ところで、特許文献1記載の技術は袋の開口部を開口(拡開)するのに真空ポンプや吸着部材(吸着拡開部)を必要とし、また、開口した袋の中に被包装物を投入したり、開口部を挟持するのにそれぞれコンベヤを必要とする。このため、装置が複雑化、大型化する不都合があった。また、袋を単に開口し、その中に小さな部品等の被包装物を投入するような場合には特許文献1記載の技術のような大掛かりな装置は必要ない。さらに、被包装物を袋に投入する作業を繰り返し迅速かつ確実に行うことは容易ではなく、例えばこのような袋開口作業や袋詰め作業を体の不自由な作業者が行うような場合、作業がより簡単に行えることが望ましい。また、作業スペースが限られた環境で用いる場合や作業の前後工程などを考慮すると、袋開口装置はできるだけ簡易な構成であって、かつ例えば作業台などへ容易に設置できるものであることが望ましい。
この発明の目的は上記した課題を解決し、構成が簡易で、装置の小型化が可能であり、さらには、例えば体の不自由な作業者であっても容易に作業を行うことが可能な袋開口装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、請求項1にあっては、袋を両側から挟持可能な一対の挟持部と、前記挟持部を移動させる挟持部移動手段とを備えた袋開口装置において、前記挟持部は、それぞれ前記袋を挟持したときに前記袋の開口部に沿うように配置される挟持用部材からなると共に、前記袋を挟持する挟持面に粘着部を有し、前記袋を複数枚重ねた状態で収容する載置台と、前記挟持部移動手段によって前記挟持用部材が互いに近接する方向に移動させられるとき、前記載置台に収容された袋に接近するように移動させ、前記挟持用部材が互いに第1所定距離だけ近接する位置まで移動させられるとき、前記載置台に収容された袋を保持する一方、前記挟持部移動手段によって前記挟持用部材が互いに離間する方向に移動させられるとき、前記載置台に収容された袋から離れるように移動させ、前記挟持用部材が互いに第2所定距離だけ離間する位置まで移動させられるとき、前記保持した袋を待機位置まで搬送する袋搬送手段と、をさらに備える如く構成した。また、請求項2にあっては、袋を両側から挟持可能な一対の挟持部と、前記挟持部を移動させる挟持部移動手段とを備えた袋開口装置において、前記挟持部は、それぞれ前記袋を挟持したときに前記袋の開口部に沿うように配置される挟持用部材からなると共に、前記袋を挟持する挟持面に粘着部を有し、作業台と、前記挟持用部材を前記作業台に設置させるマウントと、をさらに備え、前記作業台は、前記マウントを前記作業台の作業面とほぼ水平方向に移動可能なマウント移動手段を有する如く構成した。また、請求項3に係る袋開口装置にあっては、作業台と、前記挟持用部材を前記作業台に設置させるマウントと、をさらに備え、前記作業台は、前記マウントを前記作業台の作業面とほぼ水平方向に移動可能なマウント移動手段を有し、前記マウント移動手段によって前記マウントが移動したか否か判断するマウント移動判断手段と、前記マウント移動判断手段によって前記マウントが移動したと判断されたとき、前記挟持用部材の移動を規制する規制手段と、をさらに備える如く構成した。また、請求項4に係る袋開口装置にあっては、前記マウント移動手段によって前記マウントが移動したか否か判断するマウント移動判断手段と、前記マウント移動判断手段によって前記マウントが移動したと判断されたとき、前記挟持用部材の移動を規制する規制手段と、をさらに備える如く構成した。
請求項5に係る袋開口装置にあっては、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を互いに近接または離間させる方向に移動させる如く構成した。
請求項6に係る袋開口装置にあっては、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を一方の端部を中心に揺動させることで他方の端部を互いに近接または離間させる方向に移動させる如く構成した。
請求項7に係る袋開口装置にあっては、前記一方の端部は、重力方向における下方側の端部である如く構成した。
請求項8に係る袋開口装置にあっては、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を互いに離間させる方向に付勢する付勢手段を有する如く構成した。
請求項9に係る袋開口装置にあっては、前記挟持用部材の少なくともいずれかは、前記挟持面に凸部が形成されると共に、前記凸部の先端に前記粘着部が設けられる如く構成した。
請求項10に係る袋開口装置にあっては、前記挟持用部材は、それぞれ前記挟持面に凸部が形成されて前記凸部の先端に前記粘着部が設けられると共に、前記それぞれの凸部は互いに対向しない位置に形成される如く構成した。
請求項11に係る袋開口装置にあっては、前記挟持用部材は、それぞれ前記挟持面に凸部が形成されて前記凸部の先端に前記粘着部が設けられると共に、前記それぞれの凸部は前記先端が互いに対向しない位置に形成され、かつ、前記それぞれの凸部の前記先端以外の一部が対向する位置に形成される如く構成した。
請求項1および2にあっては、袋を両側から挟持可能な一対の挟持部と、挟持部を移動させる挟持部移動手段とを備えた袋開口装置において、挟持部は、それぞれ袋を挟持したときに袋の開口部に沿うように配置される挟持用部材からなると共に、袋を挟持する挟持面に粘着部を有する如く構成、即ち、挟持面に粘着部を有する2つの挟持用部材の間に袋をセットし、挟持用部材を移動させるだけで袋の開口が可能となるように構成したので、例えば真空ポンプや吸着部材、コンベアといった大掛かりな装置を必要とせず、構成が簡易で、しかも装置の小型化が可能となる。また、単に挟持用部材を移動させるだけで袋を開口できるので、例えば体の不自由な作業者であっても容易に作業を行うことができる。特に、請求項1にあっては、袋を複数枚重ねた状態で収容する載置台と、挟持部移動手段によって挟持用部材が互いに近接する方向に移動させられるとき、載置台に収容された袋に接近するように移動させ、挟持用部材が互いに第1所定距離だけ近接する位置まで移動させられるとき、載置台に収容された袋を保持する一方、挟持部移動手段によって挟持用部材が互いに離間する方向に移動させられるとき、載置台に収容された袋から離れるように移動させ、挟持用部材が互いに第2所定距離だけ離間する位置まで移動させられるとき、保持した袋を待機位置まで搬送する袋搬送手段とを備える如く構成したので、袋開口作業を開始する際に、袋が挟持用部材近くの待機位置にセットされるため、作業が容易かつ迅速に行えるようになる。特に、作業者が片手で作業を行うような場合であっても現在作業している袋の開口工程と次の作業で用いる袋を1枚だけ取り出す工程とを1つの工程で同時に行うことができるため、工数等の削減に寄与できる。また、請求項2にあっては、挟持用部材を作業台に設置させるマウントを備えると共に、作業台は、マウントを作業台の作業面とほぼ水平方向に移動可能なマウント移動手段を有する如く構成したので、上記した効果に加え、作業台で袋開口作業以外の作業を行うときは挟持用部材を作業台の端に移動させることができる。また、袋開口装置を作業台の所定位置へ移動して用いることができるので、袋開口工程の前工程として、例えば袋に詰める部品の計数作業がある場合に、計数作業を終えて作業台の上に置かれた部品を部品置場から移動させることなく開口された袋へ投入することができる。このため、部品投入のために部品をわざわざ移動させたり、作業者自身が移動したりする必要もなく、工数等の削減に寄与できる。請求項3および4に係る袋開口装置にあっては、マウントが移動したか否か判断し、マウントが移動したと判断されたとき、挟持用部材の移動を規制する如く構成したので、上記した効果に加え、マウントが作業台を水平方向に移動している最中に挟持用部材が動いてしまうのを防止することができる。
請求項5に係る袋開口装置あっては、挟持部移動手段は、挟持用部材を互いに近接または離間させる方向に移動させる如く構成、即ち、挟持用部材を互いに近接および離間させるだけで袋の開口が可能となるように構成したので、上記した効果に加え、より構成が簡易で、装置の小型化が可能であると共に、体の不自由な作業者であってもより簡単に作業を行うことができる。
請求項6に係る袋開口装置にあっては、挟持部移動手段は、挟持用部材を一方の端部を中心に揺動させることで他方の端部を互いに近接または離間させる方向に移動させる如く構成したので、上記した効果に加え、構造が簡易で装置の小型化が可能であるだけでなく、一方の挟持用部材を他方の挟持用部材に対して大きく開くことが可能となるため、袋を挟持用部材の間にセットする際も一方の挟持用部材が邪魔になることはなく(袋を挟持用部材にセットしやすくなり)、作業性が向上する。
請求項7に係る袋開口装置にあっては、一方の端部は、重力方向における下方側の端部である如く構成したので、上記した効果に加え、挟持用部材の下方側が閉じられることにより例えば袋が落下するようなことがあっても、袋は床まで落ちずに挟持用部材の下方側連結部で保持される。
請求項8に係る袋開口装置にあっては、挟持部移動手段は、挟持用部材を互いに離間させる方向に付勢する付勢手段を有する如く構成したので、上記した効果に加え、挟持用部材によって袋を挟持した後、挟持用部材を単に離せば(挟持用部材への力を解放すれば)袋は自動的に開口するため、より作業性が向上する。特に、挟持用部材を単一方向に移動させるだけでよいため、作業者は片手で作業を行うことができると共に、挟持用部材を閉じる工程を行った後、すぐに次の工程にとりかかることができるため、工程数の削減に寄与できる。
請求項9に係る袋開口装置にあっては、挟持用部材の少なくともいずれかは、挟持面に凸部が形成されると共に、凸部の先端に粘着部が設けられる如く構成したので、上記した効果に加え、例えば強固に密着して開口し難い状態の袋であっても、袋を挟持したときに凸部の先端部分で袋が捻れるため、密着した袋に隙間が生じて袋を開口しやすくなる。また、凸部を設けることによって袋を挟持したときに挟持用部材と挟持用部材との間には凸部の高さ分の隙間が生じるため、例えば挟持用部材間で指が挟まれるのを防止することができる。
請求項10に係る袋開口装置にあっては、挟持用部材は、それぞれ挟持面に凸部が形成されて凸部の先端に粘着部が設けられると共に、それぞれの凸部は互いに対向しない位置に形成される如く構成したので、上記した効果に加え、2つの凸部は互いに対向しない位置に形成されることから袋を挟持したときに2つの凸部の間で袋が引張られるように捻れるため、密着した袋に隙間が生じて袋をより開口しやすくなる。
請求項11に係る袋開口装置にあっては、挟持用部材は、それぞれ挟持面に凸部が形成されて凸部の先端に粘着部が設けられると共に、それぞれの凸部は先端が互いに対向しない位置に形成され、かつ、それぞれの凸部の先端以外の一部が対向する位置に形成される如く構成したので、上記した効果に加え、セットした袋が強固に密着して開口部を開口し難い状態になっているときでも凸部の一部が接触することによって袋をより捻ることができ、袋をより一層開口しやすくなる。
以下、添付図面に即してこの発明に係る袋開口装置を実施するための形態について説明する。
図1は第1実施例に係る袋開口装置の部分拡大平面図であり、図2は袋開口装置の挟持用部材を説明するための説明図である。
図1において符号10は袋開口装置を示す。袋開口装置10はシートが密着して非開口状態(扁平状態)となっている包装用袋(以下、単に「袋」という)Pの開口部(上端の開口縁(非溶着部))を開口するための装置であり、袋Pの開口部付近を袋Pの両側から挟持可能な一対の挟持用部材(挟持部)12a,12bと、挟持用部材12a,12bを互いに近接または離間させる方向に移動可能なスライダ(挟持部移動手段)14を備える。
挟持用部材12a,12bは図2(a)または(b)に示すように、棒状または板状のプレート、即ち、棒状部材または板状部材からなる。挟持用部材12a,12bが棒状部材の場合には図2(a)に示すように、袋Pを挟持するとき、あるいは袋Pをセットするとき挟持用部材12a,12bは長手方向の一端から他端にかけて袋Pの開口部に沿うように配置される。換言すると、挟持用部材12a,12bの一端から他端までが袋Pを挟持等したときに袋Pの上端開口縁とほぼ平行となるように配置される。尚、この場合の挟持用部材12a,12bの断面は正方形または矩形に形成されるが、断面の形状は必ずしもこれに限定されず、例えば円形等であってもよい(即ち、挟持用部材12a,12bは円柱状の棒状部材であってもよい)。
一方、挟持用部材12a,12bが板状部材の場合には図2(b)に示すように、挟持用部材12a,12bは上辺が袋Pの開口部に沿うように配置されると共に、挟持面12a1,12b1によって袋P全体を両側面から挟み込むように配置される。但し、挟持面12a1,12b1によって必ずしも袋P全体を挟み込む必要はなく、袋Pの例えば上半分のみ、あるいは上1/3のみを挟み込むようにしてもよい。
図1の説明に戻ると、挟持用部材12a,12bの挟持面12a1,12b1にはそれぞれ袋Pを貼り付けるための粘着部12a2,12b2が設けられる。粘着部12a2,12b2は架橋ポリマーに液状成分を含有させてゲル状にしたゲル粘着剤からなる。このため、粘着部12a2,12b2に袋Pを粘着させることができるだけでなく、粘着部12a2,12b2から袋Pを簡単に剥がすこともできる。また、繰り返し使用することもできる。
粘着部12a2,12b2は挟持面12a1,12b1の左右のほぼ両端にそれぞれ2箇所設けられる。また、挟持用部材12a,12bが板状部材の場合には粘着部12a2,12b2は挟持面12a1,12b1の上部、即ち、袋Pの開口部付近に相当する位置に設けられる。尚、粘着部12a2,12b2によって袋Pの開口部付近を粘着保持できるのであれば、粘着部12a2,12b2の位置や大きさ、数などは図示のものに限定されない。
挟持用部材12aと挟持用部材12bはそれぞれの挟持面12a1,12b1が互いに平行状態を維持したまま近接または離間するように構成される(図2参照)。このため、挟持用部材12aと挟持用部材12bの間には、挟持用部材12aと挟持用部材12bを近接または離間する方向に案内するスライダ14が設けられる。スライダ14は挟持面12a1,12b1が互いに平行状態を維持したまま近接または離間する動きのみを許容し、その他の動き、例えば横方向への動きなどは一切規制する。
スライダ14は2本のロッド14a,14bからなり、図面左側の第1ロッド14aは一端が挟持用部材12a、より正確には挟持用部材12aを支持するマウント16aに固定され、他端が挟持用部材12b、より正確には挟持用部材12bを支持するマウント16bに固定される。尚、マウント16aは作業台20に取り付けられる。
また、図面右側の第2ロッド14bは一端が挟持用部材12a(マウント16a)に固定され、他端が他方の挟持用部材12b(マウント16b)を貫通するように構成される。
挟持用部材12aと挟持用部材12bの間には挟持用部材12aと挟持用部材12bを離間する方向に付勢するばね(付勢手段)18が設けられる。従って、挟持用部材12bは外部から力が加えられない限り、挟持用部材12aに対して構造上最も離間した位置に付勢された状態となる。
ばね18は第2ロッド14bの外周に巻き付くように設置される。このため、挟持用部材12bが第2ロッド14bに沿って挟持用部材12aの方向に移動すると、これに伴ってばね18は収縮する。一方、ばね18が収縮した状態から挟持用部材12bに対する力が解除されると、ばね18は伸長し、挟持用部材12bを反対方向に押し戻す(付勢する)。
尚、ばね18の付勢により離間する移動量(離間量)、即ち、ばね18によって付勢されている状態の挟持用部材12aと挟持用部材12bとの距離を調整できるように離間量調整手段を設けてもよい。例えば第2ロッド14bの先端部分に嵌合(ねじ止め)されている丸い取っ手部分14a1のロッドへのねじ込み量を調整することによって離間量を調整できるようにしてもよい。これにより、例えば作業ごとに離間量がずれて袋Pの開口度合いがばらつくのを低減することができ、作業者はいちいち袋Pの開口度合いを意識することなく作業に集中することができるようになる。
第1ロッド14aは伸縮可能なダンパとして構成されるため、ばね18の力による挟持用部材12bの急激な戻りを抑制したり、ばね18の振動などを吸収することができる。
尚、第1ロッド14aをダンパではなく、単なる棒状部材とし、一端側または他端側が挟持用部材12aまたは挟持用部材12bを貫通するような構成としてもよい。また、第1、第2ロッド14a,14bは必ずしも棒状部材ではなく、たとえば板状部材や長尺のブロック状部材等としてもよく、また、スライダ14のロッドは1本でも3本以上でもよい。
以上が袋開口装置10の構成であるが、次に袋開口装置10の動作について説明する。図3は挟持用部材12a,12bの動作と袋Pが開口する様子を模式的に表した模式図であり、図4は袋開口装置10の袋開口作業を説明するための説明図である。
先ず図3(a)または図4(a)に示すように(但し、図3(a)と図4(a)とでは粘着部12a2,12b2の数と位置が異なる)、互いに離間状態にある挟持用部材12aと挟持用部材12bの間に開口部を上にした袋Pをセットする。具体的には挟持用部材12aの挟持面12a1の粘着部12a2(挟持用部材12bの挟持面12b1の粘着部12b2でもよい)に袋Pの開口部付近の一方の側面を貼り付ける。次いで図4(b)に示すように、挟持用部材12bを挟持用部材12aに引き寄せて、袋Pの開口部付近を挟持用部材12aと挟持用部材12bで挟持する。挟持用部材12aと挟持用部材12bで袋Pを挟持すると、袋Pの他方の側面が挟持用部材12bの挟持面12b1の粘着部12b2に貼り付くので、この状態から挟持用部材12bを離すと(挟持用部材12bへの力を解放すると)、図3(b)や図4(c)に示すように、挟持用部材12bはばね18の力で挟持用部材12aから離間して、これと共に袋Pの開口部が開口した状態になる。このとき、袋Pの開口部は挟持用部材12a,12bによって開口支持されているので、例えば部品等の被包装物を袋Pの開口部に簡単に投入すること(袋詰め作業)ができるようになる。
以上のように、第1実施例にあっては、袋Pを両側から挟持可能な一対の挟持部12a,12bと、前記挟持部を移動させる挟持部移動手段(スライダ)14とを備えた袋開口装置10において、前記挟持部は、それぞれ前記袋を挟持したときに前記袋の開口部に沿うように配置される挟持用部材12a,12bからなると共に、前記袋を挟持する挟持面12a1,12b1に粘着部12a2,12b2を有する如く構成したので、例えば真空ポンプや吸着部材、コンベアといった大掛かりな装置を必要とせず、構成が簡易で、しかも装置の小型化が可能となる。また、単に挟持用部材12a,12bを移動させるだけで袋Pを開口できるので、例えば体の不自由な作業者であっても容易に作業を行うことができる(挟持用部材12a,12bを移動させるだけなので、大きな力を必要とせず、例えば片手で作業を行うこともできる)。
また、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を互いに近接または離間させる方向に移動させる如く構成、即ち、挟持用部材12a,12bを互いに近接および離間させるだけで袋Pの開口が可能となるように構成したので、より構成が簡易で、装置の小型化が可能であると共に、体の不自由な作業者であってもより簡単に作業を行うことができる。
また、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を互いに離間させる方向に付勢する付勢手段(ばね)18を有する如く構成したので、挟持用部材12a,12bによって袋Pを挟持した後、挟持用部材12bを単に離せば(挟持用部材12bへの力を解放すれば)袋Pは自動的に開口するため、より作業性が向上する。特に、挟持用部材12bを単一方向に移動させるだけでよいため、作業者は片手で作業を行うことができると共に、挟持用部材12a,12bを閉じる工程を行った後、すぐに次の工程にとりかかることができるため、工程数の削減に寄与できる。
次いで、この発明の第2実施例に係る袋開口装置について説明する。
図5はこの発明の第2実施例に係る袋開口装置の挟持用部材を模式的に表した模式図である。
第1実施例では挟持用部材12aと挟持用部材12bを互いに平行状態を維持しながら近接または離間させるように構成したが、第2実施例では挟持用部材12a,12bを一方の端部で揺動自在に連結し、一方の端部を中心に揺動させることで他方の端部を互いに近接または離間させるように構成した。以下、第2実施例について、第1実施例と相違する部分に焦点をおいて説明し、第1実施例と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、挟持用部材12aと挟持用部材12bはヒンジ(挟持部移動手段)140などを用いて一方の端部で連結される。挟持用部材12aはマウント16aを介して作業台20(図5ではいずれも図示せず)に取り付けられるので、挟持用部材12aは作業台20に固定されて挟持用部材12bが挟持用部材12aに対して一方の端部を中心に揺動可能となる。挟持用部材12bが揺動することにより挟持用部材12aと挟持用部材12bは互いに他方の端部において近接または離間する。尚、一方の端部とは挟持用部材12a,12bが棒状部材の場合には長手方向の一方の端部を意味し、挟持用部材12a,12bが板状部材の場合には板状部材の左右いずれかの側辺を意味する。また、粘着部12a2,12b2は挟持用部材12a,12bの他方の端部側に設けられる。
また、挟持用部材12aと挟持用部材12bの間には挟持用部材12aと挟持用部材12bを離間する方向に付勢するばね(付勢手段)180が設けられる。
袋Pを開口させる場合には、挟持用部材12aと挟持用部材12bの間に袋Pをセット、即ち、袋Pの開口部付近の一方の側面を挟持用部材12aの粘着部12a2または挟持用部材12bの粘着部12b2に貼り付け、その後、挟持用部材12bを挟持用部材12aに対して揺動させて袋Pを挟持用部材12aと挟持用部材12bで挟持する。次いで、挟持用部材12bへの力を解放することによって挟持用部材12bが挟持用部材12aから離間して袋Pが開口するようになる。
このように、第2実施例では挟持用部材12a,12bを一方の端部を中心として揺動自在とし、一方の端部を左右方向のいずれかの端部としたが、この他に、一方の端部を重力方向における下方側の端部としてもよい。図6は一方の端部を重力方向における下方側の端部とした場合の例を模式的に表した模式図であり、図7はその場合の袋開口作業を説明するための説明図である。
図6に示すように、挟持用部材12a,12bは板状部材であると共に、挟持用部材12aと挟持用部材12bをヒンジ(挟持部移動手段)140などを用いて下方側の端部(辺)で連結する。従って、挟持用部材12bは挟持用部材12aに対して下方側の端部を中心に揺動可能となり、挟持用部材12bが揺動することにより挟持用部材12aと挟持用部材12bは上方側の端部(辺)で開閉するようになる。尚、挟持用部材12aと挟持用部材12bの間には挟持用部材12aと挟持用部材12bを離間する方向に付勢するばね(付勢手段)180が設けられる。
袋Pを開口させる場合には、図7(a)に示すように、挟持用部材12aと挟持用部材12bの間に袋Pをセット、即ち、袋Pの開口部付近の一方の側面を挟持用部材12bの粘着部12b2(挟持用部材12aの粘着部12a2でもよい)に貼り付け、その後、図7(b)に示すように、挟持用部材12bを挟持用部材12aに対して揺動させて袋Pを挟持用部材12aと挟持用部材12bで挟持する。次いで、図7(c)に示すように、挟持用部材12bへの力を解放することによって挟持用部材12bが挟持用部材12aから離間して袋Pが開口するようになる。
以上のように、第2実施例に係る袋開口装置にあっては、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を一方の端部を中心に揺動させることで他方の端部を互いに近接または離間させる方向に移動させる如く構成したので、構造が簡易で装置の小型化が可能であるだけでなく、一方の挟持用部材12bを他方の挟持用部材12aに対して大きく開くことが可能となるため、袋Pを挟持用部材12a,12b間にセットする際も一方の挟持用部材12bが邪魔になる(第1実施例の場合は袋Pを挟持用部材12aと挟持用部材12bの間に挿入するような形となり、(作業者からみて)手前の挟持用部材12bがやや邪魔になることがある)ことはなく(袋Pを挟持用部材12aまたは12bにセットしやすくなり)、作業性が向上する。
また、前記一方の端部は、重力方向における下方側の端部である如く構成したので、挟持用部材12a,12bの下方側が閉じられることにより例えば袋Pに被包装物を投入した後、誤って袋Pが挟持用部材12a,12bから落下するようなことがあっても、袋Pは挟持用部材12a,12bの下方側の連結部で保持されて下(例えば床)まで落ちてしまうことがない。
尚、残余の構成および効果は第1実施例と同様であるので、説明は省略する。
次いで、この発明の第3実施例に係る袋開口装置について説明する。
図8および図9はこの発明の第3実施例に係る袋開口装置の挟持用部材を模式的に表した模式図である。
第3実施例は第1実施例や第2実施例に対して粘着部が異なるが、その他の構成は第1実施例や第2実施例と同一である。従って、第1、第2実施例と相違する部分に焦点をおいて説明し、第1、第2実施例と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施例は図8や図9に示すように、挟持面12a1,12b1に凸部12a3,12b3が形成され、凸部12a3,12b3の先端に粘着部12a2,12b2が設けられる(凸部12a3,12b3の先端が湾曲し、この湾曲した部分に粘着剤が取り付けられる)。
図8(a)は挟持用部材12aまたは挟持用部材12bのうち、一方の挟持用部材12aの挟持面12a1に凸部12a3が形成された例を示したものである。
挟持面12a1に凸部12a3を形成することにより、例えば強固に密着して開口し難い状態の袋Pであっても、袋Pを挟持したときに凸部12a3の先端部分の圧力で袋Pが捻れるため、密着した袋Pに隙間が生じて袋Pを開口しやすくなる。また、凸部12a3を設けることにより、袋Pを挟持したときに挟持用部材12aと挟持用部材12bとの間には凸部12a3の高さ分の隙間が生じる。このため、例えば挟持用部材12aと挟持用部材12bの間に指が挟まれるのを防止できる(または挟まれたとしても隙間があるため、衝撃を抑えることができる)。
図8(b)は挟持用部材12aと挟持用部材12bの両方の挟持面12a1,12b1に凸部12a3,12b3が形成され、かつそれぞれの凸部12a3,12b3が互いに対向するように配置された例を示したものである。
この場合も凸部12a3,12b3の先端が湾曲していることにより対向する凸部12a3,12b3の先端同士で袋Pを捻るため、強固に密着している袋Pであっても容易に開口することができるようになる。また、挟持用部材12aと挟持用部材12bとの間には2つの凸部12a3,12b3の高さ分の隙間ができるので、図8(a)の例よりもさらに指などが挟まれ難くなる。
図9は挟持面12a1,12b1に形成された凸部12a3,12b3が互いに対向しない場合の例を示したものであり、図9(a)は2つの凸部12a3,12b3が比較的離れた位置に形成された場合の例を、図9(b)(c)は凸部12a3,12b3が先端において対向しない、換言すると、凸部12a3,12b3は互いに中心から僅かにずれて(オフセットして)配置され、挟持用部材12aと挟持用部材12bを近接させたときに凸部12a3,12b3の先端以外の他の面が互いに接触するように配置された例である。
図9(a)に示す例では2つの凸部12a3,12b3が離れているため、袋Pを挟持したときに凸部12a3と凸部12b3の間で袋Pが引張られるように捻れる。このため、密着した袋Pに隙間が生じて袋Pが開口しやすくなる。
一方、図9(b)(c)に示す例では凸部12a3と凸部12b3の接触面でより袋Pを捻ることができるので図9(a)の例よりもさらに袋Pを開口しやすくなる。
もちろん、図9に示す例においても挟持用部材12aと挟持用部材12bとの間には凸部12a3,12b3の高さ分の隙間ができるので、指などが挟まれるのを防止することができる。
以上のように、第3実施例に係る袋開口装置にあっては、前記挟持用部材の少なくともいずれかは、前記挟持面に凸部12a3,12b3が形成されると共に、前記凸部の先端に前記粘着部が設けられる如く構成したので、例えば強固に密着して開口し難い状態の袋Pであっても、袋Pを挟持したときに凸部12a3,12b3の先端部分で袋Pが捻れるため、密着した袋Pに隙間が生じて袋Pを開口しやすくなる。また、凸部12a3,12b3を設けることによって袋Pを挟持したときに挟持用部材12aと挟持用部材12bの間には凸部12a3,12b3の高さ分の隙間が生じるため、例えば挟持用部材12a,12bの間で指が挟まれるのを防止することができる。
また、前記挟持用部材は、それぞれ前記挟持面に凸部12a3,12b3が形成されて前記凸部の先端に前記粘着部が設けられると共に、前記それぞれの凸部は互いに対向しない位置に形成される如く構成したので、2つの凸部12a3,12b3は互いに対向しない位置に形成されることから袋Pを挟持したときに凸部12a3と凸部12b3の間で袋Pが引張られるように捻れるため、密着した袋Pに隙間が生じて袋Pをより開口しやすくなる。
また、前記挟持用部材は、それぞれ前記挟持面に凸部12a3,12b3が形成されて前記凸部の先端に前記粘着部が設けられると共に、前記それぞれの凸部は前記先端が互いに対向しない位置に形成され、かつ、前記それぞれの凸部の前記先端以外の一部が対向する位置に形成される如く構成したので、セットした袋Pが強固に密着して開口部を開口し難い状態になっているときでも凸部12a3,12b3の一部が接触することによって袋Pをより捻ることができ、袋Pをより一層開口しやすくなる。
尚、残余の構成および効果は第1実施例や第2実施例と同様であるので、説明は省略する。
次いで、この発明の第4実施例に係る袋開口装置について説明する。
図10は第4実施例に係る袋開口装置の袋搬送レバーを説明するための説明図である。第4実施例は第1実施例から第3実施例に係る袋開口装置に対して、さらに機能(袋搬送レバー)が付加されたものであり、付加された機能以外は他の実施例と同一である。従って、他の実施例と相違する部分に焦点をおいて説明し、他の実施例と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
第4実施例では図10に示すように、挟持用部材12aの近傍であって作業台20の上(作業面)に複数枚の袋Pが積層状態で収容される載置台30が設置される。また、同じく作業台20の上であって載置台30の近傍には載置台20に収容される袋Pを1枚ずつ取り出すと共に、取り出した袋Pを袋開口作業前の待機位置(挟持用部材12aの近傍、より具体的には載置台30と挟持用部材12aの間)に搬送する袋搬送レバー32が設置される。
袋搬送レバー32は細長の棒状部材であり、一端側(図示せず)が挟持用部材12bに固定され、他端32a側が作業台20を貫通して載置台30近傍まで延びるように構成される。作業台20に穿設され、袋搬送レバー32が貫通する孔34は挟持用部材12bの移動方向と同じ方向に所定の長さで開口するように形成された長孔であり、袋搬送レバー32(の他端32a側)はこの長孔34内を挟持用部材12bの動きに連動して移動する。従って、挟持用部材12bが挟持用部材12aに最も離間した位置(第2所定距離)にあるときは袋搬送レバー32は挟持用部材12aに最も近い位置(待機位置)にあり、挟持用部材12bが挟持用部材12aに近づくにつれて袋搬送レバー32は挟持用部材12aから離れ、挟持用部材12bが挟持用部材12aに最も近接する位置(第1所定距離)にくると袋搬送レバー32は挟持用部材12aから最も離れる。
袋搬送レバー32の他端32a側は長孔34を貫通して上方に延びた後、載置台30方向に向けて屈曲して載置台30のほぼ上方位置まで延び、さらにそこから下方向(作業台方向。載置台30に収容された袋P方向)に向けて屈曲する。即ち、袋搬送レバー32は長孔34を貫通した後、下方向に開口するコ字状に屈曲させられる。
このように構成された袋搬送レバー32の他端32a側は挟持用部材12bが挟持用部材12aから最も離間しているときは載置台32と挟持用部材12aの間の待機位置にあり、挟持用部材12bが挟持用部材12aに近づくにつれて挟持用部材12aから離れて載置台30に近づくと共に、下方に下がって載置台30に収容された袋Pにも近づくように構成される。即ち、袋搬送レバー32の他端32a側は挟持用部材12bの動きと連動して下方に下がりながら載置台30に近づくように構成される。
挟持用部材12bが挟持用部材12aに最も近接すると、袋搬送レバー32の他端32a側は載置台30に収容された袋Pの開口部付近に当接する。袋搬送レバー32の他端32aには粘着剤が取り付けられているため、袋搬送レバー32の他端32aは袋P(の当接部分)に粘着し、袋Pを粘着保持する。
袋搬送レバー32の他端32aで袋Pが粘着保持されたら、挟持用部材12bを挟持用部材12aから離間させてやれば袋搬送レバー32の他端32aは袋Pを保持したまま(袋Pを持ち上げながら)待機位置に移動する(戻る)。待機位置は挟持用部材12aの近傍にあるため、作業者は袋搬送レバー32の他端32aに粘着保持された袋Pを取った後、素早く挟持用部材12aまたは12bにセットする(貼り付ける)ことができる。
以上のように、第4実施例に係る袋開口装置にあっては、前記袋を複数枚重ねた状態で収容する載置台30と、前記挟持部移動手段によって前記挟持用部材が互いに近接する方向に移動させられるとき、前記載置台に収容された袋に接近するように移動させ、前記挟持用部材が互いに第1所定距離だけ近接する位置まで移動させられるとき、前記載置台に収容された袋を保持する一方、前記挟持部移動手段によって前記挟持用部材が互いに離間する方向に移動させられるとき、前記載置台に収容された袋から離れるように移動させ、前記挟持用部材が互いに第2所定距離だけ離間する位置まで移動させられるとき、前記保持した袋を待機位置まで搬送する袋搬送手段(袋搬送レバー)32とを備える如く構成したので、袋開口作業を開始する際に、袋Pが挟持用部材12a近くの待機位置にセットされるため、作業が容易かつ迅速に行えるようになる。特に、作業者が片手で作業を行うような場合であっても現在作業している袋Pの開口工程と次の作業で用いる袋Pを1枚だけ取り出す工程とを1つの工程で同時に行うことができるため、工数等の削減に寄与できる。
尚、残余の構成および効果は第1実施例から第3実施例と同様であるので、説明は省略する。
次いで、この発明の第5実施例に係る袋開口装置について説明する。
図11はこの発明の第5実施例に係る袋開口装置のガイドレール等を説明するための説明図である。第5実施例は第1実施例から第3実施例に対して、または第4実施例に対して、さらに機能(ガイドレール等)が付加されたものであり、付加された機能以外は他の実施例と同一である。従って、他の実施例と相違する部分に焦点をおいて説明し、他の実施例と共通する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
第5実施例では図11に示すように、挟持用部材12a,12bがマウント16aと共に、作業台20の側面に沿って作業面とほぼ水平方向に移動可能に構成される。
具体的には図11に示すように、作業台20の側面にはガイドレール40が設置されると共に、マウント16aにはガイドレール40に嵌合するローラ(図示せず)が設けられる。よって、マウント16aはガイドレール40に沿って水平方向に移動自在となる。尚、マウント16aにはブレーキ機構(図示せず)が設けられ、マウント16aをガイドレール40上の任意の位置で固定(停止)させることができるようになっている。
また、マウント16aの適宜位置にはマウント16aがガイドレール40上を移動したか否かを判断するためのセンサ(マウント移動判断手段)42が設けられる。このセンサ42は例えばブレーキ機構のオン/オフを検知して移動の有無を検知する。そして、第5実施例ではセンサ42によりマウント16aがガイドレール40上を移動したと判断されたとき、挟持用部材12bの移動を規制(ロック)する(規制手段)。即ち、マウント16a、換言すると、挟持用部材12a,12bがガイドレール40上を移動しているときには挟持用部材12bは挟持用部材12a側にも、その反対側にも動くことができなくなる。尚、マウント16aがガイドレール40上を移動したか否かの判断や挟持用部材12bの動きを規制させる指令等は電子制御ユニット等からなる制御部44により行われる。
以上のように、第5実施例に係る袋開口装置にあっては、作業台20と、前記挟持用部材を前記作業台に設置させるマウント16aとを備えると共に、前記作業台は、前記マウントを前記作業台の作業面とほぼ水平方向に移動可能なマウント移動手段(ガイドレール40、ローラ等)を有する如く構成したので、作業台20で袋開口作業以外の作業を行うときは挟持用部材12a,12bを作業台20の端に移動させることができる。即ち、袋開口作業を行わないときには挟持用部材12a,12bを作業台の端に寄せておくことができ、挟持用部材12a,12bが邪魔にならずに作業台20で他の作業を行うことができる。一方、袋開口作業を行うときには挟持用部材12a,12bを作業しやすい位置に移動させればよい。換言すると、袋開口作業を行うときだけ挟持用部材12a,12bを移動させ、その他のときは挟持用部材12a,12bを端に移動させておくことができる。また、袋開口装置10を作業台20の所定位置へ移動して用いることができるので、袋開口工程の前工程として、例えば袋Pに詰める部品の計数作業がある場合に、計数作業を終えて作業台20の上に置かれた部品を部品置場から移動させることなく開口された袋Pへ投入することができる。このため、部品投入のために部品をわざわざ移動させたり、作業者自自身が移動したりする必要もなく、工程数の削減に寄与できる。
また、前記マウント移動手段によって前記マウントが移動したか否か判断するマウント移動判断手段(センサ42、制御部44)と、前記マウント移動判断手段によって前記マウントが移動したと判断されたとき、前記挟持用部材の移動を規制する規制手段(制御部44)とを備える如く構成したので、マウント16aが作業台20を水平方向に移動している最中に挟持用部材12bが動いてしまうのを防止することができ、安全性等を確保することができる。
尚、残余の構成および効果は第1実施例から第4実施例と同様であるので、説明は省略する。
以上の如く、この発明の第1から第5実施例にあっては、袋Pを両側から挟持可能な一対の挟持部12a,12bと、前記挟持部を移動させる挟持部移動手段(スライダ14、ヒンジ140)とを備えた袋開口装置10において、前記挟持部は、それぞれ前記袋を挟持したときに前記袋の開口部に沿うように配置される挟持用部材12a,12bからなると共に、前記袋を挟持する挟持面12a1,12b1に粘着部12a2,12b2を有する如く構成した。
また、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を互いに近接または離間させる方向に移動させる如く構成した。
また、この発明の第2実施例にあっては、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を一方の端部を中心に揺動させることで他方の端部を互いに近接または離間させる方向に移動させる如く構成した。
また、前記一方の端部は、重力方向における下方側の端部である如く構成した。
また、この発明の第1から第5実施例にあっては、前記挟持部移動手段は、前記挟持用部材を互いに離間させる方向に付勢する付勢手段(ばね)18,180を有する如く構成した。
また、この発明の第3実施例にあっては、前記挟持用部材の少なくともいずれかは、前記挟持面に凸部12a3,12b3が形成されると共に、前記凸部の先端に前記粘着部が設けられる如く構成した。
また、前記挟持用部材は、それぞれ前記挟持面に凸部が形成されて前記凸部の先端に前記粘着部が設けられると共に、前記それぞれの凸部は互いに対向しない位置に形成される如く構成した。
また、前記挟持用部材は、それぞれ前記挟持面に凸部が形成されて前記凸部の先端に前記粘着部が設けられると共に、前記それぞれの凸部は前記先端が互いに対向しない位置に形成され、かつ、前記それぞれの凸部の前記先端以外の一部が対向する位置に形成される如く構成した。
また、この発明の第4実施例にあっては、前記袋を複数枚重ねた状態で収容する載置台30と、前記挟持部移動手段によって前記挟持用部材が互いに近接する方向に移動させられるとき、前記載置台に収容された袋に接近するように移動させ、前記挟持用部材が互いに第1所定距離だけ近接する位置まで移動させられるとき、前記載置台に収容された袋を保持する一方、前記挟持部移動手段によって前記挟持用部材が互いに離間する方向に移動させられるとき、前記載置台に収容された袋から離れるように移動させ、前記挟持用部材が互いに第2所定距離だけ離間する位置まで移動させられるとき、前記保持した袋を待機位置まで搬送する袋搬送手段(袋搬送レバー)32とを備える如く構成した。
また、この発明の第5実施例にあっては、作業台20と、前記挟持用部材を前記作業台に設置させるマウント16aとを備えると共に、前記作業台は、前記マウントを前記作業台の作業面とほぼ水平方向に移動可能なマウント移動手段(ガイドレール40、ローラ等)を有する如く構成した。
また、前記マウント移動手段によって前記マウントが移動したか否か判断するマウント移動判断手段(センサ42、制御部44)と、前記マウント移動判断手段によって前記マウントが移動したと判断されたとき、前記挟持用部材の移動を規制する規制手段(制御部44)とを備える如く構成した。
尚、第1実施例等では挟持用部材12aを固定とし、挟持用部材12bを移動させるようにしたが、これに限定されず、挟持用部材12bを固定とし、挟持用部材12aを移動させるようにしてもよく、さらに両方の挟持用部材12a,12bが相互に移動可能なようにしてもよい。
また、粘着部12a2,12b2は必ずしもゲル粘着剤に限定されるものではなく、同様の性能を有するものであれば他の粘着剤であってもよい。
また、第3実施例では先端が湾曲状に形成された凸部12a3,12b3を示したが、凸部12a3,12b3の形状は必ずしもこれに限定されず、例えば矩形状、台形状等であってもよい。
また、第5実施例ではガイドレール40上をマウント16aのローラが移動する、いわゆるスライドローラ式の移動手段(マウント移動手段)を示したが、例えばこれ以外にモータを使用したリニア移動式の移動手段であってもよい。