JP6135894B2 - 災害救援物資用ダンボール箱 - Google Patents
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Description
そこに暖房機器がなかったり、停電などにより暖房器具が使えない時、床からの冷気を防ぐ事は急務である。それを怠れば、被災者の低体温症や風邪などの病気を招きかねない。
まずは座布団替わりの厚い敷物が必要で、横になったり就寝時には、保温性だけではなく、衛生上の観点から床を這うホコリなどの吸引を防ぐ床からの高さがあるマット替りの厚い敷物が必要である。
また、被災者同士の感染症を防ぐために、衝立(仕切り)も不可欠である。不幸にして避難生活が長期にわたる場合には、プライバシーを守る為の衝立の必要が出てくる。
しかしながら、それらを確保する厚い敷物や衝立は、緊急を要する水や食料品などに対して、どうしても後回しになるのが実情である。
また、内容物取り出し後に梱包以外のもので利用するものでは、特許文献2に開示されたものがある。
現状、避難所では、単に梱包のダンボール箱をたたんで敷いたり、なんとか立てて衝立として使うことが多い。ダンボール箱をカッターなどで切り、貼り合わせることで、本発明と同様のものを作ることも可能であるが、災害の混乱の中での製作には、より困難が伴う。
一方、災害援助物資に使われている梱包材のダンボール箱は利用されず、多くは無駄に放置される。それを避難所で利用、より良く現場加工することも可能だが、手間のかかる作業となり、混乱の中にある避難所において、実用性、即効性に問題がある。また、ある程度の高さ(厚み)を持つ敷物にするには多くのダンボールが必要となり、厚い敷物としての強度、平面性を確保するのも困難である。衝立としても、加工方法によるが、その強度には疑問がある。
内容物取り出し後に梱包材を梱包以外のものとして利用する点では同じである特許文献2に記載のものもあるが、そもそも、これは梱包内容物のパーツとして使うもので、利用形態が違い、同列に扱うのは困難である。
また、災害救援物資に使う梱包材の段ボール箱を利用することから、コストも大幅に抑えることが出来る。
また、本発明に依って作られた衝立には、リブ14・15が井桁にあることから、吸音性、遮音性も期待できる。
本発明の第六の特徴は、段ボール箱の大きさ、A式(みかん箱)B式(上下挿し込み)などのフラップ形状等ダンボール箱の形式に因われることなく、制作が可能であることである。
弁当箱フタ状になるものなら、例えば、上下だけダンボールでシュリンクやバンドで留めるタイプ、たとう式等いかなる形状であっても対応が可能である。
救援物資用には様々な大きさ、形式の段ボール箱が存在するが、弁当箱フタ状ピース1・2の高さ(内寸)Dを同じにすれば、敷物としての厚みの共通化がはかれ、このことは特にマットとして利用する場合に重要な点である。
本発明のもう一つの意義は、避難所に送られる他の段ボールを利用し、様々な工夫によって避難生活の改善に使える、という意識を啓蒙できる点にもある。
本発明の製造は既存の段ボール箱製造法で可能である。
まず、厚い敷物(座布団、マット)とする使い方を示す(図4)。
梱包した段ボールの開封は、開封切り離し部3を剥がして切り取り、上部弁当フタ状ピース1を外し、梱包された内容物10を取り出す。次に下の追加リブ4用部分をミシン目6で切り離し、下部弁当フタ状段ボール2を分離する。
一組、あるいは数組同梱されたリブ用段ボールシート11・12(図2・3)をリブ切り離しミシン目13でリブ14・15(長さはAとB)を切り離し、それぞれを井桁に組んで、弁当箱フタ状ピース1・2にはめ込む(図4A)。
厚い敷物として利用する場合で強度が足りない時は、切り離した追加リブ4を適宜に切り、井桁の升目の中に丸めてはめ込む(図4A)。
井桁に組んだリブ14・15と追加リブ4(図4A)が落ちないようにテープ等で止め、厚い敷物のひとつの部品として完成し、裏返して使用する。単品では座布団(図4A)、連結、貼り合わせてマット(図4B)とする。連結には両面テープ7を利用する。
次に衝立としての使い方(組み立て方)を示す。
上下の弁当箱フタ状段ボール1・2を上記と同じに切り離し、弁当フタ状ピース1・2にリブ用段ボールシート11・12をリブ切り離しミシン目13で切り離したリブ14・15を図4Aと同様、井桁に組み込んだものが、衝立の一つの部品となり、それを裏表交互に市松状に貼りあわせ組んで衝立とする(図5A)。連結には両面テープ7を利用する。
衝立を組み合わせ、個別のブースを作るときは、リブ用段ボールシート11・12(図2・3)あるいは追加リブ4をリブ2連で切り離し、真ん中で折って衝立端部に両面テープ7を使って貼りつけ衝立を直交させる(図5B)
加工寸法は弁当箱フタ状ピース1・2の内寸高さDが基本となる。リブ用段ボールシート11・12(図2・3)から切り離すリブ14・15、追加リブ4の切り離し幅は、全てDと同じとする(図1・2・3)。
段ボールの縦強度は中芯方向9に依って大きく違うので、その方向に留意する必要がある。段ボールの外箱(図1)では段ボール高さ方向を中芯方向9とし、結果、上下弁当フタ状ピース1・2の内寸D方向、追加リブ4の幅(D)方向が中芯方向9になる。
一組以上同梱されるリブ用段ボールシート11・12(図2・3)は、ダンボール箱の内寸(内のり寸法)A・Bが外寸となる。井桁に組む為にミシン目13で切り離されたリブ14・15の幅(D)は同じだが、切り離し方向は直行し、長さは中芯A方向リブ用段ボールシート11(図2)ではBとなり、中芯B方向リブ用段ボールシート12(図3)ではAとなる。また、縦強度の確保の為、リブ14・15の中芯方向9は、いずれも切り離し幅(D)方向とし、リブ用段ボールシート11・12(図2・3)の外寸は同じだが、中芯方向9は直交する。
リブ用段ボールシート11・12(図2・3)から切り離したリブ14・15を井桁に組むための井桁組用スリット8は、弁当フタ状ピース1.2の高さ(内寸)Dと共通である切り離し幅(D)の2分の1の長さとなり、そのスリット幅は用いる段ボール厚に依る。
次にそれぞれのリブ用段ボールシート11・12(図2・3)のリブ14・15の数、井桁組用スリット8の数、寸法割り振りについて述べる。
以下の記述は、本発明の災害救援物資用段ボールが、上下の弁当箱フタ状段ボール1・2が2つ取れ、リブ用段ボールシート11・12(図2・3)が一組同梱され、それぞれ取れるリブ14・15の数が複数である場合である(図1・2・3)。この条件が変われば、数、寸法割りは適宜対応する必要がある(図4・5にあるようなリブの数になる場合など)。
中芯A方向リブ用段ボールシート11(図2)で取れるリブ(長さB)14の数は、A寸法をDで割った数(+余り)となる。弁当フタ状段ボール1・2は2つ取れる(図1)ので、リブ(長さB)14はそれぞれに半数づつ使うことになる。それで、井桁組用スリット8の数は、中芯B方向リブ用段ボールシート12(図3)で取れるリブ(長さA)15の数の半分となり、そのスリット間隔Eは、中芯B方向リブ用段ボール12(図3)で取れるリブ数の半分に1を足した数で割った寸法となる。
中芯B方向リブ用段ボールシート12(図3)のリブ(長さA)15の数は、B寸法をDで割った数(+余り)となり、上記と同じく、その井桁組用スリット8の数は、中芯A方向リブ用段ボールシート11(図2)で取れるリブ14の数の半分となり、そのスリット間隔Eは、中芯A方向リブ用段ボールシート11(図2)のリブ数の半分に1を足した数で割った寸法となる。
本発明の段ボール箱には1組以上のリブ用段ボールシート11・12(図2・3)を同梱するが、弁当箱フタ状ピース1・2の大きさ、使用する段ボール強度や出来上がる厚い敷物に求める強度に応じて、その組数を増やし、リブ14・15の枚数を増やして、組んだ井桁の間隔を小さくし強度を上げることが出来る。その場合は井桁組用スリット8の数が増えスリット間隔Eも狭まる。
追加リブ4は、ダンボール箱の高さ(内寸)Cから、弁当フタ状ピース1・2の高さ(内寸)D×2と切り離し部3の幅を引いたのものがDより大きくなる場合に設定できる(図1)。
2) 下部弁当フタ状ピース
3) 開封切り離し部
4) 追加リブ
5) 梱包テープ
6) 切り離しミシン目
7) 両面テープ
8) 井桁組用スリット
9) 段ボール中芯方向
10)梱包内容物
11)中芯A方向リブ用段ボールシート
12)中芯B方向リブ用段ボールシート
13)リブ用段ボールシートのリブ切り離しミシン目
14)リブ(長さB)
15)リブ(長さA)
A) ダンボール箱間口(内寸)
B) ダンボール箱奥行(内寸)
C) ダンボール箱高さ(内寸)
D) 弁当フタ状ピース高さ(内寸)、リブ幅、補強リブ幅
E) スリット間隔
Claims (2)
- 段ボール箱であって、
前記段ボール箱はその側面の上部および下部に周方向のミシン目(6)をそれぞれ有し、
前記段ボール箱は前記各ミシン目(6)で、互いに厚みすなわち高さが等しい上部弁当箱フタ状ピース(1)と下部弁当箱フタ状ピース(2)を分離可能に構成されている
そのような段ボール箱であり、
前記段ボール箱は、当該段ボール箱に同梱された第1方向リブ用段ボールシート(11)と第2方向リブ用段ボールシート(12)を有し、
前記第1方向リブ用段ボールシート(11)は、前記段ボール箱の長手方向の内寸(B)に相当する長さと、前記上部弁当箱フタ状ピース(1)および前記下部弁当箱フタ状ピース(2)の高さ方向の内寸(D)に相当する幅を有する複数本の第1リブ(14)を切り離す複数本のリブ切り離しミシン目(13)を有し、
前記第2方向リブ用段ボールシート(12)は、前記段ボール箱の短手方向の内寸(A)に相当する長さと、前記上部弁当箱フタ状ピース(1)および前記下部弁当箱フタ状ピース(2)の高さ方向の内寸(D)に相当する幅を有する複数本の第2リブ(15)を切り離す複数本のリブ切り離しミシン目(13)を有し、
前記複数本の第1リブ(14)および前記複数本の第2リブ(15)は、当該複数本の第1リブ(14)および当該複数本の第2リブ(15)を井桁に組むための井桁組用スリット(8)をそれぞれ有する段ボール箱。 - 前記段ボール箱は、その側面の、前記上部弁当箱フタ状ピース(1)と前記下部弁当箱フタ状ピース(2)を分離した残りの領域から、前記上部弁当箱フタ状ピース(1)および前記下部弁当箱フタ状ピース(2)の高さ方向の内寸(D)に相当する幅を有する追加リブ(4)を切り離すミシン目(6)を当該領域の周方向に有する
請求項1に記載の段ボール箱。
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