JP2011034853A - 双極型電池の不良検出装置および双極型電池の不良検出方法、双極型電池 - Google Patents

双極型電池の不良検出装置および双極型電池の不良検出方法、双極型電池 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂集電体の樹脂層に直流高電圧を印加することなく樹脂層の貫通孔の有無を確実に検出する。
【解決手段】樹脂集電体を形成する樹脂層の間に、電解液やリチウムイオンの侵入により電位が変化する電位変化検知層を配置し、電位変化検知層の電位の変化を検出し、電位変化検知層の電位の変化が検出されたときに、双極型リチウムイオン二次電池の樹脂集電体を形成する樹脂層に貫通孔が存在していることを検出する。
【選択図】図10

Description

本発明は、双極型電池の不良検出装置および双極型電池の不良検出方法、双極型電池に関する。
電池構成部品として使用される固体電解質膜のような絶縁性セラミックシートは、微細な貫通孔の存在によって、電池構成部品としての信頼性を大きく損なう。
従来、絶縁性セラミックシートの信頼性を確保するために、貫通孔の存在を全数検査によって確認している。
絶縁性セラミックシートにおける貫通孔の有無の確認は、下記特許文献1に記載されているように、概略次のような方法で行なわれている。
まず、2枚の電極板の間に絶縁性セラミックシートを挟み、電極板間に一定時間、直流電圧を印加する。絶縁性セラミックシートに貫通孔があると、貫通孔を通して電流が流れる。その電流の有無を検出することによって貫通孔の存否を判定する。
特開2002−90346号公報(特に段落0017の記載を参照)
しかしながら、従来の技術で貫通孔の存否を確認しようとすると、通常は0.2〜10KVの直流高電圧を電極板間に印加する必要がある(特許文献1の段落0019、0020および表1の記載を参照)。
従来の技術を応用して、電池構成部品の貫通孔の有無を確認しようとすると、直流高電圧の印加により電池構成部品の性能の劣化を引き起こす虞がある。
本発明は、この問題を解決するために成されたものであり、電池構成部品を劣化させることなく、電池構成部品の貫通孔の有無を検出することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、樹脂集電体を形成する樹脂層に電解液または金属イオンが侵入したときに変化する電位を検出する電位変化検知層を樹脂層の間に配置し、電位変化検知層が検知した電位変化から電池構成部品の貫通孔の有無を検出する。
本発明によれば、樹脂集電体を形成する樹脂層に電解液または金属イオンが侵入したときに変化する電位を検出する電位変化検知層を樹脂層の間に配置することで、電解液が樹脂フィルム内に浸透した際に発生する電圧変化から電池構成部品の貫通孔の有無を検出することができるので、直流高電圧を印加することによる電池構成部品の劣化を発生させることなく、電池構成部品の貫通孔の有無を検出できる。
双極型リチウムイオン二次電池の全体構造を模式的に表した断面概略図である。 双極型リチウムイオン二次電池の双極型電極を模式的に示した断面図である。 双極型リチウムイオン二次電池の双極型電極の変形例を模式的に示した断面図である。 メッシュ状に形成された電位変化検知層を示す図である。 格子状に形成された電位変化検知層を示す図である。 電位変化検知層の配置場所、形成領域および厚みの説明に供する図である。 電位変化検知層の配置場所、形成領域および厚みの説明に供する図である。 本実施の形態に係る双極型リチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。 本実施の形態に係る双極型リチウムイオン二次電池の不良検出装置のブロック図である。 図9に示した双極型リチウムイオン二次電池の不良検出装置の動作フローチャートである。
本明細書では、双極型電池の好ましい実施形態の一例として、双極型リチウムイオン二次電池について説明する。しかし、本明細書に記載する実施形態は、本発明の技術的思想の理解を容易にするためのものであって、本発明の技術的範囲は、この実施形態のみに限定されるものではない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上、実際の比率とは異なる場合がある。
本発明の双極型電池は、双極型電池の構造・形態で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など特に制限されず、従来公知のいずれの構造にも適用されうる。
同様に双極型電池の電解質の形態で区別した場合にも、特に制限はない。例えば、非水電解液をセパレータに含浸させた液体電解質型電池、ポリマー電池とも称される高分子ゲル電解質型電池および固体高分子電解質(全固体電解質)型電池のいずれにも適用されうる。高分子ゲル電解質および固体高分子電解質に関しては、これらを単独で使用することもできるし、これら高分子ゲル電解質や固体高分子電解質をセパレータに含浸させて使用することもできる。
また、電池の電極材料または電極間を移動する金属イオンで見た場合にも、特に制限されず、公知のいずれの電極材料等にも適用されうる。例えば、リチウムイオン二次電池、ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、ニッケルカドミウム二次電池、ニッケル水素電池などが挙げられ、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。これは、リチウムイオン二次電池では、セル(単電池層)の電圧が大きく、高エネルギー密度、高出力密度が達成でき、車両の駆動電源用や補助電源用として優れているためである。
本発明は、双極型電池の電池構成部品に直流高電圧を印加することなく、電池構成部品に製造直後から貫通孔が存在していること、双極型電池の経年変化によって電池構成部品に貫通孔が生じたことを確実に検出できるようにする。
このため、樹脂集電体を形成する樹脂層の間に、電解液または金属イオンの侵入により電位が変化する電位変化検知層を配置し、電位変化検知層の電位の変化を検出し、電位変化検知層の電位の変化が検出されたときに双極型電池の樹脂集電体を形成する樹脂層に貫通孔が存在していることを検出できるようにした。
(第1の実施の形態)
図1は、双極型リチウムイオン二次電池10の全体構造を模式的に表した断面概略図である。図1に示す双極型リチウムイオン二次電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、電池外装材であるラミネートフィルム29の内部に封止された構造を有する。
図1に示すように、双極型リチウムイオン二次電池10の発電要素21は、導電性を有する樹脂で形成した樹脂集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層13が形成され、樹脂集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層15が形成された複数の双極型電極23を有する。各双極型電極23は、電解質層17を介して積層されて発電要素21を形成する。
樹脂集電体11の内部には電解液または金属イオンの侵入により電位が変化する電位変化検知層を配置してある。電位変化検知層によって、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を迅速に検出することができる。樹脂集電体11の具体的な構成については後述する。
なお、電解質層17は、基材としてのセパレータの面方向中央部に電解質が保持されてなる構成を有する。この際、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15とが電解質層17を介して向き合うように、各双極型電極23および電解質層17が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極23の正極活物質層13と前記一の双極型電極23に隣接する他の双極型電極23の負極活物質層15との間に電解質層17が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層13、電解質層17、および負極活物質層15は、一つの単電池層19を構成する。したがって、双極型リチウムイオン二次電池10は、単電池層19が積層されてなる構成を有するともいえる。また、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止する目的で、単電池層19の外周部にはシール部(絶縁層)31が配置されている。なお、発電要素21の最外層に位置する正極側の最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層13が形成されている。また、発電要素21の最外層に位置する負極側の最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層15が形成されている。ただし、正極側の最外層集電体11aの両面に正極活物質層13が形成されてもよい。同様に、負極側の最外層集電体11bの両面に負極活物質層15が形成されてもよい。
さらに、図1に示す双極型リチウムイオン二次電池10では、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板25が配置され、これが延長されて電池外装材であるラミネートフィルム29から導出している。一方、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板27が配置され、同様にこれが延長されて電池の外装であるラミネートフィルム29から導出している。
図1に示す双極型リチウムイオン二次電池10においては、通常、各単電池層19の周囲に絶縁部31が設けられる。この絶縁部31は、電池内で隣り合う集電体11同士が接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因して短絡したりするのを防止する目的で設けられる。
このような絶縁部31の設置により、また、上述の樹脂集電体11の内部に配置した電位変化検知層の設置によって、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質の双極型リチウムイオン二次電池10が提供されうる。
なお、単電池層19の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型リチウム二次電池10では、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力を確保できるのであれば、単電池層19の積層回数を少なくしてもよい。双極型リチウムイオン二次電池10でも、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素21を電池外装材であるラミネートフィルム29に減圧封入し、正極集電板25および負極集電板27をラミネートフィルム29の外部に取り出した構造とするのがよい。
本実施形態に係る双極型リチウムイオン二次電池10において、樹脂集電体11の構成は本発明の特徴部分であるので、その具体的な構成について、図2から図7の図面を参照して詳細に説明する。
図2は、双極型リチウムイオン二次電池10の双極型電極23を模式的に示した断面図である。図に示すように、双極型電極23は、樹脂集電体11、正極活物質層13、負極活物質層15を備えている。樹脂集電体11の一方の面に正極活物質層13を形成し他方の面に負極活物質層15を形成してある。
樹脂集電体11は、導電性を有する樹脂で形成され、樹脂層30Aと樹脂層30Bとの間には電位変化検知層35Aを介在させている。電位変化検知層35Aには電位の変化を外部に伝達するための配線37が接続してある。配線37は、外部から電位変化検知層35Aの電位の変化が検出できるように、ラミネートフィルム29のいずれかの辺から外部に導出させる。
電位変化検知層35Aは、電位の変化を感度よく感知できなければならないので、少なくとも一部を金属で形成している。電位変化検知層35Aは、さらに、通常は1〜2μmの孔径のメッシュ状金属箔、または格子状に開口部を有する電池構成部品であっても良い。また、メッシュ状金属箔および格子状に開口部を有する電池構成部品の両方が同一層内で混在して形成されていても良い。
電位変化検知層35Aを金属で形成する場合には、正負の両電位で耐性の大きいステンレス(SUS)材で形成することが好ましい。
電位変化検知層35Aは、樹脂集電体11の樹脂層30Aおよび樹脂層30Bから電解液または金属イオンであるリチウムイオンが浸入する液絡が発生したときに電位が変化する特性を有する。樹脂層30Aおよび樹脂層30Bに貫通孔が存在していると、電解質層17(図1参照)から漏れた電解液やリチウムイオンが時間をかけて浸入し、貫通孔に完全に侵入すると液絡が発生する。電解液やリチウムイオンが電位変化検知層35Aに達し液絡が発生したときに、樹脂集電体11の正極活物質層13と電位変化検知層35Aとの間の電位が変化する。電解液やリチウムイオンが電位変化検知層35Aに達すると、電解液を介して双極型電極23に電圧負荷がかかり、これが電位の変化となって現れるからである。この電位の変化は配線37を介して外部から検出することができる。
発電要素21の上側に位置する双極型電極23で樹脂層30Aおよび樹脂層30Bに貫通孔が存在している場合、電位変化検知層35Aの空孔率が小さければ、さらに下側に位置する双極型電極23に連鎖的に発生する液絡を抑制できる。電位変化検知層35Aの空孔率は液絡を抑制する点では0に近いほど望ましいが、現実的には、電位変化検知層35Aの空孔率は40%以下に抑えておくことが好ましい。空孔率を40%以下に抑えることによって、液絡を局所的に封じ込める効果が期待できるので、双極型リチウムイオン二次電池10の寿命を向上させることができる。
双極型電極23を図2のように構成することによって、液絡の発生を初期の段階で検出できるため、双極型リチウムイオン二次電池10の発電機能が麻痺する前に、双極型リチウムイオン二次電池10の状態を知ることができる。
したがって、液絡が生じた双極型リチウムイオン二次電池10の交換をするなど、適切な対処が採り易くなり、双極型リチウムイオン二次電池10の発電停止や、車載時の車両の電源遮断など、最悪の事態の発生を防止することができる。
図3は、双極型リチウムイオン二次電池の双極型電極の変形例を模式的に示した断面図である。この変形例では、樹脂集電体11に、双極型電極23の積層方向に電位変化検知層を複数(2層)配置している。図2に示した双極型電極では電位変化検知層35Aを樹脂集電体11の厚み方向中央に配置しているが、図3に示す双極型電極では2つの電位変化検知層35A、35Bを樹脂集電体11の厚み方向均等な位置に配置している。電位変化検知層35A、35Bは、少なくとも一部を金属または正極活物質か負極活物質の活物質で形成している。
図に示すように、双極型電極23は、樹脂集電体11、正極活物質層13、負極活物質層15を備えている。樹脂集電体11の一方の面に正極活物質層13を形成し他方の面に負極活物質層15を形成してある。ここまでの構成は図2に示した双極型電極と同一である。
樹脂集電体11は、導電性を有する樹脂で形成され、樹脂層30A、樹脂層30B、樹脂層30Cの3層のそれぞれの樹脂層の間には、電位変化検知層35Aと35Bとを介在させている。電位変化検知層35Aには電位の変化を外部に伝達するための配線37が、電位変化検知層35Bには電位の変化を外部に伝達するための配線38が接続してある。配線37と配線38は外部から電位変化検知層35Aの電位の変化が検出できるように、ラミネートフィルム29のいずれかの辺から外部に導出させる。
このように、2つの電位変化検知層35Aと35Bを樹脂集電体11の厚み方向に均等な位置に配置しておくと、電解質層17(図1参照)から電解液やリチウムイオンが浸入し電位変化検知層35Aまたは35Bに到達するまでの時間が、樹脂集電体11の厚み方向中央に1つの電位変化検知層35Aを配置したときよりも短くなる。このため、液絡の発生をより初期の段階で検出することができる。
また、電解質層17から樹脂集電体11の両面に同時に電解液やリチウムイオンが浸入した場合に、樹脂集電体11の厚み方向中央に位置する樹脂層30Cが液絡の拡大を防ぐ障壁となるので、液絡の発生の初期検出と液絡の拡大を防止することができる。
なお、図3では、電位変化検知層35A、35Bを樹脂集電体11の厚み方向に均等な位置に配置したが、樹脂層30Cの厚みを樹脂層30A、樹脂層30Bよりも大きくし、電位変化検知層35A、35Bを樹脂集電体11の表面側に近づくようにしても良い。このように、電位変化検知層35A、35Bが樹脂集電体11の表面側に近づけば、液絡の発生の早期検出、液絡の拡大の防止効果がさらに向上する。
図3の双極型電極23の場合、電位変化検知層35Aは負極活物質で形成し、電位変化検知層35Bは正極活物質で形成している。この場合、電位変化検知層35Bを形成する正極活物質の充電可能電位が樹脂集電体11上に形成される正極活物質層13の充電可能電位以上であることが望ましい。また、電位変化検知層35Aを形成する負極活物質の充電可能電位が樹脂集電体11を形成する負極活物質層15の充電可能電位以下であることが望ましい。
このように、樹脂集電体11内の電位変化検知層35Bを形成する正極活物質の充電可能電位が樹脂集電体11上に形成される正極活物質層13の充電可能電位以上であることによって、液絡が発生した時に電位の変化を正確にとらえることができるようになる。
電位変化検知層35Bを形成する正極活物質の充電可能電位が樹脂集電体11上に形成される正極活物質層13の充電可能電位であると、電解質層17から電解液やリチウムイオンが浸入して液絡が発生した時でも、正極活物質の分解が抑えられ、正確な電位の検出に寄与できるからである。さらに、分解物として絶縁物が生成されないので、その後の双極型電極23の性能に悪影響が及ばない。充電可能電位の関係が以上の逆の関係にあると、絶縁物の生成により、双極型リチウムイオン二次電池10としての充放電特性が悪化することが実験によって確認されている。
なお、電位変化検知層35B側についても電位変化検知層35A側と同様の原理で同様の効果が得られる。
図3の双極型電極23の場合、樹脂層に活物質を形成するスラリー工程の効率化を図るために、樹脂集電体11の樹脂層30Aの両面に正極活物質を形成し、樹脂集電体11の樹脂層30Cの両面に負極活物質を形成している。しかし、スラリー工程の効率化を考慮しなければ、樹脂層30A、30Cの片面に一方の面とは極性の異なる活物質を形成しても良い。
なお、図3の双極型電極23の場合、2つの電位変化検知層35A、35Bを配置する場合を例示したが、電位変化検知層の配置数は2つに限られず、3つ以上であっても良いのはもちろんである。逆に、電位変化検知層の材料としてSUS材のような金属材料を用いる場合には、図3のように、必ずしも2つの電位変化検知層35A、35Bを配置しなくともよく、図2のように、1つの電位変化検知層35Aを配置するのみでも良い。
図4は、メッシュ状に形成された電位変化検知層を示す図である。図5は、格子状に形成された電位変化検知層を示す図である。
図2に示した電位変化検知層35A、図3に示した電位変化検知層35A、35Bは、少なくとも一部を金属または正極活物質か負極活物質の活物質で形成している。電位変化検知層35A、35Bの形態としては、図4のようにメッシュ状に形成したものであっても良いし、図5に示すように格子状に開口部を有する形態であっても良い。ただし、これらの形態であっても、空孔率は40%以下に抑えておくことが好ましいことは前述の通りである。空孔率を40%以下に抑えることによって、液絡を局所的に封じ込めることができ、双極型リチウムイオン二次電池10の寿命を向上させることができるからである。空孔率がたとえば70%もある電位変化検知層35A、35Bでも液絡の検出をすることはできるが、液絡の拡大を防ぐ障壁としての効果は期待できなくなる。
図6および図7は、電位変化検知層35A、35Bの配置場所、形成領域及び厚みの説明に供する図である。
図2に示した電位変化検知層35Aの配置場所は樹脂集電体11の厚み方向中央であり、図3に示した電位変化検知層35A、35Bの配置場所は樹脂集電体11の厚み方向均等な位置である。また、電位変化検知層35A、35Bの積層方向(平面方向)から見た形成領域は、樹脂集電体11の平面方向の全域である。
ところが、電解質層17(図1参照)から電解液やリチウムイオンが浸入して液絡が発生する領域は、正極活物質層13と負極活物質層15が対向して配置されている領域に限られる。したがって、電位変化検知層35A、35Bを形成する材料の有効活用を図る上で、電位変化検知層35A、35Bの形成領域や厚みの最適性を考慮することが望ましい。
図6および図7に示す電位変化検知層35A、35Bの配置場所は、図3に示したものと同様に樹脂集電体11の厚み方向均等な位置である。
一方、電位変化検知層35A、35Bの形成領域は、樹脂集電体11上の両面に対向して形成した正極活物質層13と負極活物質層15の双極型電極23の積層方向から見た重複領域の少なくとも全体を覆うことができる領域を有することが望ましい。図5に示すように、樹脂集電体11上の一方の面に形成した正極活物質層13の双極型電極23の積層方向から見た形成領域と樹脂集電体11上の他方の面に形成した負極活物質層15の双極型電極23の積層方向から見た形成領域とを比較すると、その大きさが負極活物質層15の方が大きい。しかし、液絡が発生する領域は、正極活物質層13と負極活物質層15が対向して配置されている領域に限られる。このため、電位変化検知層35A、35Bの形成領域は、正極活物質層13と負極活物質層15の双極型電極23の積層方向から見た重複領域、すなわち、少なくとも正極活物質層13の形成領域と同じ大きさの形成領域であれば良い。
このように、電位変化検知層35A、35Bの形成領域を最適化することによって、電位変化検知層35A、35Bを形成する材料の節約をすることができる。
そして、電位変化検知層35A、35Bの厚みは、液絡が確実に検出できる程度の電位差が得られるのであれば、樹脂集電体11を形成する樹脂層30A、30B、30Cの厚みよりも薄く形成することが良い。
このように、電位変化検知層35A、35Bの厚みを液絡の検出に要する最低限の厚みにすることによって、電位変化検知層35A、35Bを形成する材料の節約をすることができるばかりでなく、樹脂層30A、30B、30Cの厚みが相対的に厚くなるので、液絡の拡大を防ぐ障壁としての効果が向上し、液絡の発生の初期検出と液絡の拡大を防止することができる。
なお、図7では、電位変化検知層35A、35Bの形成領域が図6の場合と異なるが、樹脂集電体11上の一方の面に形成した正極活物質層13の双極型電極23の積層方向から見た形成領域に一致させて電位変化検知層35Bを形成し、樹脂集電体11上の他方の面に形成した負極活物質層15の双極型電極23の積層方向から見た形成領域に一致させて電位変化検知層35Aを形成するようにしても良い。
以下、本実施の形態の樹脂集電体11について、詳細に説明する。
(樹脂集電体の樹脂層)
樹脂集電体は、導電性を有する樹脂層からなる。樹脂層は、導電性を有し、必須に樹脂を含み、集電体の役割を果たす。導電性を有するには、具体的な形態として、1)樹脂を構成する高分子材料が導電性高分子である形態、2)樹脂層が樹脂および導電性フィラー(導電材)を含む形態が挙げられる。
上記1)の形態に用いられる導電性高分子は、導電性を有し、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料から選択される。これらの導電性高分子は、共役したポリエン系がエネルギー帯を形成し伝導性を示すと考えられている。代表的な例としては電解コンデンサなどで実用化が進んでいるポリエン系導電性高分子を用いることができる。具体的には、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾール、またはこれらの混合物などが好ましい。電子伝導性および電池内で安定に使用できるという観点から、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、がより好ましい。
上記2)の形態に用いられる導電性フィラー(導電材)は、導電性を有する材料から選択される。好ましくは、導電性を有する樹脂層内のイオン透過を抑制する観点から、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料を用いるのが望ましい。
具体的には、アルミニウム材、ステンレス(SUS)材、グラファイトやカーボンブラックなどのカーボン材、銀材、金材、銅材、チタン材などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの導電性フィラーは1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金材が用いられてもよい。好ましくは銀材、金材、アルミニウム材、ステンレス材、カーボン材、さらに好ましくはカーボン材である。またこれらの導電性フィラー(導電材)は、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料(上記導電材)をめっき等でコーティングしたものでもよい。
また、樹脂層が導電性フィラーを含む形態の場合、樹脂層を形成する樹脂は、上記導電性フィラーに加えて、当該導電性フィラーを結着させる導電性のない高分子材料を含んでいてもよい。樹脂層の構成材料として高分子材料を用いることで、導電性フィラーの結着性を高め、電池の信頼性を高めることができる。高分子材料は、印加される正極電位および負極電位に耐えうる材料から選択される。
高分子材料の例としては、好ましくは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、またはこれらの混合物が挙げられる。これらの材料は電位窓が非常に広く正極電位、負極電位のいずれに対しても安定である。また軽量であるため、電池の高出力密度化が可能となる。
樹脂層における、導電性フィラーの比率は、特に限定されないが、好ましくは、高分子材料および導電性フィラーの合計に対して、1〜30質量%の導電性フィラーが存在する。十分な量の導電性フィラーを存在させることにより、樹脂層における導電性を十分に確保できる。
上記樹脂層には、導電性フィラーおよび樹脂の他、他の添加剤を含んでいてもよいが、好ましくは、導電性フィラーおよび樹脂からなる。
樹脂層は、従来公知の手法により製造できる。例えば、スプレー法またはコーティング法を用いることにより製造可能である。具体的には、高分子材料を含むスラリーを調製し、これを塗布し硬化させる手法が挙げられる。スラリーの調製に用いられる高分子材料の具体的な形態については上述した通りであるため、ここでは説明を省略する。前記スラリーに含まれる他の成分としては、導電性フィラーが挙げられる。導電性粒子の具体例については上述の通りであるために、ここでは説明を省略する。あるいは、高分子材料および導電性粒子、その他の添加剤を従来公知の混合方法にて混合し、得られた混合物をフィルム状に成形することで得られる。また、インクジェット方式により樹脂層を作製してもよい。
(樹脂集電体内に配置される電位変化検知層)
樹脂集電体の内部に介在される電位変化検知層35A、35Bの材料としては、アルミニウム材、ステンレス(SUS)材、グラファイトやカーボンブラックなどのカーボン材、銀材、金材、銅材、チタン材などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。これらの材料は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金材が用いられてもよい。好ましくは銀材、金材、アルミニウム材、ステンレス材、カーボン材、さらに好ましくはカーボン材である。
また、電位変化検知層35A、35Bが活物質によって形成される場合には、次のような材料が用いられる。ただし、電位変化検知層35Bを形成する正極活物質の充電可能電位が樹脂集電体11上に形成される正極活物質層13の充電可能電位以上となるようにし、また、電位変化検知層35Aを形成する負極活物質の充電可能電位が樹脂集電体11を形成する負極活物質層15の充電可能電位以上となるようにする。
電位変化検知層35A、35Bは活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Co−Mn)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質としては、例えば、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料、リチウム合金系負極材料などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
上記で説明した双極型リチウムイオン二次電池10は、樹脂集電体11内に電位変化検知層35A、35Bの構成に特徴を有する。以下、その他の主要な構成部材について説明する。
(活物質層)
[正極(正極活物質層)および負極(負極活物質層)]
活物質層13または15は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層13は、正極活物質を含む。正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Co−Mn)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質層15は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば、グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料、リチウム合金系負極材料などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の
観点から、炭素材料またはリチウム−遷移金属複合酸化物が、負極活物質として用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
各活物質層13、15に含まれるそれぞれの活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜20μmである。
正極活物質層13および負極活物質層15は、バインダを含む。
活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
活物質層中に含まれるバインダ量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは活物質層に対して、0.5〜15質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
活物質層に含まれうるその他の添加剤としては、例えば、導電助剤、電解質塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等が挙げられる。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
正極活物質層および負極活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、非水溶媒二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。各活物質層の厚さについても特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層の厚さは、2〜100μm程度である。
(電解質層)
電解質層13を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、可塑剤である有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。可塑剤として用いられうる有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート(PC)等のカーボネート類が例示される。また、支持塩(リチウム塩)としては、LiBETI等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質に分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系ポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
(最外層集電体)
最外層集電体の材質としては、例えば、金属や導電性高分子が採用されうる。電気の取り出しやすさの観点からは、好適には金属材料が用いられる。具体的には、例えば、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属材料が挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、
あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性、電池作動電位という観点からは、アルミニウム、銅が好ましい。
(タブ、リードおよび配線)
電池外部に電流を取り出す目的で、および電位変化検知層35A、35Bから電位を取り出す目的でタブを用いてもよい。タブは最外層集電体や集電板に電気的に接続され、電池外装材であるラミネートシートの外部に取り出される。
タブを構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用のタブとして従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。タブの構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましく、より好ましくは軽量、耐食性、高導電性の観点からアルミニウム、銅などが好ましい。なお、正極タブと負極タブとでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。
正極端子リードおよび負極端子リードに関しても、必要に応じて使用する。正極端子リードおよび負極端子リードの材料は、公知のリチウムイオン二次電池で用いられる端子リードを用いることができる。なお、電池外装材29から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
(電池外装材)
電池外装材29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素(電池要素)を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。
(絶縁部)
絶縁部31は、電解質層17からの電解液の漏れによる液絡を防止する。また、絶縁部31は、電池内で隣り合う集電体どうしが接触したり、発電要素21における単電池層19の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。
絶縁部31を構成する材料としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよい。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂が、絶縁部31の構成材料として好ましく用いられる。
なお、上記の双極型電池は、従来公知の製造方法により製造することができる。
図8は、本実施の形態に係る双極型リチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図8に示すように、積層型の扁平な双極型リチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。また、その一方の辺からは液絡の発生を検出するために各双極型電極23(図1参照)の電位変化検知層35A、35Bに接続された6組の合計12本の配線37、38が引出されている。
発電要素(電池要素)57は、双極型リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素(電池要素)57は、正極タブ58および負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素(電池要素)57は、先に説明した図1に示す双極型のリチウムイオン二次電池10の発電要素(電池要素)21に相当するものであり、正極(正極活物質層)13、電解質層17および負極(負極活物質層)15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。本実施の形態では6層の単電池層19が設けてある。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のものに制限されるものではなく、巻回型のリチウムイオン二次電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素(電池要素)がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図8に示すタブ58、59および配線37、38の引き出しに関しても、特に制限されるものではなく、正極タブ58と負極タブ59および配線37、38とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59および配線37、38とをそれぞれ複数に分けて、各辺から引き出すようにしてもよいなど、図8に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン二次電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
上記リチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)樹脂集電体11を形成する樹脂層の間に電解液または金属イオンの侵入により電位が変化する電位変化検知層を配置しているので、電位変化検知層の電位の変化を検出することによって、双極型電池の製造直後から使用中はもちろん寿命に達するまでの間、双極型電池の欠陥を容易に検出できる。また、直流高電圧を印加することなく双極型電池の欠陥を検出できるので、樹脂集電体を形成する樹脂層の性能の劣化を引き起こすことはない。
(2)双極型電極23を図2のように構成することによって、液絡の発生を初期の段階で検出できるため、双極型リチウムイオン二次電池10の発電機能が麻痺する前に、双極型リチウムイオン二次電池10の状態を知ることができる。
したがって、液絡が生じた双極型リチウムイオン二次電池10の交換をするなど、適切な対処が採り易くなり、双極型リチウムイオン二次電池10の発電停止や、車載時の車両の電源遮断など、最悪の事態の発生を防止することができる。
(3)2つの電位変化検知層35Aと35Bを樹脂集電体11の厚み方向に均等な位置に配置しておくと、電解質層17(図1参照)から電解液やリチウムイオンが浸入し電位変化検知層35Aまたは35Bに到達するまでの時間が、樹脂集電体11の厚み方向中央に1つの電位変化検知層35Aを配置したときよりも短くなる。このため、液絡の発生をより初期の段階で検出することができる。
また、電解質層17から樹脂集電体11の両面に同時に電解液やリチウムイオンが浸入した場合に、樹脂集電体11の厚み方向中央に位置する樹脂層30Cが液絡の拡大を防ぐ障壁となるので、液絡の発生の初期検出と液絡の拡大を防止することができる。電位変化検知層35A、35Bが樹脂集電体11の表面側に近づけば、液絡の発生の早期検出、液絡の拡大の防止効果がさらに向上する。
(4)樹脂集電体11内の電位変化検知層35Bを形成する正極活物質の充電可能電位が樹脂集電体11上に形成される正極活物質層13の充電可能電位以上であることによって、液絡が発生した時に電位の変化を正確にとらえることができるようになる。
電位変化検知層35Bを形成する正極活物質の充電可能電位が樹脂集電体11上に形成される正極活物質層13の充電可能電位であると、電解質層17から電解液やリチウムイオンが浸入して液絡が発生した時でも、正極活物質の分解が抑えられ、正確な電位の検出に寄与できる。さらに、分解物として絶縁物が生成されないので、その後の双極型電極23の性能に悪影響が及ばない。
(5)空孔率を40%以下に抑えることによって、液絡を局所的に封じ込める効果が期待できるので、双極型リチウムイオン二次電池10の寿命を向上させることができる。
(6)電位変化検知層35A、35Bの厚みを液絡の検出に要する最低限の厚みにすることによって、電位変化検知層35A、35Bを形成する材料の節約をすることができるばかりでなく、樹脂層30A、30B、30Cの厚みを相対的に厚くなるので、液絡の拡大を防ぐ障壁としての効果が向上し、液絡の発生の初期検出と液絡の拡大を防止することができる。
(7)電位変化検知層35A、35Bの形成領域を最適化することによって、電位変化検知層35A、35Bを形成する材料の節約をすることができる。
(第2の実施の形態)
図9は本実施の形態に係る双極型リチウムイオン二次電池の不良検出装置のブロック図である。
本実施の形態に係る双極型リチウムイオン二次電池の不良検出装置は、図8に示した双極型リチウムイオン二次電池50の液絡を初期の段階で検出するものである。双極型リチウムイオン二次電池の不良検出装置は、電位変化検出部60、認識部70、報知部80を有している。
電位変化検出部60には、図8に示した双極型リチウムイオン二次電池50から引き出されているすべての配線37、38が接続される。図8に示した双極型リチウムイオン二次電池50の双極型電極23は図3に示したものと同一の構成を有しており、配線37は電位変化検知層35Aに接続され、配線38は電位変化検知層35Bに接続されている。双極型リチウムイオン二次電池50は、6層の単電池層19を内蔵しており、双極型リチウムイオン二次電池50からは6本の配線37と6本の配線38が引き出されている。したがって、電位変化検出部60には12本の配線37、38のすべてが接続される。
電位変化検出部60は、電位変化検出手段として機能し、単電池層19の液絡を個別に検出するために、それぞれの双極型電極23に接続される一対の配線37と配線38の電位の変化を検出する。電位の変化は、基準の電位を設けておいて、配線37と配線38から検出される電位がその基準の電位から許容電圧値を超えてずれるか否かによって検出することが考えられる。このような方法以外にも、一定時間周期で配線37と配線38から検出される電位が設定した電圧範囲を超えたか否かによって検出するようにしても良い。
認識部70は、認識手段として機能し、電位変化検出部60によって電位の変化が検出されたときに、双極型電極23の樹脂集電体11の樹脂層30Aおよび30Bの少なくともいずれか一方に貫通孔が存在していることを認識する。認識部70は、どの配線37、38の電位が変化したかによって、双極型リチウムイオン二次電池50のどの単電池層19に液絡が発生したのかをも認識することができる。
また、認識部70は、検出される電位の変化の大きさによってどの程度の規模の液絡が発生したのかがわかるので、その規模に応じた制限をかける。この制限は、外部に出力する制限信号に基づいて行なわれる。たとえば、液絡の規模が双極型リチウムイオン二次電池50の動作の継続に影響のない程度であれば、その双極型リチウムイオン二次電池50の出力を低下させたり、単に、液絡が生じたことを報知したり、残りの寿命が少なくなったことなどを報知する。一方、液絡の規模が双極型リチウムイオン二次電池50の動作に大きな影響を与えるような大規模なものであれば、その双極型リチウムイオン二次電池50からの給電を電気的に遮断する。
報知部80は、報知手段として機能し、認識部70が樹脂集電体11を形成する樹脂層30Aおよび30Bに貫通孔が存在したことを認識したときに液絡の発生を報知するものである。報知部80は、双極型リチウムイオン二次電池50が搭載される場所に設けても良いし、双極型リチウムイオン二次電池の不良検出装置を車両に搭載するのであれば、車両内部のインストルメントパネルなど運転手の気がつきやすい場所に設けることが好ましい。
図10は、図9に示した双極型リチウムイオン二次電池の不良検出装置の動作フローチャートである。この動作フローチャートは、双極型リチウムイオン二次電池の不良検出方法の手順にも対応している。
まず、電位変化検出部60は単電池層19の液絡を個別に検出するために、それぞれの双極型電極23に接続される一対の配線37と配線38の電位の変化を検出する(S1)。認識部70は、電位の変化が検出されなければ(S2:NO)、そのまま何もせずに処理を終了し、再びS1のステップから処理を開始する。一方、認識部70は、電位変化検出部60によって電位の変化が検出されたときに(S2:YES)、双極型電極23の樹脂集電体11の樹脂層30Aおよび30Bの少なくともいずれか一方に貫通孔が存在していることを認識する。そして、認識部70は、外部に制限信号を出力し、外部の制御装置がその制御信号に基づいて、双極型リチウムイオン二次電池50の出力を低下させたり、双極型リチウムイオン二次電池50の液絡を起こしている単電池層19のみを電気的に取り外したり、双極型リチウムイオン二次電池50からの給電を電気的に遮断したりする。そして、報知手段は、液絡が生じたことを報知したり、残りの寿命が少なくなったことを報知したりする(S3)。
以上のように、本実施の形態に係る双極型リチウムイオン二次電池10の不良検出装置によれば、電位変化検知層35A、35Bの電位の変化が検出されたときに双極型リチウムイオン二次電池10の樹脂集電体11を形成する樹脂層30Aおよび30Bに貫通孔が存在していることを認識できるので、双極型リチウムイオン二次電池10の製造直後から使用中はもちろん寿命に達するまでの間、双極型リチウムイオン二次電池10の欠陥の発生を容易に検出できる。また、直流高電圧を印加することなく双極型リチウムイオン二次電池10の欠陥が検出できるようになっているので、樹脂集電体11を形成する樹脂層30A、30B、30Cの性能の劣化を引き起こすことがなく、双極型リチウムイオン二次電池10の寿命が向上する。
また、認識部70が認識する液絡の程度によって、双極型リチウムイオン二次電池10の給電状態を細かく制御させることも可能であるので、双極型リチウムイオン二次電池10の安全性や信頼性を高めることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)本実施の形態に係る双極型リチウムイオン二次電池10の不良検出装置および方法によれば、電位変化検知層35A、35Bの電位の変化が検出されたときに双極型リチウムイオン二次電池10の樹脂集電体11を形成する樹脂層30Aおよび30Bに貫通孔が存在していることを認識できるので、双極型リチウムイオン二次電池10の製造直後から使用中はもちろん寿命に達するまでの間、双極型リチウムイオン二次電池10の欠陥の発生を容易に検出できる。また、直流高電圧を印加することなく双極型リチウムイオン二次電池10の欠陥が検出できるようになっているので、樹脂集電体11を形成する樹脂層30A、30B、30Cの性能の劣化を引き起こすことがなく、双極型リチウムイオン二次電池10の寿命が向上する。
(2)認識部70が認識する液絡の程度によって、双極型リチウムイオン二次電池10の給電状態を細かく制御させることも可能であるので、双極型リチウムイオン二次電池10の安全性や信頼性を高めることができる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、図1〜図7に示した双極型リチウムイオン二次電池10を複数個接続して構成した組電池である。組電池は双極型リチウムイオン二次電池10の不良検出装置も有している。詳しくは少なくとも2つ以上用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
本実施の形態の組電池は、双極型リチウムイオン二次電池10が複数、直列に又は並列に接続して装脱着可能な小型の組電池を形成し、この装脱着可能な小型の組電池をさらに複数、直列に又は並列に接続して、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に適した大容量、大出力を持つ組電池を形成することができる。
作成した装脱着可能な小型の組電池は、バスバーのような電気的な接続手段を用いて相互に接続し、この組電池は接続治具を用いて複数段積層される。何個の双極型リチウムイオン二次電池10を接続して組電池を作製するか、また、何段の組電池を積層して組電池を作製するかは、搭載される車両(電気自動車)の電池容量や出力に応じて決めればよい。
以上のように、本実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)組電池を形成する双極型電池が双極型電池の欠陥を検出するための機能を備え、また、双極型電池の不良検出装置を有しているので、組電池としての信頼性を高めることができる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、上記組電池または上記双極型リチウムイオン二次電池10の不良検出装置を搭載したことを特徴とする車両を示す図である。
長期信頼性および出力特性に優れた高寿命の電池を構成できることから、上記のような組電池または上記双極型リチウムイオン二次電池10の不良検出装置を搭載すると、EV走行距離の長いプラグインハイブリッド電気自動車や、一充電走行距離の長い電気自動車を構成できる。言い換えれば、双極型リチウムイオン二次電池10またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池は、車両の駆動用電源として用いられうる。双極型リチウムイオン二次電池10またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を、例えば、自動車ならばハイブリット車、燃料電池車、電気自動車(いずれも四輪車(乗用車、トラック、バスなどの商用車、軽自動車など)のほか、二輪車(バイク)や三輪車を含む)に用いることにより高寿命で信頼性の高い自動車となるからである。ただし、用途が自動車に限定されるわけではなく、例えば、他の車両、例えば、電車などの移動体の各種電源であっても適用は可能であるし、無停電電源装置などの載置用電源として利用することも可能である。
組電池を電気自動車のような車両に搭載するには、電気自動車の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、組電池を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。
以上のような組電池を用いた電気自動車は高い耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供しうる。さらに、燃費、走行性能に優れた電気自動車、ハイブリッド自動車を提供できる。また、液絡の発生を初期の段階で検出できるので、組電池の突然の給電停止、車両の動作不能を未然に防ぐことができ、信頼性および安全性の高い車両を提供することができる。
以上のように、本実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)組電池を用いた電気自動車は高い耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供しうる。さらに、燃費、走行性能に優れた電気自動車、ハイブリッド自動車を提供できる。また、液絡の発生を初期の段階で検出できるので、組電池の突然の給電停止、車両の動作不能を未然に防ぐことができ、信頼性および安全性の高い車両を提供することができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
(積層型集電体の作成)
積層型集電体の作成をするに当たって予め電極用スラリーを作成する。
<電極用スラリー>
正極
正極活物質であるリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)(85質量%)、導電性助剤であるアセチレンブラック(5質量%)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量%)からなる固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、正極活物質スラリーを生成した。
負極
負極活物質であるハードカーボン(90質量%)、およびバインダであるポリフッ化ビニリデン(PVdF)(10質量%)からなる固形分に対し、スラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加して、負極活物質スラリーを生成した。
<電解液>
電解液には、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)との比が1対1の体積比である混合液に、リチウム塩であるLiPFを1Mの濃度に溶解させたものを使用した。
(実施例1)
ポリプロピレン(PP)に導電性フィラーとしてケッチェンブラックを混合した厚さ50μmの導電性樹脂フィルムの片面に、上記のように生成しておいた電極用スラリー(正極)を50μm塗工し、ホットプレートで100℃、5分間乾燥した。その後(NMPがすべて乾燥する前段階で)、電圧モニター配線を挟み、50μmの導電性樹脂フィルムを張り合わせて積層し、樹脂集電体とし、ホットプレートで100℃、10分間乾燥後、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、2MPaで熱圧着した。
電極材である正極を内部に含んだ樹脂集電体の片面に、上述の正極活物質スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、正極を形成した。
次に、正極が形成された上記集電体の反対面に、上述の負極活物質スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、負極を形成した。以上のようにして樹脂集電体の両面に正極と負極を有する双極型電池用電極を形成した。電解液は、上記に記載したものを使用した。
さらに、双極型電池用電極の正極と負極を対向させるように2枚積層して積層体を形成した後、積層体の周囲3辺を熱融着フィルムにて熱シール(130℃)し、電解液を注液後、4辺目を真空中においてラミネートパックで熱シールし封止することで、双極型電池を形成した。
このようにして作成した双極型電池をエージングし、さらに初充電後、充放電を繰り返すサイクル試験を25℃の温度条件の下で実施した。
以下の評価途中に、5個の双極型電池のぞれぞれの電位の変化を観測し、液絡の発生を検出した。
サンプル1の双極型電池はエージング中に液絡の発生が検出された。
液絡の発生はピンホールによるものだった。
サンプル2の双極型電池は初充電後に液絡の発生が検出された。
サンプル3の双極型電池は327サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
サンプル4の双極型電池は332サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
サンプル5の双極型電池は294サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
(実施例2)
ポリプロピレン(PP)に導電性フィラーとしてケッチェンブラックを混合した厚さ50μmの導電性樹脂フィルムの片面に、上記のように生成しておいた電極用スラリー(正極)を50μm塗工し、ホットプレートで100℃、5分間乾燥した。その後(NMPがすべて乾燥する前段階で)、電圧モニター配線を挟み、50μmの導電性樹脂フィルムを張り合わせて積層し、樹脂集電体とし、ホットプレートで100℃、10分間乾燥後、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、2MPaで熱圧着した(A)。さらに、厚さ30μmの導電性樹脂フィルムの片面に上述の電極用スラリー(正極)を50μm塗工し(B)、上記2枚(A,B)を積層し、ホットプレートで100℃、10分間乾燥、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、2MPaで熱圧着した。
電極層を内部に2層含んだ樹脂集電体の片面に、上述の正極スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、正極を形成した。
次に、正極が形成された上記樹脂集電体の反対面に、上述の負極活物質スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、負極を形成した。以上のようにして樹脂集電体の両面に正極と負極を有する双極型電池用電極を形成した。
実施例1と同様にして作成した双極型電池をエージング、さらに初充電後、充放電を繰り返すサイクル試験を25℃の温度条件の下で実施した。
以下の評価途中に、5個の双極型電池のぞれぞれの電位の変化を観測し、液絡の発生を検出した。
サンプル1の双極型電池は274サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
サンプル2の双極型電池は261サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
サンプル3の双極型電池は253サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
サンプル4の双極型電池は初充電後に液絡の発生が検出された。
サンプル5の双極型電池はエージング中に液絡の発生が検出された。
(実施例3)
ポリプロピレン(PP)に導電性フィラーとしてケッチェンブラックを混合した厚さ50μmの導電性樹脂フィルムの片面に、上記のように生成しておいた電極用スラリー(正極)を50μm塗工し、ホットプレートで100℃、5分間乾燥した。その後(NMPがすべて乾燥する前段階で)、電圧モニター配線を挟み、50μmの導電性樹脂フィルムを張り合わせて積層し、樹脂集電体とし、ホットプレートで100℃、10分間乾燥後、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、2MPaで熱圧着した(A)。さらに、厚さ30μmの導電性樹脂フィルムの片面に上述の電極用スラリー(正極)を50μm塗工し(B)、上記2枚(A,B)を積層し、ホットプレートで100℃、10分間乾燥、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、2MPaで熱圧着した。
電極層を内部に2層含んだ樹脂集電体の片面に、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)を活物質とした正極スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、正極を形成した。
次に、正極が形成された上記樹脂集電体の反対面に、上述の負極活物質スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、負極を形成した。以上のようにして樹脂集電体の両面に正極と負極を有する双極型電池用電極を形成した。
実施例1と同様にして作成した双極型電池を初充電後、充放電を繰り返すサイクル試験を25℃の温度条件の下で実施した。
以下の評価途中に、5個の双極型電池のぞれぞれの電位の変化を観測し、液絡の発生を検出した。その後運転がどの程度継続できるのかを確かめた。
サンプル1の双極型電池は288サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を58サイクル運転することができた。
サンプル2の双極型電池は279サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を46サイクル運転することができた。
サンプル3の双極型電池は282サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を51サイクル運転することができた。
サンプル4の双極型電池は266サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を53サイクル運転することができた。
サンプル5の双極型電池はエージング中に液絡の発生が検出された。
(比較例1)
実施例3に記載内容の一部を以下のように変更した。
正極側樹脂フィルム内電極層をLiMnとした。そして、負極側樹脂フィルム内電極層をHC(ハードカーボン)とした。
実施例1と同様にして作成した双極型電池を初充電後、充放電を繰り返すサイクル試験を25℃の温度条件の下で実施した。
以下の評価途中に、5個の双極型電池のぞれぞれの電位の変化を観測し、液絡の発生を検出した。その後運転がどの程度継続できるのかを確かめた。
サンプル1の双極型電池は288サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を1サイクルしか運転することができなかった。
サンプル2の双極型電池は279サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を2サイクルしか運転することができなかった。
サンプル3の双極型電池は282サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を全く行うことができなかった。
サンプル4の双極型電池は266サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を1サイクルしか運転することができなかった。
サンプル5の双極型電池はエージング中に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を全く行うことができなかった。
(実施例4)
ポリプロピレン(PP)に導電性フィラーとしてケッチェンブラックを混合した厚さ30μmの2枚の導電性樹脂フィルムに、モニター配線との接続部を有したメッシュ状SUS箔(メッシュ径:1μm)を挟み、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、2MPaで熱圧着した。
電極層を内部に2層含んだ樹脂集電体の片面に、上述の正極スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、正極を形成した。
次に、正極が形成された上記樹脂集電体の反対面に、上述の負極活物質スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、負極を形成した。以上のようにして樹脂集電体の両面に正極と負極を有する双極型電池用電極を形成した。
実施例1と同様にして作成した双極型電池をエージング、さらに初充電後、充放電を繰り返すサイクル試験を25℃の温度条件の下で実施した。
以下の評価途中に、5個の双極型電池のぞれぞれの電位の変化を観測し、液絡の発生を検出した。
サンプル1の双極型電池は328サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
サンプル2の双極型電池は313サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
サンプル3の双極型電池は339サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
サンプル4の双極型電池はエージング中に液絡の発生が検出された。
サンプル5の双極型電池は324サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
(実施例5)
ポリプロピレン(PP)に導電性フィラーとしてケッチェンブラックを混合した厚さ50μmの導電性樹脂フィルムの片面に、上述の電極用スラリー(正極)を50μm塗工し、ホットプレートで100℃、5分間乾燥した。その後(NMPがすべて乾燥する前段階で)、電圧モニター配線を挟み、50μmの導電性樹脂フィルムを張り合わせて積層し、ホットプレートで100℃、10分間乾燥後、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、2MPaで熱圧着した(A)。さらに、同厚さ30μmの導電性樹脂フィルムの片面に上記記載の電極用スラリー(正極)を50μm塗工し(B)、上記2枚(A,B)を積層し、ホットプレートで100℃、10分間乾燥、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、2MPa(サンプル1、2)、1MPa(サンプル3、4)で熱圧着した。
電極層を内部に2層含んだ樹脂集電体の片面に、上述の正極スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、正極を形成した。正極を塗布した上記集電体の反対面に、上述の負極スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、負極を形成した。以上のように集電体の両面に正極と負極を有する双極型電池用電極を形成した。
断面のSEM観察結果によれば、膜厚から推定した導電性樹脂フィルムの空孔率はおよそ30%であった。
実施例1と同様にして作成した双極型電池をエージング、さらに初充電後、充放電を繰り返すサイクル試験を25℃の温度条件の下で実施した。
以下の評価途中に、4個の双極型電池のぞれぞれの電位の変化を観測し、液絡の発生を検出した。その後運転がどの程度継続できるのかを確かめた。
サンプル1の双極型電池(電極空孔率は31%)は316サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を58サイクル運転することができた。
サンプル2の双極型電池(電極空孔率は33%)は322サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を55サイクル運転することができた。
サンプル3の双極型電池(電極空孔率は38%)は311サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を41サイクル運転することができた。
サンプル4の双極型電池(電極空孔率は39%)は313サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を44サイクル運転することができた。
(比較例2)
ポリプロピレン(PP)に導電性フィラーとしてケッチェンブラックを混合した厚さ50μmの導電性樹脂フィルムの片面に、上述の電極用スラリー(正極)を50μm塗工し、ホットプレートで100℃、5分間乾燥した。その後(NMPがすべて乾燥する前段階で)、電圧モニター配線を挟み、50μmの導電性樹脂フィルムを張り合わせて積層し、ホットプレートで100℃、10分間乾燥、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、0.5MPaで熱圧着した(A)。さらに、同厚さ30μmの導電性樹脂フィルムの片面に上述の電極用スラリー(正極)を50μm塗工し(B)、上記2枚(A,B)を積層、ホットプレートで100℃、10分間乾燥、バッチ式加熱プレス機にて、120℃、0.5MPaで熱圧着した。
電極層を内部に2層含んだ樹脂集電体の片面に、上述の正極スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、正極を形成した。正極を塗布した樹脂集電体の反対面に、上述の負極スラリーを塗布し、乾燥・プレスにより、負極を形成した。以上のように集電体の両面に正極と負極を有する双極型電池用電極を形成した。
断面のSEM観察結果によれば、膜厚から推定した導電性樹脂フィルムの空孔率はおよそ30%であった。
サンプル1の双極型電池(電極空孔率は44%)は312サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を31サイクル運転することができた。
サンプル2の双極型電池(電極空孔率は45%)は309サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を27サイクル運転することができた。
サンプル3の双極型電池(電極空孔率は46%)は311サイクルの充放電後に液絡の発生が検出された。
液絡の発生が検出された後、0.1Cの充放電を29サイクル運転することができた。
以上の実施例の結果から、本発明によれば、双極型電池のエージング時、初期充電時であっても液絡を検出することができることがわかる。また、双極型電池が運転中であっても、液絡を検出することができ、さらに液絡が検出された後であっても、運転が可能であることがわかる。
10 双極型リチウムイオン二次電池、
11 樹脂集電体、
11a、11b 最外層集電体、
13 正極電解質層、
15 負極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21 発電要素、
23 双極型電極、
25 正極集電板、
27 負極集電板、
29 ラミネートフィルム
30A、30B、30C 樹脂層、
35A、35B 電位変化検知層、
37、38 配線、
50 双極型リチウムイオン二次電池、
52 電池外装材、
58 正極タブ、
59 負極タブ、
60 電位変化検出部、
70 認識部、
80 報知部。

Claims (16)

  1. 導電性を有する樹脂で形成した樹脂集電体の一方の面に正極活物質層を形成し他方の面に負極活物質層を形成した双極型電極を、電解質層を介して積層した双極型電池の不良検出装置であって、
    前記樹脂集電体は、前記樹脂集電体を形成する樹脂層の間に電解液または金属イオンの侵入により発生する電位変化を検知する電位変化検知層を有し、
    前記電位変化検知層が前記電位変化を検出したときに、前記双極型電池の樹脂集電体を形成する樹脂層に貫通孔が存在していると判定する判定手段と、
    を有することを特徴とする双極型電池の不良検出装置。
  2. 前記樹脂集電体は、前記双極型電極の積層方向に前記電位変化検知層を複数配置したことを特徴とする請求項1に記載の双極型電池の不良検出装置。
  3. 前記電位変化検知層は、少なくとも一部を金属または活物質で形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の双極型電池の不良検出装置。
  4. 前記樹脂集電体に複数配置する電位変化検知層を正極または負極活物質で形成したときには、前記電位変化検知層を形成する正極活物質の充電可能電位が前記樹脂集電体上に形成される正極活物質層の充電可能電位以上であり、前記電位変化検知層を形成する負極活物質の充電可能電位が前記樹脂集電体上に形成される負極活物質の充電可能電位以下であることを特徴とする請求項3に記載の双極型電池の不良検出装置。
  5. 前記電位変化検知層は、空孔率が40%以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の双極型電池の不良検出装置。
  6. 前記双極型電極の積層方向の前記電位変化検知層の厚みは、前記樹脂集電体を形成する樹脂層の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の双極型電池の不良検出装置。
  7. 前記双極型電極の積層方向から見た前記電位変化検知層の形成領域は、前記樹脂集電体上の両面に対向して形成した活物質層の重複領域の少なくとも全体を覆うことができる領域を有することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の双極型電池の不良検出装置。
  8. 前記認識手段が、前記樹脂集電体を形成する樹脂層に貫通孔が存在していることを認識したときには、その旨を報知する報知手段をさらに有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の双極型電池の不良検出装置。
  9. 導電性を有する樹脂で形成した樹脂集電体の一方の面に正極活物質層を形成し他方の面に負極活物質層を形成した双極型電極を、電解質層を介して積層した双極型電池であって、
    前記樹脂集電体は、前記樹脂集電体を形成する樹脂層の間に電解液または金属イオンの侵入により発生する電位変化を検知する電位変化検知層と、
    前記電位変化検知層が検出した前記電位変化を外部へ出力する配線と、
    を有することを特徴とする双極型電池。
  10. 前記樹脂集電体は、前記双極型電極の積層方向に前記電位変化検知層を複数配置したことを特徴とする請求項9に記載の双極型電池。
  11. 前記電位変化検知層は、少なくとも一部を金属または活物質で形成したことを特徴とする請求項10または11に記載の双極型電池。
  12. 前記樹脂集電体に複数配置する電位変化検知層を正極または負極活物質で形成したときには、前記電位変化検知層を形成する正極活物質の充電可能電位が前記樹脂集電体上に形成される正極活物質層の充電可能電位以上であり、前記電位変化検知層を形成する負極活物質の充電可能電位が前記樹脂集電体上に形成される負極活物質の充電可能電位以下であることを特徴とする請求項11に記載の双極型電池。
  13. 前記電位変化検知層は、空孔率が40%以下であることを特徴とする請求項9から12のいずれかに記載の双極型電池。
  14. 前記双極型電極の積層方向の前記電位変化検知層の厚みは、前記樹脂集電体を形成する樹脂層の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項9から13のいずれかに記載の双極型電池。
  15. 前記双極型電極の積層方向から見た前記電位変化検知層の形成領域は、前記樹脂集電体上の両面に対向して形成した活物質層の重複領域の少なくとも全体を覆うことができる領域を有することを特徴とする請求項9から14のいずれかに記載の双極型電池。
  16. 導電性を有する樹脂で形成した樹脂集電体の一方の面に正極活物質層を形成し他方の面に負極活物質層を形成した双極型電極を、電解質層を介して積層した双極型電池の不良検出方法であって、
    前記樹脂集電体を形成する樹脂層の間に電解液または金属イオンの侵入により発生する電位変化を検知し、
    前記電位変化を検知したときに、前記双極型電池の樹脂集電体を形成する樹脂層に貫通孔が存在していると判定すること、
    を特徴とする双極型電池の不良検出方法。
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