JP6132228B2 - 冷却機能又は加温機能を有する衣料 - Google Patents

冷却機能又は加温機能を有する衣料 Download PDF

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Description

本発明は、冷却機能又は加温機能を有する衣料に関する。特に、熱伝導特性に優れた異方性熱伝導組成物からなる面状熱伝導シートを用いた衣料に関する。
従来、高温環境下での作業のために作業者が着る作業用衣服として、冷却機能を持たせた衣服が開発されている。例えば、衣服に冷却材を設けて作業者の身体を冷却する衣服などが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、低温環境下での作業の場合にも、厚着をして保温機能を高めたり、使い捨てカイロを用いて加温するなどの対応が行われている。
特開2002−309414号公報
しかし、上記のような冷却材を身体と接する面に直接設けて身体を冷却しようとすると、身体の冷却材と接する面ばかりが冷却される一方、身体のそれ以外の箇所はなかなか冷却されず、身体全体でみた場合に体温のアンバランスな状態が生じる。また、身体の冷却しようとする面に応じて冷却材をそれぞれ配置しなければならず、衣服が高価なものとなる場合があった。また、このように多くの冷却材を配置すると、衣服はそれだけ重くなり、動きにくいものとなっていた。
また、低温環境下で厚着をしたのでは作業性が低下する。また、使い捨てカイロを用いて身体を温める場合にも、上記と同様に温めようとする箇所にカイロをそれぞれ配置しなければならず、衣服が高価となり、重くなり、動きにくくなる。
そこで、本発明の目的は、少ない冷却材又は発熱体を用いながら、身体のより広い面積を冷やす、あるいは、温めることができる、冷却機能又は加温機能を有する衣料を提供することである。
本発明に係る衣料は、表地側の少なくとも一箇所に設けられた蓄熱手段と、
表地と裏地との間に面状に設けられ、前記蓄熱手段との熱伝導経路を有すると共に、前記表地及び前記裏地より熱伝導率が高い面状熱伝導シートと、
を備えた衣料であり、
前記面状熱伝導シートは、樹脂成分と黒鉛粒子を含み、前記黒鉛粒子のベーサル面が、前記面状熱伝導シートの面方向と平行であることを特徴とする。
本発明に係る衣料によれば、蓄熱手段と、表地と裏地との間に該蓄熱手段との熱伝導経路を有し面方向に高い熱伝導性を有する面状熱伝導シートと、を設けている。また、この衣料では、体表温度と蓄熱手段である冷却材又は発熱体の温度との高低差を設ける。この温度の高低差によって生じる伝熱を、面方向に高い熱伝導性を有する面状熱伝導シートを介して導くことにより、着用者の体表温度を快適な温度に制御することができる。
(a)は、実施の形態1に係る衣服の表地側の平面図であり、(b)は、衣服の裏地側から面状熱伝導シートを見た透視図である。 実施の形態1に係る衣服の断面構造を示す断面図である。 (a)は、別例の面状熱伝導シートと蓄熱手段との平面図であり、(b)は、さらに別例の面状熱伝導シートと蓄熱手段との平面図である。 鱗片状黒鉛粒子の形状を示す模式図である。 異方性熱伝導組成物内における鱗片状黒鉛粒子の配向状態を示す模式図である。 鱗片状黒鉛粒子の配向状態を評価する方法を示す模式図である。 比較例1の組成物から形成されたシートのX軸方向(当該シートを形成するときの組成物の流動方向)に平行な断面のSEM像である。 実施例1の組成物から形成されたシートのX軸方向に平行な断面のSEM像である。 実施例3の組成物から形成されたシートのX軸方向に平行な断面のSEM像である。 実施例3の組成物から形成されたシートのY軸方向(X軸方向に垂直な方向)に平行な断面のSEM像である。 組成物に含まれる黒鉛粒子の含有量と、その組成物から得られるシートの熱伝導率との関係を示すグラフであり、グラフAは実施例1〜4および比較例1の組成物の関係を示し、グラフBは比較例3〜5の組成物の関係を示す。 (a)は、実施例7の衣服の断面構造を示す断面図であり、(b)は、(a)の衣服を着用した着用者が運動した場合の測定箇所1及び測定箇所2の温度変化を示すグラフである。 (a)は、比較例6の衣服の断面構造を示す断面図であり、(b)は、(a)の衣服を着用した着用者が運動した場合の測定箇所1及び測定箇所2の温度変化を示すグラフである。 (a)は、実施の形態3に係る帽子の表側の斜視図であり、(b)は、(a)の帽子の裏面側の底面図であり、(c)は、実施の形態3に係るヘルメットの斜視図である。
第1の態様に係る衣料は、表地側の少なくとも一箇所に設けられた蓄熱手段と、
表地と裏地との間に面状に設けられ、前記蓄熱手段との熱伝導経路を有すると共に、前記表地及び前記裏地より熱伝導率が高い面状熱伝導シートと、
を備えた衣料であり、
前記面状熱伝導シートは、樹脂成分と黒鉛粒子を含み、前記黒鉛粒子のベーサル面が、前記面状熱伝導シートの面方向と平行であることを特徴とする。
第2の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記面状熱伝導シートは、蓄熱手段から2方向、または、4方向へ、ライン状に設けられていてもよい。
第3の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記面状熱伝導シートは、
鱗片状黒鉛粒子と、
前記鱗片状黒鉛粒子を分散させるマトリックス樹脂成分と、
を含み、
前記鱗片状黒鉛粒子において、ベーサル面での最大径をa、前記ベーサル面に直交する厚みをcとした場合に、アスペクト比a/cが平均値で30以上であり、かつ、aが1μm以上、30μm以下であり、
前記鱗片状黒鉛粒子の含有量が、40質量%より多く、90質量%以下である、異方性熱伝導組成物からなってもよい。
第4の態様に係る衣料は、上記第3の態様において、前記異方性熱伝導組成物の前記鱗片状黒鉛粒子は、前記最大径aと直交するベーサル面での最大径をbとした場合、比a/bが、1以上、20以下であってもよい。
第5の態様に係る衣料は、上記第3の態様において、前記鱗片状黒鉛粒子の前記ベーサル面と前記シートの面方向とが成す小さい方の角度θが、平均値で1°以上、30°以下であってもよい。
第6の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記面状熱伝導シートは、グラファイト製シートであってもよい。
第7の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記面状熱伝導シートの厚さは、0.1mm〜1mmの範囲にあってもよい。
第8の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記面状熱伝導シートは、前記衣料の中央上部を除いて設けられていてもよい。
第9の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記面状熱伝導シートは、前記衣料の中央下部を除いて設けられていてもよい。
第10の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記蓄熱手段は、衣料の表地側の複数箇所に設けられていてもよい。
第11の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記蓄熱手段は、冷却材からなってもよい。
第12の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記蓄熱手段は、発熱体からなってもよい。
第13の態様に係る衣料は、上記第1の態様において、前記衣料は、衣服、帽子、ヘルメットのいずれかであってもよい。
実施の形態に係る衣服について、添付図面を用いて以下に説明する。なお、図面において、実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1(a)は、実施の形態1に係る衣服10の表地11側の平面図であり、図1(b)は、衣服10の裏地12側から面状熱伝導シート15を見た透視図である。図2は、実施の形態1に係る衣服10の断面構造を示す断面図である。図3(a)は、別例の面状熱伝導シートと蓄熱手段との平面図であり、図3(b)は、さらに別例の面状熱伝導シートと蓄熱手段との平面図である。
実施の形態1に係る衣服10は、衣服10の表地11側の少なくとも一箇所に設けられた蓄熱手段14と、衣服10の表地11と裏地12との間に面状に設けられ、蓄熱手段14との熱伝導経路を有すると共に、表地11及び裏地12より熱伝導率が高い面状熱伝導シート15と、を備える。この蓄熱手段14としては、冷却材又は発熱体である。なお、蓄熱手段14は、収納ポケット13に納められている。この衣服10によれば、衣服10の着用者の体表温度と蓄熱手段14の温度との高低差によって生じる、面状熱伝導シート15を介した着用者と蓄熱手段14との間の伝熱を利用して、着用者の体表温度を制御することができる。具体的には、蓄熱手段14が冷却材の場合には、着用者からの熱を、面状熱伝導シート15を介して冷却材に伝熱し、一方、蓄熱手段14が発熱体の場合には、発熱体14の熱を、面状熱伝導シート15を介して着用者に伝熱し、着用者の体表温度を快適な温度に制御できる。
以下に、この衣服10を構成する各構成部材について説明する。
<衣服>
衣服10の本体の外形及び素材については特に限定されない。図1(a)及び(b)では、衣服10の外形としてベストの場合を示しているが、これに限られず、シャツやジャケット等の外形を有するものであってもよい。図1のベストでは、腕を通す箇所が開けられており、中央部分は背中側となり、左右部分は前面側となる。また、衣服10の表地11及び裏地12の素材としては、例えば、ポリエステル等を用いることができる。
<蓄熱手段>
蓄熱手段14としては、冷却材又は発熱体を用いることができる。この冷却材及び発熱体は、着用者の体表温度に対して低温か、又は、高温であるものとし、着用者の体表温度に対して温度差を設けることができる。また、冷却材及び発熱体としては通常使用されるものであれば使用できる。また、蓄熱手段14は、少なくとも一つ設ければよいが、図3(a)及び(b)に示すように、2以上の蓄熱手段14を設けてもよい。また、2以上の蓄熱手段の配置方向も背骨に沿った方向(図3(a))や、背骨と垂直な方向(図3(b))のいずれでもよい。
さらに、衣服10に蓄熱手段14のみを直接配置した場合、外観がよくない場合や、表地11を傷める場合などがあるので、図1及び図2に示すように、表地11に収納ポケット13を設け、その中に蓄熱手段14を配置してもよい。
<面状熱伝導シート>
面状熱伝導シート15は、衣服10の表地11と裏地12との間に面状に設けられ、蓄熱手段14との熱伝導経路を有すると共に、表地11及び裏地12より熱伝導率が高い。この面状熱伝導シート15は、シート状の形状を有し、熱を面方向に伝達させる部材である。また、この面状熱伝導シート15は、蓄熱手段14と直接又は間接に接触し、衣服10の着用者と蓄熱手段14との間で面方向での伝熱を行う。
面状熱伝導シート15は、図1(b)に示すように、衣服10の肩甲骨部分16(衣服の中央上部)を避けるように設けてもよい。肩甲骨は出っ張っているので、面状熱伝導シート15の密着性が悪くなるため、肩甲骨の箇所を避けてデザインすることにより、面状熱伝導シートを身体に接するようにすることができる。また、面状熱伝導シート15は、衣服10の背中下部(衣服の中央下部)の背骨下部17を避けるように設けてもよい。背中下部の背骨下部17は、屈んだ際にへこむため、この部分を避けてデザインすることで、上記と同様に面状熱伝導シートを身体に接するようにすることができる。また、背骨下部17を抜くことで衣服の軽量化を図ることができる。なお、背骨下部17を抜くことなく、面状熱伝導シート15を背中全体にわたって設けてもよい(図3(a))。この場合において、面状熱伝導シート15は、長方形の細長いライン状に、収納ポケット13から4方向へ広げられている。面状熱伝導シート15は、ライン状に少なくとも2方向へ広げられていればよい。これに対して、ライン状でなく1枚の正方形状のシートとすると熱が遠くまで広がらない。
面状熱伝導シート15は、面方向の熱伝導性に優れた材料からなる。例えば、黒鉛を含んでもよい。
また、面状熱伝導シート15として、鱗片状黒鉛粒子と、鱗片状黒鉛粒子を分散させるマトリックス樹脂成分と、を含む異方性熱伝導組成物であってもよい。この異方性熱伝導組成物にせん断力や圧力を印加すると、鱗片状黒鉛粒子のベーサル面は面内配向する性質を有する。そして、鱗片状黒鉛粒子が面内配向することにより、異方性熱伝導組成物は当該面内方向において、より大きな熱伝導性を示すようになる。この異方性熱伝導組成物は、面状熱伝導シートとして、鱗片状黒鉛粒子のベーサル面は、面状熱伝導シートの面内方向に配向し、面方向において優れた熱伝導性を発現する。
さらに、面状熱伝導シート15として、上記異方性熱伝導組成物とは異なり、マトリックス樹脂成分を含まないグラファイト100%のグラファイト製シートを用いてもよい。
<鱗片状黒鉛粒子>
鱗片状黒鉛粒子のベーサル面での最大径をa、ベーサル面に直交する厚みをcとした場合、鱗片状黒鉛粒子の厚さcに対する最大径a(以下、長径a)の比:a/cは、平均値で30以上であり、かつ長径aは1μm以上、30μm以下である。また、最大径aと直交するベーサル面での最大径(以下、短径)をbとした場合、短径bに対する長径aの比:a/bは、1以上、20以下であることが好ましい。鱗片状黒鉛粒子がこのような特有の形状を有するので、異方性熱伝導組成物において鱗片状黒鉛粒子が面内配向したときには粒子同士が接触する確率が高くなり、かつ接触箇所における粒子同士の接触面積も大きくなると考えられる。従って、熱伝導経路を効率よく形成できると考えられる。
鱗片状黒鉛粒子の長径aとは、図4に示すように、黒鉛粒子3のベーサル面と平行な方向P(矢印の方向)における最大径である。また、鱗片状黒鉛粒子3の短径bとは、長径aと直交する鱗片状黒鉛粒子3の幅の最大値である。短径bに対する長径aの比(縦横比またはアスペクト比ともいう)は1であってもよく、その場合は長径aと短径bは互換性がある。更に、鱗片状黒鉛粒子3の厚さcは、図4に示すように、ベーサル面と直交する方向の最大径である。
また、異方性熱伝導組成物の全体に占める鱗片状黒鉛粒子の含有量は、40質量%より多く、90質量%以下に制御される。このような含有量の範囲内では、鱗片状黒鉛粒子同士の接触が顕著となり、非線形的な熱伝導率の向上が見られるからである。すなわち、上記形状の鱗片状黒鉛粒子を用いる場合、従来の一般的な鱗片状黒鉛粒子を用いる場合に比べて少量の使用でも、十分に高い熱伝導性を発現する面状熱伝導シートを得ることが可能となる。
さらに、異方性熱伝導組成物をシートの形状に成形された面状熱伝導シートにおいて、鱗片状黒鉛粒子のベーサル面とシートの面方向とが成す小さい方の角度θは、平均値で1°以上、30°以下であることが好ましい。a/c比が30以上である鱗片状黒鉛粒子を、角度θが30°以内となるように配向させることで、非常に高い異方性熱伝導特性を有する面状熱伝導シートとなる。このような面状熱伝導シートを用いることにより、衣服の裏地と表地の間に配置した場合に、着用者からの熱を効果的に面状に拡散させる、あるいは、着用者に熱を効果的に面状に伝熱させる熱伝導経路を構築することが可能となる。
<鱗片状黒鉛粒子の製造>
上述の長径aが1μm以上、30μm以下であり、かつa/c比が30以上である鱗片状黒鉛粒子は、例えば、黒鉛フィルムを粉砕することにより得ることができる。あるいは、天然黒鉛を、長径aが1μm以上、30μm以下であり、かつa/c比が30以上である鱗片状に加工してもよい。また、1種類の鱗片状黒鉛粒子を単独で使用してもよく、長径aおよびa/c比が上記条件を満たす限り、複数種の鱗片状黒鉛粒子を混合して用いてもよい。
前駆体としての黒鉛フィルムは、高分子フィルムを不活性ガスの流通下で、2400℃以上、好ましくは2600〜3000℃の高温で焼成して黒鉛化することにより得ることができる。焼成は一段階で行ってもよく、二段階以上に分けて、それぞれ温度を変えて行ってもよい。不活性ガスは、特に限定されないが、窒素、アルゴンなどが安価で好ましい。焼成時間は、特に限定されないが、例えば2〜6時間が好ましい。
黒鉛化される前の高分子フィルムの厚さは、鱗片状黒鉛粒子の厚さcに合わせて適宜選択すればよいが、例えば400μm以下であり、10〜200μmとすることが好ましい。比較的厚い高分子フィルムを出発物質として用いる場合でも、黒鉛フィルムを粉砕するときに黒鉛の層間で剥離が起るため、より薄い鱗片状黒鉛粒子を得ることができる。
高分子フィルムの材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリ(p−フェニレンイソフタルアミド)、ポリ(m−フェニレンベンゾイミタゾール)、ポリ(フェニレンベンゾビスイミタゾール)、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンなどが好ましい。これらの材料をフィルム化する方法は特に限定されない。これらの材料は1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。例えば、それぞれ異なる複数種のフィルムを黒鉛化し、粉砕してから、それらを混合してもよく、複数種の材料を予め複合化もしくはアロイ化してからフィルム化し、そのフィルムを黒鉛化して用いてもよい。
得られた黒鉛フィルムを粉砕処理することにより、鱗片状黒鉛粒子が得られる。粉砕方法は、特に限定されないが、黒鉛粒子同士を衝突させるか、または黒鉛粒子と硬度の高い媒体物質とを物理的に衝突させる方法が好ましい。このような方法として、例えば、ボールミル法、ナノマイザ法、ジェットミル法等を挙げることができる。
粉砕する黒鉛フィルムの厚さは、所望の鱗片状黒鉛粒子の厚さcに応じて適宜選択すればよいが、例えば1μm〜100μmである。
天然黒鉛を加工する場合は、天然黒鉛を硫酸に浸漬後、加熱し、黒鉛層間を膨張させる前処理を行うことが好ましい。このような処理を行った後に、膨張した黒鉛にせん断力を付与することにより、層間における剥離が促進され、平均厚さcが1μm以下の鱗片状黒鉛粒子を得ることができる。
<鱗片状黒鉛粒子の形状>
鱗片状黒鉛粒子は、例えば図4のような形状を有し、上述のように、長径aが1μm以上、30μm以下であり、かつ厚さcとのa/c比が30以上であるという条件を満たす必要がある。
a/c比が30未満では、黒鉛粒子間の接触箇所が減少し、異方性熱伝導特性を向上させる効果が小さくなる。鱗片状黒鉛粒子同士の接触箇所の数をより増大させるとともに、当該接触箇所における粒子同士の接触面積をより大きくする観点から、a/c比は80以上がより好ましい。一方、マトリックス樹脂成分中での形状保持の観点から、a/c比は200以下が好ましく、150以下がより好ましい。
また、長径aが1μm未満では、鱗片状黒鉛粒子のマトリックス樹脂成分中での配向が困難となる。例えば、押し出し成形やロール圧延により、組成物をシートの形状に成形したとしても、鱗片状黒鉛粒子同士の接触箇所の数や粒子同士の接触面積を十分に確保することが困難になる。一方、長径aが30μmより大きくなると、マトリックス樹脂成分中での黒鉛粒子の分散性が低下し、十分な熱伝導性が得られない。黒鉛粒子の配向を容易にするとともに、マトリックス樹脂成分中での良好な分散性を確保するためには、平均長径aは3μm〜25μmの範囲がより好ましい。
鱗片状黒鉛粒子は、長径aが30μm以下であり、かつa/c比が30以上であることから、厚さcは小さく、最大でも1μmである。このような薄さを有する限り、鱗片状黒鉛粒子の短径bに対する平均長径aの比:a/bは、特に限定されないが、a/b比は、1以上、20以下であることが好ましい。a/b比が20より大きくなると、マトリックス樹脂成分中での鱗片状黒鉛粒子の形状維持が困難となる場合がある。
ここで、長径a、短径bおよび厚さcは、いずれも20個の鱗片状黒鉛粒子の平均値である。すなわち、20個の任意に選択される鱗片状黒鉛粒子について、それぞれ長径a、短径bおよび厚さcを測定し、更にa/b比およびa/c比を計算する。そして、各値の平均値を求める。鱗片状黒鉛粒子の長径a、短径bおよび厚さcは、走査型電子顕微鏡を用いることで測定することができる。
黒鉛フィルムを粉砕して鱗片状黒鉛粒子を得る場合、鱗片状黒鉛粒子の粒度分布は正規分布か、またはこれに近い分布になると考えられる。従って、レーザ回折式の粒度分布測定装置で得られる累積体積50%におけるメディアン径に対して誤差が30%以内の長径aを有する粒子を20個選択して各パラメータの平均値を求めることが望ましい。
なお、異なる粒度分布を有する2種以上の鱗片状黒鉛粒子を混合して用いてもよい。そのような場合でも、混合物における長径aの平均値が1μm以上、30μm以下であり、かつa/c比の平均値が30以上であるという条件を満たす限り、特に制限なく用いることができる。
<マトリックス樹脂成分>
マトリックス樹脂成分は、特に限定されるものではなく、様々な熱可塑性樹脂もしくはエラストマーを用いることができる。ゴム弾性を有さない熱可塑性樹脂とエラストマーとの混合物を用いてもよい。中でもエラストマーを用いることが好ましく、マトリックス樹脂成分中の50質量%以上はエラストマーであることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体等のスチレン系重合体、ABS樹脂、AES樹脂等のゴム強化樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、塩素化ポリエチレン等のオレフィン系重合体、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化ビニル重合体、ポリ塩化ビニリデン等の塩化ビニル系重合体、ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系重合体;ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等のケトン系重合体、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等のスルホン系重合体、ウレタン系重合体、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、これらの複数種をアロイ化して用いることもできる。
エラストマーとしては、特に限定されないが、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、水素化ニトリルゴム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<添加剤>
上記異方性熱伝導組成物には、鱗片状黒鉛粒子およびマトリックス樹脂成分の他に、様々な添加剤を含むことができる。特に、異方性熱伝導組成物がエラストマーを含むゴム組成物である場合には、様々な添加剤が用いられる。ゴム組成物の添加剤としては、特に限定されないが、ゴム成分を架橋する架橋剤、ゴム成分の機械的強度を向上させるカーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)、ゴムの硬度調整のために適量用いられる可塑剤などが挙げられる。その他、ステアリン酸などの加硫補助剤、劣化防止剤、オイル、滑材、無機粒子(シリカ、アルミナ等)等を必要に応じて組成物に添加することができる。
架橋剤としては、硫黄系架橋剤(加硫剤)、過酸化物等を組成物に適量添加することが好ましい。また、シリコーンゴムをマトリックス樹脂成分に用いる場合には、シリコーン硬化用の硬化剤(例えば3級アミン化合物等)を添加することが好ましい。また、硬化促進剤として、酸化亜鉛、活性酸化亜鉛等を組成物に適量添加してもよい。
添加剤の量は、異方性熱伝導組成物の全体の30質量%以下とすることが好ましい。添加剤の量を適量にすることで、鱗片状黒鉛粒子とマトリックス樹脂成分との量的バランスが保持され、組成物の良好な熱伝導性が維持されやすくなるとともに、成形性や強度も確保しやすくなるからである。
<鱗片状黒鉛粒子の含有量>
異方性熱伝導組成物は、鱗片状黒鉛粒子を40重量%より多く含む。鱗片状黒鉛粒子の含有量が40質量%より少ないと、鱗片状黒鉛粒子が上記のような特有の形状を有する場合であっても、鱗片状黒鉛粒子同士の接触箇所が少なすぎるため、粒子同士の接触面積を増大させる顕著な効果が得られない。すなわち、鱗片状黒鉛粒子を40質量%以下しか含まない組成物の異方性熱伝導特性は、一般的な鱗片状黒鉛粒子を含む組成物と同等になる。鱗片状黒鉛粒子の含有量が40質量%以下の範囲では、組成物の熱伝導性は、黒鉛粒子の含有量にほぼ比例して線形的に増加するに過ぎない。一方、異方性熱伝導組成物が鱗片状黒鉛粒子を40重量%より多く含む場合、組成物の熱伝導性は黒鉛粒子の含有量に対して非線形的に増加する。これは粒子形状が、粒子同士の個々の接触箇所における接触面積を十分に確保するのに適した形状であることに基づくものと考えられる。
なお、異方性熱伝導組成物に含まれる鱗片状黒鉛粒子の含有量が、90質量%より大きくなると、組成物の成形性が低下するとともに、組成物が脆くなる傾向がある。
組成物の成形性と強度を十分に確保しつつ、高い熱伝導性を達成する観点から、組成物に含まれる鱗片状黒鉛粒子の含有量は、90質量%以下とすることが好ましく、80質量%以下とすることが更に好ましい。また、組成物に含まれる鱗片状黒鉛粒子の含有量は、40質量%より多くすることが好ましく、43質量%より多くとすることが更に好ましい。なお、これらの上限および下限は任意に組み合わせてもよい。
<シート状の面状熱伝導シートの製造方法>
<第1工程>
まず、異方性熱伝導組成物を調製する。その調製方法は特に限定されず、組成物に含まれるマトリックス樹脂成分、鱗片状黒鉛粒子および必要に応じて添加剤を、それぞれ適切な順序で配合して混練すればよい。ただし、樹脂成分として、エラストマー(ゴム成分)を用いる場合には、混練時の熱でゴムの架橋が進行しないように、まず、ゴム架橋剤を除いた材料の混練を行い、その後、ゴム架橋剤を加えて更に混練を行うことが望ましい。
組成物の混練方法は、特に限定されないが、例えばロール混練法が挙げられる。ロール混練法では、組成物を一対のロール間のギャップに通して組成物をシートに成形する。組成物がロール間に挟み込まれ、間隙を通過する際に、組成物は回転するロールにより、ずりせん断力を受け、ロールの回転方向と平行な方向に伸長される。その際、マトリックスが伸長されるのに伴い、組成物中に分散している鱗片状黒鉛粒子も同じ方向に配向する。その結果、鱗片状黒鉛粒子のベーサル面がシートの面方向に配向した状態が達成される。鱗片状黒鉛粒子の配向性を高めるために、シートを複数回ロール間に通すことが好ましい、また、シートが一方のロールに張り付いた状態でロール間から送り出される場合には、シートをロールから剥がして裏返してから、更にロール間に通すことが好ましい。
ロール混練法により組成物の混練を行う前に、バンバリーミキサなどの密閉型混練機により、組成物の原料の予備混練を行ってもよい。
<第2工程>
次に、組成物を所望の厚さのシート状の面状熱伝導シートに成形する。シートの成形方法は、シートの厚さを調整できる方法であれば、特に限定されないが、例えば、シートの厚さ方向に十分な圧力が印加され、鱗片状黒鉛粒子のベーサル面がシートの面方向に配向しやすい点で、カレンダー成形が好適である。
カレンダー成形は、組成物を連続的に、少なくとも一対のロール間に供給して、組成物をシートに成形した後、巻き取りロールでシートを巻き取る方法であり、連続的な製造に適している。また、前段階において、熱ロール間で圧延を行い、その後、冷却ロール間で圧延を行うことにより、シートの厚さの精度を高めることができる。
また、バンバリーミキサなどの密閉型混練機により、組成物の混練を十分に行った後、混練後の組成物の押し出し成形を行ってもよい。押し出し成形では、シートの形状に適合させた口金もしくは金型から組成物を連続的に押し出すことにより、シートが形成される。押し出し時には、組成物に対して押し出し方向に向かうせん断力が印加され、これにより鱗片状黒鉛粒子のベーサル面がシートの面方向に配向する。押し出し成形後のシートを、更に、カレンダーロール間でプレスしてもよい。
組成物がゴム成分を含む場合には、必要に応じて加熱を行い、架橋剤の反応による架橋(加硫)を進行させることにより、優れた柔軟性と強度を有するシートが得られる。その後、シートをその面に対して垂直な方向に裁断することにより、所望の形状の放熱シートのような製品が得られる。
なお、ゴム成分の架橋は、カレンダー成形における熱ロール間を通す際に、組成物に十分な熱エネルギーを供給して進行させることも可能である。
<鱗片状黒鉛粒子の配向性>
図5は、シートの形状に成形された面状熱伝導シート5の内部構造を模式的に示している。組成物のシート5は、マトリックス樹脂4と、マトリックス樹脂4に分散した状態の鱗片状黒鉛粒子3とで構成されている。上記のような方法で製造されたシート5の内部では、図5に示すように、鱗片状黒鉛粒子3のベーサル面とシート5の面方向Sとが、ほぼ同じ方向を向くように、鱗片状黒鉛粒子3が配向している。このような鱗片状黒鉛粒子3の配向状態については、シート5をその面方向Sに対して垂直な方向に裁断した断面を、走査型電子顕微鏡で観察することで確認できる。
図6は、図5に示すようなシート5の面方向Sに対して垂直な断面を模式的に示している。図中の破線6は、シート5の面方向Sと平行に任意に描いた、鱗片状黒鉛粒子の配向度合いを測定するための基準線である。鱗片状黒鉛粒子の配向度合いは、シート5の面方向Sと平行な基準線6と鱗片状黒鉛粒子3のベーサル面とが成す角度θにより評価することができる。ただし、角度θは鋭角であり、かつ絶対値で評価する。すなわち、図6において、黒鉛粒子3aの面方向と基準線6とが成す角度θ1と、黒鉛粒子3bの面方向と基準線6とが成す角度θ2は、角度θ1とθ2の大きさが同じであれば、黒鉛粒子3aと3bの配向度合いは同じである。
ここで、鱗片状黒鉛粒子3のベーサル面とシート5の面方向Sとが成す角度θは、平均値で1°以上、30°以下であることが好ましい。角度θの平均値を1°以上とすることで、黒鉛粒子同士の接触点の数が十分に確保されるため、高い熱伝導度を有するシートを得ることが可能となる。黒鉛粒子同士の接触点の数をより多くするためには、角度θは、5°以上であることがより好ましい。また、角度θを30°以下とすることで、鱗片状黒鉛粒子3はシート5の面方向Sにおける熱伝導度を十分に大きくできる程度に配向することとなる。一方、シートの厚さ方向への熱伝導性は抑制されることとなる。
角度θは、20個の鱗片状黒鉛粒子の平均値である。すなわち、シートの面方向Sに対して垂直な断面において観測される20個の任意に選択される鱗片状黒鉛粒子について、それぞれ角度θを測定し、各値の平均値を求めればよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
《実施例1−4》
(i)鱗片状黒鉛粒子の製造
厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製、カプトンフィルム)を、アルゴンガス雰囲気中で、2600℃で4時間熱処理し、黒鉛フィルムを得た。得られた黒鉛フィルムを、ジェットミルにより15分間かけて粉砕した。粉砕時の分級部の回転数は20000回転とした。その結果、以下の形状を有する鱗片状黒鉛粒子が得られた。
長径aの平均値:5.5μm
厚さcに対する長径aの比(a/c比)の平均値:100
短径bに対する長径aの比(a/b比)の平均値:2
(ii)異方性熱伝導組成物の調製
得られた鱗片状黒鉛粒子と、EPDM(住友化学工業(株)製、エスプレン)と、過酸化物架橋剤と、ステアリン酸とを混合し、8インチの2本ロール混練機により十分に混練し、異方性熱伝導組成物を調製するとともに、組成物中の鱗片状黒鉛粒子の面方向Pを配向させた。
異方性熱伝導組成物に含まれる鱗片状黒鉛粒子の含有量を表1に示す。
過酸化物架橋剤およびステアリン酸は、各条件において組成物の2質量%および0.3質量%とした。その後、組成物を1mmの厚さのシートになるように、上記の2本ロール混練機を用いて成形し、更に170℃で10分間加熱して加硫を進行させた。
《実施例5−6》
実施例1−4と同様の条件で得られた黒鉛フィルムを、ジェットミルにより、分級部の回転数を7000回転に設定して、15分間かけて粉砕した。その結果、以下の形状を有する鱗片状黒鉛粒子が得られた。
長径aの平均値:17μm
厚さcに対する長径aの比(a/c比):100
短径bに対する長径aの比(a/b比)の平均値:2
上記の鱗片状黒鉛粒子を表1の含有量で組成物に含ませたこと以外、実施例1−4と同様にして、異方性熱伝導組成物を調製し、これをシートに成形し、加硫を進行させた。
《比較例1》
実施例1−4で使用した鱗片状黒鉛粒子を表2の含有量で組成物に含ませたこと以外、実施例1−4と同様にして、組成物を調製し、これをシートに成形し、加硫を進行させた。
《比較例2》
実施例5−6で使用した鱗片状黒鉛粒子を表2の含有量で組成物に含ませたこと以外、実施例5−6と同様にして、組成物を調製し、これをシートに成形し、加硫を進行させた。
《比較例3−5》
比較例3−5は、以下の形状を有する(株)中越黒鉛工業所製の鱗片状黒鉛粒子を用いた場合のデータである。
長径aの平均値:160μm
厚さcに対する長径aの比(a/c比):12
短径bに対する長径aの比(a/b比)の平均値:1
上記の鱗片状黒鉛粒子を表2の含有量で組成物に含ませたこと以外、実施例1−4と同様にして、異方性熱伝導組成物を調製し、これをシートに成形し、加硫を進行させた。
[評価]
各実施例および比較例のシートの熱伝導率および鱗片状黒鉛粒子の配向性について、以下の要領で評価した。結果を表1、2に示す。
(熱伝導率の測定)
各実施例および比較例のシートの熱拡散率を測定した。
ここでは、サーモウェブアナライザ(TA3、(株)ベテル製)により、周期加熱法で熱拡散率αの測定を行った。本実施例の主な効果は、シートの面方向への熱伝導率の向上である。そこで、シートの主要平坦面において、シートを成形する時の組成物の流動方向をX軸、X軸方向に対して垂直な方向をY軸、シートの厚さ方向をZ軸と定義した。せん断力を加えるX軸方向だけでなく、X軸方向と垂直なY軸方向の熱伝導率も測定することにより、シートの面方向への熱伝導率の向上効果を確認した。なお、熱拡散率αは以下の式(1)で求められる。
α:熱拡散率
λ:熱伝導率
ρ:密度
c:比熱
<測定条件>
シートから30mm×30mmに切り出した試料を試料台に乗せて測定を行った。
<X、Y軸方向の熱拡散率>
試料に温度波であるレーザを周波数0.5〜3Hzで周期的に照射し、測定箇所をレーザ照射部から4mmの地点まで変化させながら温度波の位相差を読み取る。次に、横軸に距離、縦軸に位相差をプロットしたグラフを作成し、グラフの傾きを求める。得られたグラフの傾きから下記式(2)を用いて熱拡散率が求められる。
<Z軸方向の熱拡散率>
試料に温度波であるレーザを周波数0.1〜10Hzで周期的に照射し、位相差を読み取る。次に、横軸に周波数の平方根、縦軸に位相差をプロットしたグラフを作成し、グラフの傾きを求める。得られたグラフの傾きから下記式(3)を用いて熱拡散率が求められる。
α:熱拡散率
f:周波数
a:グラフの傾き
d:試料厚さ
(配向性)
各実施例および比較例のシート内の鱗片状黒鉛粒子の配向性は、シートをその面方向Sに対して垂直な方向に裁断した断面の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)で確認した。具体的には、SEM像にシートの面方向Sと平行な基準線を描く。そして、基準線と鱗片状黒鉛粒子のベーサル面とが成す小さい方の角度θを求める。
表1および表2は、それぞれ各実施例および各比較例の組成物の全重量部に対する鱗片状黒鉛粒子の含有量(質量%)、シートのX、Y軸方向(面方向)およびZ軸方向(厚さ方向)の熱伝導率、ならびにX軸方向と平行なシートの断面における鱗片状黒鉛粒子の平均的な配向度合い(角度θ)を、それぞれ示している。
まず、X軸、Y軸方向の熱伝導率に関しては、黒鉛粒子の含有量が増加するにつれて、熱伝導率が増加する傾向があることが明らかになった。これは、熱を面方向に伝導させる黒鉛粒子が増加したことにより、組成物内の熱伝導経路が増加したことによると考えられる。
Z軸方向の熱伝導率に関しても、同様に、黒鉛粒子の含有量が増加するにつれて、熱伝導率も増加することが明らかとなった。X、Y軸方向に比べてZ軸方向の熱伝導率が低い値となるのは、黒鉛粒子の異方性が寄与しているからである。黒鉛粒子は、X、Y軸方向(シートの面方向)の高い熱伝導率を発現させるが、Z軸方向(シートの厚さ方向)の熱伝導率は面方向の100分の1程度である。異方性材料である黒鉛粒子が、組成物内で面方向に配向しているため、X、Y軸方向に比べてZ軸方向の熱伝導率が低くなったものと考えられる。
次に、実施例1〜4と、実施例5〜6との対比によれば、鱗片状黒鉛粒子の長径aの平均値を5.5μmから17μmに変化させた場合でも、特に影響は見られず、実施例1〜4と実施例5〜6とで同様の傾向が見られる。
図7〜図9に、各種シートのX軸方向と平行な断面のSEM像を示す。図7は比較例1のSEM像、図8は実施例1のSEM像、図9は実施例3のSEM像である。また、図10は実施例3のシートのY軸方向と平行な断面のSEM像である。
図7〜図9では、ゴム成分のマトリックス中に、鱗片状黒鉛粒子が配向した状態で分散している様子が伺える。また、黒鉛粒子の含有量の増加により、黒鉛粒子同士の接触箇所が増加していることが明らかとなった。また、図9、図10より、鱗片状黒鉛粒子はX軸方向にだけでなく、Y軸方向にも配向していることが明らかになった。
図11は、組成物全体に対する黒鉛粒子の含有量(横軸)と、その組成物から得られるシートの熱伝導率(縦軸)との関係を示すグラフである。グラフAは、実施例1〜4および比較例1の組成物における上記関係をプロットしたものである。グラフBは、比較例3〜5の組成物における上記関係をプロットしたものである。一般的な鱗片状黒鉛粒子の含有量を増加させた際の熱伝導率の増加は線形的であるのに対して、本実施例の条件を満たす形状の鱗片状黒鉛粒子は、その含有量が40質量%より大きくなると、熱伝導率の増加率が大きく変化している。
ここで、上記のような非線形的な挙動が得られる理由について考察する。
熱伝導率の向上効果は、鱗片状黒鉛粒子同士の接触箇所の数や接触面積を増加させることにより達成されると考えられる。黒鉛粒子の厚さcに対する長径aの比(a/c)、短径bに対する長径aの比(a/b)が大きい粒子の場合には、a/c比およびa/b比が小さい粒子に比べて、組成物内で粒子が配向する際の可動範囲は大きくなると考えられる。一方、可動範囲が大きくても、粒子同士間の距離が比較的大きい場合には、粒子形状が異なる場合でも、配向の際に一粒子が周辺に存在する粒子と接触する確率はそれほど変わらず、粒子同士間の距離がある程度小さくなったときに、粒子形状の影響が顕在化するとものと思われる。そして、粒子形状の影響が顕在化し始める臨界点が、40質量%付近にあるものと考えられる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る衣服は、実施の形態1に係る衣服と比較すれば、面状熱伝導シートとして、グラファイト製シートを用いている点で相違する。このグラファイト製シートは、実施の形態1に係る衣服に用いた面状熱伝導シートの鱗片状黒鉛粒子の前駆体の一つである高分子フィルムを焼成して得られる黒鉛フィルムを用いることができる。
なお、上述の黒鉛フィルムを得る工程は、上述の工程と同様であるので、その説明を省略する。また、出発物質である高分子フィルムについても上述の高分子フィルムと同様であるので、その説明を省略する。
以下に、衣服に関する実施例7及び8、比較例6について説明する。
≪実施例7≫
図12(a)は、実施例7の衣服10の断面構造を示す断面図であり、図12(b)は、(a)の衣服10を着用した着用者が運動した場合の測定箇所1(18)及び測定箇所2(19)の温度変化を示すグラフである。実施例7に係る衣服10は、ベスト形状の衣服10として構成し、表地11に設けた収納ポケット13に冷却材14を配置し、表地11と裏地12との間にグラファイト製シート(グラファイト100%)からなる面状熱伝導シート15を設けた。
この衣服10を着用した着用者が運動した場合に、冷却材14に近い測定箇所1(18)と、冷却材14から離れた測定箇所2(19)における温度を測定し、図12(b)に時間ごとのそれぞれの測定箇所の温度をプロットした。この図12(b)に示されるように、運動によって身体全体の温度が少し上昇するものの、冷却材14に近い測定箇所1(18)の温度も、冷却材から離れた測定箇所2(19)の温度もほぼ同様の温度変化を示した。例えば、表3に示すように、運動終了後、25分経過後の測定箇所1(18)の温度は32.4℃であり、測定箇所2(19)の温度は32.8℃であった。これは、衣服10の表地11と裏地12との間に設けた面状熱伝導体15によって、冷却材14に近い測定箇所1(18)だけでなく、冷却材14から離れた測定箇所2(19)の熱も冷却材14へ伝熱して、身体全体の体表温度を均等化することができたものと思われる。
≪実施例8≫
実施例8に係る衣服では、実施例7に係る衣服と比較すると、面状熱伝導シート15が実施例1に係る異方性熱伝導組成物からなるシートである点で相違する。
例えば、表3に示すように、運動終了後、25分経過後の測定箇所1(18)の温度は32.3℃であり、測定箇所2(19)の温度は33.6℃であった。これは、衣服10の表地11と裏地12との間に設けた面状熱伝導体15によって、冷却材14に近い測定箇所1(18)だけでなく、冷却材14から離れた測定箇所2(19)の熱も冷却材14へ伝熱して、身体全体の体表温度を均等化することができたものと思われる。
≪比較例6≫
図13(a)は、比較例6の衣服50の断面構造を示す断面図であり、図13(b)は、(a)の衣服50を着用した着用者が運動した場合の測定箇所1及び測定箇所2の温度変化を示すグラフである。比較例6に係る衣服50では、実施例7及び8に係る衣服と比較すると、冷却材14は配置している点では共通するものの、面状熱伝導シートを設けていない点で異なる。
この図13(b)に示されるように、運動によって身体全体の温度が上昇するとともに、冷却材14に近い測定箇所1(18)の温度はあまり変化しないものの、冷却材から離れた測定箇所2(19)の温度は運動中から上昇していき、運動終了後には測定箇所1(18)とは約4℃もの温度差を生じた。例えば、表3に示すように、運動終了後、25分経過後の測定箇所1(18)の温度は31.3℃であり、測定箇所2(19)の温度は35.1℃であった。これは、衣服10の表地11と裏地12との間に面状熱伝導体15がなく、冷却材14に近い測定箇所1(18)だけが冷却され、一方、冷却材14から離れた測定箇所2(19)の熱はそのまま測定箇所2(19)にとどまったため、測定箇所1(18)と測定箇所2(19)との間には大きな温度差が生じたものと思われる。
表3は、実施例7及び8と、比較例6の衣服を着用した着用者が運動した後、運動終了後、25分経過後の測定箇所1(18)の温度と、測定箇所2(19)の温度とを示すものである。
(実施の形態3)
実施の形態3に係る衣料(帽子、ヘルメット)は、実施の形態1,2の衣料(衣服)において用いた面状熱伝導シートを、帽子100、ヘルメット101へ応用した例である。
図14(a)は、実施の形態3に係る帽子100の表側の斜視図である。図14(b)は、(a)の帽子100の裏面側の底面図である。実施の形態1,2と同様に、帽子100の表地11と裏地12との間に面状熱伝導シート15を設けている。また、収納ポケット13を帽子100の前方側面(帽子100のつば21の上部)に設けたが、これに限られず後方側面に設けてもよい。収納ポケット13に蓄熱手段14が挿入される。これによって、蓄熱手段14として用いる冷却源又は加熱源の熱を、面状熱伝導シート15により帽子100内に広げられる。
この例では、面状熱伝導シート15が、帽子100の側面に配置され、人の頭の側面を冷やす、あるいは暖めることができる。
面状熱伝導シート15などは、実施の形態1,2と同じものを使用できる。
図14(c)は、実施の形態3に係るヘルメット101の斜視図である。このヘルメット101は、実施の形態1、2の衣服において用いた面状熱伝導シート15を応用している。図14(a)と同様に、収納ポケット13を前方(透明カバー22の上方)に設けた。収納ポケット13に蓄熱手段14を挿入し、蓄熱手段14からの熱をヘルメット101内部へ広げることができる。
なお、図示しないが、図14(b)と同様、面状熱伝導シート15をヘルメット101の内部の周辺に設けることで、人の頭の側面を冷やす、あるいは暖めることができる。
また、この例では、面状熱伝導シート15は、長方形の細長いライン状で、収納ポケット13から2方向へ広げられている。上記ラインを通じて、熱が伝わる。
上述のように、この衣料としては、実施の形態1及び2において説明した衣服だけでなく、実施の形態3において説明した帽子、ヘルメット等を含む。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
本発明に係る衣料によれば、蓄熱手段と、表地と裏地との間に該蓄熱手段との熱伝導経路を有し面方向に高い熱伝導性を有する面状熱伝導シートと、を設けている。この着用者と蓄熱手段との温度の高低差によって生じる伝熱を、面方向に高い熱伝導性を有する面状熱伝導シートを介して導くことにより、着用者の体表温度を快適な温度に制御することができるので、冷却機能又は加温機能を有する衣料として有用である。
1 炭素繊維
2,4 マトリックス樹脂
3 鱗片状黒鉛粒子
5 シート
6 基準線
10 衣服
11 表地
12 裏地
13 収納ポケット
14 蓄熱手段(冷却材)
15 面状熱伝導シート
16 肩甲骨部分
17 背骨下部
18 測定箇所1
19 測定箇所2
21 つば
22 透明カバー
50 衣服
100 帽子
101 ヘルメット

Claims (6)

  1. 衣料の表地側の少なくとも一箇所に設けられた蓄熱手段と、
    衣料の表地と裏地との間に面状に設けられ、前記蓄熱手段との熱伝導経路を有すると共に、前記表地及び前記裏地より熱伝導率が高い面状熱伝導シートと、
    を備えた衣料であり、
    前記面状熱伝導シートは、樹脂成分と黒鉛粒子を含み、前記黒鉛粒子のベーサル面が、前記面状熱伝導シートの面方向と平行であり、
    前記面状熱伝導シートは、前記蓄熱手段から4方向へ、ライン状に広げられている、衣料。
  2. 前記蓄熱手段は、衣料の表地側の複数箇所に設けられ、
    それぞれ前記蓄熱手段は、前記4方向へのライン状の前記面状熱伝導シートの2方向へ分かれる元部分に位置する、請求項1に記載の衣料。
  3. 前記面状熱伝導シートは、
    鱗片状黒鉛粒子と、
    前記鱗片状黒鉛粒子を分散させるマトリックス樹脂成分と、
    を含み、
    前記鱗片状黒鉛粒子において、ベーサル面での最大径をa、前記ベーサル面に直交する厚みをcとした場合に、アスペクト比a/cが平均値で30以上であり、かつ、aが1μm以上、30μm以下であり、
    前記鱗片状黒鉛粒子の含有量が、40質量%より多く、90質量%以下である、異方性熱伝導組成物からなり、
    前記鱗片状黒鉛粒子の前記ベーサル面と前記シートの面方向とが成す小さい方の角度θが、平均値で13°以上、16°以下である、請求項1または2に記載の衣料。
  4. 前記異方性熱伝導組成物の前記鱗片状黒鉛粒子は、前記最大径aと直交するベーサル面での最大径をbとした場合、比a/bが、1以上、20以下である、請求項3に記載の衣料。
  5. 衣料の表地側の少なくとも一箇所に設けられた蓄熱手段と、
    衣料の表地と裏地との間に面状に設けられ、前記蓄熱手段との熱伝導経路を有すると共に、前記表地及び前記裏地より熱伝導率が高い面状熱伝導シートと、
    を備えた帽子であり、
    前記面状熱伝導シートは、樹脂成分と黒鉛粒子を含み、前記黒鉛粒子のベーサル面が、前記面状熱伝導シートの面方向と平行であり、
    前記面状熱伝導シートは、前記蓄熱手段から2方向へ、ライン状に、前記帽子の側面周囲に設けられ
    前記面状熱伝導シートは、
    鱗片状黒鉛粒子と、
    前記鱗片状黒鉛粒子を分散させるマトリックス樹脂成分と、
    を含み、
    前記鱗片状黒鉛粒子において、ベーサル面での最大径をa、前記ベーサル面に直交する厚みをcとした場合に、アスペクト比a/cが平均値で30以上であり、かつ、aが1μm以上、30μm以下であり、
    前記鱗片状黒鉛粒子の含有量が、40質量%より多く、90質量%以下である、異方性熱伝導組成物からなり、
    前記鱗片状黒鉛粒子の前記ベーサル面と前記シートの面方向とが成す小さい方の角度θが、平均値で13°以上、16°以下である、帽子。
  6. 前記異方性熱伝導組成物の前記鱗片状黒鉛粒子は、前記最大径aと直交するベーサル面での最大径をbとした場合、比a/bが、1以上、20以下である、請求項に記載の帽子。
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