JP5434397B2 - 双極型電池用集電体 - Google Patents
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Description
以下、双極型二次電池用集電体について詳細に説明する。
(a)集電体の負極活物質層側にエラストマー層を配置することにより、充放電時の負極の膨張収縮に集電体が追従でき、負極活物質層の剥離を抑制できる。
(b)集電体の正極活物質と接触する側にポリオレフィン樹脂層を配置することにより、樹脂集電体が正極電位においても分解せず、安定して存在する。
(c)ポリオレフィン樹脂層の面直方向の抵抗をエラストマー層より大きくすることで、分解反応が起きる界面での反応が起きにくくなり、正極電位の耐性を向上させることができる。
(d)ポリオレフィン樹脂層の厚さがエラストマー層の厚さより薄いことで抵抗が下がり、電池特性を向上させることができる。また、エラストマー層をより厚くすることにより、樹脂集電体は負極活物質層の膨張収縮により追従しやすくなる。
[正極活物質層および負極活物質層]
活物質層は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
電解質層を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
最外層集電体の材質としては、例えば、金属や導電性高分子が採用されうる。電気の取り出しやすさの観点からは、好適には金属材料が用いられる。具体的には、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属材料が挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、アルミニウム、銅が好ましい。
電池外部に電流を取り出す目的で、タブを用いてもよい。タブは最外層集電体や集電板に電気的に接続され、電池外装材であるラミネートシートの外部に取り出される。
電池外装材としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロン(登録商標)をこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。
絶縁部は、電解質層からの電解液の漏れによる液絡を防止する。また、絶縁部は、電池内で隣り合う集電体どうしが接触したり、発電要素における単電池層の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。
双極型電極は、上述したように、図2に示した構造を備える。すなわち、集電体の負極活物質層側はエラストマー層が配置され、正極活物質層側はポリオレフィン樹脂層が配置されている。それにより、双極型二次電池に用いれば、充放電時の負極の剥離が防止され、かつ、正極電位における樹脂集電体の分解も抑制される。したがって、サイクル特性の向上した電池を提供できる。
(e)本実施形態の双極型電極は、充放電時に負極活物質の剥がれが抑制され、正極電位における集電体の分解が防止されるため、サイクル特性に優れた双極型電池を構成し得る。
図3は、双極型電池の代表的な形態である積層型の扁平な双極型リチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。図3に示すように、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素57は、先に説明した図1に示す双極型のリチウムイオン二次電池10の発電要素21に相当するものであり、正極活物質層13、電解質層17および負極活物質層15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
(f)本実施形態の双極型リチウムイオン二次電池は、充放電時に負極活物質の剥がれが抑制され、正極電位における集電体の分解が防止されるため、サイクル特性に優れた双極型リチウムイオン二次電池となる。
実施例1では、双極型二次電池用集電体を、ポリオレフィン樹脂層とエラストマー層との二層構成として作製した。
比較例1では、以下のように単層の集電体を作製した。エチレンプロピレンゴムおよび、導電材としてケッチェンブラックを、エチレンプロピレンゴムおよびケッチェンブラックの全量に対して7質量%を混合し、キャスト法にて厚さ100μmの集電体(体積抵抗率1mΩ・m、面直方向の抵抗0.01Ω)を製造した。
上記のように製造した実施例1および比較例1の集電体について、以下のように耐電位試験を行った。三極式のガラスセルを使用し、対極にリチウム、参照極にリチウム、作用極には実施例1および比較例1の集電体を用い、リード線を取り付け、電解液に浸漬した。この系に4.2Vの一定の電圧を印加し、その時に流れる電流値を測定した。測定結果を以下の表1に示す。電解液には1MのLiPF6溶液を用いた。作用極の幾何表面積は1.0cm2であった。
表1に示した結果より、ポリオレフィン樹脂層を正極側に設けることで容量(電流量 mAh)が約1/5に低減することが分かった。このことは、実施例1の集電体の充放電による樹脂の分解が、比較例1の集電体に比べて抑制されたことを示している。樹脂の分解反応に伴って電子が移動するため、分解が生じると電流値および電流量は増加するためである。ポリオレフィン樹脂は、エラストマーに比べて反応の活性化エネルギーが高く、この結果から樹脂自体が分解しにくいことが分かる。
実施例2では、上記実施例1と同様の方法で作製した集電体を使用して、双極型二次電池を製造し、後述するサイクル試験を行った。
アセチレンブラック(AB)(導電助剤)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(バインダ)、平均粒子径5μmのリチウムニッケル酸化物系活物質(LiNiO2)およびN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いて、正極活物質層用スラリーを作製した。各成分の配合比は、リチウムニッケル酸化物系活物質:AB:PVDF=86:6:8(質量比)とした。また、アセチレンブラック(AB)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ハードカーボン及びNMPを用いて、負極活物質層用スラリーを作製した。各成分の配合比は、ハードカーボン:AB:PVDF=85:5:10(質量比)とした。調製した正極活物質層用スラリーを双極型二次電池用集電体のポリオレフィン樹脂層上に塗布し、乾燥させることによって、厚さ30μmの正極活物質層を形成した。また、集電体のエラストマー層上に負極活物質層用スラリーを塗布し、乾燥させることによって、厚さ20μmの負極活物質層を形成した。このようにして集電体のポリオレフィン樹脂層上に正極活物質層を、エラストマー層上に負極活物質層を形成した積層体を得た。
得られた正極活物質層・集電体・負極活物質層の積層体を160×130mmの大きさに切り取った。次に、外縁から10mmの外周部に形成された正極活物質層および負極活物質層を剥がし取り、集電体であるポリオレフィン樹脂層およびエラストマー層表面を露出した。これにより、各活物質層面が140×110mmであり、外縁から10mmの外周部の集電体が露出した双極型電極を得た。
集電体として、上記比較例1と同様の方法で製造した集電体を使用した以外は、実施例2と同様にして双極型リチウムイオン二次電池を作製した。
上記の方法で作製した実施例2および比較例2の双極型リチウムイオン二次電池について、25℃の雰囲気下、定電流方式(CC、電流:5C)で200Vまで充電した。次いで、10分間休止させた後、定電流(CC、電流:5C)で120Vまで放電し、放電後10分間休止させた。この充放電過程を1サイクルとし、20サイクルの充放電試験を行い、放電容量維持率を調べた。結果を下記の表2に示す。なお、表2において「放電容量維持率」は、1サイクル目の放電容量に対する、1、5、10、20サイクル目の放電容量の割合を表す(百分率表示)。
3 エラストマー層、
10、50 双極型リチウムイオン二次電池、
11 集電体、
11a 正極側の最外層集電体、
11b 負極側の最外層集電体、
13 正極活物質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板、
27 負極集電板、
29、52 電池外装材、
31 絶縁部、
58 正極タブ、
59 負極タブ。
Claims (7)
- エラストマーおよびポリオレフィン樹脂を含む双極型二次電池用集電体であって、
一方の面側の前記エラストマーの含有量が、他方の面側の前記エラストマーの含有量よりも多い双極型二次電池用集電体。 - 前記一方の面側の表面にエラストマーと導電材とを含むエラストマー層が存在する請求項1に記載の双極型二次電池用集電体。
- 前記他方の面側の表面にポリオレフィン樹脂と導電材とを含むポリオレフィン樹脂層が存在する請求項1または2に記載の双極型二次電池用集電体。
- 前記ポリオレフィン樹脂層の面直方向の抵抗が、前記エラストマーと導電材とを含むエラストマー層よりも大きい請求項3に記載の双極型二次電池用集電体。
- 前記ポリオレフィン樹脂層の厚さが前記エラストマー層の厚さ以下である請求項3または4に記載の双極型二次電池用集電体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の双極型二次電池用集電体を用い、前記一方の面上に負極活物質層が形成され、前記他方の面上に正極活物質層が形成された双極型電極。
- 請求項6に記載の双極型電極を用いた双極型電池。
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