JP2010157449A - 双極型電極およびそれを用いた双極型電池 - Google Patents

双極型電極およびそれを用いた双極型電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子材料を含む集電体を使用した場合に、電池状態を正確にモニタリングできる機構を備えた双極型電極を提供する。
【解決手段】本発明は、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され、かつ、他方の面に負極活物質層が形成されてなる双極型電極であって、前記集電体は高分子材料を含む集電箔と、前記集電箔の導電性より高い導電性を有する導電性部材とを有する双極型電極である。また、その双極型電極を備える双極型電池である。
【選択図】図2

Description

本発明は双極型電極に関し、特に車両搭載に適した双極型電池に用いることのできる、電池状態のモニタリング機構を備えた双極型電極およびそれを用いた双極型電池に関する。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用電池の開発が盛んに行われている。これらのいわゆる電動車両においては、放電・充電ができる電源装置の活用が不可欠なためである。
モータ駆動用電池としては、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の電池や、電気二重層キャパシタ等が利用される。このうち、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有し、かつ繰り返し充放電に対する耐久性の高さから、リチウムイオン電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。このようなリチウムイオン電池のうち双極型電池は、一般に、正極活物質等を集電体の一方の面に塗布し、負極活物質等をこの集電体の他方の面に塗布した双極型電極を複数使用している。双極型電池は、このような双極型電極が電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
リチウムイオン電池においては、従来、集電体として金属箔が用いられてきた。近年、金属箔に代わって導電性を有する樹脂や導電性フィラーが添加された樹脂から構成される集電体が提案されている(特許文献1参照)。このような樹脂集電体は、金属箔に較べて軽量であり、電池の出力向上が期待される。また、一方で、このような樹脂集電体の使用は比較的新しい技術であり、さらなる改善が進められている。
すなわち、リチウムイオン電池については軽量化しかつその性能を向上させるべく、電極を構成する集電体を金属箔から樹脂をはじめとする高分子材料に変える提案がなされている。
特開2006−190649号公報
樹脂集電体を使用した双極型電池においても、良質な安定した製品供給のために動作している電池状態をモニターすることが必要である。しかし、双極型電極に使用される樹脂集電体は、集電体の厚み方向には高い導電性を有しているが、集電体の面方向の導電性は低くなっている。従って、電池電圧のモニターの精度が十分に出来ない恐れがある。
したがって、本発明では、高分子材料を使用した集電体において、精度良く電池の電圧をモニタリングできる機構を備えた双極型電極およびそれを用いた双極型電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的のため、電池状態をモニターできるよう最適な別部材を設けることとし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の双極型電極は、集電体が、高分子材料を含む集電箔と、前記集電箔の導電性より高い導電性を有する導電性部材とを有する。また、集電体の一方の面には正極活物質層が形成され、かつ、他方の面に負極活物質層が形成されてなる。
本発明によれば、高分子材料を含む集電体を用いた電極または電池であっても、集電箔の導電性より高い導電性を有する導電性部材が、集電体の面方向の導電性を補う為、電池電圧を精度良くモニタリングがすることが可能になる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の双極型電極を使用した扁平型(積層型)の双極型電池の概略構成を示す断面図である。本実施の形態の双極型電極は、後述する導電性部材がフィルム状(箔)の態様である。本実施の形態の双極型電極を使用する双極型電池は、たとえば、リチウムイオン二次電池である。
図1に示す本実施形態の双極型電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素(電池要素;積層体)17が、電池外装材であるラミネートフィルム22の内部に封止された構造を有する。
図1に示すように、本実施形態の双極型電池10の発電要素17は、集電体11の一方の面に電気的に結合した正極活物質層12が形成され、集電体11の反対側の面に電気的に結合した負極活物質層13が形成された複数の双極型電極を有する。各双極型電極は、電解質層15を介して積層されて発電要素17を形成する。なお、電解質層15は、基材としてのセパレータの面方向中央部に電解質が保持されてなる構成を有する。この際、一の双極型電極の正極活物質層12と前記一の双極型電極に隣接する他の双極型電極の負極活物質層13とが電解質層15を介して向き合うように、各双極型電極および電解質層15が交互に積層されている。すなわち、一の双極型電極の正極活物質層12と前記一の双極型電極に隣接する他の双極型電極の負極活物質層13との間に電解質層15が挟まれて配置されている。
隣接する正極活物質層12、電解質層15、および負極活物質層13は、一つの単電池層(=電池単位ないし単セル)16を構成する。したがって、双極型電池10は、単電池層16が積層されてなる構成を有するともいえる。また、電解質層15からの電解液の漏れによる液絡を防止する目的で、単電池層16の外周部にはシール部23が配置されている。該シール部23を設けることで、隣接する集電体11間を絶縁し、隣接する電極間の接触による短絡を防止することもできる。発電要素17の最上層には、最外層集電体11aが配置され、最下層には最外層集電体11bが配置される。最外層集電体11aには、片面のみに正極活物質層12が形成され、最外層集電体11bには、片面のみに負極活物質層13が形成されている。ただし、正極側の最外層集電体11aの両面に正極活物質層12が形成されてもよい。同様に、負極側の最外層集電体11bの両面に負極活物質層15が形成されてもよい。最外層集電体11aおよび11bは、電池外装材22の外部に導出されて、それぞれ正極タブ18および負極タブ19を構成している。ただし、最外層集電体11aを延長せず、正極側の最外層集電体11aに隣接するように正極集電板を配置し、これが延長されて電池外装材22から導出している構成としてもよい。一方、最外層集電体11bを延長せず、負極側の最外層集電体11bに隣接するように負極集電板が配置され、同様にこれが延長されて電池外装材22から導出している構成としてもよい。
図1に示す双極型電池10においては、通常、各単電池層16の周囲に絶縁層(シール部)23が設けられる。このシール部23は、電池内で隣り合う集電体11どうしが接触したり、発電要素17における単電池層16の端部の僅かな不揃いなどに起因する短絡が起こったりするのを防止する目的で設けられる。かようなシール部23の設置により、長期間の信頼性および安全性が確保され、高品質の双極型電池10が提供されうる。
なお、単電池層16の積層回数は、所望する電圧に応じて調節する。また、双極型電池10では、電池の厚みを極力薄くしても十分な出力が確保できれば、単電池層16の積層回数を少なくしてもよい。双極型電池10では、使用する際の外部からの衝撃、環境劣化を防止するために、発電要素17を電池外装材22に減圧封入する。正極集電板及び負極集電板をもうけた場合には、これらを電池外装材22の外部に取り出した構造とするのがよい。最外層集電体は金属で構成されていても、樹脂で構成されていてもよい。
なお、本実施の形態の双極型電池においては、積層する電極のすべてに本実施の形態の双極型電極を使用してもよいし、一部に使用してもよい。電池状態を正確に評価するには、積層される双極型電極のうち、少なくとも2層が本実施の形態の双極型電極であることが好ましい。図示していないが、本実施の形態の双極型電極からは、電池状態のモニターのための導電性部材の接続部が突出し、電池外部に接続される。
[集電体]
本実施の形態の双極型電極に使用される集電体は、高分子材料を含む集電箔と、前記集電箔上に配置される、または、2枚の集電箔間に配置される導電性部材を有する。ここで、集電箔を構成する高分子材料自身は、必ずしも導電性を有している必要はないが、集電箔としての機能を果たすために、集電箔全体として導電性を有している。
集電箔が導電性を具えていない高分子材料を含む場合、導電性フィラー(導電性粒子)を当然に含む。導電性フィラーは、導電性を有し、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料から選択される。また、導電性フィラーは、印加される正極電位および負極電位に耐えうる材料から選択される。具体的には、アルミニウム粒子、SUS粒子、カーボン粒子、銀粒子、金粒子、銅粒子、チタン粒子などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。合金粒子が用いられてもよい。導電性フィラーは、金属に限られず、カーボン粒子、カーボンナノチューブなどを用いる。また、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されているものを用いることができる。このうち、特に電池において通常導電助剤として用いられる材料が好ましく、カーボン粒子が好ましい。カーボンブラックやグラファイトなどのカーボン粒子は電位窓が非常に広い。それゆえ、正極電位および負極電位の双方に対して幅広い範囲で安定であり、さらに導電性に優れているためである。また、カーボン粒子は非常に軽量なため、質量の増加が最小限になる。
集電箔における導電性フィラーの分布は、均一ではなくてもよく、集電箔内部で粒子の分布が変化していてもよい。複数の導電性粒子が用いられ、集電体内部で導電性粒子の分布が変化してもよく、例えば、正極に接する部分と負極に接する部分とで、好ましい導電性フィラーを使い分けてもよい。正極側に用いる導電性フィラーとしては、アルミニウム粒子、SUS粒子、およびカーボン粒子が好ましく、カーボン粒子が特に好ましい。負極に用いる導電性フィラーとしては、銀粒子、金粒子、銅粒子、チタン粒子、SUS粒子、およびカーボン粒子が好ましく、カーボン粒子が特に好ましい。さらに、カーボン粒子は、電極の導電助剤として用いられることが多いため、これらの導電助剤と接触しても、同材料であるがゆえに接触抵抗が非常に低くなる。
導電性フィラーの好ましい大きさは、特に制限はされないが、概ね数百nm〜数十μmのものを使用できる。粒径は好ましくは0.1〜50μm、より好ましくは1〜20μm、さらに好ましくは1〜3μmである。さらに、該導電性フィラーの形状も特に制限されず、繊維状、板状、塊状であってもよい。
導電性フィラーを使用する場合には、集電箔は、導電性フィラーに加えて、当該導電性フィラーを結着させる高分子材料を含む。集電箔の構成材料として高分子材料を用いることで、導電性フィラーの結着性を高め、電池の信頼性を高めることができる。高分子材料は、印加される正極電位および負極電位に耐えうる材料から選択される。
導電性を備えていない高分子材料は、好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリエーテルニトリル、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリイミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルプロピナール、ポリビニルブチラール、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のヒドロキシル基含有化合物、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム等が挙げられる。これらの高分子材料は単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの高分子材料は電位窓が非常に広く、正極電位および負極電位の双方に対して幅広い範囲で安定であり、活物質層との接着性を高めることが可能である。より好ましくは、高分子材料としてポリプロピレンおよびポリエチレンが用いられる。これらは汎用性があり取り扱いやすく、入手しやすいためである。
集電箔における高分子材料の分布は、均一ではなくてもよく、集電箔内部で高分子材料の分布が変化していてもよい。複数の高分子材料が用いられ、集電箔内部で高分子材料の分布が変化してもよく、例えば、正極に接する部分と負極に接する部分とで、好ましい高分子材料を使い分けてもよい。なお、集電箔は、必要に応じて、その他の材料を含んでいてもよい。
集電箔における、高分子材料と導電性粒子との比率は特に限定されない。適切な体積抵抗率となるよう、適宜調整する。
導電性フィラーとしてカーボン粒子を用いる場合には、高分子材料および導電性フィラーの合計に対してカーボン粒子を3〜40質量%用いることが好ましい。ただし、適切な体積抵抗率となるよう、適宜調整する。また、後述するモニタリングのための導電性部材にも同様の導電性フィラーを含む高分子材料を使用することができるが、この際には、集電箔よりも導電性部材の導電性が高くなるよう、双方の含有率を調整する必要がある。
集電箔における導電性フィラーの存在は必ずしも必要ではなく、高分子自体が導電性を具えていてもよい。すなわち、導電性高分子からなる膜(本明細書中、「導電性高分子」ともいう)を集電体として用いることもできる。
導電性高分子は、導電性を有し、電荷移動媒体として用いられるイオンに関して伝導性を有さない材料から選択される。これらの導電性高分子は、共役したポリエン系がエネルギー帯を形成し伝導性を示すと考えられている。代表的な例としては電解コンデンサなどで実用化が進んでいるポリエン系導電性高分子を用いることができる。具体的には、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、ポリオキサジアゾール、またはこれらの混合物が挙げられる。
集電体の厚さについては、特に限定されず、通常電池に使用される厚さの集電体をいずれも使用できる。通常の高分子材料を含む集電体の厚みは、50〜200μmが好ましく、より好ましくは30〜150μm、さらに好ましくは10〜100μmである。ここで、集電箔を2枚で構成し、内部に導電性部材を挟み込んだ場合には、集電体全体の厚さを指す。集電体は、一般的に電池の出力密度を高める観点から薄いことが好ましい。本実施の形態の双極型電極では別部材によって電池状態の評価ができる。それゆえ、集電箔は面方向の電気抵抗が高くてもよく、異方導電性フィルム等を選択すれば集電体の厚さをさらに薄くすることも可能である。
集電箔の導電性については、体積抵抗率が10−2〜10Ω・cmであることが好ましい。双極型電池として、実使用上必要とされる性能を担保するには、体積抵抗率が10Ω・cm以下であることが好ましい。一方で、集電箔の特に面方向の導電性が低いことには、厚み方向に効率よく電流を通し面方向の電流の集中を避けられるという利点もあるため、この特性を生かすには10−2Ω・cmを下回らないことが好ましい。
次に導電性部材について説明する。導電性部材は、電池状態をモニターするためのものである。導電性部材は、2枚で構成した高分子材料を含む集電箔の間、または、1枚の集電箔の正極側若しくは負極側に設置する。第1の実施の形態では、金属箔等の連続したフィルムの導電性部材を用いる。導電性部材は電池状態のモニタリングの役割を果たすために、集電箔の導電性、特に面方向の導電性よりも高い導電性を有している。この部材を設置することにより、高分子材料を含む集電体を使用した電池において従来信頼性の低かった電池状態の評価が正確に行える。例えば、動作状態での電圧値のモニターによって、電極層の塗布状態等が評価でき、仮に電極層に不具合があれば発見することができるためである。第1の実施形態では、導電性部材は連続したフィルム状であり、電極の全面の動作状態を漏れなくモニターできるという観点からこの形態は好ましい。
図2は、導電性部材と集電箔との位置関係を模式的に示した図である。図2(a)は斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の2b−2b方向の断面図である。図2(a)および(b)に示すように、導電性部材31は集電箔30の片側の表面上に設置する。導電性部材31は集電箔30のどちら側に配置してもよいが、負極側に設置することがより好ましい。本実施の形態の双極型電極を電池に用いた場合に電池状態を評価するには、通常複数積層される電極の最も外側の負極同士の電圧値を測定するためである。
また、図2(a)および(b)に示すように、導電性部材31は、正極または負極活物質層の外方に突出する電気的な接続部32を有している。接続部32は凸部をなし、活物質塗布面の外かつ集電箔の外部に位置するよう形成される。電圧値をモニターする目的で電池外部からのリード等と接続するためである。ただし、接続部32は凸部をなす形状に限られず、単に導電性部材の一部が活物質層よりも広く形成されていてもよく、各活物質層を略拡大した形状であってもよく、タブを接続することができればよい。
図3は、集電箔30、導電性部材31および負極活物質層13の大きさの関係を示した図である。図3(a)は斜視図であり、図3(b)は、図3(a)の3b−3b方向の断面図である。図3に示すように、導電性部材31は、導電性部材31の周縁部が負極活物質層13の周縁部よりも広くなるように形成し、負極活物質層13の全面を覆うように配置する。双極型電極をこのように形成することで活物質層の塗布面全体の電圧のモニターができ、塗布面の微小な一部に不具合があった場合にも発見することができる。したがって、製品の歩留まりの向上が図れる。また、同様の理由から、導電性部材は、その周縁部が正極活物質層の周縁部よりも広くなるように形成することも好ましい。導電性部材の大きさは、導電性部材の周縁部が正極/負極活物質層の周縁部より広いことが好ましいが、特に制限はされない。また、導電性部材と活物質層との大きさの関係も、導電性部材の周縁部が正極/負極活物質層の周縁部より広いことを満足するものであれば、特に制限されない。
また、導電性部材を集電箔上に設置する際には、導電性部材の体積抵抗率と正極/負極活物質層に対する導電性部材の設置面積割合が以下の式を満たすようにすることが好ましい。ここで、「導電性部材の設置面積」とは、単電池層を平面方向に投影した場合に、活物質層と導電性部材が重複する部分の面積を意味する。なお、正極活物質層と導電性部材の設置面積が異なる場合には、設置面積の大きい方を意図する。
Figure 2010157449
集電体の面方向において、導電性部材は集電箔よりも導電性が高いため、導電性部材に集中して電流が流れる可能性がある。これを防ぐには、上記の式を満たすように導電性部材を選択し、設置することができる。導電性部材の体積抵抗率が比較的大きい、いわば導電性が低い場合には、接触面積が広くても電流の集中は起こりにくい。一方で、導電性部材の体積抵抗率が小さい場合には、接触面積が小さい方が好ましい。上式は、この関係を典型的な樹脂材料を用いた例を基に明確にしたものである。この式を満たすことにより、高分子材料を含む集電箔を使用した電池性能が保たれ、集電体の温度上昇を防ぐこともできる。
図4は、導電性部材31を集電箔30の内部に配置する例を示している。図4(a)は斜視図であり、図4(b)は、図4(a)の4b−4b方向の断面図である。導電性部材31は、図4(a)および(b)に示すように、導電性部材31は2枚の集電箔30、30の間に設置してもよい。この場合には、正極側または負極側に限られず平均的な集電体内部の電圧値を計測することができる。
本実施の形態において導電性部材は、金属、導電性無機材料、または、金属若しくは導電性無機材料を含む高分子材料で形成されることが好ましい。より具体的には、金属としては、アルミニウム、SUS、銀、金、銅、チタン等の金属およびこれらの合金が挙げられる。また、アルミニウム粒子、SUS粒子、カーボン粒子、カーボンナノチューブ、銀粒子、金粒子、銅粒子、チタン粒子等を導電性フィラーとして含有する高分子材料を好ましく使用することができる。導電性部材として導電性フィラーを含有する高分子材料を選択する場合には、高分子材料として、上記集電箔に用いられる好ましい高分子材料を同様に使用することができる。集電体と同様の材料で導電性部材を形成することも可能であるが、発明の目的のために、導電性部材が集電箔よりも高い導電性を有するように適宜導電性フィラーの含有率を調整する必要がある。導電性部材は、後述するように体積抵抗率が10−3Ω・cm以下であればどのような材料も使用できるが、成形性や体積抵抗率の観点から金属が特に好ましい。
導電性部材の体積抵抗率は、10−6〜10−3Ω・cmが好ましい。電圧のモニタリングをするという本来の機能を果たすには、10−3Ω・cm以下の体積抵抗率を有していることが適当である。体積抵抗率が10−3Ω・cmを上回ると、電極全体のモニタリングに時間がかかってしまい、また、電極全体の動作状態を把握することが難しい場合があるからである。体積抵抗率の下限値には特に制限はないが、導電性の高い素材である金属の体積抵抗率が10−6Ω・cm程度であることから、実使用においては体積抵抗率が10−6Ω・cm以上であれば十分である。
次に集電体に導電性部材を設ける方法について説明する。導電性部材は、上述のように金属または導電性フィラーを含む高分子材料で形成される。金属の場合には、別途準備した金属箔を使用してもよいし、集電箔上に四角形のパターンをマスキングして蒸着してもよい。導電性フィラーを含む高分子材料を用いる場合には、これをフィルム状に形成し、そのまま使用できる。蒸着以外の場合には、成型した導電性部材を集電体に挟むか、集電体表面に設置する。
導電性部材を集電体の内部に設置する場合には、上記の集電箔を2枚で構成し、その間に上記のように作製した導電性部材を挟み込むことができる。または、導電性部材が内部に保持されるように、スラリー状の集電箔の材料を流し込んで硬化させてもよい。導電性部材を集電箔の表面に設置する場合には、集電体は1枚の集電箔で構成し、その表面に導電性部材を設置する。設置した導電性部材は、圧着してもよいし、接着剤を用いて固定してもよい。その後、この導電性部材上に、正極または負極活物質層を形成する。
双極型電極の導電性部材以外の構成については、特に制限はなく、従来公知の製造方法を適宜参照して製造することができる。
[活物質層]
集電体上には、電極となる活物質層が形成される。活物質層は、充放電反応の中心を担う活物質を含む層である。電極が正極として用いられる場合、活物質層は正極活物質を含む。一方、電極が負極として用いられる場合、活物質層は負極活物質を含む。
例えば、電池がリチウムイオン二次電池である場合には、リチウム−遷移金属複合酸化物が好ましく、正極活物質としては、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。
負極活物質としては、炭素材料が好ましい。炭素材料としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等の黒鉛系炭素材料(黒鉛)、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボン等が挙げられる。より好ましくは、天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛などの黒鉛である。天然黒鉛は、例えば鱗片状黒鉛、塊状黒鉛などが使用できる。人造黒鉛としては塊状黒鉛、気相成長黒鉛、鱗片状黒鉛、繊維状黒鉛が使用できる。これらのなかで、特に好ましい材料は、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛である。鱗片状黒鉛、塊状黒鉛を用いた場合、充填密度が高い等の理由で、特に有利である。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。
活物質の平均粒子径は特に制限されないが、好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは1〜50μmであり、さらに好ましくは1〜20μmである。ただし、これらの範囲を外れる形態もまた、採用されうる。なお、本願において活物質の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定(レーザ回折散乱法)により測定された値を採用するものとする。
また、活物質層における活物質の含有量は、好ましくは活物質層の合計質量に対して70〜98質量%であり、より好ましくは80〜98質量%である。活物質の含有量が前記範囲であれば、エネルギー密度を高くすることができるため好適である。
本実施の形態の電極において、活物質層の厚さ(塗布層の片面の厚さ)は、好ましくは、20〜500μmであり、より好ましくは20〜300μmであり、さらに好ましくは20〜150μmである。
活物質層にはその他の物質が含まれてもよく、例えば、バインダ、導電助剤、支持塩(リチウム塩)等が含まれうる。これらの成分の配合比は、特に限定されず、双極型電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
活物質層に含まれるバインダとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはこれらの混合物が挙げられる。
導電助剤とは、導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、黒鉛などのカーボン粉末や、気相成長炭素繊維(VGCF)などの種々の炭素繊維などが挙げられる。支持塩は、後述する電解質層に用いられるものと同様である。
[電解質層]
電解質層を構成する電解質としては、電解液を含む多孔性フィルムセパレータまたはゲル電解質が用いられうる。電解液は、有機溶媒に支持塩であるリチウム塩等が溶解した形態である。
有機溶媒は、支持塩を十分に溶解させ得るものであれば、いずれも使用できる。例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくともから1種類または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の可塑剤(有機溶媒)を用いたものなどが使用できる。これら有機溶媒は、単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
支持塩としては、従来公知のものが使用できる。具体例としては、Li(CSON(LiBETI)、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等が挙げられる。
また、セパレータの具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜が挙げられる。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、電解液が注入されてなる構成を有する。マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(VDF−HEP)の共重合体、ポリ(メチルメタクリレート(PMMA)およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系高分子には、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
[絶縁層]
絶縁層(シール部)は、双極型電池において、電池内で隣り合う集電体同士が接触したり、積層電極の端部の僅かな不ぞろいなどによる短絡が起こったりするのを防止するために単電池層の周辺部に配置されている。絶縁層を構成するシール材としては、絶縁性、固体電解質の脱落に対するシール性や外部からの水分の透湿に対するシール性(密封性)、電池動作温度下での耐熱性などを有するものであればよい。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリイミド樹脂、ゴムなどが用いられうる。なかでも、耐蝕性、耐薬品性、作り易さ(製膜性)、経済性などの観点から、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂が好ましい。
[タブ]
タブ(正極タブ、負極タブおよび導電性部材用のタブ)の材質は、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼、これらの合金などを用いることができる。これらは特に制限されず、タブとして従来用いられている公知の材質が用いられうる。
[電池外装材]
電池外装材としては、従来公知の金属缶ケースを用いることができるほか、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた発電要素を覆うことができる袋状のケースを用いることができる。該ラミネートフィルムには、例えば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロン(登録商標)をこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。 次に、図5および図6を参照して、本実施の形態における組電池および車両について説明する。
[組電池] 本実施の形態の組電池は、本実施の形態の双極型電池を複数個接続して構成した物である。詳しくは、少なくとも2つ以上を用いて、直列化あるいは並列化あるいはその両方で構成されるものである。直列、並列化することで容量および電圧を自由に調節することが可能になる。
図5は、本実施の形態に係る組電池の代表的な実施形態の外観図であって、図5Aは組電池の平面図であり、図5Bは組電池の正面図であり、図5Cは組電池の側面図である。
図5に示すように、本実施の形態に係る組電池300は、本実施の形態の双極型電池が複数、直列に又は並列に接続して装脱着可能な小型の組電池250を形成する。この装脱着可能な小型の組電池250をさらに複数、直列に又は並列に接続した組電池300であってもよい。作成した装脱着可能な小型の組電池250は、バスバーのような電気的な接続手段を用いて相互に接続し、この組電池250は接続治具310を用いて複数段積層される。
[車両]
本実施の形態の車両は、本実施の形態の双極型電池またはこれらを複数個組み合わせてなる組電池を搭載したことを特徴とするものである。本実施の形態の双極型電池またはこれを複数個組み合わせてなる組電池は、車両の駆動用電源として用いられる。
図6は、本実施の形態の組電池を搭載した車両の概念図である。図6に示したように、組電池300を電気自動車400のような車両に搭載するには、電気自動車400の車体中央部の座席下に搭載する。座席下に搭載すれば、車内空間およびトランクルームを広く取ることができるからである。なお、組電池300を搭載する場所は、座席下に限らず、後部トランクルームの下部でもよいし、車両前方のエンジンルームでも良い。以上のような組電池300を用いた電気自動車400は高い耐久性を有し、長期間使用しても十分な出力を提供しうる。さらに、燃費、走行性能に優れた電気自動車、ハイブリッド自動車を提供できる。本実施の形態の組電池を搭載した車両としては、図6に示すような電気自動車のほか、ハイブリッド自動車、燃料電池自動車などに幅広く適用できるものである。
上記説明した第1の実施の形態は、以下の効果を示す。
(a) 本実施の形態の双極型電極は、高分子材料を含む集電箔と、集電箔の導電性より高い導電性を有する導電性部材を備える。この導電性部材により、集電体の面方向の導電性を補う為信頼性の高い電池状態のモニタリングが可能になる。
(b) 導電性部材は集電箔上に配置されるか、または、2枚の集電箔間に配置される。集電箔上に配置する場合は、製造および位置決めが容易であり、負極側または正極側の電圧値を特に計測することができる。2枚の集電箔間に配置する場合は、電極全体の動作状態を偏りなくモニターすることができる。
(c) 導電性部材は、正極または負極活物質層外方に突出する電気的な接続部を有する。この接続部を電池外部のリード等と接続し、電圧値のモニターをするためである。
(d) 導電性部材の周縁部は、正極または負極活物質層よりも広く形成する。これにより、活物質層の塗布面の微小な一部も含め塗布面全体の電圧がモニターできる。
(e) 導電性部材は、導電性無機材料、または、金属もしくは導電性無機材料を含む高分子材料で形成される。したがって、集電箔よりも高い導電性を有する部材となる。
(f) 導電性部材の体積抵抗率は、10−6〜10−3Ω・cmとする。電極全体の電圧の効率的なモニタリングに好適なためである。
(g) 集電箔の体積抵抗率は、10−2〜10Ω・cmとする。集電箔として好適であり、厚み方向の電流集中を避けることができるためである。
(h) 導電性部材を集電箔と負極活物質層との間に設置する。積層された電極の外側の負極同士の電圧値をモニターすることが、電池の動作状態の評価に好適なためである。
(i) 本実施の形態の双極型電池は、本実施の形態の双極型電極が電解質層を介して積層されてなる。これにより、信頼性の高い電池状態のモニタリングが可能な双極型電池が提供できる。
(j) 本実施の形態の組電池は、本実施の形態の双極型電池で構成される。したがって、電池の電圧状態をモニタリングでき、信頼性の高い組電池となる。
(k) 本実施の形態の車両は、本実施の形態の双極型電池または組電池を駆動用電源として搭載する。電池の電圧状態をモニタリングでき、信頼性の高い車両となる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では導電性部材をフィルムに形成したが、本実施の形態では、ワイヤを加工して導電性部材を形成する。
図7は、本実施の形態の導電性部材31の形状の例を複数示している。図7に示すように、本実施の形態では、導電性部材31は、グリッド状、三角形の網目状、蜂の巣状、ジグザグ状、別のジグザグ状であり得る。電極の全面の動作状態を漏れなくモニターできるという観点から、ワイヤを加工してある程度密なパターンを形成して電極を覆う第2の実施形態も第1の実施形態同様に好ましい。
本実施の形態において、ワイヤでどの程度密なパターンを形成するかについては、これに限定されないが、一般的には次のような方法が考えられる。高分子材料を含む集電体(樹脂集電体)の平均的な厚みが50〜100μmであるので、双極型電池が動作する際には集電体の厚み方向にこの厚みを通るよう電流が流れる。このパスを評価するのと同程度の正確さで電極面を評価することを考えれば、導電性部材をワイヤを用いて四角形のグリッドの形状にした場合には、この厚み程度にグリッドの幅を形成する。すなわち、グリッドの四角形の一辺が50〜100μm程度であれば、電極全面をモニターするのに十分であると考えられる。ワイヤの太さや素材にもよるが、一般的な樹脂集電体の厚みを考慮すると、グリッドの幅が少なくとも100μm以下であれば、実使用には十分であると考えられる。
本実施の形態の導電性部材は、第1の実施の形態と同様に、その周縁部が正極活物質層または負極活物質層の周縁部よりも広くなるように形成することが好ましい。特に導電性部材は、少なくとも負極活物質層の周縁部より広く形成することが好ましい。例えば、導電性部材として一本のワイヤを正極/負極活物質層全面を囲むように設置しても、ワイヤで囲まれた部分が正極/負極活物質層全面を覆うことができ、かつ面積がより広くなっていれば、電極全体のモニターは可能になる。双極型電極をこのように形成することで正極/負極活物質層の塗布面全体の電圧のモニターができ、塗布面の微小な一部に不具合があった場合にも発見することができる。したがって、製品の歩留まりの向上が図れる。
図8は、本実施の形態において、ワイヤを加工した導電性部材の周縁部をどのように決定するかを示した図である。図8(a)では、周縁部33は、ワイヤを蜂の巣状に加工した導電性部材31の最も外側の頂点を結んでできる外周である。このように、ワイヤを加工した導電性部材の外縁で囲まれる面積、または、導電性部材の最も外側の頂点を結んでできる外周で囲まれる面積を「導電性部材専有面積(1)」と称する。図8(b)では、周縁部33は導電性部材31の最も外側の頂点を結んでできる外周から電気的な接続部を除いたものである。このように、導電性部材が電気的な接続部を有する場合には、当該接続部を除く導電性部材の外縁で囲まれる面積、または、当該接続部を除く導電性部材の最も外側の頂点を結んでできる外周で囲まれる面積を「導電性部材専有面積(2)」と称する。導電性部材の周縁部としては、電気的な接続部の大きさ等に応じて導電性部材専有面積(1)および(2)のいずれを用いてもよい。
本実施の形態においては、ワイヤを所望の形状に加工し、集電箔に設置することにより、従来公知の方法を適用して双極型電極を製造できる。また、その他導電性部材や集電体の詳細については、第1の実施の形態と同様である。なお、ワイヤの太さや幅などは必要に応じて適宜調整が可能である。
図9は、本実施の形態の変形例として、帯状のワイヤを加工した導電性部材31の例を示している。この場合は、電極の全面の動作状態を漏れなくモニターでき、かつ導電性部材31の表面積をより広く取れるため、電圧値をより正確にモニターでき好ましい。しかし、電流の面方向への集中を避けるため、上記第1の実施の形態で述べたように、集電箔および導電性部材の材料、厚み、体積抵抗率などを考慮し、個々の電池に適当となるように選択することが好ましい。なお、図9には三角形の網の目状のパターンを示したが、上記のようにグリッド状、蜂の巣状、ジグザグ状などその他の形状に形成してもよい。
以上のとおり、ワイヤで導電性部材を形成した態様を説明してきたが、本実施の形態では、ワイヤを加工する代わりに、上記のような形状の導電性部材をパターニングによって形成することもできる。この場合にも、これらに限定されないが、導電性部材をグリッド状、三角形の網目状、蜂の巣状、ジグザグ状となるようにパターニングすることができる。導電性部材のパターンについては、上記のように集電体および導電性部材の材料、厚み、体積抵抗率などを考慮し、個々の電池に適当となるように選択することが好ましい。
導電性部材の材料については、第1の実施の形態で説明したとおりである。導電性部材が金属の場合には、金属箔を加工しパターンを形成してもよいし、集電体上に適当なパターンをマスキングして蒸着してもよい。導電性フィラーを含む高分子材料を用いる場合には、フィルム状に形成し、適宜所望の形状に加工して使用する。蒸着以外の場合には、成型した導電性部材を集電体に挟むか、集電体表面に設置する。
上記説明した第2の実施の形態は以下の効果を示す。
(l)本実施の形態の双極型電極は、ワイヤの加工またはパターニングによって形成した導電性部材を備える。したがって、電極全面の電圧状態をモニタリングでき、かつ、集電体の面方向の電流の集中を避けることができる。
なお、これまで導電性部材の形状について代表的なものを説明したが、これらに限られず、導電性部材は連続したフィルムではなくフィルムに適宜穴を開けたものを使用してもよい。ワイヤを加工した導電性部材の場合には、別の幾何学形状のパターンを有するものであってもよいし、特に繰り返しのパターンを有していなくてもよい。
本発明の一実施の形態である双極型電池の全体構造を表わした断面図である。 本発明の一実施の形態における、集電箔と導電性部材との位置関係を説明するための図である。 導電性部材、負極活物質層および集電箔の大きさの関係を説明するための図である。 本発明の一実施の形態における、集電箔と導電性部材との別の位置関係を説明するための図である。 本発明の組電池の一実施形態の外観図であって、図5Aは平面図であり、図5Bは正面図であり、図5Cは側面図である。 本発明の組電池を搭載した車両の概念図である。 本発明の一実施の形態における導電性部材の形状例を示す図である。 (a)は、導電性部材の設置面積(1)を、(b)は、導電性部材の設置面積(2)を説明するための図である。 本発明の一実施の形態における導電性部材の別の形状例を示す図である。
符号の説明
10 双極型電池、
11、11a、11b 集電体、
12 正極活物質層、
13 負極活物質層、
14 双極型電極
14a 正極側電極
14b 負極側電極
15 電解質層、
16 単電池層、
17 発電要素、
18 正極タブ、
19 負極タブ、
22 電池外装材
23 絶縁層、
30 集電箔、
31 導電性部材、
32 接続部、
33 周縁部、
250 小型の組電池、
300 組電池、
310 接続治具、
400 電気自動車。

Claims (11)

  1. 集電体の一方の面に正極活物質層が形成され、かつ、他方の面に負極活物質層が形成されてなる双極型電極であって、
    前記集電体は高分子材料を含む集電箔と、前記集電箔の導電性より高い導電性を有する導電性部材とを有する双極型電極。
  2. 前記集電体は、集電箔上に導電性部材が配置されてなる、または、2枚の集電箔間に導電性部材が配置されてなる請求項1に記載の双極方電極。
  3. 前記導電性部材が正極活物質層または負極活物質層の外方に突出する電気的な接続部を有する請求項1または2に記載の双極型電極。
  4. 前記導電性部材の周縁部が負極活物質層の周縁部よりも広い請求項1または2に記載の双極型電極。
  5. 前記導電性部材が金属、導電性無機材料、または、金属若しくは導電性無機材料を含む高分子材料で形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の双極型電極。
  6. 前記導電性部材の体積抵抗率が、10−6〜10−3Ω・cmである請求項1〜5のいずれか一項に記載の双極型電極。
  7. 前記集電箔の体積抵抗率が、10−2〜10Ω・cmである請求項1〜6のいずれか一項に記載の双極型電極。
  8. 前記導電性部材が前記集電箔と前記負極活物質層との間に設置されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の双極型電極。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の双極型電極が電解質層を介して積層されてなる双極型電池。
  10. 請求項9の双極型電池が複数個接続された組電池。
  11. 請求項9に記載の双極型電池または請求項10に記載の組電池を駆動用電源として搭載した車両。
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