JP6135272B2 - 基板固定冶具 - Google Patents

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本発明は、基板固定冶具およびエピタキシャル基板に関し、特に、気相成長装置に用いられる基板固定冶具および該気相成長装置を用いて製造されたエピタキシャル層を含むエピタキシャル基板に関する。
従来、基板の表面に気相成長法によりエピタキシャル層を成膜する気相成長装置が知られている。気相成長装置によれば、たとえば有機金属化合物や水素化合物などを含む原料ガスが反応室内に導入され、反応室内に設置された基板付近で原料ガスの反応および分解が進行し、当該基板の成長面上に所定のエピタキシャル層が形成される。
気相成長装置における基板の保持形態には、基板の成長面が鉛直方向上向きに保持されるフェースアップ方式や、基板の成長面が鉛直方向下向きに保持されるフェイスダウン方式等がある。
フェイスダウン方式は、反応室内で生成される反応生成物が成長表面に付着することを抑制でき、かつ加熱された原料ガスが基板の成長面に効率よく供給される点でフェースアップ方式よりも優れるため、多くの気相成長装置に採用されている。
フェイスダウン方式を採用した気相成長装置においては、基板を保持するための冶具(以下、基板固定冶具という)に爪が形成されている。具体的には、基板の成長面の下方から爪を接触させて基板の落下を防止し、基板を保持している。一般に従来の基板固定冶具は、基板の落下防止の観点から、爪部を基板の成長面に面接触させている。
特開2008−308747号公報には、自公転サセプタを備えたフェイスダウン方式の気相成長装置に用いる基板固定冶具が開示されている。この基板固定冶具では、基板保持爪の先端部の爪部が基板の表面と接触している。
特開2008−308747号公報
しかしながら、爪部と基板とが接触している領域では、爪部によりエピタキシャル層の成長が阻害される。そのため、作製されたエピタキシャル基板において、爪部と基板とが接触していた領域(爪痕部)は正常成長領域(基板中央部など、爪部の影響を受けない領域)と比較してエピタキシャル層の品質や特性の異なる異常成長領域となる。また、爪部と基板とが接触している領域の周辺領域においても、爪部により反応ガスの乱れが発生することにより、作製されたエピタキシャル基板において、クロスハッチ等の異常成長領域が形成されるという問題があった。
また、該異常成長領域は、正常成長領域と比べて格子整合率が異なることにより異常な応力が発生し、正常成長領域にもクラックが伝搬するという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものである。本発明の主たる目的は、フェイスダウン方式の気相成長装置を用いて製造されるエピタキシャル基板において、異常成長領域が形成されることによるチップ歩留まりの低下を抑制することができる、基板固定冶具およびそれを用いて作成された基板を提供することにある。
本発明に従った基板固定冶具は、基板を保持した状態で、気相成長装置に取り付け可能な基板固定冶具である。該基板固定冶具は、基板において成長面の反対側に位置する裏面と対向し、基板の外径よりも大きい保持部と、保持部と接続されており、基板を保持した状態において基板の周囲から基板の成長面上に延びて基板と接触する複数の爪部と、基板固定冶具に保持された基板において、基板の結晶方位を示す部位の保持部に対する位置を決定する位置決め部材とを備える。位置決め部材は、爪部が基板においてチップが形成される領域から1.5mm以上離れるように、上記部位の保持部に対する位置を決定する。
本発明によれば、フェイスダウン方式の気相成長装置を用いて製造されるエピタキシャル基板において、異常成長領域が形成されることによるチップ歩留まりの低下を抑制することができる。
実施の形態1に係る基板固定冶具の平面図である。 図1中線分II−IIにおける断面図である。 図2中矢印IIIから見た断面図である。 図1中線分IV−IVにおける断面図である。 実施の形態1に係る基板固定冶具を備えた気相成長装置を説明するための断面図である。 実施の形態1に係る基板固定冶具の変形例を示す平面図である。 実施の形態1に係る基板固定冶具の他の変形例を示す断面図である。 実施の形態2に係る基板固定冶具の平面図である。 図8中線分IX−IXにおける断面図である。 実施の形態2に係る基板固定冶具の変形例を示す平面図である。 図10中線分XI−XIにおける断面図である。 実施の形態2に係る基板固定冶具の他の変形例を示す平面図である。 実施の形態2に係る基板固定冶具のさらに他の変形例を示す平面図である。 実施の形態2に係る基板固定冶具の位置決め部材の変形例を示す平面図である。 実施の形態2に係る基板固定冶具の位置決め部材の他の変形例を示す平面図である。 実施の形態3に係る基板固定冶具の平面図である。 図16中線分XVII−XVIIにおける断面図である。 図16中線分XVIII−XVIIIにおける断面図である。 実施の形態1〜3に係る基板固定冶具を備えた気相成長装置で製造されたエピタキシャル層を含むエピタキシャル基板の概略図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について、説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
はじめに、図1および図2を参照して、実施の形態1に係る基板固定冶具について説明する。実施の形態1に係る基板固定冶具100は、フェイスダウン方式である気相成長装置に取り付け可能に構成されている。基板固定冶具100は保持部1と爪部2とを備える。図1は、基板10を保持している状態において、基板10の表面(成長面)10A側から見たときの基板固定冶具100の概略図である。図2は、図1中の線分II−IIにおける断面図であり、基板10を保持している状態を示している。
保持部1は、基板10の裏面10Bの全面と対向する表面3Aを有する均熱部材3と、均熱部材3に対して爪部2を固定する外周部材4とからなる。
均熱部材3の平面形状は円形状であり、均熱部材3の外径は基板10の外径よりも大きく設けられている。均熱部材3は、基板10の表面10A側において、基板10の径方向に形成された段差を有している。具体的には、均熱部材3は、基板10の裏面10Bの全面と対向する表面3Aを有する中央領域3aと、基板10の外周側において中央領域3aに対して階段状に形成された外縁領域3bとからなる。中央領域3aの厚みは外縁領域3bの厚みよりも薄く設けられている。均熱部材3の表面3Aと反対側の裏面3Bにおいて、中央領域3aと外縁領域3bとは同一面を形成している。均熱部材3を構成する材料は、熱伝導率の高い任意の材料とすることができるが、たとえばカーボン、炭化珪素(SiC)、SiCを表面にコーティングしたカーボン(SiCコートカーボン)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、およびニッケル(Ni)のうちから少なくとも1つを選択することができる。
外周部材4は、均熱部材3が嵌合可能な開口部を有している。言い換えると、外周部材4は、その内周が均熱部材3(外縁領域3b)の外周全体に沿って均熱部材3と接するように設けられている。外周部材4の外径は、均熱部材3の外径に応じて決まる。外周部材4は、基板10の径方向において段差を有している。具体的には、外周部材4は、内周側に薄肉領域4aを、外周側に薄肉領域4aよりも厚みの厚い厚肉領域4b有する。
外周部材4と均熱部材3とは、外周部材4の開口部に均熱部材3が嵌め込まれたときに爪部2を保持することを可能とするように構成されている。具体的には、図2を参照して、たとえば均熱部材3の表面3Aを下向きとして外周部材4に嵌め込んだときに、均熱部材3の中央領域3aと外周部材4の厚肉領域4bとによって爪部2の一部が挟持されることにより、爪部2は基板10の表面10Aに平行な方向(水平方向)において固定されている。また、均熱部材3の外縁領域3bと外周部材4の薄肉領域4aと厚肉領域4bとによって爪部2の一部挟持されることにより、爪部2は基板10の表面10Aに垂直な方向(鉛直方向)において固定されている。
爪部2は、上述のように、均熱部材3と外周部材4とに挟み込まれるように保持部1と接続されることにより、基板固定冶具100において固定されている。爪部2は、均熱部材3に形成された段差形状に符合する領域と外周部材4に形成された段差形状に符合する領域とを併せ持っている。
爪部2は、基板固定冶具100を平面視したときに、基板10の表面10A上に突き出ている突出部2aと、表面10A上に突き出ていない非突出部2bとからなる。突出部2aは、一定の間隔を空けて複数個設けられている。たとえば、隣り合う突出部2aは、中心角を60度として周方向において等間隔に6つ配置されている。突出部2aには、外周部材4と均熱部材3とによって固定された状態において、平面視したときに基板固定冶具100の中央部側に位置する端部2eが形成されている。爪部2を構成する材料としては、たとえば、カーボン、SiC、SiCコートカーボン、窒化珪素(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、およびBNとAlNとの複合材のうちから少なくとも1つ選択することができる。
突出部2aの端部2eは、基板固定冶具100が基板10を保持している状態において、表面10Aに対して平行な方向において、基板10の外縁部(表面10Aの端部)よりも距離aだけ基板10の内側に突き出ている。このとき距離aは0.5mm以上5mm以下である。端部2eは、基板10の表面10Aに対して垂直な方向において、表面10Aよりも距離Hだけ突き出ている。このとき距離Hは0.5mm以上である。端部2eは、基板10の表面10Aの中心を通る線分に対して垂直な面を有している。
図2を参照して、突出部2aには、基板固定冶具100が基板10を保持している状態において、基板10と対向する領域に傾斜面2Aが形成されている。つまり、爪部2は、突出部2aの傾斜面2Aにおいて基板10の外縁部と当接する。このとき、爪部2は、基板10の外縁部に傾斜面2Aが当接したときに、基板10の裏面10Bが均熱部材3の表面と接触するように設けられている。また、均熱部材3の表面3Aを下向きとして外周部材4に嵌め込んだときに、突出部2aは、表面3A側において外周部材4よりも下方に突出していてもよい。
傾斜面2Aは、端部2eから基板固定冶具100の外周側に延びるように形成されている。傾斜面2Aは基板10の表面10A(あるいは均熱部材3の表面)に対して傾斜角θだけ傾いている。傾斜角θは、その正接関数tanθが0.1以上1.0以下となるように形成されている。
図3を参照して、傾斜面2Aは、傾斜面2Aが延びる方向に垂直な面内において円弧状に形成されている。傾斜面2Aの曲率半径は任意の値とすることができるが、小さい方が好ましい。基板10の周方向における突出部2aの端部2eの幅は、0.7mm以上5.0mm以下程度とすればよい。
図4を参照して、爪部2において非突出部2bが形成されている領域では、爪部2は基板10の表面10A上に突き出していない。当該他の領域における爪部2の端部2eは、基板10の外縁部に沿うように設けられている。また、均熱部材3の表面3Aを下向きとして外周部材4に嵌め込んだときに、非突出部2bと外周部材4とは、表面3A側において同一面を形成していてもよい。
次に、図5を参照して、本実施の形態の基板固定冶具100を備える気相成長装置30の構造について説明する。気相成長装置30は、筒状の反応管31と、反応管31の上部壁面に形成された開口部に配置されているサセプタ34と、サセプタ34の上部に配置されたヒータ35と、反応管31の内部に原料ガスなどを供給するためのガス供給部材32と、反応管31の内部から反応済みのガスや雰囲気ガスなどを排出するための排気部材33と、サセプタ34のサセプタ本体を回転させるためのモータなどの駆動部材(図示せず)と、当該駆動部材、ガス供給部材32、排気部材33、ヒータ35などを制御するための制御部(図示せず)とを備える。本実施の形態の基板固定冶具100は、外周部材4がサセプタ34と接続されることにより気相成長装置に固定される。
以上のように、本実施の形態に係る基板固定冶具100は、基板10の表面10Aに対して傾斜角θだけ傾いた突出部2aの傾斜面2Aが、基板10の外縁部(角部)と当接することにより基板10をフェイスダウン方式で保持することができる。そのため、突出部2aと基板10の表面10Aとの接触部の面積を低減することができ、線接触(あるいは点接触)に近い接触状態を実現することができる。また、突出部2aと基板10の表面10Aとの接触部を基板10の外縁部とすることができる。そのため、気相成長によって得られるエピタキシャル基板の径方向において爪痕部をチップ形成領域から最大限に遠ざけることができ、この結果、爪痕部によるチップ歩留まりへの影響を低減することができる。
さらに、傾斜面2Aの傾斜角θが1/10≦tanθであって、突出部2aの端部2eと基板10の外縁部との距離aが5mm以下であるため、反応管31を流通する反応ガスの流れが爪部2によって乱されることを抑制することができる。また、突出部2aと基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域(基板10を表面10A側から平面視したときに爪部2によって隠れる領域。言い換えると、基板10の外縁部から基板10の内側に距離aだけ入った領域)にも反応ガスを流通させることができる。その結果、基板10の表面10Aにおいて、突出部2aとの接触部の周辺領域における異常成長を抑制でき、得られるエピタキシャル基板において、爪痕部の周辺に異常成長領域が形成されることを抑制することができる。さらに、上述のように、得られるエピタキシャル基板において、爪痕部はその外縁部に形成されるため、爪痕部の周辺領域において微小な異常成長領域が形成された場合においても、該異常成長領域はチップ形成領域から充分に離れているため、異常成長領域によるチップ歩留まりへの影響を低減することができる。
また、突出部2aの端部2eの幅が0.7mm以上5.0mm以下程度であるため、突出部2aと基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域において、反応ガスは基板10の径方向および周方向から容易に流入することができる。このため、基板10の表面10Aにおいて、突出部2aとの接触部の周辺領域における異常成長をより効果的に抑制でき、得られるエピタキシャル基板において、爪痕部の周辺に異常成長領域が形成されることを抑制することができる。
さらに、突出部2aの端部2eと基板10の外縁部との距離aを0.5mm以上とすることにより、基板固定冶具100から基板10が落下することを確実に防止することができる。また、傾斜面2Aの傾斜角θをtanθ≦1とすることにより、基板固定冶具100から基板10が落下する可能性を低減できる。
また、傾斜面2Aは、傾斜面2Aが延びる方向に垂直な面内において円弧状に形成されている(曲面状に形成されている)ため、基板10の周方向においても突出部2aと基板10の表面10Aとの接触部を狭小化することができる。さらに、爪部2と基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域において、基板10の周方向から反応ガスを容易に流通させることができる。
本実施の形態において、基板固定冶具100は均熱部材3が基板10の裏面10Bと接触するように構成されているが、これに限られるものでない。たとえば、基板固定冶具100は、均熱部材3の表面が基板10の裏面10Bと接触せずに対向するように設けられていてもよい。この場合、たとえば、基板10の表面10Aに垂直な方向における爪部2の長さを変更することによって、あるいは、均熱部材の厚みを変更することによって、均熱部材3と基板10の裏面10Bとの間隔を決定してもよい。
本実施の形態において、傾斜面2Aは、傾斜面2Aが延びる方向に垂直な面内において円弧状に形成されていたが、これに限られるものではない。たとえば、傾斜面2Aは平面状に形成されていてもよい。このようにしても、基板10の径方向においては突出部2aと基板10の表面10Aとの接触部を狭小化することができるため、接触部の面積を低減することができる。
本実施の形態において、基板10の周方向における爪部2の端部2eの幅は、0.7mm以上5.0mm以下程度であったが、これに限られるものではない。図6を参照して、たとえば、基板10の表面10A上に突き出ている突出部2aが、基板10の全周に渡って設けられていてもよい。この場合、爪部2は、基板10の外縁部と全周に渡って当接している。このような構成では、爪部2と基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域において、反応ガスは基板10の径方向から流入することになるが、爪部2の傾斜角θ、距離a、距離Hを上述した範囲内とすることにより、基板10の表面10Aにおいて、爪部2との接触部の周辺領域における異常成長をより効果的に抑制できる。そのため、得られるエピタキシャル基板において、爪痕部の周辺に異常成長領域が形成されることを抑制することができる。
また、本実施の形態において、端部2eは基板10の表面10Aに対して垂直な面を有しているが、これに限られるものではない。たとえば、端部2eは基板10の内側に凸形状を有していてもよい。このようにすることで、距離aを一定以上として基板10の落下を抑制しながら、突出部2aと基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域を狭小化することができる。
また、爪部2、均熱部材3および外周部材4は、均熱部材3および外周部材4に形成された段差形状に合わせて爪部2を挟持可能とするように構成されていたが、これに限られるものではない。爪部2を固定可能である限りにおいて、任意の構成とすることができる。また、外周部材4は、気相成長装置におけるサセプタが自公転型である場合には、公転するために設けられている外周歯車と噛み合わされて、自転するために設けられている内周歯車として構成されていてもよい。このようにすれば、自公転型のフェイスダウン方式の気相成長装置においても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
また、爪部2は、基板10の外縁部と傾斜角θを有して当接する限りにおいて、任意の構成とすることができる。たとえば、傾斜面2Aが、基板10の径方向において曲率半径を有する曲面状に形成されていてもよい。この場合、傾斜角θは、該曲面の曲率中心から爪部2と基板10の外縁部との接点にまで延びる線分に対する垂線と、基板10の表面10Aとのなす角度とする。また、図7を参照して、爪部2は、球体2cと、球体2cを保持する保持部材2dとで構成されていてもよい。この場合、傾斜角θは、球体2cと基板10の外縁部との接点における、球体2cの接線と基板10の表面10Aとのなす角度とする。このとき、爪部2(保持部材2d)の端部2eは該接線上に位置するように形成されてもよい。あるいは、球体2cを保持可能な限りにおいて、該接線よりも基板10の外周側に端部2eが位置するように構成してもよい。このようにすれば、爪部2と基板10の表面10Aとの接触部を狭小化でき、点接触に近い状態とすることができる。さらに、爪部2と基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域をより小さくすることができる。なお、基板10の裏面10Bと均熱部材3の表面3Aとは接触せずに対向していればよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2に係る基板固定冶具およびエピタキシャル基板は、基本的には実施の形態1と同様の構成を備えるが、爪部2を、エピタキシャル基板におけるチップ形成領域11の配置に応じて配置する点で異なる。
図8および図9を参照して、基板固定冶具200は、基本的には図1〜図7に示した基板固定冶具100と同様の構成を備えるとともに、基板10の結晶方位を示す部位(オリエンテーションフラット(Orientation Flat)。以下、OFという)を位置決めする位置決め部材5をさらに備えている。
位置決め部材5は、爪部2の非突出部2bと接続固定されている。具体的には、非突出部2bにおいて基板10側であって、中央領域3aより下方に露出した面に位置決め部材5が固定されている。均熱部材3の表面3Aを下向きとして外周部材4に嵌め込んだときに、爪部2、外周部材4、および位置決め部材5は、表面3A側において同一面を形成している。位置決め部材5は、爪部2を介して、均熱部材3および外周部材4に固定されている。
位置決め部材5の平面形状の外形は弓型状に設けられている。位置決め部材5は、均熱部材3の中央領域3aにおいて基板10に対し所定の間隔を隔てて位置するように設けられている。
位置決め部材5は、複数の突出部2aとそれぞれ所定の位置関係となるように設けられている。具体的には、各突出部2aが、基板10の表面10A上に将来形成されるチップ形成領域11からいずれもできるだけ遠く離れて配置されるように(少なくとも重ならないように)、基板固定冶具100に対して基板10のOFの位置を拘束するように設けられている。
このようにすれば、チップ形成領域11が基板10の結晶方位に応じて基板10の表面10A上に形成される場合において、基板10のOFを基準として突出部2aを将来のチップ形成領域11から遠く離れた領域に配置することができる。具体的には、位置決め部材5と突出部2aとの位置関係を、エピタキシャル基板におけるOFとチップ形成領域11との位置関係から、該チップ形成領域11となる基板10の表面10A上の領域から遠く離れた位置(少なくとも所定の距離だけ離れた位置)に突出部2aを配置することができるように決定することができる。
たとえば、図10を参照して、チップ形成領域11の外形が方形である場合には、チップ形成領域11の外形を規定する各辺の中央部分と突出部2aとが対向するように、突出部2aと位置決め部材5との位置関係を決定すればよい。このとき、位置決め部材5は爪部2の非突出部2bと接続固定されていてもよい。図11を参照して、位置決め部材5は、傾斜面2Aにおいて基板10の外縁部よりも外周側に埋め込まれて、傾斜面2Aよりも上方に位置する部分により基板10のOFが位置決め可能に構成されていてもよい。
また、図12を参照して、たとえば、チップ形成領域11がエピタキシャル基板の外周側に部分的に迫り出した十字形を含むような外形である場合には、チップ形成領域11のうち、基板の外縁部から最も離れた領域に位置している部分と対向するように突出部2aと位置決め部材5との位置関係を決定すればよい。
なお、図13を参照して、たとえば、チップ形成領域11の外形が円形である場合には、突出部2aはOFに対して任意の位置に配置されてもよい。この場合は、突出部2aの端部2eを基板10の内側に凸形状(たとえば曲面形状)とするのが好ましい。これにより、突出部2aによるチップ形成領域11への影響を最小限に抑えることができる。
また、基板10が基板固定冶具200内で移動もしくは回転しようとする場合にも、位置決め部材5が基板10のOFと接触することにより、基板10の移動もしくは回転を抑制することができる。
このように、本実施の形態に係る基板固定冶具200によれば、気相成長によって得られるエピタキシャル基板の周方向において爪痕部をチップ形成領域11から最大限に遠ざけることができるため、爪痕部によるチップ歩留まりへの影響をより効果的に低減することができる。
本実施の形態において、位置決め部材5は、上述のように爪部2において任意の領域に接続されていても良い。たとえば、突出部2aと非突出部2bのいずれにも接続されていてもよい。
本実施の形態において、位置決め部材5の形状は弓型状であったが、これに限られるものではない。位置決め部材5は基板10の結晶方位を示す部位の形状に応じて任意の形状とすることができる。たとえば、位置決め部材5は、非突出部2bから基板10の内側に凸形状を有する部材として構成されていてもよい。図14および図15を参照して、位置決め部材5は、たとえば半円形であってもよいし、方形であってもよい。また、図14および図15を参照して、位置決め部材5は、非突出部2bから基板10の内側に凸形状を有する複数の部材として構成されていてもよい。なお、図14および図15は、位置決め部材5の変形例を示す図であり、図8中の位置決め部材5と同様の見方で、かつ位置決め部材5に係る部分のみを図示した図である。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態に係る基板固定冶具200は、フェイスダウン方式である気相成長装置に取り付け可能に構成されている。図16、図17および図18を参照して、基板固定冶具200は保持部1と爪部2とを備える。図16は、基板10を保持している状態において、基板10の表面(成長面)10A側から見たときの基板固定冶具200の概略図である。図17は、図16中の線分XVII−XVIIにおける断面図であり、基板10を保持している状態を示している。図18は、図16中の線分XVIII−XVIIIにおける断面図であり、基板10を保持している状態を示している。
保持部1は、基板10の裏面10Bの全面と対向する表面3Aを有する均熱部材3と、均熱部材3に対して爪部2を固定する外周部材4とからなる。
均熱部材3の平面形状は円形状であり、均熱部材3の外径は基板10の外径よりも大きく設けられている。均熱部材3は、基板10の表面10A側において、基板10の径方向に形成された段差を有している。具体的には、均熱部材3は、基板10の裏面10Bの全面と対向する表面3Aを有する中央領域3aと、基板10の外周側において中央領域3aに対して階段状に形成された外縁領域3bとからなる。中央領域3aの厚みは外縁領域3bの厚みよりも薄く設けられている。均熱部材3の表面3Aと反対側の裏面3Bにおいて、中央領域3aと外縁領域3bとは同一面を形成している。均熱部材3を構成する材料は、熱伝導率の高い任意の材料とすることができるが、たとえば、カーボン、SiC、SiCコートカーボン、Mo、W、Niの内から選択される少なくとも一つである。
外周部材4は、均熱部材3が嵌合可能な開口部を有している。言い換えると、外周部材4は、その内周が均熱部材3(外縁領域3b)の外周全体に沿って均熱部材3と接するように設けられている。外周部材4の外径は、均熱部材3の外径に応じて決まる。外周部材4は、基板10の径方向において段差を有している。具体的には、外周部材4は、内周側に薄肉領域4aを、外周側に薄肉領域4aよりも厚みの厚い厚肉領域4b有し、均熱部材3の表面3Aを下向きとして外周部材4に嵌め込んだときに、表面3A側において同一面を形成しており、断面形状がL字形状である。
外周部材4と均熱部材3とは、外周部材4の開口部に均熱部材3が嵌め込まれたときに爪部2を保持することを可能とするように構成されている。具体的には、図9を参照して、たとえば均熱部材3の表面3Aを下向きとして外周部材4に嵌め込んだときに、均熱部材3の中央領域3aと外周部材4の厚肉領域4bとによって挟持されることにより、爪部2は基板10の表面10Aに平行な方向(水平方向)に固定されている。また、均熱部材3の外縁領域3bと外周部材4の薄肉領域4aと厚肉領域4bとによって挟持されることにより、爪部2は基板10の表面10Aに垂直な方向(鉛直方向)に固定されている。
爪部2は、上述のように、均熱部材3と外周部材4とに挟み込まれるように保持部1と接続されることにより、基板固定冶具200において固定されている。爪部2は、均熱部材3に形成された段差形状に符合する領域と外周部材4に形成された段差形状に符合する領域とを併せ持っている。
爪部2は、基板固定冶具200を平面視したときに、基板10の表面10A上に突き出ている突出部2aと、表面10A上に突き出ていない非突出部2bとからなる。突出部2aは、一定の間隔を空けて複数個設けられている。たとえば、隣り合う突出部2aは、中心角を60度として等間隔に6つ配置されている。突出部2aには、外周部材4と均熱部材3とによって固定された状態において、平面視したときに基板固定冶具200の中央部側に位置する端部2eが形成されている。
突出部2aの端部2eは、基板固定冶具200が基板10を保持している状態において、表面10Aに対して平行な方向において、基板10の外縁部(表面10Aの端部)よりも距離aだけ基板10の内側に突き出ている。本実施の形態に係る基板固定冶具200は、突出部2aにおいて、基板10の外縁部から距離aだけ基板10の内側に突き出ている領域は、基板10の表面10Aと面接触している。
位置決め部材5は、爪部2の非突出部2bと接続固定されている。具体的には、非突出部2bにおいて基板10側であって、中央領域3aより下方に露出した面に位置決め部材5が固定されている。均熱部材3の表面3Aを下向きとして外周部材4に嵌め込んだときに、爪部2、外周部材4、および位置決め部材5は、表面3A側において同一面を形成している。つまり、位置決め部材5は、爪部2を介して、保持部1(均熱部材3および外周部材4)に固定されている。
位置決め部材5の平面形状は弓型状に設けられている。位置決め部材5は、均熱部材3の中央領域3aにおいて基板10に対し所定の間隔を隔てて位置するように設けられている。
位置決め部材5は、複数の突出部2aとそれぞれ所定の位置関係となるように設けられている。具体的には、各突出部2aが基板10の表面10A上に将来形成されるチップ形成領域11といずれも重ならないように、位置決め部材5は基板固定冶具200に対して基板10のOFの位置を拘束するように設けられている。好ましくは、位置決め部材5は、各突出部2aがチップ形成領域11から十分に離れるように、基板固定冶具200に対して基板10のOFの位置を拘束するように設けられている。このとき、爪部2の突出部2aとチップ形成領域11との距離は、1.5mm以上離れているのが好ましい。
このようにすれば、チップ形成領域11が基板10の結晶方位に応じて配置される場合において、基板10のOFを基準として突出部2aを将来のチップ形成領域11と少なくとも重ならない領域に配置することができる。具体的には、位置決め部材5と突出部2aとの位置関係を、エピタキシャル基板におけるOFとチップ形成領域11との位置関係から、該チップ形成領域11となる基板10の表面10A上の領域と少なくとも重ならない領域に突出部2aを配置することができるように決定することができる。
以上のように、本実施の形態に係る基板固定冶具200は、チップ形成領域11と基板10のOFとの位置関係を予め求めておき、当該位置関係に基づき、OFの位置決めをする位置決め部材5と基板10の表面10Aと接触する突出部2aとの位置関係が決定されている。そのため、突出部2aと基板10の表面10Aとの接触部を将来のチップ形成領域11と重ならない領域に形成することができる。そのため、気相成長によって得られるエピタキシャル基板において爪痕部をチップ形成領域11上に形成することを防止することができる。また、各突出部2aがチップ形成領域11から1.5mm以上離れるように、基板固定冶具200に対して基板10のOFの位置を拘束するように設けることもできる。これにより、突出部2aと基板10の表面10Aとの接触部を将来のチップ形成領域11から十分に遠ざけることができ、爪痕部によるチップ歩留まりへの影響をより低減することができる。
本実施の形態においては、位置決め部材5は、基板10のOFを基準として突出部2aを将来のチップ形成領域11と少なくとも重ならない領域に配置するように設けられているが、これに限られるものではない。たとえば、位置決め部材5は、突出部2aがチップ形成領域11上の特定の領域に接触するように位置決めしてもよい。このようにしても、気相成長中における基板10の移動や回転を抑制することができるため、チップ形成領域11上の当該領域以外に爪痕部が形成されることを防止することができる。そのため、チップ形成領域11において異常成長領域によるチップ歩留まりの低下を抑えることができる。
図19を参照して、実施の形態1および実施の形態2に係る基板固定冶具100、200を備える気相成長装置を用いて形成されたエピタキシャル層12を含むエピタキシャル基板14は、上述のように異常成長領域が外縁部に形成されかつ微小であるため、異常成長領域によるチップ歩留まりの低下を抑制することができる。また、実施の形態3に係る基板固定冶具200を備える気相成長装置を用いて形成されたエピタキシャル層12を含むエピタキシャル基板14は、上述のようにチップ形成領域11上に爪痕部が形成されないため、異常成長領域によるチップ歩留まりの低下を抑制することができる。
ここで、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
本発明に従った基板固定冶具200は、基板10を保持した状態で、気相成長装置に取り付け可能な基板固定冶具であって、基板10において成長面(表面10A)の反対側に位置する裏面10Bと対向し、基板10の外径よりも大きい保持部1と、保持部1と接続されており、基板10を保持した状態において基板10の周囲から基板10の成長面(表面10A)上に延びて基板10と接触する複数の爪部2と、基板固定冶具200に保持された基板において、基板10の結晶方位を示す部位(たとえば、OF)の保持部1に対する位置を決定する位置決め部材5とを備えている。
これにより、基板固定冶具200において、爪部2と位置決め部材5とは保持部1において所定の位置関係を有するように構成されている。そのため、基板10の表面10A上において爪部2が基板10の表面10Aと接触する領域を、基板10の結晶方位を示す部位に対して所定の位置に位置決めすることができる。つまり、基板10の表面10A上において、爪部2と基板10とが接触していた領域(爪痕部)を基板10の結晶方位に対して所定の位置に位置決めすることができる。また、たとえば気相成長中において、基板10が基板固定冶具200内で移動もしくは回転しようとする場合にも、位置決め部材5が基板10のOFと接触することにより、基板10の移動もしくは回転を抑制することができる。その結果、異常成長領域が形成されることによるチップ歩留まりの低下を抑制することができる。
位置決め部材5は、爪部2が基板10においてチップが形成される領域11と重ならないように、基板10の結晶方位を示す部位(たとえば、OF)の保持部1に対する位置を決定してもよい。
これにより、チップ形成領域11が基板10の結晶方位に応じて配置される場合において、基板10の結晶方位を示す部位(たとえば、OF)を基準として突出部2aを将来のチップ形成領域11と重ならない領域に配置することができる。この結果、気相成長によって得られるエピタキシャル基板において爪痕部をチップ形成領域11上に形成することを防止することができる。
位置決め部材5は、爪部2が領域から1.5mm以上離れるように、基板10の結晶方位を示す部位(たとえば、OF)の保持部1に対する位置を決定してもよい。
これにより、突出部2aを将来のチップ形成領域11から十分に離れた領域に配置することができ、爪痕部によるチップ歩留まりへの影響をより低減することができる。
上記の基板固定冶具200を備える気相成長装置を用いて製造されたエピタキシャル層12を含むエピタキシャル基板14は、チップ形成領域11上に爪痕部が形成されないため、異常成長領域によるチップ歩留まりの低下を抑制することができる。
本発明に従った基板10固定冶具100は、基板10を保持した状態で、気相成長装置に取り付け可能な基板固定冶具であって、基板10において成長面(表面10A)の反対側に位置する裏面10Bと対向し、基板10の外径よりも大きい保持部1と、保持部1と接続されており、基板10を保持した状態において基板10の周囲から基板10の成長面(表面10A)上に延びて基板10と接触する複数の爪部2とを備えている。爪部2は基板10の成長面(表面10A)に対して傾斜している面(傾斜面2A)を含み、基板10を保持した状態において、傾斜している面は基板10における成長面(表面10A)の外縁部の少なくとも一部と接触している。
これにより、基板10の表面10Aに対して傾斜角θだけ傾いた突出部2aの傾斜面2Aが、基板10の外縁部と当接することにより基板10をフェイスダウン方式で保持することができる。そのため、突出部2aと基板10の表面10Aとの接触部の面積を低減することができ、線接触に近い接触状態を実現することができる。また、突出部2aと基板10の表面10Aとの接触部を基板10においてその外縁部とすることができる。そのため、気相成長によって得られるエピタキシャル基板の径方向において爪痕部をチップ形成領域11から十分に遠ざけることができるため、爪痕部によるチップ歩留まりへの影響を低減することができる。
基板10の成長面(表面10A)に対し垂直な方向において、傾斜している面(傾斜面2A)と成長面(表面10A)との最大距離hは0.5mm以上であり、基板10の成長面(表面10A)に対し平行な方向において、成長面(表面10A)の中央側に位置する爪部2の端部と、基板10の外縁部との距離aは0.5mm以上5mm以下であってもよい。
これにより、反応管31を流通する反応ガスの流れが爪部2によって乱されることを抑制することができる。また、突出部2aと基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域(基板10を表面10A側から平面視したときに爪部2によって隠れる領域。言い換えると、基板10の外縁部から基板10の内側に距離aだけ入った領域)にも反応ガスを流通させることができる。その結果、基板10の表面10Aにおいて、突出部2aとの接触部の周辺領域における異常成長を抑制でき、得られるエピタキシャル基板において、爪痕部の周辺に異常成長領域が形成されることを抑制することができる。さらに、上述のように、得られるエピタキシャル基板において、爪痕部はその外縁部に形成されるため、爪痕部の周辺領域において微小な異常成長領域が形成された場合においても、該異常成長領域はチップ形成領域11から充分に離れているため、異常成長領域によるチップ歩留まりへの影響を低減することができる。また、基板固定冶具100から基板10が落下することを防止することができる。
基板10の成長面(表面10A)に対して傾斜している面(傾斜面2A)がなす角度θは、0.1≦tanθ≦1.0という関係式を満足してもよい。
これにより、反応管31を流通する反応ガスの流れが爪部2によって乱されることをより効果的に抑制することができる。また、突出部2aと基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域にも反応ガスを流通させることができる。その結果、基板10の表面10Aにおいて、突出部2aとの接触部の周辺領域における異常成長を抑制でき、得られるエピタキシャル基板において、爪痕部の周辺に異常成長領域が形成されることを抑制することができる。また、基板固定冶具100から基板10が落下することを防止することができる。
基板10固定冶具に保持された基板10において、基板10の結晶方位を示す部位の保持部1に対する位置を決定する位置決め部材5をさらに備えてもよい。
これにより、位置決め部材5と突出部2aとの位置関係を、エピタキシャル基板におけるOFとチップ形成領域11との位置関係から、該チップ形成領域11となる基板10の表面10A上の領域から遠く離れた位置に突出部2aを配置することができるように決定することができる。そのため、気相成長によって得られるエピタキシャル基板において爪痕部をチップ形成領域11から十分に遠ざけることができるため、爪痕部によるチップ歩留まりへの影響を低減することができる。
傾斜している面(傾斜面2A)は、基板10側に凸形状である曲面となっている領域を含み、爪部2は当該領域において基板10の外縁部と接触していてもよい。このようにすれば、爪部2と基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域をより小さくすることができる。
爪部2は球状の部分を含んでいてもよい。これにより、爪部2と基板10の表面10Aとが接触せずに対向する領域をより小さくすることができる。
上記の基板固定冶具100、200を備える気相成長装置を用いて製造されたエピタキシャル層12を含むエピタキシャル基板14は、異常成長領域が外縁部に形成されかつ微小であるため、異常成長領域によるチップ歩留まりの低下を抑制することができる。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
1 保持部、2 爪部、2A 傾斜面、2a 突出部、2b 非突出部、2c 球体、2d 保持部材、2e 端部、3 均熱部材、3A 表面、3B 裏面、3a 中央領域、3b 外縁領域、4 外周部材、4a 薄肉領域、4b 厚肉領域、5 位置決め部材、10 基板、10A 表面、10B 裏面、11 チップ形成領域、30 気相成長装置、31 反応管、32 ガス供給部材、33 排気部材、34 サセプタ、35 ヒータ、100 基板固定冶具。

Claims (1)

  1. 基板を保持した状態で、気相成長装置に取り付け可能な基板固定冶具であって、
    前記基板において成長面の反対側に位置する裏面と対向し、前記基板の外径よりも大きい保持部と、
    前記保持部と接続されており、前記基板を保持した状態において前記基板の周囲から前記基板の前記成長面上に延びて前記基板と接触する複数の爪部と、
    前記基板固定冶具に保持された前記基板において、前記基板の結晶方位を示す部位の前記保持部に対する位置を決定する位置決め部材とを備え
    前記位置決め部材は、前記爪部が前記基板においてチップが形成される領域から1.5mm以上離れるように、前記部位の前記保持部に対する位置を決定する、基板固定冶具。
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