JP4727508B2 - 天井改修方法および膜天井構造 - Google Patents
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Description
この方法の場合、解体作業が発生するため、住人の引越しが必要になるうえ、解体範囲をフィルム材等で密封状態に取り囲み、さらにその中で解体作業を行う作業員は防塵マスク等を使用した大掛かりな装備が必要であった。
これに対し、アスベストを除去せずに残置した状態で改装する方法として、アスベストを囲い込む方法や封じ込める方法がある(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献2は、既存の天井面に沿って新たに膜天井シートを敷設する方法である。膜天井シートは、天井面の周囲に沿って配置されている既設の木廻り縁に垂直材および水平材からなる断面略L字形の膜天井廻り縁をステープルで固定し、膜天井シートの周縁に設けられた断面U字形の係止部材を膜天井廻り縁の水平材の先端に形成された断面鉤形の係止部に引掛けることで既存の天井面に沿って敷設される。
特許文献2は、天井を膜天井シートで覆ってしまうので、アスベスト層を露出させず封じ込むことができるが、天井に照明器具等が設置されている場合、これを露出した状態で膜天井シートを敷設する必要があり、その場合に隙間ができるとアスベスト片が室内空間に飛散するおそれがある。
図1は本実施の形態による膜天井の設置状態を示す図であり、この図1に示すように、この膜天井1は、住宅などの建築物の室内においてアスベストが使用された天井2を改装(リフォーム)する際に、天井2に沿うようにして敷設したものである。室内の四方の各壁面3の上端部には、天井2の周縁部全周にわたって既設の木廻り縁4が取り付けられており、膜天井1は、この木廻り縁4を利用して天井2の全面を覆うように膜天井シート6を敷設した構成とされている。
ここで、アスベストが使用された天井2は、例えば従来多く使用されていたアスベストを含んだ天井材料や吹付け材仕上げの材料による天井を対象とする。
このシーリング材12としては、例えば弾性樹脂(ブチルゴムを含む)の両面に接着剤(粘着剤)を塗付加工してなる両面テープなどを使用することが好ましい。そして、この膜天井廻り縁11の垂直材11Aは、この垂直材11Aからシーリング材12、木廻り縁4を貫通させてビス13が壁面3に打ち込まれて固定されている。
また、膜天井廻り縁11の水平材11Bの先端部には、上方に延びさらに垂直材11Aに向けて折り返すように屈曲した断面略鉤形の係止部13が長さ方向に沿って形成されており、この係止部13によって長さ方向に沿う溝部14が形成される。
なお、膜天井シート6の表面は、室内天井として好みのデザインのシートを使用することができる。
これら筒状部材32及び表側枠部材33が取り付けられた部分では、膜天井シート6は、表側枠部材33の内周縁に沿って切り取られており、既設の照明器具31が筒状部材32の内側に露出した状態とされている。
そして、この筒状部材52の穴58内に既設の引掛けローゼット51が露出され、この引掛けローゼット51に環状壁59の内部で角型引掛けシーリング54が装着され、この角型引掛けシーリング54にコード60を介して接続状態の新規引掛けローゼット53が前記ローゼット用筒状部材52に固定されている。
また、環状壁59と天井膜シート6との間には平板状の補強リング64が装着され、接着剤により天井膜シート6に固着される。
まず、天井2に設置されている既設の照明器具31に対して、図8に示すように前記筒状部材32を固定するとともに、既設引掛けローゼット51に図10に示すようにローゼット用筒状部材52を固定する。
一方、天井の周囲の木廻り縁4の上にシーリング材12を介して膜天井廻り縁11を重ね合わせ、水平方向に所定間隔(例えば120mmピッチ)ごとにビス13を膜天井廻り縁11の上から打ち込ませて木廻り縁4に膜天井廻り縁11を固定する。
また、天井2の四隅にでは、膜天井廻り縁11の上から図3に示す補強部材21を接合する。
前記筒状部材32を固定した部分においては、図8の鎖線に示すように膜天井シート6が既設照明器具31によって裏側から突き出されて引っ張られた状態となっており、この膜天井シート6を筒状部材32よりも若干小さい面積に切り取り、照明器具31の中央部が露出する程度の穴を開けることにより、この照明器具31を覆っている部分の膜天井シート6の張りを緩めて、筒状部材32から離間していた膜天井シート6を筒状部材32に接近させる。そして、筒状部材32のつば部37に膜天井シート6を挟持するように表側枠部材33を固定する。この表側枠部材33を固定することにより、その厚肉部43によって膜天井シート6が屈曲状態に挟持されることになって張力が作用した状態となる。このようにして表側枠部材33によって照明器具31を囲った後、表側枠部材33の内周縁に沿ってカッター等で膜天井シート6を切断すると、既設の照明器具31の回りを筒状部材32が囲った状態となる。
もちろん、他の天井表面は、膜天井シート6によって覆われているから、安全性を向上させることができ、アスベストの封じ込め(囲い込み)における信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態ではアスベストが使用された天井2を対象としているが、アスベストを含まない吹き付け天井やコンクリートが露出した天井などで剥がれ落ちを防止するための改装に適用してもかまわない。
木廻り縁4が設けられていない場合に適用することもでき、その場合は膜天井廻り縁11を壁面3に直接固定すればよい。
さらにまた、膜天井廻り縁11の係止部13と膜天井シート6の係止部材16との係止構造も、両者が係止状態となる他の構造を採用してもよい。
Claims (4)
- 天井に設置されている既設器具の周囲を囲む筒状部材を固定するとともに、天井周囲の壁面に膜天井廻り縁を固定し、この膜天井廻り縁に周縁を係止させながら前記筒状部材を覆う膜天井シートを天井に沿って敷設し、この膜天井シートの下面に、前記筒状部材との間で膜天井シートを挟持するように表側枠部材を固定し、その後、この表側枠部材の内周縁に沿って膜天井シートを切り取り前記既設器具を露出させることを特徴とする天井改修方法。
- 天井に設置されている照明器具用の既設引掛けローゼットの周囲を囲む筒状部材を固定するとともに、天井周囲の壁面に膜天井廻り縁を固定し、この膜天井廻り縁に周縁を係止させながら前記筒状部材を覆う膜天井シートを天井に沿って敷設し、その後、前記筒状部材の内側で膜天井シートを切り取って既設引掛けローゼットを露出させ、この既設引掛けローゼットに角型引掛けシーリングを取り付け、該角型引掛けシーリングに接続した新規引掛けローゼットを前記筒状部材との間に膜天井シートを挟持するように前記筒状部材に固定することを特徴とする天井改修方法。
- 天井に設置されている既設器具の周囲を囲む筒状部材が固定されるとともに、天井周囲の壁面に膜天井廻り縁が固定され、この膜天井廻り縁に周縁を係止させて膜天井シートが前記筒状部材を覆うように前記天井に沿って敷設され、この膜天井シートを前記筒状部材との間に挟持する表側枠部材が膜天井シートの下面に固定され、この表側枠部材の内周縁に沿って膜天井シートが切り取られ前記既設器具が露出されていることを特徴とする膜天井構造。
- 天井に設置されている既設引掛けローゼットの周囲を囲む筒状部材が固定されるとともに、天井周囲の壁面に膜天井廻り縁が固定され、この膜天井廻り縁に周縁を係止させて膜天井シートが前記筒状部材を覆うように前記天井に沿って敷設され、この膜天井シートを介して前記筒状部材との間に挟持するように新規引掛けローゼットが固定され、該新規引掛けローゼットに接続状態の角型引掛けシーリングが前記筒状部材の内側で切り取られた膜天井シートの穴を経由して前記既設引掛けローゼットに装着されていることを特徴とする膜天井構造。
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