JP6035199B2 - 二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等に使用される二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルム及びその製造方法に関するものである。
近年、ニッケル‐カドミウム蓄電池、ニッケル‐水素蓄電池、ニッケル‐亜鉛蓄電池、及びリチウムイオン二次電池等の充放電可能な高性能の二次電池が脚光を浴びているが、これらの高性能な二次電池の中でも、特にリチウムイオン二次電池が注目されている。このリチウムイオン二次電池は、図示しないが、正極と負極、セパレータ、電解質、及び容器等から構成されている。正極と負極の集電体は、一般的には、正極にアルミ箔が使用され、負極に銅箔等の金属箔が使用されている。
このようなリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度や作動電圧が高く、ライフサイクルが長く、しかも、自己放電性が低いという優れた特徴を有しているので、様々な分野で利用されている。例えば、携帯電話、多機能携帯電話、タブレット端末等からなるモバイル情報機器、カメラ、ビデオカメラ、携帯型デジタル音楽プレーヤー等の電子機器、電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)等からなる自動車、航空機等の電源として多方面で使用されている。
ところで、モバイル情報機器や自動車等に使用されるリチウムイオン二次電池には、高エネルギー密度化が要求されるが、この高エネルギー密度化を実現する手法として、電池の軽量化があげられる。この電池の軽量化には、様々な方法が検討されているが、その一つとして、導電性樹脂フィルムの使用があげられる。すなわち、リチウムイオン二次電池の正極と負極の集電体には、前記したように金属箔が使用されるが、この金属箔の代わりに、金属よりも比重の小さい導電性樹脂フィルムを使用すれば、電池の軽量化に資することができる。
そこで、従来おいては、二次電池の軽量化を図るため、様々な導電性樹脂フィルムが検討されている(特許文献1、2、3参照)。例えば、特許文献1では、環状オレフィン樹脂、導電性フィラーと共役ジエンゴムあるいは環状オレフィン樹脂、芳香族ビニル‐共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、導電性フィラーと共役ジエンゴムからなる導電性樹脂フィルムが提案されている。
特許文献2では、ポリエーテルエーテルケトン及びテトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体よりなる群から選択される少なくとも一種の樹脂と、ケッチェンブラック及び多層カーボンチューブよりなる群から選択される少なくとも一種の導電性フィラーを含有する導電性樹脂層を有する二次電池用集電体が提案されている。また、特許文献3には、イミド基含有樹脂を含む基材に導電性フィラーが添加されてなる導電性樹脂層(第一の導電性層)と、イミド基非含有樹脂を含む基材に導電性フィラーが添加されてなる導電性樹脂層及び金属層(第二の導電性層)とからなる双極型リチウムイオン二次電池用の集電体が開示されている。
特開2010‐77236号公報 特開2012‐248430号公報 特開2013‐26192号公報
しかしながら、特許文献1記載の導電性樹脂フィルムの場合には、耐薬品性に問題があるので、係る導電性樹脂フィルムをリチウムイオン二次電池の集電体として使用すると、導電性樹脂フィルムの内部に電解質成分が浸透し、充放電サイクル特性が低下するおそれがある。
また、特許文献2の二次電池用の集電体の場合、樹脂成分にポリエーテルエーテルケトンを使用すると、集電体の内部に電解質成分が浸透するので、充放電サイクル特性が低下するおそれがある。また、樹脂成分にテトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体を採用すると、樹脂の比重が2.1〜2.2と高いので、集電体の軽量化に資することができないという問題が生じる。また、テトラフルオロエチレン‐ヘキサフルオロプロピレン共重合体は、フッ素樹脂であるため、溶融成形に特殊な鋼材や設備が必要となり、結果として、集電体のコストが増大することとなる。
また、特許文献3の双極型リチウムイオン二次電池用の集電体の場合、二種類の異なる樹脂から構成された多層構造で、二種類の樹脂の線膨張係数が異なるため、繰り返し充放電中の発熱で生じる導電性樹脂の伸縮率の差により、第一、第二の導電性層間で集電体の剥離を招くおそれがある。さらに、係る集電体は、第一、第二の導電性層で使用されている樹脂の吸水率が相違するので、製造後の吸水による膨張率の差でカールしたり、第一、第二の導電性層間で集電体が剥離するおそれがある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、耐薬品性を向上させて充放電サイクル特性の低下を防ぎ、二次電池の集電体の剥離防止、導電性の向上、及び軽量化に資することのできる安価な二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルム及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者等は、鋭意研究した結果、耐薬品性に優れ、熱可塑性樹脂の材料中、密度が最小のポリメチルペンテンに着目し、このポリメチルペンテンを用いて本発明を完成させた。
すなわち、本発明においては上記課題を解決するため、導電性樹脂組成物を用いて成形される二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムであって、
導電性樹脂組成物は、80〜97重量%のポリメチルペンテンと、3〜20重量%の導電性材料とを含み、温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定されたメルトマスフローレートが0.3g/10分以上〜200g/10分以下であることを特徴としている。
また、本発明においては上記課題を解決するため、導電性樹脂組成物を用いて請求項1に記載した二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムを得る二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムの製造方法であって、
ポリメチルペンテン80〜97重量%と導電性材料3〜20重量%とを溶融混練して導電性樹脂組成物を調製し、この導電性樹脂組成物の温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定したメルトマスフローレートを0.3g/10分以上〜200g/10分以下とし、導電性樹脂組成物を用いた成形法により、導電性樹脂フィルムを1〜200μmの厚さに形成してその比重を1.1以下とすることを特徴としている。
なお、導電性樹脂組成物の導電性材料を炭素系導電性材料とし、導電性樹脂組成物を用いた成形法を溶融押出成形法としてその溶融押出成形時の温度を250〜360℃とすることができる。
溶融押出成形法は、溶融押出成形機により導電性樹脂組成物を溶融混練し、溶融押出成形機から導電性樹脂フィルムを押し出して成形する方法であるのが好ましい。
また、溶融押出成形した導電性樹脂フィルムを複数の圧着ロール、冷却ロール、及びこれらの下流に位置する巻取管に巻きかけ、この巻取管に導電性樹脂フィルムを巻き取ることができる。
また、導電性樹脂フィルムの厚さ方向に1MPaの加圧力を作用させて測定した場合の抵抗値を2000mΩ・cm以下とすることが好ましい。
さらに、成形した導電性樹脂フィルムを加熱圧縮成形することも可能である。
ここで、特許請求の範囲における導電性樹脂組成物は、ポリメチルペンテンと導電性材料とを攪拌混合させた後に溶融混練することにより、調製することができる。ポリメチルペンテンと導電性材料とは、250〜360℃で溶融混練することができる。また、二次電池には、少なくともニッケル‐カドミウム蓄電池、ニッケル‐水素蓄電池、ニッケル‐亜鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、双極型リチウムイオン二次電池等が含まれる。
導電性樹脂フィルムには微細な凹凸を形成し、この微細な凹凸形状を中心線の平均粗さで1.0μm以下とすることができる。成形した導電性樹脂フィルムを加熱圧縮成形する場合には、ポリメチルペンテンの融点〜360℃以下の温度で導電性樹脂フィルムの投影面積に対して0.5kgf/cm〜100kgf/cm以下の圧力を作用させ、その後に冷却すれば良い。
本発明によれば、ポリメチルペンテン80〜97重量%と導電性材料3〜20重量%とを溶融混練して導電性樹脂組成物を調製し、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを0.3g/10分以上〜200g/10分以下とするので、耐薬品性、耐熱性、軽量性に優れ、低吸水率の導電性樹脂フィルムを製造することができる。したがって、導電性樹脂フィルムを二次電池の集電体として使用しても、導電性樹脂フィルムの内部に電解質成分が浸透することが少なく、充放電サイクル特性が低下するおそれを排除することができる。また、導電性樹脂フィルムの成形に特殊な設備等を特に必要としない。
本発明によれば、耐薬品性、耐熱性、軽量性に優れ、低吸水率のポリメチルペンテンを用いるので、集電体用の導電性樹脂フィルムの耐薬品性を向上させて充放電サイクル特性の低下を防ぐことができるという効果がある。また、二次電池の集電体の剥離防止、導電性の向上、及び軽量化に資することができる。また、集電体用の導電性樹脂フィルムの製造に特殊な設備を特に必要としないので、導電性樹脂フィルムや集電体を安価に製造することができる。
また、ポリメチルペンテンの組成重量比率が80〜97重量%なので、ポリメチルペンテン中に導電性材料を適切に配合したり、導電性樹脂組成物の流動性の低下を防いで導電性樹脂フィルムの加工性を向上させたり、導電性樹脂フィルムの損傷を防止することができる。加えて、導電性樹脂フィルムに十分な導電性を付与することができる。また、導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートが0.3g/10分以上〜200g/10分以下なので、導電性樹脂組成物の溶融粘度が十分高く、導電性樹脂フィルムの成形性や機械的強度の向上が期待できる。
請求項2記載の発明によれば、導電性樹脂フィルムの厚さが1〜200μmなので、導電性樹脂フィルムの引張強度の低下を防いだり、二次電池の集電体の軽量化が期待できる。また、導電性樹脂フィルムの比重が1.1以下なので、二次電池や集電体の軽量化に資することが可能になる。
請求項3記載の発明によれば、導電性材料を炭素系導電性材料とするので、導電性樹脂フィルムの化学的安定性や軽量化を図ることが可能になる。また、導電性樹脂フィルムの成形に溶融押出成形法を用いるので、ハンドリング性の向上や設備の簡略化を図ることができる。また、溶融押出成形時の温度を250〜360℃以下の範囲とするので、ポリメチルペンテンが激しく分解するのを防ぎ、導電性樹脂フィルムの確実な成形が期待できる。
請求項4記載の発明によれば、導電性樹脂フィルムの厚さ方向の抵抗値が2000mΩ・cm以下なので、導電性樹脂フィルムを二次電池の集電体として使用しても、エネルギー密度の低下を防ぐことができる。
請求項5記載の発明によれば、成形した導電性樹脂フィルムをさらに加熱圧縮成形するので、抵抗値をより低くして導電性を高め、導電性材料の使用量を減らしてコスト低減を図ることが可能になる。
本発明に係る二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルム及びその製造方法の実施形態を模式的に示す全体説明図である。 本発明に係る二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムの実施形態における導電性樹脂フィルムの厚さ方向の抵抗値を測定する状態を模式的に示す側面図である。 本発明に係る二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムの実施形態における導電性樹脂フィルムの厚さ方向の抵抗値を測定する状態を模式的に示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルム20は、導電性樹脂組成物1を用いて薄いフィルムに成形され、導電性樹脂組成物1を少なくとも熱可塑性樹脂であるポリメチルペンテンと導電性材料とから調製するようにしている。
導電性樹脂組成物1のポリメチルペンテンと導電性材料との比率は、ポリメチルペンテンの組成重量比率で80〜97重量%以下、好ましくは83〜95重量%以下、より好ましくは85〜90重量%以下が良い。これは、ポリメチルペンテンの組成重量比率が97重量%を超える場合には、導電性樹脂フィルム20の厚さ方向の抵抗値が2000mΩ・cmを超え、導電性樹脂フィルム20に十分な導電性を付与することができず、二次電池の集電体として使用することが困難になるからである。
これに対し、ポリメチルペンテンの組成重量比率が80重量%未満の場合には、導電性樹脂組成物1の溶融粘度が高くなって溶融流動性の低下を招いたり、溶融伸びの低下に伴い、導電性樹脂フィルム20の加工性が低下し、導電性樹脂フィルム20に孔が開くからである。加えて、ポリメチルペンテン中に導電性材料を配合することが困難になるからである。
導電性樹脂組成物1のメルトマスフローレート(MFR)は、温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定された場合、0.3〜200g/10分以下、好ましくは0.4〜100g/10分以下、より好ましくは0.4〜50g/10分以下の範囲が良い。これは、メルトマスフローレートが200g/10分以下であれば、溶融粘度が十分に高く、導電性樹脂フィルム20の成形性に優れるからである。
また、メルトフローレートが0.3g/10分以上であれば、十分な機械的強度を有する導電性樹脂フィルム20を得ることができるからである。メルトフローレートが0.3g/10分未満の場合には、溶融粘度が高くなったり、溶融伸びが低下し、導電性樹脂フィルム20に孔が開いて破断するおそれがあり、導電性樹脂フィルム20の成形が困難になるので、注意する必要がある。
ここでいうメルトマスフローレートは、導電性樹脂組成物1の溶融時の流動性を示す値である。この値を測定する場合には、シリンダー内で溶融した導電性樹脂組成物1を一定の温度と荷重要件の下、シリンダー底部に設置された規定口径のダイスから10分間当たり押し出される導電性樹脂組成物量を測定すれば良い。
このような導電性樹脂組成物1には、ポリメチルペンテンや導電性材料の他、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン‐1、ポリスチレン、環状オレフィン樹脂等のオレフィン系樹脂、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン等の酸変性オレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(四フッ化エチレン)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフロオロプロピレン、ビニリデンフロライドの3種類のモノマーからなる熱可塑性フッ素樹脂、ポリエチレンテフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステレ系樹脂、ポリアミド−6、ポリアミド9T等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンサルホン、ポリフェニレンサルホン等のポリサルホン系樹脂等の熱可塑性樹脂を選択的に添加することができる。
導電性樹脂組成物1には、本発明の特性を損なわない範囲において、ポリメチルペンテン、導電性材料、及び熱可塑性樹脂の他、所定の添加物を選択的に添加することができる。具体的には、結晶核剤、耐衝撃改良剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、耐熱向上剤、無機充填剤、有機充填剤等を選択的に添加することができる。
導電性樹脂組成物1のポリメチルペンテンは、結晶性のポリ4‐メチル‐1‐ペンテンであり、4‐メチル‐1‐ペンテンの単独重合体、あるいは4‐メチル‐1‐ペンテンと、エチレン又は4‐メチル‐1‐ペンテン以外のα‐オレフィンとの結晶性共重合体である。このポリメチルペンテンは、4‐メチル‐1‐ペンテンを85〜100モル%、好ましくは90〜100モル%含み、4‐メチル‐1‐ペンテンを主体とした結晶性共重合体であるのが好ましい。
4‐メチル‐1‐ペンテンと共重合するエチレン、又は4‐メチル‐1‐ペンテン以外のα‐オレフィンとしては、例えばプロピレン、1‐ブテン、1‐ヘキセン、1‐オクテン、1‐デセン、1‐テトラデセン、1‐オクタデセン等の炭素数3〜20のα‐オレフィンがあげられる。これらの中でも、4‐メチル‐1‐ペンテンとの共重合性が良く、しかも、良好な靭性が期待できる1‐デセン、1‐テトラデセン、1‐オクタデセンが好ましい。
ポリメチルペンテンのメルトフローレート(MFR)は、温度260℃、荷重5.0kgの条件でASTM D1238の規格に準拠して測定された場合、0.5〜200g/10分以下、好ましくは5〜100g/10分以下が良い。これは、メルトフローレートが200g/10分以下であれば、溶融粘度が高く、導電性樹脂組成物1の成形性に優れるからである。また、メルトフローレートが0.5g/10分以上であれば、十分な機械的強度を有する導電性樹脂フィルム20を得ることができるという理由に基づく。
ここでいうメルトフローレートは、ポリメチルペンテンの溶融時の流動性を示す値である。この値を測定する場合には、ASTM規格に規定されているように、シリンダー内で溶融したポリメチルペンテンを一定の温度と荷重要件の下、シリンダー底部に設置された規定口径のダイスから10分間当たり押し出されるポリメチルペンテンの量を測定すれば良い。
このようなポリメチルペンテンは、公知の製造方法により製造することができる。例えば、特開昭59‐206418号公報に記載されているように、触媒の存在下に4‐メチル‐1‐ペンテンと上記エチレン又はα‐オレフィンとを重合することにより、製造することができる。
ポリメチルペンテンの融点は、210〜245℃以下、好ましくは220〜240℃以下の範囲内にあるのが良い。また、ポリメチルペンテンの具体例としては、例えばTPX〔三井化学社製:商品名〕があげられる。このポリメチルペンテンには、本発明の効果を損なわない範囲で他の共重合可能な単量体とのブロック共重合体、ランダム共重合体、変性体をも使用することが可能である。例えば、TLN6等のTLNシリーズ〔三井化学社製:商品名〕を使用することが可能である。
導電性樹脂組成物1の導電性材料としては、金属系あるいは炭素系の導電性材料があげられるが、化学的安定性や軽量化の観点から炭素系導電性材料が好ましい。金属系の導電性材料としては、例えば金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、クロム、ニオブ、クロム、チタン、スズ、バナジウム及びこれらを2種類以上含む合金、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物等があげられる。
炭素系導電性材料としては、例えばファーネスブラック(オイルファーネスブラック及びガスファーネスブラック)、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、アモルファスカーボン、パン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、鱗片状黒鉛を濃硫酸等で化学処理した後に加熱して得られる膨張黒鉛、膨張黒鉛を高温で加熱処理して得られる膨張化黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛があげられる。
これらの炭素系導電性材料の中では、カーボンナノチューブが少量で高い導電性が得られ、導電性樹脂フィルム20の機械的強度を失うことなく、導電性樹脂フィルム20を成形することができるので、最適である。このカーボンナノチューブは、円筒形の中空繊維構造なので、軽量化の観点からも好ましい。カーボンナノチューブには、グラファイトの一枚面を巻いた構造の単層カーボンナノチューブ、二層以上で巻いた多層カーボンナノチューブがある。
これら単層カーボンナノチューブや多層カーボンナノチューブ以外のカーボンナノチューブには、非特許文献1〔カーボンナノチューブの材料化学入門 コロナ社 齋藤弥八編 P7〜P9〕に記載のナノグラファイバー、竹形ナノチューブ、カップ積み上げ型ナノチューブ等が該当する。また、非特許文献1〔カーボンナノチューブの材料化学入門 コロナ社 齋藤弥八編 P9〜P11〕に記載のナンホーン、ナノコール、マイクロコイル、及びナノコイル等のカーボンナノチューブの類似物も該当する。これらカーボンナノチューブやその類似物の中では、コストの観点から多層カーボンナノチューブが最も有利である。
カーボンナノチューブの繊維径(外径)は、特に制限されるものではないが、0.5〜200nm以下が望ましい。このようなカーボンナノチューブは、公知の製造方法により製造することができる。例えば、非特許文献1〔カーボンナノチューブの材料化学入門 コロナ社 齋藤弥八編 P11〜P12〕に記載の(1)アーク放電法、(2)レーザー蒸発法、(3)基板成長法、担持触媒法、流動触媒法、HiPco法等の化学気相成長法(又は熱分解法)等により製造することができる。また、eDPIS法やスパーグロス法等により製造することも可能である。
カーボンナノチューブの具体例としては、例えばスパーグロス法CNT〔独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構製〕、eDIPS‐CNT〔独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構製〕、SWNTシリーズ〔名城ナノカーボン社製:商品名〕、VGCFシリーズ〔昭和電工社製:商品名〕、FloTubeシリーズ〔CNano Technology社製:商品名〕、AMC〔宇部興産社製:商品名〕、NANOCYL NC7000シリーズ〔NanocyS.A.社製:商品名〕、Baytubes〔BAYER社製:商品名〕、GRAPHISTRENGTH〔アルケマ社製:商品名〕、MWNT7〔保土ヶ谷化学社製:商品名〕、ハイペリオンCNT〔Hypeprion Catalysis International社製:商品名〕等があげられる。
炭素系導電性材料は、粉体状、顆粒状、塊状、繊維状等を特に問うものではない。また、1種類を単独で使用したり、あるいは2種以上を併用しても良い。さらに、炭素系導電性材料は、導電性樹脂フィルム20の特性を損なわない範囲において、例えばシランカップリング剤〔3‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3‐アミノプロピルエトキシシラン、イミダゾールシラン等〕、チタネート系カップリング剤〔イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、テトラオクチルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、イソプロピルトリ(N‐アミトエチル・アミノエチル)チタネート等〕、アルミネート系カップリング剤〔アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等〕等からなる各種カップリング剤で処理を施すことができる。
上記において、導電性樹脂フィルム20を製造する場合には、先ず、ポリメチルペンテンと導電性材料である炭素系導電性材料とを所定の時間、溶融混練して導電性樹脂組成物1を調製する。この導電性樹脂組成物1を調製する方法としては、(1)ポリメチルペンテンと導電性材料である炭素系導電性材料とを50℃以下の温度で攪拌混合させた後に溶融混練し、導電性樹脂組成物1を調製する方法、(2)ポリメチルペンテンと導電性材料である炭素系導電性材料とを攪拌混合することなく、溶融したポリメチルペンテン中に炭素系導電性材料を添加し、これらを溶融混練して導電性樹脂組成物1を調製する方法があげられる。これら(1)、(2)の方法は、いずれでも良いが、分散性や作業性の観点からすると、(1)の方法が好ましい。
(1)の方法について具体的に説明すると、ポリメチルペンテンと炭素系導電性材料とを攪拌混合して攪拌混合物を得るには、タンブラーミキサー、ヘンシルミキサー、V型混合機、ナウターミキサー、リボンブレンダー、あるいは万能攪拌ミキサー等を使用すれば良い。この際、ポリメチルペンテンの形状は、炭素系導電性材料とより均一に分散することのできる粉体状であるのが好ましい。粉体に粉砕する方法としては、例えばせん断粉砕法、衝撃粉砕法、衝突粉砕法、冷凍粉砕法、溶液粉砕法等があげられる。
ポリメチルペンテンと炭素系導電性材料とは、攪拌混合物をミキシングロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、多軸押出機(二軸押出機、三軸押出機、四軸押出機等)等の溶融混練機で溶融混練し、分散させることにより、調製される。この調製の際の溶融混練機の温度は、溶融混練分散が可能でポリメチルペンテンの分解がない温度であれば、特に制限はないが、ポリメチルペンテンの融点〜熱分解温度未満の範囲である。具体的には、250〜360℃以下の範囲、好ましくは260〜330℃以下の範囲である。
これは、溶融混練機の温度がポリメチルペンテンの融点未満の温度の場合には、ポリメチルペンテンが溶融しないので、ポリメチルペンテン中に炭素系導電性材料を均一に分散することができないという理由に基づく。また、溶融混練機の温度がポリメチルペンテンの熱分解温度を超える場合には、ポリメチルペンテンが激しく分解して好ましくないという理由に基づく。
次に、(2)の方法について具体的に説明すると、導電性樹脂組成物1を調製するには、先ず、ポリメチルペンテンをミキシングロール、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、多軸押出機(二軸押出機、三軸押出機、四軸押出機等)等の溶融混練機で溶融し、ポリメチルペンテンに炭素系導電性材料を添加して溶融混練分散させることにより、導電性樹脂組成物1を調製する。
調製の際の溶融混練機の温度は、溶融混練分散が可能でポリメチルペンテンの分解がない温度であれば、特に制限されないが、ポリメチルペンテンの融点〜熱分解温度未満の範囲である。具体的には、(1)の方法の場合と同様の理由から、250〜360℃以下の範囲、好ましくは260〜330℃以下の範囲である。このような導電性樹脂組成物1は、通常は塊状、ストランド状、シート状、棒状に押し出された後、粉砕機あるいは裁断機で塊状、顆粒状、ペレット状等の成形加工に適した形態で使用される。
導電性樹脂フィルム20は、導電性樹脂組成物1を用いた溶融押出成形法、カレンダー成形法、あるいはキャスティング成形法等の各種成形法により成形される。これらの成形法の中では、ハンドリング性の向上や設備の簡略化の観点から、溶融押出成形法が最適である。この溶融押出成形法は、図1に示すように、単軸押出成形機や二軸押出成形機等の溶融押出成形機10で導電性樹脂組成物1を溶融混練し、溶融押出成形機10のダイス12から帯形の導電性樹脂フィルム20を連続的に押し出して成形する方法である。
溶融押出成形機10は、図1に示すように、例えば上方部に原料投入口11が設けられ、先端部にTダイスや丸ダイス等のダイス12が連結管を介して連結される。溶融押出成形機10の原料投入口11に導電性樹脂組成物1を投入する場合には、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガスを適宜供給して酸化劣化あるいは酸素架橋を防止することができる。
溶融押出成形機10の温度は、導電性樹脂フィルム20の成形が可能でポリメチルペンテンの分解がない温度であれば、特に制限されないが、ポリメチルペンテンの融点〜熱分解温度未満の範囲である。具体的には、250〜360℃以下の範囲、好ましくは260〜330℃以下の範囲である。これは、溶融押出成形機10の温度がポリメチルペンテンの融点未満の温度の場合には、ポリメチルペンテンが溶融しないので、導電性樹脂フィルム20を成形することができないからである。また、溶融押出成形機10の温度がポリメチルペンテンの熱分解温度を超える場合には、ポリメチルペンテンが激しく分解して好ましくない事態が生じるからである。
導電性樹脂フィルム20を溶融押出成形したら、この導電性樹脂フィルム20を図1に示すように、ダイス12の下方に位置する引取機30の一対の圧着ロール31、これら一対の圧着ロール31の間に位置する冷却ロールである金属ロール32、及びこれらの下流に位置する巻取機40の巻取管41に順次巻架し、この巻取管41に導電性樹脂フィルム20を巻き取れば、導電性樹脂フィルム20を製造することができる。
引取機30の圧着ロール31と巻取機40の巻取管41との間には、導電性樹脂フィルム20の側部にスリットをスライドして形成するスリット刃50が少なくとも昇降可能に配置され、巻取管41とスリット刃50との間には、導電性樹脂フィルム20にテンションを作用させて円滑に巻き取るテンションロール51が回転可能に軸支される。
圧着ロール31は、表面が金属の金属弾性ロールや金属ベルトをも使用することができ、これら金属弾性ロールや金属ベルトを使用すれば、表面が平滑性に優れる導電性樹脂フィルム20を成形することができる。具体的な金属弾性ロールには、エアーロール〔ディムコ社製:商品名〕やUFロール〔日立造船社製:商品名〕が該当する。また、具体的な金属ベルトには、ロータリープレス〔ディムコ社製〕、ロールオンベルト〔ディムコ社製〕、スリーブ面接触方式〔ディムコ社製〕等が該当する。
圧着ロール31の周面には、導電性樹脂フィルム20と金属ロール32との密着性を向上させる観点から、少なくとも天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ノルボルネンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム層が覆着される。これらのゴムの中では、耐熱性に優れるシリコーンゴムやフッ素ゴムの選択が好ましい。ゴム層には、シリカやアルミナ等の無機化合物を選択的に添加することができる。
金属ロール32は、30〜100℃以下、好ましくは40〜80℃以下の温度で使用される。これは、金属ロール32の温度が30〜100℃以下の範囲であれば、金属ロール32に対する導電性樹脂フィルム20の密着性が良く、厚さ精度に優れる導電性樹脂フィルム20を得られるからである。
導電性樹脂フィルム20の表面は、平坦でも良いが、摩擦係数を低下させる微細な凹凸を形成することもできる。この導電性樹脂フィルム20表面の微細な凹凸形状は、中心線の平均粗さで1.0μm以下、好ましくは0.7μm以下、より好ましくは0.5μm以下が最適である。
微細な凹凸を形成する方法としては、(1)ポリメチルペンテンと炭素系導電性材料とからなる導電性樹脂組成物1を溶融押出成形機10で混練し、この溶融混練した溶融混練物をダイス12により微細な凹凸を有する金属ロール32上に吐き出して密着させ、導電性樹脂フィルム20の成形時に同時に形成する方法、(2)一旦、導電性樹脂フィルム20を成形した後、この導電性樹脂フィルム20を微細な凹凸を有する金属ロール32上に密着させて形成する方法があげられるが、設備の簡略化の観点からすると、(1)の方法が好適である。
製造された導電性樹脂フィルム20の厚さは、1〜200μm、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜100μm、さらにより好ましくは30〜50μmが良い。これは、導電性樹脂フィルム20の厚さが1μm未満の場合には、導電性樹脂フィルム20の引張強度が著しく低下するので、導電性樹脂フィルム20の製造が困難になるという理由に基づく。逆に、導電性樹脂フィルム20の厚さが200μmを超える場合には、リチウムイオン二次電池や双極型リチウムイオン二次電池の二次電池用集電体として使用した場合、軽量化に支障を来すという理由に基づく。この導電性樹脂フィルム20の厚さは、例えば複数の測定値の平均値を求め、平均厚みにより測定することができる。
導電性樹脂フィルム20の厚さ方向の抵抗値〔加圧:1MPa〕は、1MPaの加圧力を作用させて測定した場合、2000mΩ・cm以下、好ましくは1000mΩ・cm以下、より好ましくは500mΩ・cm以下が良い。これは、導電性樹脂フィルム20の厚さ方向の抵抗値が2000mΩ・cmを超えると、二次電池用集電体として使用した場合、エネルギー密度の低下を招くからである。
導電性樹脂フィルム20の厚さ方向の抵抗値は、例えば図2や図3に示すように、導電性樹脂フィルム20を所定の大きさにカットし、このカットした導電性樹脂フィルム20を上下一対のカーボンペーパー60に挟み、この一対のカーボンペーパー60を上下一対の金メッキ電極61に挟持させるとともに、この一対の金メッキ電極61に抵抗計62を接続した後、直流電流を通電し、上方から1MPaで加圧すれば、抵抗計62により測定することができる。
導電性樹脂フィルム20の比重は、1.1以下、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.85〜0.95が最適である。これは、導電性樹脂フィルム20の比重が1.1を超えると、二次電池の軽量化に支障を来すという理由に基づく。導電性樹脂フィルム20の比重は、例えばJIS K7112に準拠した比重測定装置等で測定することができる。
導電性樹脂フィルム20の耐薬品性については、電解質に導電性樹脂フィルム20を浸漬し、その重量変化により評価すれば良い。電解質は、有機溶媒に溶質としてリチウム塩を溶解させた有機電解液である。電解質の有機溶媒としては、例えばエチレカーボネート〔EC〕、プロピレンカーボネート〔PC〕、及びブチレンカーボネート〔BC〕等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート〔DMC〕、エチルメチルカーボネート〔EMC〕、及びジエチルカーボネート〔DEC〕等の鎖状炭酸エステル、テトラヒドロフラン〔THF〕、1,3‐ジオキソラン〔DOXL〕等の環状エーテル、1,2‐ジメトキシエタン〔DEM〕、及び1,2‐ジエトキシエタン〔DEE〕等の鎖状エーテル、γ‐ブチロラクトン〔GBL〕等の環状エステル、酢酸メチル〔MA〕等の鎖状エステル等があげられる。
リチウム塩には、例えば過塩素酸リチウム〔LiClO〕、ホウフッ化リチウム〔LiBF〕、ヘキサフルオロリン酸リチウム〔LiPF〕、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム〔LiCFSO〕、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド〔LiN(CFSO〕、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド〔LiC(CFSO〕等が該当する。
成形した導電性樹脂フィルム20は、そのままでも良いが、さらに加熱圧縮成形すれば、抵抗値をより低くして導電性を高め、導電性材料の使用量を減らしてコストの低減を図ることができる。導電性樹脂フィルム20を加熱圧縮成形する場合には、ポリメチルペンテンの融点〜360℃以下の範囲、好ましくは240〜320℃以下に加熱された複数の金属板、金属ロール、金属ベルトの間に導電性樹脂フィルム20を挟み、この導電性樹脂フィルム20の投影面積に対して0.5kgf/cm〜100kgf/cm以下の圧力を作用させて0.5〜300秒間以下保持し、直ちに50℃以下に冷却すれば良い。
上記によれば、導電性樹脂組成物1の熱可塑性樹脂として、耐薬品性、耐熱性、軽量性に優れ、低吸水率のポリメチルペンテンを選択して導電性樹脂フィルム20を製造するので、導電性樹脂フィルム20を集電体として使用しても、導電性樹脂フィルム20の内部に電解質成分が浸透することがなく、充放電サイクル特性が低下するおそれを有効に排除することができる。また、フッ素樹脂ではなく、ポリメチルペンテンを用いるので、成形に特殊な鋼材や設備を特に必要とせず、集電体のコスト削減が大いに期待できる。
また、導電性樹脂組成物1のメルトマスフローレートが0.3〜200g/10分以下なので、溶融粘度を高めたり、導電性樹脂フィルム20の成形性や機械的強度を大幅に向上させることができる。また、ポリメチルペンテンのメルトフローレートが0.5〜200g/10分以下なので、導電性樹脂組成物1の成形性を向上させ、十分な機械的強度を有する導電性樹脂フィルム20を得ることができる。また、導電性樹脂フィルム20の比重が1.1以下なので、二次電池や集電体の大幅な軽量化に資することが可能になる。
また、二種類の異なる樹脂を用いる必要がないので、集電体の剥離を招くおそれを有効に排除することが可能になる。また、製造後の吸水による膨張率の差でカールしたり、第一、第二の導電性層間で集電体が剥離するおそれもない。また、導電性樹脂フィルム20の厚さが1〜200μmなので、導電性樹脂フィルム20の引張強度の低下を防止し、二次電池の集電体の軽量化が大いに期待できる。さらに、導電性樹脂フィルム20の厚さ方向の抵抗値が2000mΩ・cm以下と低いので、二次電池の集電体として使用しても、エネルギー密度の低下を防ぐことができる。
なお、上記実施形態のポリメチルペンテンについては、1種類を単独で使用したり、あるいは2種以上をアロイ化したり、ブレンド化して使用しても良い。このポリメチルペンテンの形状は、粉体状、顆粒状、塊状、粉状、ペレット状等を特に問うものではない。また、カーボンナノチューブには、カーボンナノチューブの特性を活かすため、外径や長さの異なる複数種のカーボンナノチューブを混合して使用しても良い。
以下、本発明に係る二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルム及びその製造方法の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
先ず、導電性樹脂組成物を調製するため、ポリメチルペンテンとして、TPX MX002〔三井化学社製:商品名〕を選択し、このポリメチルペンテンを冷凍粉砕法により粉砕した。粉砕したポリメチルペンテンの粒度分布をエアジェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、20メッシュパスが98%であった。
ポリメチルペンテンを粉砕したら、この粉砕したポリメチルペンテンと炭素系導電性材料である多層カーボンナノチューブとを表1に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、この樹脂容器にφ10mmのジルコニアボールを併せて投入し、樹脂容器に蓋を取り付けてタンブラーミキサーに装着するとともに、このタンブラーミキサーを23℃、1時間の条件で回転させてポリメチルペンテン、多層カーボンナノチューブ、及びジルコニアボールを分散混合させ、その後、ジルコニアボールを取り出して攪拌混合物を調製した。多層カーボンナノチューブには、NANOCYL NC7000〔NanocyS.A.社製:商品名〕を用いた。
次いで、調製した攪拌混合物を真空ポンプ付きの高速二軸押出成形機に供給して減圧下で溶融混練し、この溶融混練した攪拌混合物を高速二軸押出成形機先端部のダイスから棒形に押し出して水冷後カットし、カットした攪拌混合物を80℃に加熱した排気付き熱風オーブン中に5時間静置し、静置後に室温まで冷却することにより、長さが4〜7mm、直径が2〜4mmのペレット形の導電性樹脂組成物を調製した。攪拌混合物は、シリンダー温度270〜280℃、アダプター温度280℃、ダイス温度280℃の条件下で溶融混練した。
導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定した。測定値は、44.9g/10分であった。
次いで、導電性樹脂組成物を幅400mmのTダイ付きの単軸押出成形機に投入して溶融混練し、この溶融混練した導電性樹脂組成物をTダイから連続的に押し出して導電性樹脂フィルムを帯形に成形した。単軸押出成形機は、L/D=25、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリューのタイプとした。また、単軸押出成形機の温度は260〜270℃、Tダイの温度は260℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は260℃に調整した。この単軸押出成形機に導電性樹脂組成物を投入する際には、窒素ガス520L/分を供給した。
導電性樹脂フィルムを成形したら、この導電性樹脂フィルムを,図1に示すようなシリコーンゴム製の一対の圧着ロール、80℃の金属ロール、及びこれらの下流に位置する3インチの巻取管に順次巻架するとともに、圧着ロールと金属ロールとに挟持させ、連続した導電性樹脂フィルムの両側部をスリット刃で裁断して巻取管に順次巻き取ることにより、長さ300m、幅250mmの導電性樹脂フィルムを製造した。圧着ロールと巻取管との間には、導電性樹脂フィルムの両側部を切断するスリット刃を昇降可能に配置し、巻取管とスリット刃との間には、導電性樹脂フィルムにテンションを作用させるテンションロールを回転可能に軸支させた。
導電性樹脂フィルムを製造したら、導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表1にまとめた。導電性樹脂フィルムの厚さについては、ダイヤルシックスゲージ〔ミツトヨ社製:商品名〕を使用し、導電性樹脂フィルムの幅方向2.5cm間隔で9点測定し、平均値を求めて平均厚みにより評価した。また、導電性樹脂フィルムの比重については、圧縮成形法により約3.0mmのプレートに成形後、JIS K7112の規格に準拠して測定した。
・導電性樹脂フィルムの導電性
導電性樹脂フィルムの導電性については、厚さ方向の抵抗値により評価することとした。この厚さ方向の抵抗値〔Rc〕については、図2や図3に示すように、導電性樹脂フィルムを5.5×5.5cmの大きさにカットして試験片とし、この導電性樹脂フィルムを5.0×5.0cmの大きさを有する上下一対のカーボンペーパーに挟むとともに、この一対のカーボンペーパーを上下一対の金メッキ電極に挟持させ、直流電流を通電し、上方から1MPaで加圧し、抵抗計で1分間後の抵抗値〔R〕を測定した後、以下の式から算出した。
Rc=(R×S)
:R−(一対のカーボンペーパー2枚分の抵抗値)
S:カーボンペーパーの面積
カーボンペーパーは、SIGRACET Gas Diffusion Media type.GDL24BC〔SGL GROUP社製:商品名〕を使用した。また、抵抗計は、ミリオームハイテスタ3540〔日置電機社製:商品名〕を用いた。
なお、厚み方向の抵抗値〔Rc〕については、導電性樹脂フィルムとリチウム一次・二次・ポリマー電池&リチウムイオンキャパシタ用電解液〔キシダ化学社製、商品名:電解質 LiPF、モル濃度 1mol/L、 溶媒 EC:DEC(3:7)V/V%〕を用いた耐薬品性試験の前後で測定した。
・導電性樹脂フィルムの耐薬品性
導電性樹脂フィルムの耐薬品性を評価する場合には、抵抗値の測定に使用した試験片の導電性樹脂フィルムを秤量〔W〕し、この導電性樹脂フィルムとリチウム一次・二次・ポリマー電池&リチウムイオンキャパシタ用電解液〔キシダ化学社製:商品名 電解質LiPF、モル濃度1mol/L 溶媒EC:DEC(3:7)V/V%〕5.0gとをPET/AL/PE構成平袋〔日本生産社製:商品名ラミジップ〕に入れ、ヒートシールにより封をした。
ヒートシールにより封をしたら、PET/AL/PE構成平袋を50℃に加熱した熱風オーブン中に15日間静置し、静置後にPET/AL/PE構成平袋から導電性樹脂フィルムを取り出してエタノールで洗浄し、この導電性樹脂フィルムを50℃に加熱した熱風オーブン中に24時間静置するとともに、静置後に乾燥剤〔オゾン化学社製:商品名OZO‐C〕を入れたガラス製のデシケータ内で24℃環境下、24時間静置し、その後、導電性樹脂フィルムを秤量〔W〕し、以下の式から重量変化率を求めて評価した。
重量変化率(%)={(W−W)×100}/W
:導電性樹脂フィルムの初期重量〔g〕
:導電性樹脂フィルムとリチウム一次・二次・ポリマー電池&リチウムイオンキャ
パシタ用電解液浸漬後の重量〔g〕
〔実施例2〕
先ず、粉砕した実施例1のポリメチルペンテンと多層カーボンナノチューブとの組成重量比率を表1に示すように変更し、実施例1と同様にペレット形の導電性樹脂組成物を調製した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、13.7g/10分の測定値を得た。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを帯形に成形した。この際、単軸押出成形機の温度は280℃、Tダイの温度は270℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は270℃に調整した。こうして導電性樹脂フィルムを成形したら、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造し、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表1にまとめた。
〔実施例3〕
先ず、粉砕した実施例1のポリメチルペンテンと多層カーボンナノチューブとの組成重量比率を表1に示すように変更し、実施例1と同様にペレット形の導電性樹脂組成物を調製した。この導電性樹脂組成物の調製の際、攪拌混合物は、シリンダー温度270〜300℃、アダプター温度300℃、ダイス温度300℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、0.6g/10分の測定値を得た。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを帯形に成形した。この際、単軸押出成形機の温度は280〜290℃、Tダイの温度は270℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は280℃に調整した。こうして導電性樹脂フィルムを成形したら、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造し、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表1にまとめた。
〔実施例4〕
先ず、導電性樹脂組成物を調製するため、ポリメチルペンテンとして、TPX MX004〔三井化学社製:商品名〕を選択し、このポリメチルペンテンを冷凍粉砕法により粉砕した。粉砕したポリメチルペンテンの粒度分布をエアジェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、20メッシュパスが97%であった。
ポリメチルペンテンを粉砕したら、この粉砕したポリメチルペンテンと炭素系導電性材料である多層カーボンナノチューブとを表1に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、その後、実施例1と同様の方法で攪拌混合物を調製した。多層カーボンナノチューブは、VGCF‐X〔昭和電工社製:商品名〕を用いた。
攪拌混合物を調製したら、実施例1と同様にして導電性樹脂組成物を調製した。この導電性樹脂組成物の調製の際、攪拌混合物は、シリンダー温度270〜280℃、アダプター温度280℃、ダイス温度280℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、31.4g/10分の測定値を得た。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造し、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表1に記載した。この際、単軸押出成形機の温度は260〜265℃、Tダイの温度は260℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は260℃に変更した。
〔実施例5〕
粉砕した実施例4のポリメチルペンテンと多層カーボンナノチューブとを表1に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、その後、実施例1と同様の方法で攪拌混合物を調製した。多層カーボンナノチューブは、Flo Tube9000〔CNano Technology社製:商品名〕を用いた。
攪拌混合物を調製したら、実施例1と同様にして導電性樹脂組成物を調製した。この導電性樹脂組成物の調製の際、攪拌混合物は、シリンダー温度270〜300℃、アダプター温度300℃、ダイス温度300℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、5.7g/10分の測定値を得た。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造し、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表1にまとめた。この際、単軸押出成形機の温度は280〜290℃、Tダイの温度は280℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は290℃に変更した。
Figure 0006035199
〔実施例6〕
導電性樹脂組成物を調製するため、ポリメチルペンテンとして、TPX DX845〔三井化学社製:商品名〕を選択し、このポリメチルペンテンを冷凍粉砕法により粉砕した。粉砕したポリメチルペンテンの粒度分布をエアジェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、20メッシュパスが95%であった。
ポリメチルペンテンを粉砕したら、この粉砕したポリメチルペンテンと実施例4の多層カーボンナノチューブとを表2に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、その後、実施例1と同様の方法で攪拌混合物を調製し、実施例1と同様に導電性樹脂組成物を調製した。この導電性樹脂組成物の調製の際、攪拌混合物は、シリンダー温度270〜290℃、アダプター温度290℃、ダイス温度290℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、20.7g/10分の測定値を得た。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造し、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表2に記載した。この際、単軸押出成形機の温度は270〜280℃、Tダイの温度は270℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は270℃に変更した。
〔実施例7〕
導電性樹脂組成物を調製するため、ポリメチルペンテンとして、実施例6の粉砕したポリメチルペンテンと、予め冷凍粉砕したTPX DX231〔三井化学社製:商品名〕とを選択し、これらと実施例1の多層カーボンナノチューブとを表2に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、その後、実施例1と同様の方法で攪拌混合物を調製した。粉砕したTPX DX231の粒度分布をエアジェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、20メッシュパスが95%であった。
攪拌混合物を調製したら、実施例1と同様にして導電性樹脂組成物を調製した。この導電性樹脂組成物の調製の際、攪拌混合物は、シリンダー温度280〜300℃、アダプター温度300℃、ダイス温度300℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、9.0g/10分の測定値を得た。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造し、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表2に記載した。この際、単軸押出成形機の温度は280〜290℃、Tダイの温度は280℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は280℃に変更した。
〔実施例8〕
先ず、導電性樹脂組成物を調製するため、実施例4の粉砕したポリメチルペンテンと、炭素系導電性材料としてオイルファーネスブラック〔ライオン社製:商品名:ケッチェンブラックEC600JD〕とを用意し、これらを表2に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、その後、実施例1と同様の方法で攪拌混合物を調製した。
攪拌混合物を調製したら、実施例1と同様に導電性樹脂組成物を調製した。この導電性樹脂組成物の調製の際、攪拌混合物は、シリンダー温度290〜310℃、アダプター温度310℃、ダイス温度310℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、0.4g/10分の測定値を得た。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造し、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表2に記載した。この際、単軸押出成形機の温度は295〜305℃、Tダイの温度は295℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は295℃に変更した。
〔実施例9〕
実施例2の導電性樹脂組成物を用い、実施例2と同様の方法で平均厚さが150μmの導電性樹脂フィルムを作製した。導電性樹脂フィルムを作製したら、導電性樹脂フィルムを13×13cmに裁断して260℃に加熱した一対の金属板に挟み、この一対の金属板を60t圧縮成形機の上下一対の熱板間にセットして5秒間加熱加圧し、導電性樹脂フィルムを加熱圧縮成形した。
各金属板は、16×16cm、厚さが2cmの平型タイプを使用し、離型剤〔ダイキン工業社製:商品名:ダイフリーGA‐6010〕を均一に塗布して使用した。また、導電性樹脂フィルムの加熱加圧に際しては、金属板の温度を270℃とし、この金属板の面積、換言すれば、導電性樹脂フィルムの投影面積に対して50kgf/cmの成形圧力を作用させた。
導電性樹脂フィルムを加熱圧縮成形したら、そのままの状態で5秒間加熱加圧し、その後、一対の金属板を、一対の熱板の温度が20℃の別の冷却用60t圧縮成形機に直ちに移載し、金属板の側面温度が30℃以下になるまで加圧冷却して導電性樹脂フィルムを製造した。導電性樹脂フィルムを製造したら、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表2にまとめた。導電性樹脂フィルムの厚さについては、導電性樹脂フィルムの任意の5箇所の厚さを測定し、平均値を求めて平均厚みにより評価した。
Figure 0006035199
〔比較例1〕
先ず、実施例1で使用した粉砕品のポリメチルペンテンと多層カーボンナノチューブとを表3に示す本発明の範囲外の組成重量比率で樹脂容器に投入し、以下、実施例1と同様に導電性樹脂組成物を調製した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定したところ、145g/10分であった。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを帯形に成形した。この際、単軸押出成形機の温度は260〜270℃、Tダイの温度は260℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は260℃に調整した。導電性樹脂フィルムを成形したら、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造し、この導電性樹脂フィルムの厚さ、比重、導電性、耐薬品性をそれぞれ評価して表3にまとめた。
なお、導電性樹脂フィルムの耐薬品性及び耐薬品性試験後の導電性については、耐薬品性試験前の厚さ方向の抵抗値が、3.1×10mΩ・cmと規格値範囲外であったため、測定しなかった。
〔比較例2〕
導電性樹脂組成物を調製するため、粉砕された実施例1のポリメチルペンテンを用意し、このポリメチルペンテンと炭素系導電性材料である多層カーボンナノチューブとを表3に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、その後、実施例1と同様の方法で攪拌混合物を調製した。多層カーボンナノチューブは、NANOCYL NC7000〔Nanocy.S.A社製:商品名〕を用いた。
攪拌混合物を調製したら、実施例1と同様にペレット形の導電性樹脂組成物を調製した。この導電性樹脂組成物の調製の際、攪拌混合物は、シリンダー温度300〜320℃、アダプター温度320℃、ダイス温度320℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定したところ、本発明の範囲外の0.1g/10分の測定値だった。
次いで、調製した導電性樹脂組成物を用い、実施例1と同様の方法で導電性樹脂フィルムを製造しようとしたが、導電性樹脂フィルムの溶融伸びが小さいので、単軸押出成形機のTダイと金属ロールとの間で導電性樹脂フィルムが破断し、導電性樹脂フィルムを製造することができなかった。この際、単軸押出成形機の温度は300〜320℃、Tダイの温度は300℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は300℃であった。
〔比較例3〕
先ず、導電性樹脂組成物を調製するため、ポリフェニレンサルファイドとしてトレリナ PY15〔東レ社製:商品名〕を選択し、このポリフェニレンサルファイドを冷凍粉砕法により粉砕した。粉砕したポリフェニレンサルファイドの粒度分布をエアジェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、150メッシュパスが99%であった。
ポリフェニレンサルファイドを粉砕したら、このポリフェニレンサルファイドと、炭素系導電性材料として多層カーボンナノチューブ〔NanocyS.A.社製、商品名:NANOCYL NC7000〕とを表1に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、かつ樹脂容器にφ10mmのジルコニアボールを併せて投入し、樹脂容器に蓋を取り付けてタンブラーミキサーに装着するとともに、このタンブラーミキサーを23℃、1時間の条件で回転させてポリフェニレンサルファイド、多層カーボンナノチューブ、ジルコニアボールを分散混合させ、その後、ジルコニアボールを取り出して攪拌混合物を調製した。
ポリフェニレンサルファイドと多層カーボンナノチューブとを攪拌混合して攪拌混合物を調製したら、この攪拌混合物を真空ポンプ付きの高速二軸押出成形機に供給して減圧下で溶融混練し、高速二軸押出成形機先端部のダイスから棒形に押し出して水冷後カットし、120℃に加熱した排気付き熱風オーブン中に5時間静置するとともに、静置後に室温まで冷却し、長さ3〜5mm、直径2〜3mmのペレット形の導電性樹脂組成物を調製した。
攪拌混合物は、シリンダー温度320〜340℃、アダプター温度340℃、ダイス温度340℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製後、導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度316℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、6.7g/10分の測定値を得た。
次いで、導電性樹脂組成物を120℃に加熱した熱風オーブン中で24時間予備加熱し、この導電性樹脂組成物を幅400mmのTダイ付きのφ40mmの単軸押出成形機に投入して溶融混練し、溶融混練した組成物を単軸押出成形機のTダイから連続的に押し出して導電性樹脂フィルムを帯形に成形した。単軸押出成形機に導電性樹脂組成物を投入する際、窒素ガス520L/分を供給した。
単軸押出成形機は、L/D=25、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリュータイプとした。また、単軸押出成形機の温度は310〜330℃、Tダイの温度は340℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は330℃に調整した。
導電性樹脂フィルムを成形したら、連続した導電性樹脂フィルムの両側部をスリット刃で裁断して巻取管に順次巻き取ることにより、長さ300m、幅250mmの導電性樹脂フィルムを製造した。導電性樹脂フィルムは、シリコーンゴム製の一対の圧着ロール、90℃の金属ロール、及びこれらの下流に位置する3インチの巻取管に順次巻架し、圧着ロールと金属ロールとに挟持させた。圧着ロールと巻取管との間には、導電性樹脂フィルムを切断するスリット刃を昇降可能に配置し、巻取管とスリット刃との間には、導電性樹脂フィルムに圧接してテンションを作用させるテンションロールを回転可能に配置した。
導電性樹脂フィルムを製造したら、導電性樹脂フィルムのフィルム厚、比重、導電性と耐薬品性とをそれぞれ評価して表3にまとめた。この際、耐薬品性試験後の厚み方向の抵抗値については、耐薬品性が規格範囲外なので、測定しなかった。
〔比較例4〕
先ず、導電性樹脂組成物を調製するため、ポリエーテルエーテルケトンとしてKetaSpirePEEK KT−820P〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製:商品名〕)を選択し、このポリエーテルエーテルケトンを冷凍粉砕法により粉砕した。粉砕したポリエーテルエーテルケトンの粒度分布をエアジェットシーブ標準ふるいにより測定したところ、150メッシュパスが98%であった。
ポリエーテルエーテルケトンを粉砕したら、このポリエーテルエーテルケトンと、炭素系導電性材料として多層カーボンナノチューブ〔NanocyS.A.社製、商品名:NANOCYL NC7000〕とを表1に示す組成重量比率で樹脂容器に投入し、かつ樹脂容器にφ10mmのジルコニアボールを併せて投入し、樹脂容器に蓋を取り付けてタンブラーミキサーに装着するとともに、このタンブラーミキサーを23℃、1時間の条件で回転させてポリエーテルエーテルケトン、多層カーボンナノチューブ、ジルコニアボールを分散混合させ、その後、ジルコニアボールを取り出して攪拌混合物を調製した。
攪拌混合物を調製したら、この攪拌混合物を真空ポンプ付きの高速二軸押出成形機に供給して減圧下で溶融混練し、高速二軸押出成形機先端部のダイスから棒形に押し出して水冷後カットし、120℃に加熱した排気付き熱風オーブン中に5時間静置するとともに、静置後に室温まで冷却し、長さ3〜4mm、直径1〜3mmのペレット形の導電性樹脂組成物を調製した。
攪拌混合物は、シリンダー温度375〜395℃、アダプター温度395℃、ダイス温度395℃の条件下で溶融混練した。導電性樹脂組成物を調製したら、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを温度316℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定し、5.9g/10分の測定値を得た。
次いで、導電性樹脂組成物を150℃に加熱した熱風オーブン中で24時間予備加熱し、この導電性樹脂組成物を幅400mmのTダイ付きのφ40mmの単軸押出成形機に投入して溶融混練し、溶融混練した組成物を単軸押出成形機のTダイから連続的に押し出して導電性樹脂フィルムを帯形に成形した。単軸押出成形機に導電性樹脂組成物を投入する際には、窒素ガス520L/分を供給した。
単軸押出成形機は、L/D=25、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリュータイプとした。また、単軸押出成形機の温度は370〜390℃、Tダイの温度は390℃、単軸押出成形機とTダイとを連結する連結管の温度は390℃に調整した。
導電性樹脂フィルムを成形したら、連続した導電性樹脂フィルムの両側部をスリット刃で裁断して巻取管に順次巻き取ることにより、長さ300m、幅250mmの導電性樹脂フィルムを製造した。導電性樹脂フィルムは、シリコーンゴム製の一対の圧着ロール、150℃の金属ロール、及びこれらの下流に位置する3インチの巻取管に順次巻架し、圧着ロールと金属ロールとに挟持させた。圧着ロールと巻取管との間には、導電性樹脂フィルムを切断するスリット刃を昇降可能に配置し、巻取管とスリット刃との間には、導電性樹脂フィルムに圧接してテンションを作用させるテンションロールを回転可能に配置した。
導電性樹脂フィルムを製造したら、導電性樹脂フィルムのフィルム厚、比重、導電性と耐薬品性とをそれぞれ評価し、表3にまとめた。耐薬品性試験後の厚み方向の抵抗値については、耐薬品性が規格範囲外であったので、測定しなかった。
Figure 0006035199
実施例の場合には、ポリメチルペンテン80〜97重量%と導電性材料3〜20重量%とを溶融混練して導電性樹脂組成物を調製し、この導電性樹脂組成物のメルトマスフローレートを0.4〜45.0g/10分以下とし、係る導電性樹脂組成物を用いた溶融押出成形法により、導電性樹脂フィルムを100μm以下の厚さに形成してその比重を0.93以下としたので、比較例と異なり、良好な導電性や耐薬品性を示す導電性樹脂フィルムを得ることができた。
本発明に係る二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルム及びその製造方法は、各種二次電池の製造分野で使用される。
1 導電性樹脂組成物
10 溶融押出成形機
12 ダイス
20 導電性樹脂フィルム
30 引取機
31 圧着ロール
32 金属ロール
40 巻取機
41 巻取管
50 スリット刃

Claims (5)

  1. 導電性樹脂組成物を用いて成形される二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムであって、
    導電性樹脂組成物は、80〜97重量%のポリメチルペンテンと、3〜20重量%の導電性材料とを含み、温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定されたメルトマスフローレートが0.3g/10分以上〜200g/10分以下であることを特徴とする二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルム。
  2. 導電性樹脂組成物を用いて請求項1に記載した二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムを得る二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムの製造方法であって、
    ポリメチルペンテン80〜97重量%と導電性材料3〜20重量%とを溶融混練して導電性樹脂組成物を調製し、この導電性樹脂組成物の温度260℃、荷重10kgの条件でJIS K7210の規格に準拠して測定したメルトマスフローレートを0.3g/10分以上〜200g/10分以下とし、導電性樹脂組成物を用いた成形法により、導電性樹脂フィルムを1〜200μmの厚さに形成してその比重を1.1以下とすることを特徴とする二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムの製造方法。
  3. 導電性樹脂組成物の導電性材料を炭素系導電性材料とし、導電性樹脂組成物を用いた成形法を溶融押出成形法としてその溶融押出成形時の温度を250〜360℃とする請求項2記載の二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムの製造方法。
  4. 導電性樹脂フィルムの厚さ方向に1MPaの加圧力を作用させて測定した場合の抵抗値を2000mΩ・cm以下とする請求項2又は3記載の二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムの製造方法。
  5. 成形した導電性樹脂フィルムを加熱圧縮成形する請求項2、3、又は4記載の二次電池の集電体用の導電性樹脂フィルムの製造方法。
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