JP6136826B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録シートを加熱する加熱部材と、加熱部材との間でニップ領域を形成する加圧部材とを備えた画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置として、現像剤像を記録シートに熱定着するための定着温度まで加熱部材の温度を立ち上げていくウォームアップ中(定着動作の準備中)においてはニップ領域の幅を狭い幅に保ち、加熱部材の温度が定着温度まで到達した後の準備完了時においてニップ領域の幅を広い幅に切り替えるものが知られている(特許文献1参照)。この技術では、ウォームアップ中にニップ領域を狭くすることで、加熱部材の温度を迅速に立ち上げることが可能となっている。
特開2007−155848号公報
しかしながら、従来技術では、準備完了時にニップ領域の幅を狭い幅から広い幅へと切り替えるので、準備完了時において、加熱部材から加圧部材が奪う熱量が変化してニップ領域の温度が不安定になるとともに、加圧部材と加熱部材との摩擦力が大きくなって加圧部材の回転が非常に不安定になる。そして、このようなニップ領域の温度や加圧部材の回転が非常に不安定な状態において、ニップ領域に記録シートを供給してしまうと、熱定着を良好に行うことができなくなるおそれがあった。
そこで、本発明は、加熱部材の温度を迅速に立ち上げることができるとともに、熱定着を良好に行うことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、加熱部材と、前記加熱部材を加熱するように構成されたヒータと、前記加熱部材との間でニップ領域を形成するように構成された加圧部材と、前記ニップ領域の幅を切り替えるように構成された切替機構と、制御装置と、を備える。
前記制御装置は、印刷指令を受けた後に、前記ヒータを制御して前記加熱部材を加熱する加熱処理と、前記加熱処理の開始後で、かつ、当該加熱部材の温度が定着温度に到達する前に、前記切替機構を制御して前記ニップ領域の幅を第1幅から当該第1幅よりも大きな第2幅に切り替える切替処理と、を実行するように構成されている。
ここで、定着温度とは、記録シートを熱定着可能な温度範囲のうちの下限値をいう。
この構成によれば、加熱部材の加熱開始時においてニップ領域の幅を小さな第1幅とすることで、加熱部材の温度を迅速に立ち上げることができる。また、加熱部材の温度が定着温度に到達する前にニップ領域の幅を大きな第2幅に切り替えることで、一枚目の記録シートがニップ領域を通過するときに、ニップ領域の温度や加圧部材の回転が不安定となることを抑制することができるので、熱定着を良好に行うことができる。
また、前記した構成において、トレイ上の記録シートを前記ニップ領域に向けて搬送するように構成された搬送機構を備えた場合には、前記制御装置は、前記切替処理の後に、前記搬送機構を制御して前記記録シートの搬送を開始する搬送処理を実行するように構成することができる。
これによれば、記録シートがニップ領域に到達するときのニップ領域の温度や加圧部材の回転をより安定した状態にすることができるので、記録シートを良好に熱定着することができる。
また、前記した構成において、前記制御装置は、記録シートが前記ニップ領域に到達する時点よりも、前記加圧部材が1回転以上するのに要する第1時間だけ前の時点で、前記切替処理を完了するように構成することができる。
これによれば、ニップ領域の幅が第2幅に切り替えられたときから、加圧部材が1回転以上回転した後に、記録シートがニップ領域に到達するので、記録シートがニップ領域に到達したときにおいて、加圧部材の全周の温度分布を略均一にしてニップ領域から奪う熱量を安定させることができるとともに、加圧部材の回転を安定させることができる。そのため、記録シートを良好に熱定着することができる。
また、前記した構成において、前記制御装置は、前記切替処理において、前記ニップ領域の幅を第1幅から段階的に第2幅へ切り替えていくように構成されていてもよいし、前記ニップ領域の幅を第1幅から連続的に第2幅へ切り替えていくように構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記第1幅は、前記加熱処理を開始するときの初期温度が大きい程、大きな値に設定することができる。
ここで、初期温度は、例えば、温度センサによって検知してもよいし、前回印刷終了時の温度と前回印刷終了時からの経過時間と環境温度とで推定してもよい。
これによれば、初期温度が低い場合に比べて初期温度が大きい場合には加圧部材などに加わる駆動開始時の負荷が抑制されるので、初期温度が大きい程第1幅を大きな値にすることで、切替処理にかかる時間を短くすることができる。
また、前記した構成において、前記加圧部材を回転させるためのモータを備えた場合には、前記制御装置は、印刷指令を受けたことを条件として前記モータを駆動させる駆動処理を実行するように構成され、前記駆動処理を開始してから、前記モータの駆動開始の駆動トルクがピーク値に達するまでの第2時間が経過した後に、前記切替処理を実行するように構成することができる。
これによれば、駆動処理を開始してから駆動トルクがピーク値に達するまでの間はニップ領域が第1幅から第2幅に切り替えられないので、モータの回し始めの際にモータ等に加わる負荷がニップ領域の変更によりさらに大きくなるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記制御装置は、前記駆動処理を開始してから、前記モータの駆動トルクが安定するまでの第3時間が経過した後に、前記切替処理を実行するように構成することができる。
これによれば、駆動処理を開始してから駆動トルクが安定するまでの間はニップ領域が第1幅から第2幅に切り替えられないので、モータの回し始めの際にモータ等に加わる負荷がニップ領域の変更によりさらに大きくなるのをより抑えることができる。
また、前記した構成において、前記制御装置は、前記駆動処理を開始してから、前記加熱部材の温度が所定温度になるまでの第4時間が経過した後に、前記切替処理を実行するように構成することができる。
ここで、所定温度とは、潤滑剤の粘度が所定値(ある程度低い値)以下になるときの温度をいう。
これによれば、駆動処理を開始してから潤滑剤の粘度がある程度低くなるまでの間はニップ領域が第1幅から第2幅に切り替えられないので、モータの回し始めの際にモータ等に加わる負荷がニップ領域の変更によりさらに大きくなるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記制御装置は、前記加熱処理の終了から第5時間が経過した後に前記切替機構を制御して前記ニップ領域の幅を前記第2幅から前記第1幅に戻すように構成することができる。
ここで、第5時間とは、記録シートがニップ領域を通り抜けた時点から、記録シートの通り抜け後に上昇するニップ領域の温度が記録シートの搬送開始タイミングに対応する搬送開始温度まで下がるまでの時間以上の時間をいう。また、搬送開始温度とは、加熱部材の温度の立ち上げ時において記録シートの搬送開始タイミングとなる温度をいい、加熱部材の温度が定着温度に到達した時点よりも記録シートの搬送時間だけ前の時点の温度をいう。ここで、搬送時間とは、記録シートがトレイからニップ領域に到達するまでの時間をいう。
これによれば、記録シートがニップ領域を通り抜けてから第5時間が経過する前にはニップ領域の幅が第2幅のまま維持されるので、第5時間の経過前に次の印刷指令を受けた場合には、第2幅のまま迅速に印刷制御を行うことができる。
また、前記した構成において、前記加熱部材は、エンドレスベルトと、当該エンドレスベルトの内周面に接触するニップ部材を有し、前記加圧部材は、前記ニップ部材との間で前記エンドレスベルトを挟むとともに、モータによって駆動される構成とすることができる。
また、前記した構成において、前記制御装置は、スタンバイモードにおいて前記ヒータをOFFにするように構成することができる。この場合には、例えばスタンバイモードにおいてヒータを制御して加熱部材の温度を一定に保つような形態に比べ、加熱部材の加熱開始時の温度が低くなる機会が増えるので、本発明が特に有効となる。
本発明によれば、加熱部材の温度を迅速に立ち上げることができるとともに、熱定着を良好に行うことができる。
本発明の実施形態に係る定着装置を備えたカラーレーザプリンタを示す断面図である。 定着装置を示す断面図である。 ニップ領域の幅が第2幅であるときの定着装置を右側から見た側面図である。 ニップ領域の幅が第1幅であるときの定着装置を右側から見た側面図である。 駆動トルクの経時変化を示すグラフである。 制御装置の動作を示すフローチャートである。 低温環境下におけるスリープモードまたはスタンバイモードにて、制御装置が印刷指令を受けたときの各パラメータの経時変化を示すタイムチャートである。 ニップ幅を段階的に切り替える形態を示すタイムチャートである。 検出温度に応じて第1幅を設定する形態を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りがないかぎり図1に示した上下方向を上下、図1における左側を前、右側を後、紙面の奥側を左、紙面の手前側を右として、各方向を示す。ここでの左右は、画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタ1の前側に立った者から見た方向を基準として規定してある。
<カラーレーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、カラーレーザプリンタ1は、装置本体2内に、記録シートの一例としての用紙51を供給する給紙部5と、給紙された用紙51に画像を形成する画像形成部6と、画像が形成された用紙51を排出する排紙部7と、モータ200と、制御装置300とを備えている。なお、モータ200や制御装置300については、後で詳述する。
給紙部5は、装置本体2内の下方において、装置本体2に対して前側からスライド操作により脱着される給紙トレイ50と、給紙トレイ50から用紙51を前側から上に持ち上げ、後側へ反転させて搬送する給紙機構M1とからなる。
この給紙機構M1は、給紙トレイ50の前側端部の付近に設けられた、ピックアップローラ52、分離ローラ53、分離パッド54などからなり、これらにより給紙トレイ50にある用紙51が一枚ずつ分離されて上方へ送られる。上方へ向けて搬送された用紙51は、紙粉取りローラ55とピンチローラ56の間を通過した後、搬送経路57を通って後向きへ方向転換され、後述する搬送ベルト73の上に供給される。用紙51が、紙粉取りローラ55とピンチローラ56の間を通過しているとき、用紙51に付着した紙粉は、紙粉取りローラ55により用紙51から取られる。
なお、本実施形態では、給紙機構M1、後述する搬送ベルト73、各感光体ドラム31などによって、給紙トレイ50上の用紙51を後述するニップ領域N(図2参照)に向けて搬送する搬送機構FMが構成されている。また、この搬送機構FMでは、ピックアップローラ52の用紙51との接触状態やピックアップローラ52への駆動力の伝達状態を切り替える公知のピックアップ機構が制御装置300によって制御されることで、ピックアップローラ52による用紙51の搬送タイミングを変更することが可能となっている。
画像形成部6は、スキャナ部61、プロセス部62、転写部63および定着装置100を備えている。
スキャナ部61は、装置本体2の上部に設けられており、図示はしないが、レーザ発光部、ポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡を備えている。スキャナ部61では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応させてレーザ発光部から発光されるレーザをポリゴンミラーで左右方向に高速で走査させ、複数のレンズおよび反射鏡を通過または反射させた後各感光体ドラム31に照射している。
プロセス部62は、スキャナ部61の下方で、給紙部5の上方に配置されており、装置本体2に対して前後方向に移動可能となる感光体ユニット3を備えている。感光体ユニット3は、ドラムサブユニット30と、ドラムサブユニット30に装着される現像カートリッジ40とを備えている。
ドラムサブユニット30は、公知の感光体ドラム31やスコロトロン型帯電器32などを備えている。
現像カートリッジ40は、内部にトナーが収容されており、公知の供給ローラ41や現像ローラ42や層厚規制ブレード43などを備えている。
このようなプロセス部62は、次のように機能する。現像カートリッジ40内のトナーが供給ローラ41により現像ローラ42へ供給され、このときトナーが、供給ローラ41と現像ローラ42との間で正極性に摩擦帯電される。現像ローラ42に供給されたトナーは、現像ローラ42の回転に伴って層厚規制ブレード43によって擦られ、一定厚さの薄層として現像ローラ42の表面に担持される。
一方、ドラムサブユニット30では、スコロトロン型帯電器32がコロナ放電により感光体ドラム31を一様に正極性に帯電させる。この帯電した感光体ドラム31にスキャナ部61からのレーザが照射されて、用紙51に形成すべき画像に対応した静電潜像が感光体ドラム31に形成される。
さらに感光体ドラム31が回転すると、現像ローラ42に担持されているトナーが感光体ドラム31の静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム31の表面のうち、レーザにより露光され電位が下がった部分に供給される。これにより、感光体ドラム31の静電潜像は可視像化され、感光体ドラム31の表面には、各色のトナーに対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
転写部63は、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73、転写ローラ74およびクリーニング部75を備えている。
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後に離れて平行に配置され、これらにエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が巻き掛けられている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光体ドラム31に接している。そして、搬送ベルト73の内側には各感光体ドラム31との間で搬送ベルト73を挟み込む転写ローラ74が配置されている。転写ローラ74には、図示しない高圧基板から転写バイアスが印加される。画像形成時には、搬送ベルト73により搬送されてきた用紙51は、感光体ドラム31と転写ローラ74に挟持され、感光体ドラム31上のトナー像が用紙51に転写される。
クリーニング部75は、搬送ベルト73の下方に配置され、搬送ベルト73に付着したトナーを除去し、その下方に配置されたトナー貯留部76に除去したトナーを落下させるようになっている。
定着装置100は、転写部63の後方に設けられ、用紙51上に転写されたトナー像を用紙51上に熱定着する。なお、定着装置100については、後で詳述する。
排紙部7において、用紙51の排紙側搬送経路91は、定着装置100の出口から上に向かって延び前側に反転するように形成されている。排紙側搬送経路91の途中には、用紙51を搬送する複数の搬送ローラ92が配置されている。装置本体2の上面には、印刷後の用紙51を蓄積する排紙トレイ93が形成されており、搬送ローラ92により排紙側搬送経路91から排出された用紙51は、排紙トレイ93に蓄積される。
<定着装置の詳細構成>
図2に示すように、定着装置100は、加熱部材101と、ヒータの一例としてのハロゲンランプ120と、加熱部材101との間でニップ領域Nを形成する加圧部材の一例としての加圧ローラ150と、用紙センサSSと、を備えている。
加熱部材101は、エンドレスベルトの一例としての定着ベルト110と、ニップ部材の一例としてのニップ板130と、反射板140と、ステイ160と、規制部材170(図3参照)とを備えて構成されている。
定着ベルト110は、耐熱性と可撓性を有する無端状のベルトであり、左右方向に延びる軸線を中心とした略円筒状に形成されている。定着ベルト110は、ステンレス綱等の金属から形成された金属素管を有し、その金属素管は、ニップ板130に摺動する内周面111を有している。
なお、定着ベルト110は、金属素管の表面にゴム層を有していてもよく、ゴム層の表面にフッ素コーティング等による非金属の離型層をさらに有していてもよい。
ハロゲンランプ120は、ニップ板130および定着ベルト110を加熱することで用紙51上のトナーを加熱するヒータであり、定着ベルト110の内側において定着ベルト110およびニップ板130から所定の間隔をあけて配置されている。
ニップ板130は、ハロゲンランプ120からの輻射熱を受ける板状の部材であり、加圧ローラ150との間で定着ベルト110を挟んでいる。そして、このニップ板130は、ハロゲンランプ120から受けた輻射熱を定着ベルト110を介して用紙51上のトナーに伝達する。
このニップ板130は、後述するスチール製のステイ160より熱伝導率が大きい、例えば、アルミニウム板などを断面視略U形状に折り曲げることで形成されている。より詳細にニップ板130は、断面視において、前後方向に沿うように延びるベース部131と、ベース部131の両端から上方に向けて折り曲げられた折曲部132と、後側の折曲部132の上端から後方に向けて延びる延出部133とを主に有している。
そして、延出部133には、ニップ板130の温度を検知するための温度センサTSが設けられている。なお、温度センサTSは、ニップ板130の中央部の温度を検出するセンターサーミスタであってもよいし、ニップ板130の端部の温度を検出するサイドサーミスタであってもよい。
反射板140は、ハロゲンランプ120からの輻射熱(主に前後方向や上方向に向けて放射された輻射熱)をニップ板130(ベース部131の内面)に向けて反射する部材であり、定着ベルト110の内側においてハロゲンランプ120を取り囲むように、ハロゲンランプ120から所定の間隔をあけて配置されている。
このような反射板140によってハロゲンランプ120からの輻射熱をニップ板130に集めることで、ハロゲンランプ120からの輻射熱を効率良く利用することができ、ニップ板130および定着ベルト110を速やかに加熱することができる。
反射板140は、赤外線および遠赤外線の反射率が大きい、例えば、アルミニウム板などを断面視略U形状に湾曲させて形成されている。より詳細に、反射板140は、湾曲形状(断面視略U形状)をなす反射部141と、反射部141の両端部から前後方向外側に沿って延びるフランジ部142とを主に有している。なお、熱反射率を高めるため、反射板140は、鏡面仕上げを施したアルミニウム板などを用いて形成してもよい。
ステイ160は、前後方向におけるニップ板130のベース部131の両端を反射板140のフランジ部142を介して支持することでニップ板130の剛性を確保する部材であり、ニップ板130の加圧ローラ150側とは反対側に配置されている。ステイ160は、上壁161と、上壁161の前端から下方に延びる前壁162と、上壁161の後端から下方に延びる後壁163とによって断面視略U形状に形成され、反射板140を覆うように配置されている。このようなステイ160は、比較的剛性が大きい、例えば、鋼板などを断面視略U形状に折り曲げることで形成されている。
そして、ニップ板130、反射板140、ステイ160およびハロゲンランプ120は、図3に示すように、左右一対の規制部材170に直接的または間接的に固定されている。なお、ハロゲンランプ120は、後述する定着フレーム180等に固定されていてもよい。
規制部材170は、定着ベルト110の左右方向両端側に1つずつ配置されて、定着ベルト110の左右方向への移動や径方向内側への移動を規制している。規制部材170は、定着フレーム180に上下に移動可能に支持されている。
定着フレーム180は、上フレーム181や下フレーム182等から主に構成されている。
上フレーム181には、規制部材170を下方に付勢するコイルスプリングSが設けられている。このコイルスプリングSが規制部材170を下方に付勢することで、ニップ板130と加圧ローラ150との間に好適なニップ圧がかかるようになっている。言い換えると、加圧ローラ150は、コイルスプリングSからの付勢力をニップ板130を介して受け、その付勢力に対する反力をニップ板130に付与することにより、ニップ板130と加圧ローラ150との間(ニップ領域)に加圧力(ニップ圧)を生じさせている。
下フレーム182には、左右の側壁に上方に開口した略U字状の支持溝183が形成されており、支持溝183により規制部材170を上下方向に移動可能に支持している。支持溝183の底部には、加圧ローラ150の軸部151を回転可能に支持する軸受190が設けられている。
また、定着装置100には、ニップ領域Nの幅(以下、単にニップ幅ともいう)を切り替えるための切替機構400が設けられている。切替機構400は、下フレーム182の左右の側壁に1つずつ設けられるカム部材410と、規制部材170の上端面に固定され、カム部材410によって上方に押圧される被押圧部材420と、カム部材410を回転駆動するための切替用モータ430とを備えている。
カム部材410は、卵型のカムであり、下フレーム182の側壁の前側上部に回転可能に設けられ、その回転中心から径方向に延びるように形成されている。被押圧部材420は、規制部材170の上部からカム部材410の上方へ延びるように形成されている。
切替用モータ430は、制御装置300によって制御されることで、カム部材410の姿勢を、図3に示すカム部材410で被押圧部材420を押圧しない第1姿勢と、図4に示すカム部材410で被押圧部材420を押圧する第2姿勢との間で切り替えている。これにより、カム部材410の姿勢が第1姿勢のときにニップ幅が第2幅N2となり、カム部材410の姿勢が第2姿勢のときにニップ幅が第2幅N2より小さな第1幅N1となるように構成されている。
加圧ローラ150は、弾性変形可能な部材であり、ニップ板130の下方に配置されている。そして、この加圧ローラ150は、弾性変形した状態でニップ板130との間で定着ベルト110を挟むことで定着ベルト110との間にニップ領域Nを形成している。
この加圧ローラ150は、装置本体2内に設けられたモータ200から駆動力が伝達されて回転駆動するように構成されており、回転駆動することで定着ベルト110または用紙Pとの摩擦力により定着ベルト110を従動回転させる。
用紙センサSSは、ニップ領域Nの用紙搬送方向の下流側近傍(後側近傍)に配置され、用紙51の通過を検知する。
<制御装置>
制御装置300は、例えば、CPUと、RAMおよびROMなどを有する記憶部と、入出力回路と、を備えており、前述した温度センサTSおよび用紙センサSSからの入力と、印刷指令の内容と、ROMに記憶されたプログラムやデータなどに基づいて演算処理を行うことによって、搬送機構FM、ハロゲンランプ120、モータ200、切替用モータ430などの制御を実行している。
制御装置300は、印刷指令を受けた後に、ハロゲンランプ120を制御してニップ板130を加熱する加熱処理と、加熱処理を開始した後で、かつ、当該ニップ板130の温度が定着温度TH1(図7参照)に到達する前に、切替機構400、詳しくは切替用モータ430を制御してニップ幅を第1幅N1から当該第1幅N1よりも大きな第2幅N2に切り替える切替処理と、を実行するように構成されている。詳しくは、切替処理は、加熱処理の開始時においてニップ幅が第1幅N1の場合のみに行われるようになっている。
ここで、定着温度TH1とは、用紙51を熱定着可能な温度範囲のうちの下限値をいい、本実施形態では、定着温度TH1=180(℃)とする。
TH1は、定着装置100の特性に応じて、例えば、140〜180(℃)の範囲内の値であってもよいし、110〜200(℃)の範囲内の値であってもよいし、80〜220(℃)の範囲内の値であってもよい。
これにより、加熱処理の開始時においてニップ幅が第1幅N1の場合には、第1幅N1のままの状態でしばらく加熱を行うことができるので、ニップ板130の温度を迅速に立ち上げることができる。また、ニップ幅を第1幅N1とすることで、加圧ローラ150などの駆動時の負荷を低減することができる。
さらに、ニップ板130の温度が定着温度TH1に到達する前にニップ幅を大きな第2幅N2に切り替えることで、一枚目の用紙51がニップ領域を通過するときに、ニップ領域の温度や加圧ローラ150の回転が不安定となることを抑制することができるので、熱定着を良好に行うことができる。
また、制御装置300は、切替処理の完了後に、搬送機構FMを制御して用紙51の搬送を開始する搬送処理を実行するように構成されている。これにより、例えば切替処理の完了前に搬送処理を実行する構成に比べ、用紙51がニップ領域Nに到達するときのニップ領域Nの温度や加圧ローラ150の回転をより安定した状態にすることができるので、用紙51を良好に熱定着することができる。
また、制御装置300は、印刷指令を受けてから最初に搬送する用紙51がニップ領域Nに到達する時点よりも、加圧ローラ150が1回転以上するのに要する第1時間T1(図7参照)だけ前の時点で、切替処理を完了するように構成されている。
印字指令を受けたときのニップ領域Nの温度状態によって、切換処理の完了時点から用紙51がニップ領域Nに到達する時点までの時間が変わる。そのため、T1は、制御装置300が、印字指令を受けたときのニップ領域の温度によってその値が変わる。
T1は、定着装置100の特性に応じて、例えば、0.1〜3.0(秒)の範囲内を変化する値であってもよいし、0.4〜1.0(秒)の範囲内を変化する値であってもよいし、0.2〜2.0(秒)の範囲内を変化する値であってもよい。
これにより、ニップ幅が第2幅N2に切り替えられたときから、加圧ローラ150が1回転以上回転した後に、用紙51がニップ領域Nに到達するので、用紙51がニップ領域Nに到達したときにおいて、加圧ローラ150の全周の温度分布を略均一にしてニップ領域Nから奪う熱量を安定させることができるとともに、加圧ローラ150の回転を安定させることができる。そのため、用紙51を良好に熱定着することができる。
また、制御装置300は、切替処理において、ニップ幅を第1幅N1から連続的に第2幅N2へ切り替えていくように構成されている。具体的には、制御装置300は、切替処理において、切替用モータ430を所定時間の間一定の回転速度で回転させるように切替用モータ430に一定の電流を供給することで、ニップ幅を第1幅N1から連続的に第2幅N2へ切り替えている。
また、制御装置300は、印刷指令を受けたことを条件としてモータ200を駆動させる駆動処理を実行するように構成されるとともに、駆動処理を開始してから、モータ200の駆動トルクがピーク値に達するまでの第2時間T2(図7参照)が経過した後に、切替処理の実行を開始するように構成されている。なお、本実施形態では、第2時間T2=1.0(秒)とする。ここで、モータ200の駆動トルクは、図5に示すように、加圧ローラ150を回転させ始めるための負荷のために、駆動開始の時点(時刻t1)から急激に上昇し、時刻t1から第2時間T2が経過した時点(時刻t2)でピーク値に達するようになっており、このピーク値に達するまでの第2時間T2は、実験やシミュレーション等により予め設定することができる。
T2は、定着装置100の特性に応じて、例えば、1.0〜3.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、0.1〜2.0秒の範囲内の値であってもよいし、0.5〜4.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、1.0〜5.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、0.1〜10.0(秒)の範囲内の値であってもよい。
これによれば、駆動処理を開始してから駆動トルクがピーク値に達するまでの間はニップ領域Nが第1幅N1から第2幅N2に切り替え始められないので、モータ200の回し始めの際にモータ200等に加わる負荷がニップ領域Nの変更によりさらに大きくなるのを抑えることができる。
なお、本発明はこれに限定されず、制御装置300が、駆動処理を開始してから、モータ200の駆動トルクが安定するまでの第3時間T3が経過した後に、切替処理を実行するように構成されていてもよい。第3時間T3は、例えば7.0(秒)とすることができる。ここで、モータ200の駆動トルクは、図5に示すように、駆動開始の時点(時刻t1)から第2時間T2よりも長い第3時間T3が経過した後の時点(時刻t3)において安定するようになっており、安定するのに要する第3時間T3は、実験やシミュレーション等により予め設定することができる。
T3は、定着装置100の特性に応じて、例えば、1.0〜10.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、1.5〜7.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、4.0〜9.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、3.0〜10.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、1.0〜20.0(秒)の範囲内の値であってもよい。
これによれば、駆動処理を開始してから駆動トルクが安定するまでの間はニップ領域Nが第1幅N1から第2幅N2に切り替え始められないので、モータ200の回し始めの際にモータ200等に加わる負荷がニップ領域Nの変更によりさらに大きくなるのをより抑えることができる。
なお、前述した第2時間T2や第3時間T3は、環境温度によって異なるため、各時間T2,T3を環境温度によって変更するようにしてもよい。なお、本実施形態では、第2時間T2は、低温環境下に対応した時間に設定されていることとする。
また、制御装置300は、印刷指令で指定されている印刷枚数のうち最後の用紙51がニップ領域Nを通り抜けてから第5時間T5(図7参照)が経過した後に切替機構400を制御してニップ幅を第2幅N2から第1幅N1に戻すように構成されている。なお、本実施形態では、第5時間T5=20.0(秒)とする。ここで、制御装置300は、用紙センサSSからの最後の用紙51の後端の通過を検知したときの入力に基づき、最後の用紙51がニップ領域Nを通り抜けたと判断する。なお、第5時間T5は、最後の用紙51がニップ領域を通過してから、温度センサTSの検知温度がピークを過ぎる時間に設定されていてもよい。
T5は、定着装置100の特性に応じて、例えば、6.0〜20.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、10.0〜15.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、12.0〜22.0(秒)の範囲内の値であってもよい。
ここで、第5時間T5とは、後で詳述する図7に示すように、最後の用紙51がニップ領域Nを通り抜けた時点(時刻t17)から、最後の用紙51の通り抜け後に上昇するニップ領域Nの温度が用紙51の搬送を開始するときの搬送開始温度TH2まで下がるまでの時間以上の時間をいう。また、制御装置300は、最後の用紙51がニップ領域Nを通り抜けたと判断するとき、ハロゲンランプ120をOFFにして加熱処理を終了する。
また、搬送開始温度TH2とは、ニップ板130の温度の立ち上げ時において最初の用紙51の搬送を開始する時点の温度をいい、ニップ板130の温度が定着温度TH1に到達した時点(時刻t16)よりも用紙51の搬送時間Tfだけ前の時点(時刻t15)の温度をいう。ここで、搬送時間Tfとは、用紙51が給紙トレイ50からピックアップローラ52により搬送され始めてからニップ領域Nに到達するまでの時間をいう。また搬送時間Tfは、加圧ローラ150が回転するのに要する時間の数倍の時間である。
これによれば、用紙51がニップ領域Nを通り抜けてから第5時間T5が経過する前にはニップ幅が第2幅N2のまま維持されるので、第5時間T5の経過前に次の印刷指令を受けた場合には、第2幅N2のまま迅速に印刷制御を行うことができる。
また、制御装置300は、スリープモード、スタンバイモードおよび印刷モードを実行可能となっており、スタンバイモードにおいてハロゲンランプ120をOFFにするように構成されている。
ここで、スリープモードとは、ハロゲンランプ120をOFFにするとともに、受けた印刷指令を処理するための機能もOFFにしたモードであり、このモードにおいて印刷指令を受けた場合にはスタンバイモードよりも印刷指令を処理する機能を立ち上げる時間の分だけ長い時間かけて印刷モードに移行するようになっている。スタンバイモードとは、ハロゲンランプ120をOFFにするとともに、受けた印刷指令を処理するための機能をONにしたモードであり、このモードにおいて印刷指令を受けた場合にはスリープモードよりも迅速に印刷モードに移行するようになっている。印刷モードとは、印刷指令に基いて印刷を行う公知のモードである。
このようにスタンバイモードにおいてハロゲンランプ120をOFFにする場合には、例えばスタンバイモードにおいてヒータを制御して加熱部材の温度を一定に保つような形態に比べ、ニップ板130の加熱開始時の温度が低くなる機会が増えるので、本発明が特に有効となる。
具体的に、制御装置300は、印刷指令を受けると図6に示すフローチャートに従って制御を実行する。
図6に示すように、まず、制御装置300は、印刷指令を受けると(START)、タイマTM1をカウントアップする(S2)。
ステップS2の後、制御装置300は、ハロゲンランプ120をONにし(S3)、その後所定の僅かな時間Tmだけ遅れてモータ200をONにする(S4)。ここで、Tmは、例えば0.20(秒)とすることができる。
なお、Tmは、定着装置100の特性に応じて、例えば、0.05〜2.00(秒)の範囲内の値であってもよいし、0.10〜1.00(秒)の範囲内の値であってもよいし、0.15〜0.70(秒)の範囲内の値であってもよい。
ステップS4の後、制御装置300は、タイマTM1が第6時間T6以上であるか否かを判断する(S5)。ここで、第6時間T6は、図7に示すように、ハロゲンランプ120をONにしてからモータ200をONにするまでの時間Tmと前述した第2時間T2とを足し合わせた時間であり、適宜実験やシミュレーション等により設定される。
ステップS5においてタイマTM1が第6時間T6以上と判断した場合には(Yes)、制御装置300は、切替機構400を制御してニップ幅を第1幅N1から第2幅N2に切り替える(S6)。つまり、切替処理を実行する。ステップS6の後、制御装置300は、温度センサTSで検出した検出温度THが搬送開始温度TH2以上であるか否かを判断する(S7)。ここで、TH2は、例えば160(℃)とすることができる。
なお、TH2は、定着装置100の特性に応じて、例えば、140〜180(℃)の範囲内の値であってもよいし、110〜160(℃)の範囲内の値であってもよいし、100〜140(℃)の範囲内の値であってもよい。
ステップS7において検出温度THが搬送開始温度TH2以上になった場合には(Yes)、制御装置300は、印刷制御を実行する(S8)。具体的に、制御装置300は、ステップS8において、搬送機構FMを制御して用紙51の搬送を開始し、その後は公知のように、検出温度THが定着温度TH1となるようにハロゲンランプ120を制御するとともに、印刷指令に応じた枚数分だけ用紙51の搬送を行う。
印刷制御が完了、つまりすべての枚数の印刷が完了すると、制御装置300は、モータ200はON状態にしたまま、ハロゲンランプ120をOFFにして、次のステップS9に移行する。ステップS9において、制御装置300は、タイマTM2をカウントアップし、その後、印刷指令があるか否かを判断する(S10)。詳しくは、タイマTM2のカウントアップの開始時刻は、ハロゲンランプ120をOFFにする時点、つまり最後の用紙51がニップ領域Nを通り抜けた時点である。
ステップS10において印刷指令があると判断した場合には(Yes)、制御装置300は、再びハロゲンランプ120をONにして(S11)、再び印刷制御を実行する(SS8)。ステップS10において印刷指令がないと判断した場合には(No)、制御装置300は、タイマTM2が第5時間T5以上であるか否かを判断する(S12)。
ステップS12において、制御装置300は、タイマTM2が第5時間T5未満であると判断した場合には(No)、ステップS9に戻り、タイマTM2が第5時間T5以上であると判断した場合には(Yes)、切替機構400を制御してニップ幅を第2幅N2から第1幅N1に戻す(S13)。ステップS13の後、制御装置300は、タイマTM1,TM2をリセットし(S14)、モータ200をOFFにすることで本制御を終了する。
次に、低温環境下におけるスリープモードまたはスタンバイモードにて、制御装置300が印刷指令を受けたときの各パラメータの経時変化を図7を参照して説明する。
制御装置300が印刷指令を受けると、制御装置300は、ハロゲンランプをONにし(時刻t11)、ハロゲンランプ120がONになった後、モータ200をONにする(時刻t12)。
制御装置300は、時刻t11から第6時間T6が経過したと判断すると(時刻t13)、ニップ幅を第1幅N1から第2幅N2に時間T7をかけて切り替える(時刻t13〜t14)。ここで、時間T7は、例えば1.0(秒)である。
なお、T7は、定着装置100の特性に応じて、例えば、0.5〜1.5(秒)の範囲内の値であってもよいし、1.0〜2.0(秒)の範囲内の値であってもよいし、0.5〜3.0(秒)の範囲内の値であってもよい。また、時間T7は、時刻t11(印刷指令を受けたとき)での温度センサTSの検知温度によって変わる値である。
ニップ幅の切替処理の完了後、制御装置300は、検出温度THが搬送開始温度TH2に到達したと判断すると(時刻t15)、ピックアップローラ52を駆動して用紙51の搬送を開始する。
その後、制御装置300は、検出温度THが定着温度TH1に到達したと判断すると(時刻t16)、公知のようにハロゲンランプ120およびピックアップローラ52を制御して印刷制御を実行する(時刻t16〜t17)。なお、図7においては、便宜上、印刷制御におけるハロゲンランプ120およびピックアップローラ52の状態を図示のように簡略化して示す。ここで、ピックアップローラ52は、制御装置300がピックアップ機構を介して、ピックアップローラ52をONにすると、給紙トレイ50にある用紙51に接触して回転し、用紙51を搬送する。また、ピックアップローラ52は、ピックアップ機構を介して、制御装置300がピックアップローラ52をOFFにすると、給紙トレイ50にある用紙51から離れる。なお、ピックアップローラ52による用紙51のピック(搬送開始)は、印刷指令をCPUが受けてから、所定時間後に行う、または、検出温度が所定温度になってから行う。
制御装置300は、印刷制御が終了すると(時刻t17)、ハロゲンランプ120をOFFにする。制御装置300は、時刻t17から第5時間T5が経過したと判断すると(時刻t18)、ニップ幅を第2幅N2から第1幅N1に切り替え、その後モータ200をOFFにする(時刻t19)。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、ニップ幅を連続的に切り替えたが、本発明はこれに限定されず、切替処理において、ニップ幅を段階的に切り替えてもよい。例えば、図8に示すように、時刻t13に開始する切替処理や時刻t18に開始するニップ幅を第1幅に戻す処理においてニップ幅を2段階で切り替えてもよい。なお、この場合には、切替機構の駆動源として段階的に動作するようなもの、例えばステッピングモータなどを利用してもよいし、カムの形状により、ニップ幅を段階的に切り替えるようにしてもよい。
前記実施形態では、第1幅N1を一定の値としたが、本発明はこれに限定されず、第1幅を、加熱処理を開始するときの初期温度が大きい程、大きな値に設定してもよい。ここで、初期温度は、例えば、温度センサによって検知してもよいし、前回印刷終了時の温度と前回印刷終了時からの経過時間と環境温度とで推定してもよい。これによれば、初期温度が大きい場合には加圧ローラ150などに駆動時の負荷がかからないので、初期温度が大きい程第1幅N1を大きな値にすることで、切替処理にかかる時間を短くすることができる。
なお、この制御を実行するには、例えば図9に示すようなフローチャートを用いればよい。このフローチャートでは、図6に示したフローチャートにおけるステップS2の前に新たなステップS100を設けている。ステップS100では、検出温度に応じて第1幅N1を設定し、設定した第1幅N1となるように切替機構400を制御する。なお、第1幅N1の設定は、制御装置300の記憶部に検出温度と第1幅N1との関係を示すマップを記憶し、このマップを参照することで行ってもよいし、検出温度から計算により第1幅N1を求めるようにしてもよい。
前記実施形態では、駆動処理を開始してからモータ200の駆動トルクがピーク値に達するまでの第2時間T2が経過した後に切替処理を実行したが、本発明はこれに限定されず、駆動処理を開始してからニップ板130の温度が所定温度になるまでの第4時間が経過した後に、切替処理を実行してもよい。ここで、所定温度とは、潤滑剤の粘度が所定値(ある程度低い値)以下になるときの温度をいい、実験やシミュレーション等により好ましい値に適宜設定することができる。これによれば、駆動処理を開始してから潤滑剤の粘度がある程度低くなるまでの間はニップ領域が第1幅から第2幅に切り替えられないので、モータの回し始めの際にモータ等に加わる負荷がニップ領域の変更によりさらに大きくなるのを抑えることができる。
なお、この制御を実行するには、例えば図6に示したフローチャートのステップS5における第6時間T6を、ハロゲンランプ120をONにしてからモータ200をONにするまでの時間と前述した第4時間とを足し合わせた時間とすればよい。
前記実施形態では、加熱部材101として定着ベルト110等を含むものを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば定着ベルトよりも剛性の高い円筒状の加熱ローラであってもよい。
前記実施形態では、ヒータの一例としてハロゲンランプ120を例示したが、本発明はこれに限定されず、ヒータは、例えばIH(Induction Heating)ヒータやセラミックヒータなどであってもよい。ここで、IHヒータとは、それ自体は発熱しないが、金属製の定着ベルトやニップ板などを電磁誘導加熱方式により発熱させるものをいう。
前記実施形態では、加圧部材の一例として加圧ローラ150を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の部材であってもよい。
前記実施形態では、切替機構400がカム部材410を含むように構成したが、本発明はこれに限定されず、例えば切替機構は直線方向に進退するピストンを有するエアシリンダや液圧シリンダなどを含んだ構成であってもよい。
前記実施形態では、トレイとして給紙トレイ50を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば搬送経路の途中に用紙を送り込むための手差しトレイであってもよい。
前記実施形態では、加熱部材101を加圧部材(加圧ローラ150)に押圧するように構成したが、本発明はこれに限定されず、加圧部材を加熱部材に押圧するように構成してもよい
前記実施形態では、加熱部材として、定着ベルト110、ステイ160およびニップ板130などを有するものを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、加熱ローラであってもよい。
前記実施形態では、感光体ドラム31を露光する露光部材として、レーザ発光部及びポリゴンミラーなどを有するスキャナ部を挙げたが、本発明はこれに限定されず、例えば、LED発光素子を含むLEDヘッドであってもよい。
前記実施形態では、プリンタとして、切換用モータ430によりカム部材410を駆動し、モータ200により加圧ローラ150を駆動する構成を有するプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、単一のモータによりカム部材410と加圧ローラ150を駆動する構成を有していてもよい。
前記実施形態では、ニップ部材としてニップ板130を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばニップ部材は板状でない厚めの部材であってもよい。
前記実施形態では、カラーレーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、記録シートとして、厚紙、はがき、薄紙などの用紙51を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
前記実施形態では、制御装置300は、図6および図9の各処理を実行するように構成された1つのCPUを有していた。しかし、これに限らず、制御装置300は、図6および図9の各処理を実行するように構成された複数のCPUを有していてもよいし、図6および図9の各処理を実行するように構成されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハード回路を有していてもよいし、図6および図9の各処理を実行するように構成されたCPUおよびハード回路を有していてもよい。
1 カラーレーザプリンタ
101 加熱部材
110 定着ベルト
120 ハロゲンランプ
130 ニップ板
140 反射板
150 加圧ローラ
160 ステイ
170 規制部材
300 制御装置
400 切替機構
N1 第1幅
N2 第2幅
TH1 定着温度

Claims (11)

  1. 加熱部材と、
    前記加熱部材を加熱するように構成されたヒータと、
    前記加熱部材との間でニップ領域を形成するように構成された加圧部材と、
    前記ニップ領域の幅を切り替えるように構成された切替機構と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    印刷指令を受けた後に、前記ヒータを制御して前記加熱部材を加熱する加熱処理と、
    前記加熱処理の開始後で、かつ、当該加熱部材の温度が定着温度に到達する前に、前記切替機構を制御して前記ニップ領域の幅を第1幅から当該第1幅よりも大きな第2幅に切り替える切替処理と、を実行するように構成され
    記録シートが前記ニップ領域に到達する時点よりも、前記加圧部材が1回転以上するのに要する第1時間だけ前の時点で、前記切替処理を完了するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 加熱部材と、
    前記加熱部材を加熱するように構成されたヒータと、
    前記加熱部材との間でニップ領域を形成するように構成された加圧部材と、
    前記ニップ領域の幅を切り替えるように構成された切替機構と、
    前記加圧部材を回転させるためのモータと、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    印刷指令を受けた後に、前記ヒータを制御して前記加熱部材を加熱する加熱処理と、
    前記加熱処理の開始後で、かつ、当該加熱部材の温度が定着温度に到達する前に、前記切替機構を制御して前記ニップ領域の幅を第1幅から当該第1幅よりも大きな第2幅に切り替える切替処理と、
    印刷指令を受けたことを条件として前記モータを駆動させる駆動処理と、を実行するように構成され、
    前記駆動処理を開始してから、前記モータの駆動トルクがピーク値に達するまでの第2時間が経過した後に、前記切替処理を実行するように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. トレイ上の記録シートを前記ニップ領域に向けて搬送するように構成された搬送機構を備え、
    前記制御装置は、前記切替処理の後に、前記搬送機構を制御して前記記録シートの搬送を開始する搬送処理を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御装置は、前記切替処理において、前記ニップ領域の幅を第1幅から段階的に第2幅へ切り替えていくように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御装置は、前記切替処理において、前記ニップ領域の幅を第1幅から連続的に第2幅へ切り替えていくように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1幅は、前記加熱処理を開始するときの初期温度が大きい程、大きな値に設定されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御装置は、前記駆動処理を開始してから、前記モータの駆動トルクが安定するまでの第3時間が経過した後に、前記切替処理を実行するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  8. 前記加圧部材を回転させるためのモータを備え、
    前記制御装置は、
    印刷指令を受けたことを条件として前記モータを駆動させる駆動処理を実行するように構成され、
    前記駆動処理を開始してから、前記加熱部材の温度が所定温度になるまでの第4時間が経過した後に、前記切替処理を実行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 前記加熱部材は、エンドレスベルトと、当該エンドレスベルトの内周面に接触するニップ部材を有し、
    前記加圧部材は、前記ニップ部材との間で前記エンドレスベルトを挟むとともに、モータによって駆動されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御装置は、スタンバイモードにおいて前記ヒータをOFFにするように構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 加熱部材と、
    前記加熱部材を加熱するように構成されたヒータと、
    前記加熱部材との間でニップ領域を形成するように構成された加圧部材と、
    前記ニップ領域の幅を切り替えるように構成された切替機構と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、
    印刷指令を受けた後に、前記ヒータを制御して前記加熱部材を加熱する加熱処理と、
    前記加熱処理の開始後で、かつ、当該加熱部材の温度が定着温度に到達する前に、前記切替機構を制御して前記ニップ領域の幅を第1幅から当該第1幅よりも大きな第2幅に切り替える切替処理と、を実行するように構成され
    印刷指令で指定されている印刷枚数のうち最後の記録シートがニップ領域を抜けた場合に、前記加熱処理を終了し、
    前記最後の記録シートがニップ領域を抜けた後、前記ニップ領域の温度が記録シートの搬送を開始するときの搬送開始温度まで下がった場合に、前記切替機構を制御して前記ニップ領域の幅を前記第2幅から前記第1幅に戻すように構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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