JP2014224967A - ハードコートフィルム、タッチセンサー、タッチパネル及びデバイス装置 - Google Patents

ハードコートフィルム、タッチセンサー、タッチパネル及びデバイス装置 Download PDF

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康晴 山田
啓介 八島
Keisuke Yashima
啓介 八島
謙太朗 平石
Kentaro Hiraishi
謙太朗 平石
敬太 松田
Keita Matsuda
敬太 松田
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Abstract

【課題】耐ブロッキング性に優れると共に、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度にも優れるハードコートフィルムの提供を目的とする。【解決手段】本発明は、透明な基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に積層されるハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、上記ハードコート層が、その平均膜厚より0.05μm以上大きい粒子径の粒子を少なくとも含み、上記ハードコート層表面における0.05μm以上の高さを有する凸部の存在密度が250?106個/m2以上であり、ヘイズ値が0.9%以下であることを特徴とするハードコートフィルムである。上記粒子の波長589nmの光の屈折率としては、1.35以上1.75以下が好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、ハードコートフィルム、タッチセンサー、タッチパネル及びデバイス装置に関する。
近年、透明なフィルムの傷付き(擦傷)防止や汚染防止のために、硬化性樹脂の塗工により表面にハードコート層を設けたハードコートフィルムが広く使用されている。このようなハードコートフィルムは、タッチパネル等の表示装置、メンブレンスイッチ、キーパッド等の表面材料、液晶表示素子を構成する液晶セルの電極基板、位相差フィルム、タッチパネル用透明電極付フィルム等の光学フィルムとして用いられている。
上記ハードコートフィルムには、耐ブロッキング性(滑り性)、透明性、耐擦傷性、硬度等の種々の性能に優れることが要求される。これらの性能の中でも、耐ブロッキング性が低いと、ロール状に巻き取る際にブロッキングが生じ、巻き取りや次工程での巻き出しが困難となって生産性が低下したり、剥離帯電が生じる場合がある。この耐ブロッキング性と、これ以外の透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度とを共に満たすことは困難とされている。
このような中、ハードコートフィルムに求められる種々の性能を高める技術として、屈折率1.50以上の金属酸化物粒子と特定のウレタン(メタ)アクリレート化合物とを含有する硬化性組成物(特開2006−182826号公報参照)、紫外線硬化樹脂と高分子量ポリエステル樹脂の粒子とを含有するハードコートフィルム(特許2974576号公報参照)、及び反応性を有する酸化物粒子と重合性有機化合物と特定のポリシロキサン化合物とを含有する硬化性組成物(特開2002−187921号公報参照)、特定のウレタン(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリレート及び光重合開始剤からなる紫外線硬化性樹脂組成物(特開2004−51804号公報及び特開2012−11766号公報参照)が提案されている。しかし、上記いずれの技術を用いたハードコートフィルムも、耐ブロッキング性と上述の他の性能とが共に十分に高められたものではない。
特開2006−182826号公報 特許2974576号公報 特開2002−187921号公報 特開2004−51804号公報 特開2012−11766号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、耐ブロッキング性に優れると共に、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度にも優れるハードコートフィルムを提供することにある。
発明者は、鋭意検討した結果、ハードコート層に一定の粒子径以上の粒子を含ませ、かつこの粒子が形成する凸部を特定の存在密度とすることで、耐ブロッキング性と、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度とを共に高めることができることを見い出し、本発明の完成に至った。
上記課題を解決するためになされた発明は、
透明な基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に積層されるハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、
上記ハードコート層が、その平均膜厚より0.05μm以上大きい粒子径の粒子を少なくとも含み、
上記ハードコート層表面における0.05μm以上の高さを有する凸部の存在密度が250×10個/m以上であり、
ヘイズ値が0.9%以下であることを特徴とするハードコートフィルムである。
当該ハードコートフィルムは、ハードコート層に、その平均膜厚より上記値以上大きい粒子径の粒子を含み、上記凸部の存在密度を上記特定範囲とすることで、耐ブロッキング性に優れると共に、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度とに共に優れる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
透明な基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に積層されるハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、
上記ハードコート層が、その平均膜厚の1.01倍以上の粒子径の粒子を少なくとも含み、
上記ハードコート層表面における上記平均膜厚の0.01倍以上の高さを有する凸部の存在密度が250×10個/m以上であり、
ヘイズ値が0.9%以下であることを特徴とするハードコートフィルムである。
ハードコート層に、このような粒子を含ませ、形成される凸部の存在密度を上記範囲とすることによっても、上記効果を得ることができる。
上記粒子の波長589nmの光の屈折率としては、1.35以上1.75以下が好ましい。
上記粒子として上記特定の屈折率を有する粒子を用いることで、ハードコート層の粒子以外の部分との屈折率差を小さくすることができるので、当該ハードコートフィルムの透明性を向上させることができる。
上記ハードコート層が硬化性樹脂をさらに含み、
この硬化性樹脂に対する上記粒子の含有量としては、0.01質量%以上1質量%以下が好ましい。
上記ハードコート層は、上記特定の樹脂で構成されることで、基材層との密着性を高めることができ、上記粒子の含有量を上記特定範囲とすることで、当該ハードコートフィルムの透明性、耐擦傷性及び硬度をより高めることができる。
上記粒子の少なくとも一部が有機重合体から形成されていることが好ましい。このように粒子の少なくとも一部を有機重合体とすることで、当該ハードコートフィルムの耐ブロッキング性をより向上させることができる。
上記有機重合体は、アクリル重合単位及びウレタン重合単位の少なくともいずれかを含むことが好ましい。上記有機重合体を上記特定の重合単位を含むものとすることで、当該ハードコートフィルムの耐ブロッキング性をさらに向上させることができる。
上記基材層は環状オレフィン系樹脂を主成分とするとよい。基材層に環状オレフィン径樹脂を用いることにより、当該ハードコートフィルムの透明性と共に、耐熱性、耐久性等をさらに高めることができる。
当該ハードコートフィルムを備えるタッチセンサー、このタッチセンサーを備えるタッチパネル及びこのタッチパネルを備えるデバイス装置も本発明に含まれる。
上述のように、当該ハードコートフィルムは、高い透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度を有するので、これを用いたタッチセンサー等は、より優れた性能を発揮することができる。
以上説明したように、本発明のハードコートフィルムは、耐ブロッキング性に優れると共に、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度にも優れる。本発明のタッチセンサー、タッチパネル及びデバイス装置は、ハードコートフィルムの高い透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度を発揮して、より優れた性能のものとすることができる。
本発明の一実施形態に係るハードコートフィルムを示す模式的断面図である。
以下、適宜図面を参照にしつつ、本発明のハードコートフィルムの実施の形態を詳説する。
[ハードコートフィルム]
図1のハードコートフィルム1は、透明な基材層2と、この基材層2の少なくとも一方の面(表面側)に積層されるハードコート層3とを備える。
当該ハードコートフィルム1としては、含まれる一定の粒子径以上の粒子(以下、「粒子(A)」ともいう)及びこの粒子に起因して形成される凸部の存在密度の違いにより、以下の2つの形態が挙げられる。
ハードコートフィルム(I):
ハードコート層(以下、「ハードコート層(1)」ともいう)が、その平均膜厚より0.05μm以上大きい粒子径の粒子(以下、「粒子(A1)」ともいう)を少なくとも含み、上記ハードコート層表面における0.05μm以上の高さを有する凸部の存在密度(以下、「存在密度(1)」ともいう)が250×10個/m以上である。
ハードコートフィルム(II):
ハードコート層(以下、「ハードコート層(2)」ともいう)が、その平均膜厚の1.01倍以上の粒子径の粒子(以下、「粒子(A2)」ともいう)を少なくとも含み、上記ハードコート層表面における上記平均膜厚の0.01倍以上の高さを有する凸部の存在密度(以下、「存在密度(2)」ともいう)が250×10個/m以上である。
また、上記2つのハードコートフィルムにおけるヘイズ値は、0.9%以下である。
以下、粒子(A)、凸部の存在密度、ヘイズ値について説明する。
(粒子(A))
当該ハードコートフィルム1は、上記ハードコート層3が、粒子(A)を少なくとも含む。当該ハードコートフィルムは、上記ハードコート層が上記特定範囲の粒子径の粒子(A)を含むことで、表面に耐ブロッキング性、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度を向上させるために効果的な凸部を形成することができる。
上記粒子(A)の粒子径は、ハードコート層の断面において、個々の粒子を電子顕微鏡で観察し測定した値である。
また、上記ハードコート層の平均膜厚は、ハードコート層の断面において、粒子が存在しない場所における膜厚を9点測定し、算術平均をとったものである。
ハードコートフィルム(I)における粒子(A1)の粒子径の下限としては、平均膜厚の0.05μm上であり、0.1μm上が好ましく、0.15μm上がより好ましい。
また、粒子(A1)の粒子径の上限としては、平均膜厚の1.4μm上が好ましく、1.2μm上がより好ましく、1.0μm上がさらに好ましい。
ハードコートフィルム(II)における粒子(A2)の粒子径の下限としては、平均膜厚の1.01倍であり、1.03倍が好ましく、1.05倍がより好ましい。
また、粒子(A2)の粒子径の上限としては、平均膜厚の2.0倍が好ましく、1.7倍がより好ましく、1.4倍がさらに好ましい。
ハードコート層(1)における粒子(A1)の含有量の下限としては、0.001質量%が好ましく、0.005質量%がより好ましく、0.01質量%がさらに好ましい。
粒子(A1)の含有量の上限としては、1.0質量%が好ましく、0.8質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましい。
ハードコート層(2)における粒子(A2)の含有量の下限としては、0.0005質量%が好ましく、0.003質量%がより好ましく、0.005質量%がさらに好ましい。
粒子(A2)の含有量の上限としては、1.0質量%が好ましく、0.8質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましい。
また、ハードコート層に後述する硬化性樹脂が含まれる場合には、粒子(A)の硬化性樹脂に対する含有量の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.015質量%がより好ましく、0.02質量%がさらに好ましい。この含有量の上限としては、1質量%が好ましく、0.9質量%がより好ましく、0.8質量%がさらに好ましい。上記ハードコート層が硬化性樹脂を含む場合、粒子(A)の含有量を上記範囲とすることで、当該ハードコートフィルムの透明性、耐擦傷性及び硬度をより高めることができる。
上記粒子(A)の波長589nmの光の屈折率としては、1.35以上1.75以下が好ましく、1.40以上1.70以下がより好ましく、1.45以上1.65以下がさらに好ましい。
上記粒子(A)として上記特定の屈折率を有する粒子を用いることで、ハードコート層の粒子以外の部分との屈折率差を小さくすることができるので、当該ハードコートフィルムの透明性を向上させることができる。
(凸部の存在密度)
当該ハードコートフィルム1は、上記ハードコート層3表面における凸部の存在密度が特定範囲である。当該ハードコートフィルムは、ハードコート層表面における上記粒子(A)に起因して形成される凸部の存在密度を上記特定範囲とすることで、耐ブロッキング性に優れると共に、密着性、耐擦傷性及び硬度にも優れる。
上記凸部の存在密度の測定は、3次元レーザー顕微鏡(LEXT OLS4000、オリンパス製)により、対物レンズ(LPMAPONLEXT50(倍率50倍))を用いて、1回あたり259μm×259μmの範囲を測定し、上記基準以上の高さの凸部の数を算出して行った。3つの場所について測定を行い、その算術平均を求めた(単位:個/m)。
ハードコート層(1)における凸部の存在密度(1)の下限としては、250×10個/mであり、300×10個/mが好ましく、400×10個/mがより好ましい。
存在密度(1)の上限としては、1,500×10個/mが好ましく、1,250×10個/mがより好ましく、1,000×10個/mがさらに好ましい。
ハードコート層(2)における凸部の存在密度(2)の下限としては、250×10個/mであり、300×10個/mが好ましく、400×10個/mがより好ましい。
存在密度(2)の上限としては、1,200×10個/mが好ましく、1,100×10個/mがより好ましく、1,000×10個/mがさらに好ましい。
(ヘイズ値)
当該ハードコートフィルム1のヘイズ値は、0.9%以下であり、0.01%以上0.5%以下が好ましく、0.01%以上0.3%以下がより好ましい。
ここで、「ヘイズ値」とは、JIS−K7361:1997に準拠して測定される値をいう。
(基材層2)
基材層2は透明であり、無色透明が好ましい。基材層2を形成する材料としては、特に限定されず、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、環状オレフィン系樹脂、トリアセチルセルロース、ABS、AS等の合成樹脂、ガラス等を挙げることができる。これらの中でも、合成樹脂が好ましく、環状オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂がより好ましく、環状オレフィン系樹脂がさらに好ましい。このような樹脂を用いることで、より高い耐熱性、耐久性及び透明性を発揮させることができる。
上記環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィン(シクロオレフィン)を含むモノマーを重合してなる樹脂であれば特に限定されるものではない。この環状オレフィン系樹脂としては、シクロオレフィンポリマー(COP)又はシクロオレフィンコポリマー(COC)のいずれであってもよいが、シクロオレフィンコポリマーがより好ましい。環状オレフィン系樹脂としては、下記式(X)で表される単量体及び下記式(Y)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む単量体を重合して得られる樹脂、並びにこの樹脂を水素添加することで得られる樹脂が好ましい。上記重合としては、付加重合、開環メタセシス重合等が挙げられる。
Figure 2014224967
上記式(X)中、Rx1〜Rx4は、それぞれ独立して、下記(i’)〜(ix’)より選ばれる原子又は基である。k、m及びpは、それぞれ独立して、0又は正の整数である。
(i’)水素原子
(ii’)ハロゲン原子
(iii’)トリアルキルシリル基
(iv’)酸素原子、硫黄原子、窒素原子又はケイ素原子を含む連結基を有する置換又は非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(v’)置換又は非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi’)極性基(但し、上記(iv’)を除く)
(vii’)Rx1とRx2又はRx3とRx4が相互に結合して形成されたアルキリデン基(但し、上記結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して、上記(i’)〜(vi’)より選ばれる原子又は基である)
(viii’)Rx1とRx2又はRx3とRx4が相互に結合して形成された単環若しくは多環の炭化水素環又は複素環(但し、上記結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立して、上記(i’)〜(vi’)より選ばれる原子又は基である)
(ix’)Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環又は複素環(但し、上記結合に関与しないRx1とRx4は、それぞれ独立して、上記(i’)〜(vi’)より選ばれる原子又は基である)
Figure 2014224967
上記式(Y)中、Ry1及びRy2は、それぞれ独立して、上記(i’)〜(vi’)より選ばれる原子又は基であるか、又はRy1とRy2とが相互に結合して形成された単環若しくは多環の脂環式炭化水素環、芳香族炭化水素環又は複素環である。k及びpは、それぞれ独立して、0又は正の整数である。
上記基材層2には、その他添加剤として、例えば紫外線吸収剤、可塑剤、安定剤等が含有されていてもよい。
上記基材層2の平均厚みとしては、特に限定されないが、10μm以上500μm以下が好ましく、20μm以上200μm以下がより好ましい。基材層2を上記範囲の平均厚みとすることで、強度等をよりバランスよく高めることができる。
上記基材層2の製造方法としては、特に限定されないが、上記樹脂等を主成分とする材料を製膜すること等により製造することができる。かかる製膜方法としては、特に限定されないが、例えば溶剤キャスト法、溶融押出法、カレンダー法等の公知の成膜方法が挙げられる。なお、成膜後、基材層2には延伸処理が施されていてもよい。
(ハードコート層3)
上記ハードコート層3は、通常、硬化性組成物の塗布により形成される。このハードコート層としては、上記粒子(A)以外に硬化性樹脂を含むことが好ましい。ハードコート層3は、硬化性樹脂を含むことで、基材層との密着性を高めることができる。上記硬化性組成物の好ましい組成等は後に詳述する。
上記ハードコート層3の平均厚みとしては、0.05μm以上10μm以下が好ましく、0.1μm以上5μm以下がより好ましい。ハードコート層3の平均厚みを上記範囲とすることで、耐ブロッキング性、密着性、耐擦傷性及び硬度を維持しつつ、透明性等を高めることができる。
(硬化性組成物)
上記硬化性組成物は、上述の粒子(A)を与える粒子(以下、「粒子(A’)」ともいう)及び重合性化合物(B)を含有することが好ましい。上記硬化性組成物は、上記粒子(A’)以外の粒子、ラジカル重合開始剤(D)、溶媒(E)等を含んでいてもよい。
(粒子(A’))
粒子(A’)は、ハードコート層における粒子(A)を与える。上記粒子(A’)は、ハードコート層形成後に粒子(A)となる粒子のみからなるものでも、粒子(A)以外にこれとは異なる粒子径の粒子を含むものであってもよい。
粒子(A’)の材質としては、特に限定されないが、粒子の少なくとも一部が有機重合体から形成されていることが好ましく、有機重合体から形成されていることがより好ましい。このように、粒子(A’)の少なくとも一部を有機重合体とすることで、当該ハードコートフィルムの耐ブロッキング性をより向上させることができる。この有機重合体としては、例えば、アクリル重合単位、ビニル重合単位、プロペニル重合単位、ブタジエニル重合単位、スチリル重合単位、シンナモイル重合単位、マレエ−ト重合単位等の炭素−炭素二重結合に由来する重合単位、エチニル重合単位基等の炭素−炭素三重結合に由来する重合単位、ウレタン重合単位(−NH−CO−O−基を有する単位)、エポキシ重合単位(エポキシ化合物に由来する単位)等が挙げられる。これらの中で、炭素−炭素二重結合に由来する重合単位、ウレタン重合単位が好ましく、アクリル重合単位、ウレタン重合単位がより好ましい。上記有機重合体がこのような重合単位を含むことで、当該ハードコートフィルムの耐ブロッキング性をさらに向上させることができる。
上記硬化性組成物中の粒子(A’)の含有量としては、後述する重合性化合物(B)に対して、0.005質量部以上1質量部が好ましく、0.01質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上0.3質量%以下がさらに好ましい。
上記粒子(A’)の含有量を上記範囲とすることで、当該ハードコートフィルムの透明性、耐擦傷性及び硬度をより高めることができる。
(重合性化合物(B))
重合性化合物(B)としては、重合性基を有している限り、特に限定されないが、例えば、上記重合性基が(メタ)アクリロイル基である(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。この(メタ)アクリレート化合物としては、ウレタン結合をさらに有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(以下、「ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)」ともいう)、ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)以外の他の(メタ)アクリレート化合物(以下、「他の(メタ)アクリレート化合物(B2)」ともいう)等が挙げられる。上記硬化性組成物は、上記(メタ)アクリレート化合物以外のその他の重合性化合物(以下、「その他の重合性化合物(B3)」ともいう)を含有してもよい。
(ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1))
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)は、得られるハードコート層の耐屈曲性等を高める機能を有する。
ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有することが好ましく、2個以上15個以下の(メタ)アクリロイル基を有することがさらに好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)における、ポリスチレン換算数平均分子量が500〜50000であるウレタン(メタ)アクリレートが好適に使用される。ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)のGPCパターンは、HLC−8020型高速液体クロマトグラフ(東ソー製)を用い、GPC用カラムとしてスチレン・ジビニルベンゼン共重合体樹脂を用い、溶離液としてテトラヒドロフランを用いて測定する。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)としては、(メタ)アクリロイル基及びウレタン結合を有する化合物であれば特に制限されるものではなく、その市販品としては、例えば、アートレジンUN−333、KY−111、UN−2600、UN−2700、H−34、UN−3320HA、UN−3320HS、UN−904、UN−905(以上、根上工業製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL9270(以上、ダイセル・サイテック製)、U−4HA、U−6HA、U−6LPA、UA−1100H、UA−200PA、UA−4200、UA−122P、UA−53H(以上、新中村化学工業製)等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)の含有量は、全重合性化合物(B)中、10質量%以上が好ましく、20質量%以上90質量%以下がより好ましく、30質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。このような範囲とすることで、得られるハードコートフィルムの耐屈曲性等を効果的に高めることができる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B1)の含有量は、上記硬化性組成物中の(C)成分に含まれるもの以外の全(メタ)アクリレート成分中、25質量%以上85質量%以下が好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましい。このような含有量とすることで、ハードコート層に良好な柔軟性が効果的に付与されるとともに、表面硬度とのより高いバランスが図れる。ここで、(C)成分に含まれる以外の全(メタ)アクリレート成分とは、後述する反応性粒子である(C)成分に含まれる(メタ)アクリレート成分を除いた全可溶性成分中に含まれる(メタ)アクリレート成分((メタ)アクリロイル基を有する化合物)をいう。具体的には、(B1)成分と、後に詳述する(B2)成分の合計量を意味する。
(他の(メタ)アクリレート化合物(B2))
他の(メタ)アクリレート化合物(B2)は、ハードコート層3と基材層2との密着性を上げ、硬度を調節するために好適に用いられる。(メタ)アクリレート化合物(B2)は、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であり、例えば、(メタ)アクリルエステル類等を挙げることができる。
(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタテニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレート類、及びこれらの水酸基へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
これらの中でも、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
このような他の(メタ)アクリレート化合物(B2)の市販品としては、例えば、東亞合成製アロニックスM−400、M−408、M−450、M−305、M−309、M−310、M−315、M−320、M−350、M−360、M−208、M−210、M−215、M−220、M−225、M−233、M−240、M−245、M−260、M−270、M−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−221、M−203、TO−924、TO−1270、TO−1231、TO−595、TO−756、TO−1343、TO−902、TO−904、TO−905、TO−1330、日本化薬製KAYARAD D−310、D−330、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、SR−295、SR−355、SR−399E、SR−494、SR−9041、SR−368、SR−415、SR−444、SR−454、SR−492、SR−499、SR−502、SR−9020、SR−9035、SR−111、SR−212、SR−213、SR−230、SR−259、SR−268、SR−272、SR−344、SR−349、SR−601、SR−602、SR−610、SR−9003、PET−30、T−1420、GPO−303、TC−120S、HDDA、NPGDA、TPGDA、PEG400DA、MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−167、R−526、R−551、R−712、R−604、R−684、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、KS−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA、共栄社化学製ライトアクリレート PE−4A、DPE−6A、DTMP−4A、日立化成工業製FA−511AS、FA−512AS、新中村化学工業製NKエステルA−TMM−3LM−N、A−DPH等を挙げることができる。
上記他の(メタ)アクリレート化合物(B2)の含有量は、全重合性化合物(B)中、1質量%以上50質量%以下が好ましく、5質量%以上40質量%以下がより好ましい。含有量が1質量%未満の場合は、この(B2)成分の機能が十分に発揮されない場合があり、40質量%を超えると耐屈曲性等が低下する場合がある。
(その他の重合性化合物(B3))
上記硬化性組成物は、その他の重合性化合物(B3)を含有していてもよい。この重合性化合物としては、ビニル化合物類を挙げることができる。
このビニル化合物類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル等を挙げることができる。
(粒子(A’)以外の粒子)
上記硬化性組成物は、上記粒子(A’)以外の粒子を含有していてもよい。上記粒子(A’)以外の粒子としては、例えば、無機粒子等が挙げられる。この無機粒子としては、特に限定されないが、酸化物粒子が好ましく、反応性粒子(C)がより好ましい。
(反応性粒子(C))
上記反応性粒子(C)は、酸化物粒子(p1)と、特定の反応性基を有する有機化合物(p2)とを結合させて得ることができる。
(酸化物粒子(p1))
上記酸化物粒子(p1)は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素の酸化物の粒子が好ましい。このような酸化物粒子(p1)を用いることで、透明性の高いハードコート層を得ることなどができる。
上記酸化物粒子(p1)としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、酸化セリウム等の粒子を挙げることができる。これら中でも、高硬度の観点から、シリカ、アルミナ、ジルコニア及び酸化アンチモンの粒子が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記酸化物粒子(p1)は、粉体状又は分散ゾルとして用いるのが好ましい。分散ゾルとして用いる場合、他の成分との分散性等の観点から、分散媒は有機分散媒が好ましい。このような有機分散媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。これらの中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。
なお、この粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤やアミン類等を添加してもよい。
ケイ素酸化物粒子(例えば、シリカ粒子)として市販されている商品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業製メタノ−ルシリカゾル、IPA−ST−S、IPA−ST−ZL、IPA−ST−L、IPA−ST−UP、MEK−ST−L、MEK−ST−UP、MEK−ST−ZL、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル製アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子製シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業製E220A、E220、富士シリシア化学製SYLYSIA470、日本板硝子製SGフレ−ク等を挙げることができる。
アルミナ粒子の水分散品としては、日産化学工業製アルミナゾル−100、−200、−520;アルミナ粒子のイソプロパノール分散品としては、住友大阪セメント製AS−150I;アルミナ粒子のトルエン分散品としては、住友大阪セメント製AS−150T;ジルコニア粒子のトルエン分散品としては、住友大阪セメント製HXU−110JC;アンチモン酸亜鉛粉末の水分散品としては、日産化学工業製セルナックス;アルミナ、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等の粉末及び溶媒分散品としては、シーアイ化成製ナノテック;アンチモンドープ酸化スズの水分散ゾルとしては、石原産業製SN−100D;ITO粉末としては、三菱マテリアル製の製品;酸化セリウム水分散液としては、多木化学製ニードラール等を挙げることができる。
ジルコニア粒子の市販品としては、第一稀元素化学工業製 商品名:EP、UEP、RC、日本電工製 商品名:N−PC、PCS、東ソー製 TZ−3Y−E、TZ−4YS、TZ−6YS、TZ−8YS、TZ−10YS、TZ−0等を挙げることができる。
上記酸化物粒子(p1)の形状は、特に限定されず、球状、中空状、多孔質状、環状、棒状、板状、繊維状、鎖状、不定形状等のものを用いることができ、好ましくは、球状及び鎖状である。鎖状とは、単位長さ0.05μm以下、好ましくは0.02μm以下の酸化物粒子単位が2〜200個、好ましくは10〜100個程度鎖状に細長い形状に結合したものをいう。また、鎖状の酸化物粒子は、直鎖構造であっても、枝分かれ構造であってもよい。
なお、上記酸化物粒子としては、球状の粒子と鎖状の粒子とを混合して用いることが好ましい。理由は定かではないが、この2種の形状の酸化物粒子を用いることで、透明性の低下を抑えつつ、耐ブロッキング性及び硬度を有するハードコート層3を形成することができる。
上記酸化物粒子(p1)の平均粒子径は、0.001μm以上2μm以下が好ましく、0.003μm以上1μm以下がさらに好ましく、0.005μm以上0.5μm以下が特に好ましい。平均粒子径が2μmを超えると、硬化後の透明性が低下したり、表面状態が低化する傾向がある。逆に、平均粒子径が0.001μm未満の場合は、十分な耐ブロッキング性等を発揮できない場合がある。
上記平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、HORIBA LB−550)を用いてバッチ式測定法により測定された散乱光データからMie理論により粒度分布を自動計算させることによって得たメジアン径を意味する。メジアン径は頻度分布が累積50%に相当する粒子径である。
(有機化合物(p2))
上記有機化合物(p2)は、反応性基として重合性不飽和基及び加水分解性シリル基を有する有機化合物である。
上記重合性不飽和基としては、特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、アクリルアミド基等を挙げることができる。この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする基である。
上記加水分解性シリル基とは、シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基である。シラノール基を生成する基としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した基を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した基、すなわち、アルコキシシリル基又はアリールオキシシリル基を含有する有機化合物が好ましい。ここでアルコキシ基としては炭素数1〜8のアルコキシ基が好ましく、アリールオキシ基としては、炭素数6〜18のアリールオキシ基が好ましい。この加水分解性シリル基(シラノール基又はシラノール基を生成する基)は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、酸化物粒子(p1)と結合する基である。
上記有機化合物(p2)として、例えば、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、2−メタクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどから選択される、少なくとも1種のシラン化合物が挙げられる。
これらの中でも、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランから選択される少なくとも1種のシラン化合物が、酸化物粒子(p1)との反応性が優れる点などから好ましい。
有機化合物(p2)は、重合性不飽和基及び加水分解性シリル基に加えて、さらに、下記式(1)で表される基を有することが好ましい。
Figure 2014224967
式(1)中、Xは、NH、O又はSである。Yは、O又はSである。
上記式(1)で表される基は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、単独又は2種以上有していてもよい。これらの中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基に加えて、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つを有することが好ましい。上記式(1)で表される基は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材層との密着性及び耐熱性、柔軟性等の特性を付与することができる。
有機化合物(p2)としては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014224967
上記式(2)中、R、R及びRのうち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、アルコキシ基又はアリールオキシ基であり、残余は、水素原子、アルキル基又はアリール基である。Rは、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基である。Rは、2価の有機基である。Rは、(q+1)価の有機基である。Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を有する1価の有機基である。qは、1〜20の整数である。
上記式(2)中、R、R及びRで表されるアルコキシ基及びアルキル基としては炭素数1〜8のものが挙げられ、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等が好ましい。また、アリールオキシ基及びアリール基としては炭素数6〜18のものが挙げられ、フェノキシ基、キシリルオキシ基、フェニル基、キシリル基等が好ましい。R(R)(R)Si−で表される基(加水分解性シリル基)としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
は、その構造中に鎖状、分岐状又は環状構造を含んでいてもよい。このような構造として、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、メチルエチレン基、ブチレン基、メチルプロピレン基、オクタメチレン基、ドデカメチレン基等の炭素数1〜12の脂肪族基;シクロヘキシレン基等の炭素数3〜12の脂環式基;フェニレン基、2−メチルフェニレン基、3−メチルフェニレン基、ビフェニレン基等の炭素数6〜12の芳香族基等を挙げることができる。これらの中で好ましい例はメチレン基、プロピレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基等である。
としては、分子量(基を構成する原子の合計原子量)14〜1万、特に分子量76〜500の2価の有機基が好ましい。これらの有機基としては、脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基が挙げられ、その構造として鎖状、分岐状又は環状構造を含んでいてもよい。そのような構造単位として、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、1−(メチルカルボキシル)−ペンタメチレン基等の鎖状構造の骨格を有する2価の有機基;イソフォロン、シクロヘキシルメタン、メチレンビス(4−シクロヘキサン)、水添ジエニルメタン、水添キシレン、水添トルエン等の脂環式構造の骨格を有する2価の有機基;及びベンゼン、トルエン、キシレン、パラフェニレン、ジフェニルメタン、ジフェニルプロパン、ナフタレン等の芳香環構造の骨格を有する2価の有機基から選ぶことができる。
としては、(q+1)価の直鎖状又は分岐状の飽和炭化水素基若しくは不飽和炭化水素基が挙げられる。より具体的には、上述したRの2価の有機基の他、2−エチル−2−メチレンプロピレン等の3価の有機基、イソシアヌル骨格を有する3価の有機基、2,2−ジメチレンプロピレン等の置換アルキレン等の4価の有機基、ジペンタエリスリトール由来のアルキレン等の6価の有機基が挙げられる。これらのうち、エチレン、2−エチル−2−メチレンプロピレン、イソシアヌル骨格を有する3価の有機基、2,2−ジメチレンプロピレン等の置換アルキレン、ジペンタエリスリトール由来のアルキレンが好ましい。
Zとしては、例えばアクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニル基、プロペニル基、ブタンジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基等を例示することができる。これらのうち、アクリロキシ基、メタクリロキシ基及びビニル基がより好ましい。
qは、1〜20の整数であるが、1〜10の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましい。
これらの有機化合物(p2)は、例えば、特開平9−100111号公報に記載の方法により製造することができる。
酸化物粒子(p1)と有機化合物(p2)とを結合させる方法としては、特に限定されないが、
酸化物粒子(p1)と有機化合物(p2)とを、水を含む有機溶媒に混合し、加水分解・縮合反応を一度に行う方法、
予め有機化合物(p2)を水を含む有機溶媒の存在下で加水分解処理した後、酸化物粒子(p1)と縮合反応させる方法、
酸化物粒子(p1)と有機化合物(p2)とを水、有機溶媒、及び他の成分、例えば、分子内に2以上の重合性不飽和基を有する化合物、ラジカル重合開始剤等と混合し、加水分解・縮合反応を一度に行う方法
等が挙げられる。
これらの方法により酸化物粒子(p1)表面のケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素と、有機化合物(p2)分子中のケイ素原子が酸素原子を介して結合することにより、酸化物粒子(p1)と有機化合物(p2)とが化学的に結合した反応性粒子(A)が得られる。
なお、酸化物粒子(p1)がシリカ粒子であり、有機化合物(p2)がシラノール基又シラノール基を生成する基を有する有機化合物(p2)である場合などには、これらを水又は水を含む有機溶媒に混合後、水又は有機溶媒を減圧又は常圧下で留去することにより、シリカ粒子と有機化合物(p2)とがシリルオキシ基を介して結合してなる重合反応性シリカ粒子を製造することができる。この反応は、例えば特開平9−100111号公報の記載に基づいて行うことができる。
複数の酸化物粒子(p1)を用いる場合は、それぞれの酸化物粒子(p1)を別々に有機化合物(p2)と加水分解・縮合反応を行ってもよいし、複数の酸化物粒子(p1)を事前に混合したのち、有機化合物(p2)と加水分解・縮合反応を行ってもよい。なお、球状及び鎖状の酸化物粒子(p1)を同時に有機化合物(p2)と反応させることにより、耐ブロッキング性に優れた硬化物が得られるため好ましく用いられる。
有機化合物(p2)の結合量は、反応性粒子(C)(酸化物粒子(p1)及び有機化合物(p2)の合計)を100質量%として、好ましくは0.1質量%以上であり、さらに好ましくは1質量%以上、特に好ましくは3質量%以上40質量部以下である。結合した有機化合物(p2)の結合量が0.01質量%未満であると、組成物中における反応性粒子(C)の分散性が十分でなく、得られる硬化物の透明性、耐ブロッキング等が十分でなくなる場合がある。
上記硬化性組成物における反応性粒子(C)の含有量は、全固形分中、30質量%以上85質量%以下が好ましく、35質量%以上80質量%以下がさらに好ましい。30質量%未満であると、硬化物としたときに十分な硬度が得られない場合がある。逆に、90質量%を超えると、成膜性が不十分となり、また基材層との密着性が低下することなどがある。なお、反応性粒子(C)の含有量は、固形分を意味し、反応性粒子(C)が分散媒分散ゾルの形態で用いられるときは、その含有量には分散媒の量を含まない。
(ラジカル重合開始剤(D))
上記硬化性組成物は、さらにラジカル重合開始剤(D)を含有していてもよい。上記ラジカル重合開始剤(D)としては、例えば、放射線(光)照射により活性ラジカル種を発生させる化合物(放射線(光)重合開始剤)、熱的に活性ラジカル種を発生させる化合物(熱重合開始剤)等を挙げることができる。なお、必要に応じて放射線(光)重合開始剤と熱重合開始剤とを併用することができる。
放射線(光)重合開始剤としては、光照射により分解してラジカルを発生して重合を開始せしめるものであれば特に制限はなく、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1,4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)等を挙げることができる。
放射線(光)重合開始剤の市販品としては、例えば、BASF製 商品名:Irgacure184、369、651、500、819、907、784、2959、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61、ダロキュア1116、1173、ルシリンTPO、UCB製 商品名:ユベクリルP36、フラテツリ・ランベルティ製 商品名:エザキュアーKIP150、KIP65LT、KIP100F、KT37、KT55、KTO46、KIP75/B等を挙げることができる。
熱重合開始剤としては、例えば、過酸化物及びアゾ化合物を挙げることができ、具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−パーオキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。
上記ラジカル重合開始剤(D)の含有量としては、全固形分中、0.01質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。0.01質量%未満であると硬度が不十分となることがあり、10質量%を超えると内部(基材層2側)まで十分に硬化しないことがある。
(溶媒(E))
上記硬化性組成物は、通常、粘度(塗工性)や塗膜の厚さを調整すること等のため、溶媒で希釈して用いられる。上記硬化性組成物の粘度としては、通常0.1〜50,000mPa・秒/25℃、好ましくは0.5〜10,000mPa・秒/25℃である。
上記溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンシクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;イソプロピルアルコール、エチルアルコールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素類;フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノール類;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類等があげられる。これら溶媒は1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
上記溶媒の含有量としては、70質量%以下が好ましく、30質量%以上60質量%以下がより好ましい。
(他の添加剤)
上記硬化性組成物は、さらに他の添加剤を含有していてもよい。上記添加剤としては、レベリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、顔料、染料、充頃剤、分散剤、可塑剤、界面活性剤、チキソトロビー化剤等を挙げることができる。
上記レベリング剤としては、シリコーン系又はフッ素系のレベリング剤を適宜選択して使用するのが好ましい。シリコーン系レベリング剤としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、(メタ)アクリル基を有するポリシロキサン等を挙げることができる。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、シアノアクリレート系の各紫外線吸収剤等が挙げられる。
上記酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系の各酸化防止剤を挙げることができる。
上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等を挙げることができる。
これらの各添加剤は、単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。また、これらの他の添加剤の含有量としては、全固形文中、10質量%以下が好ましく、3質量部以下が好ましい。
上記硬化性組成物の塗布方法は、特に制限されず、公知の方法を用いることができ、例えばディッピングコート、スプレーコ−ト、フローコ−ト、シャワーコート、ロールコート、スピンコート、刷毛塗り等を挙げることができる。
上記硬化性組成物の塗布後、好ましくは0℃〜200℃で溶媒(揮発成分)を乾燥させた後、熱及び/又は放射線で硬化処理を行うことによりハードコート層3を形成することができる。
熱による場合、その熱源としては、例えば、電気ヒーター、赤外線ランプ、熱風等を用いることができる。熱による場合の好ましい硬化条件は20〜150℃であり、10秒〜24時間の範囲内で行われる。
放射線(光)による場合、その線源としては、組成物を塗布後短時間で硬化させることができるものである限り特に制限はないが、例えば、赤外線の線源として、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等を、また可視光線の線源として、日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また紫外線の線源として、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また電子線の線源として、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式およびイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式を挙げることができる。また、アルファ線、ベータ線及びガンマ線の線源として、例えば、Co60等の核分裂物質を用いることができ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に又は一定期間をおいて照射することができる。
上記放射線としては、紫外線又は電子線を用いることが好ましい。そのような場合、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜10J/cmであり、より好ましくは、0.1〜2J/cmである。また、好ましい電子線の照射条件は、加速電圧は10〜300kV、電子密度は0.02〜0.30mA/cmであり、電子線照射量は1〜10Mradである。
当該ハードコートフィルム1は、上述のように耐ブロッキングに優れると共に、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度にも優れる。従って、当該ハードコートフィルム1は、タッチパネル等の表示装置、メンブレンスイッチ、キーパッド等の表面材料として好適に用いられる。
<タッチセンサー>
本発明のタッチセンサーは、上述の当該ハードコートフィルムを備える。
当該タッチセンサーは、上述の当該ハードコートフィルムの少なくとも一方の面に透明導電層等の導電層をさらに備えている。この導電層は、通常、当該ハードコートフィルム1の基材層2に対してハードコート層3とは反対側の面に形成される。当該ハードコートフィルムは、上述のように、透明性、耐擦傷性及び硬度に優れるので、当該タッチセンサーは、より優れた性能を発揮することができる。また、当該ハードコートフィルムは、耐ブロッキング性に優れるので、容易かつ確実に、当該タッチセンサーを作製することができる。
上記導電層としては、導電性を示す限り特に制限されないが、透明導電層が好ましい。この透明導電層としては、例えば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の金属酸化物層、これらの金属酸化物を主体とする複合膜、金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、パラジウム等の金属層などが挙げられる。また、ポリチオフェン系やポリアニリン系の導電性ポリマーを上記ハードコートフィルム上に塗布し、成膜することで透明導電層を形成しても良い。上記導電膜は1層でもよいし、多層からなっていてもよい。上記導電層が多層からなる場合には、同一の材料からなる多層膜であってもよいし、異なる材料からなる多層膜であってもよい。
上記導電層の形成方法としては、特に制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、化学蒸着(CVD)法などの公知の方法が挙げられるが、膜の均一性やハードコートフィルムへの層の密着性の観点から、真空蒸着法、スパッタリング法が好ましく、スパッタリング法がより好ましい。
当該タッチセンサを静電容量方式のタッチパネルに用いる場合には、上記導電層をパターニングすることが好ましい。パターニングする方法としては、上記導電層上にレジストを塗布し、パターンを露光・現像により形成した後に導電膜を化学的に溶解させる方法、真空中で化学反応により気化させる方法、レーザーにより導電層を昇華させる方法等が挙げられるが、パターンの形状、精度等により、適宜選択することができる。
<タッチパネル>
本発明のタッチパネルは、上述の当該タッチセンサーを備える。
当該タッチパネルは、上述の当該タッチセンサーの下に、表示パネルユニットをさらに備える。この表示パネルユニットは、一般的なLCD(Liquid Crystal Display)等が用いられる。
当該タッチパネルは、上述の当該タッチセンサーを備えているので、従来のものに比べ、より優れた性能を発揮することができる。
<デバイス装置>
当該デバイス装置は、上述の当該タッチパネルを備える。このようなデバイス装置としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、タブレットPC、ノートパソコン、販売機器、ATM、FA機器、OA機器、医療機器、カーナビゲーションシステム等の表示装置などが挙げられる。
当該デバイス装置は、上述の当該タッチパネルを備えているので、従来のものに比べて、より優れた性能を発揮することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。「固形分」とは、組成物から溶媒等の揮発成分を除いた成分を意味し、具体的には、組成物を所定温度(175℃)のホットプレート上で1時間乾燥して得られる残渣物(不揮発成分)を意味する。
[有機化合物(p2)の合成]
合成例1
乾燥空気下、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8質量部及びジブチルスズジラウレート0.2質量部からなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6質量部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4質量部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで有機化合物(p2)を得た。生成物中の残存イソシアネ−ト量を分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。
[反応性粒子(C)の製造]
製造例1
合成例1で合成した有機化合物(p2)15質量部、シリカ粒子ゾル(メチルエチルケトンシリカゾル、日産化学工業製MEK−ST−L、数平均粒子径0.056μm、シリカ濃度30%、球状)166.7質量部(シリカ粒子として50質量部)及びイオン交換水0.2質量部の混合液を、60℃で3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル2.4質量部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(B)分散液(分散液(B−1))を得た。この分散液(B−1)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30.2質量%であった。
[硬化性組成物の調製]
硬化性組成物の調製に用いた反応性粒子(C)以外の成分について以下に示す。
(粒子(A’)
A’−1:根上工業製アートパールMM−110SMA(ウレタン製、平均粒子径1μm)
A’−2:積水化学製SSX102(アクリル製、平均粒子径2μm)
A’−3:JSR製SX8792A−02K(ポリスチレン/ポリメチルメタクリレート製、平均粒子径2μm)
(重合性化合物(B))
B−1:根上工業製アートレジンH−34(4官能のウレタンアクリレート)
B−2:根上工業製アートレジンUN−904(10官能のウレタンアクリレート)
B−3:下記式(B−3)で表される化合物
Figure 2014224967
(ラジカル重合開始剤(D))
D−1:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(BASF製Irgacure184)
(溶媒(E))
E−1:メチルエチルケトン(MEK)
[実施例1]
粒子(A’)としての(A−1)0.1質量部、重合性化合物(B)としての(B−1)28.9質量部、(B−2)15.5質量部及び(B−3)21.4質量部、製造例1で製造した分散液(C−1)106.6質量部(反応性粒子32.2質量部を含む。分散媒メチルエチルケトン(MEK))、ラジカル重合開始剤(D)としての(D−1)2.0質量部、並びに溶媒(E)としての(E−1)50質量部を混合し、40℃で2時間攪拌することで均一な硬化性組成物を得た。この硬化性組成物をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、40.4質量%であった。
得られた硬化性組成物を、ノルボルネン系樹脂フィルム(JSR製アートンFEKE100、膜厚100μm)上にバーコーターを用いて乾燥膜厚が所定値になるように塗布した。次いで、80℃の熱風式乾燥機中で3分間乾燥し、コンベア式水銀ランプを用いて、窒素雰囲気下、1J/cm2の光量で照射してハードコートフィルムを得た。
[実施例2及び3並びに比較例1〜4]
用いる硬化性組成物を表1に示す組成に変えた以外は実施例1と同様の操作により、実施例2及び3並びに比較例1〜4の各ハードコートフィルムを得た。
[実施例4〜6及び比較例5〜8]
用いる硬化性組成物を表1に示す組成に変え、基材層をポリエステル系樹脂フィルム(東レ製PETフィルム ルミラーU48、膜厚50μm)に変えた以外は、実施例1と同様の操作により、実施例4〜6及び比較例5〜8の各ハードコートフィルムを得た。
[評価]
得られた各ハードコートフィルムに対して、以下の各評価を行った。評価結果を表1に示す。
(1)ハードコート層の平均膜厚
ハードコート層の平均膜厚の測定は、電子顕微鏡でハードコート層の断面を観察し、粒子が存在しない場所における膜厚を9点測定し、その算術平均をとって求めた。
(2)粒子(A)の確認
上記粒子(A)は、ハードコート層の断面において、個々の粒子について電子顕微鏡で観察して粒子径を求めることにより確認した。
(3)凸部の存在密度
上記凸部の存在密度の測定は、3次元レーザー顕微鏡(LEXT OLS4000、オリンパス製)により、対物レンズ(LPMAPONLEXT50(倍率50倍))を用いて、1回あたり259μm×259μmの範囲を測定し、上記基準以上の高さの凸部の数を算出して行った。3つの場所について測定を行い、その算術平均を求めた(単位:個/m)。
表1における「凸部の存在密度(1)」は、ハードコート層の平均膜厚より0.05μm以上の高さを有する凸部の存在密度を、「凸部の存在密度(2)」はハードコート層の平均膜厚の0.01倍以上の高さを有する凸部の存在密度をそれぞれ示す。
(4)ヘイズ値
東洋精機製作所製ヘイズメーター(ヘイズガード2)を用い、ヘイズ値(JIS−K7136準拠)を測定した。
(5)全光線透過率
上記ヘイズメーターを用い、全光線透過率(JIS−K7361準拠)を測定した。
(6)耐ブロッキング性
各フィルムを10cm角に裁断して試料片を2枚準備した。1枚の試料片をハードコート層が表になるようSUS板鏡面に固定し、もう1枚の試料片を、ハードコート層表面同士が接するように重ね合わせたのち、5kgローラを5往復させて圧着させ、ブロッキング性試験に供した。斜め45度方向より荷重(面積25cm)をかけ、ハードコート層表面間で滑りが発生し、あとから重ね合わせた試験片が荷重方向に移動し出したときの荷重を測定した。前記試験片が移動し出す荷重が10kg以下の場合を「○」、試験片が移動し出す荷重が10kg以上の場合、または表面同士がブロッキングし、試験片が移動しない場合を「×」とした。
(7)基材層との密着性
JIS−K5400における碁盤目セロハンテ−プ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤目における残膜率(%)で評価した。
(8)耐スチールウール(SW)擦傷性
テスター産業製学振型耐磨耗試験機にて、200g荷重をかけた#0000スチールウールにて10往復し、試験した塗膜面の傷つき状態を目視にて評価した。傷が10本以下である場合は「○」と、傷が10本を超える場合は×と評価した。
(9)鉛筆硬度
JIS−K5600−5−4に準拠して測定した。
(10)クラック試験
積層フィルムの片面上にスズ−インジウム複合酸化物からなる透明薄膜を製膜した。製膜は、ターゲットに酸化インジウムを10質量%含有した酸化スズ(三井金属鉱業製)を用いて7W/cmのDC電力を印加し、次いでArガスを190sccm、Oガスを3.5sccmの流速で流し、0.4Paの雰囲気下におけるDCマグネトロンスパッタリング法により行った。この際のセンターロールの温度を24℃としてスパッタ膜を形成した。このスパッタ膜が形成された積層フィルムから50mm×70mmサイズに切り出したサンプルを作製し、150℃×60分にて加熱処理した。
次に、ガラス板100mm×100mm(厚み5mm)と積層フィルムのサンプルのスパッタした面とを粘着シート(住友スリーエム製粘着シート 8146−4)で気泡が入らないように貼合した。
次いで、作製した貼合サンプルを、鉛筆硬度試験(JIS−K5600−5−4に準じる方法で、鉛筆はHBに、重りは80gに固定した)を行った後、スライドさせずに10秒間静置し、鉛筆が接した部位を目視にて観察した。
目視観察の結果、クラックが認められなかった場合は「○」と、クラックが認められた場合は「×」と評価した。
Figure 2014224967
表1に示されるように、本発明のハードコートフィルムは、耐ブロッキング性に優れると共に、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度にも優れる。
本発明のハードコートフィルムは、耐ブロッキング性に優れると共に、透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度にも優れる。本発明のタッチセンサー、タッチパネル及びデバイス装置は、ハードコートフィルムの高い透明性、密着性、耐擦傷性及び硬度を発揮して、より優れた性能のものとすることができる。
1 ハードコートフィルム
2 基材層
3 ハードコート層

Claims (10)

  1. 透明な基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に積層されるハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、
    上記ハードコート層が、その平均膜厚より0.05μm以上大きい粒子径の粒子を少なくとも含み、
    上記ハードコート層表面における0.05μm以上の高さを有する凸部の存在密度が250×10個/m以上であり、
    ヘイズ値が0.9%以下であることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 透明な基材層と、この基材層の少なくとも一方の面に積層されるハードコート層とを備えるハードコートフィルムであって、
    上記ハードコート層が、その平均膜厚の1.01倍以上の粒子径の粒子を少なくとも含み、
    上記ハードコート層表面における上記平均膜厚の0.01倍以上の高さを有する凸部の存在密度が250×10個/m以上であり、
    ヘイズ値が0.9%以下であることを特徴とするハードコートフィルム。
  3. 上記粒子の波長589nmの光の屈折率が、1.35以上1.75以下である請求項1又は請求項2に記載のハードコートフィルム。
  4. 上記ハードコート層が硬化性樹脂をさらに含み、
    この硬化性樹脂に対する上記粒子の含有量が、0.01質量%以上1質量%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のハードコートフィルム。
  5. 上記粒子の少なくとも一部が有機重合体から形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  6. 上記有機重合体が、アクリル重合単位及びウレタン重合単位の少なくともいずれかを含む請求項5に記載のハードコートフィルム。
  7. 上記基材層が環状オレフィン系樹脂を主成分とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のハードコートフィルム。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のハードコートフィルムを備えるタッチセンサー。
  9. 請求項8に記載のタッチセンサーを備えるタッチパネル。
  10. 請求項9に記載のタッチパネルを備えるデバイス装置。
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