JP6138637B2 - 配線ボックス、遮音材、及び中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音方法 - Google Patents

配線ボックス、遮音材、及び中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音方法 Download PDF

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Description

本発明は、配線ボックス、遮音材、及び中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音方法に関する。
石膏ボードや珪酸カルシウム板等の耐火ボードで構成される中空壁の内部には、配線ボックス(例えば、コンセントボックス、アウトレットボックス、又はスイッチボックス) が設置されるが、中空壁における配線ボックスを設置した箇所では遮音性が低下し、耐火ボードに形成した開口部を通して音が漏れるという問題がある。特許文献1は、配線ボックスの外面、内面、又は内外両面の全体をシート耐熱シール材で覆うと共に、シート状耐熱シール材の前端縁を配線ボックスの前端縁より前方に張り出させ、この状態で配線ボックスを中空壁の内部の所定の位置に設置することにより、この課題に取り組んでいる。
特許第3923369号
しかしながら、特許文献1の発明を実施するためには、使用者は配線ボックスの底部の外面全体と4つの側部の外面とを手作業でシート状耐熱シール材にて覆わなければならない上、側部にあるコネクタとの接続用の開口部(ノックアウト)に合わせて耐熱シール材を切り欠くのが困難であった。また、配線ボックスの前端縁上にも、パテ状のシート状耐熱シール材を手作業で施さなければならず、配線ボックスへのシート状耐熱シール材の取り付けに多大な手間がかかっていた。さらに、配線ボックスの前端縁上のパテ状のシート状耐熱シール材を精密に施工するのは困難であるという問題もあった。
本発明の目的は、簡単な作業で作製できて効果的に遮音可能な配線ボックス、遮音材、及び中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音方法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、配線ボックスの底部が遮音材によって被覆されていれば、側部の少なくとも一部に遮音材が施されていなくても十分な遮音が可能であることを見出し、これを実現できる遮音材を鋭意研究し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]底部の外面及び/又は内面と、配線ボックスの前端とが遮音材で覆われ、4つの側部のうちの少なくとも1つの外面及び少なくとも1つの内面の面積の60%以上が遮音材で覆われていない配線ボックス。
[2]底部の外面及び/又は内面を覆う遮音材が、2つの対向する側部をも連続して被覆し、残りの対向する2つの側部は遮音材で覆われていない項[1]に記載の配線ボックス。
[3]底部の外面及び/又は内面を覆う遮音材と、前記配線ボックスの前端を覆う遮音材とが側部の全周で互いに離間している項[1]に記載の配線ボックス。
[4]底部の外面及び/又は内面を覆う遮音材と、前記配線ボックスの前端を覆う遮音材とが、シート状の遮音材である項[1]〜[3]のいずれか一項に記載の配線ボックス。
[5]配線ボックスの底部の外面及び/又は内面に取り付けられる第1の遮音材と、配線ボックスの前端を覆う第2の遮音材とからなる配線ボックス用の遮音材の組み合わせ。
[6]中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音方法であって、項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の配線ボックスを中空壁の内部となる位置に設置し、中空壁を構成する耐火ボードの開口部の周囲を塞ぐように、前記配線ボックスの前端を覆う遮音材を配置する、遮音方法。
本発明によれば、配線ボックスへの遮音材の取り付け作業を簡略化しつつ、十分な遮音が可能となる。
(a)本発明の遮音材が施される前の配線ボックスを示す斜視図。(b)本発明の遮音材を施した状態の配線ボックスを示す斜視図。 (a)本発明による中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音構造を示す垂直断面図。(b)図2(a)の遮音構造を示す水平断面図。 (a)比較例の配線ボックスを背面から見た写真。(b)図3(a)の比較例の配線ボックスを正面から見た写真。 種々の配線ボックスのサンプルを取り付けたときの周波数に対する透過損失を示すグラフ。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。本明細書において、「前」「後」「上」及び「下」は各図面で説明する方向を指す。また、A及び/又はBは、A及びBの少なくともいずれか一方を意味する。
図1(a)は本発明の遮音材が施される前の配線ボックスを示す斜視図、図1(b)は本発明の遮音材を施した状態の配線ボックスを示す斜視図である。
金属製の配線ボックス10は、4つの側部12と底部14とを備え、これら4つの側部12及び底部14により電線等を収容かつ配線するための凹部16が区画形成されている。配線ボックス10は、コンセントボックス、アウトレットボックス、又はスイッチボックスとも称される。各側部12は前端18を有し、本実施形態では、上下の側部12の各前端18から、前端18に略垂直(図面で上下方向)かつ凹部16の内方に向かって一対の突出部20が延びている。各突出部20は配線ボックス10を中空壁に取り付けるためのビス穴22を有する。上下の側部12の各々には、配線ボックス10を後述のコネクタと接続するための円形の開口部(ノックアウト)24も設けられている。
本発明によれば、配線ボックスが中空壁の内部に設置されたときの遮音性を高めるために、配線ボックス10に遮音材30,36が取り付けられる。
配線ボックス10の底部14の外面26すなわち背面に取り付けられる四角形の遮音材30は第1の遮音材であり、遮音材30の寸法は配線ボックス10の底部14の外面26の大きさにほぼ対応する。つまり、遮音材30の高さは配線ボックス10の底部14の外面26の高さとほぼ対応し、遮音材30の幅W1は配線ボックス10の底部14の外面26の幅とほぼ対応する。遮音材30の厚みは特に限定されず、通常1mm〜5mm程度である。遮音材30はシート状であり、それ自体接着性を有している。遮音材30は、遮音効果をもたらす材料であれば特に限定されず、例えば鉱物等の添加剤を任意選択で含む樹脂等であってよい。
遮音材30を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレンターポリマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、フッ素樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ウレタン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等の熱可塑性樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、熱硬化型アクリル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化型ポリエステル等の熱硬化性樹脂等の合成樹脂;アクリルゴム、ブチルゴム、ケイ素ゴム、ウレタンゴム、フッ化物系ゴム、多硫化物系ゴム、グラフトゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ポリブテンゴム、イソブテン−イソプレンゴム、アクリレート−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ピリジン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレンゴム、アクリロニトリル−クロロプレンゴム、スチレン−クロロプレンゴム等の合成ゴム又は天然ゴム;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−水素添加ポリオレフィン−スチレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー、ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ゴム中間ブロック−スチレン共重合体等のブロック共重合体等のエラストマー;脂環族飽和炭化水素樹脂、ブローンアスファルト、アスファルトコンパウンド、ストレートアスファルト、タール、ピッチ等の瀝青質、およびこれらの二種以上の混合物である。上記分散媒としては粘弾性を有するものが望ましい。該分散媒に粘弾性を与えるには合成樹脂、ゴム、またはエラストマーに可塑剤、鉱物油、瀝青質等を混合する。またアクリル系合成樹脂の場合にはブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の高級アクリレートを共重合してもよい。
本発明に使用される添加剤としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、シリカ、ケイ藻土、ドロマイト、石膏、タルク、バライト、クレー、アスベスト、マイカ、ガラス繊維、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、石粉、ジルコニア粉、リンター、リネン、サイザル、木粉等の充填材、多価イソシアナート、多価アミン、エポキンド等の架橋剤、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、パラフィン、ロウ等の滑剤、鉱物油、DOP、DBP等の可塑剤、架橋促進剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤等が添加されてもよい。
図1(b)に示すように、遮音材30は配線ボックス10の底部14の外面26全体を覆うように取り付けられる。
配線ボックス10の4つの側部12の前端18にそれぞれ取り付けられる4つの長尺状の遮音材36は第2の遮音材であり、本実施形態では遮音材36の幅W2は壁と配線ボックスの間の隙間を埋めればよく、通常1mm〜30mmである。遮音材36の厚みは特に限定されず、通常1mm〜5mm程度である。遮音材36もシート状であり、それ自体接着性を有している。遮音材36も、遮音効果をもたらす材料であれば特に限定されず、例えば鉱物等の添加剤を任意選択で含む樹脂等であってよい。樹脂及び添加剤の例は遮音材30に関して上述した通りである。遮音材36の配線ボックス10の側部12の前端18と対面するのと反対側には、保護用の剥離シート42が取り付けられている。図1(b)に示すように、各遮音材36は対応する側部12の前端18の全体を覆うように取り付けられる。本実施形態では、遮音材36の幅W2が対応する側部12の前端18の幅よりも大きいために、遮音材36の一部は側部12の前端18よりも配線ボックス10の外側にはみ出て延びている。4つの遮音材36の各々が隣接する遮音材36と互いに端部44で接触するように配置されることで、遮音材36は略四角の環状構造をとる。
本実施形態では、底部14の外面26に取り付けられた遮音材30と、側部12の前端18に取り付けられた遮音材36とが別部材で、側部12の全周で互いに離間しており、配線ボックス10の底部14の外面26及び側部12の前端18を覆っているが、配線ボックス10の4つの側部12の外面28は遮音材で覆われておらず、配線ボックス10の4つの側部12の外面28は本実施形態では外部環境に対して露出している。
次に、図1(b)に示される遮音材が施された配線ボックスは、中空壁の内部に配置される。配線ボックス10への遮音材30,36の取り付け、ならびに中空壁における遮音材30,36を取り付けた配線ボックスの設置箇所の遮音構造について説明する。
第1の遮音材30の片面には、使用前には、接着性のある遮音材30の表面を保護する剥離シート(非図示)が遮音材30の上に貼られているが、この剥離シートを剥がし、配線ボックス10の底部14の背面20に取り付ける。他方、剥離シート42が両面に取り付けられた幅W2を有する細長いテープ状の遮音材の長さを、前端部14の長さに合わせてカットし、4つの第2の遮音材36を形成する。そして、遮音材36の片面の剥離シート42を剥がし、配線ボックス10の前端18に各々取り付ける。
このようにして作成した遮音材付きの配線ボックスを、中空壁に取り付ける。図2(a)は、本発明による中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音構造を示す垂直断面図、図2(b)は水平断面図である。中空壁50は、間隔をおいて配置された支柱としての軽量鉄骨64の両面に石膏ボード等の耐火ボード52を張り付けて構成され、配線ボックス10は中空壁50の内部に設置される。耐火ボード52の配線ボックス10に対応する位置には開口部54が設けられ、耐火ボード52における開口部54の周囲は、開口部54を外側から塞ぐようにコンセント56が取り付けられている。中空壁50内に配管された電線管58は自己消火性樹脂よりなり、電線管58内に配線された電線62は、電線管58の端部を配線ボックス10に接続するコネクタ60を介して、配線ボックス16内に引き出され、その端部においてコンセント56に接続される。
遮音材が取り付けられた配線ボックス10は、配線ボックス10を所定の位置に設置すべく軽量鉄骨64に取り付けられた支持金具66に対して、配線ボックス10の底部14に設けられた孔70(図1(a))を介してボルトナット68により固定される。遮音材36のもう片面の剥離シート42を予め剥がしておき、遮音材36の前面を開口部54の周囲で耐火ボード52に接触させ、配線ボックス10と耐火ボード52の間の隙間を遮音材36の接着剤層42にて封鎖する。次に、配線ボックス10をビス穴22(図1(a)を参照)を介して耐火ボード52に固定する。
かかる構造にすることで、耐火ボード52の開口部54が配線ボックス10の外側にて遮音材36で塞がれた状態となり、配線ボックス10の設置箇所の遮音性が向上する。遮音性の確認は、例えばJIS A 1416及びJIS A 1417による空間音圧レベル差測定により行うことが可能である。
上記の本発明の実施形態の効果について以下に説明する。
(1)底部14の外面26と、側部12の前端18とを遮音材30,36で被覆するのみで、配線ボックス10全体を被覆するのに匹敵する遮音性が得られる。また、底部14の外面26と側部12の前端18とを被覆するだけでよいため、施工時間が大幅に短縮される。
(2)配線ボックス10の側部12の外面28は遮音材で被覆しなくてもよいので、配線のために遮音材を側部12の開口部24(ノックアウト)の形に合わせて切り欠く作業は不要となり、施工時間が短縮される。
(3)遮音材30,36がそれ自体接着性を有するシート状遮音材であるため、底部14及び側部12の前端18の寸法に合わせてシートを切断し、貼り付けるだけでよく、施工が容易となる。
ここまで本発明を上記実施形態を例にとって説明してきたが、本発明はこれに限られず、以下のような種々の変形が可能である。
・遮音材30は、底部14の背面すなわち外面26の代わりに、底部14の前面すなわち内面、つまり配線ボックス10の凹部16と面する側の面に設けてもよいし、底部14の外面26と内面の両方に設けてもよい。
・上記実施形態では、遮音材36の幅W2は、遮音効果が確保される限り、対応する側部12の前端18の幅よりも大きくてもよいし、小さくてもよいし、同程度でもよい。
・上記実施形態では、遮音材36が配線ボックス10の4つの側部12の前端18、つまり4辺に環状に設けられているが、遮音効果が確保される限り、4つの側部12のうちの対向する2辺のみに設けられてもよく、また、遮音材36が前端18の全長に延びなくても良い。遮音材36が前端18の全長に延びない場合でも、例えば、遮音材36が前端18の面積の60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上を覆っていればよい。
・上記実施形態では、遮音材36が側部12の前端18に直接接触し、側部12の前端18を覆っていたが、側部12の前端18の前にさらに配線ボックスの縁を形成する部分がある場合、遮音材36はかかる縁を形成する部分を被覆してもよく、この場合も、縁を形成する部分は、側部12の前端18と同様、配線ボックス10の前端を構成するものとする。
・上記実施形態では、配線ボックス10の4つの側部12がすべて露出しているが、4つの側部12のうちの1つ、2つ、又は3つが遮音材で覆われていなくてもよく、遮音材で覆われていない側部12は、当該側部12の面積の60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上が遮音材で覆われていなければよく、最も好ましくは実質的に遮音材で覆われていない。ここで、「実質的に遮音材で覆われていない」とは、側部12の面積のうち、底部14を被覆する遮音材30と側部12の前端18の遮音材36が施工上側部12に差し掛かる部分を除き、側部12がさらなる遮音材で覆われていないことを意味する。
・上記実施形態では、底部14の外面26の全体が遮音材36により覆われているが、遮音材36により覆われる底部14の外面及び/又は内面の面積は遮音性が確保される程度であればよく、底部14の外面及び/又は内面の面積全体の通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%、最も好ましくはほぼ100%とする。
・上記実施形態では、遮音材30,36はそれ自体接着性を有していたが、非接着性の遮音材の上に接着剤層を設けたり、接着剤を塗布する構成としてもよい。
・遮音材30,36の材料は同じであっても異なっていてもよい。また、遮音材30及び36の少なくとも一方にパテ状の耐熱シール材である遮音材を用いてもよく、そのような耐熱シール材は公知である。
・配線ボックス10の材料は金属製に限定されず、樹脂製をはじめとする任意の材料であってよい。
・配線ボックス10の底部14は上記実施形態では略正方形であったが、略長方形のような他の矩形であってよいし、矩形以外の形状をしていてもよい。なお、底部14が略長方形の場合も、図4と同様な透過損失の結果が得られる(データは省略)。
・上記実施形態では、配線ボックス10の4つの側部12の外面28は本実施形態では外 部環境に対して露出していたが、代わりに外面28を防火用のテープ又はシートでさら に覆ってもよい。そのような例として、アルミニウム箔張りガラスクロスが挙げられる 。
・上記実施形態では、配線ボックス10が中空壁50の内部に設置されているが、配線ボ ックス10は方壁などの任意の壁に取り付けられてもよい。
本明細書中に引用されているすべての特許出願および文献の開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。
実施例1
本発明の実施例の配列ボックスと比較例の配列ボックスの作製
本発明の実施例の配列ボックスと、比較例の配列ボックスとを3人の技術者が作製し、作製にかかった時間を測定した。
本発明の実施例の配列ボックス用の遮蔽材としては、ブチルゴム 42.0重量部、ポリブテン 50.0重量部、石油樹脂 8.0重量部、バライト 400重量部で合計500.0重量部(比重2.3)の遮音材のシートを用いて、配線ボックスの4つの側部の前端と底部の外面(背面)のみを被覆した。
比較例の配列ボックスは、古川電気工業株式会社及び株式会社古川テクノマテリアルのヒートメル−ボックス不燃遮音キットの施工要領書に従い、パテ状の遮音材であるヒートメルシート(以下、単に「シート」と記す)の無地フィルムを剥がした側に配線ボックスを、側部前端から3mmシートがはみ出すように設置し、配線ボックスの外面全体をシートで包み、配線ボックスの側部への取り付けに形状に合わせるようシートの四隅を切り欠いてシートを配線ボックスに密着させ、側部前端からはみ出た3mmのシートが側部の全周にあることを確認し、側部前端の上に折り込み、配線ボックスの側部周囲及び底部外面(背面)をアルミテープで巻き、側部の開口部(ノックアウト)に対応するシートの部分をカッターで切り欠いて、完成させた。
図3(a),(b)は比較例の配列ボックスの写真を示す。実施例の配線ボックスと比べると、比較例の配線ボックスは、配線ボックスの外面全体にシートを取り付けるのに手間及び時間がかかり、側部前端にパテ状のシートを施工することが難しく、パテに凹凸が生じる場合があると共にビス穴が埋まりやすく、また、ノックアウトの切り欠き作業も煩雑で時間を要した。
表1は、3人の技術者が実施例の配線ボックスと比較例の配線ボックスを施工するのにかかった時間を示すが、実施例の配線ボックスの作製にかかる時間は比較例と比べて3分の1弱となり、大幅に減少した。
実施例2
中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音性能試験
軽量鉄骨は厚さ0.6mmで65×45mm角、耐火ボード52は厚さ12.5mmの強化石膏ボード2 枚張りの片壁仕様とし、配線ボックス10は117× 22.6× 54mmの配線ボックス(JIS規格品)、シート状の遮音材は厚さ3 mmで表2に示した配合のもの(遮音材1:比重2.3、遮音材2:比重1.9)を用い、遮音材の上に配置される基材は厚さ0.09mmのアルミニウム箔張りガラスクロスとし、電線管58及びコネクタ56はABS樹脂製、コンセント56のカバープレートはABS樹脂製のものとした。遮音性能試験は配線ボックス10の背面側に耐火ボードがない状態(つまり耐火ボード52はコンセント56の側のみ)で行った。
遮音性能試験はJIS A 1416及びJIS A 1417併用による室間音圧レベル差測定により行った。すなわち、音源室内における平均音圧レベルL1(dB)と、音源室と配線ボックスを設置した耐火ボードを挟んで隣接する受音室内における平均音圧レベルL2(dB)との差である透過損失を、種々の配線ボックスのサンプルを取り付けた場合の各々に対し、各周波数(125, 250, 500, 1000, 2000, 4000Hz)で音源室内における平均音圧レベルL1を100dBとして測定した。
配線ボックスのサンプルの各々の詳細は以下の通りである。
(A)無開口…耐火ボードに開口部を設けないもの
(B)BOXのみ…遮音材で全く被覆しない裸の配線ボックスが開口部に取り付けられているもの
(C)全被覆(遮音材1)…4つの側部の前端(遮音材で四角環状に被覆)、配線ボックスの側部4つの外面、及び底部の外面(背面)をすべて被覆した配線ボックスが開口部に取り付けられているもの
(D)全被覆(遮音材2)…4つの側部の前端(遮音材で四角環状に被覆)、配線ボックスの側部4つの外面、及び底部の外面(背面)をすべて被覆した配線ボックスが開口部に取り付けられているもの
(E)背面のみ(遮音材1)…4つの側部の前端と底部の外面(背面)のみを被覆した配線ボックスが開口部に取り付けられているもの
(F)コの字に被覆(底部の背面+対向する側部の外面の被覆、遮音材1)…4つの側部の前端、底部の背面及び2つの対向する側部の外面を被覆し、底部の背面と2つの対向する側部の外面とが連続して一つの遮音材でコの字型に被覆されている配線ボックスが開口部に取り付けられているもの
図4は、種々の配線ボックスのサンプルを取り付けたときの周波数に対する透過損失を示すグラフである。
サンプル(B)では透過損失が最も低かったが、サンプル(A)、(C)、(D)、(E)、及び(F)とは透過損失がほぼ同程度であった。つまり、本実験によれば、予想外にも、配線ボックス全体を遮音材で被覆しなくとも、少なくとも側部の前端と底部の外面(背面)で部分的に被覆されていれば、同程度に効果的に音漏れを減少できることが分かる。なお、配線ボックスの4つの側部の前端のみを遮音材で四角環状に被覆したサンプル(側部及び底部は遮音材で被覆しないサンプル)の透過損失も測定したが、このサンプルの場合、透過損失は配線ボックスを遮音材で全く被覆しないサンプル(B)とほぼ同様に低かった(図示略)。
本発明の遮音材が取り付けられた配線ボックスは、容易に作製できる上、遮音性にも優れているためで、中空壁の遮音に有用である。
10・・・配線ボックス、12・・・側部、14・・・底部、18・・・前端、30,36・・・遮音材、50…中空壁、52…耐火ボード、54…開口部。

Claims (6)

  1. 底部及び4つの側部を備えた配線ボックスであって、4つの側部が底面とは反対側の端部に前端を有し、4つの側部の各々が内面及び外面を有し、底部の外面及び/又は内面と、配線ボックスの側部の前端とが遮音材で覆われ、4つの側部のうちの少なくとも1つの外面及び少なくとも1つの内面の面積の60%以上が遮音材で覆われていない配線ボックス。
  2. 底部の外面及び/又は内面を覆う遮音材が、2つの対向する側部をも連続して被覆し、残りの対向する2つの側部は遮音材で覆われていない請求項1に記載の配線ボックス。
  3. 底部の外面及び/又は内面を覆う遮音材と、前記配線ボックスの前端を覆う遮音材とが側部の全周で互いに離間している請求項1に記載の配線ボックス。
  4. 底部の外面及び/又は内面を覆う遮音材と、前記配線ボックスの前端を覆う遮音材とが、シート状の遮音材である請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線ボックス。
  5. 底部及び4つの側部を備えた配線ボックスであって、4つの側部が底面とは反対側の端部に前端を有する配線ボックスの底部の外面に取り付けられる第1の遮音材と、配線ボックスの前端を覆う第2の遮音材とからなる配線ボックス用の遮音材の組み合わせ。
  6. 中空壁における配線ボックスの設置箇所の遮音方法であって、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線ボックスを中空壁の内部となる位置に設置し、
    中空壁を構成する耐火ボードの開口部の周囲を塞ぐように、前記配線ボックスの前端を覆う遮音材を配置する、遮音方法。
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