JP6135714B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブタイミング調整装置に関する。
油圧式のバルブタイミング調整装置は、ハウジング内の2種類の油圧室の一方に作動油を供給しつつ他方から作動油を排出してベーンロータを相対回転させることによって、内燃機関の吸排気弁のバルブタイミングを調整する。特許文献1に開示されたバルブタイミング調整装置では、ベーンロータの中央部に設けられた油路切換弁により作動油の供給および排出が行われる。油路切換弁は、有底筒状のバルブボディと、バルブボディの内側で軸方向へ移動可能なスプールとを有している。スプールは、バルブボディとともにドレン空間を区画している。油圧室の作動油は、バルブボディのドレンポートを通じて、上記ドレン空間を含むドレン油路へ排出される。
ところで、近年、内燃機関の性能を向上させるためにバルブタイミングの調整速度を上げることが求められている。これに対して、特許文献1では、供給油路に逆止弁を設け、油圧室へ供給中の作動油が供給油路へ逆流することを抑制している。また、特許文献1では、大流量の作動油を流すために、バルブボディの各ポートの内側に環状溝を設けて、スプールのストロークに対するポート開口面積の増加が大きくなるように設計されている。
特開2013−151923号公報
上述のように逆止弁が設けられるバルブタイミング調整装置の場合、ハウジングに対するベーンロータの回転位相を保持しているとき、逆止弁の作用により、油圧室の油圧は供給油圧とほぼ同じの比較的高い圧力に維持される。この状態から、バルブボディの底部側に位置するドレンポートを通じて油圧室から作動油が排出されると、油圧室とドレン油路との差圧が大きいことと、環状溝の効果でドレンポートの開口面積が急激に増大することとが相俟って、ドレンポート付近のドレン油路の油圧が高圧になるとともに、ドレン油路に大流量の作動油が流れる。そのため、バルブボディとともにドレン油路の一部(ドレン空間)を区画しているスプールには、ドレン油路の作動油の高油圧が作用し、またドレン油路の大流量の作動油による流体力が作用する。したがって、スプールの挙動が不安定になり、ベーンロータの回転位相制御の精度が低下するおそれがあった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベーンロータの回転位相制御の精度が低下することを抑制可能なバルブタイミング調整装置を提供することである。
本発明によるバルブタイミング調整装置は、ハウジング、ベーンロータ、バルブボディおよびスプールを備えている。
バルブボディは、筒部および底部を有する有底筒状であり、外部の油供給部と連通可能な供給ポート、ハウジング内の第1油圧室に連通している第1ドレンポート、および、ハウジング内の第2油圧室に連通している第2ドレンポートを有している。第2ドレンポートは、第1ドレンポートよりもバルブボディの底部側に位置している。スプールは、バルブボディの底部との間にドレン空間を区画しており、当該ドレン空間を含むドレン油路へ第2油圧室の作動油を排出するとき第2ドレンポートを開く。
供給ポートは、バルブボディの筒部の内壁面から径方向外側にくぼむ凹所である供給用リセスを含む。第2ドレンポートは、バルブボディの筒部の内壁面から径方向外側にくぼむ凹所であるドレン用リセスを含む。ドレン用リセスの径方向深さは、供給用リセスの径方向深さよりも浅い。
このように構成することで、バルブボディの底部側に位置する第2ドレンポートを通じて第2油圧室から作動油が排出されるとき、比較的浅いドレン用リセスで油路が絞られることによって圧力損失が生じる。これにより、第2ドレンポートからドレン油路への過多な作動油の排出が抑制されるとともに、第2ドレンポート付近のドレン油路の油圧が高圧になることが抑制される。したがって、スプールの挙動が乱れず、ベーンロータの回転位相制御の精度が低下することを抑制可能である。
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置の概略構成を説明する断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII部分を拡大して示す断面図であって、進角室へ作動油を供給しつつ遅角室から作動油を排出している状態の図である。 図1のIII部分を拡大して示す断面図であって、遅角室へ作動油を供給しつつ進角室から作動油を排出している状態の図である。 図1のIII部分を拡大して示す断面図であって、ベーンロータの回転位相を保持している状態の図である。 図3のVI−VI線断面の要部を示す断面図である。 図3のVII−VII線断面の要部を示す断面図である。 図1のIII部分を拡大して示す断面図であって、保持状態から遅角ポートが開けられた直後の状態の図である。 図8の断面における油圧分布を示す図である。 図8の断面における流体力分布を示す図である。 遅角用リセスの径方向深さと、遅角室から作動油を排出するときスプールにかかる最大荷重との関係を、供給油圧の上限が異なる条件ごとに示す図である。 本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す断面図であって、第1実施形態の図8に対応する図である。 本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す断面図であって、第1実施形態の図6に対応する図である。 比較形態によるバルブタイミング調整装置の要部を示す断面図であって、第1実施形態の図3に対応する図である。 図14の断面における油圧分布を示す図である。 図14の断面における流体力分布を示す図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づき説明する。実施形態同士で実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1に示す。バルブタイミング調整装置10は、内燃機関90のクランクシャフト91に対してカムシャフト92を相対回転させることによって、カムシャフト92が開閉駆動する図示しない吸気弁のバルブタイミングを調整するものであり、クランクシャフト91からカムシャフト92までの駆動力伝達経路に設けられている。クランクシャフト91は、特許請求の範囲に記載の「駆動軸」であり、カムシャフト92は、特許請求の範囲に記載の「従動軸」である。
(全体構成)
先ず、バルブタイミング調整装置10の全体構成について図1〜図5を参照して説明する。
図1、図2に示すように、バルブタイミング調整装置10は、ハウジング20、ベーンロータ30、油路切換弁40および逆止弁60などを備えている。
ハウジング20は、スプロケット21、フロントプレート25およびリアプレート26を有している。
スプロケット21は、カムシャフト92の軸方向延長上で当該カムシャフト92と同軸上に設けられており、筒部22、外歯部23および複数の突出部24を形成している。外歯部23は、筒部22の外壁に設けられ、タイミングチェーン93を介してクランクシャフト91に連結されている。突出部24は、筒部22から径方向内側に突き出している。
フロントプレート25は、スプロケット21に対して軸方向の一方側に設けられている。リアプレート26は、スプロケット21に対して軸方向の他方側に設けられ、中央部に嵌合孔27を有している。カムシャフト92は、リアプレート26の嵌合孔27に嵌め入れられている。スプロケット21、フロントプレート25およびリアプレート26は、ボルト28により一体に固定されている。ハウジング20は、クランクシャフト91と一体に回転可能である。
ベーンロータ30は、ハウジング20内で当該ハウジング20に対して相対回転可能に設けられており、ボス部31および複数のベーン部32を形成している。ボス部31は、後述のスリーブボルト28によってカムシャフト92に固定されている。ベーン部32は、ボス部31から径外方向へ突き出し、ハウジング20の内部空間すなわちスプロケット21の2つの突出部24の間にある空間を、周方向一方側の進角室33と周方向他方側の遅角室34とに仕切っている。進角室33は、特許請求の範囲に記載の「第1油圧室」に相当し、遅角室34は、特許請求の範囲に記載の「第2油圧室」に相当する。
ベーンロータ30は、供給油路37、進角油路35および遅角油路36を有している。進角油路35は、一端が進角室33に接続されており、他端がボス部31の内壁面に開口している。遅角油路36は、一端が遅角室34に接続されており、他端がボス部31の内壁面に開口している。供給油路37は、一端がボス部31のカムシャフト92側の端面に開口しており、他端がボス部31の内壁面に開口している。
カムシャフト92の外部供給油路94は、特許請求の範囲に記載の「外部の油供給部」に相当し、例えばエンジンブロック等の油路95を介してオイルポンプ96と連通している。供給油路37は外部供給油路94に接続されている。
ベーンロータ30は、進角室33および遅角室34の一方に供給される作動油の圧力を受けることによってハウジング20に対して相対回転し、ハウジング20に対する回転位相を進角側または遅角側に変化させる。
図1〜図3に示すように、油路切換弁40は、スリーブボルト41およびスプール48を有している。
スリーブボルト41は、ベーンロータ30に対してカムシャフト92とは反対側からベーンロータ30に挿入され、カムシャフト92にねじ込まれている。また、スリーブボルト41は、頭部42とねじ部43との間においてベーンロータ30の内側に位置するバルブボディ44を形成している。バルブボディ44は、進角油路35に接続されている進角ポート45、遅角油路36に接続されている遅角ポート46、および、供給油路37に接続されている供給ポート47を有している。
進角ポート45は、油路切換弁40から進角室33へ作動油を吐出するときのポートであるとともに、進角室33から作動油を排出するときのポートでもある。進角ポート45は、特許請求の範囲に記載の「第1ドレンポート」、「第1吐出ポート」に相当する。
遅角ポート46は、油路切換弁40から遅角室34へ作動油を吐出するときのポートであるとともに、遅角室34から作動油を排出するときのポートでもある。遅角ポート46は、特許請求の範囲に記載の「第2ドレンポート」、「第2吐出ポート」に相当する。
スプール48は、バルブボディ44の内側で軸方向へ往復移動可能であり、軸方向位置に応じてバルブボディ44の各ポート同士を選択的に接続可能である。具体的には、スプール48は、進角室33に作動油を供給しつつ遅角室34から作動油を排出するとき、供給ポート47と進角ポート45とを接続しつつ、遅角ポート46を開いてドレン油路51に接続する。ドレン油路51は、バルブボディ44の内壁面とスプール48の端面とにより区画されているドレン空間52と、スプール48内に形成されている有底穴53と、有底穴53の底部側で径方向へ貫通している通孔54とを含む油路である。また、スプール48は、遅角室34に作動油を供給しつつ進角室33から作動油を排出するとき、供給ポート47と遅角ポート46とを接続しつつ、進角ポート45を開いてドレン油路51に接続する。
スリーブボルト28の頭部42の内側にはストッパプレート55が嵌め付けられており、スプール48は、スプリング56によってストッパプレート55側に付勢されている。スプール48の軸方向位置は、スプリング56の付勢力と、ストッパプレート55に対してスプール48とは反対側に設けられたリニアソレノイド97の可動子の吸引力とのバランスによって決まる。
逆止弁60は、カムシャフト92とベーンロータ30との間に挟持されている。本実施形態では、逆止弁60は、リードバルブであり、外部供給油路94から供給油路37への作動油の流通を許容し、供給油路37から外部供給油路94への作動油の流通を阻止する。これにより、供給油路37の作動油が外部供給油路94側へ逆流することが防止される。
以上のように構成されたバルブタイミング調整装置10では、回転位相が目標値よりも遅角側である場合、図3に示すように油路切換弁40によって進角室33に作動油が供給されつつ遅角室34の作動油が排出される。これにより、ベーンロータ30がハウジング20に対して進角側に相対回転する。
また、回転位相が目標値よりも進角側である場合、図4に示すように油路切換弁40によって遅角室34に作動油が供給されつつ進角室33の作動油が排出される。これにより、ベーンロータ30がハウジング20に対して遅角側に相対回転する。
また、回転位相が目標値と一致する場合、図5に示すように油路切換弁40によって進角室33および遅角室34が閉じられる。これにより、回転位相が保持される。
(特徴構成)
次に、バルブタイミング調整装置10の特徴構成について図1〜図8を参照して説明する。
図1〜図5に示すように、バルブボディ44は、有底筒状であり、筒部71および底部72を有している。筒部71は、ベーンロータ30と同軸上に位置している。スプール48は、筒部71の内壁面73と摺動可能である。底部72は、ねじ部43側に位置している。遅角ポート46は、進角ポート45よりも底部72側に位置している。本実施形態では、底部72側から順に遅角ポート46、供給ポート47および進角ポート45が設けられている。遅角ポート46は、遅角室34から作動油を排出するときドレン空間52に連通する。
スプール48は有底筒状である。スプール48の開口端部は、バルブボディ44の底部72側に位置している。スプール48の底部は、ストッパプレート55側に位置している。
図2、図3に示すように、進角ポート45は、バルブボディ44の筒部71の内壁面73から径方向外側にくぼむ凹所である進角用リセス74を含む。本実施形態では、進角ポート45は、バルブボディ44の軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である進角用リセス74と、当該進角用リセス74から放射状に延びるように形成されている複数の通孔75とを含む。進角用リセス74は、特許請求の範囲に記載の「他のドレン用リセス」に相当する。
図3、図6に示すように、遅角ポート46は、バルブボディ44の筒部71の内壁面73から径方向外側にくぼむ凹所である遅角用リセス76を含む。本実施形態では、遅角ポート46は、バルブボディ44の軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である遅角用リセス76と、当該遅角用リセス76から放射状に延びるように形成されている複数の通孔77とを含む。遅角用リセス76は、特許請求の範囲に記載の「ドレン用リセス」に相当する。
図3、図7に示すように、供給ポート47は、バルブボディ44の筒部71の内壁面73から径方向外側にくぼむ凹所である供給用リセス78を含む。本実施形態では、供給ポート47は、バルブボディ44の軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である供給用リセス78と、当該供給用リセス78から放射状に延びるように形成されている複数の通孔79とを含む。
図3に示すように、遅角用リセス76の径方向深さH1は供給用リセス78の径方向深さH2よりも浅い。本実施形態では、遅角用リセス76の径方向深さH1および進角用リセス74の径方向深さH3は0.35mmであり、供給用リセス78の径方向深さH2は0.65mmである。
ここで、図14〜図16を参照して、遅角用リセス203の径方向深さH4および進角用リセス204の径方向深さH5が0.65mmである比較形態のバルブタイミング調整装置200について考える。図14に示すように、逆止弁60が設けられるバルブタイミング調整装置200の場合、ベーンロータ30の回転位相を保持しているとき、逆止弁60の作用により、進角室および遅角室の油圧は供給油圧とほぼ同じの比較的高い圧力に維持される。供給油圧とは、外部供給油路94に供給される作動油の圧力である。この状態から、バルブボディ201の底部72側に位置する遅角ポート202を通じて遅角室から作動油が排出されると、遅角室とドレン油路51との差圧が大きいことと、遅角用リセス203の開口面積が急激に増大することとが相俟って、図15に示すように遅角用リセス203付近のドレン油路51の油圧が高圧になるとともに、図16に示すようにドレン油路51に大流量の作動油が流れる。図16および後述の図10において、矢印は作動油の流れ方向を示しており、矢印の太さは流体力の大きさを示している。
そのため、ドレン油路51の一部であるドレン空間52をバルブボディ201とともに区画しているスプール48の開口端部には、ドレン油路51の作動油の高油圧が作用する。また、ドレン油路51の作動油の流れを受け止めるように存在するスプール48の底部には、ドレン油路51の大流量の作動油による流体力が作用する。その結果、図11に示すように、遅角用リセス203の径方向深さH4が0.65mmであり、供給油圧の上限が800kPaである条件下においては、遅角室34から作動油を排出するときスプール48にかかる最大荷重は16Nを超えてしまう。したがって、遅角室34から作動油を排出するときのリニアソレノイド97の可動子の吸引力、すなわちリニアソレノイド97によるスプール保持力の最小値が9Nである場合、比較形態では、スプール48の挙動が不安定になるおそれがある。
これに対して、第1実施形態では、図8に示すようにバルブボディ44の底部72側に位置する遅角ポート46を通じて遅角室から作動油が排出されるとき、比較的浅い遅角用リセス76で油路が絞られることによって圧力損失が生じる。これにより、比較形態の図16と比べて、図10に示すように遅角ポート46からドレン油路51への過多な作動油の排出が抑制される。また、比較形態の図15と比べて、図9に示すように遅角ポート46付近のドレン油路51の油圧が高圧になることが抑制される。その結果、図11に示すように、遅角用リセス76の径方向深さH1が0.35mmであり、供給油圧の上限が800kPaである条件下においては、遅角室から作動油を排出するときスプール48にかかる最大荷重は8Nを下回る。したがって、リニアソレノイド97によるスプール保持力の最小値が9Nである場合、第1実施形態によればスプール48の挙動が安定する。
因みに、供給用リセス78が形成されないか或いは遅角用リセス76と同様に浅く形成されると、供給ポートから出た作動油のほとんどが真っ直ぐスプールの段付部に向かって流れることになる。そうなると、供給ポートの油圧は供給油圧とほぼ同じであり比較的高圧なので、スプールに大きな流体力が作用してしまう。これに対して、第1実施形態のように供給用リセス78を比較的深く形成すると、通孔79から出た作動油の何割かが供給用リセス78内を周方向へ流れたのち、スプール48の段付部に向かって流れることになる。これにより、スプール48に作用する流体力が下がり、スプール48の挙動が安定する。
(効果)
以上説明したように、第1実施形態では、バルブボディ44は、有底筒状であり、カムシャフト92の外部供給油路94と連通可能な供給ポート47、進角室33に連通している進角ポート45、および、遅角室34に連通している遅角ポート46を有している。遅角ポート46は、進角ポート45よりもバルブボディ44の底部72側に位置している。スプール48は、バルブボディ44とともにドレン空間52を区画しており、当該ドレン空間52へ遅角室34の作動油を排出するとき遅角ポート46を開く。
供給ポート47は、バルブボディ44の筒部71の内壁面73から径方向外側にくぼむ凹所である供給用リセス78を含む。遅角ポート46は、筒部71の内壁面73から径方向外側にくぼむ凹所である遅角用リセス76を含む。遅角用リセス76の径方向深さH1は、供給用リセス78の径方向深さH2よりも浅い。
このように構成することで、バルブボディ44の底部72側に位置する遅角ポート46を通じて遅角室34から作動油が排出されるとき、比較的浅い遅角用リセス76で油路が絞られることによって圧力損失が生じる。これにより、遅角ポート46からドレン空間52への過多な作動油の排出が抑制されるとともに、ドレン空間52の油圧が高圧になることが抑制される。したがって、スプール48の挙動が乱れず、ベーンロータ30の回転位相制御の精度が低下することを抑制可能である。
また、第1実施形態では、遅角用リセス76の径方向深さH1は0.35mmである。
発明者は、供給油圧の上限が800kPaである条件下においては、径方向深さH1が0.35mmである場合、遅角ポート46を通じて作動油が排出されるときに十分な油排出抑制効果を得ることができ、また、遅角ポート46を通じて作動油が供給されるときに十分な流量を得ることができることを実験および数値解析により知見した。
また、第1実施形態では、遅角ポート46は、バルブボディ44の軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である遅角用リセス76と、当該遅角用リセス76から放射状に延びるように形成されている複数の通孔77とを含む。
このように遅角用リセスが環状溝である場合、従来(比較形態)のように遅角用リセスの径方向深さが比較的深いと、作動油の排出時に遅角用リセスの全周から作動油が噴き出すように流れてしまう。
これに対して、第1実施形態のように遅角用リセス76の径方向深さH1が比較的浅いと、図6に示すように、作動油の排出時に通孔77の縁から遅角用リセス76内を周方向へ作動油が流れるとき大きな圧力損失が生じる。これにより、作動油の排出時に遅角用リセス76の全周から作動油が流出することが抑制されるため、過多な作動油の排出を抑制することができる。
また、第1実施形態では、進角ポート45は、進角室33から作動油を排出するときのポートであるとともに、進角室33へ作動油を供給するときのポートでもある。また、遅角ポート46は、遅角室34から作動油を排出するときのポートであるとともに、遅角室34へ作動油を供給するときのポートでもある。
このように供給ポートとドレンポートとを共用するように構成された場合であっても、遅角用リセス76の径方向深さH1および進角用リセス204の径方向深さH3を0.35mmに設定することによって、作動油が排出されるときに十分な油排出抑制効果を得つつ、作動油が供給されるときに十分な流量を得ることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置100について図12を参照して説明する。
第2実施形態では、バルブボディ101は、進角室33へ作動油を吐出するときのポートである第1吐出ポート102と、進角室33から作動油を排出するときのポートである第1ドレンポート103と、遅角室34へ作動油を吐出するときのポートである第2吐出ポート104と、遅角室34から作動油を排出するときのポートである第2ドレンポート105とを有している。
第1吐出ポート102は、バルブボディ44の軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である第1吐出用リセス106と、当該第1吐出用リセス106から放射状に延びるように形成されている複数の通孔107とを含む。
第1ドレンポート103は、バルブボディ44の軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である第1ドレン用リセス108と、当該第1ドレン用リセス108から放射状に延びるように形成されている複数の通孔109とを含む。第1ドレン用リセス108は、特許請求の範囲に記載の「他のドレン用リセス」に相当する。
第2吐出ポート104は、バルブボディ44の軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である第2吐出用リセス110と、当該第2吐出用リセス110から放射状に延びるように形成されている複数の通孔111とを含む。第2吐出用リセス110は、特許請求の範囲に記載の「吐出用リセス」に相当する。
第2ドレンポート105は、バルブボディ44の軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である第2ドレン用リセス112と、当該第2ドレン用リセス112から放射状に延びるように形成されている複数の通孔113とを含む。第2ドレン用リセス112は、特許請求の範囲に記載の「ドレン用リセス」に相当する。
第1吐出用リセス106の径方向深さH6、第1ドレン用リセス108の径方向深さH7、第2吐出用リセス110の径方向深さH8は、0.65mmである。一方、第2ドレン用リセス112の径方向深さH9は0.35mmである。つまり、径方向深さH9は、径方向深さH6、H7、H8よりも浅い。
以上説明したように、第1ドレンポート103が第1吐出ポート102とは別に設けられ、また第2ドレンポート105が第2吐出ポート104とは別に設けられる場合であっても、第2ドレン用リセス112が第1吐出用リセス106、第1ドレン用リセス108および第2吐出用リセス110よりも浅く設定されることによって、第1実施形態と同様にベーンロータ30の回転位相制御の精度が低下することを抑制可能である。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置120について図13を参照して説明する。
第3実施形態では、バルブボディ121の第2ドレンポート122は第2ドレン用リセス123を含む。第2ドレン用リセス123は、特許請求の範囲に記載の「ドレン用リセス」に相当する。第2ドレン用リセス123は、図13に示すように軸心に直交する断面において、通孔113の縁から周方向へ離れるほど径方向深さが深いディフューザ部124を有している。ディフューザ部124の最も浅い箇所、すなわち通孔113の縁の深さは、例えば0.1〜0.4mmに設定される。
このように構成することで、作動油の排出時に通孔113の縁からディフューザ部124を周方向へ作動油が流れるとき大きな圧力損失が生じる。これにより、作動油の排出時に第2ドレン用リセス123の全周から作動油が流出することが抑制されるため、過多な作動油の排出を抑制することができる。
[他の実施形態]
本発明の他の実施形態では、各ポートに含まれるリセスは、環状溝でなくてもよい。つまり、ポートは、周方向で互いに間隔をあけて配置された複数のリセスを含むよう構成されてもよい。
本発明の他の実施形態では、遅角用リセスの径方向深さ、および、第2ドレン用リセスの径方向深さは、0.35mmでなくてもよい。要するに、遅角用リセスの径方向深さ、および、第2ドレン用リセスの径方向深さは、供給用リセスの径方向深さよりも浅ければよい。
本発明の他の実施形態では、進角用リセスの径方向深さは、供給用リセスの径方向深さと同じに設定され、遅角用リセスの径方向深さより深くなってもよい。
本発明の他の実施形態では、バルブタイミング調整装置は、内燃機関の排気弁のバルブタイミングを調整するものであってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10、100、120・・・バルブタイミング調整装置
20・・・ハウジング
30・・・ベーンロータ
44、101、121・・・バルブボディ
45、103・・・第1ドレンポート
46、105、122・・・第2ドレンポート
47・・・供給ポート
48・・・スプール
51・・・ドレン油路
52・・・ドレン空間
71・・・筒部
72・・・底部
73・・・内壁面
76、112、123・・・ドレン用リセス
78・・・供給用リセス
H1、H2、H9・・・径方向深さ

Claims (8)

  1. 内燃機関(90)の駆動軸(91)から従動軸(92)まで駆動力を伝達する駆動力伝達経路に設けられ、前記従動軸により開閉駆動されるバルブのバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置(10、100、120)であって、
    前記駆動軸および前記従動軸の一方と連動して回転可能なハウジング(20)と、
    前記駆動軸および前記従動軸の他方と連動して回転可能であり、前記ハウジングの内部空間を周方向一方側の第1油圧室(33)と周方向他方側の第2油圧室(34)とに仕切るベーン部(32)を形成しているベーンロータ(30)と、
    筒部(71)および底部(72)を有する有底筒状であり、前記ベーンロータの中央部で当該ベーンロータと同軸上に設けられており、外部の油供給部(94)と連通可能な供給ポート(47)、前記第1油圧室に連通している第1ドレンポート(45、103)、および、前記第2油圧室に連通している第2ドレンポート(46、105、122)を有しているバルブボディ(44、101、121)と、
    前記バルブボディの前記筒部の内側で軸方向へ移動可能であり、前記バルブボディの前記底部との間にドレン空間(52)を区画しており、前記ドレン空間を含むドレン油路(51)へ前記第2油圧室の作動油を排出するとき、前記第1ドレンポートよりも前記バルブボディの前記部側に位置する前記第2ドレンポートを開くスプール(48)と、
    を備え、
    前記供給ポートは、前記バルブボディの前記部の内壁面(73)から径方向外側にくぼむ凹所である供給用リセス(78)を含み、
    前記第2ドレンポートは、前記筒部の前記内壁面から径方向外側にくぼむ凹所であるドレン用リセス(76、112、123)を含み、
    前記ドレン用リセスの径方向深さ(H1、H9)は前記供給用リセスの径方向深さ(H2)よりも浅いことを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記スプールを駆動する駆動部(97)をスプール駆動部と呼び、当該スプール駆動部が前記スプールの軸方向位置を保持する力をスプール保持力と呼ぶ場合において、
    前記第2油圧室の作動油を排出するときの前記スプール保持力の最小値は8〜10Nであり、
    前記油供給部に供給される作動油の圧力が800kPa以下であり、
    前記ドレン用リセスの径方向深さは0.35mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第2ドレンポートは、前記バルブボディの軸心周りの全周にわたって形成されている環状溝である前記ドレン用リセスと、当該ドレン用リセスから放射状に延びるように形成されている複数の通孔(77、113)とを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記ドレン用リセス(123)は、前記軸心に直交する断面において、前記通孔の縁から周方向へ離れるほど径方向深さが深いディフューザ部(124)を有していることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置(120)。
  5. 前記第1ドレンポート(45)は、前記バルブボディから前記第1油圧室へ作動油を吐出するときのポートである第1吐出ポートでもあり、
    前記第2ドレンポート(46)は、前記バルブボディから前記第2油圧室へ作動油を吐出するときのポートである第2吐出ポートでもあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記バルブボディ(101)は、前記第1ドレンポート(103)および前記第2ドレンポート(105)とは別に、前記第1油圧室へ作動油を吐出するときのポートである第1吐出ポート(102)と、前記第2油圧室へ作動油を吐出するときのポートである第2吐出ポート(104)とを有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置(100)。
  7. 前記第2吐出ポートは、前記筒部の前記内壁面から径方向外側にくぼむ凹所である吐出用リセス(110)を含み、
    前記ドレン用リセスの径方向深さ(H9)は前記吐出用リセスの径方向深さ(H8)よりも浅いことを特徴とする請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記第1ドレンポートは、前記筒部の前記内壁面から径方向外側にくぼむ凹所である他のドレン用リセス(108)を含み、
    前記ドレン用リセスの径方向深さは前記他のドレン用リセスの径方向深さ(H7)よりも浅いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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