JP6132591B2 - 電子機器用筐体 - Google Patents

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Description

本発明は、電池収容部に収容された一対の電池の正極と負極とを電気的に接続するための接続金具が配設された電池収容部を備えた電子機器用筐体に関するものである。
この種の接続金具が配設された筐体として、特開平6−203816号公報に開示された電池ケースが知られている。この電池ケースは、3本の円筒型の電池を並列状態で収容可能に構成されている。具体的には、この電池ケースは、3つの凹部(第1〜第3の凹部)を有する電池収容部(電池収納用凹部)を備えて構成されている。また、各凹部の端部(一端部および他端部)には、電池の正極に接続される正極用電池端子(接続金具)および電池の負極に接続される負極用電池端子(接続金具)が配設されている。また、第1の凹部の一端部に配設されている正極用電池端子と第2の凹部の一端部に配設されている負極用電池端子とが互いに連結されて1つの部材(以下、「第1の接続金具」ともいう)を構成し、第2の凹部の他端部に配設されている正極用電池端子と第3の凹部の他端部に配設されている負極用電池端子とが互いに連結されて1つの部材(以下、「第2の接続金具」ともいう)を構成している。この場合、正極用電池端子と負極用電池端子とは、各電池端子の端部(第1の接続金具は、各電池端子の下端部)において連結されている。
特開平6−203816号公報(第2頁、第1図)
ところが、上記した従来の接続金具(連結された正極用電池端子および負極用電池端子)には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、この接続金具は、正極用電池端子と負極用電池端子とが各々の端部において連結されることで、一体に形成されている。この場合、電池ケースの凹部の他端部側から一端部側に向かって上記した第1の接続金具を見たときには、正極用電池端子が左側に位置すると共に負極用電池端子が右側に位置し、各電池端子を連結している連結部が下側に位置している(上記文献の図1(b)参照)。一方、凹部の一端部側から他端部側に向かって上記した第2の接続金具を見たときには、正極用電池端子が右側に位置すると共に負極用電池端子が左側に位置し、各電池端子を連結している連結部が上側に位置することとなる。このように、従来の接続金具を筐体の電池収容部に配設する際に、各電池端子が左右いずれに位置するかによって連結部が上下いずれに位置するかが異なることとなる。
この場合、連結部は、一般的に、電池収容部を構成する側壁とその側壁に対向する壁部との間の隙間に挟み込み、かつその隙間の底部に設けた支持部によって連結部を下側から支持することによって保持される。このため、連結部が上側に位置するときには、隙間の上側まで支持部が設けられて隙間の深さが浅くなる結果、この部分における十分な強度が確保される。これに対して、連結部が下側に位置するときには、隙間の下方までしか支持部が設けられないため、隙間の深さが深くなる結果、この部分の強度が低下する。このように、従来の接続金具には、各電池端子が左右いずれに位置するかによって各電池端子を連結している連結部が上下いずれに位置するかが異なることに起因して、電池収容部における連結部を保持する部分の強度が不十分となるおそれがあるという課題が存在する。また、この接続金具では、正極用電池端子が左右いずれに位置するかによって電池収容部における連結部を保持する部分の形状(支持部の高さ)を異ならせる必要があり、その分、電池収容部を製作する際のコストが上昇するという課題もある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、接続金具が配設される電池収容部の強度を高めつつ電池収容部の製作コストを低減し得る電子機器用筐体を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の電子機器用筐体は、複数の電池を平行に並べた状態で収容する電池収容部と、前記電池収容部の端部に配設されて当該電池収容部に収容された隣接する一対の当該電池の一方における正極を当接させる正極側当接部、当該一対の電池の他方における負極を当接させる負極側当接部、および前記正極側当接部前記負極側当接部の間に位置して当該各当接部を連結する連結部を有して前記正極と負極とを電気的に接続するための接続金具とを備えた電子機器用筐体であって、前記連結部は、前記電池の収容時に前記正極および前記負極の各当接面に対向する前記各当接部の仮想面に対して垂直でかつ当該連結部の中央部を通る仮想軸線を中心として当該接続金具を180度回転させたときに前記各当接部の中心部同士を結ぶ直線に対する位置関係および姿勢が回転前と同じ位置関係および姿勢となるように形成され、前記電池収容部は、底面と、当該底面の前記端部に立設された側壁と、前記端部に設けられて前記接続金具を保持する保持部を備え、前記保持部は、前記側壁に対して平行でかつ隙間を空けた状態で前記底面に立設された支持壁と、前記隙間に形成されて前記連結部を支持する支持部とを備えて、前記正極側当接部の外周部、前記負極側当接部の外周部、および前記連結部を前記隙間内において前記側壁と前記支持壁とで挟み込んで前記接続金具を保持可能に構成され、前記支持部は、前記隙間の中間部分の高さまで前記底面から突出して前記連結部に上面が当接することで当該連結部を支持可能に形成されている。
また、請求項2記載の電子機器用筐体は、請求項1記載の電子機器用筐体において、前記正極側当接部は、1本の線材の一端部側を曲折させて前記外周部が環状となるように形成され、前記負極側当接部は、前記1本の線材の他端部側を曲折させて前記外周部が環状となるように形成され前記連結部は、前記各当接部における各々の前記外周部を連結するように形成されている。
また、請求項3記載の電子機器用筐体は、請求項2記載の電子機器用筐体において、前記各当接部の前記各外周部が前記環状としての円環状となるようにそれぞれ形成されると共に、前記1本の線材の前記一端部から前記他端部に向かう向きにおける前記正極側当接部の前記外周部の周回方向と当該一端部から他端部に向かう向きにおける前記負極側当接部の前記外周部の周回方向とが逆方向となるように当該各当接部が形成され、前記連結部は、前記直線が水平となる状態でかつ前記各当接部の前記各外周部が円環状に視認されるように当該接続金具を正面視したときに、当該各当接部の一方における当該外周部の下端部の接線方向および当該各当接部の他方における前記外周部の上端部の接線方向に沿って当該下端部と当該上端部とを直線状に結ぶように形成されている。
また、請求項4記載の電子機器用筐体は、請求項3記載の電子機器用筐体において、前記連結部は、前記正面視したときに、前記水平の方向に対して傾斜する前記直線状に形成され、前記支持部は、前記連結部を支持している支持状態において、前記正面視と同じ向きで当該支持部を見たときに、当該連結部に当接する部位が前記傾斜する直線状に形成された前記連結部の形状に対応して傾斜する直線状に形成されている。
請求項1記載の電子機器用筐体では、接続金具の正極側当接部および負極側当接部の間に位置して各当接部を連結する連結部が、中央部を通る仮想軸線を中心として接続金具を180度回転させたときに各当接部の中心部同士を結ぶ直線に対する位置関係および姿勢が回転前と同じ位置関係および姿勢となるように形成されている。このため、この電子機器用筐体では、接続金具を180度回転させる前後において、連結部の中央部を接続金具の上端部および下端部の中間に位置した状態とさせることができる。このため、この電子機器用筐体によれば、電池収容部を構成する側壁と支持壁との間の隙間に連結部を挟み込むと共にその隙間に設けた支持部で接続金具の連結部を下側から支持して接続金具を保持する場合において、その支持部を、電池収容部の底面から隙間の中間部分の高さまで形成することができる結果、電池収容部における連結部が位置する部分の強度を十分に高めることができる。また、接続金具を180度回転させる前後において連結部を同じ位置関係で同じ姿勢とさせることができるため、接続金具を保持部における連結部を支持する部分の形状を共通化することができる。したがって、この電子機器用筐体によれば、電池収容部(電子機器用筐体)を射出成形するための金型における連結部を支持する部分を成形する金型部品の形状を共通化することができる結果、金型の製作コスト、ひいては電池収容部(電子機器用筐体)の製作コストを十分に低減することができる。
また、請求項2記載の電子機器用筐体によれば、1本の線材を曲折させて正極側当接部、負極側当接部および連結部を形成することにより、例えば、各部を別々に形成してこれらを接合する構成と比較して、接合の工程を省略することができる分、接続金具の製作工程を簡略化することができるため、接続金具および電子機器用筐体の製作コストを十分に低減することができる。
また、請求項3記載の電子機器用筐体では、各当接部の中心部同士を結ぶ直線が水平となる状態でかつ各当接部の各外周部が円環状に視認されるように接続金具を正面視したときに、各当接部の一方における外周部の下端部の接線方向および各当接部の他方における外周部の上端部の接線方向に沿って下端部と上端部とを直線状に結ぶように連結部が形成されている。このため、各当接部と連結部との接続部分において連結部が鋭角に曲げられることなく、各当接部における各外周部の接線方向に沿って連結部が連続するように(各外周部と連結部とが鈍角をなすように)各当接部と連結部とを接続することができる。したがって、この接続部分における応力集中による強度の低下を防止することができる結果、接続金具の耐久性を向上させることができる。
電子機器用筐体1の構成を示す斜視図である。 電池収容部2における端部2a側の構成を示す斜視図である。 電池収容部2における端部2b側の構成を示す斜視図である。 接続金具3の構成を示す斜視図である。 接続金具3の正面図である。 図5の状態から180度回転させた状態の接続金具3の正面図である。 保持部24a,24bの正面図である。 保持部24a,24bに接続金具3を保持させた状態の正面図である。 保持部24cの正面図である。 保持部24cに接続金具3を保持させた状態の正面図である。 接続金具103の正面図である。 図11の状態から180度回転させた状態の接続金具103の正面図である。
以下、電子機器用筐体の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、電子機器用筐体1の構成について、図面を参照して説明する。図1に示す電子機器用筐体1は、例えば、電子機器としての携帯型の測定機に用いられる筐体であって、背面側(同図における上面側)に電池収容部2を備えて構成されている。また、電子機器用筐体1は、電池収容部2の端部2a,2bに配設された3つの接続金具3を備えている。
電池収容部2は、図1に示すように、底面20に立設された4つの側壁21a〜21d(以下、区別しないときには「側壁21」ともいう)によって仕切られた空間に複数(例えば、4つ)の電池(図示せず)を平行に並べた状態で収容可能に構成されている。
また、図2,3に示すように、電池収容部2の底面20には、補強用のリブ22、および電池収容部2に収容された電池の外周面を底面20側から支持する複数の支持台23が形成されている。
また、図2に示すように、電池収容部2の端部2aには、接続金具3を保持する保持部24a,24bが設けられている。また、図3に示すように、電池収容部2の端部2bには、接続金具3を保持する保持部24c(以下、保持部24a〜24cを区別しないときには「保持部24」ともいう)が設けられている。また、電池収容部2の開口部は、図外の蓋によって閉塞可能に構成されている。
保持部24a,24bは、図2,7に示すように、支持壁41a、2つの支持部42、および4つの係合部43を備えて構成されている。なお、保持部24a,24bは、同様に構成されているため、図7では、保持部24a,24bの一方のみを図示している。
図7に示すように、支持壁41aは、側壁21aに対して平行な状態で底面20に立設されている。また、支持壁41aには、図2に示すように、接続金具3における正極側当接部31の中央部31b(図4参照)を電池収容部2の中央部側に露出させるための切り欠き51と、接続金具3における負極側当接部32の中央部32b(図4参照)を支持壁41aよりも電池収容部2の中央部側に突出させるための切り欠き52とが2つずつ形成されている。
支持部42は、図7,8に示すように、接続金具3における連結部33を支持する部材であって、切り欠き51,52の間における側壁21aと支持壁41aとの間の隙間において、電池収容部2の底面20から上方に突出するように形成されている。この場合、支持部42は、接続金具3の連結部33の配置位置および形状に合わせて、電池収容部2の底面20から隙間の中間部分の高さまで形成されている。このため、この電子機器用筐体1では、この隙間の深さが比較的浅くなっている。この結果、この電子機器用筐体1では、電池収容部2における連結部33が位置する部分(支持壁41aにおける切り欠き51,52によって挟まれた部分)の強度が十分に高められている。
係合部43は、接続金具3の正極側当接部31における外周部31aおよび負極側当接部32における外周部32aが係合することで接続金具3の移動を規制する部材であって、図7,8に示すように、側壁21aにおける切り欠き51,52に対向する位置にそれぞれ形成されている。
保持部24cは、図3,9に示すように、支持壁41b(以下、上記した支持壁41aと支持壁41bとを区別しないときには「支持壁41」ともいう)、支持部42、および2つの係合部43を備えて構成されている。支持壁41bは、側壁21bに対して平行な状態で底面20に立設されている。また、支持壁41bには、上記した機能を有する切り欠き51,52が形成されている。また、図3に示すように、支持壁41bには、接続金具3の正極側当接部31と同様の形状に形成されて、各接続金具3によって直列に接続された複数の電池の終端に位置する正極を接続させる接続金具(例えば、図3において破線で示す接続金具4)の中央部を露出させるための切り欠き53が形成されると共に、接続金具3の負極側当接部32と同様の形状に形成されて、直列に接続された複数の電池の終端に位置する負極を接続させる接続金具(例えば、同図において破線で示す接続金具5)の中央部を突出させるための切り欠き54が形成されている。
支持部42は、上記した保持部24a,24bの支持部42と同じ機能を有しており、図9に示すように、切り欠き51,52の間における側壁21bと支持壁41bとの間の隙間の下部において、電池収容部2の底面20から上方に突出するように形成されている。係合部43は、上記した保持部24a,24bの係合部43と同じ機能を有しており、同図に示すように、側壁21bにおける切り欠き51,52に対向する位置に形成されている。
この電子機器用筐体1では、図7,9に示すように、各保持部24a〜24cにおける各支持部42が互いに同じ形状に形成されている。また、各保持部24a〜24cの各々における2つの係合部43の位置関係が、各保持部24a〜24c間において同じ位置関係となっている。つまり、この電子機器用筐体1では、各保持部24a〜24cの構成(形状)の一部が共通化されている。このため、電子機器用筐体1を射出成形で形成する際に用いる金型を製作する際に、保持部24a〜24cを成形するキャビティを構成する金型部品(入れ子)を共通化することができる結果、これらの金型部品を保持部24a〜24c毎に異なる形状に形成して金型を製作するのと比較して、金型の製作コストを低減することが可能となっている。
また、この電子機器用筐体1では、図8に示すように、電池収容部2の端部2aにおいて、接続金具3の正極側当接部31の外周部31aおよび負極側当接部32の外周部32aが、電池収容部2における側壁21aと支持壁41aとの間の隙間に挟み込まれると共に、連結部33が支持部42によって支持されることで接続金具3が保持部24a,24bによって保持される。また、接続金具3は、各当接部31,32の外周部31a,32aが係合部43、側壁21aおよび底面20によって構成される領域にそれぞれ嵌まり込んで係合部43にそれぞれ係合することで移動が規制(固定)される。また、図10に示すように、電池収容部2の端部2bにおいて、各当接部31,32の各外周部31a,32aが側壁21bと支持壁41bとの間の隙間に挟み込まれると共に、連結部33が支持部42によって支持されることで接続金具3が保持部24cによって保持される。また、接続金具3は、各外周部31a,32aが係合部43、側壁21bおよび底面20によって構成される領域にそれぞれ嵌まり込んで係合部43にそれぞれ係合することで移動が規制される。また、接続金具3が保持部24によって保持された状態では、図8,10に示すように、負極側当接部32の中央部32bが支持壁41に形成されている切り欠き52から支持壁41の前方に突出する。また、電池収容部2に電池が収容されたときには、支持壁41に形成されている切り欠き51から電池の正極(突出部)が側壁21側に進入して、接続金具3の正極側当接部31の中央部31bに接触する。
接続金具3は、平行に並べた状態で電池収容部2に収容された複数(この例では、4本)のうちの隣接する2本の電池の正極と負極とを電気的に接続するための部材であって、図4〜図6に示すように、電池の正極を当接させる正極側当接部31と、電池の負極を当接させる負極側当接部32と、各当接部31,32の間に位置して各当接部31,32を連結する連結部33とを備えて構成されている。また、各接続金具3は、電池収容部2の端部2aに設けられている保持部24a,24b、および電池収容部2の端部2bに設けられている保持部24cによってそれぞれ保持される。つまり、各接続金具3は、電池収容部2の端部2a,2bに配設される。
また、各接続金具3は、図4,5に示すように、1本の線材30によって正極側当接部31、負極側当接部32および連結部33が一体に形成されている。具体的には、線材30の一端部30a側(両図における右側)を曲折させて正極側当接部31が形成され、線材30の他端部30b(両図における左側)を曲折させて負極側当接部32が形成され、線材30の中間部によって連結部33が形成されている。
また、正極側当接部31は、外周部31aが円環状(環状の一例)に形成されると共に、中央部31bがヘアピン状(U字状)に形成されている。また、負極側当接部32は、外周部32aが円環状に形成されると共に、中央部32bが中心に向かうに従って半径が徐々に小径となってかつ図4,5における紙面手前側に突出する螺旋状に形成されている。
また、この接続金具3では、図5,6に示すように、各当接部31,32における各々の中心部同士を結ぶ直線(同図に示す直線A)が水平となる状態でかつ各当接部31,32の各外周部31a,32aが円環状に視認されるように接続金具3を正面視したときに(以下、この状態を「正面視した状態」ともいう)、線材30の一端部30aから他端部30bに向かう向き(以下、「線材30が延在する向き」ともいう)における正極側当接部31の外周部31aの周回方向と、線材30が延在する向きにおける負極側当接部32の外周部32aの周回方向とが逆方向となるように各当接部31,32が形成されている。具体的には、図5,6に示すように、負極側当接部32の中央部32bが手前側に突出するように配置した接続金具3を正面視した状態において、線材30が延在する向きにおける正極側当接部31の外周部31aの周回方向が反時計回り(左回り)となり、線材30が延在する向きにおける負極側当接部32の外周部32aの周回方向が時計回り(右回り)となるように各当接部31,32が形成されている。
さらに、この接続金具3では、図5,6に示すように、接続金具3を正面視した状態において、各当接部31,32の一方における外周部(外周部31a,32aの一方)の下端部(図5では負極側当接部32の下端部、図6では正極側当接部31の下端部)の接線方向、および各当接部31,32の他方における外周部(外周部31a,32aの他方)の上端部(図5では正極側当接部31の上端部、図6では負極側当接部32の上端部)の接線方向に沿って、下端部および上端部を直線状に結ぶように連結部33が形成されている。
また、この接続金具3では、正極側当接部31、負極側当接部32および連結部33を上記のように形成することで、図5,6に示すように、電池の収容時に電池の正極および負極の各当接面(図示せず)に対向する各当接部31,32の仮想面S(図4参照)に対して垂直(収容時の電池の中心軸Y(図2参照)に対して平行)でかつ連結部33の中央部33aを通る仮想軸線Xを中心として接続金具3を180度回転させたときに、各当接部31,32の中心部同士を結ぶ直線Aに対する位置関係および姿勢が回転前と同じ位置関係および姿勢となる(つまり、連結部33が連結部33の中央部33aを中心として点対称の形状となっている)。また、接続金具3を180度回転させる前後における連結部33の位置が、上記した正面視した状態において、接続金具3の各当接部31,32における外周部31a,32aの上端部側および下端部側のいずれの側にも偏ることなく、その中央部33aが外周部31a,32aにおける上端部および下端部の中間に位置している。このため、上記したように、連結部33を支持する支持部42を、電池収容部2の底面20から側壁21と支持壁41との間の隙間の中間部分の高さまで形成することができる結果、電池収容部2における連結部33が位置する部分の強度を十分に高めることが可能となっている。
また、接続金具3を180度回転させる前後において連結部33が同じ位置関係で同じ姿勢に維持されるため、上記したように、電池収容部2における各保持部24a〜24cの構成(形状)の一部を共通化することが可能な結果、電子機器用筐体1(電池収容部2)を射出成形するための金型の製作コスト、ひいては、電子機器用筐体1(電池収容部2)の製作コストを低減することが可能となっている。
次に、電子機器用筐体1の組立方法について、電池収容部2に接続金具3を配設する方法を中心に図面を参照して説明する。
まず、電子機器用筐体1の電池収容部2を上向きにした状態で電子機器用筐体1を図外の作業台の上に載置する。次いで、1つ目の接続金具3を電池収容部2の保持部24aに保持させる。具体的には、図4,5に示すように、負極側当接部32の中央部32bが手前側に突出するようにして接続金具3を正面視したとき(図5に示す直線Aが水平となる状態でかつ各当接部31,32の各外周部31a,32aが円環状に視認されるように接続金具3を正面視したとき)に、正極側当接部31が右側に位置する状態(負極側当接部32が左側に位置する状態)で、側壁21aと支持壁41aとの間の隙間に各当接部31,32の各外周部31a,32aおよび連結部33を挿入させる。続いて、図8に示すように、負極側当接部32の中央部32bを切り欠き52から支持壁41aよりも電池収容部2の中央部側に突出させつつ接続金具3を底面20に向けて押し込む。
この際に、各当接部31,32の各外周部31a,32aの下部側が各係合部43を乗り越えて、係合部43、側壁21aおよび底面20によって構成される係合部43の下側の領域にそれぞれ嵌まり込んで係合部43にそれぞれ係合する。また、連結部33が支持部42の上面に当接(または近接)する。これにより、図8に示すように、接続金具3が保持部24aによって保持される。
次いで、上記した保持部24aに対する接続金具3の保持作業と同じ手順で2つ目の次の接続金具3を電池収容部2の保持部24bに保持させる。
続いて、3つ目の接続金具3を保持部24cに保持させる。この場合、図6に示すように、負極側当接部32の中央部32bが手前側に突出するようにして接続金具3を正面視したとき(同図に示す直線Aが水平となる状態でかつ各当接部31,32の各外周部31a,32aが円環状に視認されるように接続金具3を正面視したとき)に、正極側当接部31が左側に位置する状態(負極側当接部32が右側に位置する状態)で、側壁21bと支持壁41bとの間の隙間に各当接部31,32の各外周部31a,32aおよび連結部33を挿入させる。次いで、図10に示すように、負極側当接部32の中央部32bを切り欠き52から支持壁41bよりも電池収容部2の中央部側に突出させつつ接続金具3を底面20に向けて押し込む。
この際に、各当接部31,32の各外周部31a,32aの下部側が係合部43、側壁21bおよび底面20によって構成される係合部43の下側の領域にそれぞれ嵌まり込んで係合部43にそれぞれ係合し、連結部33が支持部42の上面に当接(または近接)する。これにより、図10に示すように、接続金具3が保持部24cによって保持される。以上により、電池収容部2への接続金具3の配設が終了する。
続いて、側壁21bと支持壁41bとの間における切り欠き53,54の形成部位に接続金具4,5をそれぞれ配設する(図3参照)。次いで、電池収容部2の開口部を閉塞するようにして図外の蓋を取り付ける。以上により、電子機器用筐体1の組立が完了する。
なお、上記した接続金具3に代えて、図11,12に示す接続金具103を採用することもできる。なお、以下の説明において、上記した接続金具3と同じ構成要素については、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。この接続金具103は、上記した正極側当接部31と同様の機能を有する正極側当接部131と、上記した負極側当接部32と同様の機能を有する負極側当接部132と、各当接部131,132の間に位置して各当接部131,132を連結する連結部133とを備えて構成されている。
また、この接続金具103では、図11,12に示すように、各当接部131,132における各々の中心部同士を結ぶ直線Aが水平となる状態でかつ各当接部131,132の各外周部131a,132aが円環状に視認されるように接続金具13を正面視したときに(以下、この状態を「正面視した状態」ともいう)、当接部131の外周部131aにおける上下方向の中間部と負極側当接部132の外周部132aにおける上下方向の中間部とを連結して、直線Aに沿って連結部133が延在するように形成されている。
この接続金具103においても、図11,12に示すように、連結部133の中央部133aを通る仮想軸線Xを中心として接続金具103を180度回転させたときに、各当接部131,132の中心部同士を結ぶ直線Aに対して回転前と同じ位置関係で同じ姿勢となる(つまり、連結部133が連結部133の中央部133aを中心として点対称の形状となっている)。また、接続金具103を180度回転させる前後における連結部133の位置が、上記した正面視した状態において、接続金具103の各当接部131,132における外周部131a,132aの上端部側および下端部側のいずれの側にも偏ることなく、その中央部133aが外周部131a,132aにおける上端部および下端部の中間に位置している。このため、連結部133を支持する支持部を、電池収容部2の底面20から側壁21と支持壁41との間の隙間の中間部分の高さまで形成することができる結果、電池収容部2における連結部133が位置する部分の強度を十分に高めることが可能となっている。また、接続金具103を180度回転させる前後において連結部133が同じ位置関係で同じ姿勢に維持されるため、電池収容部2における各保持部24の一部(連結部133を支持する支持部42の構成等)の構成を共通化することが可能となっている。
このように、この接続金具3および電子機器用筐体1では、接続金具3の正極側当接部31および負極側当接部32の間に位置して各当接部31,32を連結する連結部33が、中央部33aを通る仮想軸線Xを中心として接続金具3を180度回転させたときに各当接部31,32の中心部同士を結ぶ直線Aに対する位置関係および姿勢が回転前と同じ位置関係および姿勢となるように形成されている。このため、この接続金具3および電子機器用筐体1では、接続金具3を180度回転させる前後において、連結部33の中央部33aを接続金具3の上端部および下端部の中間に位置した状態とさせることができる。このため、この接続金具3および電子機器用筐体1によれば、連結部33を挟み込んで支持する側壁21と支持壁41との間の隙間に設ける支持部42を、電池収容部2の底面20から隙間の中間部分の高さまで形成することができる結果、電池収容部2における連結部33が位置する部分の強度を十分に高めることができる。
また、接続金具3を180度回転させる前後において連結部33を直線Aに対して同じ位置関係で同じ姿勢とさせることができるため、接続金具3を保持する各保持部24における連結部33を支持する部分(支持部42等)の形状を共通化することができる。したがって、この接続金具3および電子機器用筐体1によれば、電池収容部2(電子機器用筐体1)を射出成形するための金型における連結部33を支持する部分を成形する金型部品の形状を共通化することができる結果、金型の製作コスト、ひいては電池収容部2(電子機器用筐体1)の製作コストを十分に低減することができる。
また、この接続金具3および電子機器用筐体1によれば、1本の線材30を曲折させて正極側当接部31、負極側当接部32および連結部33を形成することにより、例えば、各部31,32,33を別々に形成してこれらを接合する構成と比較して、接合の工程を省略することができる分、接続金具3の製作工程を簡略化することができるため、接続金具3および電子機器用筐体1の製作コストを十分に低減することができる。
また、この接続金具3および電子機器用筐体1では、各当接部31,32の中心部同士を結ぶ直線Aが水平となる状態でかつ各当接部31,32の各外周部31a,32aが円環状に視認されるように接続金具3を正面視したときに、各当接部31,32の一方における外周部の下端部の接線方向および各当接部31,32の他方における外周部の上端部の接線方向に沿って下端部と上端部とを直線状に結ぶように連結部33が形成されている。このため、各当接部31,32と連結部33との接続部分において連結部33が鋭角に曲げられる(または、図11,12に示すように、直角に近い角度で曲げられる)ことなく、当接部31,32における各外周部31a,32aの接線方向に沿って連結部33が連続するように(各外周部31a,32aと連結部33とが鈍角をなすように)各当接部31,32と連結部33とを接続することができる。したがって、この接続部分における応力集中による強度の低下を防止することができる結果、接続金具3の耐久性を向上させることができる。
なお、接続金具および電子機器用筐体の構成は、上記の構成に限定されない。例えば、1本の線材30で接続金具3(正極側当接部31、負極側当接部32および連結部33)を形成した例について上記したが、各部31,32,33を別々に形成して、これらを接合して接続金具3を製作することもできる。
また、正極側当接部31の外周部31a、および負極側当接部32の外周部32aを円環状に形成した例について上記したが、外周部31a,32aの形状は円環状に限定されず、楕円形の環状や多角形の環状などの他の任意の形状に形成することができる。
1 電子機器用筐体
2 電池収容部
2a,2b 端部
3,103 接続金具
24a〜24c 保持部
30 線材
30a 一端部
30b 他端部
31,131 正極側当接部
31a,131a 外周部
32,132 負極側当接部
32a,132a 外周部
33,133 連結部
33a,133a 中央部
A 直線
S 仮想面
X 仮想軸線

Claims (4)

  1. 複数の電池を平行に並べた状態で収容する電池収容部と、
    前記電池収容部の端部に配設されて当該電池収容部に収容された隣接する一対の当該電池の一方における正極を当接させる正極側当接部、当該一対の電池の他方における負極を当接させる負極側当接部、および前記正極側当接部前記負極側当接部の間に位置して当該各当接部を連結する連結部を有して前記正極と負極とを電気的に接続するための接続金具とを備えた電子機器用筐体であって、
    前記連結部は、前記電池の収容時に前記正極および前記負極の各当接面に対向する前記各当接部の仮想面に対して垂直でかつ当該連結部の中央部を通る仮想軸線を中心として当該接続金具を180度回転させたときに前記各当接部の中心部同士を結ぶ直線に対する位置関係および姿勢が回転前と同じ位置関係および姿勢となるように形成され
    前記電池収容部は、底面と、当該底面の前記端部に立設された側壁と、前記端部に設けられて前記接続金具を保持する保持部を備え、
    前記保持部は、前記側壁に対して平行でかつ隙間を空けた状態で前記底面に立設された支持壁と、前記隙間に形成されて前記連結部を支持する支持部とを備えて、前記正極側当接部の外周部、前記負極側当接部の外周部、および前記連結部を前記隙間内において前記側壁と前記支持壁とで挟み込んで前記接続金具を保持可能に構成され、
    前記支持部は、前記隙間の中間部分の高さまで前記底面から突出して前記連結部に上面が当接することで当該連結部を支持可能に形成されている電子機器用筐体。
  2. 前記正極側当接部は、1本の線材の一端部側を曲折させて前記外周部が環状となるように形成され、
    前記負極側当接部は、前記1本の線材の他端部側を曲折させて前記外周部が環状となるように形成され
    前記連結部は、前記各当接部における各々の前記外周部を連結するように形成されている請求項1記載の電子機器用筐体
  3. 前記各当接部の前記各外周部が前記環状としての円環状となるようにそれぞれ形成されると共に、前記1本の線材の前記一端部から前記他端部に向かう向きにおける前記正極側当接部の前記外周部の周回方向と当該一端部から他端部に向かう向きにおける前記負極側当接部の前記外周部の周回方向とが逆方向となるように当該各当接部が形成され、
    前記連結部は、前記直線が水平となる状態でかつ前記各当接部の前記各外周部が円環状に視認されるように当該接続金具を正面視したときに、当該各当接部の一方における当該外周部の下端部の接線方向および当該各当接部の他方における前記外周部の上端部の接線方向に沿って当該下端部と当該上端部とを直線状に結ぶように形成されている請求項2記載の電子機器用筐体
  4. 前記連結部は、前記正面視したときに、前記水平の方向に対して傾斜する前記直線状に形成され、
    前記支持部は、前記連結部を支持している支持状態において、前記正面視と同じ向きで当該支持部を見たときに、当該連結部に当接する部位が前記傾斜する直線状に形成された前記連結部の形状に対応して傾斜する直線状に形成されている請求項3記載の電子機器用筐体。
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