JP6133849B2 - 歯科インプラント - Google Patents

Description

本発明は、歯科インプラントの分野に関し、より詳細には、インプラント、アバットメント、及びそれに連結される補綴物を包囲する硬組織及び軟組織の長期安定性を最大にするインプラントのヘッドの設計に関する。

歯科インプラントは、失われた歯を置換するために使用される。インプラントは、失われている歯の部位の顎骨内に置かれ、歯科補綴ユニットがそれに取り付けられる。歯科インプラント及びそれらに取り付けられた補綴物の長期の機能的及び美的成功は、それらの周りの硬組織及び軟組織の反応により決定される。歯科インプラント学の技術の歴史を通して、幾らかの骨損失及び続く軟組織後退が常に起こりかつ容認されなければならないことがわかっている。

近年、骨損失及び軟組織損失が、インプラントのヘッド及びその補綴ユニットとの連結の周りの組織環境を改善することにより少なくされることができることが示された。減少した連結直径を持つ幾つかのインプラント設計が、インプラントヘッドの上及び補綴アバットメントの周りのより多い軟組織容積を提供し、より良好な硬組織及び軟組織反応を示した。例えば図１に示され、かつ図２に使用状態で示された普通の従来技術のインプラント１を参照されたい。インプラント１は、典型的には外側表面の周りにねじ山４を持つ根状端３、及び上部表面６を持つインプラントヘッド５を持つ本体２を含む。ねじ受け内腔７は、補綴ユニット、典型的にはアバットメントねじ８を持つアバットメント、及びアバットメント上に取り付けられた歯冠９を受けるために本体２内に規定される。

しかし、骨損失は、インプラントヘッドの周りの骨厚が小さい場所でなお起こる。この影響は、組織が笑う際に並びに隣接インプラント間で特に前歯領域で露出される口の前歯領域内に置かれたインプラントに対して頬側の薄い骨板内で骨損失が起こるとき、最も明らかであり、かつ最も不安を生じさせる結果をもたらす。歯科専門家は、インプラントヘッドを頬側板から離れるように設けることを試みることによりこの影響を防ぐためにどんなことでもしかねず、従ってインプラントヘッドに対して頬側の骨厚をより大きくする試みをしている。しかし、骨隆起寸法及びインプラント寸法は、それらの成功を妨げるかもしれない。

同様に、隣接インプラントが要求されるとき、必要な組織容積を可能にするためにインプラント間に十分な空間を残すことが困難であるかもしれない。

より厚い頬側骨及びより大きな骨容積は減少した骨損失及び減少した軟組織損失と関連しているということは、確立した臨床的事実である。その理由のため、より小さな直径のインプラントが口の前方領域内で使用されることがあるが、フィクスチャー及び連結部の機械的強度を犠牲にするか、または補綴物の柔軟性（例えば一体片インプラントを使用するとき）を犠牲にする。

加えて、歯冠ユニットを通してアバットメントとインプラントの連結ねじに直接アクセスすることができることは、ときには大きな実際的な利点である。しかし、舌側（口蓋）方向からアクセスすることが最も望ましいかもしれない前方上顎領域では、多くの場合、（図２に見られるように）骨隆起の解剖学的構造、寸法、及び配向のためにそれは可能ではない。前方上顎領域内でインプラントを修復するときに角度的制限を補償するために、歯科医は、セメント合着した歯冠の解体またはねじで保持された歯冠に対する角度修正補綴部品の使用に訴えることがあり、それらは歯肉下の補綴ユニットの好適な幾何学的形状、美的成果、及び連結強度（例えばより小さな直径ねじを要求することによって）を犠牲にする場合がある。

従って、減少した骨及び軟組織損失をもたらし、かつ問題のある状況でより成功裡に埋入されることができる歯科インプラントに対する長い切実な要求がある。

本発明は、インプラントヘッドの周りの重大な場所において大きな骨容積を可能にする歯科インプラント上に修正されたヘッド部を提供することによりこの問題を解決する。同時に、インプラント及び連結部の機械的強度は、インプラントの残りを通常のインプラントに対して変えずに保持することにより維持される。このようにして、歯科インプラントの周りの重大な領域において骨吸収及び歯茎後退が減少されることができる。

従って、本発明によれば、歯科インプラントであって、上部表面を持つインプラント本体、及び上部表面から前記本体の一つの側面に沿って下向きに長手方向にかつ周囲に対して外向きに延びる少なくとも一つの非環状切り取り部分を含むことを特徴とする歯科インプラントが提供される。

本発明の一実施態様によれば、歯科インプラントは、インプラントにアバットメントを結合するための、上部表面から下向きに延びるねじ受け内腔をさらに含む。ねじ受け内腔は、インプラントの長手方向軸と同心であることができ、ねじ受け内腔は、インプラントの長手方向軸と非同心であることができ、及び／またはねじ受け内腔は、インプラントの長手方向軸に対して角度をなして形成されることができる。

本発明の別の実施態様によれば、インプラントは一体片インプラントであり、切り取り部分は骨縁下の少なくとも一部分に沿って延び、インプラントの横断粘膜部を含むことができる。

ある実施態様によれば、切り取り部分は先細りとなっている。他の実施態様によれば、切り取り部分は肩で終わっている。さらに他の実施態様によれば、切り取り部分は本体の全長に沿って延びる。

ある実施態様では、上部表面から長手方向に前記本体の対向側面に沿って下向きにかつ周囲に対して外向きに延びる二つの対向して配置された切り取り部分がある。他の実施態様では、上部表面から下向きに長手方向に、本体の周りに等距離でかつ周囲に対して外向きに延びる三つの切り取り部分がある。

さらに、本発明によれば、本体部分、及び本体部分と一体的に形成されたヘッド部分を含む歯科インプラントが提供され、ヘッド部分は上部表面を持ち、本体部分は周囲を持ち、ヘッド部分は非円形周囲を持ち、さらにヘッド部の周囲は本体部分の周囲より小さい。

さらに、本発明によれば、歯科インプラントを形成する方法が提供され、その方法は、上部表面を持つインプラント本体を形成すること、及び上部表面から本体の一つの側面に沿って下向きに長手方向にかつ周囲に対して外向きに延びる少なくとも一つの非環状部分を切り取ることを含む。

本発明によれば、歯科インプラントを形成する方法が提供され、その方法は、長手方向軸を持つ実質的に円筒形または円錐形のインプラント本体を準備すること、及び本体上に上部表面を持つヘッド部分を形成することを含む。ヘッド部分は、ヘッド部分が本体の周囲より小さい非円形周囲を持つようにヘッド部分の周囲の一部分を切り取ることにより形成される。

本発明は、図面に関してなされる以下の詳細な説明からさらに理解されかつ認識されるだろう。

図１は、従来技術の歯科インプラントヘッドの概略図である。

図２は、使用時の図１の従来技術の歯科インプラントの概略断面図である。

図３は、本発明の一実施態様により構成されかつ実施される歯科インプラントの概略図である。

図４は、図３の歯科インプラントのインプラントヘッドの等角投影図である。

図５ａは、使用時の通常の従来技術のインプラントの概略断面図であり、図５ｂ，５ｃ及び５ｄは、異なる長さの平坦部分を持つ本発明の異なる実施態様によるインプラントの概略断面図である。

図６ａ，６ｂ，６ｃ及び６ｄは、切り取り部分の異なる配置を持つ本発明の異なる実施態様によるインプラントの等角投影図である。

図７ａ，７ｂ，７ｃ及び７ｄは、図６ａ，６ｂ，６ｃ及び６ｄのインプラントの上面図である。

図８ａ−８ｂは、使用時の本発明によるインプラントの例示的実施態様の概略図である。

図８ｃは、使用時の本発明によるインプラントの例示的実施態様の概略図である。

図９ａ−９ｂは、本発明の異なる例示的実施態様によるインプラントの側面断面図である。

図９ｃ−９ｄは、本発明の異なる例示的実施態様によるインプラントの側面断面図である。

図１０ａ−１０ｅは、本発明の異なる実施態様により形成された、寸法と設計を変更したインプラントの側面断面図である。

図１１ａ−１１ｃは、本発明のさらなる実施態様によるインプラントヘッドの概略図である。

図１２ａは、補綴ユニットを持つ従来技術のインプラントヘッドの概略図であり、図１２ｂは、本発明のさらなる実施態様による歯科インプラントの概略図である。図面は概略図にすぎず、縮尺通りでないことを認識するだろう。

本発明は、インプラント及び連結部の機械的強度を犠牲にすることなしにインプラントヘッドの周りの重大な場所で多い骨を可能にする修正されたヘッド部分を持つ歯科インプラントに関する。本発明の目的は、インプラントのヘッドのこの修正された設計を採用することにより歯科インプラントの周りの重大な領域内の骨吸収を減らすことである。

新しい設計は、本体と、本体の周囲より実質的に小さい周囲の一体的に形成されたヘッドとを持つインプラントを与えることを含み、そこではヘッドの周囲は環状ではない。このインプラントは、上部表面を持つインプラント本体を含み、この上部表面からインプラント本体の支配的な管状形状の周囲の一つ以上の部分が上部表面から下に希望の高さまで切り取られている。平坦となった表面は、切り取り領域が新しい骨成長で満たされることになるとき、完全な輪郭の管状形状を持つインプラントと比べると、それに隣接してより多い骨厚さを可能にする。薄い頬側の骨板もしくは薄い下顎隆起があったりまたは隣接インプラント間にある場所のような重大な領域内の骨厚さの増加は、かなりのものであり、骨吸収の危険の低下及び結果として起こる美的妥協をもたらす。

本発明によるインプラント１０の一例は、図３の断面、及び図４の等角投影図に示される。インプラント１０は、インプラント本体１１、及び上部部分１３を規定するインプラントヘッド１２を含む。ヘッド１２は、上部部分１３から下向きにかつインプラントの周囲に対して外向きに延びる、長手方向の非環状切り取り部分１４を持つ。結果は、ヘッド１２が本体より小さい周囲を持つことである。インプラント１０はまた、補綴ユニット１７を保持するためにアバットメントねじ（図示せず）を受けるためのねじ受け内腔１５を含む。インプラントヘッド１２の切り取り部分１４は、切り取り部分１４により作り出されたヘッドの周囲の実質的な差を示すために図３では破線で示されている。切り取り部分は、希望の限りインプラントの長さに沿って延びることができ、インプラントの長手方向軸に平行であるか、または長手方向軸に対して角度をなして先細りとなるか、または図３に示された実施態様におけるように肩１６で終わることができる。異なる長さの平坦部分の幾つかの例が、図５ａの通常の従来技術のインプラントと並んで示された図５ｂ，５ｃ及び５ｄに示されている。

インプラントヘッドの切り取り部分の形態が種々の方法のいずれか一つで設計されることができることは注目されるべきである。小さい周囲部分は平坦もしくは平らであってもよく、またはそれは曲がっていてもよい。もし望むなら、狭い周囲部分はインプラントのヘッドの残りと同じ表面形態を持つことができ、例えば骨及び組織への改善された付着のためにマイクロねじ山またはリングを持つことができる。上述のように、小さい周囲ヘッド部分は、インプラントの長さの一部からその全長までのいかなる部分も含むように延びることができる。さらに、一つより多い長手方向の切り取り部分が設けられることができ、好ましくは本体の周りに対称的に配置されることができる。例えば、図６ａは、互いに対向して二つの切り取り部分２２，２４を持つインプラント２０の等角投影図であり、図７ａはその上面図である。このタイプのインプラントは、骨隆起が狭い場所、例えば下顎臼歯部において特に好適である。例えば、下顎神経管２７を持つ下顎臼歯部２６の断面を示す図８ｂを参照されたい。切り取り部分２２，２４を持つインプラント２０はそこに埋入される。見ることができるように、インプラントの本体は骨内の連結部及びフィクスチャーの機械的強度を保持するために通常の寸法のままであるが、ヘッドは頬側／舌側寸法に狭い出現を与えるためにヘッドは小さな周囲を持ち、それはインプラントヘッドの周りの骨損失の最小化及び軟組織の反応の強化を可能にする。従って、通常のインプラントに関して、インプラントヘッドに対して頬側の骨の拡大された領域２８及びインプラントヘッドに対して舌側の骨の拡大された領域２９が得られる。

図６ｂは、インプラントの長手方向軸の周りに等距離の三つの切り取り３２，３４，３６を持つインプラント３０の等角投影図を示し、図７ｂはその上面図を示す。このタイプのインプラントは、インプラントヘッドに対して頬側に及びインプラント間に少ない結合容積がある領域で隣接インプラントとともに使用するために特に適している。この設計は、上顎の前方部において特に有利である。例えば、二つの隣接歯３３が骨の治療後にインプラントにより置換された前方上顎骨稜３１の咬合図を示す図８ａを参照されたい。切り取り部分３２，３４，３６を持つ二つのインプラント３０が、二つの除去された歯の場所に埋入されている。見ることができるように、インプラントヘッドに対して頬側の骨の拡大された領域３５及びインプラントヘッド間の骨の拡大された領域３７が、通常の円筒形（切り取りなし）インプラントに関して与えられる。

本発明のある実施態様によれば、アバットメントを連結するためのねじ受け内腔はインプラントの長手方向軸と同心でない。これは、上述の本発明による対称的なインプラントよりさらに小さいインプラントヘッドの周囲を可能にする。図６ｃは、図４のインプラントと同様の単一の切り取り４２を持つがインプラントの長手方向軸と実質的に一直線となっている偏心的に配置されたねじ受け内腔４４を持つインプラント４０の等角投影図を示し、図７ｃはその上面図を示す。この設計は、図４の同心的なインプラントよりさらに大きな切り取り領域を持つインプラントを与え、余分の（最大）骨容積を与えることが望ましい領域で特に有用である。

図６ｄは、図６ｃのインプラントと同様の単一の切り取り５２を持ち、インプラントの長手方向軸に対して非同心的に配置されたねじ受け内腔５４を持つインプラント５０の等角投影図を示し、図７ｄはその上面図を示す。しかし、図６ｄでは、ねじ受け内腔５４はインプラントの長手方向軸と一直線になっておらず、図７ｄで最も良く見られるようにそれに対して角度をなして形成されている。この設計は、頬側骨の余分な容積及びアバットメントねじに対する舌側のアクセスを確保するために上顎の前方領域で特に有用である。例えば、インプラント５０の長手方向軸５８に対して角度をなして配置された軸５６を持つねじ受け内腔５４を持つインプラント５０が示されている図８ｃを参照されたい。この特別な配置がインプラントに対するアバットメント連結及びそのねじの角度付け及び位置の非対称を可能にすることは理解されるだろう。従って、連結及びねじ穴中心は（切り取り５２から離れて）より舌側に配置されることができ、それらはアバットメントねじが修復の舌側面５９からアクセスされることができる見込みを大きく高めるように配向されることができる。

連結それ自身（インプラントとアバットメントの間の界面）は、傾斜され、傾斜したねじと一直線であることができ、あるいは連結は、ねじ穴及び舌側に向けて傾斜したねじアクセスによりインプラントの長手方向軸に平行に保たれることができる。図９ａ，９ｂ，９ｃ及び９ｄは、種々の角度可能性の側面断面図を与える。図９ａは、切り取り６２、及びインプラントの長手方向軸に対して同心的に設けられかつ一直線上にあるねじ受け内腔６４を持つインプラント６０を示す。図９ｂは、切り取り６６、及びインプラントの長手方向軸に対して同心的に設けられているが角度をなして傾斜したねじ受け内腔６８を持つインプラント６５を示す。図９ｃは、切り取り７２、及びインプラントの長手方向軸に対して偏心的に設けられているが一直線上にあるねじ受け内腔７４を持つインプラント７０を示す。従って、切り取り部分７２は、図９ａのインプラントに対して幅が拡大されている。そして、図９ｄは、切り取り７６、及びインプラントの長手方向軸に対して偏心的に設けられかつ角度をなして傾斜したねじ受け内腔７８を持つインプラント７５を示す。従って、切り取り部分７６は、図９ｂのインプラントに対して幅が拡大されることができる。これらのねじ受け内腔の選択肢のいずれも上述されかつ下述されるインプラントの設計のいずれかと共にかつ希望のインプラントのタイプのいずれかと共に使用されることができることは理解されるだろう。

従って、インプラントの特定の設計が患者の口内の位置及び患者の顎の状態に応じて選ばれることができることは理解されるだろう。

本発明で開示された修正されたヘッド設計が、本体形状、ねじ山タイプ、長さ、直径、連結部、表面処理、及び使用された材料にかかわらず、またはそれが骨レベル、組織レベル、または一体片インプラントであるかどうかにかかわらず、全てのインプラント設計に対して適用されることができることは理解されるだろう。例えば、本発明の切り取り部分を実施するインプラントの異なるタイプまたは設計をそれぞれ示す図１０ａ−１０ｅを参照されたい。図１０ａ及び１０ｂは骨レベルインプラントを示す。図１０ｃは組織レベルインプラントを示す。図１０ｄは外部連結部を持つ骨レベルインプラントを示し、図１０ｅはインプラント本体と共に一体的に形成された補綴物を持つ一体片インプラントを示す。

単一の平坦化されたまたは切り取られた領域を持つインプラントは、単一の最も適当な（最適な）配向を持つだろう（すなわち顎の薄い骨部分に隣接して配向された切り取り領域を持つ）。単一の切り取り部分を持つこのタイプのインプラントは、回転挿入の完全な３６０度の範囲内の単一の適当な配向を持ち、小さなステップのタイトなねじ山インプラント、またはねじ山なしインプラントのために良く適している。しかし、この特徴は、大きなねじ山ステップを持つねじ山付きインプラントの場合において有害でありうる。それは骨レベル以下の配置が実行されることが多い前方領域では問題でないけれども、これが問題であるとき、インプラントのヘッドは、二方または三方対称を与えるように、上に示されたように二つまたは三つの切り取りを持って作られることができる。このようにして、インプラントは、幾つかの切り取り部分のいずれか一つが、追加の骨成長がその領域で可能であるように顎の問題のある領域に面して配置されるまで回転されることができる。本発明のこれらの実施態様は、より小さい深さの変化を可能にする。二つの切り取りインプラントヘッドは、完全な回転毎に二つの適当な位置を可能にし、三つの切り取りインプラントヘッドは完全な回転毎に三つの適当な位置を可能にする。

同様に、非同心のインプラントヘッドを持つ（たった一つの切り取り部分を持つ）新しい設計を組み込んでいるインプラントの適当な有利な使用は、切り取りが常に減少した骨容積を持つ領域の方に向けられるようにインプラントヘッドの特別な配置を要求する。多くの場合、それは頬側に向けられるだろう。この特別な配置が上述のようにインプラントに対してアバットメント連結及びそのねじの角度付け及び位置の非対称を可能にすることは理解されるだろう。

非同心のインプラント及びねじアクセスは方向的に制限されるので、連結部内に回転対称的に接着する必要がもはやないことは注目されるべきである。その代わりに、連結部及びインプラントの上部表面は、通常のタイプのインプラントとアバットメントの連結より良好にかかるインプラントとアバットメントの対の特別な要求に適合させられることができる。アバットメント上に補完的な特徴を受けるための異なる特徴を持つ、かかる連結の三つの例示的な例が、図１１ａ，１１ｂ及び１１ｃに示されている。図１１ａでは、ヘッドは突起を規定し、図１１ｂでは、ヘッドは切り欠きを持つ平坦な部分を規定し、図１１ｃでは、ヘッドは長方形の連結を規定する。

本発明のインプラントのさらなる利点は、補綴物ユニット８２を持つ従来技術のインプラント８０を示す図１２ａに、及び本発明の一実施態様によるインプラント８４を示す図１２ｂに概略的に示されている。インプラント８４は、上述のように単一の切り取り８６を持つ。従来技術のインプラント８０は、組織レベルインプラントであり、そこでは骨及び組織損失が起こりうる。そうなるとき、金属インプラント８０は可視化される。それは、特にもし口の前方部分内に設けられるなら、非常に不快になりうる。本発明のインプラント８４は、補綴物歯冠８８が切り取り部分８６の長さの一部または全部に沿って延ばされることを可能にする。この部分は、口内に可視可能に配置され、従ってたとえ幾らかの骨または組織損失があったとしても、金属インプラント８４は目に見えないだろう。

上記の記載が例としての役目をすることだけを意図されていること、そして多くの他の実施態様が本発明の精神及び範囲内で可能でありかつ包含されることは理解されるだろう。ここに述べられかつ図に示されたインプラントは、例示にすぎない。ここに述べられた構造の他の変形を具体化するインプラントは、本発明の範囲内にある。

本発明が限定された数の実施態様に関して述べられたが、本発明の多くの変化、修正及び他の適用がなされることができることは理解されるだろう。さらに、本発明が例として上に述べられたものに限定されないことは理解されるだろう。むしろ、本発明は以下の請求項によってのみ限定される。

Claims (13)

1. 非環状切り取り部分を有する歯科インプラントであって、前記非環状切り取り部分は、移植されたときに、顎骨の隣接部分によって増加された骨厚さで満たされて、インプラントの骨縁下部分に沿った骨吸収を減らすように配置可能であり、前記インプラントは、インプラント本体を含み、前記インプラント本体は、上部表面、及びインプラントにアバットメントを結合するための、上部表面から下向きに延びるねじ受け内腔を含み、前記インプラント本体は、前記インプラント本体の一つの側面に沿って長手方向に延びる非環状切り取り部分の内部境界を規定する少なくとも一つの側部表面を有し、前記非環状切り取り部分の内部境界を規定する側部表面は、前記ねじ受け内腔の最も広い直径と少なくとも同じだけ広く、前記非環状切り取り部分は、三つの非環状切り取り部分を含み、前記三つの非環状切り取り部分は、上部表面付近のインプラント本体のヘッド部分の長手方向レベルを含みかつ前記ねじ受け内腔を半径方向に包囲する前記インプラント本体の側に沿って長手方向に、前記インプラント本体の周りに等距離で延び、前記少なくとも一つの側部表面は、前記少なくとも一つの側部表面と前記顎骨の部分の間に前記三つの非環状切り取り部分のうちの少なくとも一つを配置するように配置可能であり、前記顎骨の部分に対して、前記少なくとも一つの側部表面は、前記インプラント本体が移植されたときに最も近いインプラント表面であることを特徴とする歯科インプラント。
2. 前記ねじ受け内腔がインプラント本体の長手方向軸に対して偏心的に位置されていることを特徴とする請求項１に記載の歯科インプラント。
3. 前記側部表面は、前記偏心的に位置されたねじ受け内腔の最長半径の長さより、前記インプラント本体の中心長手方向軸に半径方向に近い部分を含むことを特徴とする請求項２に記載の歯科インプラント。
4. 前記ねじ受け内腔がインプラントの長手方向軸に対して角度をなして形成されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
5. 前記三つの非環状切り取り部分のうちの少なくとも一つが、前記側部表面に隣接する前記顎骨の部分から離れてかつ上部表面側に向かって先細りとなっていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
6. 前記三つの非環状切り取り部分のうちの少なくとも一つが、前記側部表面から周囲に対して外向きに延びる肩で終わっていることを特徴とする請求項１〜５のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
7. 前記三つの非環状切り取り部分のうちの少なくとも一つがインプラント本体の全長に沿って延びることを特徴とする請求項１〜６のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
8. 前記インプラント本体が、本体部分、及び前記本体部分と一体的に形成されたヘッド部分を含み、前記本体部分が周囲を持ち、前記ヘッド部分が非円形周囲を持ち、前記ヘッド部分が前記側部表面の一部分を含み、前記ヘッド部分が、前記インプラントが移植されたときに、指定された骨レベルの下に位置されるように構成された領域を有し、前記指定された骨レベルの下の前記ヘッド部分の周囲が本体部分の周囲より小さいことを特徴とする請求項１〜７のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
9. 前記三つの非環状切り取り部分が、その長さの少なくとも一部に沿って補綴物歯冠が延びることを可能にするような寸法を有することを特徴とする請求項１〜８のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
10. 前記側部表面が、前記歯科インプラントの長手方向軸に対して横方向に前記歯科インプラントの幅に沿って延びる凸面であることを特徴とする請求項１〜９のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
11. 前記三つの非環状切り取り部分が、前記上部表面から下向きに延びることを特徴とする請求項１〜１０のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
12. 前記三つの非環状切り取り部分が、少なくとも指定されたレベルから前記ねじ受け内腔の少なくともねじ付き領域まで長手方向に延びることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか一つに記載の歯科インプラント。
13. 前記三つの非環状切り取り部分のうちの少なくとも一つの表面形態が、マイクロねじ山またはリングを含むことを特徴とする請求項１〜１２のいずれか一つに記載の歯科インプラント。

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