JP6135330B2 - ハードコートフィルム - Google Patents

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本発明は、ハードコートフィルムに関する。
近年、透明なフィルムの傷付き(擦傷)防止や汚染防止のために、硬化性樹脂の塗工により表面にハードコート層を設けたハードコートフィルムが広く使用されている。このようなハードコートフィルムは、タッチパネル等の表示装置、メンブレンスイッチ、キーパッド等の表面材料、液晶表示素子を構成する液晶セルの電極基板、位相差フィルム、タッチパネル用透明電極付フィルム等の光学フィルムとして用いられている。
上記ハードコートフィルムには、高い硬度、耐擦傷性、透明性、耐薬品性、耐屈曲性、耐ブロッキング性(滑り性)等の種々の性能が要求される。これらの性能の中でも、耐屈曲性が低いと、フィルムの取り扱い時に折れ曲がったり、割れが生じたりして、製品価値を損なう場合も生じる。フィルムの折れ曲がりや割れの発生を回避するために、他の保護フィルムを貼合することなどもあるが、この場合生産コストが上昇するという不都合がある。また、耐ブロッキング性が低いと、ロール状に巻き取る際にブロッキングが生じ、巻き取りや次工程での巻き出しが困難となって生産性が低下したり、剥離帯電が生じる場合がある。ここで、ハードコート層の硬度を下げることで上記耐屈曲性を高めることができるが、この場合耐ブロッキング性が低下するため、耐屈曲性と耐ブロッキング性とを共に高め、ハンドリング性を高めることは困難とされている。
このような中、ハードコートフィルムに求められる種々の性能を高める技術として、屈折率1.50以上の金属酸化物粒子と特定のウレタン(メタ)アクリレート化合物とを含有する硬化性組成物(特開2006−182826号公報参照)、紫外線硬化樹脂と高分子量ポリエステル樹脂の粒子とを含有するハードコートフィルム(特許2974576号公報参照)、及び反応性を有する酸化物粒子と重合性有機化合物と特定のポリシロキサン化合物とを含有する硬化性組成物(特開2002−187921号公報参照)、特定のウレタン(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレート及び光重合開始剤からなる紫外線硬化性樹脂組成物(特開2004−51804号公報及び特開2012−11766号公報参照)が提案されている。しかし、上記いずれの技術を用いたハードコートフィルムも、耐屈曲性と耐ブロッキング性とが共に十分に高められたものではない。
特開2006−182826号公報 特許2974576号公報 特開2002−187921号公報 特開2004−51804号公報 特開2012−11766号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、耐屈曲性と耐ブロッキング又は硬度とが共に高く、ハンドリング性(ロール状への巻き取り及び巻き出しの際の作業性等)に優れるハードコートフィルム、及びこのようなハードコートフィルムを形成することができる硬化性組成物を提供することを目的とする。
発明者は、鋭意検討した結果、ナノインデンテーション法で測定したハードコート表面の弾性率と、樹脂基板の表面の弾性率が特定の値を示したとき、耐屈曲性に加えて、ハードコート層表面の物理的性状としての耐ブロッキング性及び硬度の少なくとも一方が高まり、ハードコートフィルムのハンドリング性が高まることを見出し、本発明の完成に至った。
上記課題を解決するためになされた発明は、
透明樹脂基板上の少なくとも片面にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、
ナノインデンテーション法で測定した上記ハードコート層の表面の弾性率をN1、上記透明樹脂基板表面の弾性率をN2とした場合、N1>N2であり、且つN1=2.1〜5.0GPaであることを特徴とする。
当該ハードコートフィルムは、耐屈曲性と耐ブロッキングとが共に高いため、取り扱う際の折れ曲がり、割れ、フィル同士の貼り付き等の発生が抑えられ、ハンドリング性(ロール状への巻き取り及び巻き出しの際の作業性等)に優れる。
当該ハードコートフィルムはナノインデンテーション法で測定した上記ハードコート層の表面の押し込み仕事量の弾性部分の割合が50%以上であることが好ましい。
当該ハードコートフィルムは、円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてクラックが生じるマンドレルの直径が2mm以下であることが好ましい。
当該ハードコートフィルムは、スチールウール擦傷性試験で上記ハードコート層表面にキズが発生しないことが好ましい。
さらに、当該ハードコートフィルムは、表面の鉛筆硬度が3B以上であることを特徴とするハードコートフィルムも本発明に含まれる。このように、耐屈曲性と硬度とを共に高めることによっても、ハードコートフィルムのハンドリング性を高めることができる。
上記ハードコート層が硬化性組成物により形成されており、
この硬化性組成物が、
ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物粒子と、重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物とを結合させてなる反応性粒子を含有することが好ましい。
このような硬化性組成物を用いてハードコート層を形成することで、当該ハードコートフィルムにおける上記諸性能を効果的に発揮させることができる。
上記透明樹脂基板が環状オレフィン系樹脂からなることが好ましい。基板に環状オレフィン系樹脂を用いることで、耐熱性、耐久性、透明性等をさらに高めることができる。
以上説明したように、本発明のハードコートフィルムは、耐屈曲性と耐ブロッキング又は硬度とが共に高く、ハンドリング性(ロール状への巻き取り及び巻き出しの際の作業性等)に優れる。このため、本発明のハードコートフィルムによれば、従来用いられていた保護フィルムを不要とし、コストダウンを図ることもできる。また、本発明の硬化性組成物は、このようなハードコートフィルムを得ることができる。従って、本発明のハードコートフィルム及び硬化性組成物は、タッチパネル等の材料として好適に用いることができる。
本発明の一実施形態に係るハードコートフィルムを示す模式的断面図 耐ブロッキング性試験に用いる装置を示す模式図
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明のハードコートフィルム及び硬化性組成物の実施の形態を詳説する。
[ハードコートフィルム]
図1のハードコートフィルム1は、透明な基板2と、この基板2の少なくとも一方の面(表面側)に積層されるハードコート層3とを備える。
(弾性率)
当該ハードコートフィルム1および当該基板2は、その表面をナノインデンテーション法よって得られた弾性率をそれぞれN1、N2としたとき、N1>N2を満たす。
また、N1は2.1〜5.0GPaが好ましく、さらに3.5〜5.0GPaがより好ましい。
また、N2は2.5〜4.5GPaが好ましく、さらに2.7〜3.7GPaがより好ましい。
(弾性変形率/塑性変形率)
当該ハードコートフィルム1は、その表面をナノインデンテーション法で得られた押し込み仕事量の弾性部分の割合が50%以上であることが好ましい。
(耐屈曲性)
当該ハードコートフィルム1は、円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてクラックが生じるマンドレルの直径が2mm以下である。当該ハードコートフィルム1は、このように高い耐屈曲性を有する。
ここで、「円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験」とは、JIS K5600−5−1:1999塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第1節:耐屈曲性(円筒形マンドレル法)に準拠し、タイプ1の試験装置を用いて測定した値をいう。また、クラックは、ハードコート層そのものの剥離、ハードコート層/基材層の界面の剥離等により生じ、目視にて視認される白色線とする。なお、直径2mmのマンドレルを用いてクラックが生じなかった場合、クラックが生じるマンドレルの直径は2mm以下といえる。
このようにハードコートフィルム1においてクラックが生じるマンドレルの直径を2mm以下とする手段としては、後述するような基板2及びハードコート層3の厚みや用いる材料を調製する方法が挙げられる。
(耐ブロッキング性)
当該ハードコートフィルム1は、耐ブロッキング性試験による滑り出し荷重が10kg以下であることが好ましい。当該ハードコートフィルム1はこのような場合、高い耐ブロッキング性を有する。
ここで、上記耐ブロッキング性試験について図2を参照にしつつ説明する。
(1)10cm角とした当該ハードコートフィルム21、31を2枚用意する。これらのハードコートフィルム21、31は、本発明の上記ハードコートフィルム1と同様のものである。ハードコートフィルム21は、透明な基板22と、この基板22の表面側に積層されるハードコート層23とを備える。ハードコートフィルム31も同様に、透明な基板32と、この基板32の表面側に積層されるハードコート層33とを備える。
(2)一のハードコートフィルム21を表面側(ハードコート層23側)が上向きとなるようにSUS鏡面板表面に固定し、この上に表面同士(ハードコート層23、33同士)が重なり合うように他のハードコートフィルム31を重ねる。上記SUS鏡面板としては、秤量台12を用いることができる。なお、ハードコートフィルム21の両端部分は固定部材13により固定される。
(3)次いで、この重ね合わされた2枚のハードコートフィルム21、31に対し5kgのローラを5往復させて圧着させる。この際、ハードコートフィルム21、31への荷重は実質的に上記ローラの自重のみとする。
(4)次いで、圧着した他のハードコートフィルム31上の25cmの領域Dに45°の斜め方向から荷重をかけ、他のハードコートフィルム31が滑り出したときの荷重を測定する。上記領域Dは、他のハードコートフィルム31の略中央である。この荷重手段としては、円柱状の金属棒の一部を45°に切断してなる荷重測定用棒14を用いて直接押す方法を採ることができる。また、この測定される荷重は、斜め45°方向の荷重では無く、秤量台12で直接計測される鉛直方向の荷重とする。
当該ハードコートフィルム1は、上記耐屈曲性試験においてクラックが生じないことから耐屈曲性が高く、耐ブロッキング性試験における滑り出し荷重が大きいことから耐ブロッキング性が高い。このように当該ハードコートフィルム1は、耐屈曲性と耐ブロッキングとが共に高いため、ロール状への巻き取り及び巻き出しの際の作業性に優れる。
(硬度)
当該ハードコートフィルム1のハードコート層3の表面の鉛筆硬度としては3B以上が好ましく、2B又はBがより好ましい。このような範囲の鉛筆硬度とすることで、上述の高い耐屈曲性と耐ブロッキング性とを維持しつつ、高い硬度を付与することができる。
ここで、「鉛筆硬度」とは、JIS K5600−5−4 ひっかき硬度(鉛筆法)に準拠して測定される値をいう。
(透明性)
当該ハードコートフィルム1の全光線透過率は85%以上が好ましく、86%以上がより好ましい。加えて、当該ハードコートフィルム1のヘイズ値は1%以下が好ましく、0.01%以上0.5%以下がより好ましい。全光線透過率及びヘイズ値を上記範囲とすることで、透明性等を高め、タッチパネル等により好適に用いることができる。
ここで、「全光線透過率」及び「ヘイズ値」とは、JIS K7361:1997に準拠して測定される値をいう。
また、当該ハードコートフィルム1の全光線透過率と、基板2のみの全光線透過率との差が1%以内であり、かつ、当該ハードコートフィルム1のヘイズ値と、基板2のみのヘイズ値との差が1%以内であることが好ましい。このような場合、ハードコート層3が特に高い透明性を有するため、タッチパネル等にさらに好適に用いることができる。
(基板2)
基板2は透明であり、無色透明が好ましい。基板2を形成する材料としては、特に限定されず、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、環状オレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース、ABS、AS等の合成樹脂、ガラス等を挙げることができる。これらの中でも、合成樹脂が好ましく、環状オレフィン系樹脂がより好ましい。このような樹脂を用いることで、より高い耐熱性、耐久性及び透明性を発揮させることができる。
上記環状オレフィン系樹脂としては、下記式(X)で表される単量体及び下記式(Y)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体から得られる樹脂、並びに当該樹脂を水素添加することで得られる樹脂が好ましい。
Figure 0006135330
上記式(X)中、Rx1〜Rx4は、それぞれ独立して、下記(i)〜(viii)より選ばれる原子又は基である。k、m及びpは、それぞれ独立して、0以上の整数である。
(i)水素原子
(ii)ハロゲン原子
(iii)トリアルキルシリル基
(iv)置換又は非置換の炭素数1〜30の炭化水素基の炭素−炭素間に酸素原子、硫黄原子、窒素原子又はケイ素原子を有する基を含む基
(v)置換又は非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi)極性基(但し(iv)を除く)
(vii)Rx1とRx2又はRx3とRx4とが、互いに結合して形成されたアルキリデン基を表し、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して、上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基である。
(viii)Rx1とRx2又はRx3とRx4とが、互いに結合して形成された単環若しくは多環の炭化水素基又は複素環基であり、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基であるか、Rx2とRx3とが、互いに結合して形成された単環の炭化水素基又は複素環基であり、この結合に関与しないRx1及びRx4は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基である。
Figure 0006135330
上記式(Y)中、Ry1及びRy2は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基であるか、Ry1とRy2とが、互いに結合して形成された単環若しくは多環の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基を表す。K及びPは、それぞれ独立して、0以上の整数である。
上記(ii)のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
上記(iii)のトリアルキルシリル基としては、例えばアルキル基の炭素数が1〜12のトリアルキルシリル基等が挙げられ、アルキル基の炭素数が1〜6のトリアルキルシリル基が好ましい。このようなトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。
上記(iv)における酸素原子、硫黄原子、窒素原子又はケイ素原子を有する基としては、例えばカルボニル基(−CO−)、カルボニルオキシ基(−COO−)、スルホニル基(−SO−)、エーテル結合(−O−)、チオエーテル結合(−S−)、イミノ基(−NH−)、アミド結合(−NHCO−)およびシロキサニル基(−OSi(R)−(Rはメチル、エチル等のアルキル基である))等が挙げられる。これらの中でも、カルボニルオキシ基(*−COO−)及びシロキサニル基(−OSi(R)−)が好ましい。ただし、*が式(X0)の環に結合する。
上記(v)の炭化水素基としては、置換又は非置換の炭素数1〜15の炭化水素基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ビフェニル基、フェニルエチル基等の芳香族炭化水素基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましい。上記置換基としては、例えばヒドロキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記(vi)の極性基としては、例えばヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニルオキシ基;シアノ基;アミノ基;アシル基;スルホ基;カルボキシル基等が挙げられる。
上記(vii)のアルキリデン基としては、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基等が挙げられる。
上記(viii)の単環若しくは多環の炭化水素基及び複素環基、並びに上記(ix)の単環若しくは多環の脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及び複素環基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロへプチレン基、シクロブテニレン基、シクロペンテニレン基、シクロヘキセニレン基、シクロヘキセニレン基、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
、m、p、k及びpとしては、0〜3の整数が好ましい。また、k+m+pとしては、0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、1がさらに好ましい。k+pとしては、0〜4の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。mが0であり、k+pが1である環状オレフィン系単量体を用いると、ガラス転移温度が高く、かつ機械的強度にも優れた樹脂が得られるため好ましい。
上記式(X)又は(Y)で表される環状オレフィン系単量体としては、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−t−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヘプチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ドデシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−(4−ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フェニルカルボニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
、5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリメトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8,9−トリメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8,9−トリクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカ−3−エン、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
なお、これら環状オレフィン系単量体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明に用いられる環状オレフィン系単量体の種類及び量は、得られる樹脂に求められる特性により適宜選択される。
これら環状オレフィン系単量体のうち、その分子内に酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びケイ素原子から選ばれる少なくとも1種を含む構造(以下「極性構造」ともいう。)を有する化合物を重合した樹脂が好ましく、上記式(X)における、Rx1及びRx3が、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基、好ましくは水素原子又はメチル基であり、かつRx2又はRx4のいずれか1つが極性構造を有する基であって、他が水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基である化合物を重合した樹脂がより好ましい。また、Ry1又はRy2のいずれか1つが極性構造を有する基であって、他が水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基である化合物を重合した樹脂は、吸水性(吸湿性)が低くさらに好ましい。さらに、上記極性構造を有する基が下記式(Z)で表わされる基である環状オレフィン系単量体は、得られる樹脂の耐熱性と吸水性(吸湿性)とのバランスを調整するのが容易であるため、好ましく用いられる。
−(CHCOOR (Z
(式(Z)中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜15の炭化水素基である。zは、0〜10の整数である。)
上記式(Z)において、zの値が小さい基ほど得られる水素添加物のガラス転移温度が高くなり耐熱性に優れるので、zとしては0〜3の整数が好ましく、zが0である単量体はその合成が容易である点でより好ましい。また、上記式(Z)におけるRとしては、炭素数が多いほど得られる重合体の水素添加物の吸水性(吸湿性)が低下する傾向があり、ガラス転移温度が低下する傾向もあるので、炭素数1〜10の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜6の炭化水素基がより好ましい。
なお、上記式(X)において、上記式(Z)で表される基が結合した炭素原子に、炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基が結合していると、耐熱性と吸水性(吸湿性)のバランスの良い化合物となる傾向にあるため好ましい。さらに、上記式(X)において、mが0であり、かつ、k+pが1である化合物は、反応性が高く、高収率で重合体が得られること、また、耐熱性が高い重合体水素添加物が得られること、さらに工業的に入手しやすいことから好適に用いられる。
上記環状オレフィン系樹脂は、上記環状オレフィン系単量体とこの単量体と共重合可能な単量体とを本発明の効果を損なわない範囲で共重合させたものであってもよい。このような共重合可能な単量体としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン、1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエン等が挙げられる。これらの共重合可能な単量体は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
上記環状オレフィン系単量体の重合方法としては、単量体の重合が可能である限り特に制限されないが、例えば開環重合又は付加重合による重合方法等が挙げられる。
上記開環重合反応により得られる重合体は、その分子中にオレフィン性不飽和結合を有している。また、上記付加重合反応においても、重合体がその分子中にオレフィン性不飽和結合を有する場合がある。このように、重合体分子中にオレフィン性不飽和結合が存在すると、かかるオレフィン性不飽和結合が経時着色やゲル化等劣化の原因となる場合があるので、このオレフィン性不飽和結合を飽和結合に変換する水素添加反応を行うことが好ましい。
水素添加反応は、通常の方法、すなわちオレフィン性不飽和結合を有する重合体の溶液に公知の水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0℃〜200℃、好ましくは20℃〜180℃で作用させることによって行うことができる。
水素添加重合体の水素添加率としては、500MHzの1H−NMRで測定されるオレフィン性不飽和結合に水素が付加した割合が通常50%以上であり、70%以上が好ましく、90%以上がより好ましく、98%以上が特に好ましく、99%以上が最も好ましい。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性に優れたものとなり、長期にわたって安定した特性を維持できる樹脂製基板となる。
上記基板2には、その他添加剤として、例えば紫外線吸収剤、可塑剤、安定剤等が含有されていてもよい。
上記基板2の平均厚みとしては、特に限定されないが、10μm以上500μm以下が好ましく、20μm以上200μm以下がより好ましい。基板2を上記範囲の平均厚みとすることで、耐屈曲性や強度等をよりバランスよく高めることができる。
上記基板2の製造方法としては、特に限定されないが、上記樹脂等を主成分とする材料を製膜すること等により製造することができる。かかる製膜方法としては、特に限定されないが、例えば溶剤キャスト法、溶融押出法、カレンダー法等の公知の成膜方法が挙げられる。なお、成膜後、基板2には延伸処理が施されていてもよい。
(ハードコート層3)
上記ハードコート層3は、通常、硬化性組成物の塗布により形成される。この硬化性組成物の好ましい組成等は後に詳述する。
上記ハードコート層3の平均厚みとしては、0.05μm以上10μm以下が好ましく、0.1μm以上5μm以下がより好ましい。ハードコート層3の平均厚みを上記範囲とすることで、耐屈曲性及び耐ブロッキング性を維持しつつ、透明性等を高めることができる。
(硬化性組成物)
上記硬化性組成物は、反応性粒子(A)及びウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)を含有することが好ましく、その他、他の(メタ)アクリレート化合物(C)等を含有することができる。
(反応性粒子(A))
上記反応性粒子(A)は、酸化物粒子(A1)と、特定の反応性基を有する有機化合物(A2)とを結合させて得ることができる。
(酸化物粒子(A1))
上記酸化物粒子(A1)は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物の粒子が好ましい。このような酸化物粒子(A1)を用いることで、透明性の高いハードコート層を得ることなどができる。
上記酸化物粒子(A1)としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、酸化セリウム等の粒子を挙げることができる。これら中でも、高硬度の観点から、シリカ、アルミナ、ジルコニア及び酸化アンチモンの粒子が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸化物粒子(A1)は、粉体状又は分散ゾルとして用いるのが好ましい。分散ゾルとして用いる場合、他の成分との分散性等の観点から、分散媒は有機分散媒が好ましい。このような有機分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。これらの中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。
なお、この粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤やアミン類等を添加してもよい。
ケイ素酸化物粒子(例えば、シリカ粒子)として市販されている商品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST−S、IPA−ST−ZL、IPA−ST−L、IPA−ST−UP、MEK−ST−L、MEK−ST−UP、MEK−ST−ZL、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製E220A、E220、富士シリシア(株)製SYLYSIA470、日本板硝子(株)製SGフレ−ク等を挙げることができる。
アルミナ粒子の水分散品としては、日産化学工業(株)製アルミナゾル−100、−200、−520;アルミナ粒子のイソプロパノール分散品としては、住友大阪セメント(株)製AS−150I;アルミナ粒子のトルエン分散品としては、住友大阪セメント(株)製AS−150T;ジルコニア粒子のトルエン分散品としては、住友大阪セメント(株)製HXU−110JC;アンチモン酸亜鉛粉末の水分散品としては、日産化学工業(株)製セルナックス;アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等の粉末及び溶媒分散品としては、シーアイ化成(株)製ナノテック;アンチモンドープ酸化スズの水分散ゾルとしては、石原産業(株)製SN−100D;ITO粉末としては、三菱マテリアル(株)製の製品;酸化セリウム水分散液としては、多木化学(株)製ニードラール等を挙げることができる。
ジルコニア粒子の市販品としては、第一稀元素化学工業(株)社製 商品名:EP、UEP、RC、日本電工(株)社製 商品名:N−PC、PCS、東ソー(株)社製 TZ−3Y−E、TZ−4YS、TZ−6YS、TZ−8YS、TZ−10YS、TZ−0等を挙げることができる。
上記酸化物粒子(A1)の形状は、特に限定されず、球状、中空状、多孔質状、環状、棒状、板状、繊維状、鎖状、不定形状等のものを用いることができ、好ましくは、球状及び鎖状である。鎖状とは、単位長さ0.05μm以下、好ましくは0.02μm以下の酸化物粒子単位が2〜200個、好ましくは10〜100個程度鎖状に細長い形状に結合したものをいう。また、鎖状の酸化物粒子は、直鎖構造であっても、枝分かれ構造であってもよい。
なお、上記酸化物粒子としては、球状の粒子と鎖状の粒子とを混合して用いることが好ましい。この2種の形状の酸化物粒子を用いることで、透明性の低下を抑えつつ、高い耐屈曲性、耐ブロッキング性及び硬度を有するハードコート層2を形成することができる。
上記酸化物粒子(A1)の平均粒子径は、0.001μm以上2μm以下が好ましく、0.003μm以上1μm以下がさらに好ましく、0.005μm以上0.5μm以下が特に好ましい。平均粒子径が2μmを超えると、硬化後の透明性が低下したり、表面状態が低化する傾向がある。逆に、平均粒子径が0.001μm未満の場合は、十分な耐ブロッキング性等を発揮できない場合がある。
上記平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、HORIBA LB−550)を用いてバッチ式測定法により測定された散乱光データからMie理論により粒度分布を自動計算させることによって得たメジアン径を意味する。メジアン径は頻度分布が累積50%に相当する粒子径である。
(有機化合物(A2))
上記有機化合物(A2)は、反応性基として重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物である。
上記重合性不飽和基としては、特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、アクリルアミド基等を挙げることができる。この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする基である。
上記加水分解性シリル基とは、シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基である。シラノール基を生成する基としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した基を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した基、すなわち、アルコキシシリル基又はアリールオキシシリル基を含有する有機化合物が好ましい。ここでアルコキシ基としては炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、アリールオキシ基としては、炭素数6〜18のアリールオキシ基が好ましい。この加水分解性シリル基(シラノール基又はシラノール基を生成する基)は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、酸化物粒子(A1)と結合する基である。
上記有機化合物(A2)として、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどから選択される、少なくとも1種のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選択される少なくとも1種のシラン化合物が、酸化物粒子(A1)との反応性が優れる点などから好ましい。
有機化合物(A2)は、重合性不飽和基及び加水分解性シリル基に加えて、さらに、下記式(1)で表される基を有することが好ましい。
Figure 0006135330
式(1)中、Xは、NH、O又はSである。Yは、O又はSである。
上記式(1)で表される基は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、単独又は2種以上有していてもよい。これらの中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基に加えて、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つを有することが好ましい。上記式(1)で表される基は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基板との密着性及び耐熱性、柔軟性等の特性を付与することができる。
有機化合物(A2)としては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006135330
上記式(2)中、R、R及びRのうち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基であり、残余は、水素原子、アルキル基又はアリール基である。Rは、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基である。Rは、2価の有機基である。Rは、(q+1)価の有機基である。Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を有する1価の有機基である。qは、1〜20の整数である。
上記式(2)中、R、R及びRで表されるアルコキシ基及びアルキル基としては炭素数1〜8のものが挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等が好ましい。また、アリールオキシ基及びアリール基としては炭素数6〜18のものが挙げられ、フェノキシ基、キシリルオキシ基、フェニル基、キシリル基等が好ましい。R(R)(R)Si−で表される基(加水分解性シリル基)としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
は、その構造中に鎖状、分岐状又は環状構造を含んでいてもよい。このような構造として、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、メチルプロピレン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基等の炭素数1〜12の脂肪族基;シクロヘキシレン基等の炭素数3〜12の脂環式基;フェニレン基、2−メチルフェニレン基、3−メチルフェニレン基、ビフェニレン基等の炭素数6〜12の芳香族基等を挙げることができる。これらの中で好ましい例はメチレン基、プロピレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基等である。
としては、分子量(基を構成する原子の合計原子量)14〜1万、特に分子量76〜500の2価の有機基が好ましい。これらの有機基としては、脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基が挙げられ、その構造として鎖状、分岐状又は環状構造を含んでいてもよい。そのような構造単位として、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、1−(メチルカルボキシル)−ペンタメチレン基等の鎖状構造の骨格を有する2価の有機基;イソフォロン、シクロヘキシルメタン、メチレンビス(4−シクロヘキサン)、水添ジエニルメタン、水添キシレン、水添トルエン等の脂環式構造の骨格を有する2価の有機基;及びベンゼン、トルエン、キシレン、パラフェニレン、ジフェニルメタン、ジフェニルプロパン、ナフタレン等の芳香環構造の骨格を有する2価の有機基から選ぶことができる。
としては、(q+1)価の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基若しくは不飽和炭化水素基が挙げられる。より具体的には、上述したRの2価の有機基の他、2−エチル−2−メチレンプロピレン等の3価の有機基、イソシアヌル骨格を有する3価の有機基、2,2−ジメチレンプロピレン等の置換アルキレン等の4価の有機基、ジペンタエリスリトール由来のアルキレン等の6価の有機基が挙げられる。これらのうち、エチレン、2−エチル−2−メチレンプロピレン、イソシアヌル骨格を有する3価の有機基、2,2−ジメチレンプロピレン等の置換アルキレン、ジペンタエリスリトール由来のアルキレンが好ましい。
Zとしては、例えばアクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタンジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基等を例示することができる。これらのうち、アクリロキシ基、メタクリロキシ基及びビニル基がより好ましい。
qは、1〜20の整数であるが、1〜10の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましい。
これらの有機化合物(A2)は、例えば、特開平9−100111号公報に記載の方法により製造することができる。
酸化物粒子(A1)と有機化合物(A2)とを結合させる方法としては、特に限定されないが、酸化物粒子(A1)と有機化合物(A2)とを、水を含む有機溶媒に混合し、加水分解・縮合反応を一度に行う方法、予め有機化合物(A2)を水を含む有機溶媒の存在下で加水分解処理した後、酸化物粒子(A1)と縮合反応させる方法、酸化物粒子(A1)と有機化合物(A2)とを水、有機溶媒、及び他の成分、例えば、分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物、ラジカル重合開始剤等と混合し、加水分解・縮合反応を一度に行う方法等が挙げられる。
これらの方法により酸化物粒子(A1)表面のケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素と、有機化合物(A2)分子中のケイ素原子が酸素原子を介して結合することにより、酸化物粒子(A1)と有機化合物(A2)とが化学的に結合した反応性粒子(A)が得られる。
なお、酸化物粒子(A1)がシリカ粒子であり、有機化合物(A2)がシラノール基又シラノール基を生成する基を有する有機化合物(A2)である場合などには、これらを水又は水を含む有機溶媒に混合後、水又は有機溶媒を減圧又は常圧下で留去することにより、シリカ粒子と有機化合物(A2)とがシリルオキシ基を介して結合してなる重合反応性シリカ粒子を製造することができる。この反応は、例えば特開平9−100111号公報の記載に基づいて行うことができる。
複数の酸化物粒子(A1)を用いる場合は、それぞれの酸化物粒子(A1)を別々に有機化合物(A2)と加水分解・縮合反応を行ってもよいし、複数の酸化物粒子(A1)を事前に混合したのち、有機化合物(A2)と加水分解・縮合反応を行ってもよい。なお、球状及び鎖状の酸化物粒子(A1)を同時に有機化合物(A2)と反応させることにより、耐ブロッキング性に優れた硬化物が得られるため好ましく用いられる。
有機化合物(A2)の結合量は、反応性粒子(A)(酸化物粒子(A1)及び有機化合物(A2)の合計)を100質量%として、好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは3質量%以上40質量部以下である。結合した有機化合物(A2)の結合量が0.01質量%未満であると、組成物中における反応性粒子(A)の分散性が十分でなく、得られる硬化物の透明性、耐ブロッキング等が十分でなくなる場合がある。
上記硬化性組成物における反応性粒子(A)の含有量は、全固形分中、30質量%以上85質量%以下が好ましく、35質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。30質量%未満であると、硬化物としたときに十分な硬度が得られない場合がある。逆に、90質量%を超えると、成膜性が不十分となり、また基板との密着性が低下することなどがある。なお、反応性粒子(A)の含有量は、固形分を意味し、反応性粒子(A)が分散媒分散ゾルの形態で用いられるときは、その含有量には分散媒の量を含まない。
(ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B))
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)は、得られる硬化物の耐屈曲性等を高める機能を有する。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、2個以上15個以下の(メタ)アクリロイル基を有することがさらに好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における、ポリスチレン換算数平均分子量が500〜50000であるウレタン(メタ)アクリレートが好適に使用される。ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)のGPCパターンは、HLC−8020型高速液体クロマトグラフ(東ソー株式会社製)を用い、GPC用カラムとしてスチレン・ジビニルベンゼン共重合体樹脂を用い、溶離液としてテトラヒドロフランを用いて測定する。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)としては、(メタ)アクリロイル基及びウレタン結合を有する化合物であれば特に制限されるものではなく、その市販品としては、例えば、アートレジンUN−333、KY−111、UN−2600、UN−2700、H−34、UN−3320HA、UN−3320HS、UN−904M、UN−905(以上、根上工業(株)社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL9270(以上、ダイセル・サイテック(株)社製)、U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−1100H、UA−200PA、UA−4200、UA−122P、UA−53H(以上、新中村化学工業(株)社製)等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量は、全固形分中、通常、10質量%以上60質量%以下であり、20質量%以上60質量%以下が好ましい。このような範囲とすることで、得られるハードコートフィルムの耐屈曲性等を効果的に高めることができる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)の含有量は、上記組成物中の(A)成分以外の全(メタ)アクリレート成分中、25質量%以上85質量%以下が好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましい。このような含有量とすることで、ハードコート層に良好な柔軟性が効果的に付与されるとともに、表面硬度とのより高いバランスが図れる。ここで、(A)成分以外の全(メタ)アクリレート成分とは、不溶性の粒子である(A)成分を除いた全可溶性成分中に含まれる(メタ)アクリレート成分((メタ)アクリロイル基を有する化合物)をいう。具体的には、(B)成分と、後に詳述する(C)成分の合計量を意味する。
(他の(メタ)アクリレート化合物(C))
他の(メタ)アクリレート化合物(C)は、ハードコート層3と基板2との密着性を上げ、硬度を調節するために好適に用いられる。(メタ)アクリレート化合物(C)は、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリルエステル類等を挙げることができる。
(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタテニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類、及びこれらの水酸基へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
これらの中でも、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
このような(メタ)アクリレート化合物(C)の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製アロニックスM−400、M−408、M−450、M−305、M−309、M−310、M−315、M−320、M−350、M−360、M−208、M−210、M−215、M−220、M−225、M−233、M−240、M−245、M−260、M−270、M−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−221、M−203、TO−924、TO−1270、TO−1231、TO−595、TO−756、TO−1343、TO−902、TO−904、TO−905、TO−1330、日本化薬(株)製KAYARAD D−310、D−330、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、SR−295、SR−355、SR−399E、SR−494、SR−9041、SR−368、SR−415、SR−444、SR−454、SR−492、SR−499、SR−502、SR−9020、SR−9035、SR−111、SR−212、SR−213、SR−230、SR−259、SR−268、SR−272、SR−344、SR−349、SR−601、SR−602、SR−610、SR−9003、PET−30、T−1420、GPO−303、TC−120S、HDDA、NPGDA、TPGDA、PEG400DA、MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−167、R−526、R−551、R−712、R−604、R−684、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、KS−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA、共栄社化学(株)製ライトアクリレート PE−4A、DPE−6A、DTMP−4A、日立化成工業(株)製FA−511AS、FA−512AS、新中村化学工業(株)製NKエステルA−TMM−3LM−N等を挙げることができる。
上記他の(メタ)アクリレート化合物(C)の含有量は、全固形文中、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。1質量%未満の場合は、この(C)成分の機能が十分に発揮されない場合があり、40質量%を超えると耐屈曲性等が低下するおそれがある。
(ラジカル重合開始剤(D))
上記硬化性組成物は、さらにラジカル重合開始剤(D)を含有していてもよい。上記ラジカル重合開始剤(D)としては、例えば、放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(放射線(光)重合開始剤)、熱的に活性ラジカル種を発生させる化合物(熱重合開始剤)等を挙げることができる。なお、必要に応じて放射線(光)重合開始剤と熱重合開始剤とを併用することができる。
放射線(光)重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであれば特に制限はなく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
放射線(光)重合開始剤の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、ダロキュア1116、1173、BASF社製 商品名:ルシリンTPO、UCB社製 商品名:ユベクリルP36、フラテツリ・ランベルティ社製 商品名:エザキュアーKIP150、KIP65LT、KIP100F、KT37、KT55、KTO46、KIP75/B等を挙げることができる。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物及びアゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
上記ラジカル重合開始剤(D)の含有量としては、全固形分中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。0.01質量%未満であると硬度が不十分となることがあり、10質量%を超えると内部(基板2側)まで十分に硬化しないことがある。
(その他の重合性化合物)
上記硬化性組成物は、その他の重合性化合物を含有していてもよい。この重合性化合物としては、ビニル化合物類を挙げることができる。
このビニル化合物類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等を挙げることができる。
(他の添加剤)
上記硬化性組成物は、さらに他の添加剤を含有していてもよい。上記添加剤としては、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、染料、充頃剤、分散剤、可塑剤、界面活性剤、チキソトロビー化剤等を挙げることができる。
上記レベリング剤としては、シリコーン系又はフッ素系のレベリング剤を適宜選択して使用するのが好ましい。シリコーン系レベリング剤としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、(メタ)アクリル基を有するポリシロキサン等を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系の各紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系の各酸化防止剤を挙げることができる。
上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等を挙げることができる。
これらの各添加剤は、単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。また、これらの他の添加剤の含有量としては、全固形文中、10質量%以下が好ましく、3質量部以下が好ましい。
(溶媒)
上記硬化性組成物は、通常、粘度(塗工性)や塗膜の厚さを調整することと等のため、溶媒で希釈して用いられる。上記硬化性組成物の粘度としては、通常0.1〜50,000mPa・秒/25℃、好ましくは0.5〜10,000mPa・秒/25℃である。
上記溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンシクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;イソプロピルアルコール、エチルアルコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素類;フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類等があげられる。これら溶媒は1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記溶液の含有量は、70質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以上60質量%以下である。
上記硬化性組成物の塗布方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができ、例えばディッピングコート、スプレーコ−ト、フローコ−ト、シャワーコート、ロールコート、スピンコート、刷毛塗り等を挙げることができる。
上記硬化性組成物の塗布後、好ましくは0〜200℃で溶媒(揮発成分)を乾燥させた後、熱及び/又は放射線で硬化処理を行うことによりハードコート層3を形成することができる。
熱による場合、その熱源としては、例えば、電気ヒーター、赤外線ランプ、熱風等を用いることができる。熱による場合の好ましい硬化条件は20〜150℃であり、10秒〜24時間の範囲内で行われる。
放射線(光)による場合、その線源としては、組成物を塗布後短時間で硬化させることができるものである限り特に制限はないが、例えば、赤外線の線源として、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等を、また可視光線の線源として、日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また紫外線の線源として、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また電子線の線源として、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式およびイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式を挙げることができる。また、アルファ線、ベータ線及びガンマ線の線源として、例えば、Co60等の核分裂物質を用いることができ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に又は一定期間をおいて照射することができる。
上記放射線としては、紫外線又は電子線を用いることが好ましい。そのような場合、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜10J/cmであり、より好ましくは、0.1〜2J/cmである。また、好ましい電子線の照射条件は、加速電圧は10〜300kV、電子密度は0.02〜0.30mA/cmであり、電子線照射量は1〜10Mradである。
当該ハードコートフィルム1は、上述のように耐屈曲性と耐ブロッキング又は硬度とが共に高く、ハンドリング性(ロール状への巻き取り及び巻き出しの際の作業性等)に優れる。従って、当該ハードコートフィルム1は、タッチパネル等の表示装置、メンブレンスイッチ、キーパッド等の表面材料として好適に用いられる。なお、タッチパネル等に用いられる場合、当該ハードコートフィルム1のハードコート層3の表面側に透明電極膜(ITO等)が積層される。
[硬化性組成物]
本発明の硬化性組成物は、
ハードコート層形成用の硬化性組成物であって、
ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物粒子と、重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物とを結合させてなる反応性粒子、並びに 2以上15以下の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする。
当該硬化性組成物によりハードコート層を形成することで、耐屈曲性と耐ブロッキングとが共に高いハードコートフィルムを得ることができる。当該硬化性組成物は、ハードコート層の形成材料として上述したものと同じであるので詳細な説明を省略する。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、部及び%は特に記載しない限り、それぞれ質量部及び質量%を示す。また、「固形分」とは、組成物から溶媒等の揮発成分を除いた成分を意味し、具体的には、組成物を所定温度(175℃もしくは140℃。)のホットプレート上で1時間乾燥して得られる残渣物(不揮発成分)を意味する。
[有機化合物(A2)の合成]
合成例1
乾燥空気下、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部及びジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで有機化合物(A2)を得た。生成物中の残存イソシアネ−ト量を分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
[反応性粒子(A)の製造]
製造例1
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン5.0部、シリカ粒子ゾルA1−1(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST−L、数平均粒子径0.056μm、シリカ濃度30%、球状)166.7部(シリカ粒子として50部)、シリカ粒子ゾルA1−2(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST−UP、数平均粒子径0.042μm、シリカ濃度21%、鎖状)238.1部(シリカ粒子として50部)、イオン交換水0.4部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル4.8部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(A)分散液(分散液(A−1))を得た。この分散液(A−1)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、25.3%であった。
製造例2
合成例1で合成した有機化合物(A2)30.0部、シリカ粒子ゾルA1−1(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST−L、数平均粒子径0.056μm、シリカ濃度30%、球状)166.7部(シリカ粒子として50部)、シリカ粒子ゾルA1−2(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST−UP、数平均粒子径0.042μm、シリカ濃度21%、鎖状)238.1部(シリカ粒子として50部)、イオン交換水0.4部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル4.8部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(A)分散液(分散液(A−2))を得た。この分散液(A−2)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、29.6%であった。
[実施例1]
製造例1で製造した分散液(A−1)177.9部(反応性粒子45.0部、分散媒メチルエチルケトン(MEK))、4官能のウレタンアクリレート(B1−1:根上工業社製アートレジンH−34 )23.3部、15官能のウレタンアクリレート(B2−2:根上工業社製UNー904M)15.0部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(C−1)15.0部、重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D:BASF製Irgakure184)1.5部、レベリング剤(E:BYK製UV−3500)0.5部、及びさらに溶媒MEK(F)250部を、40℃で2時間攪拌することで均一な硬化性組成物を得た。この硬化性組成物をアルミ皿に2g秤量後、140℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、20.8%であった。
得られた硬化性組成物を、ノルボルネン系樹脂フィルム(JSR製アートンGX5000、膜厚100μm、弾性率(N2)3.3GPa)上にバーコーターを用いて乾燥膜厚2μmになるように塗布した。次いで、80℃の熱風式乾燥機中で3分間乾燥し、コンベア式水銀ランプを用いて、窒素雰囲気下、1J/cm2の光量で照射してハードコートフィルムを得た。
[実施例2〜8及び比較例1〜4及び6]
表1に示す組成に変えたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例2〜8及び比較例1〜4及び6の各組成物を調製し、各ハードコートフィルムを得た。
[比較例5]
反応性粒子分散液(A−1)177.9部の代わりに、反応性粒子分散液(A−1)106.7部及びシリカ粒子ゾルA1−1(メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST−L、日産化学工業(株)製、数平均粒子径0.056μm、シリカ濃度30%、球状)44.3部(シリカ粒子として13.3部)を用い、表1に示す組成に変えたこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例5の組成物を調製し、ハードコートフィルムを得た。
なお、(B)及び(C)成分として用いた成分を以下に示す。
B1−1:4官能のウレタンアクリレート 根上工業社製アートレジンH−34
B1−2:2官能のウレタンアクリレート 新中村化学工業社製UA−122P
B2−1:5官能のウレタンアクリレート ダイセルサイテック社製EBECRYL3701
B2−3:10官能のウレタンアクリレート 根上工業社製アートレジンUN−904M
B2−2:15官能のウレタンアクリレート 新中村化学工業社製U−6HA
B2−4:4官能のウレタンアクリレート 日本化薬製DPHA−40
C−1:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(2官能)
C−2:下記式(C−2)の化合物(2官能)
Figure 0006135330
[評価]
得られた各ハードコートフィルムに対して、以下の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)基材との密着性
JIS K5400における碁盤目セロハンテ−プ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤目における残膜率(%)で評価した。
(2)鉛筆硬度
JIS K5600−5−4に準拠して測定した。
(3)耐スチールウール(SW)擦傷性
テスター産業(株)製学振型耐磨耗試験機にて、200g荷重をかけた#0000スチールウールにて10往復し、試験した塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。傷が10本以内である場合を○、傷が10本以上である場合を×とした。
(4)耐ブロッキング性
各フィルムを10cm角に裁断して試料片を2枚準備した。1枚の試料片をハードコート層が表になるようSUS板鏡面に固定し、もう1枚の試料片を、ハードコート層表面同士が接するように重ね合わせたのち、5kgローラを5往復させて圧着させ、ブロッキング性試験に供した。斜め45度方向より荷重(面積25cm)をかけ、ハードコート層表面間で滑りが発生し、あとから重ね合わせた試験片が荷重方向に移動し出したときの荷重を測定した。上記試験片が移動し出す荷重が10kg以下の場合を○、試験片が移動し出す荷重が10kg以上の場合、または表面同士がブロッキングし、試験片が移動しない場合を×とした。
(5)耐屈曲性
各フィルムを5×10cm角に裁断して試料片とし、耐屈曲性(円筒形マンドレル法)(JIS K5600−5−1)に基づき、直径が2mmのマンドレルに、ハードコート層表面が外側になるように折り返して巻き付け、その巻き付け部分のハードコート層にクラックが生じるか否かを目視で評価した。評価は、クラックが確認できなかったものを○、クラックが確認されたものを×とした。
(6)透明性(全光線透過率及びヘイズ値)
東洋精機製作所製ヘイズメーター(ヘイズガード2)を用い、全光線透過率(JIS K7361準拠)、及びヘイズ値(JIS K7136準拠)を測定した。
(7)耐折り曲げ性
各フィルムを5×10cm角に裁断して試料片とし、A4サイズの2枚のSUS製板を隣り合わせて並べ、隣接する境界線に跨るようにして試験片置く。この際、ハードコート塗工面をSUS製板に接するように置き、4辺をテープで固定する。 固定した試験片を、SUS板の境界線で折り曲げ180°折り曲げとなるようにする。その折り曲げ部分のハードコート層にクラックが生じるか否かを目視で評価した。評価は、クラックが確認できなかったものを○、クラックが確認されたものを×とした。
(7)押し込み仕事量の弾性部分の割合/弾性率
押し込み仕事量の弾性部分の割合と弾性率はナノインデンテーション法により得られる。ナノインデンテーション法とは対面角が約136°の正四角錘ダイヤモンドで作られたピラミッド形状の圧子(ビッカース圧子)をnNレベルの超低荷重で試料の表面に押し込み、この時にかかる荷重と押し込みによる変位を測定し、荷重−変位曲線を測定、試料の硬度と弾性率を計測する手法である。
具体的な測定方法は、(株)フィッシャー・インスツルメンツ社製:HM−500を用い、試料面にビッカース圧子を接触させた後、荷重をかけて10秒間で0.2μmの深さまで押し込み、この状態で5秒間保持する。この際の押し込みになされた仕事量をWt(nJ)とする。この後、荷重を開放した時にビッカース圧子を推し戻し、弾性逆変形した際になされた仕事量をWe(nJ)とする。
この2つの仕事量を用いて表されるWe/Wtとしたものを押し込み仕事量の弾性部分(%)とした。
また、上述の測定で荷重を開放した時にビッカース圧子を押し戻す力(Fv:単位nN)と侵入深さ(Dv:単位nm)を測定し、侵入深さを横軸に、押し戻す力を縦軸にした場合、押し込み荷重を開放した時に押し戻す力の最大値Fmaxの65%と95%の2つの時点の測定値を直線で結んだ際に得られるグラフの傾きを弾性率とする。
Figure 0006135330
表1に示されるように、本発明のハードコートフィルムは、ブロッキングやクラックが発生しがたく、作業性に優れる。
以上説明したように、本発明のハードコートフィルムは作業性に優れ、タッチパネル等の材料として好適に用いることができる。
1、21、31 ハードコートフィルム
2、22、32 基板 3、23、33 ハードコート層
12 秤量台
13 固定部材
14 荷重測定用棒

Claims (8)

  1. 透明樹脂基板上の少なくとも片面にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、
    ナノインデンテーション法で測定した上記ハードコート層の表面の弾性率をN1、上記透明樹脂基板表面の弾性率をN2とした場合、N1>N2であり、且つN1=2.1〜5.0GPaであり、
    さらに、ナノインデンテーション法で測定した上記ハードコート層の表面の押し込み仕事量の弾性部分の割合が50%以上であることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてクラックが生じるマンドレルの直径が2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. スチールウール擦傷性試験で上記ハードコート層表面にキズが発生しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハードコートフィルム。
  4. 表面の鉛筆硬度が3B以上であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のハードコートフィルム。
  5. 耐ブロッキング性試験による滑り出し荷重が10kg以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  6. 上記ハードコート層が硬化性組成物により形成されており、この硬化性組成物が、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物粒子を含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  7. 上記酸化物粒子と、重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物とを結合させてなる反応性粒子を含有する請求項6に記載のハードコートフィルム。
  8. 上記透明樹脂基板が環状オレフィン系樹脂からなる請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
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