JP6135330B2 - ハードコートフィルム - Google Patents
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透明樹脂基板上の少なくとも片面にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、
ナノインデンテーション法で測定した上記ハードコート層の表面の弾性率をN1、上記透明樹脂基板表面の弾性率をN2とした場合、N1>N2であり、且つN1=2.1〜5.0GPaであることを特徴とする。
この硬化性組成物が、
ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物粒子と、重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物とを結合させてなる反応性粒子を含有することが好ましい。
図1のハードコートフィルム1は、透明な基板2と、この基板2の少なくとも一方の面(表面側)に積層されるハードコート層3とを備える。
当該ハードコートフィルム1および当該基板2は、その表面をナノインデンテーション法よって得られた弾性率をそれぞれN1、N2としたとき、N1>N2を満たす。
当該ハードコートフィルム1は、その表面をナノインデンテーション法で得られた押し込み仕事量の弾性部分の割合が50%以上であることが好ましい。
当該ハードコートフィルム1は、円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてクラックが生じるマンドレルの直径が2mm以下である。当該ハードコートフィルム1は、このように高い耐屈曲性を有する。
当該ハードコートフィルム1は、耐ブロッキング性試験による滑り出し荷重が10kg以下であることが好ましい。当該ハードコートフィルム1はこのような場合、高い耐ブロッキング性を有する。
(1)10cm角とした当該ハードコートフィルム21、31を2枚用意する。これらのハードコートフィルム21、31は、本発明の上記ハードコートフィルム1と同様のものである。ハードコートフィルム21は、透明な基板22と、この基板22の表面側に積層されるハードコート層23とを備える。ハードコートフィルム31も同様に、透明な基板32と、この基板32の表面側に積層されるハードコート層33とを備える。
(2)一のハードコートフィルム21を表面側(ハードコート層23側)が上向きとなるようにSUS鏡面板表面に固定し、この上に表面同士(ハードコート層23、33同士)が重なり合うように他のハードコートフィルム31を重ねる。上記SUS鏡面板としては、秤量台12を用いることができる。なお、ハードコートフィルム21の両端部分は固定部材13により固定される。
(3)次いで、この重ね合わされた2枚のハードコートフィルム21、31に対し5kgのローラを5往復させて圧着させる。この際、ハードコートフィルム21、31への荷重は実質的に上記ローラの自重のみとする。
(4)次いで、圧着した他のハードコートフィルム31上の25cm2の領域Dに45°の斜め方向から荷重をかけ、他のハードコートフィルム31が滑り出したときの荷重を測定する。上記領域Dは、他のハードコートフィルム31の略中央である。この荷重手段としては、円柱状の金属棒の一部を45°に切断してなる荷重測定用棒14を用いて直接押す方法を採ることができる。また、この測定される荷重は、斜め45°方向の荷重では無く、秤量台12で直接計測される鉛直方向の荷重とする。
当該ハードコートフィルム1のハードコート層3の表面の鉛筆硬度としては3B以上が好ましく、2B又はBがより好ましい。このような範囲の鉛筆硬度とすることで、上述の高い耐屈曲性と耐ブロッキング性とを維持しつつ、高い硬度を付与することができる。
当該ハードコートフィルム1の全光線透過率は85%以上が好ましく、86%以上がより好ましい。加えて、当該ハードコートフィルム1のヘイズ値は1%以下が好ましく、0.01%以上0.5%以下がより好ましい。全光線透過率及びヘイズ値を上記範囲とすることで、透明性等を高め、タッチパネル等により好適に用いることができる。
基板2は透明であり、無色透明が好ましい。基板2を形成する材料としては、特に限定されず、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、環状オレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース、ABS、AS等の合成樹脂、ガラス等を挙げることができる。これらの中でも、合成樹脂が好ましく、環状オレフィン系樹脂がより好ましい。このような樹脂を用いることで、より高い耐熱性、耐久性及び透明性を発揮させることができる。
(i)水素原子
(ii)ハロゲン原子
(iii)トリアルキルシリル基
(iv)置換又は非置換の炭素数1〜30の炭化水素基の炭素−炭素間に酸素原子、硫黄原子、窒素原子又はケイ素原子を有する基を含む基
(v)置換又は非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi)極性基(但し(iv)を除く)
(vii)Rx1とRx2又はRx3とRx4とが、互いに結合して形成されたアルキリデン基を表し、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して、上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基である。
(viii)Rx1とRx2又はRx3とRx4とが、互いに結合して形成された単環若しくは多環の炭化水素基又は複素環基であり、この結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基であるか、Rx2とRx3とが、互いに結合して形成された単環の炭化水素基又は複素環基であり、この結合に関与しないRx1及びRx4は、それぞれ独立して上記(i)〜(vi)より選ばれる原子又は基である。
、5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリメトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8,9−トリメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7,8,9−トリクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカ−3−エン、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等が挙げられる。
−(CH2)zCOOR (Z0)
(式(Z0)中、Rは置換又は非置換の炭素数1〜15の炭化水素基である。zは、0〜10の整数である。)
上記ハードコート層3は、通常、硬化性組成物の塗布により形成される。この硬化性組成物の好ましい組成等は後に詳述する。
上記硬化性組成物は、反応性粒子(A)及びウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)を含有することが好ましく、その他、他の(メタ)アクリレート化合物(C)等を含有することができる。
上記反応性粒子(A)は、酸化物粒子(A1)と、特定の反応性基を有する有機化合物(A2)とを結合させて得ることができる。
上記酸化物粒子(A1)は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物の粒子が好ましい。このような酸化物粒子(A1)を用いることで、透明性の高いハードコート層を得ることなどができる。
上記有機化合物(A2)は、反応性基として重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物である。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)は、得られる硬化物の耐屈曲性等を高める機能を有する。
他の(メタ)アクリレート化合物(C)は、ハードコート層3と基板2との密着性を上げ、硬度を調節するために好適に用いられる。(メタ)アクリレート化合物(C)は、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリルエステル類等を挙げることができる。
上記硬化性組成物は、さらにラジカル重合開始剤(D)を含有していてもよい。上記ラジカル重合開始剤(D)としては、例えば、放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(放射線(光)重合開始剤)、熱的に活性ラジカル種を発生させる化合物(熱重合開始剤)等を挙げることができる。なお、必要に応じて放射線(光)重合開始剤と熱重合開始剤とを併用することができる。
上記硬化性組成物は、その他の重合性化合物を含有していてもよい。この重合性化合物としては、ビニル化合物類を挙げることができる。
上記硬化性組成物は、さらに他の添加剤を含有していてもよい。上記添加剤としては、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、染料、充頃剤、分散剤、可塑剤、界面活性剤、チキソトロビー化剤等を挙げることができる。
上記硬化性組成物は、通常、粘度(塗工性)や塗膜の厚さを調整することと等のため、溶媒で希釈して用いられる。上記硬化性組成物の粘度としては、通常0.1〜50,000mPa・秒/25℃、好ましくは0.5〜10,000mPa・秒/25℃である。
本発明の硬化性組成物は、
ハードコート層形成用の硬化性組成物であって、
ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物粒子と、重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物とを結合させてなる反応性粒子、並びに 2以上15以下の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を含有することを特徴とする。
合成例1
乾燥空気下、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部及びジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで有機化合物(A2)を得た。生成物中の残存イソシアネ−ト量を分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
製造例1
3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン5.0部、シリカ粒子ゾルA1−1(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST−L、数平均粒子径0.056μm、シリカ濃度30%、球状)166.7部(シリカ粒子として50部)、シリカ粒子ゾルA1−2(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST−UP、数平均粒子径0.042μm、シリカ濃度21%、鎖状)238.1部(シリカ粒子として50部)、イオン交換水0.4部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル4.8部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(A)分散液(分散液(A−1))を得た。この分散液(A−1)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、25.3%であった。
合成例1で合成した有機化合物(A2)30.0部、シリカ粒子ゾルA1−1(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST−L、数平均粒子径0.056μm、シリカ濃度30%、球状)166.7部(シリカ粒子として50部)、シリカ粒子ゾルA1−2(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業(株)製MEK−ST−UP、数平均粒子径0.042μm、シリカ濃度21%、鎖状)238.1部(シリカ粒子として50部)、イオン交換水0.4部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル4.8部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(A)分散液(分散液(A−2))を得た。この分散液(A−2)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、29.6%であった。
製造例1で製造した分散液(A−1)177.9部(反応性粒子45.0部、分散媒メチルエチルケトン(MEK))、4官能のウレタンアクリレート(B1−1:根上工業社製アートレジンH−34 )23.3部、15官能のウレタンアクリレート(B2−2:根上工業社製UNー904M)15.0部、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(C−1)15.0部、重合開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(D:BASF製Irgakure184)1.5部、レベリング剤(E:BYK製UV−3500)0.5部、及びさらに溶媒MEK(F)250部を、40℃で2時間攪拌することで均一な硬化性組成物を得た。この硬化性組成物をアルミ皿に2g秤量後、140℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、20.8%であった。
表1に示す組成に変えたこと以外は実施例1と同様の操作により、実施例2〜8及び比較例1〜4及び6の各組成物を調製し、各ハードコートフィルムを得た。
反応性粒子分散液(A−1)177.9部の代わりに、反応性粒子分散液(A−1)106.7部及びシリカ粒子ゾルA1−1(メチルエチルケトンシリカゾルMEK−ST−L、日産化学工業(株)製、数平均粒子径0.056μm、シリカ濃度30%、球状)44.3部(シリカ粒子として13.3部)を用い、表1に示す組成に変えたこと以外は実施例1と同様の操作により、比較例5の組成物を調製し、ハードコートフィルムを得た。
B1−1:4官能のウレタンアクリレート 根上工業社製アートレジンH−34
B1−2:2官能のウレタンアクリレート 新中村化学工業社製UA−122P
B2−1:5官能のウレタンアクリレート ダイセルサイテック社製EBECRYL3701
B2−3:10官能のウレタンアクリレート 根上工業社製アートレジンUN−904M
B2−2:15官能のウレタンアクリレート 新中村化学工業社製U−6HA
B2−4:4官能のウレタンアクリレート 日本化薬製DPHA−40
C−1:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(2官能)
C−2:下記式(C−2)の化合物(2官能)
得られた各ハードコートフィルムに対して、以下の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
JIS K5400における碁盤目セロハンテ−プ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤目における残膜率(%)で評価した。
JIS K5600−5−4に準拠して測定した。
テスター産業(株)製学振型耐磨耗試験機にて、200g荷重をかけた#0000スチールウールにて10往復し、試験した塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。傷が10本以内である場合を○、傷が10本以上である場合を×とした。
各フィルムを10cm角に裁断して試料片を2枚準備した。1枚の試料片をハードコート層が表になるようSUS板鏡面に固定し、もう1枚の試料片を、ハードコート層表面同士が接するように重ね合わせたのち、5kgローラを5往復させて圧着させ、ブロッキング性試験に供した。斜め45度方向より荷重(面積25cm2)をかけ、ハードコート層表面間で滑りが発生し、あとから重ね合わせた試験片が荷重方向に移動し出したときの荷重を測定した。上記試験片が移動し出す荷重が10kg以下の場合を○、試験片が移動し出す荷重が10kg以上の場合、または表面同士がブロッキングし、試験片が移動しない場合を×とした。
各フィルムを5×10cm角に裁断して試料片とし、耐屈曲性(円筒形マンドレル法)(JIS K5600−5−1)に基づき、直径が2mmのマンドレルに、ハードコート層表面が外側になるように折り返して巻き付け、その巻き付け部分のハードコート層にクラックが生じるか否かを目視で評価した。評価は、クラックが確認できなかったものを○、クラックが確認されたものを×とした。
東洋精機製作所製ヘイズメーター(ヘイズガード2)を用い、全光線透過率(JIS K7361準拠)、及びヘイズ値(JIS K7136準拠)を測定した。
各フィルムを5×10cm角に裁断して試料片とし、A4サイズの2枚のSUS製板を隣り合わせて並べ、隣接する境界線に跨るようにして試験片置く。この際、ハードコート塗工面をSUS製板に接するように置き、4辺をテープで固定する。 固定した試験片を、SUS板の境界線で折り曲げ180°折り曲げとなるようにする。その折り曲げ部分のハードコート層にクラックが生じるか否かを目視で評価した。評価は、クラックが確認できなかったものを○、クラックが確認されたものを×とした。
押し込み仕事量の弾性部分の割合と弾性率はナノインデンテーション法により得られる。ナノインデンテーション法とは対面角が約136°の正四角錘ダイヤモンドで作られたピラミッド形状の圧子(ビッカース圧子)をnNレベルの超低荷重で試料の表面に押し込み、この時にかかる荷重と押し込みによる変位を測定し、荷重−変位曲線を測定、試料の硬度と弾性率を計測する手法である。
具体的な測定方法は、(株)フィッシャー・インスツルメンツ社製:HM−500を用い、試料面にビッカース圧子を接触させた後、荷重をかけて10秒間で0.2μmの深さまで押し込み、この状態で5秒間保持する。この際の押し込みになされた仕事量をWt(nJ)とする。この後、荷重を開放した時にビッカース圧子を推し戻し、弾性逆変形した際になされた仕事量をWe(nJ)とする。
この2つの仕事量を用いて表されるWe/Wtとしたものを押し込み仕事量の弾性部分(%)とした。
また、上述の測定で荷重を開放した時にビッカース圧子を押し戻す力(Fv:単位nN)と侵入深さ(Dv:単位nm)を測定し、侵入深さを横軸に、押し戻す力を縦軸にした場合、押し込み荷重を開放した時に押し戻す力の最大値Fmaxの65%と95%の2つの時点の測定値を直線で結んだ際に得られるグラフの傾きを弾性率とする。
2、22、32 基板 3、23、33 ハードコート層
12 秤量台
13 固定部材
14 荷重測定用棒
Claims (8)
- 透明樹脂基板上の少なくとも片面にハードコート層を有するハードコートフィルムであって、
ナノインデンテーション法で測定した上記ハードコート層の表面の弾性率をN1、上記透明樹脂基板表面の弾性率をN2とした場合、N1>N2であり、且つN1=2.1〜5.0GPaであり、
さらに、ナノインデンテーション法で測定した上記ハードコート層の表面の押し込み仕事量の弾性部分の割合が50%以上であることを特徴とするハードコートフィルム。 - 円筒形マンドレル法による耐屈曲性試験においてクラックが生じるマンドレルの直径が2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
- スチールウール擦傷性試験で上記ハードコート層表面にキズが発生しないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハードコートフィルム。
- 表面の鉛筆硬度が3B以上であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載のハードコートフィルム。
- 耐ブロッキング性試験による滑り出し荷重が10kg以下であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
- 上記ハードコート層が硬化性組成物により形成されており、この硬化性組成物が、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物粒子を含有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
- 上記酸化物粒子と、重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物とを結合させてなる反応性粒子を含有する請求項6に記載のハードコートフィルム。
- 上記透明樹脂基板が環状オレフィン系樹脂からなる請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
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