊技球が存在しなくなると、発射強度の固定を解除する構成(実施例2では遊技球がなくなると発射強度が解除されることを事前に報知する構成)とした。
遊技開始時、遊技終了時において発射強度の固定を解除する契機を設けたことにより、新たな遊技者が遊技を開始しようとした場合、自ずと該遊技者が発射強度の調節操作を行うことになり、該遊技者自身が調節した発射強度で遊技を行うことによって技術介入度の低下を防止する効果を発揮する。