以下に、本発明の実施の形態にかかる苗移植機について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は本実施の形態にかかる苗移植機1の側面図と平面図である。
この苗移植機1は、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して植付装置52が昇降可能に装着され、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設けられている。
図1,図2に示す通り、走行車体2は、駆動輪である左右一対の前輪10,10及び左右一対の後輪11,11を備えた四輪駆動車両であって、機体の前部にミッションケース12が配置され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファイナルケース13,13が設けられ、該左右前輪ファイナルケース13,13の操向方向を変更可能な各々の前輪支持部から外向きに突出する左右前輪車軸に左右前輪10,10が各々取り付けられている。
また、ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の前端部が固着されており、他方、そのメインフレーム15の後端左右中央部に水平に設けた後輪上下動支点軸181を支点にして左右後輪ギヤケース18,18がローリング自在に支持され、その左右後輪ギヤケース18,18から外向きに突出する後輪車軸17に後輪11,11が取り付けられている。
尚、左右後輪ギヤケース18,18には、ミッションケース12の後壁から突出して設けた左右後輪ギヤケース18,18に連結した左右後輪伝動軸18a,18aにて動力が伝達される構成となっている。
エンジン20はメインフレーム15の上に搭載されており、該エンジン20の回転動力が、ベルト伝動装置21及びHST(静油圧式無段階変速装置)23を介してミッションケース12に伝達される。ミッションケース12に伝達された回転動力は、該ケース12内のトランスミッションにより変速された後、走行動力と外部取出動力に分離して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪ファイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10を駆動すると共に、残りが左右後輪ギヤケース18,18に伝達されて左右後輪11,11を駆動する。
また、ミッションケース12の右側側面より取出された外部取出動力は、植付伝動軸26によって植付装置52へ伝動される。尚、施肥装置5の肥料繰出し機構へは、右後輪ギヤケース18から動力が駆動軸にて取出されて伝動される。
エンジン20の上部はエンジンカバー30で覆われており、その上に座席31が設置されている。座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカバー32があり、その上方に前輪10,10を操向操作する操舵部材(ステアリングハンドル)34が設けられている。なお35はハンドシャフトである。このフロントカバー32内には、リザーバタンク16を設け、前記HST23とパイプ19で連結して高い位置からオイルをHST23に供給するようになっている。
尚、操舵部材34の右側には、植付装置52の昇降を設定するための植え付け昇降レバー33が設けられている。尚、本発明の作業操作レバーの一例が、植え付け昇降レバー33に対応する。
また、操舵部材34の左側には、走行車体2の前進、停止(アイドリング)、後進、速度等を設定する変速レバー36が設けられている。
エンジンカバー30及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフロアステップ37になっている。
フロアステップ37の左右前部には複数の貫通孔が形成されており、座席31に着座して機体を操縦する操縦者が左右前輪10,10を見通せることができて操縦が容易な構成となっていると共に、該ステップ37を歩く作業者の靴についた泥が圃場に落下するようになっている。
昇降リンク装置3は平行リンク構成であって、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,41を備えている。これらリンク40,41,41は、その基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付けられ、先端側には縦リンク43が連結されている。そして、縦リンク43の下端部に、植付装置52に回転自在に指示された連結軸が挿入連結され、連結軸を中心として植付装置52がローリング自在に連結されている。
メインフレーム15に基部を回動自在に枢支した昇降油圧シリンダ46の先端を、上リンク40に一体形成したスイングアーム(図示せず)の先端部に連結して設けており、該昇降油圧シリンダ46を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に回動し、植付装置52がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
尚、28,28は左右補助ステップであって、作業者が機体に乗り降りする時に足を載せるステップである。
次に、図3は、本実施の形態の苗移植機1の前方部の拡大側面図であり、図5は同苗移植機1の拡大正面図である。また、図4はピットマンアームの平面図である。
図3に示す通り、操舵部材34の操舵を受けて前輪10、10を回動させるT字型のピットマンアーム60が走行車体2の前方底側に設けられている。即ち、操舵部材34の回転に対応して、操舵部材シャフト35が回動し、ピニオン機構を介して、あるいはパワステ機構を介して、T字型のピットマンアーム60が回動する。60bはその回動軸である(図4参照)。
このピットマンアーム60のT字型の2つの先端部60a、60aには、2本のタイロッドが回動可能に取り付けられ、それぞれのタイロッドは左右の前輪ファイナルケース13,13に取り付けられているナックルアームに連結されている(図示省略)。
これによって、操舵部材34を操舵することによって、右及び左の前輪10を左右に走行操作できるようになっている。
他方、このピットマンアーム60は上述した通り左右線対称のT字型をしており、左右両先端部60a、60aの中間位置に、即ち、左右線対称の中心線上に、円柱状ピン61が立設している。その円柱状ピン61の上端には前方方向に向かって水平にロッド62が回動自在に取り付けられている。さらに、このロッド62の先端62aには、その側面に連結ピン63が固定され、さらに、その連結ピン63の端部には、アーム64(64a、64b、64c)が取り付けられている。このアーム64(64a、64b、64c)は、上方に向かう部分64aと、水平に横に伸びる部分64bと、さらにそこから上方に伸びる部分64cとで構成されている(図5参照)。以上の通り、ロッド62はピットマンアーム60の中心線上に位置しているので、右旋回でも左旋回でも同量の引っ張り力が出るという効果を奏する。
このアーム64の上方部分64cの上端64c1には、オートリフトケーブル71が回動自在に取り付けられている。
尚、図3、図5において、72は上述したオートリフトケーブル71と連結したケーブル端部である。また、このケーブル端部72は旋回切替操作部73に回動可能に連結されている。また、74は切替カムであり、751はその切替カム74の位置決め溝であり、76はバックリフトアームであり、77は位置決めローラーであり、78は切替カム74を前方(図3では、右方向)へ付勢するスプリングであり、99は後進走行の際に切替カム74を回動させるサーボモーターである。
次に、図6は本実施の形態の苗移植機1の切替カム付近を示す側面図、図7は走行車体2の後方から前方を見たときの同切替カム付近を示す概略正面図、図8は同切替カム付近を示す斜視図である。尚、図8は部材の配置関係を理解しやすくするために描かれた図であって、寸法、配置、形状等誇張して描いた模式図である。
図6に示す通り、植付装置52の上昇・停止・下降・植え付け入の各動作を設定するための植え付け昇降レバー33の下端33aは、ブラケット81を介して、軸80に回動可能に取り付けられているとともに、このブラケット81には切替カム74の上端が固定されている。従って、植え付け昇降レバー33を移動させることによって、切替カム74を回動出来るようになっている。また、切替カム74は上述した通り前方方向に常時スプリング78(図3、図5参照)によって付勢されている(図8上、矢印A方向)。
この切替カム74は中央に、本発明の切欠部の一例である横長形状の窓75が穿設されている。この窓75の上側端縁には、本発明の複数の凹部の一例である4個の位置決め溝751(図8中、左から順に第1溝751a、第2溝751b、第3溝751c、第4溝751d)が並んで形成されている。この窓75には、走行車体2の幅方向に水平に配置された位置決めローラー77の先端が挿入されている。
尚、この位置決めローラー77は、後述するバックリフトアーム76に固定されており、バックリフトアーム76の後端部に位置する支持軸79によって回動可能に支持されている。
また、この位置決めローラー77は常時上方方向にスプリング(図示省略)で付勢されており、4個の位置決め溝751(第1溝〜第4溝751a、751b、751c、751d)のいずれかに上半分程度嵌められるが、後述する色々な力によってスプリングに対抗して下方方向へ移動しうるようになっている。尚、この色々な力には、例えば、後述する引っ張りワイヤー310(図10(a)参照)による引っ張り力が含まれる。
また、図8に示す通り、この位置決めローラー77は、走行車体2の左右方向に水平に配置されているが、切替カム74の内側(図8上では切替カム74の奥側)の部分には先ず、バックリフトアーム76が固定されている。さらに、その奥側にはバックリフト入切レバー82が回動可能に連結されている。そして、このバックリフトアーム76が支持軸79に回動可能に連結されているので、バックリフト入切レバー82も支持軸79を軸中心として回動可能な構成となっている。
さらに、図8に示す通り、切替カム74とバックリフトアーム76との間の隙間には、旋回切替操作部73が配置されている。そして、この旋回切替操作部73と、前記バックリフトアーム76は、各後端部がそれぞれ共通の支持軸79に回動自在に連結されている。
そして、図6,図8に示す通り、この旋回切替操作部73の前端には、ピン721を介して、上述したとおり、オートリフトケーブル71と連結したケーブル端部72が回動可能に連結されている。従って、ピットマンアーム60の動きに連動して、旋回切替操作部73が支持軸79を中心として上下方向に移動するようになっている。さらに、この旋回切替操作部73の中央位置には第1孔732が開けられ、その第1孔732にロックピン731が通常嵌め込まれている(図6,図8参照)。このロックピン731はバックリフトアーム76に固定されている。従って、通常は、旋回切替操作部73の上下方向への移動に従って、バックリフトアーム76も支持軸79を中心として上下に移動するようになっている。
そして、そのバックリフトアーム76は位置決めローラー77に固定されているので、バックリフトアーム76の上下方向への移動に従って、位置決めローラー77も上下方向に移動することになっている。もちろん、この旋回切替操作部73は、作業者が手動によって走行車体2の左右方向(図6の紙面に垂直方向)に移動出来、任意にロックピン731から外すことが出来るようになっている。
尚、旋回切替操作部73をロックピン731から外すことによって、ピットマンアーム60の動きに連動して位置決めローラー77が下方へ移動するという自動連動機能が停止されるので、作業者が操舵部材34を回転させて旋回走行する際に、自動的に植付装置52が上昇することは無い。
この位置決めローラー77が下方へ移動すると、位置決め溝751から外れるので、切替カム74は矢印A方向(図8参照)に回動するようになっている。
他方、図6,図8に示す通り、バックリフト入切レバー82には、逆L字状の切り欠き孔84が穿設されている。即ち、縦長部分と横長部分とでこの切り欠き孔84は構成されている。その切り欠き孔84には、走行車体2の左右方向において略水平に配置されたバー83の先端が挿入されている。図16に示す通り、作業者の手動操作により変速レバー36が「停止位置」の後進側(後進アイドリング位置)に設定されたとき、その変速レバー36の移動に対応して回動するロッド361が引き上げられ、ケーブル362を通じて、バー83が下方向に移動するようになっている。ここで、図16は、変速レバー36の略示平面図と、変速レバーとバー83の関係を示す説明図である。
従って、このバー83がL字型切り欠き孔84の横長部分に位置しているときは、バー83が下方向に移動することによって、バックリフト入切レバー82は押されて下方向に移動する。上述したように、このバックリフト入切レバー82は位置決めローラー77に連結されているので、位置決めローラー77は下方に移動することになる。
一方、このバー83がL字型切り欠き孔84の縦長部分に位置しているときは、バー83が下方向に移動しても、縦長部分を移動するに止まるので、バックリフト入切レバー82を押し下げる力は働かず、位置決めローラー77も下方へ移動することにならない。
さらに、上述した通り、バックリフト入切レバー82は位置決めローラー77に回動可能に連結されているので、作業者が手でバックリフト入切レバー82を回動して適宜位置決め(図8の矢印Bに示す通り後方へ押し込むか、それとも図8の矢印Cに示す通り前方へ引き出す)することによって、上述した、後進走行の際、バックリフト入切レバー82を、そして、位置決めローラー77を自動的に下方へ押し下げるモード(図8の矢印Bに示す通り後方へ押し込んだときに対応するモード)と、押し下げないモード(図8の矢印Cに示す通り前方へ引き出したときに対応するモード)を、作業者が予め任意に選択できるようになっている。
尚、図6に示す通り、このバックリフト入切レバー82より、上述した旋回切替操作部73の方が前方へ突出しているので、旋回切替操作部73の方が扱い易くなっている。その結果、バックリフト入切レバー82の入切頻度の方が旋回切替操作部73の切替頻度より、通常少ないので、作業者にとって都合がよい。
次に、図9は植え付け昇降レバー33と切替カム74との関係、並びに、サーボモーター99の動きに連動して回動するモーターアーム回動軸101に固定されたモーターアーム103、モーターアーム103と切替カム74とを連結する植え付けスプリング100、及びポテンショメーター93等を示す側面図である。図10(a)は、モーターアーム103、及び植え付けスプリング100周辺の拡大図であり、図10(b)は、図10(a)の矢印D方向から見たモーターアーム103近傍の概略図である。
以下に、図9と図10を用いて、植え付け昇降レバー33と切替カム74との関連、並びに、サーボモーター99、植え付けスプリング100、ポテンショメーター93等を中心に説明する。
図9に示す通り、植え付け昇降レバー33はその位置によって、手前から、「上昇」、「停止」、「下降」、「植え付け入」の各モードを切替設定出来るようになっている。他方、切替カム74の第1〜第4溝751a、751b、751c、751dは、それぞれ「上昇」、「停止」、「下降」、「植え付け入」に対応している。即ち、作業者が、例えば手動で植え付け昇降レバー33を「上昇」の位置に設定すると、切替カム74は軸80を中心に反時計方向(図9の矢印E参照)に回動し、位置決めローラー77は相対的に後退して第1溝751aに収まる。また、「停止」の位置に植え付け昇降レバー33を設定すると、切替カム74は少し後に移動し、位置決めローラー77は第2溝751bに収まる。また、「下降」の位置に植え付け昇降レバー33を例えば手で設定すると(図9の状態)、切替カム74はさらに少し後に移動し、位置決めローラー77は第3溝751cに収まる。また、「植え付け入」の位置に植え付け昇降レバー33を例えば手で設定すると、切替カム74はさらに少し後に移動し、位置決めローラー77は第4溝751dに収まる。
このようにして、植え付け昇降レバー33を操作することによって、切替カム74を4種類の位置に移動させることが出来る。
この切替カム74の移動は、ワイヤーやロッド、アーム等を介して、植付装置52の昇降油圧シリンダ46への油路を切り替える切替バルブ461(図1参照)の切替動作に連動しているとともに、植付装置52に設けられた植え付け爪521(図1参照)等による植え付け動作を入切する植え付けクラッチ(図示省略)の入切動作に連動している。その結果、その連動によって、切替カム74の移動によって、植付装置52の昇降、停止、下降、植え付け入がそれぞれ制御されるようになっている。
尚、本発明の中間機構の一例が、これら位置決めローラー77、切替カム74、切替バルブ461等を含む構成に対応する。
また、図9に示す通り、切替カム74の後方付近には、本発明の回動装置の一例としてのサーボモーター99、本発明の回動アームの一例としてモーターアーム103、及び本発明の連結部材の一例としての植え付けスプリング100、更に、本発明の回動角度検出装置の一例としてのポテンショメーター93等が配設されている。また、本発明の旋回連動機構の一例が、ポテンショメーター93、サーボモーター99、植え付けスプリング100、モーターアーム103等を含む構成に対応する。
即ち、サーボモーター99は、図11に示す通り、ポテンショメーター93からの出力や、左右一対の後輪11、11のそれぞれの回転数を検出する回転センサー182からの出力を受け付ける制御回路200から出力される指令に基づき、モーターアーム回動軸101を時計方向、又は反時計方向に回動させる手段である。制御回路200は、これらのポテンショメーター93と、回転センサ182からの出力信号を利用して、サーボモーター99を駆動制御している、コンピュータである。尚、図11は、本実施の形態の苗移植機1の制御回路の説明図である。また、回転センサー182は、本発明の回転数検出装置の一例である。
また、図9、図10(a)、図10(b)に示す通り、モーターアーム回動軸101にはモーターアーム103が固定されている。従って、モーターアーム103も時計方向、又は反時計方向に回動する。このモーターアーム103の中央部には第1ピン102が立設しており、先端部には第2ピン300が立設している。尚、本発明の第1連結部材の一例が、第1ピン102に該当し、本発明の第2連結部材の一例が、第2ピン300に該当する。
他方、図9、図10(a)に示す通り、切替カム74の後方よりの位置には裏面側(図9の奥側の面)から図中の奥側に向けて第3ピン105が立設している。この第3ピン105には回動可能に、植え付けスプリング100の一端側が連結されている。さらに、この植え付けスプリング100にはその他端側において長手方向に第1長孔104が形成されており、その第1長孔104に隣接して上記一端側に亘りコイル状の圧縮バネ100aが形成されている。この第1長孔104に、上述したモーターアーム103の第1ピン102が回動可能且つ摺動可能に嵌め合わされている。尚、サーボモーター99、植え付けスプリング100、モーターアーム103等を含む構成が、本発明の連動停止機構の一例に該当する。
これにより、走行車体2の旋回時において、作業者が、本発明の旋回連動機構の一例としてのサーボモーター99やモーターアーム103等の作動中にその作動に対抗するように、即ち、停止、又は上昇の位置に向けて、植え付け昇降レバー33を操作したとき、本発明の連動停止機構に含まれる一構成部品としての植え付けスプリング100のコイル状の圧縮バネ100aが伸びることにより、作業者による植え付け昇降レバー33の操作が抵抗となって旋回連動機構(例えば、サーボモーター99やモーターアーム103等)に過負荷がかかることを防止出来るので、旋回連動機構が破損等することが防止される。
また、図10(a)に示す通り、本発明の切替補助アームの一例であるバックリフトアーム76の前端側の下部には第4ピン320が立設している。そして、バックリフトアーム76と、モーターアーム103とが、この第4ピン320と上記第2ピン300において、ワイヤー連結部材310aを介して、引っ張りワイヤー310で連結されている。
そして、(1)サーボモーター99の回転駆動によるモーターアーム103の回動により、切替カム74が上昇又は停止に対応する位置から下降(図9参照)に対応する位置に向けて回動されたときは、引っ張りワイヤー310が、バックリフトアーム76を、位置決めローラー77による上方向への付勢状態(付勢力)を緩和する方向に引っ張り、(2)植え付け昇降レバー33の操作により、切替カム74が下降に対応する位置から、停止又は上昇(図10(a)参照)に対応する位置に向けて回動されたときは、引っ張りワイヤー310が緩み、位置決めローラー77による付勢状態がそのまま維持される構成である。
この構成によって、強い力が必要な引っ張り方向の操作の際に、引っ張りワイヤー310が作動する構成としたことにより、バックリフトアーム76をより軽い力で下方に移動させることが出来るので、サーボモーター99の必要なトルクを従来に比べて低減でき、コストダウンが図られる。
また、図10(b)に示す通り、第2ピン300の先端は、第1ピン102の先端よりも、走行車体2の左右方向を基準として、外側、即ち走行車体2の右側に突き出している。そして、引っ張りワイヤー310を、植え付けスプリング100よりも、走行車体2の左右方向を基準として、外側に配置するために、引っ張りワイヤー310のワイヤー連結部材310aの第2ピン300への取り付け位置が先端側になる様に、その両側が割りピン300aによって位置決めされている。これにより、引っ張りワイヤー310と植え付けスプリング100とが、操作中に干渉し合うことが無く、本発明の旋回連動機構の連動動作の一例としての、植付装置52を自動的に下降させる動作や、その後に植え付け動作を自動的に開始させる動作を確実に停止させることが出来ると共に、軽い力でバックリフトアーム76を操作することが出来る。
次に、図9を参照しながら、ポテンショメーター93等の構成について説明する。
即ち、切替カム74の後端には、切替カム74の位置を検出するために、三角形のプレート90が後方に突き出すように固定されている。このプレート90の頂点付近にはピン91が固定されている。他方、上述したサーボモーター99等の下方には、ポテンショメーター93が設けられている。このポテンショメーター93は、その軸93aに固定された、第2長孔94が開設されたメーターアーム92を有している。このメーターアーム92の回動角度が検出されるようになっている。そして、第2長孔94に上述したプレート90のピン91が回動可能且つ摺動可能に嵌め合わされている。
従って、切替カム74の上述した4種類の位置(図9参照)に対応してプレート90とピン91が移動し、その結果、メーターアーム92も対応して回動する。これによってポテンショメーター93が、切替カム74の位置を精密に検出することが出来るようになっている。
尚、切替カム74の移動に対応して移動するピン91の可動範囲よりも長く、第2長孔94が開設されていることによって、誤検知を防止できる。
次に、図9〜図11を用いて、サーボモーター99、モーターアーム103、植え付けスプリング100、切替カム74、ポテンショメーター93、及び制御回路200等の関係について説明する。
植え付け作業中の走行車体2が圃場の端に達して旋回走行に移り、その旋回に伴って、制御回路200は、左右一対の後輪10、10の回転数を検出する回転センサー182からの出力信号を得て、それら後輪10、10間の回転数の差が所定数以下になった時点で、走行車体2の旋回動作が完了したと判定して、サーボモーター99に対して、切替カム74を「上昇」に対応する位置から「下降」に対応する位置に移動させるための「下降指令」を出力する構成である。
一方、サーボモーター99は、モーターアーム103を予め回動させて、第1ピン102を、制御回路200からの指令に備えて待機位置で予め待機停止させるべく構成されている。この待機位置は、作業者が植え付け昇降レバー33を何れの位置に移動させたとしても、第1ピン102は第1長孔104の中を相対的にスライド移動するのみであって、第1長孔104の内壁部から強い力で押されることが無い位置、即ち、サーボモーター99やモーターアーム103等が破損する様な負荷が掛からない位置である。尚、サーボモーター99は、待機停止中でも、外力により第1ピン102が待機位置からずれない様に、所定の保持トルクを発生している。
そして、このサーボモーター99に対して、制御回路200から上記の「下降指令」が出力されると、図9に示す通り、モーターアーム103を時計方向に所定角度だけ回動させて植え付けスプリング100を第1ピン102で強制的に後方に引っ張り、切替カム74を自動的に「下降」に対応する位置まで移動させる構成である。
尚、このとき、植え付けスプリング100の圧縮バネ100aの縮もうとする力(復元力)は、上記第1ピン102による引っ張り力に比べて大きくなる様に構成されているので、圧縮バネ100aが伸びてしまって切替カム74が移動しないということは無い。
また、サーボモーター99の駆動により切替カム74が強制的に移動されて植え付け昇降レバー33が「下降」、又は「植え付け入」の位置に移動中か、或いは、移動した後に、作業者がこれに対抗して、植え付け昇降レバー33を例えば「停止」位置方向に向けて移動させたときには、この圧縮バネ100aは、弾性体であるので伸びるため、本発明の旋回連動機構の一例であるサーボモーター99やモーターアーム103等の部材が破損することが防止される。
そしてこのとき、圧縮バネ100aが伸びることで、植え付け昇降レバー33の動きに連動して切替カム74が、「下降」位置から「停止」位置方向に向けて移動し始めるので、その切替カム74に固定されたプレート90の頂点に設けられたピン91も同時に移動する。ポテンショメーター93は、ピン91の動きに連動して回動し、その回動角度の検出結果を制御回路200に出力する。ポテンショメーター93からの出力信号を受けた制御回路200は、連動動作中において、植え付け昇降レバー33が、「下降」位置から、「停止」位置に向けて操作された(又は、停止に対応する位置に戻された)と判定して、本発明の連動停止機構の一例である、サーボモーター99やモーターアーム103等による連動動作を停止させる。具体的には、制御回路200は、切替カム74が「下降」位置(又は「植え付け入」位置)に位置するときの植え付けスプリング100の第1長孔104の位置(図14参照)を基準として、その長孔104の中央付近(一例として、図12、図13に示す第1ピン102が存在している位置である上記「待機位置」が対応する)に、モーターアーム103の第1ピン102を移動させる構成である。これにより、本発明の旋回連動機構の一例でもあるサーボモーター99やモーターアーム103等の部材が破損することが防止される。
更に、制御回路200は、上記「下降指令」を出力した後、回転センサー182からの出力信号を得て、走行車体2が所定距離走行したと判定した時点で、サーボモーター99に対して、「植え付け開始指令」を出力する。
そして、「植え付け開始指令」を受けたサーボモーター99は、モーターアーム103を時計方向に所定角度だけ更に回動させて植え付けスプリング100を第1ピン102で強制的に後方に引っ張り、切替カム74を自動的に「植え付け入」に対応する位置まで移動させる構成である。これにより、植え付けクラッチ(図示省略)が「入」に切り替わり、植付装置52の植え付け爪521等による植え付け動作が自動的に開始させる。尚、本発明の旋回連動機構の連動動作の一例として、上述した植付装置52を自動的に下降させ、その後に植え付け動作を自動的に開始させる動作が対応する。
尚、サーボモーター99が、制御回路200から上記「下降指令」、及び「植え付け開始指令」を受けたとき、上述した通り、モーターアーム103に連結された引っ張りワイヤー310が、バックリフトアーム76を下方に引っ張る構成であるため、サーボモーター99のトルクが従来より低く設定しても、位置決めローラー77が位置決め溝751を容易に乗り越えられる。
次に、本実施の形態にかかる苗移植機1の動作を説明する。
A:旋回開始の動作
作業者は、走行車体2を変速レバー36を前進に入れて(図16参照)、圃場を走行させつつ、植付装置52を下降させた状態で苗を圃場に植え付けていく。この作業状態では植え付け昇降レバー33は図15に示す通り、「植え付け入」の位置に設定されている。従って、この植え付け昇降レバー33に連結されている切替カム74は図15に示す位置、即ち、位置決めローラー77が第4溝751dに入った状態の位置になっている。
圃場の端に到達すると、作業者は操舵部材34を回動させる(図17の第1地点411参照)。その操舵部材34の回動に伴って、操舵部材シャフト35が回動し、ピニオン機構を介して、T字型のピットマンアーム60が、回動軸60bを中心に回動する。図17は、苗移植機1の圃場における走行軌跡400を示した模式図であり、401は移植された苗の位置を示している。
そのピットマンアーム60の回動によって、そのピットマンアーム60のT字型の2つの先端部60a、60aが回動する。その結果、その先端部60a、60aに回動可能に取り付けられている2本のタイロッドが移動し、それぞれのタイロッドが取り付けられている、左右の前輪ファイナルケース13,13のナックルアーム(図示省略)が回動する。
このように、操舵部材34を操舵することによって、右及び左の前輪10を回動させ、走行車体2の旋回を開始する。
このとき、ピットマンアーム60の回動に伴って、円柱状ピン61に回動可能 に取り付けられている、水平方向のロッド62も回動し移動する(図4参照)。その結果、ロッド62の先端62aが移動するので、その側面に固定された連結ピン63も、さらに、その連結ピン63の端部に取り付けられたアーム64(64a、64b、64c)も引っ張られる方向に移動する(図5参照)。
このアーム64(64a、64b、64c)が移動すると、アーム64の上方部分64cの上端64c1に連結されているオートリフトケーブル71が引っ張られる(図5参照)。
その結果、オートリフトケーブル71のケーブル端部72(図6、図8参照)が下方に引っ張られ、そのケーブル端部72が連結されている旋回切替操作部73が下方に移動する。
ここで、旋回切替操作部73が自動切替モードに選択されていたとする。即ち、図6、図8に示す通り、旋回切替操作部73の第1孔732に、バックリフトアーム76に固定されたロックピン731が嵌め込まれているとする(作業者が手動で、この旋回切替操作部73を左右に動かし、第1孔732にロックピン731を入れたり、外したりする)。
そのとき、旋回切替操作部73が下方に移動すると、ロックピン731を介して、バックリフトアーム76も下方に移動する。バックリフトアーム76が下方に移動すると、バックリフトアーム76に固定されている位置決めローラー77も下方に移動する。その結果、位置決めローラー77が、それまで嵌め込まれていた切替カム74の第4溝751dから外れる。
他方、切替カム74はスプリング78(図3参照)によって、常時前方(図8の矢印A方向)へ付勢されているので、位置決めローラー77が切替カムの第4溝751dから外れると、自由に移動出来る構成になって、切替カム74は一気に軸80を中心に反時計方向に回動する。その結果、植え付け昇降レバー33は、「植え付け入」位置から「上昇」位置まで移動する(図12参照)。ここで、図12は、苗移植機1の旋回の際の、植付装置52の上昇状態を示す切替カム74を中心とする側面図である。
その結果、切替カム74の回動に伴い、ワイヤーやロッド、アーム等を介して、植え付けクラッチ(図示省略)が「切り」側へ切り替わり、植付装置52による植え付け動作が停止されるとともに、植付装置52の昇降油圧シリンダ46への油路を切り替える切替バルブ461が「上昇」側へ切り換わり、植付装置52が上方へ移動する。
上記構成により、作業者が圃場の端で操舵部材34を切ると(図17の第1地点411参照)、自動的に植付装置52の植え付け動作が停止するとともに、植付装置52が上昇する。これによって、作業者が一々植え付け昇降レバー33を操作しなくてもよくなる。
尚、本発明の自動上昇機構の一例が、ピットマンアーム60、バックリフトアーム76、及び切替バルブ461等を含む構成に対応する。
尚、作業者が旋回切替操作部73を手動で左右に動かし、第1孔732からロックピン731を外していたときは、操舵部材34を切っても、旋回切替操作部73、バックリフトアーム76、位置決めローラー77は下方に移動することはなく、当然に切替カム74が「上昇」位置に移動することも無い。
上記の通り、本実施の形態の旋回切替操作部73は、操舵部材34と植付装置52の上昇との自動的連動の入切を任意に選択出来るようになっている。
B:旋回終了時の動作
次に、さらに走行車体2を旋回させていったとき、植付装置52を自動的に下降させる。即ち、図11に示す通り、回転センサー182は、左右一対の後輪11、11の回転数を検出しているので、その検出された回転数信号を入力した制御回路200は、双方の回転数の差が予め設定されている回転数以下になったと判定すると(図17の第2地点412)、サーボモーター99に「下降指令」としての駆動信号を出力する。
サーボモーター99はその駆動信号を受けて、図12に示す上昇状態から、図13、図14に示す通り、切替カム74を移動させる。
即ち、旋回中は植付装置52は上昇位置に存在しているので、植え付け昇降レバー33は「上昇」位置にあり、また、位置決めローラー77は第1溝751aに入った状態となっている(図12参照)。一方、サーボモーター99は、モーターアーム103を予め回動させて、第1ピン102を、制御回路200からの指令に備えて待機位置で予め待機させている(図12参照)。
そこで、サーボモーター99がモーターアーム回動軸101を時計回り方向に回動させる。それによって、モーターアーム103も時計回り方向に回動する。
その結果、モーターアーム103に立設している第2ピン300がバックリフトアーム76に連結されている引っ張りワイヤー310を引っ張るとともに、モーターアーム103に立設している第1ピン102が、切替カム74に連結されている植え付けスプリング100を後方(図12中において左方向)へ引っ張るので、切替カム74は比較的弱い力で時計回り方向に回動する。
即ち、第1溝751aに入っている位置決めローラー77はバネによって上方へ付勢されているが、サーボモーター99の回動により、モーターアーム103に立設している第2ピン300がバックリフトアーム76に連結されている引っ張りワイヤー310を引っ張るので、位置決めローラー77が下方に移動してその付勢力は緩和される。そして、このサーボモーター99による回動力が、上述した緩和された付勢力に対抗することによって、切替カム74が強制的に回動して位置決めローラー77は位置決め溝751を順次乗り越えていく。それにともない、図14に示す通り、「下降」位置まで、切替カム74と植え付け昇降レバー33が回動する。
尚、図13は、苗移植機1における、植付装置52の固定(停止)状態を示す切替カム74を中心とする側面図であり、図14は、植付装置52の下降状態を示す切替カム74を中心とする側面図である。
その後、サーボモーター99は、制御回路200からの「植付開始指令」としての駆動信号を受けて、モーターアーム回動軸101を更に時計方向に回動させるので、図17の第3地点413から図15に示す「植え付け入」状態となり、植付装置52に設けられた植え付け爪521が回転し始め、苗の植え付けが始まる。これにより、旋回終了後の苗の植付開始位置が、隣接条の植え付け終了位置に一致する。
即ち、制御回路200は、第2地点412(図17参照)で上記「下降指令」を出力した後、回転センサー182からの出力信号を得て、走行車体2が所定距離走行したと判定した第3地点413(図17参照)において、サーボモーター99に対して、「植え付け開始指令」を出力する。これにより、モーターアーム103が時計方向に所定角度だけ更に回動し、第1ピン102により植え付けスプリング100を強制的に後方に引っ張るので、切替カム74は自動的に「植え付け入」位置まで移動し、植え付けクラッチ(図示省略)が入って植付装置52による植え付け動作が開始される。このときも、モーターアーム103に連結された引っ張りワイヤー310がバックリフトアーム76を下方に引っ張るので、位置決めローラー77が第3溝751cから第4溝751dに移動する際の上向きの付勢力を緩和する。
尚、切替カム74が、図15に示す「植え付け入」位置への移動が完了すると、ポテンショメーター93からの出力信号を受けた制御回路200は、サーボモーター99に対して、次の連動動作に備えて第1ピン102を上述した「待機位置」まで予め待機させるために「待機指令」を出す。そして、その「待機指令」を受けたサーボモーター99は所定の角度だけ反時計方向に回動して第1ピン102を「待機位置」まで移動させる。このとき、第1ピン102は、植え付けスプリング100の第1長孔104の開口の範囲内に沿って移動するだけであるため、植え付けスプリング100を介して切替カム74を強制的に回動させることは無い。
尚、ここで、本発明の次の連動動作の一例としては、次の旋回場所で作業者がハンドルを旋回操作したときに、その旋回操作に連動して自動的に植付装置が上昇し、その後、自動的に下降し、自動的に植え付け入動作に入る一連の動作が該当する。
C:連動動作の停止
(C−1):植付装置の下降動作の停止
次に、走行車体2の植付装置52が下降を開始した地点から(図17の第2地点412参照)、植え付け動作を開始する地点(図17の第3地点413参照)の間において、作業者が植え付け昇降レバー33を強制的に「上昇」位置まで移動させた場合について説明する。
このとき、第1ピン102、植え付けスプリング100、メーターアーム92、及び切替カム74等は、図14に示す通り、「下降」に対応する位置にある。即ち、サーボモーター99は、この「下降」位置で回動を停止しているが、保持トルクが生じているので、第1ピン102はその保持トルクの働きにより現状の位置に位置決めされて保持されている。
従って、作業者が植え付け昇降レバー33を強制的に「上昇」方向に移動し始めたとき、先ず植え付けスプリング100の圧縮バネ100aが伸びることにより、保持トルクの働きにより第1ピン102はその位置から移動することはないが、切替カム74が軸80を中心に反時計方向に回動を開始する。この様に、作業者がサーボモーター99の保持トルク(若しくは、回動トルク)に対抗する力で、「下降」位置に移動した(若しくは、「下降」方向に移動中の)植え付け昇降レバー33を強制的に「上昇」方向に動かし始めたとき、圧縮バネ100aが伸びることでその力が吸収されるため、サーボモーター99やモーターアーム回動軸101やモーターアーム103や第1ピン102や植え付けスプリング100や植え付け昇降レバー33等に過負荷が掛かることが無いので、これらの部材が破損等することが防止出来る。
一方、ポテンショメーター93は、切替カム74の上記反時計方向への回動を検出して制御回路200に検出信号を送る。その検出信号を受けた制御回路200は、連動動作中において、植え付け昇降レバー33が、「下降」位置から「停止」位置に向けて操作されたと判定して、サーボモーター99に対して「連動停止指令」としての駆動信号を出力する。そして、「連動停止指令」を受けたサーボモーター99が、モーターアーム103を反時計方向に所定角度だけ回動させることにより、第1ピン102は、直ちに上記「待機位置」(図12、図13に示す第1ピン102の位置)に移動する。
これにより、待機位置にある第1ピン102が植え付けスプリング100の第1長孔104の後端の内縁部104a(図10(a)参照)に接触して、その保持トルクが植え付けスプリング100の前方方向(図10(a)の右方向)への移動を阻止しようと作用することは無いので、圧縮バネ100aの伸びは解消して、作業者は通常の操作と同程度の力で植え付け昇降レバー33を「上昇」位置に向けて移動させることが出来る。そして、切替カム74が「停止」位置まで移動したときに、上述した通り、ワイヤーやロッド、アーム等を介して、切替バルブ461(図1参照)を閉止して昇降油圧シリンダ46の動作を停止させることにより、植付装置52の下降動作が停止される。
よって、走行車体2の旋回がほぼ完了しようとしていて、植付装置52が下降中において、例えば、線引きマーカ(図示省略)の展開方向が逆方向であることに気付いた作業者が、直ちに、植え付け昇降レバー33を「上昇」位置に移動させることが出来て、その結果、植付装置52の下降動作や植え付け入動作(連動動作)が完了するまで待つことなく、その連動動作を停止することが出来る。
そしてこのときでも、サーボモーター99やモーターアーム回動軸101やモーターアーム103や第1ピン102や植え付けスプリング100や植え付け昇降レバー33等の構成部材に過負荷が掛かることが無いので、これらの部材が破損することを防止出来る。
尚、第1ピン102の移動先は、上記の「待機位置」に限らず例えば、植え付け昇降レバー33が「上昇」位置に向けて移動中、及び、「上昇」位置への移動が完了したときに(図12参照)、第1長孔104の後端の内縁部104aが第1ピン102を、その保持力に対抗して、前方に向けて引っ張る必要が無い位置であって、且つ、植え付け昇降レバー33が「植え付け入」位置に移動したときに(図15参照)、第1長孔104の前端の内縁部104bが第1ピン102を、保持力に対抗して、後方に向けて押す必要が無い位置(「連動停止位置」と称す)であれば、必ずしも「待機位置」と同じ位置でなくても良い。「待機位置」は、勿論、上記「連動停止位置」の要件を満足している。
次に、作業者が、植え付け昇降レバー33を「上昇」位置から「下降」位置に移動させることにより、線引きマーカはその展開方向が適切に作動する。そして、このとき、モーターアーム103の第1ピン102は既に「待機位置」に移動しているので、上記連動動作は停止され且つ再作動することが無いので、第1ピン102の位置に制限されることなく、作業者は手動により、適切なタイミングで植え付け昇降レバー33を「下降」位置に移動させることが出来る。
更に、作業者は、第1ピン102の位置に制限されることなく、手動により、適切なタイミングで植え付け昇降レバー33を「植え付け入」位置に移動させることが出来る。
これにより、旋回連動機構の連動動作が停止されるまで植え付け昇降レバー33の操作を待つ必要が無く、苗の植付開始位置(図17の第3地点413参照)を揃えることが出来るので、作業能率が向上し、苗の植付精度が向上する。
(C−2):植付装置の植え付け動作の停止
植付装置52の下降動作が完了して、作業車体2が所定距離走行した後、第3地点413において、植付装置52による植え付け動作が開始される時点において、この連動動作を停止させる必要が生じて、作業者が植え付け昇降レバー33を「植え付け入」の位置から、「上昇」位置の方向に移動させた場合については、上記項目(C−1)で述べた、「植付装置の下降動作の停止」の際の動作と基本的に同じであるので、その説明は省略する。
このときでも、上記と同様、旋回連動機構の連動動作が停止されるまで植え付け昇降レバー33の操作を待つ必要が無く、苗の植付開始位置を揃えることが出来るので、作業能率が向上し、苗の植付精度が向上する。
次に、本実施の形態の苗移植機1において、図18を参照しながら、旋回時における植付装置52のオートリフト機能の作動タイミングが調整可能な第2の旋回切替操作部173について説明する。ここで、図18は、第2の旋回切替操作部173を説明する概略側面図である。尚、同図において、上記実施の形態と同じ構成については同じ符号を付した。
図18に示す通り、第2の旋回切替操作部173は、上記実施の形態で説明した第1孔732の他に、この第1孔732の上部に第2孔732aを備えている。第2孔732aを設けるために、上記実施の形態で説明した旋回切替操作部73の外形と比較して(図6参照)、第1孔732の上部が突き出している。第1孔732は、旋回時における植付装置52のオートリフト機能の作動タイミングが標準用の孔であり、第2孔732aは、標準より少し遅れて植付装置52が上昇させたいときに使用するための遅延用の孔である。
即ち、作業者が、第2の旋回切替操作部173を手動で左右に動かし、バックリフトアーム76に立設しているロックピン731に第2孔732aを嵌合させると、オートリフトケーブル71が弛んだ状態になるので、操舵部材34を回転させることでオートリフトケーブル71が下方に引っ張られるが、弛んでいる分だけケーブル端部72が、第2の旋回切替操作部173を支持軸79を中心として下方に回動するタイミングが遅くなる。
尚、第2孔732aを利用するときに、第2の旋回切替操作部173の下端縁部174が、オートリフトケーブル71を保持しているケーブルアウター174と干渉しない様な逃げ部を設けた形状に構成されている。
次に、図19を参照しながら、上記実施の形態で説明したバックリフトアーム76と、旋回切替操作部73(図8参照)を廃止して、ケーブル端部72をバー83の先端部83aに直接連結した構成について説明する。ここで、図19は、ケーブル端部72をバー83の先端部83aに直接連結した構成の概略斜視図である。尚、同図において、上記実施の形態と同じ構成については同じ符号を付した。
図19の構成によれば、バー83の先端部83aがL字型切り欠き孔84の横長部分に位置しているとき、先端部83aに連結されたケーブル端部72が下方に引っ張られると、バー83がバー回動軸83bを中心として矢印L方向(図19参照)に回動するので、バックリフト入切レバー82はバー83の先端部83aに押されて下方向に移動する。上述したことから、このバックリフト入切レバー82は位置決めローラー77に連結されているので、位置決めローラー77は下方に移動することになる。
この構成によれば、バックリフトアーム76と、旋回切替操作部73(図8参照)を廃止しても、同等の機能を発揮する。
次に、本実施の形態の苗移植機1において、図9を参照しながら、サーボモーター99が故障して動かなくなったときでも、サーボモーター99と切替カム74との連結を解除できるようなっている構成について説明する。
即ち、従来の苗移植機は、旋回終了時において、自動で植え付け昇降レバー33を動かすサーボモーター99が、「下降」位置、又は「植え付け入」位置で、電気系統等のトラブルによって停止してしまったときは、植付装置52を上昇させることが出来ず、苗の植付作業ができなくなると共に、植付装置52が圃場面に接地した状態となるので、植付装置52が破損しないように走行しなければならず、圃場から出るまでに多くの時間を費やしてしまう。
そこで、図9に示した第1ピン102をモーターアーム103から着脱可能にしておいて、第1ピン102を取り外すことで、植え付けスプリング100との連結を解除出来る構成とする。
更に、モーターアーム103との連結を解除された植え付けスプリング100を、作業者が第3ピン105を中心として時計方向に回動させて、切替カム74の軸80の下方近傍の裏面側(図9の奥側の面)から図中の奥側に向けて立設している退避ピン(図示省略)に、第1長孔104の後端の内縁部104a(図10(a)参照)に引っ掛けて、その位置で保持可能な構成とする。
これにより、旋回終了時において、サーボモーター99が、「下降」位置、又は「植え付け入」位置で、電気系統等のトラブルによって停止してしまったときでも、作業者が、容易にサーボモーター99と切替カム74との連結を解除することが出来て、植付装置52を上昇させて走行することが出来る。
次に、本実施の形態の苗移植機1において、植付株間の調節を行うための株間レバーの構成について、図20(a)、図20(b)を参照しながら説明する。
ここで、図20(a)は苗移植機1の株間レバー500の構成を示す概略平面図であり、図20(b)は株間レバー500を図20(a)のF方向から見た側面図である。また、図20(a)において、矢印Hの示す方向が走行車体2の前方部である。
図20(a)、(b)に示す通り、株間レバー500は、略への字状の棒状部材であって、把持部500aと、株間レバー支点部500bと、レバー先端部500cから構成されている。また、株間レバー500は、株間レバー支点部500bにおいて、株間レバー支持フレーム510の一端側に設けられたフレーム支点部510aにより矢印Gの範囲内において回動自在に支持されている。また、株間レバー支持フレーム510の他端側に設けられた副変速レバー支点部510bには、副変速レバー520の下端部が固定されている。株間レバー支持フレーム510は、その中央部510dにおいてミッションケース12に固定されている。
また、レバー先端部500cは、株間アーム540に設けられたアーム長孔540aに回動可能且つ摺動可能に嵌め合わされている。株間アーム540は、ミッションケース12から垂直方向に突き出して、回動自在に支持された株間アーム支点部541に固定されている。
以上の構成により、株間レバー支持フレーム510は、副変速レバー支点部510bと、フレーム支点部510aとの双方から極めて近い中央部510dで、ミッションケース12に固定されているので、双方に掛かる負荷荷重に対して簡易な構成で剛性を確保出来るものである。
また、上記構成によれば、株間レバー支持フレーム510の一端側の立ち上がり部510cと、他端側の副変速レバー支点部510bとで挟まれた略U字形状の空間を、フロアステップ37内のメインハーネスの配策用の第1空間530として確保出来る。
また、上記構成によれば、フレーム支点部510aと、株間アーム支点部541の配置を走行車体2の前後方向(図20(a)の矢印H参照)を基準として斜め方向とすることにより、フレーム支点部510aを走行車体2の前方(図20(a)の矢印H参照)に極力寄せられ、フロアステップ37組立時に支障とならない。
また、株間アーム540の作動方向(図20(a)の矢印I参照)において、作動を走行車体2の中心よりも偏芯させることにより、株間アーム作動方向(図20(a)の矢印I参照)と反対側の面の空間を確保する。即ち、この空間をハーネスの配策用の第2空間550として活用し、ハーネスと株間アーム540の干渉を防止する。
また、株間レバー500を、側面視において略への字状とすることにより、株間レバー支点部500bから把持部500aまでの距離、及び、株間レバー支点部500bから株間アーム540の長さを極力延ばして構成出来、株間レバー500の操作荷重を低減出来る。
尚、上記実施の形態では、連動動作の停止の際に、第1ピン102が「待機位置」、又は「連動停止位置」に移動する構成について説明したが、これに限らず例えば、本発明のスプリングバネ部材の一例としての植え付けスプリング100が上述した通り圧縮バネ100aと第1長孔104を有する構成(図10(a)参照)でありさえすれば、サーボモーター99は回動を停止したまま所定の保持トルクを発生して、第1ピン102を「下降」、又は「植え付け入」の位置(図9、図15の第1ピン102の位置参照)にとどまらせる構成でも良い。即ち、この構成によれば、制御回路200はサーボモーター99に対して上述した「連動停止指令」を出力しない。
従って、この構成によれば、植付装置52が下降を開始する第2地点412から植え付け動作を開始する第3地点413(図17参照)の間において、作業者が植え付け昇降レバー33を強制的に「上昇」方向に移動し始めたとき、保持トルクの働きにより第1ピン102はその位置から移動することはないが、植え付けスプリング100の圧縮バネ100aが伸びることにより、切替カム74が軸80を中心に反時計方向に回動を開始し、植付装置52の下降動作(連動動作)が停止される。よって、植付装置52の下降動作や植え付け入動作(連動動作)が完了するまで待つことなく、その連動動作を停止することが出来る。
また、このとき、圧縮バネ100aが伸びることで、サーボモーター99やモーターアーム回動軸101やモーターアーム103や第1ピン102や植え付けスプリング100や植え付け昇降レバー33等に過負荷が掛かることが無いので、これらの部材が破損等することが防止出来る。この構成において、圧縮バネ100aが本発明の連動停止機構の一例である。
また、上記実施の形態では、圧縮バネ100aを有する植え付けスプリング100を備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、従来と同様の長孔を有する板状の植え付けアーム(特許文献1の図9の符号100参照)であっても良い。
具体的には、植付装置52が下降を開始する第2地点412から植え付け動作を開始する第3地点413(図17参照)の間において、例えば、サーボモーター99が時計方向に回動中であれば、作業者が、サーボモーター99の駆動トルクに対抗して、植え付け昇降レバー33を強制的に「上昇」方向に移動しようとしたことを、制御回路200がポテンショメーター93からの出力信号により判定して、サーボモーター99に「連動停止指令」を出力し、第1ピン102を「待機位置」、又は「連動停止位置」に移動させる構成とすれば良い。
即ち、制御回路200は、ポテンショメーター93からの出力信号により、モーターアーム103がその回動を一時的に停止するか、或いは、その回動角度の変化の割合が一時的に低下する等の変化を検知することにより、植え付け昇降レバー33が、「下降」、又は「植え付け入」に対応する位置から「停止」に対応する位置に向けて操作されたと判定して、サーボモーター99に「連動停止指令」を出力する。
尚、植付装置52が下降動作中に、作業者が、サーボモーター99の保持トルクに対抗して、植え付け昇降レバー33を強制的に「上昇」方向に移動しようとしたときも、制御回路200がポテンショメーター93からの出力信号の変化を検知して上記と同様に「連動停止指令」を出力する。
これにより、作業者が、植え付け昇降レバー33を「上昇」方向に向けて移動し始めるときは、サーボモーター99のトルクに対抗した力が必要であるが、その後、制御回路200からの「連動停止指令」によりサーボモーター99が反時計方向に回動し、第1ピン102が「待機位置」、又は「連動停止位置」に移動するので、植え付け昇降レバー33は通常の操作と同じ力で「上昇」方向への移動が可能となる。そして、「停止」位置まで移動したときに、植付装置52の下降動作が停止される。よって、これら植付装置52の下降動作や植え付け入動作(連動動作)が完了するまで待つことなく、その連動動作を停止することが出来るとともに、第1ピン102が「待機位置」、又は「連動停止位置」に移動しているので連動動作は再作動することは無い。
また、サーボモーター99やモーターアーム回動軸101やモーターアーム103や第1ピン102や植え付けスプリング100や植え付け昇降レバー33等の構成部材に過負荷が掛かることが無いので、これらの部材が破損することを防止出来る。
また、上記構成において、引っ張りワイヤー310を備えない構成であっても良い。この構成によれば、サーボモーター99において従来と同程度のトルクが必要である点を除いては、上記と同様の効果を発揮する。
また、上記実施の形態では、制御回路200が、ポテンショメーター93の検出結果から、上記連動動作に対抗する方向に植え付け昇降レバー33が操作されたと判定したときに、上記連動動作を停止させる構成について説明したが、これに限らず例えば、制御回路200が、本発明の回動角度検出装置の一例であるポテンショメーター93の検出結果から所定時間(例えば、15〜20秒)に亘って角度変化が検出されず、且つ、本発明の回転数検出装置の一例である回転センサー182の検出結果から後輪が所定時間(例えば、3〜5秒)に亘って停止していると判定されたとき、制御回路200からサーボモーター99に出力される上述した「連動停止指令」により、本発明の連動停止機構の一例であるサーボモーター99や、モーターアーム102等が、それらの連動動作を停止する構成であっても良い。
また、この構成によれば、上記実施の形態で説明した圧縮バネ100aを有する植え付けスプリング100を備えた構成に限らず、例えば、従来と同様の長孔を有する板状の植え付けアーム(特許文献1の図9の符号100参照)を備えた構成であっても良い。
以上の構成によれば、例えば、植付装置52が下降を開始する第2地点412から植え付け動作を開始する第3地点413(図17参照)の間において、作業者が、線引きマーカーの展開方向を切替るために、変速レバー36(図16参照)を「停止位置」に移動させて走行車体2を停止させたとする。それにより、後輪の回転数は一定時間(例えば、3〜5秒間)停止状態となり、且つ、植え付け昇降レバー33が例えば「下降」位置で一定時間(例えば、15〜20秒間)保持されていたとすると、制御回路200は、回転センサー182及びポテンショメーター93からのこの様な状況を示す出力信号を得て、苗移植機1に何らかのトラブルが発生していると判定して、サーボモーター99に対して「連動停止指令」を出力する。制御回路200からの「連動停止指令」によりサーボモーター99が反時計方向に回動し、第1ピン102が「待機位置」、又は「連動停止位置」に移動するので、植え付け昇降レバー33は通常の操作と同じ力で「上昇」方向への移動が可能となる。そして、「停止」位置まで移動したときに、植付装置52の下降動作や植え付け入動作が停止される。よって、これらの連動動作が完了するまで待つことなく、その連動動作を停止することが出来るとともに、第1ピン102が「待機位置」、又は「連動停止位置」に移動しているので連動動作は再作動することは無い。
また、サーボモーター99やモーターアーム回動軸101やモーターアーム103や第1ピン102や植え付けスプリング100や植え付け昇降レバー33等の構成部材に過負荷が掛かることが無いので、これらの部材が破損することを防止出来る。
あるいは、旋回途中で圃場端に苗移植機1を停車させると、苗や肥料等の補充作業を行っていると判断し、サーボモーター99に対して「連動停止指令」を出力する構成とすると、苗や肥料の補充作業中に植え付け昇降レバー33の操作が規制されなくなる。これにより、苗の補充作業がしやすいように植付装置52を上昇させたり、施肥装置5に肥料を補充しやすいように植付装置52を下降させたりして、苗や肥料の補充作業の能率を向上させることができると共に、補充作業後に旋回走行を再開する前に植付装置52の作業高さを調整することができるので、植付装置52の下降開始位置や植付開始位置が変わることを防止し、苗の植え付け精度が向上する。
また、上記実施の形態では、例えば、植付装置52が下降を開始する第2地点412から植え付け動作を開始する第3地点413(図17参照)の間において、作業者が、サーボモーター99のトルクに対抗して、植え付け昇降レバー33を強制的に「上昇」方向に移動しようとしたことを、制御回路200がポテンショメーター93からの出力信号により判定して、サーボモーター99に「連動停止指令」を出力する構成について説明したが、これに限らず例えば、上記判定をした制御回路200が、(1)第1ピン102を、本発明の連結部材の一例としての、従来と同様の長孔を有する板状の植え付けアーム(特許文献1の図9の符号100参照)の長孔の長手方向、又は、別の一例としての上述した植え付けスプリング100の第1長孔104の長手方向に沿って、例えば、上記「連動停止位置」(又は、サーボモーター99が次の連動動作に備えて予め待機する「待機位置」)に移動させる様にサーボモーター99を回動させる、若しくは、(2)切替カム74を、「下降」、又は、「植え付け入」に対応する位置に移動し保持するための、サーボモーター99の保持トルクを、当該サーボモーター99が次の連動動作に備えて予め待機する「待機位置」でのサーボモーター99の保持トルクよりも低下させる構成であっても良い。
上記構成によれば、制御回路200からの出力信号により、例えば、モーターアーム103を「下降」、又は、「植え付け入」に対応する位置に移動した後、その位置で保持するための、サーボモーター99の保持トルクが「待機位置」での保持トルクよりも低く設定されるので、作業者は、植え付け昇降レバー33の手動操作において、サーボモーター99に連結されたモーターアーム103を比較的軽い力で容易に動かすことが出来る。よって、サーボモーター99等から構成される本発明の旋回連動機構が作動中であっても、植え付け昇降レバー33を操作して植付装置52の昇降や植え付け動作の入切を自在に行うことが出来、作業能率が向上すると共に、苗の植付精度が向上する。
また、上記実施の形態では、図10(a)に示した引っ張りワイヤー310を備えた構成について説明したが、これに限らず例えば、引っ張りワイヤー310の第4ピン320が、バックリフトアーム76上の別の位置に連結された構成でも良いし、或いは、位置決めローラー77に連結された構成でも良く、要するに、サーボモーター99がモーターアーム回動軸101を時計方向に回動させて、切替カム74を「下降」又は「植え付け入」位置に移動させるためのトルクを低減出来る構成であればどの様な機構であっても良い。
また、上記実施の形態では、制御回路200の所定の判定により、サーボモーター99に対して「連動停止指令」を出力する構成について説明したが、これに限らず例えば、制御回路200が回転センサー182からの出力信号を得て、走行車体2が旋回中であると判定したときは、旋回中におけるサーボモーター99の保持トルクを、第1ピン102を上記「待機位置」で予め待機させているときの保持トルクよりも低下させる様に制御する構成であっても良い。
上記構成によれば、制御回路200からの出力信号により、例えば、モーターアーム103を「下降」、又は、「植え付け入」に対応する位置に移動した後、その位置で保持するための、サーボモーター99の保持トルクが「待機位置」での保持トルクよりも低く設定されるので、作業者は、植え付け昇降レバー33の手動操作において、サーボモーター99に連結されたモーターアーム103を比較的軽い力で容易に動かすことが出来る。よって、サーボモーター99等から構成される本発明の旋回連動機構が作動中であっても、植え付け昇降レバー33を操作して植付装置52の昇降や植え付け動作の入切を自在に行うことが出来、作業能率が向上すると共に、苗の植付精度が向上する。
また、上記実施の形態では、本発明の回動装置の一例としてサーボモーターを用いた構成について説明したが、これに限らず例えば、単にステップモーターであっても良い。ステップモーターを使用する構成であっても、ポテンショメーター93が切替カム74の位置を正確に検出出来るので、制御回路200がそのポテンショメーター93の検出結果を利用してステップモーターの回動角度を制御することが出来る。よって、この構成であっても上記実施の形態と同様の効果を発揮する。
また、本発明の中間機構、自動上昇機構としては本実施の形態に限らず他の機構でも機械構造であればかまわない。