JP2015194565A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーマルカットオフを設けた構成において、小型化を図った定着装置および当該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】定着装置100は、定着ベルト110と、定着ベルト110の内側において延びるハロゲンランプ120と、定着ベルト110の内側に配置された第1サーミスタ180と、定着ベルト110の外側に配置された第2サーミスタ210と、定着ベルト110の外側に配置されたサーモスタット220と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】定着装置100は、定着ベルト110と、定着ベルト110の内側において延びるハロゲンランプ120と、定着ベルト110の内側に配置された第1サーミスタ180と、定着ベルト110の外側に配置された第2サーミスタ210と、定着ベルト110の外側に配置されたサーモスタット220と、を備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、温度センサを備えた定着装置および当該定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、エンドレスベルトと、エンドレスベルトの内側に配置されたヒータと、エンドレスベルトの内側に配置された温度センサとを備えた定着装置が知られている(特許文献1参照)。
ところで、エンドレスベルトの温度が高くなり過ぎると、エンドレスベルト周辺の部材に影響するので、エンドレスベルトの温度が高くなり過ぎたときにヒータの通電を遮断するサーマルカットオフを設けることが望ましい。しかしながら、エンドレスベルトの内側にサーマルカットオフを配置すると、エンドレスベルトの内側にサーマルカットオフを配置するためのスペースが必要になる。そのため、エンドレスベルトの径が大きくなり、定着装置が大型化する可能性があった。
そこで、本発明は、サーマルカットオフを設けた構成において、小型化を図った定着装置および当該定着装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
前記した目的を達成するため、本発明の定着装置は、エンドレスベルトと、前記エンドレスベルトの内側において延びるヒータと、前記エンドレスベルトの内側に配置された第1温度センサと、前記エンドレスベルトの外側に配置された第2温度センサと、前記エンドレスベルトの外側に配置されたサーマルカットオフと、を備える。
このような構成によれば、サーマルカットオフをエンドレスベルトの外側に設けることで、エンドレスベルトの内側を省スペース化できる。そのため、エンドレスベルトの径を小さくすることができ、ひいては定着装置の小型化を図ることができる。
前記した構成において、前記第1温度センサは、最大通紙幅の外側に配置され、前記第2温度センサは、最大通紙幅の内側に配置されている構成とすることができる。
このような構成によれば、エンドレスベルトの内側の温度を検知しつつ、エンドレスベルトの定着部分(外周面)の温度を良好に検知することができる。
前記した構成において、前記第1温度センサは、最大通紙幅の内側に配置され、前記第2温度センサは、最大通紙幅の外側に配置されている構成とすることができる。
エンドレスベルトの外周面の最大通紙幅の外側の部分は、記録シートに熱を奪われにくいので、当該部分の温度が上がり過ぎないようにする必要がある。上記した構成であれば、当該部分の温度を検知しながら、エンドレスベルトの内側における最大通紙幅の範囲内の温度も検知することができる。
前記した構成において、前記エンドレスベルトは、ゴム層を有する構成とすることができる。
エンドレスベルトにゴム層が設けられると、エンドレスベルトの内側と外側で温度差が大きくなるおそれがある。しかし、上記した構成によれば、第1温度センサおよび第2温度センサにより、エンドレスベルトの内外の温度差を考慮した制御ができる。
前記した定着装置が、前記エンドレスベルトに対向し、前記エンドレスベルトとの間でニップを形成するように構成されたバックアップ部材を備える場合、前記サーマルカットオフおよび前記第2温度センサは、前記ニップよりも、前記エンドレスベルトの回転方向上流側に配置されているのが望ましい。
エンドレスベルトの、ニップよりも回転方向上流側の部分は、ニップに引き込まれることでテンションがかかって張った状態となっている。上記した構成によれば、当該部分に、サーマルカットオフ及び第2温度センサを配置することで、第2温度センサとエンドレスベルトの張った状態となる部分との間の距離が変わらないので、当該部分の温度を良好に検知できる。
前記した定着装置が、前記エンドレスベルトの外側に設けられるフレームと、前記サーマルカットオフに接続される第1配線と、前記第2温度センサに接続される第2配線と、を備える場合、前記サーマルカットオフおよび前記第2温度センサは、前記フレームの内側に設けられ、前記第1配線および前記第2配線の一方は、前記フレームの内側を通り、前記第1配線および前記第2配線の他方は、前記フレームに形成された開口を通って、前記フレームの内側から外側に延びる構成とすることができる。
このような構成によれば、フレームを介して第1配線と第2配線を絶縁しつつ、第1配線および第2配線のいずれかをフレームにより保護することができる。
また、本発明の画像形成装置は、上記した定着装置と、前記ヒータの温度を制御するように構成される制御装置と、を備える場合、前記サーマルカットオフは、定着温度より高い第1温度以上の温度を検知したとき、前記ヒータへの通電を遮断するように構成され、前記制御装置は、前記第2温度センサからの信号に基づいて、前記第2温度センサから取得した温度が、定着温度より高く、前記第1温度より低い第2温度より高いか否かを判断し、前記第2温度センサから取得した温度が前記第2温度より高いと判断した場合、前記ヒータの出力を小さくように構成される。
このような構成によれば、サーマルカットオフが動作する前にヒータの出力を小さくすることができる。
本発明によれば、サーマルカットオフを設けた定着装置の小型化を図ることができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りがないかぎり図1に示した上下方向を上下、図1における左側を後、右側を前、紙面の奥側を右、紙面の手前側を左として、各方向を示す。ここでの方向は、カラーレーザプリンタ1の前側に立った者から見た方向を基準として規定してある。
<カラーレーザプリンタの概略構成>
図1に示すように、カラーレーザプリンタ1は、装置本体2内に、用紙51を供給する給紙部5と、給紙された用紙51に画像を形成する画像形成部6と、画像が形成された用紙51を排出する排紙部7と、制御装置300と、モータ400とを備えている。なお、制御装置300については後述する。
図1に示すように、カラーレーザプリンタ1は、装置本体2内に、用紙51を供給する給紙部5と、給紙された用紙51に画像を形成する画像形成部6と、画像が形成された用紙51を排出する排紙部7と、制御装置300と、モータ400とを備えている。なお、制御装置300については後述する。
給紙部5は、装置本体2内の下方において、装置本体2に対して前側からスライド操作により脱着される給紙トレイ50と、給紙トレイ50から用紙51を前側から上に持ち上げ、後側へ反転させて搬送する搬送機構M1とからなる。
この搬送機構M1は、給紙トレイ50の前側端部に設けられた、ピックアップローラ52、分離ローラ53、分離パッド54などからなり、これらにより用紙51が一枚ずつ分離されて上方へ送られる。上方へ向けて搬送された用紙51は、紙粉取りローラ55とピンチローラ56の間を通過する過程で紙粉が除去された後、搬送経路57を通って後向きへ方向転換され、搬送ベルト73の上に供給され、定着ベルト110に搬送される。
画像形成部6は、スキャナ部61、プロセス部62、転写部63および定着装置100を備えている。
スキャナ部61は、装置本体2の上部に設けられており、図示はしないが、レーザ発光部、ポリゴンミラー、複数のレンズおよび反射鏡を備えている。スキャナ部61では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応させてレーザ発光部から発光されるレーザをポリゴンミラーで左右方向に高速で走査させ、複数のレンズおよび反射鏡を通過または反射させた後各感光体ドラム31に照射している。
プロセス部62は、スキャナ部61の下方で、給紙部5の上方に配置されており、装置本体2に対して前後方向に移動可能となる感光体ユニット3を備えている。感光体ユニット3は、感光体ユニット3の下部に設けられる4つのドラムサブユニット30と、各ドラムサブユニット30に装着される現像カートリッジ40とを有している。
ドラムサブユニット30は、感光体ドラム31やスコロトロン型帯電器32などを備えている。
現像カートリッジ40は、内部にトナーが収容されており、供給ローラ41や現像ローラ42や層厚規制ブレード43などを備えている。
現像カートリッジ40は、内部にトナーが収容されており、供給ローラ41や現像ローラ42や層厚規制ブレード43などを備えている。
このようなプロセス部62は、次のように機能する。現像カートリッジ40内のトナーが供給ローラ41により現像ローラ42へ供給され、このときトナーが、供給ローラ41と現像ローラ42との間で正極性に摩擦帯電される。現像ローラ42に供給されたトナーは、現像ローラ42の回転に伴って層厚規制ブレード43によって擦られ、一定厚さの薄層として現像ローラ42の表面に担持される。
一方、ドラムサブユニット30では、スコロトロン型帯電器32がコロナ放電により感光体ドラム31を一様に正極性に帯電させる。この帯電した感光体ドラム31にスキャナ部61からのレーザが照射されて、用紙51に形成すべき画像に対応した静電潜像が感光体ドラム31に形成される。
さらに感光体ドラム31が回転すると、現像ローラ42に担持されているトナーが感光体ドラム31の静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光体ドラム31の表面のうち、レーザにより露光され電位が下がった部分に供給される。これにより、感光体ドラム31の静電潜像は可視像化され、感光体ドラム31の表面には、各色のトナーに対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
転写部63は、駆動ローラ71、従動ローラ72、搬送ベルト73、転写ローラ74およびクリーニング部75を備えている。
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後に離間して平行に配置され、これらの間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が巻き掛けられている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光体ドラム31に接している。そして、搬送ベルト73の内側には各感光体ドラム31との間で搬送ベルト73を挟み込む転写ローラ74が配置されている。転写ローラ74には、図示しない高圧基板から転写バイアスが印加される。画像形成時には、搬送ベルト73により搬送されてきた用紙51は、感光体ドラム31と転写ローラ74に挟持され、感光体ドラム31上のトナー像が用紙51に転写される。
駆動ローラ71および従動ローラ72は、前後に離間して平行に配置され、これらの間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が巻き掛けられている。搬送ベルト73は、その外側の面が各感光体ドラム31に接している。そして、搬送ベルト73の内側には各感光体ドラム31との間で搬送ベルト73を挟み込む転写ローラ74が配置されている。転写ローラ74には、図示しない高圧基板から転写バイアスが印加される。画像形成時には、搬送ベルト73により搬送されてきた用紙51は、感光体ドラム31と転写ローラ74に挟持され、感光体ドラム31上のトナー像が用紙51に転写される。
クリーニング部75は、搬送ベルト73の下方に配置され、搬送ベルト73に付着したトナーを除去し、その下方に配置されたトナー貯留部76に除去したトナーを落下させるようになっている。
定着装置100は、転写部63の後方に設けられ、用紙51上に転写されたトナー像を用紙51上に熱定着している。なお、定着装置100については、後述する。
排紙部7において、用紙51の排紙側搬送経路91は、定着装置100の出口から上に向かって延び前側に反転するように形成されている。排紙側搬送経路91の途中には、用紙51を搬送する複数の搬送ローラ92が配置されている。装置本体2の上面には、印刷後の用紙51を蓄積する排紙トレイ93が形成されており、搬送ローラ92により排紙側搬送経路91から排出された用紙51は、排紙トレイ93に蓄積される。
<定着装置の詳細構成>
図2に示すように、定着装置100は、加熱部材101と、バックアップ部材の一例としての加圧ローラ150と、フレームの一例としての定着フレーム200と、第2温度センサの一例としての第2サーミスタ210と、サーマルカットオフの一例としてのサーモスタット220とを備えている。
図2に示すように、定着装置100は、加熱部材101と、バックアップ部材の一例としての加圧ローラ150と、フレームの一例としての定着フレーム200と、第2温度センサの一例としての第2サーミスタ210と、サーマルカットオフの一例としてのサーモスタット220とを備えている。
加熱部材101は、エンドレスベルトの一例としての定着ベルト110と、ヒータの一例としてのハロゲンランプ120と、ニップ板130と、反射板140と、ステイ160と、カバー部材170と、第1温度センサの一例としての第1サーミスタ180とを備えている。
定着ベルト110は、耐熱性と可撓性を有する無端状のベルトであり、加圧ローラ150に接触して従動することで、後述するニップNにおいて後方向に移動するように構成されている。定着ベルト110は、左右方向に延びる軸線の周りを回転するように構成され、ニップ板130に摺動する内周面110Aと、加圧ローラ150に摺動する外周面110Bとを有している。
定着ベルト110は、ステンレス鋼等の金属から形成された金属素管を有している。定着ベルト110は、金属素管の表面を覆うゴム層を有している。また、定着ベルト110は、ゴム層の表面を覆うフッ素コーティング等による非金属の離型層をさらに有していてもよい。
ハロゲンランプ120は、発熱するように構成される発熱体であり、ニップ板130と別体に構成されている。ハロゲンランプ120は、ニップ板130および定着ベルト110を加熱することで用紙51上のトナーを加熱している。ハロゲンランプ120は、定着ベルト110の内側において左右方向に延び、定着ベルト110およびニップ板130の内面から所定の間隔をあけて、つまり、離れて配置されている。
ニップ板130は、ハロゲンランプ120からの輻射熱を受ける板状の部材であり、定着ベルト110の内周面110Aに接触している。そして、このニップ板130は、ハロゲンランプ120から受けた輻射熱を定着ベルト110を介して用紙51上のトナーに伝達する。このニップ板130は、後述するスチール製のステイ160より熱伝導率が大きい、例えば、アルミニウム板などから形成されており、ベース部131と、突出部132とを主に有している。
ベース部131は、搬送方向における中央部131Aが両端部131Bより加圧ローラ150側に向けて凸となるように屈曲形成されている。
突出部132は、ベース部131の後端部131Rから搬送方向に沿って後方に突出するように形成されている。この突出部132は、図3に示すように、ベース部131の後端部131Rの左端部に形成されている。
図2に示すように、反射板140は、ハロゲンランプ120からの輻射熱(主に前後方向や上方向に向けて放射された輻射熱)をニップ板130(ベース部131の内面)に向けて反射する部材であり、定着ベルト110の内側においてハロゲンランプ120を取り囲むように、ハロゲンランプ120から所定の間隔をあけて配置されている。
このような反射板140によってハロゲンランプ120からの輻射熱をニップ板130に集めることで、ハロゲンランプ120からの輻射熱を効率良く利用することができ、ニップ板130および定着ベルト110を速やかに加熱することができる。
反射板140は、赤外線および遠赤外線の反射率が大きい、例えば、アルミニウム板などを断面視略U形状に湾曲させて形成されている。より詳細に、反射板140は、湾曲形状(断面視略U形状)をなす反射部141と、反射部141の両端部から前後方向外側に沿って延びるフランジ部142とを主に有している。なお、熱反射率を高めるため、反射板140は、鏡面仕上げを施したアルミニウム板などを用いて形成してもよい。
ステイ160は、前後方向におけるニップ板130のベース部131の両端部131Bを反射板140のフランジ部142を介して支持することでニップ板130の剛性を確保する部材であり、反射板140を覆うように配置されている。より詳細にステイ160は、上壁160Aと、上壁160Aの前端から下方に延びる前壁160Bと、上壁160Aの後端から下方に延びる後壁160Cとによって断面視U字形状に形成されている。
図3に示すように、ステイ160は、その後壁160Cに第1サーミスタ180を配置するための切欠161を有している。より詳細に切欠161は、ニップ板130の突出部132に対応する位置において、第1サーミスタ180に接触しない程度の隙間を有するように形成されている。
図4(a),(b)に示すように、カバー部材170は、ステイ160の上壁160Aおよび前壁160Bを覆うように配置されており、上側壁171と、上側壁171の前端から下方に延びる前側壁172とから構成されている。前側壁172の前面には、リブ173が設けられている。
リブ173は、前側壁172の前面に左右方向に間隔をあけて並んで合計7つ配置されており、リブ173の前面から前方に突出するように形成されている。各リブ173は、略四角形状に形成されており、その前面は、定着ベルト110の内周面110Aを案内するように構成されたガイド面173Aとなっている。各リブ173のうち、中央のリブ173とその左に隣接するリブ173は、定着ベルト110を挟んでサーモスタット220と第2サーミスタ210とそれぞれ対向している。
図2、図3に示すように、第1サーミスタ180は、接触型サーミスタであり、ニップ板130の温度を検知するように配置されている。言い換えると、第1サーミスタ180は、ニップ板130を介して定着ベルト110の温度を検出するように構成されている。
具体的に、第1サーミスタ180は、定着ベルト110の左端部の内側において、上部に設けられた固定用リブ183がステイ160の後壁160Cにネジ189によって固定されている。
第1サーミスタ180は、図4(b)に示すように、最大通紙幅W1よりも左右方向(定着ベルト110の幅方向)外側に位置している。言い換えると、第1サーミスタ180は、最大通紙幅W1となる用紙51の左端を通り、かつ、左右方向(定着ベルト110の幅方向)に直交する第1平面P1の外側に配置されている。
ここで、最大通紙幅W1とは、定着ベルト110に搬送される用紙51のうち、定着装置100において定着可能な最大幅の用紙51の幅のことをいい、カラーレーザプリンタ1のドライバ等で設定できる、用紙51の最大の幅、又は、給紙トレイ50の用紙51の端縁を規制する規制部材で設定できる用紙51の最大の幅を指すものとする。なお、最大通紙幅W1は、210mm(A4用紙の幅)であってもよいし、215.9mm(リーガル用紙の幅)であってもよい。
なお、第1サーミスタ180は、最大通紙幅W1の用紙51の右端を通り、かつ、左右方向に直交する第2平面P2の外側に配置されていてもよい。
第1サーミスタ180は、ニップ板130の突出部132の上面に対面して配置されており、温度検知面181が突出部132の上面に接触している。なお、第1サーミスタ180は、ニップ板130から離れて配置される非接触型サーミスタでもよいし、赤外線センサであってもよい。
図2に示すように、加圧ローラ150は、定着ベルト110の外周面110Bと接触し、定着ベルト110との間でニップNを形成する部材である。加圧ローラ150は、ニップ板130の下方に配置されており、ニップ板130との間で定着ベルト110を挟んでいる。
定着フレーム200は、定着ベルト110の上方および前方(外側)で加熱部材101を覆うように配置されており、加熱部材101の前方の前壁201の内側に第2サーミスタ210及びサーモスタット220が設けられている。なお、図2では、サーモスタット220は、第2サーミスタ210の図示奥側に配置されており、便宜上、サーモスタット220の符号はかっこ書きで示す。
第2サーミスタ210は、非接触型サーミスタであり、定着ベルト110の外側に配置され、上部に設けられた固定用リブ213が定着フレーム200の前壁201にネジ219によって固定されている。第2サーミスタ210は、後面に設けられた温度検知面211が定着ベルト110の外周面110Bに若干の隙間(温度検知できる程度の隙間)を空けて対向するように配置されている。
より詳細に、第2サーミスタ210は、温度検知面211が、ニップNに対して前側、つまり、ニップNよりも定着ベルト110の回転方向の上流側に配置されている。
図4(a),(b)に示すように、第2サーミスタ210は、最小通紙幅W2の左右方向内側に位置している。ここで、最小通紙幅W2とは、定着ベルト110に搬送される用紙51のうち、定着装置100において定着可能な最小幅の用紙51の幅のことをいい、カラーレーザプリンタ1のドライバ等で設定できる、用紙51の最小の幅、又は、給紙トレイ50の用紙51の端面を規制する規制部材で設定できる最小の幅を指すものとする。
なお、最小通紙幅W2は、69.9mm(OrganizerJの幅)であってもよいし、76.0mm(Monarchの幅)であってもよいし、100mm(はがきの幅)であってもよいし、81mm(C7用紙の幅)であってもよいし、105mm(A6用紙の幅)であってもよい。
なお、第2サーミスタ210は、定着ベルト110と接触する接触型サーミスタであってもよいし、赤外線センサであってもよい。また、第2サーミスタ210および第1サーミスタ180は、温度に応じてアナログ値を生成するものでもあってよく、アナログ値に基づきデジタル値を生成するものであってもよい。これらのアナログ値またはデジタル値が信号として制御装置300に伝送されるようになっている。
図2に示すように、サーモスタット220は、バイメタルなどを利用した温度検知素子であり、定着ベルト110の外側に配置され、上部に設けられた固定用リブ223が定着フレーム200の前壁201にネジ229によって固定されている。サーモスタット220は、後面に設けられた温度検知面221が定着ベルト110の外周面110Bに若干の隙間(温度検知できる程度の隙間)を空けて対向するように配置されている。
より詳細に、サーモスタット220は、温度検知面221が、ニップNに対して前側、つまり、ニップNよりも定着ベルト110の回転方向の上流側に配置されている。
図4(a),(b)に示すように、サーモスタット220は、第2サーミスタ210とともに最小通紙幅W2の左右方向内側に位置している。言い換えると、第2サーミスタ210とサーモスタット220は、最小通紙幅W2となる用紙51の左端を通り、かつ、左右方向(定着ベルト110の幅方向)に直交する第3平面P3と、最小通紙幅W2の用紙51の右端を通り、かつ、左右方向に直交する第4平面P4との間に配置されている。なお、第2サーミスタ210及びサーモスタット220は、最大通紙幅W1の内側に配置されていればよい。
このサーモスタット220は、ハロゲンランプ120に電力を供給する回路上に設けられており、定着温度より大きな第1温度以上の温度を検知したときにハロゲンランプ120への通電を遮断する。これにより、定着装置100の温度が過剰に上昇することを防止することができる。なお、定着温度は、良好な定着ができる範囲内の温度をいい、実験やシミュレーション等により適宜設定することができる。本実施形態においては、定着温度は180℃である。また、定着温度は、定着装置100の特性に応じて、160〜240℃の範囲内の何れかの値であってもよいし、175〜270℃の範囲内の何れかの値であってもよい。
図5(a),(b)に示すように、サーモスタット220には、ハロゲンランプ120の端子や、電源基板に接続される第1配線225が接続されている。第1配線225は、サーモスタット220の左右両端に1つずつ接続されており、定着フレーム200の前壁201の内側を通るように配置されている。この第1配線225のうち、左側の第1配線225は、第2サーミスタ210を避けるように、第2サーミスタ210の下側を通るように配置されている。このように第1配線225を配置することで、定着フレーム200により、第1配線225を保護することが可能となっている。
第2サーミスタ210には、制御装置300に接続される第2配線215が接続されている。第2配線215は、定着フレーム200の前壁201を前後に貫通する開口202を通って、定着フレーム200の内側から外側に延びており、定着フレーム200の外側を通るように配置されている。このように第2配線215を配置することで、第1配線225と第2配線215が接触するのを抑制することが可能となり、定着フレーム200を介して、第1配線225と第2配線215を絶縁することが可能となっている。
<制御装置>
次に、制御装置300について詳細に説明する。
制御装置300は、例えば、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する記憶部などを有しており、第1サーミスタ180および第2サーミスタ210からの信号と、予め用意されたプログラムなどに基づいて演算処理を行うことによって、ハロゲンランプ120、モータ400などの制御を実行するように構成されている。また、信号は、第1サーミスタ180および第2サーミスタ210が取得した温度そのものであってもよい。なお、ROMには、後述する各種制御処理を実行するための指令をプログラムとして格納している。CPUは、このROMから指令を読みだして各種制御処理を実行する。
次に、制御装置300について詳細に説明する。
制御装置300は、例えば、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を有する記憶部などを有しており、第1サーミスタ180および第2サーミスタ210からの信号と、予め用意されたプログラムなどに基づいて演算処理を行うことによって、ハロゲンランプ120、モータ400などの制御を実行するように構成されている。また、信号は、第1サーミスタ180および第2サーミスタ210が取得した温度そのものであってもよい。なお、ROMには、後述する各種制御処理を実行するための指令をプログラムとして格納している。CPUは、このROMから指令を読みだして各種制御処理を実行する。
制御装置300は、第2サーミスタ210からの信号に基づいて、ハロゲンランプ120の制御を実行する。具体的に、制御装置300は、第2サーミスタ210から取得した定着ベルト110の温度が定着温度となるまでハロゲンランプ120の出力が基本的に一定となるように制御し、定着ベルト110の温度が定着温度になった後は当該温度が定着温度に維持されるようにハロゲンランプ120を制御する基本制御を実行可能となっている。
制御装置300は、第2サーミスタ210から取得した温度が定着温度よりも高く、前述した第1温度よりも低い第2温度より高いか否かを判断する。なお、第2温度は、定着温度よりも高い温度であって、サーモスタット220がハロゲンランプ120への通電を遮断しない程度の温度であり、実験やシミュレーション等により適宜設定することができる。
制御装置300は、第2サーミスタ210から取得した温度が第2温度より高い場合に、ハロゲンランプ120の出力を小さくする制御を実行する。このように制御することで、サーモスタット220が動作する前にハロゲンランプ120の出力を小さくすることができる。
制御装置300は、第1サーミスタ180からの信号に基づいてハロゲンランプ120を制御する補助制御を実行可能となっている。詳しくは、制御装置300は、第1サーミスタ180で検出した温度と第2サーミスタ210で検出した温度との差が、所定の閾値Aよりも大きい場合には、ハロゲンランプ120の出力を現在値よりも高い値まで上げる制御を実行する。ここで、閾値Aは、実験やシミュレーション等で適宜決定すればよい。
以上のように構成された制御装置300は、図6に示すフローチャートに従って制御を実行する。図6に示すように、制御装置300は、まず、印刷指令があるか否かを判断する(S1)。ステップS1において印刷指令がないと判断した場合には(No)、制御装置300は、本制御を終了する。
ステップS1において印刷指令があったと判断した場合には(Yes)、制御装置300は、ハロゲンランプ120をON状態にする(S2)。ステップS2の後、制御装置300は、第2サーミスタ210で検出した定着ベルト110の温度が定着温度以上である否かを判断する(S3)。
ステップS3において定着ベルト110の温度が定着温度未満であると判断した場合には(No)、制御装置300は、ハロゲンランプ120をON状態にする(S4)。詳しくは、ステップS4において、制御装置300は、ハロゲンランプ120が既にON状態である場合にはON状態を継続させ、ハロゲンランプ120がOFF状態である場合にはハロゲンランプ120をON状態にする。
ステップS3において定着ベルト110の温度が定着温度以上であると判断した場合には(Yes)、制御装置300は、ハロゲンランプ120をOFF状態にする(S5)。ステップS4,S5の後、制御装置300は、各サーミスタ180,210で検出した各温度の差が閾値Aよりも大きいか否かを判断する(S6)。
ステップS6において温度差が閾値Aよりも大きいと判断した場合には(Yes)制御装置300は、ハロゲンランプ120の出力を現在値よりも高い値に上げる(S7)。ステップS7の後や、ステップS6においてNoと判断した場合には、制御装置300は、第2サーミスタ210で検出した定着ベルト110の温度が第2温度より大きいか否かを判断する(S8)。
ステップS8において、定着ベルト110の温度が第2温度より大きいと判断した場合には(S8:Yes)、制御装置300は、ハロゲンランプ120の出力を小さくする(S9)。
ステップS9の後や、ステップS8においてNoと判断した場合には、制御装置300は、印刷制御が完了したか否かを判断する(S10)。ステップS10において印刷制御が完了していないと判断した場合には(No)、制御装置300は、ステップS3の処理に戻る。ステップS10において印刷制御が完了したと判断した場合には(Yes)、制御装置300は、ハロゲンランプ120をOFF状態にして(S11)、本制御を終了する。
以上のように構成されたカラーレーザプリンタ1の作用効果について説明する。
サーモスタット220を定着ベルト110の外側に設けるので、定着ベルト110の内側を省スペース化でき、定着装置100の小型化を図ることができる。
サーモスタット220を定着ベルト110の外側に設けるので、定着ベルト110の内側を省スペース化でき、定着装置100の小型化を図ることができる。
第1サーミスタ180により、定着ベルト110の内側端部の温度を検知しつつ、第2サーミスタ210により、定着ベルト110の定着部分である最小幅の用紙51の内側の範囲内の温度を良好に検知することができる。
ところで、定着ベルト110の表面にゴム層が設けられると、定着ベルト110の内側と外側で温度差が大きくなるおそれがある。しかし、本実施形態では、第1サーミスタ180および第2サーミスタ210により、定着ベルト110の内外の温度差を考慮した制御ができる。
また、定着ベルト110の、ニップNよりも前側(回転方向上流側)の部分は、ニップNに引き込まれることでテンションがかかった状態となっている。本実施形態では、当該部分に、サーモスタット220及び第2サーミスタ210を配置することで、第2サーミスタ210と定着ベルト110の張った状態となる部分との間の距離が変わらないので、当該部分の温度を良好に検知できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、第1サーミスタ180が最大通紙幅W1の左右外側に配置され、第2サーミスタ210が最小通紙幅W2の左右内側に配置されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図7に示すように、第1サーミスタ180が最小通紙幅W2の左右内側に配置され、第2サーミスタ210が最大通紙幅W1の左右外側に配置されていてもよい。
ここで、定着ベルト110の外周面の最大通紙幅W1の外側の部分は、用紙51に熱を奪われにくいので、当該部分の温度が上がり過ぎないようにする必要がある。図7の実施形態では、当該部分の温度を検知しながら、定着ベルト110の最小通紙幅W2の範囲内の温度も検知することができる。なお、第1サーミスタ180は、最大通紙幅W1の左右内側に配置されていればよい。
前記実施形態では、定着ベルト110がゴム層を有していたが、本発明はこれに限定されず、有していなくてもよい。
前記実施形態では、第1配線225が定着フレーム200の内側を通り、第2配線215が定着フレーム200の外側を通っていたが、本発明はこれに限定されず、第1配線が定着フレーム200の外側を通り、第2配線が定着フレーム200の内側を通っていてもよい。
前記実施形態では、ヒータの一例としてのハロゲンランプ120を例示したが、本発明はこれに限定されず、ヒータは、例えばセラミックヒータやカーボンヒータであってもよい。
前記実施形態では、サーマルカットオフとしてサーモスタット220を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ヒューズであってもよい。
前記実施形態では、バックアップ部材の一例として加圧ローラ150を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の部材であってもよい。
前記実施形態では、定着ベルト110は、金属ベルトとして構成されていたが、本発明はこれに限定されず、例えば、ポリイミドを主成分とする樹脂フィルムとして構成されていてもよい。この場合、定着ベルトは、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を表層に有するように構成してもよい。
前記実施形態では、カラーレーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、制御装置300は、図6の各処理を実行するように構成された1つのCPUを有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御装置は、図6の各処理を実行するように構成された複数のCPUを有していてもよいし、図6の各処理を実行するように構成されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハード回路を有していてもよい。また、制御装置は、図6の各処理を実行するように構成されたCPUおよびハード回路を有していてもよい。
1 カラーレーザプリンタ
100 定着装置
110 定着ベルト
120 ハロゲンランプ
180 第1サーミスタ
200 定着フレーム
210 第2サーミスタ
215 第2配線
220 サーモスタット
225 第1配線
300 制御装置
N ニップ
W1 最大用紙幅
100 定着装置
110 定着ベルト
120 ハロゲンランプ
180 第1サーミスタ
200 定着フレーム
210 第2サーミスタ
215 第2配線
220 サーモスタット
225 第1配線
300 制御装置
N ニップ
W1 最大用紙幅
Claims (7)
- エンドレスベルトと、
前記エンドレスベルトの内側において延びるヒータと、
前記エンドレスベルトの内側に配置された第1温度センサと、
前記エンドレスベルトの外側に配置された第2温度センサと、
前記エンドレスベルトの外側に配置されたサーマルカットオフと、を備えることを特徴とする定着装置。 - 前記第1温度センサは、最大通紙幅の外側に配置され、
前記第2温度センサは、最大通紙幅の内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記第1温度センサは、最大通紙幅の内側に配置され、
前記第2温度センサは、最大通紙幅の外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記エンドレスベルトは、ゴム層を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記エンドレスベルトに対向し、前記エンドレスベルトとの間でニップを形成するように構成されたバックアップ部材を備え、
前記サーマルカットオフおよび前記第2温度センサは、前記ニップよりも、前記エンドレスベルトの回転方向上流側に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記エンドレスベルトの外側に設けられるフレームと、
前記サーマルカットオフに接続される第1配線と、
前記第2温度センサに接続される第2配線と、を備え、
前記サーマルカットオフおよび前記第2温度センサは、前記フレームの内側に設けられ、
前記第1配線および前記第2配線の一方は、前記フレームの内側を通り、
前記第1配線および前記第2配線の他方は、前記フレームに形成された開口を通って、前記フレームの内側から外側に延びることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の定着装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の定着装置と、
前記ヒータの温度を制御するように構成される制御装置と、を備え、
前記サーマルカットオフは、定着温度より高い第1温度以上の温度を検知したとき、前記ヒータへの通電を遮断するように構成され、
前記制御装置は、
前記第2温度センサからの信号に基づいて、前記第2温度センサから取得した温度が、定着温度より高く、前記第1温度より低い第2温度より高いか否かを判断し、
前記第2温度センサから取得した温度が前記第2温度より高いと判断した場合、前記ヒータの出力を小さくすることを特徴とする画像形成装置。
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